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文太の会 in 茶臼山・余一寄席

2006/1/31 @茶臼山舞台

  • 桂 文太 《開口 0 番: ギター弾き語り》
  • 桂 文太 「初天神」
  • 桂 文太 「胴斬り」
  • 林家 竹丸 「相撲場風景」
  • 桂 文太 「十三の渡し奇譚」

 昼間に突然、奥歯が欠け、歯医者に寄ってから会場へ。受付で木戸銭を払い、ついでに上方落語協会誌『んなあほな』第 5 号を購入。
 開演 15 分前にはお客さんも揃ってるようで、この日は 20 人強の入り。


 いつものように 10 分前に文太が登場し、ギターの弾き語り。この日は“茶臼山の歌”と、《文太の半生》と《薬》の“一から十”を。(薬の“一から十”には染雀の名前も)
 ええ感じにあったまってきたところで番組案内をし、一旦、降りる。

 再登場の文太は、娘のアルバイト話をマクラに「初天神」をサゲまで。飴を選んだりみたらし団子の蜜を舐めまわしたりの所作や、凧揚げの場面でのクスグリなど、見どころ満載。寅ちゃんも愛嬌いっぱい。
 つづけて文太、侍小咄をいくつか演って「胴斬り」へ。荒唐無稽な噺ですが、やや大人向けなクスグリを入れたりして、独自の工夫も。

 ゲストの竹丸は、正月の 新春林家一門顔見世興行 の映画の中で観ただけ。こう云っては失礼ですが、パッと見ぃ、地味で貧相で華がない。
 落語の方は、きっちり演るタイプ。ただ、観客を落語世界に運んでゆく技量に欠けます。とくに「相撲場風景」は地の文の語りが多い噺だけに、こっちが入り込めぬまま終わってしまった感じ。他人の会のゲストと云うこともあるのかもしれませんが、ネタの選択にも一考の余地がありそう。

 最後は文太の「十三の渡し奇譚」。男が終い船に乗ろうとしたところを女に呼び止められ、聞けば昔、身投げしようとしたところを助けられたと云う。そのときのお礼に、亭主に会ってほしいと家へ招かれると、乗ろうとした終い船が転覆したとの知らせが入り、男は一命をとりとめ安堵する。しかし男の自宅では男が溺れ死んだと思い込み、葬儀を始める。‥‥ ってな噺。
 初めて聴く噺なのにどっかで聴いたことがある気がして、調べてみると、どうも江戸落語の「佃祭」をベースにした《贋作》モノのようです。(思い起こせば、「佃祭」は NHK の『日本の話芸』で小遊三のを観たように記憶してます)
 死んだと思われた男の葬儀の場面では「くやみ」を盛り込んだり、上方らしくクスグリをちりばめた構成になっていました。


 落語 4 席+αで 2 時間弱と、かなりテンポ良く運んだ会でした。
 文太さんは派手さこそありませんが、しっかりした演出を落ち着いた高座で提供してくれるんで、観ていて安心感がありますね。ちょっとハマりそうです。

 気分良く帰ってたんですが、駅に着く直前に会場へ傘を忘れてきたことに気付き、引き返すハメに。最後にガックリですわ‥‥

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お笑いまん我道場 大阪編

2006/1/30 @上方亭

  • 桂 佐ん吉 「池田の猪買い」
  • 桂 まん我 「始末の極意」
  • 笑福亭 たま 「子はかすがい
  • 桂 まん我 「野崎詣り」


 密航用の高速バスのチケットを手配し、会場へ。ちょっと早めに行ったんですが、18 時半開場が 45 分に変更されてて、えらい待たされました。
 この会、って云うか、まん我さんの会は初めてで様子がわからんかったんですが、入りは 40 人弱。ゆったり座れてええ感じの満席具合です。


 佐ん吉は開口一番、「お笑いまん我ジョウドウの開演です」って、そないに気負わんでも。‥‥
 出だしはコケましたが、「池田の猪買い」を教えられたとおりきっちり最後まで。ただ、時間を気にしてか、徐々に加速して高速ヴァージョンに。それでも 20 分以上になってましたから、あれなら途中で切ってでもゆったり演った方がええのんと違うかな?

 まん我の 1 席目は、まずお詫びから。当日料金 1,700 円のところを、受付の雀五郎に 1,800 円と伝えていたんで、返金します、とのこと。余興でのポカの話なんかをマクラに「始末の極意」へ。
 自分の会と云うこともあってか、のびのびとした高座。顔は雀々似ですが、芸風は超スタンダード。「始末」は好きな噺で、かなり楽しめました。

 たまはマクラで、まん我がたまをゲストに呼んだ真の理由を分析。まん我に負けないために(?)と「くっしゃみ講釈」への変更も断られ、しぶしぶ(?)「子はかすがい」を。
 噺の方は、つっかえる場面が目立つ感じ。それでも以前とは違う演出やクスグリが入ってたり、新味も見受けられました。

 まん我の 2 席目は「野崎詣り」。最近ちょうど CD で春団治のを聴いてただけに、興味深く観られました。
 春団治は登場人物の気性の対比・コントラストが強いんですが、まん我はみんな根はやわらかい性格のよう。これは演者のニンに依るところが大きいと思います。
 春団治は野崎詣りの粋なところに、まん我は喧嘩のできん喜ぃ公のキャラクターに、それぞれスポットが当たってる感じでしょうか。


 ちょうど 2 時間くらい。帰りに 100 円返してもらいました。ちょっと得した気分。
 期待したとおり、リラックスしたまん我さんはやっぱりおもしろかったです。

桂まん我応援サイト
らくごの玉手箱

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よね吉の誓願寺落語勉強会

2006/1/29 @誓願寺

  • 桂 二乗 「七度狐」
  • 桂 よね吉 「仔猫」
  • 桂 あさ吉 「つる」
  • 桂 よね吉 「七段目」


 京都での落語会はかなりひさしぶり。
 京都駅や河原町近辺をブラブラしましたが、心なしか大阪よりも品があるように感じるのは気のせい?

 日曜の、日が傾き始める 16 時開演と云う、なんとも微妙な時間帯。
 ちゃんと数えてませんが、入りは 60 人以上、ひょっとすると 80 人くらい入ってたかも。それでも会場が 50 畳ほどの広さがありますから、ゆったり座れました。
 特徴的なのは、女性客、とりわけ若い女性が多いこと。なんとなく客席も華やかです。


 開口一番の二乗。初めて観ましたが、どっかで見たことあるなぁと思ったら、顔も声も 山西惇 にそっくり。
 よね吉との岡山遠征をマクラに、旅ネタ「七度狐」を。噺はしっかり入ってますし、所作もきっちりしてます。時間制限がなかったようで、落ち着いてたっぷり演られてました。今後が楽しみ。

 よね吉の 1 席目は「テンション低いんで、お客さんも一緒に盛り上げていきましょう」と無理ムリ声を張りつつ、マクラをたっぷり。まずは正月、某寺へ除夜の鐘を打ちに行くも、1 時までのはずが 12 時 50 分には終わっていて、無下に断られたこと。つづいて高専時代、サバイバル・ナイフを飛行機に持ち込もうとしてハイジャックと間違われたこと。ここまでで約 30 分。
 落語の方は、ひさしぶりと云う「仔猫」。おもいっきり笑ってくれと云うわりに怖い噺を持ってくるのはいかがなものかと思いますが、出来自体は良かったんで満足。ただ、「猫をかぶる」の前振りが取って付けたようで、もうちょっと前後をすっきりさせるか、いっそ触れない方が良いようにも思います。

 替わって、あさ吉。米朝、勘三郎、玉三郎、団十郎、あさ吉のメンツで白木屋へ飲みに行った夢の話をマクラに、夢とはぜんぜん関係ない「つる」を。
 所作の怪しいところもあるんですけど、クビナガドリがツルと呼ばれるようになった因縁をおさまって語る喜ぃ公(?)の人柄があさ吉のニンにピッタリ。あぁ、おもしろかった。

 よね吉の 2 席目は「厄払い」を予定してたそうですが、正月に大阪松竹座に通いつめたこともあって、稽古をしてても口上が芝居口調になってしまうとのことで、それなら得意の芝居噺「七段目」を、と。これに観客も拍手で歓迎。
 芝居の真似をする場面などは師匠よりもややクサい感じですが、それがまたビジュアル的なおもしろさにもつながって良い効果に。ただ、時間を気にしてか、全体的に走り気味でうわついた印象だったのが残念。とくにこの噺はたっぷり感がほしいところですから、じっくり演ってほしかったです。


 落語 4 席を中入りなしで 2 時間 15 分。勉強会とは云えどれもおもしろかったですし、ひさしぶりのあさ吉落語も堪能できて、会場の雰囲気も良く、満足度の高い会でした。
 もちろんよね吉さんの高座も良かったですよ。上では問題点も指摘してますが、それはほん些細なことで、十分楽しませていただきました。わざわざ京都まで行った甲斐がありました。

よね吉亭
桂あさ吉@ブログ

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エレベーター企画 『幽閉』

2006/1/28 @アリス零番舘-IST

原作: アメリー・ノトン
演出: 外輪能隆
出演: 土本ひろき、後藤七重、三枝奈都紀

 孤島で暮らす男・オメールのもとに赴いたフランソワーズは、その島に幽閉されている少女・アゼルの看護を任される。爆撃で顔をひどく負傷したアゼルは、オメールに養護されているという。不審に思ったフランソワーズは、アゼルを救い出そうとする。‥‥

 上手側に白い蚊帳状の薄い布で覆われた空間。下手側に 3 m 四方で高さ 30 cm の台。舞台後方にはスクリーン。

 今回は言葉と音韻の分離が演出テーマだったそうで、登場人物が意味不明な声を発したときは、後方スクリーンにその部分の字幕が映し出されると云う趣向。
 とくにアゼルは終盤まで意味不明音を発しているんですが、これが彼女をつなぎ止めている鎖のような効果になっていたと思います。
 舞台美術は衣装も含めて全体にモノクロのトーンでまとめられていて、原作が海外物だったってのもあったかもしれませんが、ひさしぶりに耽美的雰囲気。そのなかで、深紅の部屋を表わした照明が印象的でした。
 ふたつの結末を、続けて上演。どちらも重苦しい。

 終演後、外輪能隆とサカイヒロト(WI'RE)によるアフター・トーク・ショウ。原作を読んだと云うサカイ氏と、演出談義。外輪氏は観客の感想も聞きたそうでしたが、別に進行役を立ててふたりへの質問形式で進めるとか、観客も参加できる雰囲気づくりが必要かも。(実際、私も話してみたかったんですが、きっかけが)


 階段状の客席に 60 人以上。用意した座席では足りず、階段に直に座らされていた観客もいましたから、超満員と云って良いと思います。
 アフター・トーク・ショウにも約半数は残られてました。こう云う制作側の演出論・演劇論を直接聞ける機会・企画ってなかなかないんで、今後も続けてほしいです。

 独特の静かな雰囲気で、エレ企らしさを堪能。

エレベーター企画
WI'RE

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つくしんぼ落語会

2006/1/24 @上方亭

  • 笑福亭 呂竹 「犬の目」
  • 桂 つく枝 「池田の猪買い」
  • 林家 染雀 「雁風呂」
    ―― 中入り ――
  • 桂 つく枝 「悋気の独楽」


 寒い〜い〜い〜いぃ。

 この日はブラックさんの毒演会とバッティングしてたんですが、染雀さん観たさにつくしんぼをチョイス。(いや、もちろんつく枝さんも観たかったんですよ)
 とりあえず TORII HALL に寄って、ブラックさんの 3 枚目の CD を購入。この日の毒演会のお客さんにはおみやげに付いてくるんですが、一応初回限定のようなんで、買えるうちに。

 ジュンク堂をブラブラして、開場になった頃を見計らって会場入りすると、すでにいっぱいの入り。なんとか観やすい位置に座れたんですが、その後も続々とお客さんが詰めかけ、会場入口も開放して、普段は受付に使ってるスペースも椅子席に。パンフレットが足りなくなったそうですから、おそらく 60 人以上は入ってたと思います。


 開口一番の呂竹は、坊主頭のワケをマクラに「犬の目」を。
 目玉を抜いたり入れたりの所作がおもしろい。目玉を逆さまに入れられたときには白目をむくと云う、理にかなった(?)演出。(ちょっと気持ち悪い)
 ネタはきっちり入ってましたし、楽しい高座でした。目玉がふやけるくだりはありませんでしたが、時間の都合かも。

 つく枝にはさまれた染雀は、マクラでつく枝いじり。曰く「えびす顔の悪魔」だそうで。
 「雁風呂」は講談の「黄門と淀辰」と似たような噺。笑いどころは少ないながらも、そこは落語らしいクスグリが入ります。
 おもしろかったんですが、微妙に次の句に詰まってるような間があったり、カミシモを大きく振りすぎな感じだったり、ちょっと気になりました。

 つく枝は、まず「池田の猪買い」。所どころ間違いや抜けもあったんですが、流れの自然さを崩さず乗り切った感じ。猪肉を買いに行く男以外がみんなイラチなんが特筆もの。
 「悋気の独楽」は、師匠の文枝の運転手をしていた頃のことと重なるそう。御寮さんの悋気の具合や、万年筆にこだわる定吉もおもしろかったんですが、お竹のキャラクターが秀逸。おばはん系のキャラはつく枝のニンに合ってますね。


 この日はどれもおもしろかったんですが、期待が大きかったこともあってか、染雀さんとつく枝さんの「猪買い」の仕上がりはちょっと気になりました。それでも会全体としての満足度は高かったです。

桂つく枝の満腹日記

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An Evening With... DREAM THEATER - Octavarium World Tour 2005/2006

2006/1/15 @NHK 大阪ホール

 初めて NHK 大阪ホールに行きましたが、さすがに新しい建物だけに綺麗。開場時刻は過ぎてたんで、エスカレーターで会場まで上り、スムーズに入場。会場スタッフはみんな黒っぽいスーツで、ハイソな雰囲気。
 グッズ売り場が比較的空いてたんで、フラフラッと覗きに行き、8 角形迷路 T シャツとパンフレットを購入。コンサートでパンフなんて買うのひさしぶり。まぁ初日の印象が良かったのと、バンドの 20 周年記念ってことで。
 客席をのぞくと、これがまた豪華な感じ。1 階席はどこからでも観やすそう。私の席は左側の高台部分の最前列で、座っても観られる席でした。1 階は満席。2 階は見えませんが、前の方には人がいました。


 ショウは 15 分押しでスタート。初日同様、映画『時計じかけのオレンジ』のメイン・テーマから『TRAIN OF THOUGHT』アルバムのエンディングへ。違ったのは、ステージ後方に『OCTAVARIUM』アルバムのバック・ドロップと、その左右にスクリーンがあること。やっぱり初日は機材トラブルだったようです。このオープニングの演出ですから、1 曲目は“The Root Of All Evil”。これは初日同様でしたが、つづいて初日には演らなかった“Never Enough”。
 このあと中央にもう 1 枚スクリーンが降りてきて、最新アルバムのジャケットから年代をさかのぼり、アルバムをさかのぼり、「1985」で止まったところで『MAJESTY』の表記。DREAM THEATER の前身、MAJESTY の“Another Won”で 20 周年を祝うと云う趣向。
 その後も初日とかぶらぬ選曲でしたが、とにかく感動したのがキーボード・ソロを導入に始まった“The Sprit Carries On”。これ、演ってほしかったんですよ。前半のラストを飾るにふさわしい演出で、感無量。

 後半はロック・クラシック・カヴァーってことで、この日は DEEP PURPLE の『MADE IN JAPAN』アルバムの完奏でした。今回のツアーでは PINK FLOYD の『DARK SIDE OF THE MOON』アルバムを演ってることが多くて、そっちの方は一応予習しといたんですが、ライヴ盤ってとこが意表を突いてます。
 もちろん、左右のスクリーンには DREAM THEATER ヴァージョンの『MADE IN JAPAN』アルバムのジャケットが。ジェイムズ・ラブリエ(Vo)も、黒っぽい衣装からデニムっぽい上下に着替えてイアン・ギラン風に。途中には『MACHINE HEAD』アルバムの DREAM THEATER ヴァージョンのジャケットも。
 演奏的には、やはり DREAM THEATER チックに。ただ、“Smoke On The Water”の出だしの間違い(?)だとか、曲間の MC だとか、こまかいところまで再現してました。マニア!
 個人的に DEEP PURPLE にはあまり関心がないんですが、内容的には良かったと思いますし、十分楽しめました。会場もそこそこ盛り上がってましたね。

 本編が終了してほどなくジョーダン・ルーデス(Key)が再登場し、ちょっとしたソロから始まったのが 2nd アルバムからの“Wait For Sleep”、そしてそのままアルバムどおりの流れで“Learning To Live”へ。さすがに 2nd アルバムからの曲は盛り上がりますね。私もこの展開には圧倒されました。
 会場の盛り上がりも最高潮に達し、大満足の終演となりました。


 この日はトータル 3 時間強。フル・スケールのショウでした。
 今回も大阪 2 days の参戦となりましたが、とくにジェイムズ・ラブリエの喉の調子がかなり良かったんで、満足度は非常に高いです。ただ、ジョン・マイアング(B)の弾き出すフレーズも印象的なものが多いんで、ベースの音はもうちょっと大きくても良いと思います。
 今回はオープニングの 1 曲目をのぞくとまったくかぶることのないセット・リストだったんで、そこらも DREAM THEATER のスゴいとこだなぁと再認識。行ける範囲で密航しても良かったかも。


  1. The Root Of All Evil
  2. Never Enough
  3. Another Won
  4. Just Let Me Breath
  5. Lie
  6. Raise The Knife
  7. The Sprit Carries On

  8. Highway Star
  9. Child In Time
  10. Smoke On The Water
  11. The Mule
  12. Strange Kind Of Woman
  13. Lazy
  14. Space Truckin'

  15. Wait For Sleep
  16. Learning To Live

DREAM THEATER

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たまのチャレンジ道場

2006/1/10 @茶臼山舞台

  • 笑福亭 たま 《名作をあなたへ 〜 小川洋子 『博士の愛した数式』 〜》
  • 林家 市楼 「牛ほめ」
  • 笑福亭 たま 「与太郎」 (作:たまよね)
  • 桂 吉弥 「親子酒」
  • 笑福亭 たま 「兵庫船」


 チケットぴあで『月影十番勝負』のチケットを購入し、開場までミスタードーナツで時間つぶし。ひさしぶりに食べたシュガーレイズドはなかなかでしたが、総じて飲み物が高い。
 会場へ行くと、開場待ちのお客さんが数人。この日は続々と詰めかけ、約 30 人の大入り。


 まずはたま、ひさびさの《名作をあなたへ》では、最近のベスト・セラー『博士の愛した数式』を紹介。事故の後遺症で 80 分しか記憶できなくなった数学者と、彼の世話をする家政婦との話。
 市原悦子の『家政婦は見た!』ネタなんかも入ってましたが、いわゆる「ええ話」なんで、笑いへの転換がむずかしかったのかも。作品中のトピックスを紹介するにとどまった感じでした。

 市楼の「牛ほめ」は、前座だからか牛をほめるくだりを完全削除。サゲは、池田のおっさんの「倅が会社の帳簿に穴開けてしもて‥‥」の嘆きに、男が「その穴に秋葉はんの御札、貼っときなはれ」。
 とにかく普請をほめに行く男のキャラクターが秀逸。露骨に懐をのぞき込んでるし、おもいっきり横柄やし。存分に笑わせてもらいました。

 吉弥はマクラでドラマ『新撰組!』絡みのネタを。このあたりの全国区ネタは引きが強いんで、大きな財産になると思います。
 「親子酒」は、あたりまえでしょうが、師匠・吉朝の完全コピー。出来自体は良かったと思いますが、師匠のをそのまま飲み込んだ感じで、消化しきれていない印象が見え隠れ。吉弥なりの演出もほしいところ。
 観客の笑いが少なかったのは、たまファンは「禁酒関所」や「替わり目」で強烈な酔っ払いを観てるからでしょう。それを抜きにしても、うどん屋と絡む息子の方はもっと酔っ払ってる方が自然な気がします。
 繰り返しになりますが、出来自体は良かったですよ。

 たまの落語は、まず擬古典の「与太郎」。村いちばんのアホの与太郎、じつは‥‥って噺。全体に整理された感じで、聴きやすくなってました。舞台が狭いとサゲの効果が弱まるように感じました。場所を選ぶ噺か!?!?
 最後に古典の「兵庫船」は「おもいっきりクサく演ります」ってことでしたが、たしかに古典コテンした演出。ただ、そんななかにもたま的演出が入ってて、おもしろい。船に乗ってからの出身地を訊く場面はカットし、謎掛けの場面は短縮・再構成されてました。この噺も、演りようによってかなりおもしろくなるんですね。


 終演後、お客さんからたまさんの誕生日を祝うケーキの差し入れが。本人、かなり照れながらもローソクを吹き消し、お客さんに切り分けてました。

 中入りがなかったこともあって、2 時間弱でサクサクッと進んだ印象。そのわりには中身の濃い、かなり満足度の高い会でした。
 たまさん、市楼さんの派手めな演出のふたりに挟まれて、師匠ゆずりのあっさり系演出の吉弥さんが割りを食らった感じでした。ほんと、出来は良かったんで、なんでウケんのか不思議でした。

らくごの玉手箱

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怪談と妖怪講座

2006/1/8 @上方亭

  • 旭堂 南湖 『寛政力士伝』より「雷電の初相撲」
  • 亀井 澄夫 《妖怪講座》
  • 南湖、亀井 《対談》
    ―― 中入り ――
  • 旭堂 南湖 『怪談 小夜衣草紙』より「蛤の吸物」


 数日前に南湖さんから緊急告知メールが来ました。

チケットが全然売れておりません。
このままいくと、公開録音なのに、スタジオ録音のように静かな客席。

 この日の高座がムック本『妖怪新聞(2)』の付録 CD 用に録音されるんですけど、さびしい客入りになりそうだと云うんで、応援に行ってきました。
 この会、あきらかに宣伝不足だったと思います。が、直前の嘆願メールが功を奏したのか、25 人近い入り。まずまずじゃないでしょうか。


 まずは南湖が登場。録音用に拍手の練習をしたあと、古典講談を一席。
 「相撲が始まりましたが‥‥」と始まった「雷電の初相撲」は、田舎から出てきた男が関取になる話。登場人物も少なくて初めてでもわかりやすく、取組の描写がコミカルでおもしろかったです。

 替わってゲストの亀井澄夫(日本妖怪研究所)氏による妖怪講座。妖怪と幽霊の違いや、怪談「牡丹灯籠」ゆかりの地をたずねた話などを、スライド(を録画したビデオ)を使って解説。なかなかおもしろかったです。
 この手のスライド芸はやはりスライドならではのテンポが命だと思いますんで、ビデオでは間延びしますね。スライドが使えないところでは iPod あたりを使うとかの工夫が必要でしょう。

 つづいて南湖と亀井氏による対談。観客からの質問もあったり、なかなか充実したコーナーに。
 このなかで、子泣きじじいの地元・徳島での認知度が低いことなどが話題になりましたが、事実、 徳島に子泣きじじいの伝承はなかった そうですよ。

 中入りをはさんで、いよいよ公開録音。万雷の拍手のなか登場した南湖は『怪談 小夜衣草紙』より「蛤の吸物」を。結婚を機に縁を切られた遊女が自殺し、婚礼の邪魔をしに化けて出る、と云う話。
 怪談ながら、そこは上方講談、笑いどころが多い。それでも南湖の語りでグッと迫ってくる恐怖感に、思わず声を漏らすお客さんも。


 この日の講談は 2 席ともわかりやすく、それぞれが色合いも異なったもので、かなり楽しめました。妖怪講座もおもしろかったですし、一般に向けてもっと宣伝しても良かったように思います。

正直南湖

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新春 林家一門顔見世興行

2006/1/8 @ワッハホール

【第一部】 落語
  • 林家 染太 「時うどん」
  • 林家 染二 「寝床」
  • 林家 小染 「ためし酒」
  • 林家 染丸 「蛸芝居」
    ―― 中入り ――
【第二部】 らくご MOVIE
  • 『まんじゅう KOWAI』 監督・脚本・演出・撮影・編集 林家染丸


 これまで林家一門と云うと染二さんくらいしか興味なかったんですが、年末年始で染雀さんに魅了され、その師匠の染丸さんにも興味が出てきたんで、一門会へ行ってみることに。
 開場直後に会場入りしましたが、すでにいっぱいの入り。通路に補助席も出る盛況ぶりで、一定以上のファンがいることを実感させられます。


 この日は二部構成で、第一部が落語、第二部が映画となっています。まずは落語の部。

 染太の「時うどん」で幕開き。二人バージョンでしたが、翌日に行ったうどん屋も美味かったり、所どころ違ってたりも。
 染太は、所作はこまかいんですが、そのわりには深ザル(うどんデポ)から丼鉢へうどんを移すのが適当で、気になる。全体の演出はとにかく過剰でマンガみたい。子どもにはわかりやすくておもしろいと思いますけど、好き嫌いが分かれるところでしょうね。

 染二はマクラで「下手な浄瑠璃で“どんぐりころころ”を唸ったら」で盛り上がって「寝床」へ。時間の都合で、浄瑠璃の会に誰も来ないことを知って旦那がキレるところまで。
 いつもながらテンションが高い。とくに最後の旦那のキレ具合なんか、そのまま染二自身が卒倒するんやないかと思ってしまうくらいです。おもろいわぁ。

 小染は「ためし酒」で飲みまくり。酒を 1 升呑むごとに酔っ払ってくる権助の様子はお見事。単調な噺ながら飽きさせずに観させる技量はさすがです。

 染丸はマクラで第二部の映画制作について。カメラのトラブルもあって、完成したのはこの日の朝 5 時だったとか。監督はもとより、脚本から撮影、パソコンでの編集にいたるまで、すべてを染丸自身がおこなったとのこと。スゴいですねぇ。
 落語の方は「蛸芝居」を、ハメ物も入ってにぎやかに。得意演目だけに安定感も抜群。とにかく所作が丁寧です。
 この噺、吉朝は染丸に付けてもらったんでしょうか? どうしても吉朝のと比べてしまうんですけど、吉朝の方がタコと旦那の絡みや、こまかい描写や説明なんかが増えてますね。

 中入りをはさんで、染雀の案内で始まった映画『まんじゅう KOWAI』。マンションに入ってきたヤクザをなんとか追い出せないものかと町内会で相談し、こわいものを送りつけて嫌がらせしてやることに決定する、ってなストーリー。もちろん落語「饅頭こわい」を下敷きにしてるわけです。
 林家一門はもとより、友情出演のつく枝と三金(ともに甘党のヤクザ)もええ味出してます。「船弁慶」の焼き豆腐のくだりが出てきたり、雀リーヌ染奴が登場したりと、なんでもありの 35 分でした。

 終演後、林家一門総登場に加え、友情出演のつく枝と三金、遊びに来ていた酒井くにお・とおるのご両人も登場。ひとしきり盛り上がり、染丸の「今年もよろしくお願いします」で幕。最後に大阪締めくらいやっても良かったかも。


 正直、これまで林家一門って地味な印象だったんですけど、なかなか良いですね。年始の企画としてもにぎやかで楽しめました。
 とくに染丸さんは安定感抜群ですね。染二さん、染雀さんも要チェック。

染丸@WEB

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An Evening With... DREAM THEATER - Octavarium World Tour 2005/2006

2006/1/7 @グランキューブ大阪メインホール

電光掲示板

 8th アルバム『OCTAVARIUM』を引っさげて、待望の DREAM THEATER 来日公演です。大阪は日本公演の初日、しかも土曜日と云うこともあって、遠方からも来られていたようです。

 この日は 16:15 開場(中途半端)でしたから、16:30 頃に到着するよう JR「大阪」駅からリーガロイヤルホテル(大阪)のシャトル・バス(無料)に乗って会場へ。エレベーターでグランキューブ大阪の 5F へ上がると、エントランスは入場列であふれかえってます。なんで?
 ひとりだったんでコソコソッと前の方に潜り込み、入口で上の写真をパチリ。そのまま会場入りすると「入場はロビーまでとなっております」とのアナウンス。どうも準備が遅れている模様。とりあえずグッズ売り場で長袖 T シャツ(5,000 円)を購入。
 その後も客はどんどん入場してきますが開場されず、ロビーはグッズ売り場を中心に大混雑です。結局、16:15 開場の 17:00 開演は遅れに遅れ、17:15 開場の 17:45 開演となりました。


 会場に流れていた曲が止み、暗転とともに流れてきたのは映画『時計じかけのオレンジ』のタイトル曲。そして前アルバム『TRAIN OF THOUGHT』のエンディングからピアノの単音が鳴り響き、アルバム『OCTAVARIUM』のオープニング・トラック“The Root Of All Evil”がスタート!
 音量が大きすぎて音が割れると云うこともなく、各ソロ・パートではそれぞれの音が聴き取りやすく、のっけからサウンド・バランス良好。(ドラムスのみ、やや音が平板に感じられましたが、数曲で解消。耳が慣れた!?!?)
 続けて“Panic Attack”を演ったあと、1st アルバムから順に 1 曲ずつ演奏。“Under A Glass Moon”を演ったあとにジェイムズ・ラブリエ(Vo)が「各アルバムから 1 曲ずつ演りますよ。つぎは『AWAKE』から」みたいに云ってました。これはなかなかおもしろい演出。さすがに“Six Degrees Of Inner Turbulence”は途中からでしたが、それでもドラマチックで圧巻。アルバムどおり最後に銅鑼が入って休憩タイム。

 休憩中に“A Mind Beside Itself”をアコースティック・ギター&女性ヴォーカルでカヴァーしたのが流れてました。調べたところ、演奏は PIPO & ELO のおふたり。これ、なかなか良いですよ。“Voices”は私も好きな曲なんで、かなり好感触。 こちら でいろいろ聴けますので、お試しを。

 前半のエンディングの SE が流れてきて、こうなると後半のスタートはもちろん『Train Of Thought』のオープニング・トラック“As I Am”です。このあたりの演出はニクい!
 その後は新譜から 4 曲演って本編終了。最後の“Octavarium”はやっぱりスゴかったです。個人的には、曲としてはそれほど魅力的とは思えないんですけど、やっぱりあれだけの曲をガッチリ演られると圧倒されます。

 ほどなくアンコールで“Pull Me Under”と“Metropolis Pt.1”をメドレーで。やっぱり 2nd からの曲は盛り上がりますねぇ。
 終演後は映画『時計じかけのオレンジ』から“Singin' In The Rain”が流れてました。


 終演は 20:20 で、トータル 2 時間半強と、最近の DREAM THEATER にしては短め。これ、時間が押してアンコール予定曲から 2〜3 曲削られたような気がするんですが。‥‥
 まぁ、いつもいちばん心配なラブリエのヴォーカルは安定してましたし、他のメンバーの演奏は云わずもがなで、なにはともあれ大満足。ギターのトラブルが時々あったようですが、私はあんまり気になりませんでした。

 バック・ドロップや映像の類の演出は、今回はまったくなし。音楽のみでこれまでの、そしていまの DREAM THEATER を提示されたようで、感慨深い演出だったと思います。(単純に映像系の準備が間に合わなかったからだったりして‥‥)

 フル・アルバムが 8 枚ともなると、あれも演ってない、これも演ってない、となりますが、そのあたりは仕方ないですね。DREAM THEATER は日毎にセット・リストを変えてくるんで、どうしてもってファンはツアーを追いかけることになるでしょう。
 個人的には『METROPOLIS PT.2: SCENES FROM A MEMORY』から“The Spirit Carries On”を期待してたんですが、これは追加公演に持ち越しとなりました。


  1. The Root Of All Evil
  2. Panic Attack
  3. After Life
  4. Under A Glass Moon
  5. Caught In A Web
  6. Peruvian Skies
  7. Strange Deja Vu
  8. Six Degrees Of Inner Turbulence
    1. Solitary Shell
    2. About To Crash (Reprise)
    3. Losing Time/Grand Finale

  9. As I Am
  10. These Walls
  11. I Walk Beside You
  12. Sacrificed Sons
  13. Octavarium

  14. Pull Me Under - Metropolis Pt.1

DREAM THEATER

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ハッスル・マニア 2005

2005/11/3 @横浜アリーナ

‥‥の地上波テレビ放送が 12/18 にあって、その録画をきのう観ました。HG と和泉元彌が参戦とあって一般メディアへの露出も多く、話題としてはかなり遅いんですけど、チと感想など。詳細は こちら をご参照ください。

 まず、いきなり出てきた《ハッスル・マドンナ》こと 青木裕子 ! まだ芸能活動してたってことに衝撃を受けました。
 グラビアが嫌でアーティスト(歌手)になったってとこくらいからチェックしてませんでしたが、その後に パチンコ番組に出まくる ってのは本人的には OK なんでしょうか? グラビアじゃなけりゃ無問題?

 女子の試合がなかなか。「女子だから」って理由でカードをうしろに持って行けないんでしょうけど、その偏見がなければ内容的にはかなり楽しめると思います。

 逆に長州力はあかんなぁ。ラリアットの威力はわかるんですけど、それは新日本のストロング・スタイルであって、ハッスル的にはもうちょっとプラスαが必要でしょう。
 タッグ・パートナーの藤原喜明も、なんかもったいない使い方。ピンか別のパートナーならまだまだ光る素材だと思います。

 注目度抜群だった和泉元彌ですが、全体の流れとしてはかなりグッド!
 ワイドショーでは空中元彌チョップのシーンばかり使われてましたが、鈴木健想の攻撃をかなり受けてましたし、受け中心ながらよくあそこまで試合を組み立てたなと思います。

 で、やっぱり HG です。学生プロレス出身だけあって、ドロップキックのフォームも鮮やか。インリン様との絡み具合もバッチリ。漫才師ですからマイク・パフォーマンスもお手の物。ハッスルにもっとも必要な人材でしょう。あと半年は使えるハズ。

 会場で観てたらかなり楽しめたと思います。ただ、現場は間延びしてたんじゃないでしょうか? WWE はあれを生放送で演ってるわけですから、継続するならそこらあたりが課題でしょうね。

ハッスル

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米朝一門会 (二日目)

2006/1/3 @ヒルトン大阪(桜の間)

  • 桂 まん我 「寄合酒」
  • 桂 すずめ 「桃太郎」
  • 桂 雀松 「替わり目」
  • 桂 米朝 「厄払い」
    ―― 中入り ――
  • 桂 ざこば 「肝つぶし」
  • 桂 南光 「花筏」


 正月恒例の米朝一門会は、会場を建て替え中のサンケイホールからヒルトン大阪に移して。おかげでチケットが 5,000 円に高騰。(立ち見が 4,000 円で出てましたが)
 初日は親戚の寄り合いがあるんで、二日目に。入りは満員の 1,100 人強。チケット代を考えると、やっぱり米朝ブランドはスゴいです。


 開口一番はまん我。米朝の曾孫弟子ってことを一門手拭いで紹介し、「寄合酒」に入ったあたりまでは快調だったんですが、大舞台で緊張したか、酒の肴を持ち寄る場面でトチリが重なりグダグダに。後半はなんとか持ち直すも、高座から緊張感が伝わってきて、落ち着いて観てられませんでした。残念。

 つづくすずめは「落語はご無沙汰で」とは云うものの、やはり舞台度胸が据わってます。ややテンポの悪い「桃太郎」でしたが、昔話を聞かせるのを母親に置き換え、観客をすずめワールドに引きずり込んだ感じ。

 雀松の「替わり目」は、うどん屋が出てくる手前まで。あいかわらずのかわいらしい酔っ払い。
 個人的にはもう少し酔っ払って正体不明度を上げてほしいんですけど、あのかわいらしさが雀松のニンなんでしょうね。

 米朝はいつものように自虐的マクラを振ってから「厄払い」へ。この日はハラハラさせられる場面もあまりなく、全体的に枝葉を落としたようであっさりしてましたが、まずまずの出来。サゲは「降る(鶴)は千年、雨(亀)は万年」でおしまい。
 毎回これくらいの出来だとうれしいんですが。初日も同じ噺だったようで、どんな感じだったか気になるところです。

 中入りをはさんで、ざこばは戌年にちなみ、自宅で飼ってるトイプードルの喜六のことを話したあと、いきなり「肝つぶし」へ。
 この噺は吉朝の印象が強いんですが、ざこばもなかなか。とくに前半の見舞いの場面は良かったと思います。ただ、後半の寝てる妹に出刃包丁を振り上げる場面では、タメが足らんと云うか、迷いが感じられんと云うか、もうちょっとクサく演ってほしいところ。このあたりの芝居がかったところはやはり吉朝に軍配が上がります。

 最後は南光。大晦日のテレビ番組で格闘技が増えましたってなマクラから「花筏」へ。途中、谷町の話で大脱線したり、かなり自由な雰囲気。たっぷり楽しませていただきました。


 約 2 時間半でしたが、えらいあっさりした印象でした。と云うのも、やっぱり年末に 5 日間連続で茶臼山舞台に通ってたからではないかと。まぁこのあっさり感が米朝一門の味と云えば味なんでしょうけど。
 ただ、やっぱり値段を考えると、正直、前売り 1,000 円で春団治さんがトリの『新春 一心寺亭』に行けば良かったかなぁと、複雑な心境。
 ‥‥いや、もちろん米朝さんやざこばさんや南光さんも良かったんですよ。

米朝事務所

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年越しオールナイト落語会

2005/12/31〜2006/1/1 @茶臼山舞台

 茶臼山恒例の年越しイベントに初参戦。
 混雑するって情報はキャッチしてたんで、とりあえず早めに行って整理券をゲット。開場時刻になってもバタバタしており、予定より 15 分ほど遅れての入場となりました。
 開演前にはもう満員。予約の制限もしたそうで、入りは限界の 50 人強ですね。


  • 桂 あやめ 《オープニング挨拶》


 「まず、素顔をお詫びします」で始まったこの会。この時点で 10 分遅れです。終演予定は 3 時半頃ですが、押しは必至。
 受付にある酒や焼酎やコーヒーや紅茶なんかはセルフ・サービスの飲み放題とのこと。ただ、完全なすし詰め状態なんで、休憩時にしか飲みに行けませんが。


【『今年はこんなんありました』特集】
  • 笑福亭 たま 《ショート落語》「'05 の重大ニュース」
  • 旭堂 南湖 「モリゾー・キッコロ・南湖のショート講談」 (『愛・地球博』より)
  • おしどり 《音曲漫才》
  • 桂 あやめ 「落語男」 (『電車男』より)
  • あやめ、遊方 《'05 上方落語界楽屋ニュース!》


 最初にたまが 2005 年の重大ニュースをショート落語でポンポンポンと。「風太が立った!」の「本質は一緒」は大爆笑。(かなりブラック)

 つづく南湖は「夏に演って封印したんですが、あやめさんに電話で頼まれて」と、モリゾー&キッコロの人形を手に、パペットマペット風に。客席に『愛・地球博』へ行った人自体が少なく、なかばやけくそ気味。

 おしどりは初めて観ましたが、♀のアコーディオンに乗せて♂が針金アートを作りつつ、あーだこーだの夫婦漫才。にぎやかで楽しい。(内容は忘れました)

 あやめは自作の『落語男』を。落語マニアの BBS で繰り広げられるドラマです。
 初めて聴きましたが、良くできてますねぇ。どのメディアでも良いんで『電車男』を知っていればかなり、楽しめると思います。

 あやめと遊方で今年の上方落語界を総括。
 まず、訃報が多かったこと。文枝のときは、しゃべりの噺家が外部に文枝の病状を漏らさぬよう一門が結束したそう。すでに入っていた仕事の断りには苦労したとか。
 吉朝はやはりシャレがキツかったようで、とある落語会で若手から「見台、どうしましょう?」と訊かれた吉朝が「使わんさかい、叩き割っといて」とシャレで答えたところ、あとの出番の文枝がマジにとって「わしが使うんじゃ!」と激怒し、文枝に吉朝が平謝りしたそうな。しかしながら、やはり芸は抜群で、あやめが自身の新作で爆笑をとり会心の出来だと思っていたところ、あとの吉朝が普通に「時うどん」を演ってその倍くらいウケていた、と。
 その後は、ひとりで移動もままならないと云う三枝のスター性、文枝を継ぐのは誰か?等々。


【『ちょっと珍しいネタ』特集】
  • 林家 市楼 「市民税」
  • 林家 染雀 「虱茶屋」
  • 桂 雀三郎 「夢の革財布」


 市楼は染語楼一門の一子相伝「市民税」を。内容的にはおもしろいんですが、税金の戸別徴収って設定は古いんで、たとえば某局の受信料や国民年金なんかに置き換えてみるのも良いのかも。

 染雀の落語は初めてでしたが、私好みのあっさりした語り口。「虱茶屋」の方も初めて観ましたが、やわらかな踊りにシラミ捕りを織り交ぜる所作のおもしろさが楽しめます。
 客が気持ち悪がるからと封印してたそうですが、珍品としてときどき掛けても良いのでは?

 時間が押していて、雀三郎はマクラもなく噺へ。江戸の「芝浜」を上方に置き換えた「夢の革財布」で、ラストの大晦日の場面がこの会にピッタリ。
 時間の関係でやや走り気味だったのが残念。とくに大金を拾って大宴会を開く場面や、ラストの打ち明け話の場面はたっぷり観たいところでした。

 このあと全員で《除夜の鐘小咄》が企画されてましたが、時間の都合でカット。


  • 《カウントダウン&乾杯》


 客にもビールが配られ、乾杯の準備万端。高津の富亭で『大晦日年越し落語会 IN 高津宮』を開いている笑福亭仁福にあやめが電話したところ、あちらは境内にこそ人はいるものの、落語を観に来ている人は 10 人くらいとか。
 そんなこんなで、カウントダウンは客席から電波時計を借りて正確に。
 乾杯のあと、買ってったパンを肴にビールを飲み干す。


  • 林家 染雀 《舞踊》「松尽くし」


 乾杯のあと、年明けの一発目はおめでたいところで染雀の踊り。松葉柄の扇子を使った一から十で、狭い舞台ながらも見事に披露。


【干支落語『いぬネタ』特集 1】
  • 林家 市楼 「犬の目」
  • 桂 雀喜 「元犬」
  • 林家 小染 「天王寺詣り」


 落語の方は、干支にちなんで犬の出てくる噺の特集。トップの市楼「犬の目」は、終盤に犬の視点に変わり(と云っても、目はくり抜かれててないんですが)「目ぇ食べたから目ぇ生えてくる云うてたけど。‥‥お、目ぇ出た目ぇ出た、めでためでた」とおめでたいサゲ。

 雀喜「元犬」も後半が(私が知ってるのとは)変わってました。シロが奉公先の主人に犬除けのまじない(手に「材木屋のクロ」と書く)を教えたが、外国からきた犬は読めなんだ、と云うサゲ。枝雀一門流?

 小染は受付でトイレ誘導係のような役回り。マクラで天王寺駅周辺のトイレ情報を話してから「天王寺詣り」へ。酒が入ってて間違えつつも、勢いだけでズンズンとお詣りを済ませます。
 男が三つ目の引導鐘を突いてから「きょうはまだ続けるで!」と、男ふたりが帰路へ。鳥居をくぐって帰るところで「鳥居(酉)から去ぬ(戌)」との洒落でサゲ。


【干支落語『いぬネタ』特集 2】
  • 月亭 遊方 「ペンギン・ア・ゴーゴー」
  • おしどり 《音曲漫才》
  • 笑福亭 松枝 「六位の犬」
  • 小染、遊方、染雀、たま、南湖、市楼 《鹿芝居》「寄合酒」


 遊方は「きょうのお客さん、マニア過ぎて普通に演っても笑わへん。失敗したりしたときだけ笑う」と、なかば逆ギレ。このあたりからすでに遊方のキャラ全開。
 「ペンギン・ア・ゴーゴー」は不思議ちゃんがうっとうしいってだけの噺で、犬はチラッと出てくるだけなんですが、とにかくうっとおしかったです。‥‥あ、いや、おもしろかったですよ。

 再度登場のおしどりはェロシア民謡でひとしきり盛り上がったあと、またまた針金アートでパリの風景を。もちろん犬もいました。それがなぜか新世界に。にぎやかですねぇ、♀。

 松枝は天満天神繁盛亭の小咄を三題披露。噺の方は小佐田定雄・作の小品「六位の犬」を。妾が飼うのはチンが多くて云々って噺ですが、それよりなにより、松枝の押し過ぎず引き過ぎずの客の転がし方に感心しました。これもキャリアのなせる業ですね。

 噺家芝居で鹿芝居は、犬の上前をはねる「寄合酒」。たまは「時うどん」の一節を入れたり、染雀は雀リーヌ染奴になる途中で登場したり、かなり自由な雰囲気。
 鯛(の形のパン)を料理し始めた遊方に犬(の全身タイツ姿)の市楼が吠えたて、お約束どおりパンをムリヤリ食べさせられるハメになった市楼が「リハのときはこんな大きなかったですやん」。


【丑三つに福笑落語を!】
  • 笑福亭 たま 「いらち俥」
  • 姉様キングス 《音曲漫才》
  • 笑福亭 福笑 「悲しきレポーター」


 会も終盤に差しかかり、たまの「いらち俥」。これはたま落語の中でも屈指の噺だと思いますが、やっぱりおもろい。前半の頼りない俥夫、後半の俥と市電との対決、ラストの演出と、見どころ満載。最後に俥がはじき飛ばされて「飛躍の年となりますように」でサゲ。

 この日の姉様キングスは、ちょんこ節にて下ネタ連発。とにかくにぎやか。

 トリは福笑。この段階で真っ赤っかです。しかも見台の脇には湯飲みが。出てくるなり見台から小拍子をバラバラッと落としてしまい、出直しに。話し始めてからも、ええ香りのお茶をお代わり。
 しかし、さすがは福笑。酔ってはいてもマクラの運びは理論的。耐震構造計算書偽装から 2005 年の流行語、日本語ブームへと話題をつなぎ、「悲しきレポーター」へ。
 ただ、さすがに本題の方となると酔いの影響が。ネタがこまかい言葉の数珠つなぎだけに、たたみかけるようなテンポが維持できずグダグダに。それでも客は福笑が酔って出てくるのがわかってて、なんか福笑落語の真骨頂を見せつけられたようで、妙な満足感も。


  • 《お年玉争奪クイズ合戦!》


 落語の部が終了し、残った芸人で 1 万円分の商品券をかけたクイズ合戦。(雀三郎と雀喜は帰宅) 観客は誰が優勝するかを投票し、優勝者に投票した人は景品がもらえる『アタック 25』方式。
 なぜかやたらと遊方に絡む真っ赤な顔の南湖や、1 問ごとに司会のあやめに絡む福笑など、かなりおもろい。福笑は最初こそ行儀に正座してましたが、最後はあぐらかいて半分眠りこけてました。
 歴史や文学など、ここぞで渋く答える松枝も健闘しましたが、優勝はたま。彼に投票した私も、お年玉に 『きく知る落語』 をいただきました。


 プログラムによると、お開きは 3 時半頃を想定していたようですが、終わってみれば 5 時過ぎ。じつに 8 時間におよぶ会となりました(んで、記事も長くなってしまいました)。あぁ疲れた。おもろかったけど。これで 2,500 円なら、お年玉がなくても値打ちありますよ。途中で帰られたのも数人でした。

 年が明けた頃から芸人さんの方も酒が入って、高座もかなりリラックスした雰囲気。まぁそう云う雰囲気も楽しむイベントですから、出来不出来をどうこう云う会でもないと思います。
 個人的に、拾いものは松枝さんと染雀さん。とくに染雀さんはもっと高座を観たいと思いました。(姉キンも含めて)

 今年は天満天神繁盛亭ができるので、今年の暮れの年越しイベントはそっちになりそう、とのこと。キャパが 6 倍になって今回のようなノリが期待できるのかチと気になりますが、‥‥って、気が早い!?!?

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