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旭堂南湖人前結婚式&披露講談会

2006/4/29 @TORII HALL

  • 旭堂 南湖 「山内一豊と千代」
  • 旭堂 南海 《バイオリン演歌》
  • 旭堂 南北 《バナナの叩き売り》
  • 新郎・南湖、新婦・裕美 《人前結婚式》 司会・南海
    ―― 中入り ――
  • 旭堂 南湖 「真柄勘内と秀」
※ 第一回


 一応《結婚式》と銘打たれてるんで正装で行こうかとも思ったんですが、「たしか南湖さんからのお知らせメールに『普段、講談会に来られる格好でお越しください』とあったなぁ」と思い、普段着で。会場に着くと、ホール前には着飾った老若男女が。‥‥
 それもそのはず、新郎新婦の親族や知人・友人もこの講談会に来られてたようで、そんな方たちは普通に披露宴に出る格好なんですよね。
 そんなこともあって、大入り満員。


 まずは南湖が登場し、新婦・裕美さんとの馴れ初めなんかを。
 大学時代に落研で知り合い、卒業後、南湖の出演する講談会を裕美さんがたびたび観に来るように。その後、裕美さんの方から南湖をデートに誘い、付き合うことになったそうな。その裕美さん、ええとこのお嬢さんで、えらいベッピンさんですよ!
 講談の方は、大河ドラマの題材となっている「山内一豊と千代」。馬を買おうとした山内一豊、金がなくてあきらめようとしたところ、妻の千代が鏡の裏から小判を取り出し、山内一豊の前に差し出す。夫婦の絆、主君と家臣の絆を伝える、ええ話でした。

 ここからは南湖の先輩が華を添える。南海は大正時代の苦学生のような格好でバイオリン演歌。もの悲しいような、それでいて滑稽な歌いっぷり。これがまたおもしろい。
 つづいて『男はつらいよ』のテーマ曲に乗って、テキ屋姿の南北が登場。堂に入ったバナナの叩き売りは、お手伝いの南青にツッコまれながらおもしろく。大盤振る舞いの価格破壊に会場もわいてました。

 そしてメインの人前結婚式。司会の南海にうながされて登場した南湖と裕美さん。
 小西昌幸(徳島県・北島町立図書館・創世ホール企画広報担当)氏、南左衛門・南華夫妻から祝辞。新郎新婦の誓いの言葉ののち、記念品の交換では南湖からは数珠が、裕美さんからは帯が贈られる。ふたりが婚姻届への署名し、証人として鳥居学 TORII HALL 社長と南海も署名。最後に昨年亡くなられた師匠・南陵の遺影に涙ぐむも、これをもって無事、人前結婚式の終了と相成りました。
 終了後はふたりの記念写真撮影大会。ふたりともやや緊張の面持ちで。

 中入りをはさんで、南湖が先ほど新婦からいただいた帯を締めて登場。(しかし袴で見えず)
 講談は「真柄勘内と秀」を。自業自得で「人三化け七」ならぬ「人無し化け十」のお秀に云い寄られる真柄勘内のエピソードを、おもしろおかしく。


 講談・余芸の方もおもしろく、結婚式も和やかで、なんとも良い会でした。
 おふたりとも、末永くお幸せに。

 講談会のあと、会場を下の志な乃亭に移して大宴会。賑やかしに参加させていただきましたが、南海さんが司会・進行で奮闘。こちらの方もええ会で、したたか酔っぱらっての帰宅となりました。

 それにしても、「第一回」はシャレがキツい。裕美さんが落研出身でなかったら‥‥

正直南湖

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全日空寄席

2006/4/25 @ANA 520 便

  • 立川 志の輔 「はんどたおる」 (2002/3 『全日空寄席』より)
  • 桂 春團治 「寄合酒」 (2003/1 『全日空寄席』より)


 飛行機で出張し、「そう云や機内サービスで落語があったハズ」と『翼の王国』を見ると、あるある。すでに着陸直前だったんで、鑑賞は帰りに。
 で、本日、聴いてみました。神田紅さん&内海英華さんの御両人をナビゲーターに、志の輔さんと春團治さん。ちょうど 1 時間くらいの番組です。


 志の輔は「ガッテンしていただけましたでしょうか?」のつかみ。これってよそ行きの会では定番なんかも。いろいろとおもしろい話でマクラをつなぎ、夫婦の話へ持ってったところで「はんどたおる」へ。
 『極付十番』でも聴きましたが、夫と妻の視点のズレがおもろい。しかもそれが銭金に関わることですから、関西人へのアピール度は大きい。結局、損してんのか得してんのか?

 春團治はめずらしく見台を使用。東京での会と云うことを意識してか、前半はかなりゆっくりとした語りで、観客の反応がぼちぼち出てきたあたりからいつものペースに。小拍子を鰹節に見立ててチョンチョン!ってのが印象的。


 機内サービスなんで仕方ないんですが、ちょいちょい機内アナウンスで中断されるのがどうも残念。しかもその部分は停止してないんで聴けないのが痛い。
 あと、独特のチューブ式イヤーフォンの締め付け圧力が強く、タッチ・ノイズも大きい。メンテナンスの問題もあろうかと思いますが、インターフェイスはなんとか改善してほしいところです。
 おまけ的なサービスとしては番組も良いですし、紅さん&英華さんのガイドもなかなかおもしろかったですし、ご利用の際は是非ご一聴を。

ANA 国内線 - オーディオプログラムのご案内:機内サービス

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RG ふたり会

2006/4/21 @TORII HALL

【雀々☆三喬】

  • 雀々、三喬 《御挨拶》
  • 笑福亭 喬若 「動物園」
  • 桂 雀々 「鶴満寺」
  • 笑福亭 三喬 「花色木綿」
    ―― 中入り ――
  • 桂 雀々 「蛸芝居」
  • 笑福亭 三喬 「饅頭こわい」
※ 其の 2


 開場前に非常階段で待ってると、奥からハメモノを合わせている音が聞こえてきてました。おそらくこの日の「蛸芝居」。えらい熱が入ってます。
 と思ったら、この日はカメラ収録が入ってました。客席も満員でええ感じ。


 まず雀々と三喬が登場し、番組紹介と会告を兼ねたごあいさつ。敬老の日に RG 研進会がなんとシアター・ドラマシティに進出するそう。チケットは次回の RG ふたり会で先行販売されるそうですよ。

 開口一番は“落語界の松坂大輔”喬若。初めて観ましたが、なんとなく朴訥とした印象。
 「動物園」はトラの動きが肝だと思うんですが、後半でちょっと乱れてたような。最後の猛獣ショーのアナウンスもちぐはぐになってましたし、ちょっと焦ってたのかも。

 雀々はマクラに、昼間の八尾での 1 日“がきデカ”署長をしてきた話から、観光バスの余興に行ったら相手が台湾人のツアー客だった話へ。こっからすでに大爆笑。
 「鶴満寺」は寺男の権助が酔っぱらうところ。酒を勧められると片手を広げて突き出し「もう結構」と云いながら、その手の下から湯飲みをそっと出す場面が秀逸。

 三喬のマクラは近所の喫茶ポエムで耳にしたおばちゃんの会話。これもまたいかにも大阪的でおもろい。
 「花色木綿」は『極付十番』で観ましたが、やっぱり最後の飛び道具の赤いハンカチが強烈。横山たかし化した三喬の「すまんの~」はやっぱりおもろい。

 中入りをはさんで、雀々は吉朝に稽古を付けてもらうも喜丸に「『猿芝居』でんな」と云われて 16 年間封印していた「蛸芝居」。
 云い間違いや扇子が破れるトラブルも軽く流すあたりはさすが。タコが横山ノックになってて雀々らしい。
 ただ、やっぱり芝居噺は様式美を楽しむようなところがありますから、決めるところはきちっと決めてほしい。そこらは今後に期待。

 トリの三喬は「饅頭こわい」のフル・バージョンをたっぷりと。好きなものがポッキーで、嫌いなものがプリッツと、独自のクスグリもぽんぽんと。
 怪談じみた話をし終えたところで「ちょっと休憩しましょか」。習った米之助がこの怪談話のところが好きだったそうで、みっちり稽古したとか。そのわりに後半は「あとは饅頭食ぅといたらええねん」と云われたそう。
 その饅頭を食べるシーン、ほんとにおいしそう。空腹時にはこたえました。


 雀々さんはいつも大汗の熱演ですが、カメラが入ってたんでよけいに気合いが入ってたんじゃないでしょうか。対する三喬さんは飄々としてて、それでいて飛び道具を出してきますから、油断できません。ふたりの対比がまたおもしろかったです。
 次回は 6 月 17 日(土)に雀々☆梅團治です。

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出没!ラクゴリラ

2006/4/20 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 桂 ひろば 「鉄砲勇助」
  • 笑福亭 生喬 「米揚げ笊」
  • 桂 つく枝 「親子酒」
    ―― 中入り ――
  • 林家 花丸 「千早振る」
  • 桂 こごろう 「愛宕山」
※ 第 61 回


 昼間にちょっとした出来事があって、行くか行こまいか、かなり迷ったんですが、5 分後に決断。ラクゴリラの引力に引きつけられました。
 買い物を済ませて会場へ。予想してたほど混雑もなく、楽々と座席確保。それでも徐々にお客さんが詰めかけ、最終的には 80 人ほどに。


 開口一番のひろばはマクラで、自身の仕事っぷり‥‥のウソで笑わせるも、その後のリズムがちぐはぐで笑いの波が続かず。もったいない。後半はノリが良くなってきてました。

 生喬のマクラ、一門のエピソードとなるとやっぱり右喬の右に出るものはないようです。こうまで云われると、やっぱり本人が気になってきます。
 アホが笊屋へ行くくだりはあっさり省略するも、笊を売り始めてからのド迫力の立て前がスゴい。メリハリがあって好演。

 酒を飲めないつく枝は飲み会での酔っぱらい観察を活かした(?)「親子酒」。基本的におもしろく、ときに爆笑を誘われるんですが、なんとなくすわりが悪い感じ。まだ馴染んでいない印象でした。

 中入りをはさんで、個人的注目の花丸。マクラ代わりに「千早振る」の短歌の解説から入り、ちょこちょこと独自のクスグリが入るなぁと思ってたら、竜田川が出てきたところで「相撲の稽古は大変やけど、噺家の稽古は楽やで」と林家一門登場。詳細は伏せますが、ズルい!
 最後の「とは」も引っ張りまくり。もっとあっさり演らはるかと勝手に思ってたんですが、変化球の連続がうれしい誤算でした。

 花丸で予想以上の満足度だったんですが、トリのこごろうの「愛宕山」がまた秀逸。ほとんどマクラも振らずに本編へ突入し、導入部からトップ・ギア。さながら遠足に行く小学生のようなテンション。
 座布団の上を縦横無尽に動き回り、わかりやすく丁寧な所作でまわりの景色も見えてくるよう。その動きがまた大きいんで、登場人物がみないきいきと山行きを楽しんでる空気に。
 花丸と比べると、こごろうはストレートの剛速球って感じ。汗びっしょりの大熱演でした。


 初ラクゴリラでしたが大満足。中入り前が悪かったってわけではないんですが、とにかく中入り後の充実感が圧倒的でした。この 4 人だったら、毎回誰かが大きくヒットすると思います。行って良かった!
 次回は 6 月 22 日(木)の予定です。

出没!ラクゴリラ

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できちゃったらくご!

2006/4/19 @茶臼山舞台

  • おしどり 《音曲漫才》「アヒルの恩返し」
  • 月亭 遊方 「ベガーズ・バンケット」
  • 桂 三金 「ハンバーガー・ショップ」
  • 桂 あやめ 「園ママ・ランチ(仮)」
    ―― 中入り ――
  • 桂 三風 「社交辞令が言えなくて(仮)」
  • 笑福亭 たま 「謝罪じじい」
※ 第 29 回


 鼻ズルでスッキリしない今日この頃ですが、いつもの会場へ。あやめさんが事前の e-DM を忘れてたそうですが、それでも予約が 30 人以上、最終的には 50 人近く入って超満員。『Lmagazine』の落語特集を見て来た、初めてのお客さんも。


 出番が後半の三風とたまが普段着で軽くごあいさつ&番組案内。三風はここ数年お気に入りの作務衣姿。特徴的な髪型と相まって独特の雰囲気を醸し出してます。

 前座としておしどりもネタ下ろし漫才を。先日の姉様キングス東京公演に帯同したときの話をいろいろ。あとはいつもの針金アートとアコーディオンで賑やかに。

 遊方はホームレスがバンドを結成する噺。実際にホームレスに取材したそうで、冗談のような実話が多数。ただ、ネタがデリケートすぎたのか、やや空回り。
 さらに追取材し、ふくらませて長編に作り込むそうです。

 三金は L サイズ以上が標準のハンバーガー・ショップの噺。サイズを訊いといて、結局なんでも食べ放題になるのがおもろい。大食漢の男が超巨大ハンバーガーに挑戦する場面では、バックに嘉門達夫の“ハンバーガー・ショップ”を流す念の入れよう。(みんな気付いてた?)

 あやめは娘が幼稚園に通い出したってことで、幼稚園児のママさんたちがレストランのランチを食べに行く噺。やっぱり女性は食べまくりとダイエットの相反するものに惹かれるよう。
 娘が幼稚園に通い出してまだ 1 週間しか経ってないため、想像がほとんどとのこと。これから実際のエピソードを盛り込んで育ててゆくそうな。

 超短時間の中入り(換気&トイレ休憩)をはさんで三風は、社長が企画するホーム・パーティーを社員らがみな断ると云う、「寝床」が透けて見える噺。後半がやや失速気味で、まだ練り切れてないような印象。

 たまはショート落語をマクラに、老人ホームに入ってるおじいさんが陸軍時代の先輩に謝りに行く噺。「Apologize」のリニューアルです。「たちきれ」のパロディーはカットし、全体的に整理した模様。前半はもう少し厚みがほしいかも。それでも後半のおじいちゃんと孫の通訳は爆笑。

 最後に全員が登場して総括。今後は、新作ネタ下ろしの『できちゃったらくご!』と、新作を育てる『育っちゃったらくご!』の交互開催になる模様。さらに古典ネタ下ろしの『おろしちゃったらくご!』も企画中とか。


 たまよねが初演だったたまを除くと、この日の秀逸は三金さん。
 あやめさんも良かったんですが、内容よりも終始咳き込まれてたのが気になって。

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寝ずの番

 動物園前シネフェスタ 4 にて『寝ずの番』を観てきました。

 中島らもの原作はおもしろく読み、映画の評判も上々、客も結構入ってるってことで、期待大。
 平日のシネフェスタにしてはかなりの入り。30 人以上は入ってたでしょう。月曜だからおっさんばっかりかと思えばさにあらず、おばちゃんもかなり来てはりました。

 で、感想ですが、‥‥うぅ~ん、はじけん。
 ほぼ原作に忠実に映画化されてました。小説だと噺家が話すエピソードを頭の中で想像しながら読み進めることになりますけど、映画だとそのエピソードを映像化してるもんですから、テンポが悪い。
 それと、通夜の席で語られるエピソードを映像化することの無粋さと云うか、噺家がおもしろおかしく昔話を語るところにおもしろさがあるわけで、そこらのバランスは難しいかもしれません。通夜で語るシーンばっかりだと画的に変化がないし。

 落語好きとしては、橋鶴(長門裕之)の「地獄八景亡者戯」、橋次(笹野高史)の「愛宕山」に吉朝スタイルが感じられて感動。吉弥さんが指導されたってことで期待してたんですが、おふたりとも雰囲気が出てて良かったと思います。
 ラストの歌合戦は姉様キングスでおなじみのものもあってなかなか。ただ、堺正章の大阪弁がひどかった。ほかの方々は「ちょっと変かなぁ」ってくらいなんですけど。ここらはもうちょっとがんばってほしかったです。

 どうも映画館で観るよりもお茶の間で気楽に観る方が合ってるようです。それにしては原語がバンバン出てくる R-15 指定なんで、地上波放送は無理でしょうけど。

寝ずの番 powered by ココログ

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たまよね DX

2006/4/16 @ワッハ上方レッスンルーム

  • たま、米井 《雑談:たまよねを振り返って》
  • 笑福亭 たま 「お玉牛」
  • 桂 雀五郎 「くやみ」
  • 笑福亭 たま 「与太郎」 (作:たまよね)
  • 笑福亭 三喬 「おごろもち盗人」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 たま 《ショート落語》
  • 笑福亭 たま 「首提灯」
  • たま、米井 《雑談:今日のたまよね DX》
※ 第 1 回


 なんとか体調も(全快とは云えないまでも)回復し、ひさしぶりの外出。
 なんとか天気も(快晴とは云えないまでも)回復し、駅までぼちぼちと歩く。

 開場 10 分前に到着。エレベーター・ホールでしばし待たされ会場入り。その後ぞくぞくとお客さんが詰めかけ、入りは 60 人以上あったんじゃないでしょうか。


 客電が落ち、たまと米井敬人(構成作家)氏が高座前に登場し、『たまよね』最終回でできなかった「たまよねを振り返って」。これまでの 14 作を紹介しつつ、『たまよね』の紆余曲折を。
 今後、『たまよね DXデラックス』ではたまよね作品のリニューアルを、『たまよね RXリラックス』では完全新作をかけることになるそうです。

 落語の部。まずはたまが春團治に稽古してもらったときのエピソードをマクラに「お玉牛」を、春團治のプチものまねでスタート。
 たま色に染めきれなかったとのことで、基本に忠実に。ただ、前回云っていた不自然なところ(娘が夜這いされるのに腹を立てた父親が、その晩に遊びに出かける)はカットしてました。
 ネタ下ろしってことで、所作はまだまだって感じ。今後に期待。

 雀五郎は内弟子時代の食事事情から「挨拶が難しいんです」とマクラをつなげて「くやみ」へ。ネタはきっちり入ってるんですが、緩急なくハイ・ペースのマイ・ペース。もうちょっと表情がほしい。

 たまの新作リニューアルは「与太郎」。全体に整理されてきた感じ。サゲは 2 段に。
 照明を落としてたこともあって、怖さが引き立つ。前半にもう少し笑いどころを盛り込めば、後半の怖さが倍増するかも。(現状でも落語としてはじゅうぶん怖いんですが)

 三喬はふつうの落語会と違う雰囲気に戸惑い気味。「福笑一門は天才。松喬一門は天然」と、右喬の話で切り込むも、いまひとつの反応。「因幡ウアーの白ウサギ」も空気を変えるには至らず。
 「おごろもち盗人」は見台ありで。三喬は見台の上に肘をあずける格好で、演出的には見台の下から手を出したまん我に軍配。しかしながら、三喬の語り口は独特のなめらかさで心地良い。ほんと、もっと聴きたくなる。

 中入りをはさんで、たまのショート落語。今回はヒットが多数。個人的には「秋田県の警察」がツボでした。

 そのまま「首提灯」へ。いきなり酔っぱらいだすんでびっくり。
 酔っぱらいはもうちょいスローでぐでんぐでんの方がそれっぽいのかも。泥棒の、切られた首の傾き具合はなかなか。‥‥とかなんとか云いつつ、おおいに笑わせてもらいました。

 米井氏も高座に上がり、たまと雑談。「与太郎」の解題から、この日の雰囲気へ。個人的にはどの演目も悪くなかったと思うんですが、演者としてはウケが悪く感じたよう。客電を落とすのは、演る方としても演りにくいそうな。それやったら消さんでええやん!
 パンフレットのクイズの答え合わせ(前回分を含む)と次回の告知でお開き。


 盛りだくさんの番組で 2 時間半オーバー。
 客席の消灯に、たまさんを含めて噺家のみなさんは違和感を感じてたようす。私はいつものように笑ってたんですが、そう云われれば客席は入りのわりにはカタかったか。
 消灯の効果として、観客が舞台に集中しやすいってのがあると思います。演劇や映画に近いイメージ。逆に、噺家からは観客の顔が見えず、客席の反応がつかみにくいって欠点も。
 客側の印象としては、舞台を見入ってしまって笑いへの振り幅が無意識のうちに小さくなってしまうとか、暗いと映画館にいるような気になってて無意識のうちに声を出して笑いにくくなってしまってるとか、そう云った無意識に支配されてるのかもしれません。

 次回、『RX』(新作ネタ下ろし)が 5 月 20 日(土)午後 7 時より茶臼山舞台で、『DX』(新作リニューアルと古典ネタ下ろし)は 6 月 18 日(日)午後 2 時よりワッハ上方レッスンルームで。
 しばらくは暗中模索がつづくのかも!?!?

らくごの玉手箱

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雀松向上委員会

2006/4/12 @TORII HALL

  • 桂 雀松 《雀松時遊本舗》
  • 桂 佐ん吉 「宿屋町」
  • 桂 雀松 「肝つぶし」
  • 桂 こごろう 「代脈」
  • 桂 雀松 「胴乱の幸助」
※ あしたのための その 41


 この季節は風邪か花粉症かわからんので困るんですが、月曜あたりから腰痛と右膝まわりの違和感が増大し、軽い頭痛も。どうやら風邪をひいたようです。『極付十番』の疲れがどっと出てきたのかも。で、行く直前までどうするか迷ってたんですが、番組が良いんで結局は行くことに。
 この日は落語会が少なく、見知った顔がチラホラチラホラチラホラチラホラ‥‥。満員の入りで 100 人くらい。


 まずは雀松のごあいさつ。トリノ・オリンピックや WBC のスポーツ・イベント、民主党・小沢代表、高速艇とクジラ(?)の衝突事故なんかで軽くおしゃべり。

 佐ん吉「宿屋町」は丁寧ながら早送り。もうちょっとゆっくり、お願い。

 こごろうはマクラで雀松を持ち上げつつ、雀松の失敗談を。その都度、袖の方を気にするところにふたりの関係がうかがわれます。
 落語は雀松に付けてもらったと云う「代脈」。登場人物がいきいき。とくに若先生が羊羹を食べたときの満足げな表情が秀逸。汗をかきかきの熱演は、雀松に逆輸入されるそうです。

 雀松の 1 席目「肝つぶし」はごく丁寧に。恋わずらいの吉松はもうちょっと憔悴してても良かったかもしれません。『極付十番』でざこばのを観ましたが、そのときカットされた兄と妹の晩酌もきっちり。その後に包丁を研ぐ場面、これがないとやっぱり兄の決意が感じられないと思いました。
 2 席目の「胴乱の幸助」がこの日のお楽しみ。雀松の「幡随院長兵衛ばんずいいんちょうべえは俺でござ~い」が観たくて。が、もうこのあたりで体力が限界に。幸助が浄瑠璃の稽古屋を通りかかるあたりでとうとうウトウトウト‥‥。ハッと気づいたら幸助が三十石に乗り込むところ。なもんで、全体に印象が薄く、堪能するまでには至らず。残念。

 終演後のミニ抽選会、今回はハズレでした。


 雀松さんの演じる割木屋のおやっさん、かなりマッチすると思いました。ぜひ体調万全のときに観てみたいです。「肝つぶし」も丁寧で、「ざこばさんにも、この丁寧さの何分の一かでもあったらなぁ」と思わずにはいられません。
 こごろうさんはひさしぶりに観ましたが、やっぱりおもしろい。ますますラクゴリラが気になりました。
 次回は 6 月 7 日(水)の予定です。

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お笑いまん我道場 大阪編

2006/4/10 @上方亭

  • 桂 雀五郎 「初天神」
  • 桂 まん我 「おごろもち盗人」
  • 柳家 一琴 「片棒」
  • 桂 まん我 「桜の宮」
※ 第 4 回


 雨は朝のうちだけで、なんとか楽に移動できました。本屋を流して会場へ。入りは 25 人ほど。天気が影響してる?


 開口一番の雀五郎は「初天神」をサゲまで。キッチリ入ってて演出面も問題ないんですが、いかんせん早口すぎる。ゆっくりしゃべるだけでかなり印象が良くなると思います。もったいない。

 案内チラシで江戸落語の秘密ゲストとあったのは、京都生まれで大阪育ちの柳家一琴。東京から大阪まで、車で 14 時間かけて来たとか。そのままドライブの小咄、鰻屋の請求の小咄とつなぎ、「片棒」を。
 長男は派手な宴会で豪華なおみやげ付き、次男は祭りづくしで最後に花火、三男は漬け物樽で、ってパターン。勢いがあって切れの良い口跡。言葉の不自然さはありませんでしたし、かなりおもしろかったです。

 「お楽しみ」だったまん我の 1 席目は「おごろもち盗人」。いつもながらの丁寧さながら、事前に繰っていなかったのか、言葉に詰まる場面がちらほら。
 この噺で見台を使ったのを観たのはおそらく初めて。膝隠しの向こうから手がニューッと出てくるんで、これがまた視覚効果絶大でした。
 2 席目は「桜の宮」。芝居の台本の読み合わせの場面で字が読めなくなるハプニングがありましたが、なんとか乗り切る。
 芝居の趣向で花見に出かけ、いざ本番となったときの松つぁんの芝居のクサさが最高。まん我の芝居噺も観てみたい。


 まん我さんはあいかわらずのキッチリ具合。ゲストの一琴さんがかなり良い感じだったんで、まん我さんも 2 席目は発奮したんじゃないでしょうか。後半の 2 席がたっぷりで、なかなか満足度の高い会でした。
 次回は 6 月 5 日(月)の予定です。

桂まん我応援サイト
一琴のちょっとひとこと

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三代目桂春團治極付十番落語会 (総集編)

‥‥と云うほどたいそうなもんでもないですが、10 日間通った雑感などを。


極付十番落語会


繊細 華麗

 なんと云っても三代目の高座はまさに「繊細」で「華麗」。
 初日はさすがに若干硬さも見られましたが、日を追うごとに調子は上向きに。終盤はやや疲れもあったかもしれませんが、常にたおやかさをたたえた高座でした。
 今回、日替わりで十席を観たワケですが、とくに良かったのをムリヤリ挙げると、「高尾」「親子茶屋」「野崎詣り」「お玉牛」でしょうか。「代書屋」も良かったなぁ。なんとも贅沢な企画だったと思います。


華を添えたゲスト

 やはり目立ったのが、江戸からのゲストの小朝、正蔵、志の輔。関西ではあまり観ることがないんで心配でしたが、やっぱりみなさん実力者だけあって、いずれもよくウケていました。
 上方からも門派を超えて三枝、文珍、ざこば、南光、福笑、松喬、鶴瓶、染丸、等々。いやはや豪華絢爛。


いろいろ観られた 10 日間

 これだけ長いと、初めて観る噺家さんも多数。そんななかでも、福團治とその門下の福楽、福車は好感触。鶴志、三喬、福郎なんかもかなり気になる存在に。
 都、松枝、生喬、銀瓶なんかもおもしろかったですし、ひさびさだった小春團治、梅團治もあらためて良いなぁ、と。小つる、春駒あたりの丁寧な口跡も気持ち良かった。


豪華なパンフレット

 カラー 16 ページで写真も多く、無料配布のものにしては豪華な作り。もっとも、これも値段のうちに入ってるんですけども、春團治の芸能生活 60 年を祝う意味ではがんばってくれたと思います。

パンフレットと通し券


長くて高い

 ただ、やはり通し券でも 10 日間 40,000 円は、正直、高い。清水の舞台から飛び降りました。各日だと前売り 4,500 円、当日 5,000 円ですから、記念公演と云っても高い部類でしょう。各日が 1,000 円安ければ連日札止めになったんでは?
 あるいは、おなじ値段で春團治が毎日 2 席ずつ演り、各日 6 席で月・火・(水:休演)・木・金・(土:映画「そうかもしれない」上映会)・日の 5 日間だとありがたかった。もっとも、こうすると春團治の体力が心配ではありますが。
 調子にのって通し券を買ったんですが、さすがに連日の落語会は、観てるだけでも疲れました。


なんで自由席?

 おかげで早く会場に行かねばならず、行っても待たねばならず、かなり不便。逆に、がんばれば毎日最前列で観られるってことでもあるんですが、サラリーマンにとってはチときびしい。
 ただ、今回は吉朝ファンのみなさんと一緒に観ることも多かったんですが、こんなときは自由席だとありがたいなと思いました。
 そう考えると、一長一短ですかね。


落語ブーム?

 春團治ブランドでの特別興行だったことと、ゲストが豪華だったこともあるかと思いますが、普段は落語どころか劇場へも滅多に行かないようなお客さんもおられたと思います。そうすると、いろいろ気になることが。
 まずは携帯電話。日に 1 回は鳴ってたような気がします。うっかり 1 回はまだ許せる範囲ですが、何度も鳴ると常識を疑います。後ろの席でピコピコやられた日にゃ‥‥
 そして、噺の先を口走る人。わかってても云わないのが演者と他の観客へのマナーであり、あたりまえのこと。あんたの話を聴きに来てるんじゃない。高座の落語を聴きに来てるの!


松竹芸能って‥‥

 なんであんなに対応がええ加減なんでしょう?
 開場前の待ち行列の整列や誘導、会場内での案内、上からものを云うような横柄な応対、整理券を配ったり配らなかったり、どれもがサービス業とは思えない仕事っぷり。まぁサービス業とは思ってないんでしょう。普段はああ云ったことをしてない人たちなんでしょうね。人数だけやたらいても‥‥
 もうちょっと、観客に気持ち良く席に着いてもらって、気持ち良く春團治を観てもらって、春團治にも気持ち良く演ってもらう、そんな空間作りを心がけてほしかったと思います。


終わり良ければすべて良し

 最後の大阪締め、良かったなぁ。春團治さんの涙目に感無量。
 運営上の悪いところは目立ってましたが、良いところはあたりまえのように映って目立たないんでしょうね。観客側も悪いところはありましたから、「人の振り見て我が振り直せ」で自戒したいと思います。
 高座の方は良いところが多く、ゲストも豪華。新しい自分好みの発見も多数。未見だった春團治さんの噺もたくさん観られて、満足感と達成感の大きい企画でした。
 春團治さんはまだまだ元気。これからも機会を見つけてその《繊細・華麗》な高座を楽しみたいと思います。


 なにはともあれ、春團治師匠、極付の十番をありがとうございました。

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三代目桂春團治極付十番落語会 (第十番)

2006/4/9 @ワッハホール

  • 桂 壱之輔 「転失気」
  • 森乃 福郎 「ないもん買い」
  • 笑福亭 松喬 「百年目」
    ―― 中入り ――
  • 桂 春之輔 「死ぬなら今」
  • 桂 春團治 「皿屋敷」


 早めに起きて整理券だけ確保しようと目覚まし時計をセットして準備万端かと思いきや、目覚めたら 2:46 ってもう始まってるやん!
 よくよく見たら 9:14 でした。焦ったぁ‥‥

 それでも二度寝してしまって、会場に着いたのは開場 1 時間前。それでも整理番号は 31 番でひと安心。軽く食事して入場。さすがに最前列とはなりませんでしたが、2 列目中央に陣取る。
 この日は千穐楽でしたが、補助席は後方のみとやや少なめ。それでも満員には違いありませんが。


 開口一番の壱之輔。十日間の出番のなかでいちばんの若手で持ちネタが少なく、先輩の梅團治と春菜に頼み込みんでとっておきの「転失気」をしっかり丁寧に。

 黄色いメッシュが気になる福郎は、マクラを振らずに「ないもん買い」を小気味良い口跡でテンポ良く。最初は三角の座布団やら合わせの蚊帳やらをないもん買い。次はぼた餅の値切り。最後に魚屋で鯛の値切り。いずれもおもしろかったです。

 中トリの松喬は、船場の商家のしきたりを解説してから、桜が満開の季節に合った「百年目」をたっぷりと。ややもっちゃりしてますが、しっかりとした情景描写と旦那の貫禄で魅せる。番頭の狼狽ぶりもお見事。

 中入りをはさんで登場した春之輔。嫁はんに虐げられてると嘆き、「『代書屋』か『いかけ屋』でも演ろかと思いましたんやけど、『それでは事が大胆な』」とマニアックな笑いの誘い方。なんやかんやで「死ぬなら今」を。(ちょっとゲン悪くない?)
 噺の方は、はっきり云ってそれほど良くない。が、“芸者ワルツ”ならぬ“亡者ワルツ”を歌って自ら「もうちょっと稽古せないかんな」には大爆笑。わかってんねやったらがんばってください。

 大トリの春團治。十日間の感謝を交えた挨拶から、この日の演し物は「皿屋敷」。
 最終日で疲れが出たのか、六兵衛が皿屋敷の因縁を説明するくだりで春團治にしてはめずらしく云い間違い。そこからはやや走り気味の印象。声が出にくそうで、咳き込むことも何度か。
 それでもお菊の初登場と、人気が出て愛想するお菊の様子は抜群でした。

 口演が終わり、深々と頭を下げる春團治。緞帳が下がり始める。
 と、途中で緞帳が止まり、高座の春團治も顔を上げて「おや?」と云った表情。すると、舞台袖からマイクを手にした春之輔が登場。楽屋に詰め掛けていた噺家たちも舞台に上がり、観客とともに大阪締めでお開きに。
 弟子たちの粋なはからいに、春團治の目も少しうるんでいたようでした。


 千穐楽は 2 時間半を超える、たっぷりとした会となりました。とくに松喬さん、この会で大ネタの「百年目」を持ってくるとは、まさに想定外。最終日ならではのサプライズってとこでしょうか。
 春團治さんの出来はちょっと残念。本人も、演りなおせるなら演りなおしたかったんではないかと思います。失敗をアドリブで笑いに転換したりする方ではないんで、よけいにお気の毒でした。

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三代目桂春團治極付十番落語会 (第九番)

2006/4/8 @ワッハホール

  • 笑福亭 生喬 「道具屋」
  • 笑福亭 三喬 「花色木綿」
  • 笑福亭 福笑 「もうひとつの日本」
    ―― 中入り ――
  • 桂 春若 「兵庫船」
  • 桂 春團治 「高尾」


 朝から整骨院と散髪屋をまわり、昼飯もそこそこに会場へ。がんばって 4 時過ぎから列ぼうかと思って行ったら、なんと整理券発行。まぁ立って 2 時間近く待たされなくて良かっただけありがたいんですが、このあたりの仕切りがどうも適当な‥‥
 云わずもがなの大入り満員。吉朝ファンのみなさんに席を取っていただき、最前列で。


 開口一番の生喬。「楽屋は笑福亭一門ばっかりです」との報告から「道具屋」へ。時間の都合か、前半の甚兵衛はんのとこでの商品説明はほとんどカットし、さっそく商売。これがまた威勢のええ、ドスの効いた道具屋で恐おもろい。
 勢いだけじゃなくて、場面に合わせた所作はキッチリ丁寧。とくに笛のなかに詰まった埃を掃除するのに小指を使うあたり、理にかなってました。

 つづいて三喬。「おみやげにどうぞ」と、小咄「鶴の恩返し」「因幡ウアーの白ウサギ」「ライブドア」を。これがまたおもろい。
 「花色木綿」はラストが秀逸。やもめが持ってすらないもんを「あれも盗まれた、これも盗まれた」と並べ立ててると、押し入れで隠れてた泥棒がキレて怒鳴りつける。と、怒鳴られたやもめは袖から真っ赤なハンカチを取り出し、「すまんのぉ」と横山たかしに! どことなく顔も似てる! この飛び道具には思わず大爆笑! ズルい!
 ぬぼぉ~っとした風貌となめらかな口跡とのギャップも手伝って、三喬のファースト・インパクトは絶大でした。

 笑福亭一門会のトリは福笑。春團治のものまねも入った「ここだけの話」で会場をおおいにわかせる。
 落語は「もうひとつの日本」。日本企業と合弁会社設立を望むアメリカ企業から来た特使とのやり取り。大阪弁を中途半端に操るアメリカ人もさることながら、おもいっきり大阪弁で応対する日本人(って云うか、大阪人)もスゴい。アメリカ人の勘違いと中途半端な日本の知識が笑いの基本となるんですが、とにかく大爆笑。時間の都合か、なかばで切られたのがすこぶる残念。

 爆笑の連続だった笑福亭一門会のあと、中入りをはさんでも春菜は「演りにくい」を連発。たしかにあの大爆笑から春團治の繊細・華麗につなげるのは骨が折れそう。
 なんじゃかんじゃ云いつつ、「兵庫船」を。船に乗り込むまでをちょっとカットして、謎掛けも「いろは」のところをカットし、時間を調整しつつ。ほんあっさり演りながら、ハメ物が入るんでダイナミズムも。ええ橋渡し役でした。

 トリの春團治は、焦らず動じず、いつもどおり。
 この日の演し物は「高尾」。これはもうお家芸と云うか、十八番と云うか、春團治の代名詞と云っても良い噺でしょう。どの場面を切り取っても洒落ていて、それでいて滑稽で。とくに反魂香のなかから高尾が文字どおりスーッとあらわれる様は一見の価値あり。
 ひさしぶりに観ましたが、絶品でした。


 なんとも満足度の高い日でした。前半は爆笑ながらクドくなく、後半はあっさりながらたっぷりと。それぞれの一門の良いところが出てたと思います。
 終演後、ロビーで福笑さんが自ら独演会の前売りを販売。このチケットが写真入りのでなかなか良いんですよね。チケットぴあで買った私は、なぁんか損した気分に。
 で、吉朝ファンのみなさんと、ちょっと一杯。またまた F さんと U さんに結構な物をいただきました。毎度ありがとうございます。

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三代目桂春團治極付十番落語会 (第八番)

2006/4/7 @ワッハホール

  • 笑福亭 鶴二 「隣の桜」
  • 桂 一蝶 「ん廻し」
  • 立川 志の輔 「ハンドタオル」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 呂鶴 「仏師屋盗人」
  • 桂 春團治 「いかけ屋」


 試みにちょっと早く行ってみたんですが、17:15 ですでに 30 人くらい列ばれてました。それでもこの程度だとかなり前の方の席を確保できました。この日も違わず満員大入り。


 鶴二はマクラで春團治との思い出を。松鶴に入門直後、急に出番を云い渡され、春團治の「平林」をテープで覚えたとか。その後は「お玉牛」や「親子茶屋」を付けてもらうも、物覚えが悪くて春團治が松鶴みたいに苛立ってたそうな。
 「隣の桜」は、序盤がその「平林」と同系統。後半は花見の宴会にハメ物も入って賑やか・華やか。旬の噺でええ感じに。

 一蝶は大阪弁を中心に方言のいろいろをマクラに、言葉ネタの「ん廻し」。一蝶のとぼけた雰囲気で「キュウリン、ナスビン、キャベツン、レタスン、カボチャン、‥‥トウナスン」を演られると楽しさ倍増。後半は指折り数えて丁寧に。

 テレビでおなじみの志の輔はさすがに人気。師匠の談志のエピソードをマクラに、「ガッテンいただけましたでしょうか?」も忘れずに。
 「ハンドタオル」は、夫婦の価値観の違いが交錯。金品が絡むネタだけに、大阪でウケないなんてことないですね。この夫婦に巻き込まれる新聞勧誘員もかなりかわいそう。(ただし、こっちの勧誘員はあの程度では困ったりしないでしょうけど)

 呂鶴は貫禄の「仏師屋盗人」。いきなり主導権を握られる盗人がおもしろい。

 この日の春團治は、子供の憎たらしさがまたかわいい「いかけ屋」。一門の機関紙『とらとやな』の名は、この噺に出てくる子供の「とらとやなぁ、おったん」のセリフから採られたもの。
 散髪したてのおとなしそうな子がいかけ屋に「散髪屋のオッサン、なかなか上手でんなぁ」と云われて返す「へぇ、向こ商売」が最高。座って仕事してるいかけ屋のまわりを立って取り囲んでる子供たちとの状況を、視線でうまく表現。芸が細かい。


 これだけ毎日違う噺を聴ける機会って、なかなかないですよね。珍しい噺、初めて聴く噺も多くてうれしいです。まぁその分、結構な額を奮発させていただいてるワケですが。
 この日は江戸の志の輔さんがネタもおもしろく、良いアクセントになってました。
 今回の十番のなかで、子供の出てくる噺はこの日の「いかけ屋」だけ。そういう意味では貴重な一席ですね。

 なんかこのブログ、『釣りバカ日誌』ならぬ『落語バカ日誌』みたいになってますが、この状態、春團治さんの会が終わってもしばらくつづきそうです。

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三代目桂春團治極付十番落語会 (第七番)

2006/4/6 @ワッハホール

  • 桂 蝶六 「がまの油」
  • 桂 福楽 「京の茶漬け」
  • 桂 文珍 「御神酒徳利」
    ―― 中入り ――
  • 桂 昇蝶 「犬の目」
  • 桂 春團治 「親子茶屋」


 開場 15 分前に到着すると、もうえらい行列。日増しに客が増えてるような気がします。補助席も出て超満員。吉朝ファンの某女史が先に来てて席を取っててくれて、しかもえらい前のええ席で助かりました。


 「がまの油」は雀々くらいしか聴いたことなくて、しかもそれが爆笑系の出来なもんですから、どうしても比べてしまう。蝶六は、前半のがまの油売りの口上は所作も細かく丁寧でかなり良い感じ。ただ、後半の酔っぱらいがイマイチ。雀々はこっからがスゴいんですよね。もっと極端に演っても良いくらいに思います。

 福楽はおっとりほんわかした感じ。客席から演目のリクエストを受けるか、福楽の好きなように演るか、会場アンケート。拍手の結果、福楽の好きなように演ることとなり、「そしたら、横山たかし・ひろしのネタを演らせてもらいます」。
 客席もゆるんできたところで「京の茶漬け」がまたおもろい。大阪男と京都女のお茶漬けをめぐる攻防ですが、とくに大阪男の粘り具合が秀逸。福楽自身のおっとりした雰囲気で当たり障りのない会話で時間をつなぐんですけど、お茶も出さない京都女にイライラしてきて時折見せる鋭い目線が効果的。「ニンに合った噺」とはまさにこのこと。

 やはり文珍は高いよう。自身の両親の会話をマクラにしっかり笑わせ、探りさぐり「御神酒徳利」へ。前半はぎこちないところもありましたが、後半に進むにつれてノリノリに。こまかいクスグリはいかにも文珍的で、自由奔放な感じです。
 この噺は先日、染雀のを観ましたが、かなりストーリー展開が違ってました。

 中入りをはさんで登場した昇蝶は、師匠の春蝶に似た雰囲気。しゃべり方も似てるんじゃないでしょうか。
 脈絡のないマクラから始まった「犬の目」は、爆笑とまではいかないんですが、安定感があって、独特のおかしみがにじみ出てくる感じ。ええ感じでした。

 この日の春團治は白の着物で登場。粋やなぁ。
 「親子茶屋」はとくに観たかった噺で、お座敷遊び「狐つり」の「やっつく やっつく やっつくな」が楽しい。目隠し用の扇子は腰のうしろから紫色のを取り出し、いかにも遊び慣れた旦那ってな雰囲気を演出。仲居が若旦那の手を取って階段で二階へ導く様子なんかも自然。
 この噺は米朝に付けてもらったとのことですが、「狐つり」の唄に米朝の口跡が感じられますね。


 この日はちょっと長くて 2 時間半近くありました。文珍さんの、ちょっと毒気の強いマクラが長かったですかね。おもしろかったんで OK ですが。その毒も、前後の福楽さんと昇蝶さんで中和された感じ。とくに福楽さんは拾いもんで、もっといろいろ観てみたいです。
 春團治さんは好調をキープ。あと 3 日、がんばっていただきたいです。

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携帯電話の功罪

 きのうの 春團治さんの会 でのこと。鶴志さんのマクラで携帯の着メロが。鶴志さんが高座から「大丈夫でっか? 頼んまっせ、ホンマに」と云ってましたが、まぁあれはやんわりした苦言ですね。
 そんときは「まぁ誰しもうっかり切り忘れることもあるわな」と思いましたが、つぎの南光さん高座。今度は落語に入ってから「ピリピリピリ~」っと着信音が。着メロと違って、単純な電子音は余計に耳に付くんですよね。南光さんは無視して演られてましたが、客席は「誰やねん!」って空気に。はっきり云って、この 2 度目の人はアホです。
 別の日には、あろうことか主役の春團治さんの口演中に着メロが。‥‥

 あんまり断定するのも失礼かもしれませんが、この手の携帯電話の切り忘れ・設定し忘れはお年寄りに多いと思います。
 まず、多機能の携帯電話の設定方法を知らない。最低でもマナー・モード、できれば音も振動もないサイレント・モードへの切り替え方法くらい、事前に誰かに教えてもらっておいてほしい。わからなければ電源を切る。それすらわからなければ、とにかく誰か近くの人にでも訊いてほしいです。
 そもそも、お年寄りに限らず、四六時中も携帯電話の電源を入れてないといけない人ってそんなにいないハズ。それほど緊急連絡の多い人・気になる人は、落語会なんかでのんきに笑ってたらあかん。

 館内放送で「携帯電話の電源はお切りください」ってなアナウンスをしてますが、複数で来てる客はおしゃべりしてることもありますし、聞いてないことも多いでしょう。
 演劇の場合だと、全員に携帯電話を取り出させて再確認させるとか、かなり徹底してるとこもあります。そこまでするのは野暮な気もしますが、そこまでしないとわからない人もいるってことでしょう。
 落語会ってやっぱり《粋な芸を楽しむ場》ですから、あんまりやいのやいの云うのもアレですけど、もうちょっと他人への配慮があってしかるべきではないか、と。すでに携帯電話はひとり 1 台に近い普及率なんですから、過渡期とか云ってる段階はとうに過ぎてると思います。

 ただ、「年寄りは劇場へ来るな」とか「年寄りは携帯電話を持つな」と云うつもりはなくて、年齢にかかわらず「人のふり見て我がふり直せ」と云いたいんです。若くてもまったく学習能力・思考能力のないのがままいてますから。


 「罪」のことばっかり書きましたが、「功」も書いとくと、いつでも直接連絡が取れる、これに尽きますね。逆に、これしかないのかも。
 お年寄りや子供にGPS 搭載機を持たせることでちょっとした保護ツールになりますし、ルート検索と道案内にはちょいちょいお世話になってます。このあたりのアプリケーションは今後もちょっとずつ進化していくでしょう。


 あと、これは着信音と関係ないんですけど、「ピッ、ポッ、パッ」ってなボタンの操作確認音を鳴らしてる人、いまだにいますよね。そんな人を見かけると、「こいつ、アホやな!」と思います。

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三代目桂春團治極付十番落語会 (第六番)

2006/4/4 @ワッハホール

  • 桂 春雨 「河豚鍋」
  • 笑福亭 鶴志 「平の陰」
  • 桂 南光 「桜の宮」
    ―― 中入り ――
  • 桂 春駒 「ひとり酒盛り」
  • 桂 春團治 「お玉牛」


 ちょっとビックカメラに寄ってから会場へ。開場 10 分前に到着したら、えらい長蛇の列でびっくり。
 それでもひとりで行ってるとどないにでもなるもんで、空いてた 5 列目にすべり込み。当日券の伸びが心配される天気でしたが、客席はほぼ満席。


 開口一番の春雨が、マクラで花粉症情報を。前日からヒノキがピークを迎えてるとか。きのうは風邪かと思ったんですが、それで調子悪かったんかも。
 ネタは「河豚鍋」。時間調整のためか、クスグリが少なくてあっさり。ところがしゃべり方はもっちゃり。おかげでゆるぅい笑いの空間に。あ、でも鍋にはしっかり春雨が入ってました。

 鶴志の見てくれは完全にヤ○ザですよね。ただ、しゃべり出すとメチャクチャおもろい。春團治に稽古を付けてもらったときの話から、師匠・松鶴のエピソードと、ものまね入りでボリューム満点のマクラも大爆笑。
 「平の陰」の、字を読めるふりしてごまかそうとするおっさんがなんともおかしくて、イカツい鶴志がかわいく見えてくるから不思議。

 大きな拍手で迎えられた南光。花見の二次会で米朝が行きつけのスナックに行き、ユーミン御一行と遭遇したときの話で会場をわかせ、芝居の趣向で花見に出かける「桜の宮」へ。登場人物も多めで賑やかな噺ですが、人物の演じ分けがキッチリしてるあたりはさすが。

 中入りをはさんで、春駒は酔っぱらい親子の小咄をマクラに「ひとり酒盛り」を。壁紙を貼る仕草から、手酌でひとり飲み続ける様子など、終盤までのひとり語りがおもしろい。とくにひとりで酔っぱらってゆくあたりのさじ加減が絶妙。春駒は初めてでしたが、職人気質な印象でした。

 春團治の「お玉牛」は、とにかく所作がお見事。とりわけ扇子を使った牛のしっぽが男の顔を打つ場面が絶品。やわらかい布団で寝かせてもらってうれしそうな牛の表情がまたかわいい!


 春團治さん、日毎に調子が上がってるように見受けられます。オーラと云うか、高座の雰囲気と云うか、ノリノリで演られてるよな、そんな感じが日増しに強くなってます。休みを 1 日はさんであと 4 日、もうひと踏ん張りがんばっていただきたいです。
 春雨が下がってから通路に補助席が出ました。当日のお客さんが多く来られてたのかもしれませんね。雨宿り?

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三代目桂春團治極付十番落語会 (第五番)

2006/4/3 @ワッハホール

  • 笑福亭 銀瓶 「千早振る」
  • 笑福亭 竹林 「近日息子」
  • 林家 染丸 「寝床」
    ―― 中入り ――
  • 桂 小春團治 「さわやか侍」
  • 桂 春團治 「代書屋」


 昨晩、意味なく夜更かししてしまい、風邪気味のような感じでかなり体調悪し。
 で(ってワケでもないですが)、ちょっと早めに会場へ。 某女史 も来られてたんで、連れだって最前列へ。


 開口一番は男前の銀瓶。「万が一、笑えるところがあったら笑ってやってください」と超謙虚なマクラから「千早振る」へ。出てくるふたりの演じ分けがやや希薄ながら、ハキハキと歯切れ良い。『クイズ$ミリオネア』な場面もあったり、自由奔放なクスグリも。

 つづいて竹林。極プライベートなマクラから「近日息子」を。ちょっとダミ声で威勢が良く、口喧嘩の場面はなかなかの雰囲気ながら、全体にやや一本調子。

 中トリは 2 日前に観たばかりの染丸。ぶっちゃけ過ぎなマクラで盛り上げて「寝床」へ。これが秀逸。浄瑠璃が道楽の大旦那の、徐々にキレるさま、すねてたのが押しかける客にニヤケるさま、とにかく表情豊かに。ちょっと染丸落語にハマりそうな予感。

 ひさしぶりの小春團治。マクラで「師匠が稽古してるの見たことないんですが、自宅の稽古場で羽織を脱ぐ稽古をしてたのを見た」と、ホントのようなウソの話。
 「師匠はテレビの時代劇が好きなんです」って話題から「さわやか侍」を。女にモテたいがために、桃太郎か暴れん坊かと云うような長屋暮らしを始めた若殿様の巻き起こす騒動。明るい語り口が若殿様のキャラクターにフィットして、おかしさ倍増。

 小春團治のマクラを受けて、春團治が羽織を脱ぐと客席から大きな拍手が。それでも何事もなかったかのように、いつもどおりスッと「代書屋」へ。
 間近で観ると、細かい所作や表情がよくわかります。とくに、筆や判や定規の使い方、紙の送りなど、何気ないところがごく自然。そして、「昭和十年十月十日」の出来事を語る河合浅次郎の表情のうれしそうなこと!


 この日はトリの春團治さんへ向けて徐々に盛り上がってゆくような、そんな感じの会になりました。とくに染丸さんと小春團治さんのおふたりが、春團治さんとはまた異なる味わいで盛り上げてくれました。よく笑ったせいか、気分もスッキリ。
 やっぱり間近で観ると楽しいですね。この日で前半が終了し、こっから折り返しの後半ですが、可能な限り早く行って前の方に陣取りたいです。

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三代目桂春團治極付十番落語会 (第四番)

2006/4/2 @ワッハホール

  • 笑福亭 瓶太 「野ざらし」
  • 露の 都 「金明竹」
  • 笑福亭 松枝 「袈裟御前」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 鶴瓶 「オールウェイズ お母ちゃんの笑顔」
  • 桂 春團治 「野崎詣り」


 朝から雨。この日は前売り完売で混雑が予想され、整理券が配布されるってことで、早めに出発。自宅から駅へ歩いてく間に本降りになるも、電車で大阪に着く頃には小降りに。
 会場へは 11 時半前に到着。整理券は 20 番。血迷ったようなお客さんはそれほどいなかったようです。軽く食事しつつ読書で時間つぶし。
 たまたま隣接した吉朝ファンの御婦人方とともに入場し、2 列目に陣取る。


 開口一番は瓶太。鶴瓶の弟子ってことでちょっと心配でしたが、どっこい、しっかりした高座。「野ざらし」を、アホが骨を釣りに行って大騒ぎするくだりまで。演出過剰気味でしたが、会場をええ感じにあっためてくれました。
 上方では「骨つり」に相当する噺ですが、江戸スタイルでした。あっちの噺家さんに付けてもらったのかも。

 都は出てくるなりマクラが暴走。ドラム式洗濯機のススメや消えたパンツの行方を延々と。これがまたおもろい。下座から鐘が鳴らなければ 1 時間くらい余裕でしゃべってそうな勢いでした。(おそらくマクラの時間を指定してたものと思われます)
 で、いきなり落語へ。「金明竹」の前半の、丁稚が断り方を教えてもらうところ(「傘の断り」)を。これもおもろい。店の旦那さんを御寮さんに置き換えてました。

 中トリの松枝は、都のあとで演りにくそう。堺市の自宅紹介から、サプリメントづくし、外国人力士づくしと、こちらもマクラをたっぷりと。(客席の空気を変えるために意図的に長くしたんだと思います)
 「袈裟御前」は初めて聴きましたが、「たちきれ」や「時うどん」に脱線したり、かなりマニアックな構成。それを独特のひょうひょうとした雰囲気でスイスイと。

 中入りをはさんで、おそらく多くのお客さんがお目当ての鶴瓶。春團治が鶴瓶のアフロを「いつか切ったる」と云ってた話をマクラに、わたくし落語の「オールウェイズ お母ちゃんの笑顔」(「お母ちゃんのクリスマス・ツリー」の改題?)を。学(鶴瓶)とおかんの驚かしっこ対決でたっぷり笑わし、ラストでグッとくる、ちょっとズルいくらいのええ噺でした。

 春團治の「野崎詣り」は、船頭の所作と威勢の良い口跡にしびれる。後半の川をはさんだ喧嘩も、喜六の抜け具合が絶妙。たっぷり堪能いたしました。


 この日は 5 席ともおおいに笑わせてもらいました。都さん、鶴瓶さんは爆笑系ですが、密かに期待していた松枝さんもマニアックな笑いでツボ。もちろんトリの春團治さんも抜群の出来で大満足。
 終演後、吉朝ファンの御婦人方と軽く食事しつつ歓談。みなさん落語に冒されてるようですが、冷静に考えてみると、通し券を買ってる私の方が重症のようです。

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TORII 寄席

2006/4/1 @TORII HALL

【卯月恒例 林家一門会】

  • 林家 卯三郎 「半分雪」
  • 林家 竹丸 「天災」
  • 林家 小染 「試し酒」
    ―― 中入り ――
  • 林家 染二 「宗論」
  • 姉様キングス 《音曲漫才》
  • 林家 染丸 「宿屋仇」


 南左衛門さんの会のあと、吉朝ファンのみなさんとお茶会。ワイワイやってると、あっと云う間に開場時間で、あわてて TORII HALL に戻る。
 こちらは超満員御礼札止め状態で、暑いアツい。(そのわりには私の前の席がひとつ空いてたんですけど)


 開口一番の卯三郎は初めて。表情が漫画チックで楽しい。
 「半分雪」も初めて。関取が嫁さんに謙遜するよう説教する噺。落語ですから、極端になったり言葉の使い方を間違えたりって感じ。独自のクスグリを盛り込みやすそう。

 竹丸の「天災」は短気な男の切れ味が悪く、効果半減。

 小染の「試し酒」は、悪くはなく、むしろ権助が徐々に酔っぱらってくる様はなかなかの見所なんですが、酒を飲むだけの噺なんで後半にダレが。酒を 5 升飲むところに無茶さがあるわけで、これを減らすわけにもいかんでしょうが、構成にひと工夫ほしいところ。

 中入りをはさんで染二は師匠の会の宣伝から、ネタ下ろしの「宗論」。前半の親旦那さんのやりとりは抑え気味で、後半のキリスト教徒の若旦那が出てくるあたりでテンション上昇。最後に番頭が隠れキリシタンだったことが判明します。
 ネタ下ろしってことで、まだまだ未整理の部分や、途中で次の句が出なくてヒヤヒヤさせられる場面もありましたが、まずまずの出来。これからが期待できるネタだと思います。(とくに番頭)

 つづいては、染丸曰く「究極の色物」の姉様キングス。この日は新調した桜柄の着物で華やかに。ネタは「都々逸」「猫じゃ猫じゃ」「阿呆陀羅経」で賑やかに。(このチョイス、軽めの A 面ネタだとか)
 とくに「♪おっちょこちょいのちょい~、おっちょこちょいのちょい~」が印象的な「猫じゃ猫じゃ」が楽しかったです。阿呆陀羅経は要稽古、かな?

 トリの染丸、マクラでうまぁく観客を転がして「宿屋仇」へ。ほんとにひさしぶりに聴く噺で、しかも聴きたかった噺なんで、存分に「いはぁ~ちぃ~」を堪能。兵庫の三人衆の賑やかさもさることながら、最後に柱にくくり付けられてるってのがツボでした。


 中入り前はやや弱かったんですが、中入り後が強烈。それもトリで染丸さんがきっちり締めてくれて、賑やかなだけでなく充実感も。
 5 月から始まる染丸さんの記念興行、もう発売中なんですが、迷ってます。迷う前に買え、か!?!?

 ちなみに、たまさんがお手伝いに来られてました。

染丸@WEB
 

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旭堂南左衛門講談会

2006/4/1 @TORII HALL

【帰ってきた!吉朝・雀松・南学・モンジュの会】

  • 旭堂 南青 『太閤記』より「太閤の風流」
  • 旭堂 南華 「野狐三次」
  • 旭堂 南左衛門 『西行法師歌行脚』より「鼓ヶ滝」
  • 桂 雀松 「盗人の仲裁」
    ―― 中入り ――
  • 雀松、南左衛門 《対談・桂吉朝を偲ぶ》
  • 旭堂 南左衛門 『寛永三馬術』より「愛宕山梅花折り取り」


 朝から落語会の前売り券を買いにチケットぴあへ。無事確保し、帰宅して軽い朝食ののち、そのまま TORII HALL へ。寒さがやわらいでちょっと助かる。
 エレベーターが 4F で開くと、南左衛門さんが直々にお出迎え。ちょっと恐縮しつつ、木戸銭を払って会場入り。そう云えば、今回は TORII HALL に電話予約したんですが、数日後に南左衛門さん本人からの連絡が留守電に入ってました。
 今回は《講釈師生活三十年記念特別公演》ってことで、花も多く贈られてました。お客さんもぼちぼち集まり、開演前には満席に。


 前講の南青は自己紹介から「太閤の風流」。関白になった秀吉を公家が「歌を詠んでみい」といびる話。ポンポンポンと良い感じ。『男たちの講談会』(南青の会)に行けなかったんで、ひさしぶりに聴けて良かった。

 初めて観た南華は南左衛門夫人だそうな。貧しい子供の三次が木っ端を売る話。ちょっと涙を誘う感じ。

 南左衛門の「鼓ヶ滝」は、西行法師が詠んだ歌を老夫婦と娘に手直しされ、名歌になる話。いつもながらの押しの強さが天狗になってた西行法師に合ってました。

 雀松の「盗人の仲裁」は以前にも聴きましたが、前半の盗人の師弟(?)のやりとりがおもしろい。逆に後半の夫婦喧嘩はちょっとあっさりしすぎ。もうちょっと派手にやらかしてくれた方が展開として自然でしょうし、効果的だと思いました。

 中入りをはさんで、南左衛門と雀松で「吉朝を偲ぶ」と題して対談。昨年 8 月の『吉朝学習塾』で、南左衛門が吉朝にこの会への出演をお願いしたところ快諾されてたそう。
 吉朝の思い出としては、やはりシャレがキツかったことのようで、しょっちゅうイタズラ電話してたようです。舞台上の人間を笑わせるのに、袖でしょっちゅう尻出しもしてたとか。
 かつての『モンジュの会』の客席には、噺家になった三喬や米左の姿もあったそう。そう云う意味では影響力のあった会だったと云えるでしょう。

 トリの南左衛門は『寛永三馬術』より「愛宕山梅花折り取り」。これはたまによる落語しか聴いたことなかったんで、本家の講談バージョンを聴けるってことで今回楽しみにしてました。
 目で会話する家臣や、男坂を前に困惑する家光など、笑いどころもあり。曲垣平九郎の登りっぷりも鮮やか。《三馬術》ってくらいですから、あと《二馬術》あるワケで、そっちも聴いてみたいです。


 南左衛門さんの会とは云え、『モンジュの会』の趣と、吉朝さんを偲ぶ会ってこともあってか、普段の南左衛門さんの会とは雰囲気が違ったのかも。それでも南左衛門さんは自分の会と云うことでややリラックスされてたようで、メリハリのある語りで 2 席とも楽しめました。

 終演後、会に来られていた F さんにまたええもんいただきました。ありがとうございます。はよプレーヤー買お。

 ちなみに、南湖さんがお手伝いに来られてました。

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