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完本・突飛な芸人伝

完本・突飛な芸人伝
完本・突飛な芸人伝
吉川潮
(河出文庫)

 高岳堂さんの記事 で祝々亭舶伝さんのことが書かれていて、ちょっと気になって検索してみるとこの本がヒット。舶伝さん以外にも、月亭可朝・月亭八方の師弟、川柳川柳、ショパン猪狩など、気になる芸人さんが多数。
 さっそく読んだんですが、これがおもしろい。こう云う本って往々にして東京の芸人さんが中心になりがちなんですが、関西の芸人さんが 3 分の 1 ほどを占める構成で、著者の見識の広さがうかがわれます。

 それぞれの芸人さんの半生を、多彩なエピソードで構成。かなり取材されてるようで、それぞれのエピソードがなまなましく、読んでると当時を追体験しているよう。
 雑誌連載時から 20 年、最初の単行本刊行から 18 年たっているため、附記・追記のかたちで近況などもフォローされてます。このあたりに著者の芸人・演芸への愛が感じられますね。

 解説は春風亭昇太さん。短い文章ながら、彼の考える芸人像がかいま見られます。

 通勤時や整骨院の待ち時間なんかに読みましたが、各項 15 ページずつくらいなんで、ちょっとした時間に読むのにちょうど良いです。演芸ファンのみなさん、ご一読を。

 なお、新潮文庫からも出てますが、そちらは一部の芸人さんの項がカットされています。おなじ読むなら《完本》と銘打った河出文庫版がおすすめ。
 参考までに、河出文庫版の目次を載せておきます。

  • 借金のタンゴ ―― 月亭可朝
  • 川柳の賛美歌 ―― 川柳川柳
  • 八つの顔の男だぜ ―― 林家木久蔵
  • 野球狂の唄 ―― ヨネスケ
  • 喧嘩エレジー ―― 石倉三郎
  • 究極の貧乏 ―― 祝々亭拍伝
  • 与太郎の青春 ―― 柳家小三太
  • 男の顔は履歴書 ―― マルセ太郎
  • 神様のヨイショ ―― 古今亭志ん駒
  • 音頭とるなら ―― 桂文福
  • 歌舞伎座の怪人 ―― 快楽亭ブラック
  • ホラ吹き男爵 ―― ポール牧
  • ドツかれる女 ―― 正司敏江
  • ヘビの軌跡 ―― ショパン猪狩
  • 白塗り仮面 ―― 桂小枝
  • 春日部の名士 ―― 林家正楽
  • 六甲おろしに颯爽と ―― 月亭八方
  • ホンジャマーの男 ―― 早野凡平
  • 浪花アホ一代 ―― 坂田利夫
  • 酒と馬鹿の日々 ―― 春風亭梅橋

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