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DDT - Go Go West Tour 2006 in Osaka

2006/6/30 @豊中市立ローズ文化ホール

 ひさしぶりのプロレス観戦。最近はプロレス雑誌もご無沙汰なんで、業界の流れがサッパリです。まぁそれでも DDT なら楽しめるだろうと、チケットの手配を 某後輩 に委託。自由席 3,000 円が売り切れで指定席 5,000 円になってしまいましたが、これがかなり観やすい席で結果オーライ。
 会場のローズ文化ホールは劇場としても使える多目的ホールで、座席設定は後楽園ホールを小振りにした感じ。どっからでも観やすいと思いました。

ポコ高梨、カブキ・キッド vs シーマ・ザイオン、諸橋正美
 正美はデビューしたてのようで、まだまだ技が危なっかしい。ほかの選手も、そこそこのキャラ設定こそあるが、なんとなくもうちょっと感が。

メカマミー、諸橋晴也、THE MAC、ブルアーマー TAKUYA、魔ッスル坂井
 アイアンマン・バトルロイヤル戦。注目の メカマミー はちょっと地味。メカなのに痛そうなリアクションも。途中で選手が舞台裏戦に移動し、リングに戻ってきたメカマミーは豪腕パンチとウイングを装着した姿に。強い、強すぎるメカマミー! コーナーからの飛行パンチでベルトを奪還。
 メカマミーは退場時にウイングが引っ掛かると云う古典的お約束ボケまで。ドリル・アームも見たかった。

フランチェスコ・トーゴー、モリ・ベルナルド、アントニーオ本田
  vs
MIKAMI、タノムサク鳥羽、泉州力

 本田と泉州の対峙に(かなりデフォルメされた)ストロング・スタイルの片鱗が。
 イタリアンなチームのテンションが高くておもしろかったんですが、トーゴー、MIKAMI あたりの主力選手がいまいち活かされてない感じでもったいない。本田はおもしろい、いろんな意味で濃すぎて。

KUDO vs 飯伏幸太
 休憩あけは地味なシングル。

高木三四郎、ポイズン澤田 JULIE、柿本大地、“蛇ット”省吾、塩“蛇”英樹
  vs
大鷲透、HARASHIMA、男色ディーノ、猪苦魔裕介、中澤魔イケル

 メインの DDT vs DISASTER-BOX 全面対抗戦は 10 人タッグのイリミネーション。D-BOX 側が勝ったら蛇界に寝返った“ジェット”ならぬ“蛇ット”を取り戻すと云う条件付きマッチ。
 客席にいた三四郎の父親も微妙に巻き込みながら、D-BOX がやや優勢に。大鷲、三四郎あたりが早々に脱落し、最後に残ったのが HARASHIMA と、普通のおっちゃんっぽい塩ちゃんならぬ塩“蛇”ん。健闘むなしく HARASHIMA の勝利。なのに「“蛇ット”はもう蛇人間だから D-BOX には戻らない」と云う理不尽な展開に。
 ポイズン、三四郎、ディーノあたりの活躍はもうちょっと観たかったような。

 試合終了後、ロビーで恒例の三四郎集会。羽曳野の帝王こと塩“蛇”んを囲んで、なんとなく和やかな雰囲気に。すでに同会場の 9 月 17 日(日)を押さえたとか。

 いやぁ、やっぱりおもしろかったですねぇ。個人的には蛇界の活躍をもうちょっと観たかった気もしましたが、それでもメインはやっぱり盛り上がりました。とくにセコンドの坂井のコメントがいちいちおもしろかったです。
 それにしても、豊中は遠い。高木三四郎の凱旋興行(?)とは云え、やっぱり環状線周辺で開催してもらいたいです。

DDT XXXch Official Web

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RENEWAL 八天の会

2006/6/25 @KKR HOTEL OSAKA オリオンの間

  • 笑福亭 たま 「船徳」
  • 月亭 八天 「星野屋」
  • 月亭 八方 「蛇含草」
    ―― 中入り ――
  • 桂 勢朝 「桃太郎」
  • 月亭 八天 「夢の革財布」

※ 第 20 回 特別記念興行


 雨です。まぁ季節柄、仕方ない。気を取り直して出発。
 JR「森ノ宮」駅から歩いて 15 分、場所は悪いが立派な会場です。14 時開場で、14 時過ぎに行くと舞台設営中。チケットの半券を見ると 14 時半開場。まぁええ席を確保できたんでええんですけど。
 案内で「限定 120 名」とあったんですが、まずまず満席。


 開口一番はたま。マクラ代わりのショート落語ベスト(銃撃戦、健康飲料、北朝鮮問題、蜘蛛の糸、伝票争い)はなかなかのウケ。
 たま版「船徳」は所作が大きくわかりやすいおもしろさ。掛け声だけは一人前の船頭見習いの若旦那が同じところでぐるぐる。たまも座布団の上でぐるぐる。ええ感じで会場をあっためる。

 つづいて八天。ごあいさつやら八方の紹介やらをマクラに、「星野屋」を。星野屋の旦那に心中してくれと頼まれた手掛けのお花がいかに心中から逃れるか‥‥って噺。
 後半、旦那の心中がお花の本心を知るための狂言だとバラしてからのやり取り、旦那とお供の権助、お花とその母、4 人の駆け引きがなかなか。それぞれの演じ分けはもちろん、徐々に一枚上手との様相が加速。金が絡むいやらしい展開ながら、小気味良く聴かせる。

 中トリの八方は NGK の出番の合間に弟子の会へ出演。北海道と大阪の気候の違いから、昔の夏の過ごし方なんかをマクラに「蛇含草」へ。
 餅はひと口大の小餅。これをいきなり立て続けに 5 個食べる。曲食いでは「こんなもんな、ロナウジーニョでもでけまへんで」「今週からこれをテポドン 2 号と呼んでます」と時事ネタも。このあたりはさすが寄席に慣れてる者ならでは。
 ひさしぶりに八方の高座を観たが、軽妙で楽しい一席に。

 中入りを挟んで、初めて観る勢朝は、名前どおりえらい勢い。テレビ出演情報(NHK 連続テレビ小説『芋たこなんきん』の 10/10 放送分と、サンテレビの土曜 17 時半の天気予報)から、子供ネタへとつないで「桃太郎」を。
 とにかくテンションが高い。とくに父親のテンションが高くて、あれでは息子も寝てられんのでは?と思わされる。所作も大きく、布団のなかで暴れる息子を押さえつけて「布団のなかで気をつけ!」には爆笑。口跡も良く、賑やかに笑わせてもらう。

 トリの八天は、酒にまつわる話をマクラに「夢の革財布」をじっくり聴かせる。
 住吉の浜で拾った大金入りの革財布に大宴会で浮かれる夫、なにを夢見てんのと夫の尻をたたく妻。ふたりの心の機微を丁寧に描く。


 ゲストにつられて行った会でしたが、八天さんの丁寧な上手さを再確認。「百年目」や「立ち切れ線香」あたりを演ってもらいたいと思いました。
 ひさびさの八方さん、おなじみのたまさんも良かったんですが、某 Y さんパワー・プッシュの勢朝さんもなかなか。この日は好番組でした。

 次回は玉初堂アネックスホールにて 10 月 21 日(土)の予定です。

月亭八天 HATTEN WORLD

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染雀花舞台

2006/6/24 @上方亭

  • 林家 染雀 「化け物使い」
  • 桂 あやめ 「ルンルン大奥絵巻」 (作:桂あやめ)
  • 林家 染雀 「須磨の浦風」
    ―― 中入り ――
  • あやめ、染雀 《対談:ロンドンのこと船弁慶のこと》
  • 林家 染雀 「船弁慶」

※ 第二十回


 梅雨の晴れ間で暑いアツい。こんな暑さにもめげず、入りに入った上方亭。後方の扉はもとより、下手側の出入り口も開放して補助席を設置。80 人以上入ってたんやないでしょうか。


 まずは染雀。「化け物使い」は鶴瓶に付けてもらったとのこと。人使いの荒い旦那とそこの奉公人ではなく、人使いの荒い夫とその女房に。宿替え先が化け物屋敷で、怖がった女房は里帰り。まったく動じない夫は出てきた妖怪に用事をさせる。
 用事を云い付けるときの立て弁が心地良い。出てくる化け物ってのが『ゲゲゲ‥‥』なんかでおなじみの連中で、学校寄席なんかで演るとウケが良いかも。(もちろんこの日もウケてたが)

 ゲストのあやめはマクラで昔のドラマ『大奥』が大好きと振って、自作の「ルンルン大奥絵巻」を。
 綾小路が連れてきた清楚な美女のお美乃に対し、河内が連れてきたのは暴走馬賊上がりで黄金色の髪のお竜。上様を虜にするのは、お美乃か、お竜か?‥‥って噺。
 河内弁でまくし立てる河内方の暴走具合がすさまじい。山場では下座から上様の喘ぎ声が。(声の出演:林家染雀)

 ふたたび染雀。次はめずらしい噺で「須磨の浦風」。夏の暑い盛り、鴻池善右衛門が大名をもてなす趣向に、座敷にはギヤマンで作ったこたつ、庭には白布と綿で作った雪、そこへ須磨の浦の涼しい風を送ろうとなり、千人の人足を雇って須磨へ風を採りに行かせる‥‥って噺。
 苦労して採ってきた風を疲れた人足が途中で涼んでしまい、長持のなかにおならを詰めて持って帰ると云う、いたって落語らしい展開に。風流な場面はとことん涼しく、最後はワヤクチャに。五感を刺激するような展開がおもしろい。

 中入りを挟んで、あやめと染雀の対談。2 日後に控えた姉様キングスのイギリス遠征の話から、あやめが師匠の文枝に「船弁慶」の稽古を付けてもらったときの話など。

 トリの染雀の「船弁慶」。ちょっと走り気味な感じだが、聴いてて心地良い。前半の暑苦しいくらいの雷のお松のしゃべりっぷりが、後半の船遊びでの涼しさを引き立てる。
 そしてラストの源平踊り、ここは染雀の真骨頂。やわらかな指づかいがなんとも優雅。川に落ちて平知盛に扮したお松と、それを受けて弁慶を演る喜六の芝居がかった夫婦喧嘩は、雰囲気満点の語りっぷり。サゲは値切るではなく「きょうは三円の割前じゃ」。


 いやいやいや、大満足。染雀さんは夏を意識した色とりどりの三席、あやめさんは飛び道具と、たっぷり楽しませていただきました。とくに「船弁慶」のラスト、やっぱり染雀さんの芝居噺が観てみたくなりました。
 それにしても、この日の入り。あやめさん目当てのお客さんが多かったのかもしれませんが、できればレッスンルームに移っていただきたいです。

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男たちの講談会

2006/6/23 @道頓堀極楽商店街ゑびす座

  • 旭堂 南青 『寛政力士伝』より「越ノ海勇蔵」
  • 旭堂 南青 「江島屋騒動」
  • 笑福亭 たま 「山寺飄吉」 (作:笑福亭福笑)
  • 旭堂 南青 『太閤記』より「三日普請」

※ 第 2 回


 男前の南青さんの会。第 1 回は出張で行けなかったんで、今回はかなり楽しみにしてました。
 エレベーターで 5 階まで行き、そっから階段で 6 階へ。ここは別途入館料を取られるんですが、この日はサラリーマンは無料と云うことで、なんか得した気分。迷いつつゑびす座を発見。
 前回は満員だったそうですが、この日は 30 人弱とゆったりした入り。「講釈場 いらぬ親父の 捨て処」てなことを云うそうですが、男性客は 5~6 人で、あとは女性客。(って、あたりまえですが) しかも若い女性客率高し。たしかに南青さんは男前なんでわからんでもないんですが、意外な感じ。どこで知ったん?


 まずは南青。マクラ代わりに師弟関係のつらさを吐露。ネタは『寛政力士伝』の一節で「越ノ海勇蔵」。小兵の勇蔵を辞めさせようと、親方はじめ兄弟子たちが稽古もさせずいじめるも、辛抱に辛抱を重ね、とうとう稽古に‥‥ってな話。
 『寛政力士伝』では「雷電の初相撲」しか聴いたことなかったが、こちらもおもしろい。とくに念願かなって稽古を付けてもらう場面がなかなかの迫力。雷電も特別出演。
 外国人力士隆盛の最近の相撲界の秘密がこの講談に語り継がれている‥‥ってのはいつものパターン。これもまた良いオチに。

 つづいて南青。照明が暗くなり、近畿大学の怪談話をマクラに、怪談「江島屋騒動」を。強欲な古着屋の江島屋の蔵にあらわれた片袖の着物の女の幽霊。その実は‥‥って話。調べてみると、三遊亭圓朝の作。
 南青のキャリアを考えると上々以上の出来。グググッと引き込まれる。

 ここでゲストのたま。怪談のあとで演りにくそう。
 師匠・福笑の作の「山寺瓢吉」も、たま自身で多少手を入れているとのこと。嫁と会いたさに脱獄し、人質を取って廃屋に立て籠もった森田と、森田をよく知る山寺資料室長との対決。人質の母親の憎たらしさと、山寺の豹変ぶりが秀逸。作品自体のおもしろさとたまの勢いがうまく融合。
 出来はかなり良かったが、怪談のあとで客がカタくなってしまい、どうも笑いが弱い。

 最後に南青が『太閤記』より「三日普請」。遅々として進まぬ清洲城の塀の工事。織田信長に「三日で直してみせます」と進言した木下藤吉郎。さて、策は‥‥って話。
 豊臣秀吉の出世話だが、藤吉郎が子供のようで、なんかおもろい。人の使い方は現代にも通ずるものだろう。


 この日は講談も落語も一席 30 分ほどあり、たっぷり 2 時間の会となりました。どれも聴き応えありましたが、番組順がチと悪かった。怪談は最後にすべきだったと思います。
 それにしても南青さん、口跡も心地良く聴かせてくれますね。落語会のゲストでもちょくちょく見かけるんで、これからファンがどんどん増えてくるんじゃないでしょうか。要注目ですよ。

 次回は 9 月 8 日(金)の予定です。

旭堂南青 「みなみの青大将」

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出没!ラクゴリラ

2006/6/22 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 露の 楓 「子ほめ」
  • 林家 花丸 「茗荷宿」
  • 笑福亭 生喬 「雑穀八」
    ―― 中入り ――
  • 桂 こごろう 「代脈」
  • 桂 つく枝 「宿替え」

※ 第 62 回


 よぉ降りますなぁ。梅雨らしいっちゃあ梅雨らしいんですけど、こないに降られると移動するだけで難儀します。
 こんな天気だから入りはどうかと思いつつギリギリに会場入りしてアンケート用紙を見ると、隅に「73」の文字。開演後にもどんどん来られてたようですから、80 人以上は入ってたと思います。


 開口一番の楓。マクラに雨女ネタを軽く振って「子ほめ」へ。以前よりも安心して聴ける。一本調子ながら元気が良く、後半には独特のおかしみも。「月並丁稚」や「平林」の丁稚ネタなんか演るとかなり楽しめそう。

 花丸はマクラで、横浜での余興の話(オチ付き)、師匠をしくじった話(オチ付き)、地方公演でのエピソード(オチ付き)とつなぎ、宿屋ネタの「茗荷宿」へ。
 いつもながらきっちりとした登場人物の演じ分け。とくに宿屋の女房が秀逸で、ボヤきながら眉毛でしゃべりまくり。客が預けた五十両を忘れさせるのにミョウガをたらふく食べさせたあと、ミョウガの舞で念を入れる。

 生喬の「雑穀ざこ八」。江戸帰りの男・鶴と桝屋の旦那・新兵衛とのやり取り、雑穀八の潰れた原因はおまえにあると云われ激高する鶴、雑穀八の成り行きを語る新兵衛、このあたりの笑いのごく少ない場面もしっかり聴かせる。
 後半、雑穀八のお糸と鶴との間に挟まれ、鯛を持ってうろうろする魚喜の困惑がおかしい。

 こごろうの「代脈」は以前にも聴いたが、よく掛けてるそうで安定感もあり、要所でしっかり笑わせる。若先生こと州達と伊勢屋の番頭のやり取りが秀逸で、羊羹にこだわりキレ出す州達に対してボヤく番頭との構図。この番頭のノリがまた軽くておもしろい。
 ようやく羊羹にありついた州達、じっくり味わう様子がなんともうまそうで、そのあと口に含む一杯の粗茶がこれまたうまそうで。こごろうの表情から州達の満足感が伝わってくる。

 トリのつく枝は西成区から西区へ宿替えした話をマクラに「宿替え」を。以前にも聴いたが、つく枝のは、宿替えが済んでほうきを掛ける釘を打ち込むところから始まり、釘を打ち込んでしまった隣の家に行ってからの嫁はんのノロケ話をかなり厚めに。ホントにうれしそうにのろける。
 サゲは、前の家に父親を忘れてきたが、酒飲んだら我を忘れる、ってめずらしい型。


 やっぱりラクゴリラはおもしろいですねぇ。それぞれ味わいがありますが、私的には花丸さんの、マクラを含めた構成力と、がっちり固めて安定感があり、それでいて軽やかってとこに惹かれます。
 中入り前は珍品編。二席とも初めての噺でしたが、花丸さんは軽やかに、生喬さんはたっぷりと聴かせてもらった感じで、どっちもグイグイ引き込まれました。
 中入り後は爆笑編。こごろうさんもつく枝さんもしっかり笑わせてくれました。隣の女の子もケラケラ笑ってはりました。
 ラクゴリラのメンバーはそれぞれ充実、楓ちゃんも華やかで、非常に満足度の高い会となりました。
 そう云えば、若い女性客が比較的多かったです。もちろんおばちゃん客も多いんですけど。やっぱり落語ブームなんでしょうか?

 次回は 8 月 28 日(月)の予定。開口一番はフレッシュな瓶成さんです。

出没!ラクゴリラ

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できちゃったらくご!

2006/6/21 @茶臼山舞台

  • 遊方、三金 《ごあいさつ》
  • おしどり 《音曲漫才》
  • 桂 三風 「今昔生中継」
  • 桂 あやめ 「カツラやもめ」
  • 桂 三金 「デブのお肉に恋してる」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 たま 「My Wife」
  • 月亭 遊方 「たとえばこんな誕生日」

※ 第 30 回


 本社で打ち合わせのあと、ちょっと時間があったんでマクドで腹ごしらえして開場へ。さすがに早く、一番乗りでした。
 入りは前回より若干少なめの 40 人ちょい。それでもここの会場では満員です。


 まずは遊方と三金が番組紹介。
 続いておしどりのワイヤー・アート音曲漫才。今回はちょっとしゃべくりの要素が拡大。やや滑りそうになるも、賑やかに勢い押し。

 三風は、現在と江戸時代の天神祭を二元中継する、ちょっと SF チックな噺。もちろん観客参加型で大阪締め。天神祭にまつわる豆知識がてんこ盛りで、「ほぉー」っと聴いてたら笑うのを忘れてしまう。これはこれで問題?

 あやめは、ズラのことを異常に気にしている会長に若い女が幇間よろしく取り入ると云う、「猿後家」のパロディ版。ネット投稿からヒントを得たそう。髪のことに触れられるとキレて相手をぶっ飛ばしてしまう会長の、その描写がかなりのアクション落語。逆に持ち上げられるとドンペリとフォアグラでもてなすってのも、わかりやすい成金趣味でおもろい。

 三金は得意のデブ・ネタ。サークルでいちばんの美人が作った(マズい)唐揚げをたいらげたデブの奥野くんが惚れられる噺。デートを重ねつつも、おたがいの意識のズレが笑いに。このズレがもっと大きいと、さらにおもしろくなる可能性大。あと、唐揚げのマズさの原因も気になるところ。
 ところでこの噺、三金自身の願望?

 たまはショート落語と、完成しきれなかった演芸評論家の噺を紹介したあと、たまよね作の「My Wife」を。課長の奥さんがじつは幽霊で、課長に憑依した奥さんの霊を成仏させる、って噺。時間を気にしてか、やや走り気味。新作を完成させるか、たまよね作品を演るか、ギリギリまで迷って稽古の時間が取れなかったのかも。

 遊方は、誕生日に交通事故にあった 27 歳の男と、事故現場に駆けつけた救急隊員とのやり取りの噺。ポイントで大きく笑えたものの、ひとりで迎える誕生日を救急隊員ふたりに笑いものにされるシーンの連続は、他人事やなく身につまされる思い。

 最後に出演者が登場してプチ反省会。この日の新作の今後の方向性なんかも出る。


 勢い押しな部分も多分にありますが、完成度ではやはりあやめさんが一歩抜きん出てる感じでした。三風さんと三金さんはふくらませ方次第でもっと良くなる印象。遊方さんは反省会で出てた、誕生日の男を救急隊員が盛り立てるような方向に再構成されると笑いやすくなると思いました。
 南湖さんは『新世紀落語の会』出演のため欠席でした。それでも 21 時半になってましたから、今後は 22 時覚悟でお出かけになられた方が良いかも。
 次回は『育っちゃったらくご!』、7 月 26 日(水)の予定です。

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らくご道 笑福亭生喬と桂こごろうの落語会

2006/6/20 @上方亭

  • 笑福亭 生喬 《ごあいさつ》
  • 桂 こごろう 「ちりとてちん」
  • 笑福亭 生喬 「高津の富」
    ―― 中入り ――
  • 生喬、こごろう 《対談:夕焼け日記》


 本屋で文庫と漫画の新刊をチェックしてからワッハ上方へ。入りは前回よりもちょっと少なめの 24 人。蒸し暑すぎた?


 まずは生喬が、パナマ帽にサマー・ジャケット、下には六代目・松鶴の似顔絵入り笑福亭 T シャツで登場。ごあいさつ代わりに最近あった学校寄席での話題。春團治のオーラに驚嘆し、師匠の松喬がうろたえるところを初めて見たとか。

 こごろうはマクラで食べ物の話。師匠の南光に付いて行くとおいしい物が食べられるそうで、ハムメロンに感動し、ハムマンゴーに落胆したとか。
 4 年ぶりに演ると云う「ちりとてちん」は南光の得意ネタ。チラホラと南光風味も見られたが、かなりこごろう流にアレンジされている。豆腐の腐ったんは「長い恋人」「長崎物語」「長崎バナナ」「長崎チャンポン」を経て「元祖ちりとてちん」に。喜六はもとより、旦那も竹も意地悪そうなところがないのは、こごろうの人柄が投影されてるよう。細部が整理されてくれば師匠とはまた違った味わいの完成型が目指せそう。

 生喬のマクラで絵画盗作の話題から落語のパクリ事情へ。明確な著作権のない世界だけに、スジを通すことが重要と説く。(誰に?)
 「高津の富」も師匠の松喬の得意ネタとか。一言一句違わぬよう、師匠に付けてもらったとおりに演ってるとのことで、そのせいか全体的にややカタい印象。最初のホラ吹き男と宿屋の主人との場面はもう少し人物の対比がほしいところだし、二番を当てる妄想男の場面はもう少し幅がほしいところ。いずれも間とか緩急とかのレヴェルだが。

 中入りを挟んでふたりの対談。ともに「師匠の十八番は演りにくい」と云う話から、生喬がマクラで語っていた落語の伝承とパクリについての話へ。具体例には触れられなかったが‥‥
 ちなみに、「くっしゃみ講釈」でゴボウを振り回すのは生喬の工夫だそう。


 この日はおふたりとも師匠の得意ネタと云うことで、それぞれに緊張感があったのかも。もっとも、ラクゴリラのメンバーに対してこちらの要求が高すぎるってのもあるのかもしれませんが。
 それとは別に、マクラや対談での話題が興味深かったです。芸の世界も一般社会となんら変わらない、むしろ一般社会よりもスジを通すことを重んじる世界なんだなぁってことを目の当たりにした気がします。

 次回は 7 月 13 日(木)の予定。生喬さんの「入れ事根問」な「色事根問」に、乞うご期待!

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たまよね DX

2006/6/18 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 笑福亭 たま 「Elderly Love」
  • 桂 ひろば 「書割盗人」
  • 笑福亭 たま 《ショート落語》
  • 笑福亭 たま 「次の御用日」
  • 桂 三風 「あの世めぐり (地獄八景亡者戯・前編)」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 たま 「愛宕山」
  • たま、米井 《雑談:今日のたまよね》

※ 第 2 回


 ダラダラと夜更かししてたせいで、起きたら 11 時。とりあえずバナナをほおばり、バタバタッと用意して出発。前日の雨で蒸し暑い。
 開場が始まったかと思う頃に到着したんですが、10 分ほど遅れててエレベーター・ホールが満員に。この日もなかなかの入りで 60 人くらいは入ってたと思います。


 まずはたまがマクラ代わりに上方落語協会総会の報告。名前入り提灯は限界に達しているが、それでも寄付は受け付け中とか。
 「Elderly Love」は「Apologize」の改作。元は老人が軍隊時代の上官に謝りに行く噺だったが、老人ホームでできたカップルの代わりにヘルパーがおばあちゃんの父親に結婚の許しをもらいに行く、と云う噺に。クスグリのパターンは変わらないが、設定が変わってストーリーがスッキリ。
 いとこの祖父の義理の息子の実の姉のはとこのはとこの姪の曾祖父の娘って誰?

 ひろばの「書割盗人」は教科書どおりきっちりと。やもめの軽口をいなす絵師の突き放し具合がおもしろい。絵師にもっとボヤかせればさらにおもしろくなりそう。サゲは槍で突かれて「死んだたい(つもり)」。

 たまの二席目、まずは新作ショート落語をいくつか。「蜘蛛の糸」が秀逸。
 屈伸タイムを挟んで、落語は「次の御用日」を。この噺、やはりポイントは天王寺屋藤吉の「ァエッ!」っと云う奇声でしょうが、たま版では「ォエァーコァーカァケァーァアェアーカコェアー、ァエッ!」ってな具合で、発泡スチロールを擦り付けたときの音を声で表現したような感じ。これがほんとに気持ち悪い。奇声を超えて狂奇声。ただ、後半の繰り返し部分でやや失速したのがもったいない。
 サゲは、御白州での取り調べで云った云わないの押し問答のあいだに娘の健忘が治ってしまいました、と云うものに。よくよく考えると、「次の御用日」でなくなってるのかも。

 中トリは三風が「あの世めぐり」と題して「地獄八景亡者戯」の前半部分(六道の辻で念仏を買って閻魔の庁へ向かうところまで)を。三枝門下だけに、時代を現代に置き換えて。やや無理のあるところも見られるが、時事ネタも意欲的に盛り込みつつ、三途の川での渡し賃のやり取りなどはおもしろい仕上がりに。全体にテンポの悪さが目立つも、ここらは今後に期待。

 中入りを挟んで、たまの「愛宕山」は、細部の演出にこだわるあまり、全体の構成がかみ合わなかった印象。とくにたま版では一八のキャラが突出しているので、一八を主軸に茂八がフォローしつつ旦那と絡む、そのフォーメーションが固まってくれば流れがスッキリするだろう。
 前半の山登りでの一八・茂八の使い方、後半の土器かわらけ投げでの旦那の表情と一八とのやり取り、そのあたりがとくに荒削りな感じで、この噺の難しさを再確認。

 最後に米井敬人(構成作家)氏を呼んで雑談コーナー。たまの三席をほん軽く振り返って、多くを語らず。


 たまさんは、新作のリニューアル、「次の御用日」の奇声、「愛宕山」のネタ下ろしと、三席ともそれぞれ課題があって大変だったと思います。とくに「愛宕山」は、私の場合、吉朝さんので聴き慣れてるんで、どうしてもそれと比べてしまいます。吉朝さんは軽い感じで演られてましたが、よくよく考えるとマクラを振らず普通に演っても 30 分を超える大ネタですから、初演でどうこう云うのも酷ですね。個人的には「次の御用日」の奇声がかなりツボだったんで、後半を踏みとどまれるような再構成に期待してます。
 ゲストのおふたり、三風さんはやや荒さが見られましたが、ひろばさんは徐々に良い部分が出てきてるような気がしました。三風さんの「地獄八景」は来月にも観られそうなんで、期待してます。

 それはそうと、今回のパンフレットの隅に書かれてた注意事項が強烈で。

他のお客様のご迷惑になるような変な笑い方はご遠慮して下さい。(普通の人は基本的に普通に好きなだけ笑て下されば結構です。たまに自己顕示欲で笑うオカシな人がいてるんで...) by たま

 な、なにかあったんでしょうか?
 私自身、笑いに対して広めの守備範囲で多めのポイントを拾い、しかも引き笑いなんで、こんなん書かれたら気になって笑うに笑えませんよ。(まぁ笑てましたが)

 次回は上方亭にて『たまよね RX』、7 月 15 日(日)の予定です。

らくごの玉手箱

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染二無問題落語武勇伝

2006/6/17 @ワッハ上方レッスンルーム

【浪花爆裂男伊達】

  • 林家 染二 「東の旅・発端」~「煮売屋」
  • 笑福亭 たま 「与太郎」 (作:たまよね)
  • 笑福亭 生喬 「応挙の幽霊」
    ―― 中入り ――
  • 林家 竹丸 「軒付け」
  • 林家 染二 「はてなの茶碗」


 えらい雨。梅雨らしいと云えばたしかにそうなんですが、出かけるとなるとやはり滅入る。が、今週は平日に落語会がなかったんで、気分的には期待感が高まってました。しかもテンション高そうな会です。
 さすがのこの天気だと出足が悪い。それでも始まる頃には 60 人くらいに。この前来たときは超満員だったんで、ゆったり座れる感じで助かりました。団体の若いお客さんも。


 まずは染二が番組紹介から、18 年ぶりと云う「東の旅・発端」から、「煮売屋」まで。「『発端』は、噛んではいけないところが私にはいちばん難しい」と、とにかく演り切りましたって感じでさらっと。「煮売屋」は、煮売屋の爺さん婆さんが染二ならではのエグエグいキャラで、これがまた秀逸。

 たまはマクラで たま日記 にもある上方落語協会の総会ネタを。さすがに書くのははばかられる、春團治の衝撃発言も。
 たまよね作の「与太郎」は、アホの与太郎がじつは‥‥って噺。サゲは二段。何度か聴いてますが、かなり安定してきた感じで、これでほぼ完成型なのかも。

 大阪芸術大学で油彩画を学んだ生喬、マクラで雪舟と応挙を詳しく紹介し、めずらしい「応挙の幽霊」を。応挙が描いた幽霊だとハッタリかまして売りつけた掛け軸が、じつは本当に応挙の作で、売れた祝いに一杯やってる道具屋の目の前にその幽霊が出てくる‥‥って噺。
 掛け軸から抜け出した幽霊の、ゆらゆらとした揺れ具合がお見事。最初はややあんこ形の生喬に幽霊はどうかと思ったが、巧みな所作と声色でそれらしく見えてくるから不思議。その後の酔っぱらう幽霊と困る道具屋の対比もおもしろい。

 中入りを挟んで、実際に浄瑠璃を習ったと云う竹丸の「軒付け」は、教科書どおりと云う感じ。さすがに浄瑠璃の語りには雰囲気が出ている。

 トリの染二、「はてなの茶碗」は初演。ところどころワヤクチャになる場面もあるが、そこは「米朝全集を見てもらえばわかります」と逃げる。油屋の無茶さ加減は染二のニンに合ってる感じ。ややクサ過ぎる場面もあったが、このあたりのバランスは整理されるだろうから、今後が楽しみ。


 ネタ的に爆裂男の本領発揮とはいきませんでしたが、バラエティに富んだ番組構成で、なかなか満足度の高い会でした。とくに生喬さんの「応挙の幽霊」は聴き物でした。
 次回が最終回、7 月 22 日(土)の予定です。

林家染二 オフィシャル・ホームページ

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アクセルはご機嫌です!

ガンズのアクセル、F1の英GPに登場 (ロイター)

 DOWNLOAD FESTIVAL 2006 に出演するため渡英している GUNS N' ROSES のアクセル・ローズが、ついでに F1 グランプリ英国大会会場に出没した模様。
 あいかわらずのドレッド・ヘアーで、写真を見る限りではご機嫌のご様子です。 れいじ子さんのメタル三面記事 によると、 インタビューに答えている姿ライヴ・ショット も。

 ぼちぼちライヴ活動も増えてきて、本格復帰への期待を抱かせてくれます。このままの勢いで今年こそ新譜を出してもらって、ワールド・ツアー、そして来日公演をお願いします! 期待してまっせ!

GUNS N' ROSES
DOWNLOAD FESTIVAL 2006

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花ちゃんの会

2006/6/10 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 林家 市楼 「道具屋」
  • 林家 花丸 「あくびの稽古」
  • 桂 雀五郎 「八五郎坊主」
  • 林家 花丸 「かいな喰い」


 落語会へはいつも楽しみにして行くんですが、最近もっとも気になってた花丸さんの会ってことで、わくわく感もひとしお。
 入りは 50 人くらいでしょうか。ゆったり座れました。男前の花丸さんの会だからか、おばちゃんファンが多かったです。


 開口一番は市楼の「道具屋」。売り物の古道具に鉄砲が出てくる型は初めてで、その代金をめぐるやり取りがおもしろい。「小便できまへんで」はパッチではなくシビンで。

 雀五郎は「八五郎坊主」。格子戸をガラガラガラッと開けるところでは、座布団の外へトントントンッとはみ出して、「これがうちの一門の伝統芸です」。きっちり丁寧ながら、ちょっとテンポが速過ぎる。八五郎の忘れを活かすためにも、もうちょいテンポ・ダウンした方が効果的な気が。

 期待の花丸、一席目は小学生の頃に通ったそろばん塾での読み上げ算の秘密をマクラに「あくびの稽古」。稽古事好きの男のエピソードは、三味線が表裏ひっくり返ってたり、浄瑠璃のお師匠はんが「ガオー!」に懲りて宿替えしたり、じっくりたっぷりと。今回の稽古屋、御欠伸稽古処は《売りゃせん家》の《微笑流》で、あくびのあとにわずかにニヤリと微笑むのが流儀。このニヤリがまた笑いを誘う。
 「この季節は怪談モノがよくかかります」と、二席目は「腕喰い」。勘当された船場の若旦那が元番頭の世話で嫁をもらうが、この嫁が夜な夜な‥‥って噺。前半は乞食に身をやつした若旦那に「おありがとうございます」が染みついてたり、なんとものんきな若旦那がおもしろい。が、後半、嫁の秘密が明らかになるくだりはゾクゾクくる怖さで、ピーンと緊張感が張り詰める。このあたりに花丸の上手さが光る。


 クスグリの作り込みが効果的だった「あくびの稽古」に、めずらしい怪談噺をたっぷり聴かせた「腕喰い」と、花丸さんの高座は二席とも秀逸。ゲストのおふたりもそれぞれ違った味わいで会に彩りを添えられ、満足度の高い会でした。
 今回、私のなかでの花丸指数がますます急上昇。かなりツボにはまった感じです。

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笑福亭福笑独演会

2006/6/9 @大阪厚生年金会館芸術ホール

  • 笑福亭 たま 「いらち俥」
  • 笑福亭 福笑 「振り込め詐欺」 (作:阪野登)
  • 旭堂 南鱗 「木津の勘助」
  • 笑福亭 福笑 「刻うどん」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 福笑 「入院」

※ Vol. 21


 厚生年金芸術ホールで全席自由。整理券発行情報があったんで、ちょっと早めに行ってみても、もっと早めに来てる人の列が向かいの公園までつづいてました。超気配りの C さんが整理券をゲットしといてくれたんで助かりました。(普通に列ばれてる方に申し訳ない気も‥‥)
 開場が 30 分前倒し。どこに座るか思案してると、うしろから猛ダッシュのお客さんが強烈な席取り。ちょっと落語会にそぐわない雰囲気。
 徐々に徐々に席が埋まり、2 階席にもかなりの入り。ってことは、千人近く入ってたことになります。福笑さん、えらい人気です。


 開口一番のたまは、彼の古典のなかでも屈指の「いらち俥」。前半のヘタレ過ぎる俥屋、後半の市電との勝負に燃える俥屋、ともにテンションが高い。着物もはだけまくりの熱演で、客席もじゅうぶんあったまる。

 南鱗も「木津の勘助」も初めて。木津で百姓をする勘助が大阪の材木問屋の淀屋十兵衛の財布を拾い、これがきっかけで勘助と十兵衛の娘が結婚する‥‥ってな話。
 耳に心地良い語り口と慢性的な寝不足でスヤスヤスヤ‥‥。

 福笑は新作「振り込め詐欺」から。振り込め詐欺の被害に遭った妻に、現職警官の夫が振り込め詐欺の見本を見せるって噺。見本と云いつつ、悪徳弁護士になりきった語り口が真に迫って本気モードになるも、妻の演技力のなさでしっちゃかめっちゃかに。
 古典の「刻うどん」は、うどんは 4 玉ほど入ってそうな喰いっぷりで、袖を引く男には箸で目突き攻撃。なるほど福笑の芸はしっかり弟子のたまに受け継がれているとわかる。後半のうどんの不味さは、師匠が上をゆく出来。
 中入りを挟んで新作「入院」は、神経性胃炎で病院に来た男が医者の物云いにやきもきし、同じ病室の全身骨折男を見舞いに来た友達とイジりたおし、火事騒動でてんやわんや。ありえないやり取りがあり得そうに見えてくるから不思議。


 おおいに笑った 2 時間半。客席もドカンドカン来てました。
 来年は指定席になるのか、それともさらに大きな会場で自由席を維持するのか。なにかとこだわりのある福笑さんには今後も落語の可能性に挑戦してほしいです。

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こごろうの会 桂こごろうの勉強会

2006/6/8 @露天神社(お初天神)参集殿

  • 桂 ひろば 「兵庫船」
  • 林家 染左 「江戸荒物」
  • 桂 こごろう 「鴻池の犬」
  • 桂 都丸 「蛇含草」
  • 桂 こごろう 「くっしゃみ講釈」

※ その 8


 ものすごい湿度で雨もパラつくなか、開場前からかなり列ばれてました。ここの会場は初めてでしたが、わりと新しくてきれい。梅田にこんな雰囲気のある場所があるってのも不思議な感じです。
 この日の入りは公式発表で 77 人と新記録だったそう。雨の方が入るそうです、この会。


 開口一番のひろばは「兵庫船」を謎掛けの部分まで。安定しててメリハリもあって、全体的に以前聴いたときより良い印象。ただ、船頭が櫓を漕ぐ所作が不細工。もう少し櫓の動かし方を意識した身のこなしの研究が必要だろう。それまでの雰囲気がぶち壊しのようで、なんとももったいない。

 初めて観る染左の高座は、よどみない語り口。マクラで米朝事務所をうらやましがりまくる。「江戸荒物」は、変な江戸弁と元の大阪弁との切り返しが絶妙。やはり林家一門はあなどれない。

 先輩ゲストの都丸は、学生時代の大食いネタをマクラに、餅好きにはたまらない「蛇含草」を。いかにも美味そうに食べまくるさまに、こちらの空腹が刺激される。
 「淀の川瀬の水車」は失敗して餅が庭へ。(実際、この技ってどうやって成功させんの?)

 こごろうの一席目、まずは新作の噺家人形を観客に紹介し、自分の弟の思い出話から「鴻池の犬」へ。基本はこごろうの語り口ながら、ワンワン連合や骨吸いなどのクスグリをはじめ、千朝風味がそこかしこに。
 当日までのお楽しみだった二席目は「くっしゃみ講釈」。八百屋でコショウを思い出す場面では、覗きからくりの文句も思い出しながら。ゴボウを振り回すのは、たま演出? 後藤一山の講釈にはもう少し貫禄がほしいところなれど、くしゃみを連発しだすあたりからの盛り上がりはさすが。東京の講釈師が「ハックショーンあほんだらぼけぇ」はご愛敬。


噺家人形 終演後、受付で噺家人形をパチリ。近くで見るとトボケた表情まで良くできてました。
 事務所からの助言で、ひろばが追加で出演することになったそう。今後は 5 席で 1,500 円になるのか、それとも 4 席で 1,300 円を維持するのか、はたまた他の着地点を模索するのか?
 なんにしても、徐々に盛り上がる番組構成も良かったですし、やけにコスト・パフォーマンスの高い会でした。

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お笑いまん我道場 大阪編

2006/6/5 @上方亭

  • 旭堂 南青 『寛政力士伝』より「雷電の初相撲」
  • 桂 まん我 「青菜」
  • 桂 団朝 「魚の狂句」
  • 桂 まん我 「佐々木裁き」
※ 第 5 回


 先日のツアーで K さんにつつかれたことが気になって、某落語会の通し券をチケットぴあで購入して会場へ。
 お客さんは 30 人くらいで、ちょうど床几が埋まるくらいの入り。観る側としては、これくらいがちょうど良いです。


 まず南青の講談。外国人力士隆盛の現在の角界の秘密がこの講談に秘められている、と始まった「雷電の初相撲」は、信州から出てきた男が関取となって活躍する話。
 要所々々に大きな所作をまじえたメリハリ利きまくりの高座。観客席から土俵上の雷電にかかる声、それに応える雷電の声、これを小さい声で演ることで、相撲場の風景をロング・ショットで捉えたような効果に。取り組みの場面も迫力満点で、聴き応えあり。

 つづいてまん我の一席目。マクラで居を構える福島区の暑さを切実に訴えて「青菜」へ。いつもながらのていねいな高座。自宅に帰り暑さに辟易する植木屋には実感がこもっててリアルに。

 ゲストはまん我と飲み友達の団朝。見台の使用料に始まって、なんじゃかんじゃのぶっちゃけ話。金の絡んだ話は良くウケる。
 まん我から「めずらしい噺を」とのリクエストに、師匠の米朝と、亡くなられた米紫くらいしか演り手のない「魚の狂句」を。新地や遊郭、果ては尼僧まで、それぞれの女性の特徴を狂句(川柳)で魚になぞらえる、って噺。現在ではそれぞれの新地の特徴もわかりにくいと云うことで、古典につづいて現代版を。飛田新地に始まって、ソープ、ヘルスと続き、宇多田ヒカルやモーニング娘。と云ったアイドルまで。どれもうまくできてるが、とくに松田聖子はバカウケ。
 伝わりにくい古典を新作(パロディ)との融合で残せるのは、数分の小品だからこその手法でしょう。

 まん我の二席目は、師匠・文我の娘にダメ出しされた話をマクラに、こまっしゃくれた子供が出てくる「佐々木裁き」。
 ネタ下ろしと云うことで言葉に詰まる場面が散見されるも、意識的に構成を調整したことがうかがえる。佐々木信濃守と四郎吉とのやり取りも間が良く、楽しい一席に。


 とにかく 4 席ともたっぷり笑いました。いずれも見どころがあり、なんとも満足度の高い会でした。団朝さん、南青さんへの反応も良く、ていねいでわかりやすいまん我さんの高座はあいかわらずのおもしろさ。ネタ下ろしだった分、まん我さんが割を食ったかも。
 南青さんはなかなかの男前ですし、切れのある語り口が気持ち良く、これから女性ファンが増えるでしょう。注目の好男子の講談師でしょう。
 そして、団朝さん。ぶっちゃけ具合がじつに気持ち良い。おもしろすぎます。要注目。

 次回は 8 月 21 日(月)の予定です。

桂まん我応援サイト

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GUNS N' ROSES 健在なり

スティング、ロック・フェスの大トリを飾る (ロイター)

 なぜかポルトガルに会場を移していた『ROCK IN RIO』。大トリのスティングもカッコ良いんですが、記事中に注目すべきコメントあり。

同フェスには、ジャミロクワイやガンズ・アンド・ローゼズ、カルロス・サンタナ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズらが参加していた。

 過去形になってるんで、おそらく大きなトラブル(ドタキャン)もなく GUNS N' ROSES は(って云うか、アクセルは)出演したものと思われます。
 ニューヨークでもヘッド・ライナーのライヴがあったみたいで、このあたりは『BURRN!』来月号あたりに期待。写真が見たい!

 それとは別に、今年秋に新譜が出るとの情報も。もっとも、こちらは毎年のように噂になりますけど。‥‥

GUNS N' ROSES

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公民館寄席

2006/6/4 @浜手地区公民館(大阪府貝塚市)

  • 桂 吉坊 「狸の賽」
  • 旭堂 南海 「山内一豊と千代」
  • 桂 米八 「二人ぐせ」
  • 森乃 福郎 「抜け雀」


 現役航空管制官の O さんの呼びかけで、関西国際空港の見学とタダの落語会のツアーにお誘いいただきました。関空の見学もおもしろそうですし、なにより米八さんが曲独楽じゃなくて落語で高座に上がる滅多にない機会ってことで、ひょこひょこ出かけてまいりました。


 まずは 10 時頃に関空へ集合。私は自宅近くから直行バスで行ったため、1 時間ほど早く到着して関空内をぶらぶら。想像以上に賑わってました。(あたりまえ?)
 ほどなく吉朝ファンつながりの参加者 7 名が全員集合。さっそく O さんの案内で管制施設へ移動。簡単なガイダンスを受けて、いざ管制室へ。映画『アポロ 13』の NASA の管制室みたいなんを想像してたんですが、実際は暗い部屋にレーダー・パネル付きコンソールがずらっと並んでて、雰囲気がなんともカッコ良い! レーダーを見てると、飛行機が徐々に空港への進入ラインに列んでゆくのがわかります。そうなるように管制室から誘導してるんですから、あたりまえと云えばあたりまえなんでしょうけど、実際に目の当たりにするとスゴい! おもろい!
 つづいて管制塔の最上階へ。ここから関空への離着陸指示が出されてるとのこと。あたりまえですが、見晴らしが最高! 建設中の第二滑走路もよく見えました。
 約 1 時間の見学でしたが、O さんの解説もわかりやすく、普段なら入れないようなところを見学させていただいて、プチ VIP 気分を満喫。


 さて、そっから落語会の会場へ移動し、その近所の喫茶店で昼食。開場の頃合いを見計らってぼちぼち会場へ。が、客足悪し。ツアー客 7 名を入れても 30 人くらい。優に 100 人は入れる会場なんで、チとさみしい。


 開口一番の吉坊。客席の閑散とした状況に動揺したか、マクラがかなり早口に。「お客さんも博打、演る方も博打」と、無理からネタに絡ませてひと笑い取ったあたりでようやくリラックス。
 「狸の賽」の方はきっちり丁寧。仰向けに立った狸のサイコロに「まばたきしたらあかんがな」と独自のクスグリもあったり、ええ感じの一席に。

 つづいて登場したのが南海。案内チラシでは南左衛門となっていたが、急病で代演とのこと。マクラから独特のやわらかい笑いに。
 「山内一豊と千代」はちょっと前に南湖で聴いたが、基本構成は同じながら、細部の演出がそれぞれ違うのもおもしろい。とくに後半、流鏑馬やぶさめの場面では、ギャラリーがいぶかしげに山内一豊を見守る南湖のに対し、3 本目の的に焦点を絞った南海。同門でこれだけ違うってのも講談の幅か。

 注目の米八、マクラに着物の話をするが、なんとなく整理しきれてないと云うか、話し慣れてないと云うか。ただ、その語り口は曲独楽のときと同じ‥‥って、あたりまえか。
 不思議な空気のまま始まった「二人ぐせ」、きっちりしてるがメリハリがない感じ。とくにこれと云った特徴のないふたりが口癖を云わない賭をしてるようで、面白味に欠ける。

 トリの福郎、マクラで「おもろない噺です」と強調。
 その「抜け雀」、米朝一門でよく聴きくのところどころ違うが、いちばんの違いは宿屋の主人の性格がのんきでお人好しな性格になってるところ。おかげで噺全体がのんびりした雰囲気に。なかなかどうして、これはこれでええ感じ。


 地域向けの無料の落語会でしたが、入りの悪さもあってかいまいち盛り上がりに欠ける会でした。内容的にはそないに悪くはなかったと思うんですけどねぇ。
 事前に手配していただいていた入場整理券は 100 番を越えてましたから、それなりに宣伝はされてるんだと思います。タダだと逆に「まぁええか」となるのかも。雀々さんか吉弥さんあたりの、テレビでおなじみの噺家さんがひとりでも入ってればまた違うのかもしれません。
 それとは別に、会場が暑すぎました。後半は座って聴いてるだけでもフラフラしましたから、高座のみなさんはさぞ大変だったと思います。

 当初は関空見学付きの落語会と聞いてたんですが、終わってみれば落語会付きの社会見学との印象。それほど管制室はインパクトありました。ご案内いただいた O さん、ありがとございました。

浜手地区公民館
関西国際空港

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フジハラ亭落語会

2006/6/3 @アートギャラリー・フジハラ

  • 桂 吉の丞 「動物園」
  • 桂 しん吉 「くっしゃみ講釈」
  • 桂 都丸 「向こう付け」
    ―― 中入り ――
  • 桂 しん吉 「崇徳院」
    ―― お茶のじかん ――
※ Vol. 13


 暑い。天気が良いのは結構なんですが、こう暑いと駅までの移動が苦になります。ぼちぼち T シャツで OK な季節ですね。
 で、文句云うわりにはバスで天満橋まで行って、そっから歩くんです。建物の影を選びながら、エッチラオッチラ。
 1F ロビーで受付をすませ、しばらくしてから開場。会場の 4F への階段にはしん吉さんによる書画が何点か飾られてました。
 この日は予約で満席になってたそう。いつもながら若い女性率の高い会です。


 二日続けて吉の丞の「動物園」。やっぱりトラの所作が気になる。トラの皮をかぶるとこまではなかなか良いと思うんですけどねぇ。こまかいこと気にしすぎ?

 ゲストの都丸は、大学で講師をしてる話や、学生時代のテストのエピソードをマクラに、「昔は読み書きできん人もいた」と「向こう付け」へ。抜群の安定感にキャリアの違いが。

 しん吉の一席目「くっしゃみ講釈」は、パート毎の統一感がなく、全体にちぐはぐな感じでスムーズさに欠ける。八百屋の店先で覗きからくりを語るあたりはかなりおもしろかったんで、今後に期待。
 一方、二席目の「崇徳院」はなかなか。ときおり師匠の吉朝を彷彿とさせる場面も。


 小学生くらいのお客さんが数名いたんですが、そのくらいの子らにはトラやくしゃみと云ったわかりやすい部分での笑いが多かったです。
 ゲストの都丸さんにも期待してたんですが、ネタ的にウケが弱かったのが残念。おもしろかったんですけどねぇ。
 前日の千朝さんの会が良かっただけに、まあまあって感じの印象に。だからってワケではないんですが、お茶の時間はパスして、和菓子はおみやげにもらって帰宅。
 日が落ちるとまだまだ涼しい季節です。

しん吉くん、色々と大変ねぇ。

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千朝落語を聴く会

2006/6/2 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 桂 吉の丞 「動物園」
  • 桂 千朝 「夏の医者」
  • 桂 団朝 「短命」
  • 桂 千朝 「胴乱の幸助」
※ 第 40 回


 会場を引っ越して 2 回目。前回は別の会とバッティングしてて行けなかったんで、今回は満を持してと云った心持ち。でも、開演が 6:45 と中途半端なんはなんで?
 受付にはしん吉さんとくまざわあかね(落語作家)さん。開演 10 分前くらいに到着しましたが、その時点で入りは 30 人くらい、最終的には 50 人くらいに。


 開口一番の吉の丞はゆったりめにマクラを振り、前職の鳶職の話から「世の中にはいろんな仕事がありますが‥‥」ってな感じで「動物園」へ。トントントンとテンポ良く進むも、トラの動きがどうも雑すぎる。口跡が良いだけに、そのギャップが気になりました。もったいない。

 ゲストはひさしぶりに見る団朝。歌手の特別公演の芝居によく出演してるそうで、本業の落語の機会が少ないそうな。その公演中に財布をなくしたことやら、一門のことやら、とても書けないようなきな臭いことをぶっちゃけまくりの毒吐きまくり。これがまた思ってることを包み隠さずズバズバ云うもんですから、気持ち良いくらいで。
 「短命」はきっちりと。十一屋の婿養子が短命な理由を説明するくだりは、もう少し甚兵衛さんに困ってほしかった気も。全体にあっさりした仕上がりながら、よく笑わせてもらいました。

 千朝の一席目は、登場人物がみな山奥村の住人の「夏の医者」。なもんで、皆がおかしげなイントネーションで、これがまた千朝のニンに合ってます。「アジャパー」や「ハラホロヒレハレ」などの古いギャグも飛び出し、しまいにはウワバミが女形風に。前振りの「夏のチシャは腹にさわる」を強調し、サゲはスムーズに。
 二席目は「胴乱の幸助」。この噺、割木屋のおやっさんが「幡随院長兵衛は俺でござぁい」ってな感じになってるところを演じる噺家さんの姿を想像するのがなんとも好きで、この日も楽しみにしてました。序盤はわりと淡々と進むも、喧嘩のまねごとを始めるあたりからグイグイ上り調子に。おやっさんが稽古屋に乗り込むあたりは絶好調。大げさなあたりが千朝に合ってます。


 吉の丞さんはチと残念な出来でしたが、千朝さんと団朝さんには大笑い。1 時間 45 分と短めながらも、満足度の高い会でした。うしろに座られてた方もケラケラケラケラよう笑ぅてはりました。
 パンフレットの次回予告は 10 月の独演会。いまから秋が楽しみです。

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