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花ちゃんの会

2006/9/30 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 林家 卯三郎 「阿弥陀池」
  • 林家 花丸 「無いもん買い」
  • 桂 阿か枝 「蛇含草」
  • 林家 花丸 「三十石」


 遅めの昼食をとり、この日のメイン・イヴェント、花丸さんの勉強会へ。
 ちゃんとチェックするの忘れてましたが、入りは 50 人くらいだったでしょうか。この日はあちこちで落語会があって、お客さんも分散したようで。おかげでゆったり座れました。


 開口一番の卯三郎は初めて。以前から気になってたが、想像どおり素朴な味わいの語り口で好感触。軽いマクラから入った「阿弥陀池」は基本どおりきっちりと。アホが 2 度目に入った家で「盗人も、ぬ・か・り・が・な・い。あぁ~、云えた云えた!」ってのがツボに。

 阿か枝は花丸に挟まれての出番。花丸をネタに笑いを誘いつつ、学校寄席でのマクラから「蛇含草」と、笑福亭生喬の会で観たのと同じ構成。やっぱり餅の食い方が独特で、なんとも美味そう。口跡も良く、他の噺も聴いてみたい。

 花丸の 1 席目は、田原本町での交通安キャンペーンでがっくりさせられた話から、学校寄席、阪神タイガースとマクラをつなぐも、うまく買い物の話題にならず、ムリヤリ「無いもん買い」へ。ネタ下ろしと云うことできっちり演った印象ながら、古手屋で「三角の座布団があったらええなぁと思て、いま日本全国探しているのさ」と、いきなり東京弁になったり、言葉の端々に花丸風味が随所に。魚屋で鯛を買うの買わんのやり取りするくだりから、魚屋を出て駄洒落でサゲ。
 2 席目のマクラで「無いもん買い」の《二度と演りま宣言》。「方々に出掛ける噺は向いてない」と云うのを楽屋で聞いた桂こごろうが「落語てたいてい、どっかへ出掛けるで」と云うたとか。
 2 席目の演し物は「三十石」をたっぷりと。船旅ののんびりした風情と、乗り合いの衆のにぎやかな雰囲気がなかなか。下座からの舟唄に「いんま唄いよったのは誰じゃい? 二人目の子供が生まれよった卯三郎か」と、下座のイジリに大爆笑。やや貫禄・迫力に欠ける船頭ながら、サゲの柔らかさに花丸らしさがにじみ出る。


 2 時間弱でしたが、満足度の高い 4 席でした。花丸さんはもちろん、阿か枝さん、卯三郎さんも要チェックです。
 花丸さん自身は「無いもん買い」を封印するてなことを云うてましたが、新しい店やクスグリを入れて花丸流に料理してもらいたいと思いました。

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上方亭ライブ

2006/9/30 @上方亭

  • 桂 ひろば 「兵庫船」
  • 桂 こごろう 「動物園」


 こごろうさんが出られるってことで、ひさしぶりに上方亭ライブを。
 開演 30 分前に行くとすでにえらい人で、床几はぎっしり。訊けば 9 月は敬老月間で 65 歳以上は入場無料、加えてこの日は団体が 2 組入ってたとのこと。そら混みますわ。最終的には 60 人以上になってたと思います。熱狂的こごろうファンの K さんに席を確保してもらってて助かりました。ありがとうございます。


 まずはひろば。繁昌亭の楽屋話や小咄で会場をほぐしてから、この日の繁昌亭の昼席でも演ったと云う「兵庫船」を。
 船が止まってることを指摘された船頭が「とうとう気が付きなさったか。さっきからこの船‥‥」と凄んでからヌケた声で「止まってます」と、ケンドーコバヤシがよく使うようなクスグリがおもしろく、終盤でかまぼこ屋がフカを呼ぶ声が強烈な怒号だったりと、このあたりのメリハリはなかなか。喜六はもっと遊ばせても良いかも。
 以前にも何度か観たが、その都度成長が感じられる。鳴り物が入らずやや地味な印象になったのが少しもったいなかった。

 つづいて一級化繊をまとったこごろうが出てくるなり、最前列の 2 人が退場。冷房に耐えられなかったようだが、なんとももったいない。携帯電話ネタなんかをマクラに、演し物はもちろん(?)十八番の「動物園」。
 移動動物園に行ってからのクスグリの積み重ねにも客席は好リアクション。トラの歩き方で感心させ、「パンぐれぇ~」「ほじぃ~」「はよぐれぇ~」「いだだぎまずぅ~」で盛り上げ、「前田は~ん!」で最高潮に。
 客層を考えてか、こごろう版スタンダードってな感じの構成。何度観てもおもしろいが、マニア向けにクスグリ満載のも観てみたい。


 観客のリアクションも良く、ええ雰囲気の会になりました。こごろうさんはもちろん、ひろばさんも好感触。
 ただ、音響システムの不具合か、見台がマイクに当たってたか、ひろばさんの口演中にスピーカーからノイズが鳴りまくってたのが残念。広い会場ではないんですから、マイクはいらんと思うんですけどねぇ。

上方亭ライブ

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桂吉弥の新お仕事です in 繁昌亭

2006/9/29 @天満天神繁昌亭

  • 桂 吉の丞 「米揚げ笊」
  • 桂 吉弥 「犬の目」
  • 桂 紅雀 「向う付け」
  • 桂 吉弥 「はてなの茶碗」
    ―― 中入り ――
  • 桂 吉弥 「愛宕山」


 吉弥さんの勉強会が繁昌亭で開催、なおかつ会場を意識してか吉弥さんが独演会並みの 3 席、しかもこれで前売り 1,500 円とリーズナブル、ってなことで予約してたんですが、事前に満席で前売り予約終了。当日の補助席&立ち見のお客さんもかなり入って大入り満員でした。


 開口一番の吉の丞はマクラから軽快に。携帯電話の注意のあと、「写真もできたら遠慮してください。どうしても撮りたい人は、いまから 5 秒だけ私をどうぞ」とポージング。
 ネタの「米揚げ笊」は何度か聴いたが、よく掛けてるだけに安定感はなかなか。後半、米相場師の店先でのやり取りでは笑いも多くてええ感じ。いつもどおり、笊の売り子がしくじる手前まで。
 落語は安心して聴いてられるが、観客へのお辞儀や噺のなかのこまかい所作など、安心して観てられるためにもう少し意識してほしいところ。

 紅雀は色紙へのサインのエピソードから書き文字の話題へとマクラをつないで「向う付け」へ。ちょうど 1 週間前に観たところだが、あいかわらずトントントンとテンポ良く。
 喜六が嫁に「とりあえず鼻拭きなはれ、鼻を」と注意されるあたりは江戸落語の与太郎ノリだが、やはり上方落語の住人だけに余計なことはペラペラペラペラよくしゃべる。

 吉弥は繁昌亭での勉強会をオープン直後に開いた戦略を解析しつつ、1 席目は「犬の目」。新しいクスグリも盛り込み、医者の「百目ぇ取る競争」はツボ。あり得ない設定の滑稽噺だからこそ、師匠の吉朝のようにもっといちびってもええかも。
 2 席目の「はてなの茶碗」のような、落ち着いたテンションの噺での吉弥はバッチリ。油屋のムチャさ加減や、茶金から金を受け取るときの逡巡する様子もええ感じ。一瞬だけ登場する時の帝の物云いも笑いのアクセントに。
 中入りを挟んでの 3 席目は「愛宕山」。最初に山行きの方角を間違えたところがケチの付き始めか、こまかい云い間違いがちょいちょい。そのせいか、全体に気が入りきってないように感じられて残念。前半の一八と茂八のボヤキ、後半の土器投げではしゃぐ旦那と一八、そこらはもう少し愛宕山の高さを感じたい。それでも、サゲに掛かる一八の奮闘、さらにはサゲの旦那と一八とのセリフの間合い、ここらは絶妙。笑福亭たまが「愛宕山」について「お客さんが知ってるサゲで確実に笑わさなければならないんで、そこがむずかしい」と云っていたが、そこらは満点。


 吉弥さんの場合、行く前からどうしても期待感が大きく膨らんでしまってるんですよね。上手いことがわかってるんで、いつも「もっと、もっと」と思ってしまいます。もっとはじけてほしいし、もっときっちりたっぷり演ってほしいし、もっと笑わせてほしい。客てなもんはどこまでも強欲なもんです。
 個人的には、この日は「はてなの茶碗」が良かったです。

桂吉弥ホームページ

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元祖大阪名物 あほの会

2006/9/27 @天満天神繁昌亭

  • 《口上》
  • 林家 笑丸 「時うどん」
  • 桂 三若 「カルシウム不足夫婦」 (作:桂三若)
  • 露の 都 「眼鏡屋盗人」
    ―― 中入り ――
  • 桂 勢朝 「ハイウェイ歌合戦」
  • 笑福亭 仁福 「たいこ腹」
  • 《大喜利》

※ 旗揚げ公演


 数ある繁昌亭の企画のなかで、もっとも気になって気になって仕方がなかったのがこの『あほの会』です。なんと云っても『あほの会』ですよ! しかも番組案内には「あほ口上」に「あほ大喜利」ですよ! 都さんがはじけそうやし、こら観に行かずばなるまい!ってことで、早々に前売り券をゲット!
 開場 30 分前くらいに行くと、繁昌亭の前にはすでにそこそこの行列が! その後もぐんぐん列は延びました! みんなあほです! 近郷近在のあほが揃いました!
 結局、入りは 1 階席がほぼ埋まり、2 階席に若干名。勢朝さんの公式発表によると 164 名だったとか。


 まずは口上。舞台上にあほの会のメンバーがズラリと勢揃い。前列下手側より、進行の仁嬌、右喬、勢朝、仁福、都、吉次、三若、後列下手側より、楓、笑丸、福矢、染太。
 口上と云うよりも自己紹介だったような。

 記念すべき落語のトップ・バッターは笑丸で「時うどん」。時刻表現の違いをサラリとマクラに、すぐさま本編へ。
 大きくてちょっと変な所作と声色の使い分けによって、ポップでコミカルな印象。喜六の気ぃ狂てるようなテンションのキャラが特筆モノで、あまりの異常さにうどん屋の親父も喜六の使った丼を「よぉ洗とこ。‥‥やっぱり割っとこ」。
 ときおりイントネーションが気になったが、スカしたような雰囲気が抜ければ万人にウケそう。要注目。

 つづいて“安もんのジュリー”こと三若。マクラで大阪人気質を「いつも怒ってる」と分析しつつ「カルシウム不足夫婦」へ。夫婦が口喧嘩をしつつ日常の些末なことにツッコミを入れまくる噺。
 とにかくネタが秀逸。いわゆる《あるあるネタ》だが、理不尽な怒気が笑いを誘う。後半はそうでもなかったが、マクラから噺の導入部あたりで早口だったのが残念。こちらも要チェック。

 都は天神橋筋商店街へ脳に良く効くと云うバナナを買いに行って吾妻ひな子に間違われた話から、なんじゃかんじゃとマクラと云うか都噺。その間、ネタを繰ってたとか。
 落語の方は「眼鏡屋盗人」の泥棒を、仁福&仁嬌&右喬に変えて。変えた意味はあったのか?と問われると‥‥。変えたおかげで後半、グダグダに‥‥。それでもなかなかきっちりと。

 中入りをはさんで、勢朝がいきなりトップ・ギアのハイ・テンションで「ハイウェイ歌合戦」を。商店街のみなさん(なぜか阪神タイガースゆかりの姓)のバス旅行に勢朝が余興で参加する噺。懐メロ中心の歌で盛り上がって賑やかに。

 仁福は自分の高座名に関するエピソードをあれこれ。独特の情けないようなけだるい雰囲気と相まって爆笑。
 落語の「たいこ腹」は、幇間がニンに合ってる。メリハリもあって、意外と云っては失礼だが、きっちりと。

 最後は大喜利。下手側より、司会の仁嬌、仁福、由瓶、都、右喬、吉次。とにかく仁嬌と仁福の掛け合いが最高で、仁福がいじられまくり。
 まずは謎かけだが、右喬や由瓶が意外に上手い答え。都がなんでもかんでも「○○とかけて、満塁ホームランを 2 回連続で打つととく、そのこころはハッテン間違いなし!」(勢朝が実際にネタで使っていたもの)を連発してわやくちゃに。
 つづくしりとりは《アツいもの》がテーマ。都の《日立の温風ヒーター》を皮切りに、最後は《高島屋で○○した温風ヒーター》のオンパレードに。右喬は微妙にらしい答えを。
 最後は数え歌で《繁昌亭の一から十》を。完全に仕込みネタだが、これまでの流れでなかなか盛り上がり、ええ感じで終演。


 いやはや、おもしろかったです! 大喜利のあいだ、都さんはずぅ~っと笑ってはりました。これがまた客席の笑いを誘い、ええ雰囲気に。ものすごい効果だと思います。
 口上や大喜利もたのしかったんですが、落語が充実。とくに初めて観た三若さんと笑丸さんがかなりおもしろく、もうちょっとアクが抜ければ何度でも観たいなと思わされました。もちろん仁福さん、都さん、勢朝さんも十分たのしめました。

 今後は毎月 15 日が「あほの日(仮称)」となるそうです。ってことで、次回は 10 月 15 日(日)の予定です。

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福楽の底力

2006/9/24 @上方亭

  • 笑福亭 瓶成 「いらち俥」
  • 桂 福楽 「米揚げ笊」
  • 桂 あやめ 「ハートヒーリング引越社」
  • 桂 福楽 「ふたなり」

※ Vol. 5


 いまもっとも気になる噺家さんのひとり、福楽さんの会。入りは 30 人ちょい。


 開口一番の瓶成はマクラから一生懸命、「いらち俥」も一生懸命。ちょこっとした間違いもあったが、元気なところは好感が持てる。どんどん高座経験を積んでもらいたい。

 ゲストのあやめの「ハートヒーリング引越社」は、女友達 2 人で人生相談も引き受ける引っ越し屋を始める噺。女性ならではの悩みがバンバン飛び出し、それが勝手に解決するあたりがまたおもしろい。

 福楽の 1 席目は「米揚げ笊」。ブラブラしてる頼んない男が甚兵衛はんと「問うは当座の恥、問わずは末代までの恥」かどうかを討論したり、最後に「つぶれるような笊と、笊が違います」とたたいた笊がつぶれてしまうなど、独特の福楽バージョン。これは一見の価値アリ!
 2 席目の「ふたなり」はたっぷりと。最初は威勢の良かった親っさんが、洒落を云うてとぼけてみたり、栴檀の森で怖がったり、ころころ変わる性格がまたおもしろい。やや未整理なところもあったが、クスグリもおもしろく、今後に期待させる出来。


 とんとんと運んで 2 時間弱。この日はとくに福楽さんの「米揚げ笊」が秀逸でした。福楽さんの噺の登場人物はいきなり逆ギレしたり、ボケまくったり、かなりおもしろいです。

 次回は 11 月 25 日(土)の予定です。

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東西落語名人選

2006/9/23 @神戸文化ホール 中ホール

【昼の部】

  • 柳亭 市馬 「高砂や」
  • 笑福亭 福笑 「釣道入門」
  • 柳家 小三治 「錦の袈裟」
  • 桂 春團治 「親子茶屋」
    ―― 中入り ――
  • 桂 三枝 「天満の白狗」
  • 桂 歌丸 「井戸の茶碗」

【夜の部】

  • 柳亭 市馬 「片棒」
  • 桂 歌丸 「火焔太鼓」
  • 桂 春團治 「寄合酒」
  • 桂 三枝 「鯛」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 福笑 「葬儀屋さん」
  • 柳家 小三治 「一眼国」

※ 第 32 回


 小三治師匠を近場で観られる機会!ってことで、昼夜通しでチケットを確保。かなり楽しみにしていた会です。当日は天候にも恵まれ、遠方ながらピクニック気分で会場へ。
 当日券も出ていましたが、キャパ約 900 の客席はほぼ満席。チケットをあらためて見て「第 32 回」の歴史に重みを感じつつ、こんな機会を得られてありがたいです。


 昼夜とも開口一番の市馬。軽やかで端正な語り口に好感。昼の部の「高砂や」は、冠婚葬祭に疎い男が婚礼の仲人をやることになり、ご隠居に謡曲の「高砂」を教えてもらうが‥‥って噺。素人ながら粋なご隠居と、しどろもどろになる八五郎の対比がおもしろい。
 夜の部は「片棒」。この噺は雀松でしか聴いたことなかったが、自分の死後が気になる旦那の、前半のガックリ感と、後半のウキウキ感の対比がおもしろい。

 昼夜とも小三治の前の福笑。こちらは爆笑に次ぐ爆笑で。昼の部の「釣道入門」は「ギョエ!」と「おっとっとっと~、ま~た釣~れた~!」のしつこい繰り返しが強烈。
 夜の部の「葬儀屋さん」で、「そうや、葬式やったら祝儀入んねや!」のセリフにはやっぱり客席から「祝儀!」のツッコミが。(関西ゆえ?)

 三枝は昼夜ともマクラで天満天神繁昌亭の報告。昼の部の「天満の白狗」は「元犬」の改訂版。基本プロットはそのままに、クスグリを大量投入。これは従来の噺と置き換えても良い仕上がり。
 夜の部は中トリでオリジナルの「鯛」。活け魚料理屋のいけすの魚たちのサバイバル。漫画的でたのしい。死にかけの泳ぎ方をする場面では、足がつりそうになるハプニングも。

 歌丸は安定感抜群。昼の部はトリで「井戸の茶碗」。屑屋を介して手に入れた仏像の中から五十両という金が出てきた。買った男は「仏像は買ったが中の金は買った覚えがない」、売った男は「仏像を売った時点でその金とは縁が切れている」と、双方受け取らない‥‥と云う、上方ではまずあり得ない展開の噺。微妙な人物描写を丁寧に。
 夜の部は「火焔太鼓」。道具屋の仕入れてきた古ぼけた太鼓が高値で売れる噺。この噺は坊枝でしか聴いたことなかったが、落ち着いた印象は貫禄からか。

 いつもながら貫禄の春團治。昼の部は中トリで「親子茶屋」をたっぷりと。狐つりの場面では、別に用意した紫の小振りな扇子で粋に。
 夜の部は中トリ前に「寄合酒」を軽めに。前半でやや乱れるも、持ち寄った食材を料理にかかる後半はしっかりたのしい。

 この日いちばんのお目当て、小三治はマイペースで飄々と。前の福笑との対比で、それぞれが醸し出す空気感の違いがまたおもしろい。
 昼の部のマクラは、アメリカへ渡って音信のなかった友人から突然来た手紙に「生きてますか?」と書いてあった話。読んでるうちに死んだ気になってきて、「死後ですからねぇ、適当でイイんです」。ネタの「錦の袈裟」は与太郎の天然のぼんやり具合が絶妙。
 大トリの夜の部、マクラは神戸の印象。ネタの「一眼国」は、一つ目の子供がいたと云う噂を聞きつけた香具師がその一つ目を捕まえに行く‥‥と云う噺。《大ザル小ザル》《ベナ》《六尺の大イタチ》などの見世物小屋が並ぶ、「軽業」のようなくだりも。やや怪談めいた展開からのサゲが効果的。


 いやぁ、やっぱり小三治師匠のフラって云うんですか、独特の雰囲気はやっぱり良いですねぇ。ゆる~く引き込まれました。
 小三治師匠もさることながら、ほかのみなさんも十分に堪能。たしかに 1 階席 4,800 円は高いようにも思いますが、6 人が 6 人ともトリを取れる噺家さんですから、それをたっぷり聴けたことを考えると贅沢な会でした。
 上手い人になると、江戸も上方もないですね。おもしろいものはおもしろい。とくに小三治師匠にはぜひ繁昌亭で主任をしてもらいたいです。そうなったら 1 週間‥‥。

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つくしんぼ落語会

2006/9/22 @上方亭

  • 桂 まん我 「たいこ腹」
  • 桂 つく枝 「みかん屋」
  • 桂 紅雀 「向う付け」
    ―― 中入り ――
  • 桂 つく枝 「七度狐」

※ 第 23 回


 この日はなぜか落語会が少なく、これまでの入りを考えると混雑が予想されたんで、ちょっと早めに会場へ。それでもすでに 20 人ほど列ばれてて、かなりあせりました。
 開場 10 分で床几は満席。最終的には 70 人くらい入ったようです。


 開口一番のまん我は、前座で羽織ってめずらしいなと思ったら、「たいこ腹」の幇間が羽織を脱ぐ演出に。この幇間のキャラのコミカルさがまん我ならでは。

 紅雀は耳鼻科ネタ、国勢調査ネタとマクラをつないで「向う付け」。こちらも喜六のアホさ加減がおもしろい。

 つく枝の 1 席目、「みかん屋」は金銭のやり取りにやや荒っぽさが見られるも、呑気で陽気なみかん屋の男がたのしい。
 2 席目の「七度狐」は「煮売屋」のくだりから。とにかく食いしん坊の喜六が秀逸で、清八がくすねてきたイカの木の芽和えをひとりでほとんど食べてしまい、尼寺ですすめられたべちょたれ雑炊はおかわり。つく枝ならではの演出が効果的。


 今回はどれも主人公のキャラがたのしく、明るい高座になりました。途中、寝不足で意識を失いそうになりましたが、つく枝さんの「七度狐」を観られて良かったです。

 次回は 11 月 26 日(日)の予定です。

桂つく枝の満腹日記

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育っちゃったらくご!

2006/9/20 @茶臼山舞台

  • 桂 三金 《MC》
  • 桂 あやめ 「NIPPON 茶茶茶!」
  • 旭堂 南湖 「波照間島」
  • 桂 三風 「せんたく」
  • 月亭 遊方 「有閑マダムの赤い鳥」
    ―― 中入り ――
  • 桂 三金 《MC》
  • 笑福亭 たま 「Elderly Love」
  • 笑福亭 福笑 「絶体絶命」

※ 第 3 回


 福笑さんが緊急参戦!ってことで、混むだろうと予測して早めに会場へ。すでに 10 人ほど列ばれてました。どんどんどんどんお客さんが詰めかけて、最終的には 60 人近くに。超満員札止めです。(実際、途中から当日のお客さんはお断りとなってたようです)


 まずは三金が前説で、各演者の噺の育ち具合を年齢で紹介。

 あやめは諸般の事情で「練炭焚いたらサヨヲナラ」を変更して、13 歳の「NIPPON 茶茶茶!」を。落茶会(上方落語協会茶道部)の話をマクラに。
 茶道の家元の両親が急死し、突然家元を継がされた娘の噺。成金趣味の幼なじみが出てきたり、しっかりした構成。後半をメインにもう少し整理されるとテンポ良く観られそう。

 南湖は「はてなの原発」なんかをマクラに 2 歳の「波照間島」。急に沖縄に行きたくなって、2 年越しで実現。波照間島で幻の泡盛「泡波」を求めて右往左往。なんとも講談らしいラスト。

 三風は 2~3 歳の「せんたく」。町のクリーニング屋のケンイチは、実の息子ではなかった‥‥って噺。ちょっと人情噺風なんが三風のニンに合ってて、いまどきのクスグリも挟んでくるあたりはさすが。

 遊方は 6 歳の「有閑マダムの赤い鳥」。預かった新種の赤い鳥を逃がしてしまい、なんとか取りつくろう噺。赤く染めたスズメでごまかすときの云い訳がたのしい。

 たまの「Elderly Love」は 82 歳。老人ホームで出会ったふたりの結婚を認めてもらいにヘルパーが仲介する噺。何度か観ているが、かなり整理されてきた感じ。改訂されたサゲもいままでにない感じで、なかなか洒落てる。

 トリは《できちゃったんで特別出演!》の福笑。「絶体絶命」はもちろん生まれたて。
 ガソリン・スタンドに飛び込んだ絶体絶命の女性の噺で、ババネタのオンパレードながら、福笑ならではの言葉遊びも満載。終盤のムリヤリな急展開がスゴい。
 映画『スピード 2』で「極限状態で結ばれた恋は長続きしない」ってなセリフがあったが、この噺の女性は如何に!?!?


 『育っちゃった~』は繰られたネタなんで甲乙付けがたいんですが、なかでも三風さんとたまさんがなかなか好感触。南湖さんのは反則技ですね。あやめさんは福笑さんのネタとかぶるんで変更されたんでしょう。
 みなさんたっぷり演られて、終演は 22 時前に。超満員で身動き取れなかったんで、かなり疲れました。

 次回は『できちゃったらくご!』で 10 月 19 日(木)の予定です。

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天満天神繁昌亭 こけらおとし公演 (五日目 第三回)

2006/9/19 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭 瓶生 「大安売」
  • 桂 楽珍 《漫談》
  • 笑福亭 学光 《腹話術》
  • 桂 米蔵 「狸の賽」
  • 林家 染丸 「蛸芝居」
    ―― 中入り ――
  • 《口上》
  • 月亭 八方 「秘伝書」
  • 三遊亭 小遊三 「野ざらし」


 夜の繁昌亭は提灯に灯が入って、なんとも云えんええ雰囲気。入口には開場を待つお客さんが多数。一番太鼓は染雀さんでした。
 会場入りして、まずは「繁昌亭 NICOS VISA カード」の申し込み。いつでも前売り料金で入場できるってのが魅力です。繁昌亭の手拭い(おそらく彦八まつりで売ってた、噺家の名前入りの手拭い)をおまけにもらいました。申し込みを済ませて客席に行くと補助席も出てたんで、指定席は完売だったと思います。
 この日のお目当ては、『笑点』でもおなじみの《便所でお尻をフク会長》こと三遊亭小遊三さん。ほかにも染丸さんに八方さんと、私的になかなかの好番組です。


 開口一番の瓶生は「大安売」をきっちりと。もう少し勢いがほしいところ。

 つづく楽珍は故郷の徳之島ネタや小咄など。なかなかおもしろかったが、普通に落語を演った方が良かったかも。せっかくの出番がチともったいない感じ。

 学光は「弟子を出させてもらってよろしいですか?」と、風呂敷から腹話術人形の「小学光」を。小咄「鶴の恩返し」を 3 題と、「桃太郎」を《た》抜きで。なかなかこなれていてたのしい。

 現在は山梨に住んでいると云う米蔵は、いくつか小咄を演ってから「狸の賽」を、マクラ用小咄からきっちり米朝の型で。

 染丸は「上方らしいハメモノの入る噺を」と「蛸芝居」をたっぷり熱演。芝居の所作はきっちりと、タコの表情は滑稽に。にぎやかでたのしい一席に。

 中入りを挟んで口上は、下手側より進行の八方、小遊三、染丸、米蔵。米蔵の脱線をさらに引っ張るなど、八方の手慣れた仕切りがおもしろく、なごやかな口上に。
 なぜか米蔵だけ普通の着物姿。黒紋付きと袴を忘れたか?

 八方は男女の寿命差から大阪のおばちゃん、昔の夜店でのだまし商売とうまくマクラをつなぎ、「秘伝書」を。小品ながら、八方ならではの語り口でテンポ良く聴かせる。

 トリは東京からのゲストの小遊三。マクラに男の道楽の経年変化で江戸落語の口調に観客を慣らしつつ、下ネタもちょこっと挟んで、釣りの話題から「野ざらし」へ。軽やかな口跡が小気味良く、脳天気な八五郎のキャラが秀逸。八五郎が骨を釣ろうと向島でひと騒ぎするところまで。


 開口一番からトリへ向けて徐々に盛り上がる好番組でした。小遊三さん、染丸さん、八方さんと口上だけでも元は取れた感じです。
 小遊三さん、良くウケてました。もっと観たいですねぇ。年に 1 回くらい、繁昌亭で主任をお願いしたいです。

天満天神繁昌亭

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天満天神繁昌亭の夜

天満天神繁昌亭の夜

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無我 2006 プレミアム 『始動』

2006/9/18 @大阪 ABC ホール

 心配した入りも杞憂で、立ち見客も多数の大入り。客層は老若男女、いわゆるプロレス・ファンが結集したって感じではありませんでした。

 まずは参加選手 10 名が入場し、田中リングアナがひとりずつプロフィールを紹介。その後、竹村豪氏と『クイズ!紳助くん』のなにわ突撃隊とのエキシビジョン・マッチ。

後藤達俊 vs 大矢剛功
 《バックドロップ対決》とは、田中リングアナの煽り文句。基本的に地味な展開だが、それがまた良い。後藤の幻の 3 カウントはかなりの疑惑裁定だったが、大矢のバックドロップを金的蹴りでしのいだ後藤がバックドロップ一閃! 後藤の勝利。

吉江豊 vs 長井満也
 長井の蹴り技や関節技に吉江が苦戦するも、重量級技で逆転し、コーナーからのダイビングボディプレスで圧勝。

竹村豪氏 vs バック・クォーターメイン
 突然奇声を発するクォーターメインは変な外国人。突然反則技も繰り出し、終始主導権を握っていたが、一瞬の丸め込みで竹村の勝利。

藤波辰爾 vs マイク・バートン
 変な入場曲で藤波登場。バートンは日本慣れしてるなぁ。わりと地味な展開がつづき、満を持して飛び出したドラゴン殺法はドラゴンスクリュー! そこから足 4 の字固めを極めてバートンがタップ。

西村修 vs ヒロ斉藤
 典型的な西村ムーヴのあと、リングと場外を行ったり来たり、打撃中心の硬めの攻防。後半、卍固めやスピニングトーホールドなどで西村が優勢に。ところが、エプロンのヒロに仕掛けたブレーンバスターをうまくかわされ、西村のバックに回ったヒロがジャーマンスープレックスホールド! そのまま 3 カウントを奪取して勝利!

無我緑茶 全試合終了後、参加全選手がリングに集まって記念撮影大会。観客がリングを取り囲む光景はほほえましかったです。
 そして藤波が会場出口でお見送り。「無我緑茶」をお土産にもらいました。

 試合内容は地味ですが、なんともええ感じの興行でした。とくに、西村、後藤、ヒロ、藤波あたりは手堅く、外国人選手で華やかさを演出。あとは無我スピリットを持った若手の登場に期待したいです。
 試合以外の部分で、ファンとの距離感を意識したこまかい取り組みに好感が持てます。これからもファンの目線で興行を運営してもらいたいです。

 次回は 11 月 5 日(日)に大阪府立体育会館第二競技場で開催予定です。

無我ワールド・プロレスリング

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DDT - 三四郎祭り

2006/9/17 @豊中市立ローズ文化ホール

 ひさびさのプロレス観戦。ちょこちょこと雑用をこなしてから試合開始 30 分前に会場入り。ほぼ満席くらいのお客さんで、なかなかええ感じでした。

MIKAMI vs アントーニオ・本多
 “炎のファイター”(のイタリア語ヴァージョン?)で《ホーンーダッ!》コール爆発。試合をコントロールする MIKAMI と、それに食らいつく本多、の図。最後は MIKAMI の勝利でしたが、大技を抑えた展開で第 1 試合としてなかなか良い印象でした。

ゴージャス松野、男色ディーノ、マッスル坂井
  vs
塩田英樹、のじりくん、ゼンジー上海、The ZACK、クラッシャー・ビンビン・ビガロ (with 泉州小力)

 DDT vs FU☆CK! の全面対抗戦は 3 vs 5 のハンディキャップ戦。タイトルが《根絶やし》ってのもスゴい。(なにが?)
 ブリーフ一丁ののじりくんはイタすぎるキャラ。(これ、ちょっと引くわ) ゼンジー上海やビンビン・ビガロってネーミングは最高! まぁこのあたり出オチの感ありですが。
 ハンディ戦なのに DDT が押す展開に。ゴージャスもがんばってました。最後は坂井に丸め込まれそうになった上海が、坂井の股下をくぐって逆にビクトル式膝十時固め! これだけで一生懸命練習してることが感じられました。FU☆CK!、あなどりがたし。
 終了後に飯伏幸太が飛び出してきて、DDT vs FU☆CK! の頂上決戦を宣言。単発で終わらせないところはさすが。

【古伊万里争奪ラダーバトルロイヤル】
参加選手: 諸橋晴也、柿本大地、ポコ高梨、諸橋正美、ベアー福田、泉州力、カブキ・キッド、ブルアーマー TAKUYA

 高木家に代々伝わると云う、江戸時代に作成された時価 150 万円相当の古伊万里の大皿をリング上空に吊るし、ラダーで争奪戦。
 企画ものなんで、かなりゆるい展開。高梨が古伊万里を奪取して勝利。

ポイズン澤田 JULIE、九頭、タノムサク鳥蛇
  vs
HARASHIMA、“ジェット”省吾、中澤マイケル

 OneDay 蛇キュビュー(一日使い捨て目薬タイプの蛇界エキス)で、タノムサク鳥羽と KUDO が改造されて登場。試合前の VTR では、なぜか鳥羽と KUDO が自ら目薬を差してました。
 ポイズンはやっぱり良いです。蛇界パワーも全開で、タッグの醍醐味が出てたと思います。最後は九頭がマイケルを下しましたが、まぁ結果はどないでもよろしい。
 
【CMLL 認定 KO-D タッグ選手権試合】
《第 22 代王者組》 フランチェスコ・トーゴー、モリ・ベルナルド (with アントーニオ・本多)
  vs
《挑戦者組》 メカマミー、メカマミー Lite

 選手権試合とかはどうでも良くて、とにかくメカマミーとメカマミー Lite につきるでしょう。客席後方でのメカマミーの手すり渡りが最高! 意外に動けるメカマミー Lite がファイヤーバードスプラッシュ! メカマミーにはパウダー攻撃は効かないが、霧吹き攻撃でショートして大暴走。最後はイタリアンインパクトαでメカマミー Lite が押さえ込まれてしまいましたが、かなり盛り上がりました。

高木三四郎 vs 飯伏幸太
 飯伏は打撃系と飛び技が主体で、上背があるんでドロップキックもカッコ良い。フェニックススプラッシュや、コーナーからのムーンサルト(高木がかわすも着地)→その場からムーンサルト(高木がかわすも着地)→その場からファイヤーバードの連続技に驚愕!
 一方、高木は観客を煽ってスタナー系の技やパワーボムを多用。後半はラリアットを連発。かなり熱い展開で、盛り上がりました。最後もラリアットで飯伏を沈め、大団円。
 試合終了後、高木は飯伏を「天才」をベタ褒め。たしかに要所々々の盛り上がりが凄まじく、それだけに全体の組み立てに課題ありかなとも思います。それでも飯伏は可能性を秘めた選手だと思いますし、もう少し身体が大きくなればかつての FMW のハヤブサのような、DDT を代表するヒーローになれるでしょう。

 いやいや、かなり満足度の高い興行でした。「DDT はおもしろいだけじゃないんだよ」ってことをアピールできたんではないかと思います。もちろん、おもしろい試合もありましたが、プロレスありきな感じがビンビン伝わってくる良い試合が多かったです。
 とくに飯伏の可能性、これは期待できると思います。他団体へも積極的に参戦してもまれれば、かなりのモノになるんではないか、と。

ゴージャス松野 休憩時に売店にゴージャス松野が出てきてたんで、買ってあったパンフレットにサインを入れてもらいました。ゴージャスも第二の人生(ホストも入れれば第三の人生?)でがんばってますね。

 次回はアゼリア大正にて 1 月 7 日(日)、8 日(月・祝)の 2 days 興行。いろいろ企画も考えられてるみたいで、ちょっと楽しみです。

DDT
FU☆CK!

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エレベーター企画 『K-PAX 光の旅人』

2006/9/16 @プラネットホール

原作: ジーン・ブルーワー 『K-PAX 光の旅人』 (角川文庫/翻訳:風間賢二)
脚本・演出: 外輪能隆
出演: 岩崎徹(劇団息吹)、菊田克也(演団劇箱)、虎走萌(劇団くすのき)、十六針刃太郎(劇団往来)、高野明子(厄プロジェクト)、田端遊(フラワー劇場)、土本ひろき(エレベーター企画)、戸口基子(厄プロジェクト)、夏原幸子(劇団大阪)、前田都貴子(劇団未来)、三品佳代(劇団 MAKE UP GELL)、山本隆史

―― これで地球にさよならだ。

 4 千光年離れた K-PAX という惑星からやってきたという男、プロート。精神異常と診断され、マンハッタン精神医学協会へ送り込まれた彼は不思議な力で病院の人々に癒しを与え、高名な学者たちしか知り得ない天文知識で専門家たちを圧倒する。
 だが、誰もが彼を異星人だと信じ始めたころ、医師たちはプロートの衝撃の事実に直面することになる。
 果たしてプロートにとっての真実とは? そして、我々にとっての真実とは?
 彼が K-PAX に帰る日、真実が明らかになる。

(パンフレットより)

※ 大阪春の演劇まつり 30 周年記念公演


 こと座の 2 重星を中心に 8 の字軌道をとる K-PAK を模した舞台。黒い舞台の軌道上には白い丸椅子がいくつも設置されており、衛星のよう。
 出演者のほとんどが医師と患者の二役で、黒の上下で患者を、白衣を羽織って医師を演じる。

 自ら異星人だと云うプロートと、プロートの故郷 K-PAX の存在が徐々に信じられてくる。ファンタジー色の強いストーリーがあるきっかけからミステリーへ一変し、プロートの正体が明らかにされてゆく。そこから終盤への転落、そして神秘的なラストと、たたみかけるような展開。


 原作に寄るところは大きいと思いますが、エレベーター企画にしてはエンターテインメント色の強い作品でした。
 それでも、後方スクリーンの映像、ライヴ・カメラを使った演出、派手さを抑えた照明など、演出の外輪自らパンフレットに「この 10 年間に培った演出の《おいしいとこ》を盛り込んでいます」と書いてるとおり、エレ企らしさの強い演出だったと思います。
 役者の技量に差があったようにも思いますが、記念公演と云うことで、あえて様々な劇団からキャストを選んだんでしょう。

 宇宙と云う外空間への拡散と、精神と云う内空間への凝集が感じられる、良い舞台でした。

エレベーター企画

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天満天神繁昌亭 こけらおとし公演 (初日 第一回)

2006/9/15 @天満天神繁昌亭

  • 桂 吉弥 「時うどん」
  • 笑福亭 岐代松 「十三のわたし」
  • 桂 福楽 「田楽喰い」
  • 桂 小米朝 「米朝反省記」
  • 桂 三枝 「真心サービスおじんタクシー」
    ―― 中入り ――
  • 《口上》
  • 西川梅十三と北新地一同 《万歳》
  • 笑福亭 鶴瓶 「青木先生」
  • 桂 文珍 「点と線」
  • 桂 春團治 「高尾」


 とうとう天満天神繁昌亭のオープンです!
 正直、上方落語定席の企画が報道されだした頃は「まぁあったらええやろけど、運営とかどうやろ?」と懐疑的にしか思ってなかったんですが、徐々に形ができてくるとやっぱりワクワクするもんです。実際、落語へののめり込み度が高まるにつれ、「これから繁昌亭でこんなことしてほしい、あんなことしてほしい」ってな勝手な妄想もしてましたし、それがまた期待感となってたのしいんです。
 で、こけらおとし公演の初日初回のチケットを確保。初日の会は早々に完売だったようで、ラッキーでした。

 オープニング企画として「春團治師匠の乗った赤い人力俥を三枝会長が引く」と云う御練もあったんですが、睡眠不足で起きられず。
 11 時半頃に繁昌亭へ行くと、えらい人だかり。マスメディアの機材車もえらい数です。会場のまわりで交通整理をされていた(?)たまさんや三金さん、○喬さんの奥さんにごあいさつ。会場入りして、三風さんややまだりよこさんにも。
 客席を見渡して最初に感じたのは「狭い」ってこと。これは良い意味で。どっからでも観やすい小屋だと思います。2 階席ものぞいてみましたが、いちばん後ろの席でも高座が見えるように設計されてるようです。おすすめは 1 階の 5~7 列目でしょう。
 この日は客席後方にズラッと報道陣が。私の席は前の方の端っこ。某吉朝ファンの二人連れは気合いの最前列ど真ん中。やっぱりご祝儀の会ってことと、平日の昼ってこともあってか、普段よく見かける人はそれほど多くいませんでした。


 開口一番の吉弥は「時うどん」(ひとりヴァージョン)をきっちりと、ちょいオーバー・アクションでわかりやすく。

 岐代松はちょっと気になる噺家のひとり。以前にもマクラで聴いた、十三の 2 千円ポッキリの店の話。

 福楽の「田楽喰い」は 3 度目だが、喜六のアホ具合が江戸の与太郎を凌駕しててたのしい。「かぼちゃん」。

 小米朝は米朝の骨折の顛末や失敗談など。米朝のそそっかしさを聴いてると、その息子なら推して知るべしか‥‥と思ったり。

 三枝は高座の後ろに掲げられた「楽」の文字について、米朝に書いてもらったときのエピソードから年寄りの話題へとマクラをつないで「真心サービスおじんタクシー」へ。わかりやすく笑いやすい噺で盛り上げる。

 中入りを挟んで、記念口上。舞台下手側より、進行役の文珍、小米朝、春團治、三枝、鶴瓶、の 5 人。感極まった三枝に文珍が青いハンドタオルを手渡す場面も。笑いもまじえた口上も春團治がまとめ、最後に大阪締め。

 北新地の方々による万歳を挟み、急遽出演が決まった鶴瓶が「青木先生」を。何度聴いても青木先生のキャラクターは愛らしい。

 文珍は以前にマクラで聴いたシシババの話。なんでこの日にこんな話を‥‥とも思ったが、客はがっちりウケていた。トリの春團治の粋な芸を引き立てるためにあえてチョイスしたのかも。マクラ噺ながら、オチも用意しているあたりはさすが。

 トリの春團治。おそらく「祝いのし」だろうと思っていたが、予想外の「高尾」に感激。序盤に若干のもたつきが感じられるも、高尾のビラビラのかんざしが出たあたりから上り調子に。粋な高座で締めくくり。


 盛りだくさんの内容で 2 時間半、たっぷり楽しませていただきました。繁昌亭をきっかけに、これから上方落語界がますますおもしろくなってくるのかと思うと、なんともウキウキした心持ちになってきます。
 それにしても、報道陣の無粋ぶりには閉口しました。こっちは金払って観に来てるのに、前に立つな!と云いたかったです。まぁこんなんも初日だけでしょうけど。

天満天神繁昌亭

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天満天神繁昌亭

天満天神繁昌亭

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たま・南湖 二人会 (完走記)

 9/5~14 の期間、土日の休演を挟んで 8 日間の続き読み企画『たま・南湖 二人会 真景累ヶ淵 VS 寛政力士伝』が発表されたのは、たしかお盆前。その頃、9/6~8 の日程で画策していた北海道出張を、「これを観逃してなんとする!」と断念し、『たま・南湖~』に照準を合わせました。
 日程をチェックしていて残念だったのが、他の会とのバッティング。とくに 9/7 の『こごろうの会』と 9/8 の『男たちの講談会』が痛かったんですが、ここはやはり《完走》が肝心だろうと涙を呑みました。(大げさ)

 たまさんの「シンケイ累ヶ淵」は、三遊亭圓朝の「真景累ヶ淵」を紙芝居風にあらすじ紹介する企画。手法としては自身の会で演られてた「名作をあなたへ」と同様ですが、今回はヴィジュアル化することでよりわかりやすくなってました。
 毎日 15 分ずつくらいでトントン進むんですが、エッセンスが凝縮されてる感じ。怪談噺だからと変に怖がらせるでなく、圓朝の構成の無理や矛盾をツッコみつつ、あくまでも笑いに重心を据えた演出に。パート 1 は怪談、パート 2 は昼ドラ、パート 3 はパート 1 とパート 2 がひとつになる、と云うザックリした切り分けが的確。
 やや未整理で観客に伝えるのに苦労されてるような部分もありましたが、構成力はたまさんならではでしょう。

 落語の方も、定番ネタあり、虫干しネタあり、進化型ありで、毎回充実。とくに「初天神」「皿屋敷」「次の御用日」あたりはかなりヒット。来年は古典に力を入れられるようで、いまからそちらも楽しみです。

 南湖さんの「寛政力士伝」は、今年 7 月の『講談文月毎日亭』で 31 日間かけて読まれたもの。私も 7/3 と 7/14 に聴きに行きましたが、今回の 7 日目のラストが『毎日亭』の 7/14 のラストとほぼ同じでしたから、今回のでもダイジェストになってたんだと思います。
 今回の南湖さんの高座、とにかく毎回ノリノリ。いつも長めのマクラで観客を沸かせつつ講談のリズムに乗せ、本題に入っても脱線の連続で笑わせます。脱線のし過ぎで、副題としてネタ出ししていた場面に至らなかったのもご愛敬。とにかく毎回楽しませてくれました。

 華を添えた『できちゃったらくご!』のメンバーにも、それぞれ楽しませていただきました。とくに最終日の姉様キングスはまさにサプライズ。開演前に染雀さんの顔を発見したとき「ラッキー!」と思いました。

 たまさんは「続き読みは難しい」とときどき云われてましたが、たしかに中だるみが感じられる日もありました。ただ、南湖さんが「山場があれば、谷場もある」と云われてたように、続き読みだからこそ翌日に期待することもできますし、それがまた続き読みならではの楽しみだと思います。
 土日を挟んで 8 日間はちょっと長かったかも。ネタのボリュームもあるとは思いますが、月~金の 5 日間くらいが丁度良いかもしれません。
 とにかく充実の 2 週間でした。毎回満足度が高く、最終日は「これで終わりか‥‥」と少しさびしくなったくらいで。また 1 年後ぐらいに企画してもらいたいです。

 それにしても、今回の企画は《茶臼山舞台》と云う小屋があったればこそ、だと思いました。かなりディープな会場にマニアが集まって濃ゆ~い空間に。なんでもありなこの小屋がフィットする企画があると思います。なんとか今後も残してもらいたいです。

らくごの玉手箱
正直南湖

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たま・南湖 二人会 (八日目)

2006/9/14 @茶臼山舞台

【真景累ヶ淵 VS 寛政力士伝】

  • 笑福亭 たま 「シンケイ累ヶ淵 Final」
  • 月亭 遊方 「犬の目」
  • 笑福亭 たま 「次の御用日」
  • 姉様キングス 《音曲漫才》
  • 旭堂 南湖 「寛政力士伝 大団円」

※ 第 5 回


 最終日はすがすがしい晴天。大盛りカレーを食べて会場へ。差し入れに酒でも買っていこうかと思ったんですが、それっぽい店が見つからず断念。
 お客さんは 23 人と最高の入りに。たまたま通りかかってフラッと入ってきたおっちゃんも。


 まずはたまで「シンケイ累ヶ淵」。前日に JR 環状線の車中に置き忘れてきた紙芝居&相関図が無事発見され、本日御披露目。客席下手側の仕切りカーテンを開くと、模造紙 4 枚をつなぎ合わせた労作の相関図が。やはり人間関係がヴィジュアル・イメージを伴って整理されてると理解しやすい。頭から終いまで総集編で。

 つづいてゲストの遊方。実家での流血事件のエピソードでたっぷり笑わせ、染丸に稽古を付けてもらったと云う古典の「犬の目」を。序盤の変な擬音から遊方ワールド全開で、冗談を連発する医者の「真面目やな」が笑いを誘う。後半、やや失速気味になったのが残念。練り込み次第でもっとおもしろくなりそう。

 たまの古典は「次の御用日」。以前に観たときよりも整理されており、引き締まった印象。御白州でのやり取りで奇声が高密度に。ここらの凄まじさがたまの真骨頂。
 今回で封印? もったいない!

 ふたたびゲストで、姉様キングスがにぎやかに。この日の衣装は着物にエプロンのメイド・バージョン。この日の演し物は、都々逸、ストトン節、ちょんこ節。初めて聴いたストトン節がなかなか。

南湖くんハンドタオル 大トリの南湖から皆勤賞の 6 名に南湖くんのイラスト入りハンドタオルがプレゼントされる。軽めのマクラで会場を講談の空気に切り替えて「寛政力士伝」へ。
 とうとう小野川と雷電の取組。両者とも死ぬ気で土俵入りしたところに飛び込んできた白装束の猪名川がふたりを突き飛ばす。土俵の真ん中にどっかと座り込み、殺されても動かんと云い張る猪名川。前代未聞の三人相撲に場内は騒然。行司軍配は小野川と雷電の引き分け。贔屓の大名も行司の説明で小野川と雷電の思いに納得し、小野川、雷電、猪名川はその後も大活躍することになると云う大団円。


 いやぁ、満足々々。バラエティに富んだ番組で、後輩の二人会を先輩が盛り立てる、なんともええ雰囲気の千秋楽になりました。「寛政力士伝」はもうちょっとたっぷり聴きたかったところですが、それでもトータル 2 時間ちょいですから、調整で短くされたのかもしれません。
 8 日間の総括はまた別項で。

らくごの玉手箱
正直南湖

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たま・南湖 二人会 (七日目)

2006/9/13 @茶臼山舞台

【真景累ヶ淵 VS 寛政力士伝】

  • 笑福亭 たま 「シンケイ累ヶ淵 Episode 7」
  • 旭堂 南湖 「寛政力士伝 猪名川、江戸相撲に登場」
  • 笑福亭 たま 「口入屋」

※ 第 5 回


 とうとう本格的な雨に。秋雨ってヤツでしょうか、日中も肌寒いくらい。親子丼を食べて会場へ。呂竹さんが受付に。
 この天気では客足に響くかと思われましたが、なぜか 20 人を超す、初日に次ぐ入りに。


 たまに緊急事態発生。JR で「鶴橋」から「天王寺」へ移動した際に「シンケイ累ヶ淵」用の特製紙芝居を車中に置き忘れる。豊志賀の呪いか!?!? ショックに打ちひしがれつつ、素噺でこれまでのダイジェストを交えて。
 逐電した新吉とお賤は、お累の兄の三蔵と馬方の作蔵を殺す。その後に出会った尼の話から、新吉とお賤がこの尼の子供で、殺した甚蔵も兄弟だとわかる。
 父の仇討ちの旅に出るも、母を殺され身寄りのなくなった惣吉は寺で預かってもらうことに。その寺で惣吉は新吉、お賤、尼の 3 人と出会い、すべてが氷解。新吉はお賤を殺し、作蔵から聞いていた安田一角の居場所を惣吉に伝えて自殺する。それを追うように尼も自殺。
 惣吉は花車とともに安田一角を仇討ちし、「真景累ヶ淵」の終わり。
 この日は予定を変更してラストまで進み、30 分の長講に。最終日は総集編になる模様。

 南湖の「寛政力士伝」。火事場の働きで有馬公から門止め勘当を解かれる。しかし翌年、場所が始まると小野川と雷電の取組となってしまい、これを嫌った雷電が大坂へ向けて逃げる。その道中、大井川で江戸へ向かう二代目・猪名川重五郎と出会う。策ありと云う猪名川に説得され江戸へ戻る雷電。‥‥
 間に初代からの猪名川重五郎の来歴をたっぷり語り、約 1 時間の長講。とうとう最終日は三人相撲!‥‥か!?!?

 たまの「口入屋」は師匠の福笑に稽古を付けてもらったそうだが、福笑の真似になっていると云うことを前日に気付いたとか。それをたま流に再構成したとのこと。
 とにかく番頭の下心がたっぷりで「ドガチャガドガチャガ」の表情が秀逸。後半の「さあ食え早よ食え」「さあ寝え早よ寝え」も呪文のようで、番頭の本気度を強調。夜這いの場面はやけくそ気味のド迫力。


 この日はたっぷり 3 席で 2 時間。呂竹さんがお手伝いに来られてたんで、「口入屋」はハメモノ入りでなかなかの雰囲気。
 最終日は「シンケイ累ヶ淵」の総集編と「寛政力士伝」の大団円。かなり楽しみです。
 ちなみに、この日の「寛政力士伝」の副題は私が勝手に付けました。

らくごの玉手箱
正直南湖

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たま・南湖 二人会 (六日目)

2006/9/12 @茶臼山舞台

【真景累ヶ淵 VS 寛政力士伝】

  • 笑福亭 たま 「シンケイ累ヶ淵 Episode 6」
  • 笑福亭 たま 「皿屋敷」
  • 桂 三風 「振り込め!」
  • 旭堂 南湖 「寛政力士伝 小野川、火事場の働き」

※ 第 5 回


 犬の散歩のために慣れないちょい早起きで非常に眠たいです。某 C さんが来られると云うことで、ちょっと早めに合流してパスタで晩飯。
 遊方さんがお手伝いに来られていました。が、勝手がわからずしどろもどろ。会のことは常連のお客さんの方が詳しかったりします。
 この日の入りは 15 人。初日以降はこのあたりを推移してます。顔ぶれはほとんど固定してるようですが。‥‥


 たまの「シンケイ累ヶ淵」。惣次郎の仇を討つためにお茶屋へ戻ったお隅は、まんまと富五郎を殺す。その後、安田一角も追いかけるが、逆にお隅が殺されてしまう。惣次郎の母と弟の惣吉は安田一角を探す旅に出るが、旅先で母が尼に殺され、路銀も奪われてしまう。‥‥
 尺調整か、この日はやや短め。あと 2 日で怒濤の展開を迎えるとのこと。

 つづいてたまの「皿屋敷」。基本は春團治の型ながら、こまかいクスグリや要所で入る銅鑼の「ボーン」と云う音が効果的で、たま色が馴染んできている。

 ゲストの三風はおばちゃんネタをマクラに、自作の「振り込め!」を。振り込め詐欺のマニュアルを入手したヤクザ連中が悪戦苦闘する噺。下っ端の男がアホ過ぎておもしろい。後半は「軒付け」のような笑いも。

 南湖はマクラで前日の打ち上げの話。たま、南湖、林家和女の 3 人で「海に行こう!」となった話から、茶金さんが若狭を訪れて「はてな?」とつぶやいた「はてなの原発」を披露。旭堂一門の旅行話なんかも。さらに「猫塚の由来」を語ってから「寛政力士伝」へ。
 雷電の兄貴分となった小野川は、自害した母を弔うため自宅にこもる。犬上郡兵衛に連れ出された小野川は火事に出くわす。有馬公が二代将軍・秀忠の墓を火の手から守ろうとしているところへ到着した小野川は、水をかぶって火のなかへ。秀忠の木像が入った厨子を担ぎ出す。
 マクラで「このあたりは《谷場》だ」と云っていたが、なるほど相撲はおろか力士同士の対峙もなく、小野川の名誉挽回のエピソードのみ。ネタ出ししていた「前代未聞、三人相撲」にはぜんぜん届かず。


 この日は三風さんのゲスト出演がありましたが、1 時間半ちょっとと軽め。個人的都合で、きょうはこれくらいで助かりました。
 南湖さんの「寛政力士伝」は順調に遅れており、ネタ出ししてるのから完全に 1 日分遅れています。一方、たまさんは計画どおり進行されてる模様。それぞれの性格がこのあたりに出てるようです。

らくごの玉手箱
正直南湖

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たま・南湖 二人会 (五日目)

2006/9/11 @茶臼山舞台

【真景累ヶ淵 VS 寛政力士伝】

  • 笑福亭 たま 「シンケイ累ヶ淵 Episode 5」
  • 旭堂 南湖 「寛政力士伝 雷電、小野川、命懸けの相撲」
  • 笑福亭 たま 「道具屋」

※ 第 5 回


 涼しい! 今朝、ひさしぶりに犬を散歩に連れて行ったんですが、一気に秋が近づいた、そんな心地良さでした。
 晩飯に天丼をかっ込んで会場へ。入りは 13 人と微減。月曜はこんなもん?


 まずはたま。番組案内から「シンケイ累ヶ淵」へ。
 惣次郎の嫁となったお隅に惚れた富五郎は、安田一角を使って惣次郎殺しを企てる。計画どおり惣次郎を殺すが、その現場を花車が目撃していた。花車に詰め寄られ、富五郎と安田一角は姿をくらます。そしてお隅は、ふたたびお茶屋へ戻る。‥‥
 たまが「昼ドラみたい」を連発するほど人間関係がドロドロと複雑になり、ストーリーをなぞることがメインに。

 南湖はメディア露出の話を皮切りに、自身のオランダ旅行の話、オランダでの静養から戻られた愛子様の相撲観覧など、マクラもたっぷり。横綱 68 代の暗唱も。
 「寛政力士伝」は佳境に。小野川と雷電の遺恨試合。命をかけた一番で土を付けられた小野川は、雨のなかで雷電と果たし合い。双方が抜いた刀を交えたところに割って入ったのが柔術家の犬上群兵衛。この犬上に喧嘩を預け、小野川と雷電は盃を交わして兄弟分に。
 後半は走りつつ長めに語るも、火事場に至らず。

 ふたたびたまで「道具屋」。甚兵衛とぶらぶらしてる男のやり取りで、「この茶碗、踏めるか?」「足、血だらけ」「違うがな、値踏みや」「チューチュー」「そらネズミや」がかわいい。たま本人は照れてしまう。
 後半、初めての道具屋のあまりのスカタンぶりを、隣の店の男は店を閉めて楽しむ。木刀を抜こうとする場面、笛から指を抜こうとする場面と、力業が抜群。
 ひさしぶりに演ったようだが、はじける寸前って感じ。何度か高座に掛ければもっとおもしろくなりそう。


 この日もゲストなしで 1 時間半ちょい。「寛政力士伝」がたっぷりあって、テンポ良い「道具屋」でしっかり満足。
 ぼちぼち「シンケイ累ヶ淵」も「寛政力士伝」も佳境です。

らくごの玉手箱
正直南湖

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生喬まるかじりの会 生喬の上方落語勉強会

2006/9/10 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 林家 染太 「犬の目」
  • 笑福亭 生喬 「殿集め」
  • 桂 阿か枝 「蛇含草」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 生喬 「茶目八」
  • 生喬、阿か枝 《対談:二人でちょいしゃべり》

※ 第 29 回


 昼飯代わりに餅を食べて出発。ひさしぶりに日本橋で買い物し、そっからぶらぶらとワッハへ行くも、時間を勘違いして早く着きすぎました。ジュンク堂で新刊チェックをして時間を潰し、会場入り。入りは 50 人くらい。
 この会は初めて行ったんですが、会場入口に「生喬まるかじりの会」を彫り込んだ看板が置いてあったり、高座のうしろに生喬による墨絵(この日は太鼓の絵)が掛けられていたり、チラシの束に「生喬のまるかじり通信!」が挟み込まれていたり、ちょっとした工夫がええ感じです。


 開口一番の染太は元気いっぱい。軽やかな「犬の目」は、眼病治療の道具にノミとツチと、ノコギリまで。目を抜くときの効果音が抜群。洗浄液にアタックを入れて驚きの白さに。

 ゲストの阿か枝は彦八まつりの奉納落語会で気になったひとり。マクラに、彦八まつりの話題から小枝実行委員長のエピソードを。飄々とした語り口が心地良い。
 「蛇含草」に入ると、ふたりの男の対比が良く出ており、とくに餅好きの男の威勢の良さが際立つ。餅を口へ入れたときの唇と舌の動きが独特でおもしろい。餅を食べて出てきたのに、また食べたくなる。

 生喬の 2 席は「共に稽古には行かず独自であーだこーだとこしらえました」(パンフレットより)とのこと。
 1 席目は、彦八まつりの話題から、噺家の出会い事情など、マクラをたっぷりと。「殿集め」は、清水の舞台から若い女が飛び降りると云う噂を聞きつけて集まった男たちの噺。(南青の『男たちの講談会』とは無関係) 町人から侍まで集まって、にぎやかに。
 中入りを挟んで 2 席目は、お茶屋遊びの話をマクラに、幇間が主役の「茶目八」。お茶屋のお花を使って、手癖の悪い幇間の茶目八に一杯食わそうと云う旦那の計略。茶目八とお花のやり取りが中心で、やかましい茶目八の意地汚さと、お花のもったい付けた物云いがなかなか。

 最後に生喬と阿か枝の対談。阿か枝の人となりから、内弟子時代の稽古、師匠の文枝、姉弟子のあやめ、等々と、文枝一門の日常をかいま見たような。


 いろんなところに、生喬さんがこの会に力を入れておられることを感じました。手作り感があって、ええ会です。生喬さんもですが、阿か枝さんをもっと観たいと思わされました。

 次回は 1 月 8 日(月・祝)の予定です。次回からゲストに先輩を呼ばれるそうですよ。

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染左開発計画

2006/9/9 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 桂 佐ん吉 「池田の猪買い」
  • 林家 染左 「桃太郎」
  • 林家 花丸 「茗荷宿」
  • 林家 染左 「七段目」
    ―― 中入り ――
  • 林家 染左 「皿屋敷」

※ 第 24 工区


 こごろうさんの会で好印象だった染左さんの会へ。花丸さんが出られるってのも大きな魅力で、そっちが本命だったり!?!?
 初めてでしたが 50 人くらいの入り。観る側からすればこれくらいが丁度良いように思います。


 開口一番の佐ん吉は自虐的ギャグで軽くつかんでから「池田の猪買い」へ。スピーチ・スピード・コントロールはまずまず。冷え気の男のお灸話やありったけ着込んでくるくだりは端折り、独自のクスグリをちょこっと加え、かなり調子が良い感じ。が、後半に舌のまわりが悪くなり、それであせったか時間が気になったか、またも早口に。惜しい!

 ゲストの花丸はマクラで染左をほめちぎり、なんとかその晩の酒代を浮かそうと云う算段。
 花丸の「茗荷宿」は 2 度目だったが、やはり宿屋の女将のカリカリ具合が秀逸。泊まり客の夕飯のミョウガ尽くしもたのしい。翌日、その泊まり客が出発する場面のテンポと自然さもさすが。

 染左は 3 席。まず「桃太郎」は子供のこまっしゃくれ具合が秀逸。
 「七段目」は吉朝のと比較しながら観たが、やはりこまかい部分に違いがいろいろ。こちらも定吉がなかなかええ感じ。袴姿で出てきたんで芝居の真似事で大きな所作を期待したが、それほどでもなくチと残念。
 中入りを挟んで「皿屋敷」。これは春團治に稽古を付けてもらったそうで、きっちり春團治の型。しっかり稽古されたようで、安心して観ていられる。もう少し肩の力が抜けてきたらかなり良くなる予感。


 5 席で 2 時間、かなりサクサクした会でした。内容的にも満足度が高く、あっさりしてるのに旨味がある感じで楽しめました。

 次回は 11 月 11 日(土)の予定です。

林家染左展示室

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たま・南湖 二人会 (四日目)

2006/9/8 @茶臼山舞台

【真景累ヶ淵 VS 寛政力士伝】

  • 笑福亭 たま 「シンケイ累ヶ淵 Episode 4」
  • 旭堂 南湖 「寛政力士伝 雷電、小野川の弟弟子の腕を折る」
  • 笑福亭 たま 「佐々木裁き」

※ 第 5 回


 天気は回復するも、蒸し暑い‥‥。残暑と云うのもなかなかむずかしい季節です。
 入りは 15 人ほどに微増。この日が初めてのお客さんもおられたよう。


 まずはたまの「シンケイ累ヶ淵」。名主の妾のお賤にそそのかされて、新吉は名主を絞殺。そのことを知った甚蔵をも殺してしまい、新吉とお賤は逐電。
 話変わって、茶屋に勤めるお隅に惚れる名主の息子の惣次郎。ここに剣術家の安田一角が割って入るも、惣次郎の贔屓の関取・花車が蹴散らす。ここへ惣次郎の舎弟となった富五郎が絡み、ドロドロした展開に。‥‥つづきは次週。

 南湖は一休さんの話、師匠の南陵のエピソードなんかをマクラに、「寛政力士伝」の頭からのダイジェスト。
 雷電と陣幕の 2 度目の顔合わせ。陣幕が諸差しになったところを雷電が閂に極めて腕を折ってしまう。‥‥と、これが前回の外題。
 翌年、とうとう小野川と雷電の取組。小野川は贔屓の有馬公から殿中差しを賜り、雷電との取組は命がけの一番に。‥‥と、ここまで。
 南湖は自身の贔屓客のエピソードなんかを挟み、快調な語り口。

 たまは漫画『寄席芸人伝』へのツッコミをマクラに、桂こごろうと演り方をいろいろ考えたと云う「佐々木裁き」を。
 後半、佐々木信濃守と四郎吉との問答で、普通なら信濃守が四郎吉に完敗と云う感じだが、信濃守もなかなかの知恵者ながら四郎吉はそれを上回るとんち者と云う感じに。やや未整理ながら、こちらの方が自然な展開だろう。


 前日は 2 時間オーバーだったのが、ゲストなしと云うこともあって 1 時間半ほどに。おふたりともゆったり話されてた感じでした。
 この日で前半終了。かなりええ感じの会です。とくに南湖さんがノリノリで、毎回のように脱線しまくり。そこらもまたおもしろいです。途中参加でも十分楽しめると思いますよ。

らくごの玉手箱
正直南湖

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たま・南湖 二人会 (三日目)

2006/9/7 @茶臼山舞台

【真景累ヶ淵 VS 寛政力士伝】

  • 笑福亭 たま 「シンケイ累ヶ淵 Episode 3-1」
  • 笑福亭 たま 「へっつい盗人」
  • 桂 三金 「質屋蔵」
  • 笑福亭 たま 「シンケイ累ヶ淵 Episode 3-2」
  • 旭堂 南湖 「寛政力士伝 雷電、小野川の弟子を殺す」

※ 第 5 回


 雨はあがるも、なんともスッキリしない天気。日が差さなくて気温が上がらず、湿度がそれほど気にならない分、しのぎやすくはありましたが。そんななか、入りは 12 人と微減。


 この日のたまの「シンケイ累ヶ淵」は、なぜか落語を挟んで 2 部構成に。
 豐志賀と恋仲になった新吉が豊志賀の稽古屋へ通うお久と親しくなる。ときを同じくして豊志賀が病に冒され、新吉は豊志賀を見捨ててお久と田舎の叔父のもとへ逃げる。豊志賀は遺書に新吉への恨み言を残して死ぬ。その後、新吉ははずみでお久を殺してしまい、それを甚蔵と云う男に見られてしまう。‥‥と、ここまでが前半。
 後半、お累と云う女と夫婦になった新吉は二人の間に子供を授かるが、おしずと云う女に入れ込み、お累は自殺してしまう。‥‥つづきは明晩。

 たまの「へっつい盗人」は、アホの男がポイント。小便するとき、竹の垣を動かすとき、とにかく清八にしつこく断りを入れる。この繰り返しがおもしろみを増幅。

 新作で観ることの多い三金だが、旦那や番頭などはニンに合った感じでなかなか。「質屋蔵」の番頭は華奢なイメージだが、口跡の良さでそれほど違和感もなし。所々でセリフのつまずきが目立ったが、今後の稽古量と高座経験でかなり良くなりそうな印象。
 ちなみにこの日は、翌日の『雀喜・三金 二人会』の試運転だったようで、本番で脚のシビレに耐えられるかをチェックしたかったとか。

 南湖の「寛政力士伝」は、これまでのダイジェストから雷電と八角の取組へ。張り手一発で雷電の勝利。負けた八角の顔がみるみる腫れ上がり、そのまま死んでしまう。この一番だけで雷電の張り手は禁じ手となる。
 3 年後、徳川第 11 代将軍・家斉の上覧相撲で、幕の内入りした雷電は小野川の弟弟子の陣幕との取組となるが、相撲上手の陣幕に負けてしまう。谷風と小野川の取組は谷川に軍配。
 翌年、雷電と陣幕がふたたび顔合わせ。‥‥と云うところまで。またも腕は折られず。
 あっちこっちへ脱線しながら、ゆるりとした語り口で観客を押したり引いたり。


 日に日におもしろくなってきます。とくに南湖さん、本編の「寛政力士伝」もさることながら、脱線ぶりがたのしいです。
 この日の客席にはリピーターのみ。日を追うごとに茶臼山舞台の濃度が濃くなってるようです。

らくごの玉手箱
正直南湖

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たま・南湖 二人会 (二日目)

2006/9/6 @茶臼山舞台

【真景累ヶ淵 VS 寛政力士伝】

  • 笑福亭 たま 「シンケイ累ヶ淵 Episode 2」
  • 旭堂 南湖 「寛政力士伝 雷電、初土俵を踏む」
  • 桂 あやめ 「マル高 vs ヤンママ 真昼の決闘」
  • 笑福亭 たま 「初天神」

※ 第 5 回


 ひさびさの雨。入りが悪くなるかと思いきや、それでも 15 人ほど入ってました。お手伝いに来ていた呂竹さんが受付に。


 まずはたまの「シンケイ累ヶ淵」。前日のあらすじをザッと紹介。深見新左衛門の死後、息子の新五郎が奉公先で皆川宗悦の娘のお園と出会う。宗悦の娘とは知らずお園に惚れた新五郎は、お園を手込めにしようとして誤って殺してしまい、自分も同じようにして死んでしまう。
 それから 19 年後、新左衛門のもうひとりの息子、新吉が稽古屋の師匠の豐志賀と出会う。この豊志賀もまた宗悦の娘であった。‥‥と云うところまで。
 予告代わりに主要人物の相関図を解説して終了。

 つづいて南湖。マクラ代わりに前日の打ち上げの話から昔の講釈場の話など。「寛政力士伝」は前日のダイジェストから、為造が谷風の部屋に入門し、3 年間の修行。‥‥と、ここで旭堂一門の命名秘話へ脱線。
 いよいよ為造の初土俵。雷電為右衛門との四股名をもらう。取組の相手は因縁の、小野川の弟子の八角。雷電と八角が土俵で見合い‥‥と、ここでお時間。後半はかなり加速して読むも、ネタ出ししていた「雷電、小野川の弟子を殺す」まで至らず。

 ここでゲストのあやめ。男児を出産された紀子様の話題から、妊婦がテーマの「マル高 vs ヤンママ 真昼の決闘」。高齢出産の女友達 2 人と、できちゃった婚のヤンママが、安産教室で対立!って噺。
 ヤンママ以外の人物の区別が付きにくかったが、ジェネレーション・ギャップのある妊婦たちの罵り合いがおかしい。

 再度たまで「初天神」。寅と向かいのおっさんとのやり取りが秀逸で、おっさんの興味津々具合がこってり。後半、いやいや寅を連れて出た父親も、露店をのぞきつつ途中から盛り上がってくる様子が楽しい。
 全体に荒さが目立つも、演出面の工夫が感じられ、今後の期待へつなぐ。


 この日もたっぷり 2 時間。4 席とも色合いが異なるんで、なんとも寄席の雰囲気です。あっと云う間の終演でした。
 ちなみに、この日の「寛政力士伝」の副題は私が勝手に付けました。

らくごの玉手箱
正直南湖

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たま・南湖 二人会 (一日目)

2006/9/5 @茶臼山舞台

【真景累ヶ淵 VS 寛政力士伝】

  • 笑福亭 たま 「シンケイ累ヶ淵 Episode 1」
  • 笑福亭 たま 「くっしゃみ講釈」
  • 桂 三金 「ちしゃ医者」
  • 旭堂 南湖 「寛政力士伝 雷電、小野川と初対面」

※ 第 5 回


 とうとう始まりました、たまさんと南湖さんの連続興行。たまさんが「真景累ヶ淵」を紙芝居風に紹介する「シンケイ累ヶ淵」を、南湖さんが「寛政力士伝」を続き読みすると云う企画。チラシのタタキはこんなん↓です。

8 日間連作短編続き読み!
一日でも面白い!
続けて聞けばもっと面白い!

 天気が心配でしたが、午前中にパラッと降った程度で耐えてくれました。観客は約 20 人。通し券の方が多数で、私も通し券で入場。


 まずはたまが登場。『彦八まつり』でのビール売りでややハスキーな声に。マクラ代わりに、『彦八まつり』であやめの店の手伝いに来ていた瀧川鯉朝の受難を。9/4 に茶臼山舞台で会を開く予定だったとか。
 「シンケイ累ヶ淵」は、三遊亭圓朝の「真景累ヶ淵」のストーリーを忠実に、再現フィルム風に紙芝居化。皆川宗悦に金を借りていた深見新左衞門が勢い余って宗悦を殺してしまい、それを知った新左衛門の奥方が床に伏してしまう。気のふれた新左衛門は誤って奥方をも殺してしまう。‥‥
 これだけだと殺伐としたストーリーだが、これをおもしろおかしく語る。どうやったらおもしろくなるのか‥‥それはご自身の目で確認されたい。

 引き続きたまが「くっしゃみ講釈」を。後半の講釈場では所作と表情だけで演じるなど、マニア向けな演出。安定感もあって出来自体は良かったが、やや疲れが見られる。

 ここでゲストの三金。デブネタや鹿児島での営業のエピソードなどをマクラに、医者小咄から「ちしゃ医者」を。駕籠をかく場面はホントにしんどそう。後半のエグい場面は三金の体型も手伝って、臭さ&汚さにプラスして暑苦しさも。

 南湖は、たっぷりのマクラで空気を作ってから「寛政力士伝」へ。田舎から江戸へ出てきた為造(後の雷電)が小野川の部屋への入門を断り、谷風の部屋へ入門志願しに行くところまで。相撲の発祥から本編に入ってもあちこち脱線し、のんびりとした語り。


 たっぷり 4 席で 2 時間。ゲストがないときは 1 時間半の予定だそうです。
 たまさんは声の調子が気になりますが、「シンケイ累ヶ淵」はわかりやすい演出で今後も楽しみ。南湖さんの方はこの日のペースでも楽しめましたが、徐々にペースが上がってくるでしょう。

らくごの玉手箱
正直南湖

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戦利品

 『彦八まつり』でゲットしたサインです。和紙のはがき箋に筆ペンで書いてもらいました。

サイン

上段左より 福楽、きん枝、あやめ、文太、小枝、三風
中段左より 福笑、たま、生喬、染丸、花丸、染雀
下段左より 都、小米朝、しん吉、遊方、南湖、おしどり

 気になる方に片っ端からサインをいただきました。テレビに出てる方はやはり行列になってました。きん枝さんはサインペンと筆ペンでサインが違ってましたよ。

 この中では生喬さんが秀逸。筆ペンをうまく使って古木に「根強く」と。さすがは芸大出身、サラサラッと描かれてるのに洒落てます。

笑福亭生喬のサイン

彦八まつり (上方落語協会)

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ビギナーズラック

2006/9/3 @TORII HALL

【上方落語、お江戸でござる】

  • 桂 かい枝 「いらち俥」
  • 桂 吉弥 「芝浜」
  • 桂 かい枝 「星野屋」
  • かい枝、吉弥 《トーク》

※ Vol. 02


 初回が大入り超満員だっただけにどうなるかと思いましたが、『彦八まつり』と重なったからか入りは 70 人程度。まぁこちらとしては隣に気を遣うことなくゆったり座れて楽でしたが。
 開演前のラジオ風トークも続投。前回はカラオケ・ボックスでの録音でしたが、今回はスタジオで録音したとのこと。


 この日はかい枝が 2 席。まずは「いらち俥」を、いらちの俥に乗って北へ向かって市電とぶつかりそうになるところまで。きっちり演るも、なぜか笑いがうねりにならず。
 2 席目の「星野屋」は江戸でよく演られる噺で、元々は上方ネタ。こちらでは文珍、八天あたりが掛けている。星野屋の旦那が手掛けのお花に手切れを申し出るが、話の流れで心中することに。そんな気はないお花が母親に相談し、旦那をだまして逃げ帰るが‥‥ってな噺。性根の悪そうな女を好演。

 吉弥は米朝の状況報告でひとしきり場をほぐしてから「芝浜」を。こちらでは雀三郎が舞台を大阪に移して「夢の革財布」と題して演られてるが、吉弥は浜の場所をぼやかして江戸スタイルでそのまま演ったよう。ただし口調は大阪弁で。
 腕の立つ魚屋の魚熊の仕事っぷり、酒に目がなく仕事にあぶれる様を描いてから、女房に起こされる場面へ。「夢の革財布」ではこの部分はカットされてたと思うが、この部分で人物像がグッと膨らむよう。後半もたっぷり聴かせる。

 落語のあとのトーク、まずは今回のネタについて。「江戸落語を演る」と云うテーマだったが、かい枝の「星野屋」は元々は大阪ネタだったことをあとで知ったそう。心中ネタは大阪では流行らなかったのかも。
 その後は『大銀座落語祭』で撮ってきたビデオを観ながらいろいろと。自分も行ってた会場でニアミスしてたようで、なんとも懐かしい感じ。今回は高座の後ろに映していたんで観やすい。ただ、素人の撮影ゆえ、カメラの揺れがキツすぎ。


 吉弥さんの「芝浜」はたっぷり感もあってなかなか良かったです。かい枝さんの「星野屋」はお花とその母親の性根の悪さが秀逸。ただ、せっかく「江戸落語を演る」と云うテーマ設定した会なんですから、トークで選んだ経緯や稽古についてもうちょっとあれこれ語ってもらいたかったです。
 高座の出来としては 3 席とも良かったとは思うんですけど、個人的には全体としてちょとはじけきれなかった感じがしました。

 終演後に『彦八まつり』へ。‥‥

桂かい枝の さぁかいしでーす!!
桂吉弥ホームページ

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彦八まつり 奉納落語会 (その 2)

2006/9/2 @生國魂神社参集殿

【もしも落語ができたなら】

  • ラサール 石井 《お茶子》
  • 笑福亭 鶴瓶 「青木先生」
  • 西田 敏行 「丹波哲郎と三國連太郎」
  • 西田、鶴瓶、小枝、ラサール 《座談会》

 スペシャル・ゲストを迎えての落語会。約 300 人収容の会場で、早々に札止めとなった模様。
 まずはメクリに「ラサール石井」の名が出て、女装したラサールが登場。あやめに借りた着物に、赤い前掛けかと思えばこれもあやめに借りたお腰。カツラにメイクと、なかなかのお茶子っぷり。見台、膝隠し、小拍子をセットして、メクリを「笑福亭鶴瓶」に。

 鶴瓶は出てくるなりラサールにダメ出し。本人を呼び出し、さらには小枝までも呼び出してなんやかんやのトークでサービス。ラサールにセットをやり直させ、出てくるところから仕切り直して私落語の「青木先生」を。
 高校時代の鶴瓶と、興奮して叫ぶと歯の隙間から「ピィーーーー!」と音が鳴る青木先生との噺。以前にも聴いたが、やはりネタ的におもしろいんで何度聴いても楽しめる。観客のウケも上々。

 つづいて西田敏行が登場すると、やんやの喝采。黒の羽織に白地に黒の縦縞の着物で、羽織の紋は阪神タイガースの虎マーク、背中には大きく HT のチーム・ロゴ。
 今回の出演の経緯なんかを話しながら、高座の左右に丹波哲朗と三國連太郎の写真パネルを立てて、俳優の先輩として尊敬する 2 人のエピソードを。とこどき 2 人の声色を交えて語られ、上下を振って落語っぽく。

 最後に高座をつとめた西田と鶴瓶、お茶子のラサール、案内役の小枝による座談会。西田へのねぎらいや、ラサールの参加経緯など。来年はラサールが落語?


 西田敏行さんは客寄せパンダ的な感じもありましたが、なかなか聴くことができない俳優のエピソードは興味深く、なかなかおもしろかったです。鶴瓶さんはいつもながらのおもしろさで、観られた方はみな満足されたんではないかと思います。

彦八まつり

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彦八まつり 奉納落語会 (その 1)

2006/9/2 @生國魂神社参集殿

【落語家 No. 1 決定戦 「RR-1」】

  • 林家 染太 《津軽三味線》
  • 桂 三風 「動物園」
  • 桂 三金 (シスター・スリーゴールド) 《懺悔漫談》
  • 笑福亭 遊喬 「小唄」
  • 桂 まめだ 《皿回しと南京玉すだれ》
  • 笑福亭 智之介 「マジカルうどん屋」
  • 桂 文鹿 《河内にわか
  • 林家 染弥 《ルービックキューブ》
  • 桂 阿か枝 《小噺》
  • 桂 三幸 (ジョン・ベネット) 《南京玉すだれ》
  • 笑福亭 喬若 「甚兵衛」
  • 笑福亭 三喬 《獅子舞》
  • 林家 笑丸 《ウクレレ落語》
  • 笑福亭 猿笑 《綴り方狂室》
  • 笑福亭 鶴志 「松鶴風景」
  • 笑福亭 右喬 《紙切り》
  • 笑福亭 たま 《ショート落語》


 真の落語家 No. 1 を決める Real Rakugo-1 決定戦。総勢 17 名が約 5 分の持ち時間で持ちネタを披露。審査員は、《上方落語を聴く会》会長・桂きん枝と副会長・桂小枝に、桂文福、くまきりあさ美(きん枝が連れてきた)、最前列のお客さん 1 名の計 5 名で、それぞれ 10 点満点で採点。

 落語家の No. 1 を決めるはずが、落語が少ない! 小枝も「落語ですよね?」を連発。進行役の文福は「落語の幅を広げて」とフォロー。
 三風の「動物園」は観客参加型。その次のシスター・スリーゴールドはサプライズで、かなりツボに。智之介のマジックの実演付き落語はなかなかきっちりと落語スタイル。初めて観た阿か枝は端正な語り口で好印象。
 まめだや右喬の天然ぶりに KO され、三喬や鶴志の芸に感嘆。三喬は単純に獅子舞を演じるんではなく、獅子舞の師匠と弟子という設定で落語風に。鶴志の松鶴の物真似はもう伝統芸の域。

 審査員の採点で、ウクレレ落語の笑丸とショート落語のたまが同点に。観客の審査で優勝は笑丸に。賞金 5 万円と天満天神繁昌亭のトリを取れる権利をゲット。


 噺家隠し芸大会の様相でしたが、2 時間たっぷり楽しませていただきました。
 審査委員長のきん枝さん、さすがに《上方落語を観る会》会長だけあって目が肥えており、コメントに重みがありました。

彦八まつり

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彦八まつり

 上方落語協会のお祭り『彦八まつり』に行ってきました。会場は地下鉄「谷町九丁目」駅が最寄りの生國魂神社で、開催期間は毎年 9 月の第 1 土日です。
 オープニングの「上方笑女隊お色気ショー」を観るべく、11 時前に会場へ。朝一からえらい人出。実行委員長の小枝さん、上方落語協会副会長の染丸師匠のご挨拶のあと、上方笑女隊が登場。クラクラしました。
 心配された天気は上々。風があって、日陰なら比較的楽に過ごせました。

 stilllife さんが東京の『圓朝まつり』のときに はがきにサインをもらわれていた のを読んで「こりゃええわい」と真似して和紙のはがきと筆ペンを持参。会場をウロウロして噺家さんのサインをゲット。戦利品は別項で。

 《奉納落語会》として各日昼夜の 2 回行なわれます。初日は 2 回とも観ました。2,000 円以上の入場志納金で入場整理券をゲットできます。2 回目の入場整理券は 1 回目の最中に配布されたんですが、吉朝ファンの F さんに確保してもらいました。毎度ありがとうございます。こちらも詳細は別項で。

 福笑さん&たまさんの師弟ブースでは生ビールとプリクラを販売。プリクラはその場で福笑さんやたまさんと一緒に撮れるんですが、途中で機械が故障して大赤字だったようです。

 19 時からステージで噺家バンドのライヴがあり、福笑さんがリーダーのヒロポンズ・ハイを堪能。メンバーは、福笑(Vo)、遊方(G)、あやめ(Per)、福楽(B)、岐代松(Ds)、市楼(G)。福笑さんは軽快なステップとハスキーなヴォーカルがカッコ良い! ギターの遊方さんは不本意な出来だったようで、終了後は自分のテントの前でうなだれていました。
 その後には桂雀三郎 with まんぷくブラザーズのライヴも。

 オープニングからクロージングまで 1 日中いて疲れましたが、初『彦八まつり』は楽しめました。

彦八まつり (上方落語協会)

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