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氣樂堂寄席 桂こごろう落語会

2006/10/28 @氣樂堂

  • 桂 吉坊 「千早振る」
  • 桂 こごろう 「代脈」
  • 桂 つく枝 「宿替え」
  • 桂 こごろう 「愛宕山」

※ 第 3 回


 朝からノドが痛くて風邪かなとも思ったんですが、拠ん所ない事情もあって「まぁなんとかなるやろ」と京都へ。
 京都落語のメッカ(?)氣樂堂は以前から気になってたんですが、いざ行ってみると普通の喫茶店。大通りから奥まったところにあるんで、近所の人以外は知るよしのないような店です。(失礼!)
 狭い店内にぎっしり座布団が敷き詰められてて、50 人ほどの観客で熱気ムンムン。空気も薄い。予約完売状態だったようです。


 開口一番の吉坊は、高座の真横からのぞき込んでる客や、開演直後に入場してくる客に動揺しながらも、「千早振る」をきっちりと。噺に入れば安定感抜群で、走りすぎないテンポで軽快に。ここらは吉坊だけに安心して聴いてられる。

 メインのこごろうに挟まってのつく枝も、高座の真横の客に「お尻を見られてるよう」と。マクラは保育園で落語を演ったときの話から、この日の名古屋からの新感線での移動中に見たカップルの話に。イチャイチャしてるのも最初だけ‥‥と「宿替え」へ。何度か観てるが、つく枝のは引っ越し先でほうきを掛ける釘を打つ場面から。釘を打ち込んだあと、隣へ行ってのノロケ話が強烈かつ強引で、ここらがつく枝の真骨頂。

 こごろうの 1 席目は、松竹座で観てきた『染模様恩愛御書』の話題から、雨の日にビニール・テントの下で高座を勤めたときの話へとマクラをつなぎ、十八番の「代脈」へ。こちらも以前に観たが、若先生・州達が羊羹を食べるまでの半ギレ具合と、待望の羊羹を口にしたときの恍惚の表情が秀逸。後々まで羊羹がひと切れ少なかったことにこだわるクスグリもたのしい。
 トリの 2 席目は、季節外れながら「愛宕山」を。風景はもとより、芸妓や舞妓の衣装の描写も丁寧に。ビラビラの簪でこごろうの顔が舞妓に見えてこない客のために、簪をゆらゆらと揺らして催眠術をかけるひと工夫。一八と茂八の山登りはたっぷりと、土器かわらけ投げの場面では一八のおとぼけ具合を強調してたのしく。乱暴な表現・描写はカットして、ほのぼのとしたピクニックの雰囲気を全面に押し出した演出で、全体の流れもよりスムーズになっており、見どころ多く充実の一席に。最後に息切れしたのはご愛敬。


 終演後に、出演者のサイン入り団扇や氣樂堂特製 CD などが当たる抽選会。なんとこの CD が当選しました! ありがとうございます。(もっとも、商品数が多くて、当選確率は 4 分の 1 くらいでしたが)

 ギッチギチの客席で空気も薄く、暑さも相まってかなりキツい会でしたが、高座は充実でした。ええもん(?)ももらえましたし、行った甲斐はあった気がします。
 ところで、隣のおばちゃんが終始ガサゴソガザゴソ。どうも暑くて扇子を探されてたようなんですが、それやったらあっさり鞄を持ち上げて 1 回で対処してもらいたかったです。気になってしゃあないっちゅうねん!

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平成紅梅亭

2006/10/24 @天満天神繁昌亭

【天満天神繁昌亭開亭記念落語会】

  • 《口上》
  • 月亭 八方 「秘伝書」
  • 林家 染丸 「豊竹屋」
  • 桂 ざこば 「子は鎹」
    ―― 中入り ――
  • 桂 春之輔 「死ぬなら今」
  • 桂 三枝 「アメリカ人が家にやってきた」
  • 《大喜利 イケメン噺家 vs 上方笑女隊》

※ 第 66 回


 某吉朝ファン C さんのお誘いで『平成紅梅亭』の公開収録へ。私も 4 枚応募したんですが、選にもれました。‥‥
 今回は繁昌亭オープン記念で特別に繁昌亭にて収録。よみうりテレビのスタジオよりゆったり座れてかなり楽です。落語会でよくお見かけるようなお顔は少なく、初めて落語を観ますって感じのお客さんが多い印象。もちろん満員で、通路にパイプ椅子も設置してギッシリ。(個人的には通路の補助席はやめてほしいです)
 固定カメラ 4 台にハンディ・カメラ 2 台と、かなりの気合い。普段でもこんなに使ってないのでは?


 まずは口上。下手側より、進行の八方、染丸、三枝、ざこば、春之輔。自由奔放な八方や春之輔にざこばがブツブツ。染丸はやわらかく、三枝はきっちり。

 落語はまず八方から。母親や夜店の思い出話から「秘伝書」へ。短い噺ながら、八方の間合いで聴かせる。楽して暮らす方法が書かれた本を 500 円で買って帰って読んだときの落胆具合がいつもながらおもろい。

 つづいて染丸が「豊竹屋」を。なんでも浄瑠璃にしてしまう豊竹屋節右衛門が大げさに笑うところがおもしろい。そこへ口三味線の花梨道八がやってきて掛け合いをにぎやかに。
 噺が終わって「寄席の踊りを‥‥」と、「奴さん」に「姐さん」。なんとも優雅。

 中トリのざこばは、言葉がわからんようになってきたってなマクラから、実際に持ってきたかすがいを見せてから「子は鎹」を。
 母親がひとり息子の寅を連れて、父親の形見に金づちを持って出ていくくだりを入れ、その後に改心した父親の状況をわかりやすく。たっぷり演ったわりにサゲがバタバタッと終わった印象でもったいない。

 中入りをはさんで、春之輔はやっぱりの「死ぬなら今」。閻魔大王は貫禄不足だが、絜兵衛けちべえとのやり取りは抜けた感じでおもしろい。“芸者ワルツ”の替え歌の“亡者ワルツ”はちょっとだけ上達。

 トリの三枝は英語にまつわる話をマクラに、アメリカ人のホームステイを受け入れるために、一家揃って英語を覚えるのに悪戦苦闘する噺。勝手な英語名を付けたり変な英語を駆使したりの前半もさることながら、大阪弁のアメリカ人が登場する後半がたのしい。

 最後に《イケメン噺家 VS 上方笑女隊》と題して大喜利。イケメン噺家として、笑福亭銀瓶、桂三若、桂春菜、月亭八光。上方笑女隊からは、露の都、内海英華、桂あやめ、桂三扇。司会は三枝。
 三枝の司会はさすがに手慣れたもので、都のにぎやかさで明るい雰囲気に。銀瓶の三枝への切り込み具合が見どころだが、天然の三扇がすべてをかっさらってしまう。詳細は放送で。


 盛り沢山の番組で、たのしい 2 時間半でした。
 初めてっぽいお客さんが多くて《落語は笑うもの》と云う先入観もあったのか、どの場面もめちゃくちゃウケてました。たしかにおもしろかったんですが、「子は鎹」でもバンバン笑うんで、「そらちょっとちゃうやろ」と思ったり。とくに、前でバカウケしてた学生風のカップルと、後ろで「うんうん」「へぇ~」「ああそう」と声を出してリアクションしてるおばちゃんが気になって。まぁたのしみ方はそれぞれなんですけど。これをきっかけに、お金を払って観に行くお客さんになってくれることを期待します。

 放送は 11 月 14 日(火)25 時 59 分(深夜 1 時 59 分)より 10 ch で。

平成紅梅亭

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朝日東西名人会

2006/10/23 @シアター・ドラマシティ

  • 笑福亭 生喬 「犬の目」
  • 林家 染二 「素人浄瑠璃」
  • 立川 志の輔 「ディア ファミリー」
    ―― 中入り ――
  • 桂 雀三郎 「親子酒」
  • 柳家 小三治 「あくび指南」

※ 第三回


 近場で小三治師匠を観られるまたとない機会と云うことで、チケット発売日に最前列を確保。上手側ながら、かなり高座に近くて表情もよく見える位置でした。客席はほぼ満席。


 開口一番はラクゴリラのメンバーと発表されてるそうで、この日は生喬。医者絡みの小咄から「犬の目」を。医者がマッド・サイエンティストっぽくて、患者の方はかなりのアホ。ふたりのキャラと、脳天気な患者に医者が「あとで頭の方も診てみましょ」ってのがかなりツボ。

 つづいて染二。天満天神繁昌亭オープンの話題をマクラに、下手な浄瑠璃のサンプルを「どんぐりころころ」で演ってから「素人浄瑠璃」(「寝床」の旦那が浄瑠璃を語る前まで)を。以前にも観たが、旦那が徐々にキレる様子、持ち上げられて徐々にゆるんでくる表情が秀逸。

 中トリの志の輔は、勤続 30 年を迎えた亭主に会社から記念品が贈られたが、その記念品がシカの頭の剥製だった‥‥って噺。とりあえず押入へしまおうとするも、スペースがなくて亭主と妻が云い争いになる。
 志の輔の演じる妻は「はんどたおる」でも体験済みだったが、天然ボケと云うか、亭主との論点・視点が確実にズレてくるのがおもしろい。

 中入りをはさんで、雀三郎は酒飲みの小咄から「親子酒」。父親が酔っ払って寝込む場面から爆笑。まじめなうどん屋にツッコミを強要する息子は酔っ払いながらも勢いがあって、唐辛子だらけになったうどんを一気にズルズルズル~。

 トリは待望の小三治。
 40 年ほど前に出演した道頓堀の角座では、弁当をガサゴソ、隣同士でペチャクチャ。若い頃には、ふられた女性に歌ってくれと頼まれたのが“大阪のひと”。その女性の結婚相手が大阪出身。そんなこんなで大阪へのトラウマがあるそうな。
 ゆるぅ~いマクラが心地良い。リサイタルをしたって話から“砂山”を唄って、北朝鮮の VIP 用ゴルフ場の話へとマクラをつなぎ、突然「あくび指南」へ。噺へ入ればトントントンと小気味良いテンポ。あくび指南処で教えてもらうのが「四季のあくび」で、これはなかなか風流。


 関西勢の 3 人は、ややよそ行きの語り口と云うか、若干の硬さが感じられました。普段観に行ってる勉強会の雰囲気と比べるべきではないのかもしれませんが、逆に云えば、自分の芸をきっちり演った結果でしょう。
 関西勢の濃い 3 人はもちろん、志の輔さんもかなり濃厚な味わい。そんななか、小三治師匠の飄々としたマクラと気っぷの良い噺で、なんとも云えん味わい深い会になった気がします。なにより、マクラだけで 30 分超ですから、かなり堪能した感があります。

 次回は来年 1 月 29 日(月)、出演は、桂歌丸、柳亭市馬、笑福亭三喬、林家花丸、他、の予定です。

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MOMMY?

MOMMY?
MOMMY?
Maurice Sendak
Arthur Yorinks
Matthew Reinhart

 学生の頃から絵本収集が趣味で、現在も細々と続けてるんですが、なかでも 『かいじゅうたちのいるところ』 でおなじみのモーリス・センダックの独特のタッチが好きで、気に入った本をときどき買ってます。

 また、飛び出す絵本は作者によらず好きで、これはとにかく視覚的におもしろいのがあるとついつい買ってしまいます。飛び出し度がアップすると、こっちの興奮度もアップします。

 で、このたび、センダック初の飛び出す絵本が登場という情報を発売前にキャッチし、両方の要素が合体した初の作品ですから、わざわざ予約までして購入してしまいました。(そのわりには積ん読状態だったんですが‥‥)
 タイトルは 『MOMMY?』 で、表紙はミイラ男に抱き上げられた子供。モンスター好きとしてもかなりそそられるタイトル&表紙です。
 内容は、子供が街で「Mommy?」とたずね歩くと、その都度違ったモンスターに出くわす‥‥ってだけの話で、オチはなんとダジャレ。なもんで、日本語版が出るかどうかは微妙です。まぁセリフもほとんどなくて飛び出すイラストをたのしむって感じの本なんで、洋書でもぜんぜん OK でしょう。

 ここで紹介したのは 米語版 ですが、ほかに 英語版スペイン語版 が出てるようです。よっぽどのマニアは全部買うんでしょうね。

 プロレス界では メカマミー が猛威をふるってますし、今年はミイラ男の当たり年なのかも。‥‥って、んなわけないか!?!?

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アンジェラ・アキ - Zepp Tour 2006 “HOME”

2006/10/20 @Zepp Osaka


 Zepp Osaka はそれこそ何度も行ってますが、今回は初の 2 階指定席。普段から 2 階席の客は入場を待たされてますが、今回は前売り完売と云うこともあってか、開演 15 分間になって入場。もうちょっとなんとかしてほしい。‥‥
 1 階スタンディングの整理番号が 1,500 までだったことを考えると、入りは 1,700 くらいでしょうか。初の 2 階席は 2 列目中央で、ステージ全景が見渡せてなかなかグッド。もちろん 1 階は満員で、こう云うのを上から眺めるのもまたうれしいもんです。
 今回が初の全国ツアーとなるアンジェラ・アキですが、Zepp を福岡、仙台、札幌、東京、名古屋、大阪と移動した最終日でした。

 開演前、なぜか AC/DC の曲が流れてて、なぜか“Highway To hell”で手拍子が起こって、そのさなかにサポート・メンバー(ベースとドラム)が登場。彼らがリズムを刻んでるところにアンジーが登場して 3 人でセッション、と云うオープニング。
 舞台中央にピアノを据え、下手側にドラム、上手側にベース、のシンプルな舞台装置。

 リズム隊の入る曲はアルバムよりかなりロック・テイストが強くなり、こちらの身体も自然にスウィングする感じ。ヴォーカルもアルバムより力強く、もっと線が細いあっさりしたライヴを想像してただけに、これはうれしい誤算です。
 要所々々に入る MC はつなぎと云うより完全にトーク。BON JOVI のカヴァー“Livin' On A Prayer”では歌詞ボードを用意して「アンジェラ・アキの英語でしゃべらナイト!」と観客にサビを歌わせたり、遊びもいろいろ。
 本編中盤は弾き語りの曲を集め、全体の構成もかなり上手く構成されてたのが印象的でした。

 “Love Is Over Now”、“Kiss Me Good-Bye”あたりはかなり聴きどころで、ラストの“HOME”も感動的。こう云う曲が書けて、しかも歌いきれる力量はさすがだと思います。
 観客も、聴くときはじっくり聴き、盛り上がるところではテンションを上げて、ええ雰囲気だったと思います。(個人的には、もうちょっと曲に身をゆだねても良いのでは?と思う場面もありましたが、まぁそこらは個人の自由ですから‥‥)

 アンジーはまだシングル数枚にアルバム 1 枚を出しただけですから、正直、1 時間半くらいで終わると思ってたんですが、歌もトークもたっぷりで 2 時間を超えるライヴに。行って良かったです。


  1. 心の戦士
  2. 空はいつも泣いている
  3. Love Is Over Now
  4. お願い - 大袈裟に「愛してる」
  5. Rain
  6. Warning
  7. Kiss Me Good-Bye
  8. This Love
  9. 宇宙
  10. Livin' On A Prayer
  11. 奇跡
  12. MUSIC - Power Of Music

  13. YAH YAH YAH
  14. HOME

ANGELA AKI

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らくご道 笑福亭生喬と桂こごろうの落語会

2006/10/19 @上方亭

  • 桂 こごろう 《ごあいさつ》
  • 笑福亭 生喬 「四人癖」
  • 桂 こごろう 「鴻池の犬」
    ―― 中入り ――
  • 生喬、こごろう 《対談:夕焼け日記》


 この日は金比羅さんでの『桂米朝落語研究会』の 40 周年記念公演、毎回ハラハラドキドキの『できちゃったらくご!』、70 回記念で好番組の『養蓮寺寄席』と、注目の会が目白押しのこの日、睡眠不足で眠たい目をこすりながら上方亭へ。
 入りは 30 人ちょいって感じ。観る側としては、これぐらいが丁度よろしい。


 まずはこごろうが『べにこご』でおなじみの格好で登場。トーク代わりに、大学ノートに付けた自身の高座記録から興味深そうなところを紹介。そこかしこに十八番の「動物園」への自信がうかがえる。

 生喬は講演の演台で立って落語をした話や、繁昌亭での変な客の話から、クセの話へとマクラをつないで「四人癖」を。コミカルな所作が多く、クセを止める賭けをして我慢に苦しむ顔芸がおもしろい。

 こごろうはマクラもそこそこに「鴻池の犬」。千朝の型はそのままに、初演時よりも登場人物(犬)にこごろう風味が染み込んで、板に付いてきたよう。

 中入りをはさんでの対談では、生喬が「四人癖」は春若に口移しで稽古を付けてもらったと云う話から、福笑や染丸に稽古を付けてもらったときのエピソードを。
 話が変わって、生喬が先の講演のあとに電動自転車を初体験した話も。レンタサイクルで大阪芸大周辺を散策するも、バッテリー切れで大変な目に遭ったとか。


 この日の高座はおふたりともほんわかした感じでした。とくに凄みが際立つ噺の多い生喬さんでこんな感じってめずらしい気がします。
 トークでの、こごろうさんの高座記録や、生喬さんの稽古のエピソードは、噺家としての生活の一端がかいま見られて興味深かったです。こごろうさんの稽古のエピソードも聞いてみたいですね。

 次回は 12 月 4 日(月)の予定です。ちょっと変則的なんでご注意を。

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出没!ラクゴリラ

2006/10/17 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 桂 雀五郎 「初天神」
  • 桂 こごろう 「兵庫船」
  • 林家 花丸 「天災」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 生喬 「虱茶屋」
  • 桂 つく枝 「天神山」

※ 第 64 回


 前日の『LOUD PARK 06』で満身創痍ながら、これだけは外せないラクゴリラへ。
 開場直後の人でごった返したエレベーター・ホールに人気のほどがうかがえます。出演者総出で入場整理。ここらもちょっとうれしいですね。
 入りはザッと 80 人くらい。ええ感じです。


 開口一番の雀五郎「初天神」からえらい盛り上がり。どこまでわかってんのかエロ話を詳細に語る生意気盛りの寅ちゃんがおかしく、隣のおっさんもええノリで。みたらしだんご屋のくだりまで。

 こごろうは先週、ラクゴリラの会で東京へ行ったときのエピソードからアンチ東京を宣言。遠征旅行のマクラから旅ネタの「兵庫船」へ。
 船客が乗り込んだあたりで携帯電話が鳴って動転したか、船が沖へ出てから使うのがかいか混乱。
 下座も緊張の糸が切れたか、フカに魅入られた人を見つけるために持ち物を流すもハメモノのタイミングがかなり遅れて動揺。その後はきっちり太鼓も入り、「最前よりスーッと流れた」「あんたちょっと魅入られてまっせ」とアドリブでギャグに転換。
 数々のトラブルを乗り越えて、なんとか無事最後まで。

 花丸は東京のラクゴリラの打ち上げでカラオケ・ボックスに行った話から、自宅へ帰ってから奥さんと喧嘩した話へとマクラをつないで「天災」へ。
 前の嫁はんが飛び込んできてもめてた隣の家へ意見しに行ったいらちの男、紅羅坊奈丸先生のあごヒゲを触るクセをまねつつ、間違いまくりの説法は花丸流にアレンジ。これがまたおもろい。

 中入りをはさんで、生喬はマクラからたっぷり。繁昌亭の昼席に出てるって話題から、上方落語のなかの言葉についてと、なかなか興味深い内容。昔ながらの浪花言葉については福笑が詳しいとか。
 繁昌亭はサラ(初めて)の客が多く、かと云って「犬の目」「道具屋」「時うどん」ではいかん、「動物園」で「パンくれー!」ばっかりではいかん、と。ここでこごろうが乱入して「『動物園』、めちゃめちゃおもろいやんけ!」。真意は、いろんなネタを演らんといかん、と云うことで、珍品の部類に入る「虱茶屋」を。
 さる旦那が小瓶にシラミを詰めてお茶屋へ。芸者や幇間の背中にシラミをふりかけて、こそばがるところを見てたのしむ‥‥って噺。幇間が踊りながらシラミを潰す様が、洒落てるようでなんともおもしろい。

 つく枝は東京行きの新幹線での出来事から、食べ物ネタをはさみつつ、長距離バスで観た映画『忠犬ハチ公』の話題へとマクラをつなぎ、「天神山」へ到達。
 変チキの源助が墓見をする場面、しびん酒におまる弁当をなんとも美味しそうに飲み食い。ここらはつく枝の真骨頂。胴乱の安兵衛が狐捕りにやいやいやいやい話しかけ、キツネを買い受けて「買うたら買うた者の物や」で《恵比寿顔の悪魔》の片鱗?がチラリ。
 最後はしんみり、昔話のような締めくくり。ええ雰囲気で、たっぷり感満点の一席に。


 さすがにラクゴリラはいずれも見どころがあり、お得感がありますね。いずれもおもしろかったです。疲れてた身体も「あはは」と笑って少し軽くなった感じがしました。

出没!ラクゴリラ

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LOUD PARK 06 in Osaka (1st day)

2006/10/16 @Zepp Osaka


 東京(正確には幕張)でメタルの祭典『LOUD PARK 06』が開催されると知り、ラインナップによっては密航か?とも思ってたんですが、お目当ての MEGADETH と DIO が別日程で意気消沈してたところ、なんと規模縮小ながらも大阪でも開催され、しかも MEGADETH と DIO が同日出演ってことで参戦決定!‥‥ってのがチケット手配前の顛末。

 かなり早く会場に着いて、集まってくる客をチェック。メタル T シャツは MEGADETH 一色かと思ってましたが、意外に ANTHRAX が多くてびっくり。かく云う私は蛍光グリーンの RUSH の T シャツでしたが。
 この日は 2 日公演の初日で、先に入った 某後輩 に場所を確保してもらって大助かり。入りはザッと 1,600 人って感じでしょうか、やや少なめ。実際、1F フロアーの両サイドは仕切りで潰してました。平日で帰りが遅くなりそうなイヴェントですし、チケット代も前売り 9,500 円と高めですし、なにより東京大会のチケット発売後に大阪大会が発表されましたから、コアなファンは密航済みでしょうし。まぁ仕方ないでしょう。


ANTHRAX

 まずは 15 年以上前に CD でちょっと聴いたことがあるだけの ANTHRAX から。予備知識としては、(1)スラッシュ四天王の一角、(2)ギタリストのひとりがツルツル頭、(3)最近バンド編成がオリジナル・メンバーに戻った、くらいのもん。曲もまったく知りません。
 が、1 曲目がいきなり聞き覚えのある曲でビックリ! 観客もスタートからえらい盛り上がり! ステージではヴォーカルとベースのテンションが異常に高く、フロントの 4 人は動きまくりの煽りまくりで観てておもろい。知らない曲でもノリが良く、私もおおいに盛り上がってました。
 最後の曲で「みんなジャンプしてや!」と始まるも、あまりの少なさに演奏ストップ。「ジャンプしてや! みんなやで!」と念を押して再スタート。これはジャンプせねばなるまい!と、ジャンプしまくりで ANTHRAX 終了。
 最後まで残ってたヴォーカルのジョーイ・ベラドナに、脇から出てきたスタッフが「きょうはジョーイの誕生日!」とコールし、観客から再度の喝采。ええ雰囲気でのエンディングとなりました。

  1. Madhouse
  2. Got The Time
  3. Caught In A Mosh
  4. Antisocial
  5. Indians
  6. Medusa
  7. I Am The Law
  8. Bring The Noise


DIO

 トイレ待ちの列で「DIO は休憩やな」と云う会話を小耳にはさんで「そら違うやろ!」と心のなかでツッコむ。ステージ後方にホーリー・ダイヴァー(?)のバック・ドロップが吊られて準備完了。
 オープニングから朗々と歌い上げるロニー・ジェイムス・ディオ御大。喉のコンディションはかなり良さそう。ミドル・テンポのナンバーがつづき、ドラム・ソロをはさんで“Kill The King”! 開場の盛り上がりも凄まじい! ホンマに休憩?
 七色の照明が印象的な“Rainbow In The Dark”や、こちらも名曲“Man On The Silver Mountain”なんかもはさみ、待ってました!の“Long Live Rock 'N' Roll”! 部屋で DVD で観ててもひとりで叫んでたくらいですから、ここではもちろん歌いまくり!
 そして最後に“Heaven And Hell”! これがまた究極完全版って感じの長尺に! 抑え気味の前半では鬼気迫る雰囲気を醸し出し、最後に大爆発! いままで何度かライヴでこの曲を聴きましたが、これほどの感動と興奮を覚えたのは初めて!
 ロニー、ありがとーー!

  1. Children Of The Sea
  2. Stand Up And Shout
  3. Holy Diver
  4. Gypsy
    --- Drums Solo ---
  5. The Temple Of The King
  6. Kill The King
  7. Rainbow In The Dark
    --- Guitar & Keyboard Solo ---
  8. Man On The Silver Mountain
  9. Catch The Rainbow
  10. Long Live Rock 'N' Roll
  11. Heaven And Hell


MEGADETH

 バック・ドロップが堕天使を思わせる MEGADETH のものに入れ替わり、いよいよ大トリの登場。
 オープニングは曲調のせいもあってサウンドがグシャグシャッとした印象だったが、メロディアスなパートの多い中~後期の曲はさすがにカッコ良い。とくに“She-Wolf”や“Hangar 18”あたりは好きな曲だけに、かなりテンションが上がる。
 初期の超人気曲“The Mechanix”で盛り上がり、“Peace Sells”で本編終了。
 デイヴ・ムステインが再登場し、最後はもちろん“Holy Wars... The Punishment Due”! 心地良い緩急に身をゆだね、ヘドバンしまくりの大団円となりました。

  1. Blackmail The Universe
  2. Set The World Afire
  3. Wake Up Dead
  4. Skin O' My Teeth
  5. Tornade Of Souls
  6. She-Wolf
  7. Take No Prisoners
  8. Symphony Of Destruction
  9. Hangar 18
  10. Washington's Next
  11. The Mechanix
  12. Peace Sells

  13. Holy Wars... The Punishment Due


 各バンドとも 1 時間前後、セット・チェンジをはさんでトータルで 3 時間 45 分の長丁場となりました。それでも満足度が高い大会だったんで、心地良い疲労感でした。
 トリの MEGADETH ももちろん良かったですし、まったく期待してなかった ANTHRAX もかなり好感触でしたが、この日はなんと云っても DIO の“Heaven And Hell”に尽きるでしょう。とにかく凄まじく、あれを生で観られたってのが今回の大きな収穫でした。
 来年の大阪大会があるかどうか、入りだけを考えるとあやしいですが、今回の前提条件の悪さを考慮して前向きに検討してもらいたいです。需要は十分あると思いますし、文化は育てるものですから。

LOUD PARK 06
Netabare Board <<< Thanks!

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元祖大阪名物 あほの会

2006/10/15 @天満天神繁昌亭

  • 林家 染太 「動物園」
  • 笑福亭 右喬 「平の陰」
  • 南原 清隆 「仔猫」
  • 笑福亭 仁福 「堀川」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 鶴瓶 「青春グラフィティ 松岡」
  • 露の 都 《都噺》
  • 《大喜利》

※ 第 2 回


 ちりとてちんの香りを堪能しつつ繁昌亭へ。前回の公約?どおり整理券が配られてましたんで、確保してから腹ごなし。ふたたび開場前へ集合し、整列の手際の悪さにやきもきしつつ入場。
 この日は《特別あほ乱入》と云うことで、鶴瓶さんとナンチャン(南原清隆/ウッチャンナンチャン)がゲスト出演。おかげで?大入り満員です。


 開口一番は染太の「動物園」。園長の安部さんに前園長の小泉さんが《美しい動物園》を目指してるってクスグリは上手い。檻のなかにライオンが入ってきたところでトラの皮を着た男が「安部さーん!」と叫ぶところに枝雀一門の系譜が。

 右喬の高座は初めて観たが、語り口が独特の雰囲気。無筆の小咄から「平の陰」を。きっちり演ってるんだが、出てくるふたりの男がふたりとも変なイントネーションで、妙な笑いを醸し出す。

 ここでゲストの南原が登場。実物はシュッとした風貌で、客席から「男前!」の声も。繁昌亭に出られたことを喜びつつ、「仔猫」を江戸スタイルで。ネタもきっちり入っており、しっかりとした口跡で、想像以上に良い出来。
 おそらく本人は余裕がなかったんだろうが、終盤の番頭がおなべを諭す場面でキセルに見立てた扇子を逆向きにくわえていたのが残念。もうちょっと笑いの多い噺か、おなじ「仔猫」でもクスグリの多い上方版の方が本人のノリも上がって良かったんでは?と思う。‥‥と、いろいろ注文を出したくなるほど良い一席だった。

 中トリの仁福は、南原や、あとに出てくる鶴瓶に毒を吐きつつ、自虐的ギャグで空気をつくる。これがまた大爆笑。
 ネタは「堀川」をなかばまで。隣裏の久米やんの家の朝食風景がなんとも云えずおかしい。ややテンポを上げて進むも、最後の最後に「サゲをどうしたら‥‥」とだだ崩れ。これもまた仁福らしくて大爆笑。

 中入りを挟んで、ゲストの鶴瓶は同期の仁福の話をマクラに、私落語の新作「青春グラフィティ 松岡」を。
 高校 1 年の夏、泉南育ちの松岡を含む友達連中で白浜へキャンプに行く噺。見るからにヤンキーながら正義感の強い松岡や、引っ込み思案ながらこまかいことが気になる心配性の浮本など、いつもながら人物描写がおもしろい。

 トリの都は地方講演から帰ったところだったとか。地方講演道中記やら、『あほの会』の運営話やら、なんやらと、ほとんど漫談の《都噺》の様相。
 やはりトリだけに落語は演りたかったようで、始めるなり「ちゃうちゃう、このネタちゃうねん」で爆笑。行きつ戻りつ、取って付けたように「始末の極意」のマクラで演られるケチの小咄を。

 最後に恒例の大喜利。出演は、司会の仁嬌、吉次、由瓶、福矢、三若、仁福。この日は謎掛け、色作文、数え歌。押し引きのバランスがええ具合の仁嬌とともに、いちいち前へ出てくる三若が活躍。お約束の笑いをふんだんに盛り込んで賑やかに。


 ゲストの鶴瓶さんとナンチャンがお目当てのお客さんが多く、どうなることかと思いますが、ほかの噺家さんもよくウケてましたし、ええ雰囲気の会になりました。とくに右喬さんはもう少し研究する必要あり、と個人的に。
 雨ニモ負ケズさんのブログ によると、前日の鶴瓶さんの勉強会でおふたりはそれぞれのネタを掛けられてたようです。万全の態勢で『あほの会』へ臨んでくれたことに感謝です。

 次回は 11 月 15 日(水)の《仮称・あほの日》です。行けるかなぁ‥‥。

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たまよね FINAL

2006/10/15 @ワッハ上方レッスンルーム

【Episode 1 ワッハ編】

  • 笑福亭 たま 《ごあいさつ》
  • 桂 雀五郎 「青菜」
  • 笑福亭 たま 《ショート落語》
  • 笑福亭 たま 「船弁慶」
  • 雀五郎、呂竹、米井 《鼎談》
  • 笑福亭 たま 「ナオコ」 (作:たまよね)
  • 笑福亭 仁智 「清貧の人々 源太と兄貴」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 たま 「芝浜」
  • たま、米井 《雑談:今日のたまよね》


 ひさびさに落語界のハシゴ。まずはワッハでの『たまよね FINAL』へ。今年いっぱいで休会となる『たまよね』のカウント・ダウン(カウント・アップ?)第 1 弾。毎回ゲストを招いての豪華版で、今回は新作派の仁智さんと、寡黙な雀五郎さん。
 入りは 80 人くらいでしょうか、ええ感じで埋まりました。


 たまは挨拶代わりに落語会の予約電話の話や、最近のマクラでよく話してる上方落語協会の舞台裏を拡大版で。

 雀五郎はマクラ指数 0 で「青菜」へ。師匠の雀三郎が透けて見える感じできっちりと。前半の旦那はもう少しどっしりした感じでほしいところだが、後半の植木屋のおさまり具合はなかなかで、サゲの植木屋の困りと間が絶妙。終わり良ければすべて良し、で好印象。

 たまの 1 席目は、マクラ代わりにショート落語をいくつか演って「船弁慶」を賑やかに。喜六が比較的しっかりした感じで、雷のお松はかなり強烈に。
 後半、船遊びで盛り上がる喜六を発見したお松の興奮ぶりが凄まじい。屋形船で踊る喜六と通い舟で喜六のもとへ向かうお松とをカットバックで表現し、さらにハメモノを使って緊迫感を高めると云う、映画的な演出が秀逸。サゲ前の芝居がかった場面はカットし、それっぽい自然な流れに。
 あえて云うなら、全体にテンションが高いため、メリハリに欠ける感が。清八をもうちょっと抑えたキャラにしても良いかも。(まぁここらのテンションの高さがたまの味と云えるのだろうが)

 ここでたまの暗記タイムに、米井敬人(放送作家)氏を聞き手に、雀五郎と呂竹で鼎談。この 3 人が偶然、同級生だと云うことが判明したそう。
 パンフレットでは雀五郎と米井氏の対談となっていたが、あまりにも雀五郎が科目過ぎると云うことで呂竹を参加させることにしたと思われる。実際、雀五郎は何事も多くを語らず。話題は稽古、ゲン担ぎ、職業病、等々。何事にもボソッと反論する雀五郎が笑いを誘う。

 たまの 2 席目は、開演直前に書き上げた新作「ナオコ」。これまででもっともギリギリでは?
 金や地位や名誉に目がくらみまくって男を選びきれない女の噺。女の気持ちがコロコロ変わる場面はもう少したたみかけるようなテンポがほしいところ。男も女も一目惚れしたときにホイットニー・ヒューストンの“I Will Always Love You”が流れる趣向がおもしろい。(ただ、ここは曲の後半の、キーが上がった部分を使った方がさらに効果的かつ印象的だろう)

 ここでゲストの仁智。野球の話題をマクラに、なにを演るか逡巡してる様子。結果、「清貧の人々 源太と兄貴」を。ヤクザの兄弟分が新しいシノギを考える噺。兄弟分のキャラクターの対比が明確で、失敗を繰り返して兄貴が「源太ぁーっ!」と叫ぶのが印象的。こまかいクスグリがまた、いちいちおもろい。

 中入りを挟んで、たまの 3 席目は「芝浜」。とは云えもちろん舞台は江戸ではなく、登場人物はみな大阪弁。ただ、「夢の革財布」とすると雀三郎&小佐田定雄(落語作家)への義理立てもあろうと云うことで。
 オリジナルでは、大金を拾った魚勝がドンチャン騒ぎをして寝てしまい、次の場面では嫁に「ドンチャン騒ぎはしたが、大金を拾ったのは夢」と云われて改心し、仕事に精を出すようになる。たま版ではここに、心配した嫁が家主へ相談しに行って夢だったとごまかすよう助言される場面を挿入し、魚勝の単純な性格を描写。
 要所に挟み込んだクスグリを活かすにはこの構成もアリだと思うが、あとの場面とかぶるセリフも多く、やや冗長でもっちゃりした感じ。魚勝の嫁と家主とのやり取りをもう少し刈り込んで整理する必要はあろう。

 最後にたまと米井氏で対談。クイズの解答のあとは「芝浜」のプロットに関する考察を中心に、たま版の演出論をたっぷりと。「芝浜」で泣けるか?との話や、ニンに合った噺についてなども。


 いろいろと盛りだくさんの番組で、たっぷり 3 時間。トークのグダグダ具合なんかは『たまよね』らしく、しかも最後の「芝浜」に関するあれこれは興味深く、中身が濃いやら薄いやら、なんともおもしろい会でした。
 仁智さんの高座は初めてだったんですが、マクラからかなりおもしろかったです。『たまよね』の独特の雰囲気に飲み込まれそうになりながらも、なんとか踏ん張って仁智ワールドを醸し出されてました。
 たまさんは 3 席ともネタ下ろしだったそう。「船弁慶」は演出もハマって初演とは思えない出来。「ナオコ」と「芝浜」は要整理と云ったところ。実験の場であることを考えると、いずれも十分たのしませてくれました。

 次回、Episode 2 は 11 月 18 日(土)、天満天神繁昌亭にて開催予定です。

らくごの玉手箱

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桂千朝独演会

2006/10/14 @ワッハホール

  • 桂 吉坊 「軽業」
  • 桂 千朝 「掛け取り」
  • 桂 都丸 「鯛」 (作:桂三枝)
  • 桂 千朝 「口入屋」
    ―― 中入り ――
  • 桂 千朝 「京の茶漬け」


 今週は平日に落語会へ行かなくて、4 日空けるとなんやものすごくひさしぶりのような気がします。まぁ軽い中毒になってるんでしょうね。(自分で云うのもなんですが‥‥)
 開場 10 分前くらいに到着すると、入口前に長蛇の列。開場して、遊方さんの独演会のときと同じ席を確保。最終的には 7 割入りって感じで、まずまず。


 開口一番は、落語作家のくまざわあかね曰く「『全日本丁稚コンクール』てな大会があれば優勝間違いなし」の吉坊が「軽業」を。小気味良いテンポと口跡で、所作もきっちり、安定感も抜群。ハメモノも入って賑やかに。所々に感じられる吉朝スタイルがうれしい。だまされた喜六の「○○と違うんか?」に、見世物屋が「違うちがう」と云うやり取りがたのしい。

 千朝の高座に挟まれたゲストの都丸は、三枝作の「鯛」を。活け魚料理店のいけすの鯛たちが生き残りを模索する、ファンタジーな噺。かなり高座で掛けられてるようで安定感もあり、三枝とはまたちがった都丸テイストに。

 千朝の 1 席目は、何度か聴いたことのある「掛け取り」。借金取りを相手の好きなもので丸め込んで追い返すが、千朝版では相手の好きなものが動物、芝居、喧嘩。動物のダジャレの苦しさが千朝らしくておもしろい。
 2 席目は「ハローワークってどう云う意味なんでしょうかね。『こんにちは仕事』ですか」と笑わせてから「口入屋」をたっぷりと。いじらずきっちり演った感じで、そのせいかやや地味な印象。もうちょっといちびったところがあっても良かったかも。
 中入りを挟んで、挨拶の話から悔やみのサンプルなんかをマクラに、「京の茶漬け」を軽くサラサラッと。わざわざ茶漬けを食べるためだけに大阪から京都へ行った男の心意気(?)がうまくにじみ出てて、京都の女の性格も上手く浮き彫りに。短い噺ながら、会の良い仕上げに。


 比較的おとなしめと云うか、教科書どおりと云うか、基本に立ち返ったようなきっちりした高座のつづいた会でした。欲を云えば、千朝さんにはもうちょっと挑戦がほしかったようにも思いますが。
 まぁなんにしても、あらためて思ったのは「千朝さんは上方落語界の良心やなぁ」ってこと。古典を守る側できっちり仕事されてる噺家さんのひとりだと思います。(所作は独特ですけど)

 ここで東京の上方落語ファンにお知らせ。『東京で千朝落語を聴く会』が来年 1 月 20 日(土)にお江戸日本橋亭で開催されます。番組は、千朝「くやみ」「愛宕山」、九雀「親子酒」、ちょうば「月並丁稚」の 4 席。木戸銭は 2,000 円となっております。おたのしみに! 

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繁昌亭夜席 圓丈・福笑 二人会 (二日目)

2006/10/9 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭 たま 「Elderly Love」 (作:たまよね)
  • 三遊亭 圓丈 「寄席沈没」 (作:三遊亭圓丈)
  • 笑福亭 福笑 「時うどん」
    ―― 中入り ――
  • 三遊亭 圓丈 「夢一夜」 (作:三遊亭圓丈)
  • 笑福亭 福笑 「浪曲やくざ」 (作:笑福亭福笑)


 ちょっと早いかもと思いつつ 16 時過ぎに繁昌亭へ行ってみると、すでに待ち行列が。とりあえず列んでると、昼席のお客さんがぞろぞろぞろ‥‥。ちと恥ずかしい。
 前売り券は完売で、当日のお客さんも入って満員です。


 開口一番のたまは上方落語協会の裏話をマクラに、たまよね作の「Elderly Love」を。老人ホームでできたカップルの結婚を父親に承諾してもらうべく、ヘルパーが説得に行く噺。プロットはかなり整理されて固まってきたよう。こまかいクスグリの積み重ねも良くウケる。あとは後半の発声のハッキリしない老人の翻訳シーンをいかにスッキリ聴かせるかがポイントか。

 圓丈は前日の「江戸前カーナビ」がコケたようで、「たま君の半分のウケは欲しい」と切実な思いを吐露。圓丈夫人が遅ればせながらハマっていると云う韓流ドラマの話をマクラに、高座に掛けるのは 3 度目と云う「寄席沈没」。落語定席の寄席にブラック・ホールが出現し、次々と吸い込まれてゆく‥‥って噺。最近の落語界のトピックスも随所に盛り込み、実名もバンバン飛び出すが、やはり東京の噺家はこちらではあまり馴染みがなくて笑いが薄いところも。個人的には、ブラック・ホールに吸い込まれそうになった川柳がガーコン力で空中浮上し、その後に超能力を身につけるくだり、なんか川柳ならありそうな話で、その発想力に感動。
 中入り後は「噺家は高座で死んだら本望か?」の問答から「夢一夜」。身寄りはないが金はある末期ガン患者がタクシーで向かった先は羽田空港‥‥って噺。札ビラで相手の顔をはたくような男と、それになびく大衆、との構図。突発的な笑いはおこるが、リアルな生死を扱っているためか、それがうねりになっていかなかったのが残念。

 福笑の 1 席目は古典で「時うどん」。マクラで時刻の解説をしてから本編(2 人ヴァージョン)へ。やや控え目なすべり出しだったが、うどんを食べ出してからがヒート・アップ! 「何玉入ってんねん?」ってくらい食べまくり、袂を引っ張る喜六(?)をあしらう清八(?)の箸ツツキ攻撃がうどん屋にまで飛び火。喜六が 3 本のうどんを 1 本ずつすすると、おつゆが顔中にはねる芸のこまかさ。翌日の不味いうどんを食べたときの喜六の表情がすさまじい。
 トリは大阪締めから自作の「浪曲やくざ」。やくざの親分が浪曲好きの子分を引き連れて敵対する組長を襲いに行く噺。血生臭さは微塵もなく、むしろバカバカしく滑稽。いつもながら浪曲の唸りは快調で、「茶ぁ飲むな!」「屁ぇこくな!」の繰り返しも効果的。


 圓丈さんのワッペンだらけの着物を見られてうれしかったです。落語は 2 席とも客の反応を探りながらで、全開まではじけきれてなかったとの印象。これに懲りずにまた来阪してもらいたいです。
 福笑さんはいわゆる《二落ち》の状態だったのか、あっちこっちに抜けや云い間違いが。それでも力量と勢いで乗り切った感じで、とくに「時うどん」のノリは最高でした。
 前座のたまさんもしっかりウケてましたし、初の圓丈さんを堪能し、福笑さんで爆笑と、満足度の高い会でした。

 繁昌亭の公演予定を見てると、企画物の夜席がいろいろありますね。とくに今回のような東西交流会は今後も積極的に仕掛けてほしいです。もっとも、企画過多で息切れせんようにはお願いしたいですが。

天満天神繁昌亭

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片塩寄席

2006/10/8 @片塩カルチャーセンター

  • 桂 文鹿 「タヌキハブラシ」 (作:桂文福)
  • 桂 しん吉 「親子酒」
  • 桂 福楽 「代書」
    ―― 中入り ――
  • 桂 文鹿 「崇徳院」

※ 第 9 回


 秋晴れの午後、徒歩 20 分で会場へ。ほぼ開場頃に到着し、案内ハガキ割り引きの 900 円で入場。定員 100 名と云うことでしたが、ほぼ満員になりました。客席はおばちゃん&おばあちゃんが 8 割です。


 世話役の方の挨拶のあと、開口一番は文鹿。見た目と違って物腰やわらかく、丁寧な語り口。マクラに軽い話題をつないで、師匠の文福の新作「タヌキハブラシ」を。
 タヌキの毛で作ったタヌキハブラシを売り出すべく、社員が知恵を絞って CM 曲を考える‥‥って噺。前半は最近流行りのや毎度おなじみの CM 曲がポンポン飛び出し、後半は替え歌風の CM 曲で、全体ににぎやかでたのしい。

 しん吉は阪急電車の色で指定したはずが近鉄電車の色で仕上がってきた一級化繊の着物で。酒の話題や酒飲みの小咄から「親子酒」へ。
 酔っぱらいの目付きは抜群ながら、身体全体の動きが小さくまとまり過ぎの感あり。端々に師匠の吉朝の面影が観られて、なんともうれしい。

 ゲストの福楽は「ブッシュ大統領に会った阿部首相の第一声」でつかみ、無筆の小咄から「代書」へ。
 基本は春團治の型できっちりと。たいがい代書屋はやや横柄な感じに演られることが多いが、福楽のはちょっと愛想がええ感じで、無筆の男のアホな物云いにだんだんキレてくる。この無筆の男がまた脳天気でノリノリ。
 クスグリも含め、こまかいところまで丁寧に整理されてて、福楽味がしっかりとしみこんでいる。噺の構成や演出もさることながら、笑いどころをわかりやすく提示する息と間が抜群。観客のウケも上々。

 中入りを挟んで、トリは再登場の文鹿。もともとしん吉が 2 席演る予定だったのが急遽、文鹿が 2 席演ることになったそうで、着物を用意してなかったとのこと。帯くらいは‥‥と云うことで風呂敷で代用。
 演し物の「崇徳院」はやや荒い出来ながら、手っ伝いの熊五郎が文鹿のニンに合った感じで、全体の雰囲気は良い。サゲは鏡が割れる型で。


 この会の秀逸はゲストの福楽さん。ドッカンドッカンとウケまくりで、ファンとしてもうれしい 1 席に。文鹿さん&しん吉さんも好演でしたし、値段分以上は十分にたのしませてもらいました。
 ここの会場は靴袋に靴を入れて客席へ持って入るんですが、これがガサガサと音のするタイプの袋で、あっちでもこっちでもガサガサガサガサ耳障り。隣のおばちゃんなんかは靴袋の上に足を乗せて観てるんですから、そら音もしますわ。ここらは改善してもらいたいです。

 次回は第 10 回と云うことで、ちょっと豪華な企画もしてみたいってなことを云われてました。日程は未定ですが、いまから楽しみです。

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月亭遊方独演会

2006/10/7 @ワッハホール

【グローリアス遊方】

  • 月亭 遊方 「虚礼困惑騒動」
  • 月亭 遊方 「戦え!サンダーマン」
    ―― 中入り ――
  • 遊方、三代澤 《対談:祝!月亭遊方 20 周年》
  • 月亭 遊方 「ベガーズ・バンケット」

※ 第 5 回
※ 司会進行:三代澤康司 (ABC アナウンサー)


 前売り券を彦八まつりで遊方さんご本人から直接買ったってのもあって、なんとなくワクワク感のあった会。ただ、遊方さんの独演会は初めてだったんで、果たしてワッハホールにどれくらいお客さんが入るのか、ちょっと心配してました。
 で、開場 30 分前くらいに会場へ行くと、すでに 15 人くらい列ばれててひと安心。開場までにどんどん列が伸びてまた安心。開演直前には 7 割入りくらいになってまたまた安心。

 出演は遊方さんおひとりで、自作の落語を 3 席。パンフレットがなかなか洒落たデザインで、遊方さんからのごあいさつと、自身が標榜する《カジュアルラクゴ》のスタンスなんかが書かれてました。

【カジュアルラクゴとは‥‥】
伝統性よりも大衆性。
話芸よりも爆笑芸。
自由奔放、無手勝流。
日常ベースの遊々躍動落語(ノリノリパフォーマンス)。

 ちなみに、おしどりのおふたりと笑福亭たまさんがお手伝いに来られてました。ひょっとすると、たまさんは昼の『桂文我独演会』から来られてたのかも。


 緞帳が上がって、まず出てきたのが三代澤アナ。この日の独演会はまさに遊方のひとり舞台と云うことで、司会進行と対談の相手を務める。遊方が芸能生活 20 周年であること、この日の会が文化庁芸術祭参加公演であることを強調して遊方へバトンを渡す。

 満を持して登場した遊方は髪型がいつもよりスッキリしてて、独演会への意気込みが感じられる。
 1 席目は挨拶や社交辞令の話をマクラに「虚礼困惑騒動」。昔の上司から突然送られてきた豚足まんじゅう。これがまたメチャクチャ不味かったのだが、愛想で美味しかったと伝えると頻繁に送ってくるようになり‥‥って噺。
 嫁の「このまんじゅう、ウンコみたいな味するわよ」に夫が「おまえ、ウンコ食うたことあんのんか?」ってツッコミがツボ。わざわざ送ってきてくれる元上司と不味い不味いとボヤく嫁との板挟みにあう夫の困惑ぶりがたのしい。最後にちょっとしんみりさせておいてチャンチャンと締めるサゲもなかなか。

 三代澤アナの MC を挟んで、2 席目は自身のキャラクター・ショーの思い出話から「戦え!サンダーマン」。サンダーマン・ショーに乱入した強盗犯が子供を人質に取る噺。
 序盤で観客を、ショーを観にきた子供たちに見立てて観客参加を促すも、つかみきれずにグダグダに。おそらく「できちゃったらくご!/遊方トリビュート」での三風の高座から取り入れた構成だと思われるが、このあたりの客の転がし方は《観客参加型落語》の先駆者である桂三風に一日の長がある。ここらは要研究と云うところだが、このグダグダ感も遊方の持ち味のようで、逆におもしろい。
 中盤からは人質を取った強盗犯を説得する場面になるが、子供たちにのせられたサンダーマンのサンダー・ビームがまったく効かなかったり、ドラッグ大魔王がショーの流れで強盗犯に取り入ろうとしたり、クスグリが秀逸。おもしろさを高めるためにも、もっと照れずに演ってもらいたい。

 中入りを挟んで、遊方と三代澤アナとの対談。「愛を感じすぎて、お客さんの顔が親に見える」と云う遊方。落語との出会いや八方への入門、カジュアルラクゴについてなど。また、このあとの「ベガーズ・バンケット」のための取材やホームレスについての話をマクラ代わりに。

 暗転で遊方が板付きで登場し、マクラなしで「ベガーズ・バンケット」を。ホームレスがバンドを結成する噺。先輩ホームレスの久保と新人ホームレスの福富のキャラクター設定や、全体の構成もまとまり、しっかりした長編に。ストリート・バンドとしての成長やそれにまつわるクスグリもなかなかおもしろい。
 このバンドがコンテストで演奏する場面では、暗転でギターを抱えた遊方が登場。スクリーンの向うにはサポートの長田和承(G)と山本正明(B)がシルエットで。生演奏でオリジナル曲“路上のとも”を披露。なかなか堂に入った歌いっぷりが気持ち良さそう。
 再度暗転で高座に遊方。実は福富は‥‥と云う展開からサゲへ。バンド演奏が入ることでテンポが悪くなるかと思ったが、スタッフの手際の良さで転換もスムーズに。

 最後に三代澤アナが登場してエンディングへ。演奏サポートのふたりを紹介し、遊方からの挨拶があって閉会。お客さんからの花束もあって、ええ感じに。


 いやぁ、想像以上にええ雰囲気の会でした。芸術祭のことがちょっと気負いになってたのか、やや自由奔放さに欠けるかなと云う風にも見えましたが、3 席ともそれぞれ楽しめました。とくに「ベガーズ・バンケット」は趣向物と云うことで、そこの部分が要でしたが、それほど間延びした感じも受けずに観られました。ここは遊方さんはもとより、スタッフさんにも拍手を送りたいです。
 三代澤さんもさすが落語好きと云うだけあって、愛が感じられる司会でした。これも会の雰囲気を高めるのに貢献してたと思います。

 昨年末あたりから新作の方はややスランプに陥ってた観のある遊方さんでしたが、ここ最近は調子も盛り返してこられてるようでしたし、芸能生活 20 周年の独演会を区切りに気持ちも新たにがんばっていただきたいです。

遊方 FOR YOU!

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新生・快楽亭ブラック毒演会 大阪篇

2006/10/3 @TORII HALL

  • 快楽亭 ブラック 「ぞろぞろ」
  • 快楽亭 ブラック 「カラオケ寄席」
    ―― 中入り ――
  • 快楽亭 ブラック 「子ほめ」
  • 快楽亭 ブラック 「オマン公社」

※ Vol. 5


 大阪でのブラックさんの会が平日にあるのはめずらしいような。今回は歌舞伎鑑賞のついでに会を開いたようで、先にチケットを押さえてたのかも。
 今回も CD 付きで 3,000 円。入りは 60 人くらいでしょうか。まずまずの入りだと思います。


 1 席目は、国譲り神話から出雲大社の話へとつなぎ、自然な流れで「ぞろぞろ」へ。神様を大々的にフィーチャーしたヴァージョンで、出雲大社の巫女にうつつを抜かしていた神様が 1 年振りに廃れた神社に帰ると、近所の荒物屋の娘が参拝に来る‥‥と云う導入部。
 女好きの神様のキャラクターと云い、噺全体の構成と云い、かなり好感触。床屋が参拝して店に帰るとあっさりサゲになったが、この部分はもうちょっとたっぷり演っても良いかも。

 2 席目は、文楽『夫婦善哉』を漫画家のいわみせいじと夫婦割り引きで鑑賞した話、さらにこの会の前日に歌舞伎『染模様恩愛御書』を鑑賞した話とマクラをつなぎ、古典芸能から落語界へと橋渡しして「カラオケ寄席」へ。
 閑古鳥の鳴く寄席をリクエスト制の寄席にし、リクエストした客はカラオケも歌えるようにする‥‥って噺。カラオケ寄席の客は懐メロを落語にちなんだ替え歌に。アメリカン・クリスタルの詳細な解説が入ったり、落語界や噺家への悪口雑言を盛り込んだり、かなり遊んだ構成。

 中入りを挟んで 3 席目は、アニマル浜口ジムでダイエットしてる話から、亀田親子、谷九の SM クラブ、相撲、皇族とマクラをつなぎまくって「子ほめ」へ。これがまたブラック流で、亀田父がやくみつるのところへタダの酒を飲みに行き、そのあと秋篠宮殿下のところへ悠仁殿下をほめに行くって噺に。サゲは北朝鮮へ飛ぶ自由奔放さ。

 4 席目は安部内閣発足を記念して、満を持しての「オマン公社」。性風俗店を国営化するって噺。「ぜんざい公社」のパロディで、サゲも同じ。
 ひさびさだったが、やっぱりおもしろい。この高座は録音されてたようで、CD に収録される模様。


 今回は古典(?)の 2 席がかなり好感触でした。やっぱりブラックさんの語り口の確かさがこのあたりにあらわれるんではないでしょうか。事前にもう少しネタを繰ってくれてれば、もっと印象が良くなるように思いますが。

 次回は 11 月 3 日(金・祝)の予定です。私は行けませんが‥‥。

快楽亭ブラックの出直しブログ

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繁昌亭夜席 ひとり弟子の会

2006/10/2 @天満天神繁昌亭

  • 林家 市楼 「阿弥陀池」
  • 笑福亭 たま 「いらち俥」
  • 桂 歌々志 「しびんの花活け」
  • 桂 壱之輔 「ぜんざい公社」
  • 《座談会》
    ―― 中入り ――
  • 林家 小染 「上燗屋」
  • 森乃 福郎 「始末の極意」


 たまさんが入りを心配していた『ひとり弟子の会』へ。開場を待つ列は 20 人程度と少なめ。最終的には 70 人くらいでしょうか。ややさびしい入りながら、なんとか形になったかなって感じでした。


 開口一番の市楼は手慣れた「阿弥陀池」。安定感があり、安心して聴いてられる。

 つづくたまの国宝ネタはイエロー・カード! ショート落語(「銃撃戦」「健康飲料」「ローマ法王のデコピン」)で空気を変えて「いらち俥」へ。
 時間を考えてか、前半はややはしょって。病弱?な男はまったく引けないくらい極端に、俥がうしろに倒れる所作も極端に。後半の韋駄天は引くこと意外はなんにも考えてない風。市電とぶつかりそうになってスロー・モーションになる場面はあいかわらずおもしろい。最後はぶつかって俥が飛んでゆく。

 歌々志は駅の自動券売機や病院の診察に対する勘違いをマクラに「しびんの花活け」。しびんを花瓶と勘違いした田舎の侍に道具屋が高値で売り付け‥‥ってな噺。ずる賢い(と云うと語弊があるが)道具屋の調子の良さが秀逸で、如在ない大阪商人らしさがうまく出てておもしろい。

 壱之輔は師匠の春之輔のエピソードをマクラに、その師匠に付けてもらった「ぜんざい公社」を。「転失気」以外のネタは初めてだったが、丁寧なしゃべり口調が公務員の雰囲気にフィットしてなかなか。

 ここで出演者全員による座談会。6 人中 4 人の師匠がすでに物故者であることから、「死んだ」「死んでる」「なんで死んだ?」ってな言葉が飛び交い、なんとも発散しない座談会に。
 そんななか、存命の春之輔(壱之輔の師匠)の話題でおおいに盛り上がる。たまや市楼には兄弟弟子がいた(たまには弟弟子が、市楼は入門前に(?)師匠に弟子が付いていた)ってのもちょっとした話題に。

 中入りを挟んで、小染は顔芸による酔っ払い表現を詳しく解説し、お得意の酔っ払いネタで「上燗屋」。酔客の悪ノリ加減がさすが。

 福郎は弟子の命名話を軽いマクラに、ケチの小咄から「始末の極意」へ。トントントンと小気味良く。


 それぞれの落語の出来は悪くなかったんですが、非常にあっさりした会と云うか、ハッキリ云って地味な会でした。そう感じたいちばんの要因は、座談会で発散しなかったことでしょう。トーク用のテーマをいくつか用意しといた方が良かったかもしれません。

天満天神繁昌亭

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