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月亭遊方独演会

2006/10/7 @ワッハホール

【グローリアス遊方】

  • 月亭 遊方 「虚礼困惑騒動」
  • 月亭 遊方 「戦え!サンダーマン」
    ―― 中入り ――
  • 遊方、三代澤 《対談:祝!月亭遊方 20 周年》
  • 月亭 遊方 「ベガーズ・バンケット」

※ 第 5 回
※ 司会進行:三代澤康司 (ABC アナウンサー)


 前売り券を彦八まつりで遊方さんご本人から直接買ったってのもあって、なんとなくワクワク感のあった会。ただ、遊方さんの独演会は初めてだったんで、果たしてワッハホールにどれくらいお客さんが入るのか、ちょっと心配してました。
 で、開場 30 分前くらいに会場へ行くと、すでに 15 人くらい列ばれててひと安心。開場までにどんどん列が伸びてまた安心。開演直前には 7 割入りくらいになってまたまた安心。

 出演は遊方さんおひとりで、自作の落語を 3 席。パンフレットがなかなか洒落たデザインで、遊方さんからのごあいさつと、自身が標榜する《カジュアルラクゴ》のスタンスなんかが書かれてました。

【カジュアルラクゴとは‥‥】
伝統性よりも大衆性。
話芸よりも爆笑芸。
自由奔放、無手勝流。
日常ベースの遊々躍動落語(ノリノリパフォーマンス)。

 ちなみに、おしどりのおふたりと笑福亭たまさんがお手伝いに来られてました。ひょっとすると、たまさんは昼の『桂文我独演会』から来られてたのかも。


 緞帳が上がって、まず出てきたのが三代澤アナ。この日の独演会はまさに遊方のひとり舞台と云うことで、司会進行と対談の相手を務める。遊方が芸能生活 20 周年であること、この日の会が文化庁芸術祭参加公演であることを強調して遊方へバトンを渡す。

 満を持して登場した遊方は髪型がいつもよりスッキリしてて、独演会への意気込みが感じられる。
 1 席目は挨拶や社交辞令の話をマクラに「虚礼困惑騒動」。昔の上司から突然送られてきた豚足まんじゅう。これがまたメチャクチャ不味かったのだが、愛想で美味しかったと伝えると頻繁に送ってくるようになり‥‥って噺。
 嫁の「このまんじゅう、ウンコみたいな味するわよ」に夫が「おまえ、ウンコ食うたことあんのんか?」ってツッコミがツボ。わざわざ送ってきてくれる元上司と不味い不味いとボヤく嫁との板挟みにあう夫の困惑ぶりがたのしい。最後にちょっとしんみりさせておいてチャンチャンと締めるサゲもなかなか。

 三代澤アナの MC を挟んで、2 席目は自身のキャラクター・ショーの思い出話から「戦え!サンダーマン」。サンダーマン・ショーに乱入した強盗犯が子供を人質に取る噺。
 序盤で観客を、ショーを観にきた子供たちに見立てて観客参加を促すも、つかみきれずにグダグダに。おそらく「できちゃったらくご!/遊方トリビュート」での三風の高座から取り入れた構成だと思われるが、このあたりの客の転がし方は《観客参加型落語》の先駆者である桂三風に一日の長がある。ここらは要研究と云うところだが、このグダグダ感も遊方の持ち味のようで、逆におもしろい。
 中盤からは人質を取った強盗犯を説得する場面になるが、子供たちにのせられたサンダーマンのサンダー・ビームがまったく効かなかったり、ドラッグ大魔王がショーの流れで強盗犯に取り入ろうとしたり、クスグリが秀逸。おもしろさを高めるためにも、もっと照れずに演ってもらいたい。

 中入りを挟んで、遊方と三代澤アナとの対談。「愛を感じすぎて、お客さんの顔が親に見える」と云う遊方。落語との出会いや八方への入門、カジュアルラクゴについてなど。また、このあとの「ベガーズ・バンケット」のための取材やホームレスについての話をマクラ代わりに。

 暗転で遊方が板付きで登場し、マクラなしで「ベガーズ・バンケット」を。ホームレスがバンドを結成する噺。先輩ホームレスの久保と新人ホームレスの福富のキャラクター設定や、全体の構成もまとまり、しっかりした長編に。ストリート・バンドとしての成長やそれにまつわるクスグリもなかなかおもしろい。
 このバンドがコンテストで演奏する場面では、暗転でギターを抱えた遊方が登場。スクリーンの向うにはサポートの長田和承(G)と山本正明(B)がシルエットで。生演奏でオリジナル曲“路上のとも”を披露。なかなか堂に入った歌いっぷりが気持ち良さそう。
 再度暗転で高座に遊方。実は福富は‥‥と云う展開からサゲへ。バンド演奏が入ることでテンポが悪くなるかと思ったが、スタッフの手際の良さで転換もスムーズに。

 最後に三代澤アナが登場してエンディングへ。演奏サポートのふたりを紹介し、遊方からの挨拶があって閉会。お客さんからの花束もあって、ええ感じに。


 いやぁ、想像以上にええ雰囲気の会でした。芸術祭のことがちょっと気負いになってたのか、やや自由奔放さに欠けるかなと云う風にも見えましたが、3 席ともそれぞれ楽しめました。とくに「ベガーズ・バンケット」は趣向物と云うことで、そこの部分が要でしたが、それほど間延びした感じも受けずに観られました。ここは遊方さんはもとより、スタッフさんにも拍手を送りたいです。
 三代澤さんもさすが落語好きと云うだけあって、愛が感じられる司会でした。これも会の雰囲気を高めるのに貢献してたと思います。

 昨年末あたりから新作の方はややスランプに陥ってた観のある遊方さんでしたが、ここ最近は調子も盛り返してこられてるようでしたし、芸能生活 20 周年の独演会を区切りに気持ちも新たにがんばっていただきたいです。

遊方 FOR YOU!

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» VICTORY THROUGH GUTS! [爆笑! ほーいちブログ]
お久しぶりです。DIOは、ぜひ観たいですね! [続きを読む]

受信: 2006.10.10 21:58

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