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近所ノレミナリエ

ノレミナリエ近所

 さすがに 本家 には遠く及びませんが、通りの 20 軒くらいのなかでここ 1 軒だけがんばったはります。毎年、少しずつアイテムが増えてるように思います。

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安養寺寄席

2006/11/26 @安養寺

  • 笑福亭 たま 《お囃子紹介》
  • 笑福亭 たま 「船弁慶」
  • 林家 染雀 「浮かれの掛け取り」
  • 笑福亭 たま 「初天神」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 たま 「宿屋仇」


 いつものように電話で開催を確認し、雨のなかを安養寺へ。JR「大和小泉」駅からなら徒歩 3 分くらいなんですが、この日は都合により近鉄「筒井」駅より徒歩 25 分。ええ運動になりました。
 雨で客足が心配でしたが、50 人以上は入ってたと思います。近所のおばちゃんに混じってたまサンファンの女性もチラホラ。


 まずはたまがお囃子紹介。大太鼓で「どんどんどんとこい」、締太鼓で「おたふくこいこい」。前座の出囃子“石段”の説明で、今回出演予定だった露の楓が廃業したことを知らされる。(理由は不明)

 いったん引っ込んでたまが“石段”で登場し、福島県での落語会の話をマクラに「船弁慶」を。たまヴァージョンがほぼ固まってきたよう。ラストのお松が川一丸へ向かう場面はたまならではのスリリングな演出で、何度観てもたのしい。贅沢を云えば、お松のひとり語り、喜六が語る《焼き豆腐の一件》、ここらにもう少し淀みない流れがほしいところ。

 楓の代演で染雀がゲスト。人間国宝の失敗談から「失敗するところもおたのしみに‥‥」と、季節をちょっと先取りした「掛け取り」を。相手の好きなものは、狂歌、浄瑠璃、歌舞伎。浄瑠璃や歌舞伎ではハメモノも入り、歌舞伎の見事な断りでは拍手も起きる。ここらの様式美は林家ならでは。

 ふたたびたまで「初天神」を凧揚げのラストまで。これは先日の『たまよね FINAL』でも観たが、たまヴァージョンが秀逸。知恵の回る寅ちゃんもさることながら、ヒマしてる隣のおっさんはもっとキャラを出せそう。飴屋とのやり取りに新しいクスグリも。

 中入りを挟んでたまの「宿屋仇」。侍の万事世話九郎が宿屋の番頭の伊八に苦言を呈する場面で、福笑直伝の真っ正面を向くスタイルが抜群に効果的。顔芸やマイムもたまらしくてグッド。以前に観たとき冗長に感じられた「源やんは色事師、色事師は源やん」「伊八ぃ、伊八ぃ」の間の演出もカットされてスッキリ。


 たまさんの 3 席はどれも整理された感があり、見応え十分でした。このヘヴィな 3 席に、ゲストの染雀さんもあって 2 時間強たっぷりと。これで 1,000 円ですから、なんともお得すぎる会です。満腹々々。

らくごの玉手箱

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福楽の底力

2006/11/25 @上方亭

  • 桂 雀五郎 「手水廻し」
  • 桂 福楽 「犬の目」
  • 露の 團六 「つる」
  • 桂 福楽 「尻餅」

※ Vol. 6


 『上方亭ライブ』のあと、落語をお茶請けに C さんとちょいしゃべり。時間つぶしに付き合ってもらいました。
 その後、ふたたび上方亭へ。入りは 30 人弱、もうひといきほしいところ。


 開口一番の雀五郎は手水の説明をマクラに「手水廻し」を。ちょこちょことカットして時間調整。おかげで早回し版にならず、ためるとこはためてメリハリに。

 ゲストの團六は、ハンカチ王子効果で大入りだった甲子園とこの会の入りとを比較して嘆いたあと、「つる」をごくオーソドックスに。

 福楽の 1 席目、いきなり「次回は来年ですけど、私、ひょっとしたら死んでるかもしれません」。メタボリック症候群だそうな。
 自分は文系だと云う話から谷崎潤一郎の『春琴抄』を紹介。美しい春琴に恋する丁稚の佐助が、怪我で美しさを失った春琴を見ないために自ら目を突いて失明する。これを受けての「犬の目」では、目が痛いと訴える男の原因が《春琴抄なぞなぞ遊び》。紹介された眼科で医者が診るなり「ひょっとしたら《春琴抄なぞなぞ遊び》やったね?」「御存知で?」「学会で研究してる」。目をくり抜くと云い出した医者に「目ぇて、なかでつながってんのと違うんですか?」「あれ、西洋医学の間違いや」。ほかにも福楽ヴァージョンのアレンジが随所に。とどめにサゲが「嫁はん、うしろから抱くようになりましてん。‥‥やらしいオチや」。‥‥参った。
 2 席目は季節の話をマクラに「尻餅」。こちらはあっさりスタンダード。亭主が家中でバタバタと芝居する場面はコミカルに、尻餅をつく場面はリズミカルに。


 サクサクサクッと進んで 70 分で終了。「短っ!」とも思いましたが、とにかく福楽ヴァージョンの「犬の目」が秀逸でした。これだけでも元取れてる感が。

 次回は来年 1 月 20 日(土)の予定。福楽さんが生きてることを祈ります。

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上方亭ライブ

2006/11/25 @上方亭

  • 笑福亭 三喬 「勘定板」
  • 笑福亭 喬楽 「牛ほめ」


 事前の発表では、三喬さんと、NHK 新人演芸大賞を落語部門大賞を受賞した風喬さんだったんですが、風喬さんが受賞絡みのラジオ出演で欠席、代打で喬楽さんに。しかも三喬さんが直後にレッスンルームの仕事に行くと云うことで、先輩の方が先に出るという変則的な番組に。
 入りは 70 人くらいでしょうか、大入り満員。吉朝ファンの元 O さんや C さんも。 高岳堂さんも来られてた そうなんですが、発見できませんでした。(すんません‥‥)


 三喬、まずは観客調査。岩手県や北海道からも来られてると云うことで、大阪弁の特長、小咄(鶴の恩返し、因幡の白兎、ドラえもんシリーズ)で客席をほぐし、便所の別称を解説してから「勘定板」へ。さすがに全編、間が巧み。下ネタがよくウケる。

 三喬が下がり際に「皆様、このあとは上方落語を背負って立つ、笑福亭喬楽師匠でございます。それでは喬楽師匠、張り切って参りましょう。どうぞ~!」と、持ち上げまくり。演りにくそうに出てくる喬楽。(そら演りにくいわな)
 喬楽は初めてだが、明るくなった蟷螂襲のようなしゃべりで(って、わかりにくい!?!?)耳障りが良い。三喬が短く終えたため、いろいろとマクラをつなぎつつ「牛ほめ」へ。汗かきまくりの熱演ながら、ややメリハリに欠ける印象。


 喬楽さんはちょっと気の毒でした。悪くはないんですが、三喬さんのあのあとでは分が悪い。それより、三喬さんにもうちょっとたっぷり演ってほしかったです。

上方亭ライブ

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文楽 『心中天綱島』

2006/11/24 @国立文楽劇場


 ツレがドタキャンで吉朝ファンの C さんをムリヤリ呼び出しての鑑賞。夜の部はやや客が薄いと云うことですが、そこそこ入ってたような。(客席チェックを怠りました)
 今回はパンフレットを購入し、開演前にあらすじチェック。


 『心中天網島』は、タイトルからもわかるとおり心中物。妻子ある治兵衛が女郎の小春に入れ込み、一度は縁を切るも情と面子からついには心中に至ると云う話。
 まずは「北新地河庄の段」が 1 時間半。中入りを挟んで、「天満紙屋内の段」が 1 時間、「大和屋の段」が 30 分、「道行名残りの橋づくし」が 15 分。
 人が人を愛し、想い、尽くし、突き動かされる人間模様。とくに治兵衛が隙をうかがって大和屋から小春を連れ出す「大和屋の段」から心中に至る「道行名残りの橋づくし」は圧巻。
 ‥‥と云いつつ、前半はチと落ちてしまいましたが。


 やはり予習の効果は大きく、浄瑠璃が聴き取れずともある程度どんな展開になってるかがわかり、人形の機微なんかも堪能できました。これで浄瑠璃が聴き取れるようになればもっとおもろいんやろなぁ‥‥と、深みにはまっていくんでしょうね。

国立文楽劇場

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上方亭演芸サロン

2006/11/23 @上方亭


 わかぎゑふさんら、吉朝さんゆかりの方を招いてのトーク企画。往復はがき 2 枚で応募し、1 枚が当選。吉朝ファンのいつもの面々もほとんど当選していたんで、応募者全員当選してんのとちゃうの?とか云ってました。
 当日、いつもの『上方亭ライブ』と同じ 2 時半と思っててのんびりしてたんですが、ふと入場整理券を見ると「1 時 15 分集合」の文字が。そう云や 2 時開演やったか!とあわてて出発するも間に合わず、でしたが、いつもの面々が席を取っててくれました。ありがたやぁ。
 整理券がなくても後方で観られたようで、ここらはきっちり事前にアナウンスした方が良かったように思います。当日にならないと予定の立たない人もおられるでしょうし。もっとも、初めてのことでスタッフのみなさんもてんやわんやだったかもしれませんが。


 ふたを開けてみれば、わかぎさんと桂吉弥さんのおふたりによるトーク。いろんな方のいろんな話を聞くのもたのしいですが、こう云う対談の方が話があまり発散しなくて良かったのかもしれません。
 わかぎさんと云うことで《役者・桂吉朝》にスポットが当たるかと思いきや、《飲み友達の吉朝兄ちゃん》の話が多く、まだ弟子がいないときに吉朝さんの落語会の手伝いをされてた話など、初めて聞くエピソードも多数。吉弥さんは入門前の《あこがれの噺家・桂吉朝》への想いなども語られ、こちらも熱い。紹介されたのはおもしろエピソードがほとんどだったんで、登場時は目が少し潤んでいたわかぎさんも終始にこやかで、会場もあったかい雰囲気に。
 後半には特典映像として、かつて阪急ファイブのオレンジルームで開かれていた『オレンジ寄席』で吉朝さんがやった漫才の物まねのビデオを上映。暁伸とミスハワイ(吉朝、米平)、中田ダイマル・ラケット(千朝、吉朝)、宮川左近ショウ(吉朝、む雀、都丸)をたのしそうに演じる吉朝さんに、会場からも拍手が。


 約 1 時間半でしたが、なかなか充実した企画でした。トーク内容の詳細は wakadoshi さんの記事ogwan8 さんの記事 が詳しいんで、そちらをご参照ください。(他力本願)
 終演後、いつもの面々で喫茶会。グダグダと落語談義に花が咲いてました。

ワッハ上方
特別展 桂吉朝の魅力

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育っちゃったらくご!

2006/11/22 @茶臼山舞台

  • あやめ、遊方 《ごあいさつ》
  • 笑福亭 たま 「Dr. ライカ」
  • 桂 三金 「ペッパーラッパー」
  • 桂 三風 「農と言える日本」
    ―― 中入り ――
  • 桂 あやめ 「ハートヒーリング引越社」

※ 第 4 回


 前回は福笑さんがゲスト出演と云うことで超満員御礼札止め状態でしたが、今回はちょっと減って 40 人ほどの入り。それでも茶臼山舞台は満員です。


 まずはあやめが前説。番組紹介につづいて遊方を呼び出し、演れるかどうか高座で相談。やはりしゃがれ声で、まわりは止めるが遊方自身は演りたいよう。最後まで考えて決断することに。

 たまはマクラ代わりに「子ほめ」の予告編から「Dr. ライカ」へ。未来世界で、水星人にスライムにされた友達を元に戻すために Dr. ライカのもとへ‥‥と云う噺。骨子はそのままにストーリーがガラッと変わり、シンプルな構成にクスグリをたっぷり。水星人をもうちょっと活かせれば展開に幅が出てきそう。

 三金は「くっしゃみ講釈」のパロディーで「ペッパーラッパー」。ラッパーのゴートゥーイッサーに彼女をとられた奥野君がクラブへ復讐しに行く‥‥って噺。ちょっと「くっしゃみ講釈」に引っ張られすぎな感じで、もうちょっと柔軟にいじっても良さそう。ただ、最後はやっぱりくしゃみの連発が必要だろう。ラップはやっぱりデブネタで、実際にリズム・マシンの SE を使ってもおもしろいかも。
 おもしろくなりそうなポテンシャルは高いと思うんで、今後の育成に期待。

 三風はネタ出ししていた「待つわ」の台本が行方不明で間に合わず、「農と言える日本」に。都会で働いていた息子が嫁を連れて田舎へ帰ってくる噺。しっかりした構成ながら、もうちょっと意外性やクスグリがほしいところ。

 中入りをはさんで、あやめは姉様キングスの近況報告から自身の引越談をマクラに「ハートヒーリング引越社」を。リストラされた女性と、その友達で運送屋の娘が、部屋の整理とともに心の整理もすると云う引越社を開業する噺。始める前の宣言どおり、とくにサゲに至るくだりが以前に観たときより整理されており、スッキリした印象。


 と、以上 4 席。結局、遊方さんは今回はパスされました。賢明な判断だと思いましたが、ご本人はかなりヘコまれてました。
 今回の 4 席中、成長が感じられたのはあやめさんで、たまさんのは生まれ変わったんで再スタート、三風さんと三金さんは要育成と云う感じでした。

 次回は『できちゃったらくご!』で 12 月 20 日(水)の予定。最後の茶臼山!?!?

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遊方のゴキゲン落語会

2006/11/21 @上方亭

  • 月亭 遊方 《ごあいさつ》
  • 桂 ちょうば 「平の陰」
  • 月亭 遊方 「スクールバスターズ」 (作:月亭遊方)
    ―― 中入り ――
  • 月亭 遊方 「怪奇ホテル・オソレミオ」 (作:月亭遊方)

※ 第 19 回


 最近、にわかにその存在が気になりだした遊方さんの会へ。開演がちょっと遅めの 19 時半なんはサラリーマンにとってはありがたいです。(それでも、初めてで様子がわからんからちょっと早めに‥‥と、定時前に出ましたが)
 客席は 20 人ちょいと、ややさびしい入り。もっとも、この日は各所で落語会があり、上のワッハホールでの『島之内寄席』に新作派の大御所・福笑さんが出られてますから、仕方がなかったかも。


 まずは遊方が普段着で前説。が、ガラガラのしゃがれ声。なんでも、2 日前の『田辺寄席』で調子にのりすぎてノドを潰してしまったとか。遊びに来ていたわかばに漢方薬をもらって、少しは出るようになったそうだが、それでもしゃべりにくそう。

 オープニングのちょうばは「平の陰」を。先日、右喬のを観たが、こちらも違った持ち味があってグッド。知ったかぶりのおっさんにもう少し貫禄があれば、その対比で笑いが大きくなりそう。

 遊方の 1 席目「スクールバスターズ」は、中学校でのいじめをテーマにした噺。作ったときはシャレになったけど、最近になっていじめ問題がクローズアップされてきて演って良いものか迷ってるそう。この日は学校の先生からこの噺を観るためにと予約が入っていたため、演目は代えずに。
 クラスのボス的存在の黒田に青山がいじめられてることを学級委員の白井が担任に報告、急遽ホームルームを開くが‥‥と云う噺。ちょっとええ加減な担任が逆に青山をいじめるような形になっていくところがポイント。ただ、出しにくい声で集中できなかったか、遊方自身がのりきれてない印象だったのが残念。

 中入りを挟んで遊方の 2 席目「怪奇ホテル・オソレミオ」は、幽霊嫌いの遊方による怪談。ヤクザが親分の指示でホテル「オソレミオ」へ泊まるように指示されるが、そこは幽霊が出ると評判のホテルで‥‥って噺。遊方の怪談だけに、「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」な展開に。ホテルに入ると恐怖感を煽るも昔懐かしい雰囲気の SE もたのしい。ヤクザが主役だけにしゃがれ声はそれほど気にならなかったが、やはり声を出しづらそうだったのが痛々しい。


 とにかく遊方さんのノドが本調子でなくて残念。ご本人も高座の出来に満足できてなかったようで、かなり悔しそうでした。ただ、コンディションの悪さにもめげず熱演でしたし、損したと云う感じではありませんでした。

 次回は 2 月頃の予定だそうです。

遊方 FOR YOU!

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繁昌亭夜席 日よう寄席

2006/11/19 @天満天神繁昌亭

  • 桂 二乗 「子ほめ」
  • 笑福亭 右喬 「へっつい盗人」
  • 月亭 八天 「住吉駕籠」
  • 桂 文昇 「崇徳院」
    ―― 中入り ――
  • 林家 そめすけ 《物まね漫談》
  • 桂 福楽 「親子茶屋」


 文楽のあと、日本橋をちょっとぶらぶらしてから繁昌亭へ。開場 30 分前にはまだ入口付近に列んでる様子がなかったんで、うどんで軽く腹ごしらえ。改めて繁昌亭へ行くと、10 人ちょっと列んでました。そこで待ってた人の会話が辛辣で、「きょう、誰かええ人、出てくんの?」「あんまり出てけぇへんなぁ」‥‥って、おいおい、わし、トリの福楽さん楽しみに来とるんやで! まぁ知名度低いから仕方ないんでしょうけど、いきなりガックリですわ。
 で、入りの方は、1 階席の 6~7 割って感じ。日曜の夜席でこの番組やと、まぁこんなもんでしょうかねぇ。


 開口一番の二乗はマクラで携帯電話の注意。「私の出番のうちに用事を済ませてください。家に携帯電話を忘れた方は‥‥」と、懐から携帯電話を取り出し、「私のをお貸しいたします」。
 ネタの「子ほめ」は時間に合わせて上手く編集されており、事前に用意していることがうかがえる。きっちり丁寧で好印象。

 期待の右喬は「へっつい盗人」。クスグリそれ自体よりも、変なイントネーションが笑いを誘う。が、落語初心者の客層にはキビシかったようで、笑ってよいものかどうか戸惑ってたような雰囲気に。

 逆に八天の「住吉駕籠」は正統派スタンダードでよくウケる。時間の都合で酔っ払いのくだりまでだったのがもったいない。

 中トリの文昇は初めて。空港で酒の瓶を落として割った話をマクラに「崇徳院」をごくきっちりと。熊五郎が手ぶらで戻った場面で旦那が「酒は? 燗できた? 捨ててまえ、割ってまえ!」のマクラを受けたアドリブはさすが。

 中入りを挟んで、こちらも初めてのそめすけ。関西の有名芸人の物まねやジャグリングなど。芸達者だが、もうひとひねりなにかほしいところ。

 期待の福楽はごく軽いマクラからすぐに「親子茶屋」へ。余計な入れ事もなく、米朝から春團治へ受け継がれた芸を忠実に。登場人物の演じ分けも明確で、全体の流れも非常に丁寧。充実の一席に。‥‥と、ファンの贔屓目で好感触だったが、落語初心者には笑いどころの少ない噺で地味な印象だったかも。


 やっぱり福楽さんは良いですねぇ。今回はトリと云うことで、「落語はただただ笑うだけと違うんですよ、こんなちょっと粋な噺もあるんですよ」ってチョイスだったのかも。
 ただ、やっぱり客の重さが気になりました。高座はどれも悪くなかったと思うんですけどねぇ。マニア向けの右喬さんがネックだったかもしれません。

天満天神繁昌亭

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文楽 『伊賀越道中双六』 『紅葉狩』

2006/11/19 @国立文楽劇場


 熱狂的こごろうファンの K さんから文楽 11 月公演の招待券をいただき、吉朝ファンの F さんといっしょに観に行ってきました。会場では 吉朝ファンの w さん にも遭遇。
 文楽と云うと私の場合、吉朝さん絡みの『落語と文楽のあやしい関係』で観たくらいで、文楽劇場ではもちろん初めて。席は舞台からやや遠かったんですが、タダですから文句は云いません。
 昼公演は満員と聞いてたんですが、日曜だからかやや空席が目立ちました。ザッと見たとこ 8 割入りくらいですかねぇ。
 開演前に『三番叟』。お払い的な意味合いがあるそうな。いきなり始まって、いきなり終わります。お払いとはいえ、ここらはやっぱり様式美ですね。


 まずは『伊賀越道中双六』。いわゆる仇討ち物だが、登場人物が別の人物になりすますと云うのがいくつもあり、しっかり予習してストーリーと人物相関図を頭に入れておくか、浄瑠璃を聞き取れる耳を持ってないと、初めての者には筋書きを理解するのがむずかしい。
 約 45 分の「藤川新関の段 引抜き団子売」「竹藪の段」で中入り 30 分をはさみ、「岡崎の段」が約 2 時間。その後の「伊賀上野敵討の段」はほんあっさりと。「団子売」はコミカルな感じで楽しい。「竹藪」「敵討」は立ち回りで、なかなかの見どころ。「岡崎」は要だが、長いだけに内容を把握できないとかなり苦痛。

 10 分の休憩をはさんでの『紅葉狩』は、平維茂が紅葉の山で夢うつつ‥‥みたいな話。こちらはストーリーよりも舞や立ち回りをたのしめる演目で、初心者にやさしい。


 終演後、F さんの案内で 豊竹英大夫さん の楽屋をたずね、舞台裏を見せてもらったり、人形を持って写真を撮らせてもらったりしました。文楽の楽屋はなんだかアットホームな雰囲気でしたよ。

 で、やっぱり古典芸能はむずかしかったです。人形は十分たのしめましたが、あらすじ程度の予習ではストーリーを完全には把握できませんでした。(もっとも、これは演し物にもよるのかもしれませんが)
 歌舞伎もそうですが、文楽も初心者がいきなり行くとたのしめないかもしれませんねぇ。国立文楽劇場では字幕が出てるんですが、そればっかり追いかけてると人形の方をたのしめませんし、早めに行ってパンフレットを読んでおくとか、事前にストーリーを頭に入れておく方が良いでしょう。音声ガイドのレンタルもありますから、それを利用するのも理解の手助けになると思います。(私は今回、使いませんでしたが)
 もっとも、古典芸能は様式美をたのしむという側面があると思いますから、最初から物語は理解できなくても、人形の動きや舞台空間の雰囲気を生で味わえればそれで良いのかもしれませんね。

 落語ファンの T さんから優待券をもらってるんで、今月中にまた行く予定です。

国立文楽劇場

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たまよね FINAL

2006/11/18 @天満天神繁昌亭

【Episode 2 繁昌亭編】

  • 笑福亭 たま 《ごあいさつ》
  • 桂 そうば 「ろくろ首」
  • 笑福亭 たま 「初天神」
  • 桂 かい枝 「野ざらし」
  • 笑福亭 たま 「不動坊」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 たま 《ショート落語》
  • 笑福亭 たま 「Smell」 (作:たまよね)
  • たま、かい枝、米井 《たまよねとビギナーズラック》


 ちょっと早めに行ったつもりがかなり早めに到着。たまさんの会場入りよりも早かったです。それに気を遣われたか、先着 3 名にミニ色紙のプレゼント。ラッキー!
 小雨もパラついてたんで、たまさんの配慮でかなり早めの開場。入りが心配でしたが、開演前には 1 階席はほぼ満席でひと安心。


 前半は古典コーナー。たまの前説につづいて、開口一番のそうばが「ろくろ首」。マクラで「興奮してくると博多弁
が出る」と聞かされてただけに、どうしても細部のイントネーションに気が行ってしまう。しかしながらテンポや息と間は良く、お調子者のやもめがたのしい。

 ゲストのかい枝は今回の『たまよね FINAL』が最終回じゃなくて Episode 2 でがっくりって話から、仁福のエピソードで笑わせ、噺家はみんなスケベって話から「野ざらし」へ。同門の坊枝と比べて顔芸がスゴい。イヤらしさも倍増。

 たまの「初天神」はかなりヴァージョン・アップ。寅ちゃんが隣のおっさんに両親の昨夜のごちゃごちゃを暴露する場面がより拡大され、おっさんを焦らすくらい寅ちゃんの話術も巧みに。その分、母親に父親の茶屋遊びをバラすくだりはカットし、初天神へ。飴屋やみたらし団子屋では所作で笑わせ、調子にのってきた父親が凧揚げに興じるくだりも絶好調。クドくならないバランスが絶妙。
 「不動坊」の方はより整理されてきた感じ。導入部は、不動坊の残した借金を肩代わりしてやった利吉のところへ、未亡人のお滝との結婚話を家主が持ち込む‥‥と云う自然な流れに。独自のクスグリも随所に盛り込み、風呂屋での妄想劇もさらに拡大。

 中入りを挟んで、たまがマクラ代わりのショート落語から新作「Smell」を。風呂嫌いで強烈な悪臭を放つ社長との食事会に臨む社員の奮闘を描く。落語にほとんどない《におい》をフィーチャーした噺で、社長の体臭をハメモノ(銅鑼の音)で表現。観てるだけでこっちまでクラクラしてきそう。社長に気付かれないように腫れ物に触るような、それでいてバレバレの社員の奮闘がおかしい。

 最後にたま、かい枝、米井敬人(構成作家)氏の 3 人で座談会。『たまよね』と『ビギナーズラック』の比較から、たまがかい枝の性格分析など。


出番表 いやぁ、満腹&満足。今回は 3 時間弱あったってこともありますが、とにかくたっぷり感のある会でした。
 とくに中入り前の古典コーナーが圧巻で、たまさんの 2 席はどちらもステップ・アップしてて充実。「初天神」は必見だと思います。中入り後の新作もなかなかで、座談会も(半分は告知ながら)脱線のグダグダ感が『たまよね』らしい盛り上がりでした。

 繁昌亭の入口にある出番表に米井さんの名前まで。思わずパチリ。

 次回はとうとう最終回。12 月 17 日(土)に TORII HALL にて、ゲストに東京から柳家喬太郎さんを迎えての総集編。
 前売り券も買いましたんで、万難排して挑みます!

らくごの玉手箱

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云って良いことと悪いことがある

興毅 ランダエタに「酔拳」で勝つ (デイリースポーツ)
興毅 20 歳誕生日、V1 戦は酔拳で倒す? (日刊スポーツ)
ランダエタ倒し美酒浴びるぞ! 興毅 20 歳の誕生日 (サンスポ)
興毅 20 歳! 浪速の“酔拳”に変身 (スポニチ)


酔拳をバカにすな!

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繁昌亭夜席 金よう寄席

2006/11/17 @天満天神繁昌亭

【RR-1 グランプリ優勝!! 笑丸トリをとる会】

  • 林家 卯三郎 「時うどん」
  • 桂 三金 「ダンシングドクター」 (作:桂三枝)
  • 林家 笑丸 《ウクレレ落語》
  • 林家 笑丸 《バック転かっぽれ》
  • 林家 染丸 「尻餅」
    ―― 中入り ――
  • 桂 小枝 《漫談》
  • 林家 笑丸 「崇徳院」


 開場前に列ぶのもぼちぼちつらくなってくる季節ですが、それでもそこそこの行列。みなさん、お好きですねぇ。
 開場して「きょうはちょっと入りが少ないかな?」と思ってたんですが、開演前には 1 階席はほぼ満席で、ええ感じの入りに。普段お見かけする顔はまったくなく、なんとなくアウェイの心持ち。


 開口一番の卯三郎は「時うどん」(2 人ヴァージョン)。マクラで時刻の説明を入れるも、時計は客がわかる方向で示さないと、余計に混乱するような。基本に忠実ながら、後半のはずれ屋のうどんも美味いってのは初めてかも。

 三金はデブネタから健康診断に行った話へとマクラをつないで「ダンシング ドクター」を。以前に観たときより病院へ行くまでのクスグリが増えたような。踊る医師・東山先生の脳天気さと患者の奥野君の不安感との対比がおもしろい。
 導入部の医者あまり現象の話は、現実には小児科や産科の医師が不足している現実もあり、実情に合ったように改訂するか、もっとあっさりしたものへの変更が必要かも。

 この日の主役の笑丸登場。マクラがややスベり気味で心配するも、ウクレレ落語“若手落語家のバラード”はやっぱりおもろい。新曲も入ってええウケ具合。
 ここで「やっぱり踊りも‥‥」と、得意のバック転かっぽれ。

 中トリは師匠の染丸。マクラで弟子の笑丸を上げたり下げたりしつつ、季節を先取りと、暮れの噺の「尻餅」を。前半の艶笑っぽい部分も下卑た感じを与えず、後半の尻餅をつく場面はリズミカルに。こまかい所作による的確な情景描写はさすが。

 中入りを挟んで、テレビの人気者の小枝が登場。文枝一門の話や、浪花の○○の公然の秘密の話や、家族の話など、おもしろ小ネタを数珠つなぎ。わりとたっぷりめに。

 トリの笑丸は百人一首や川柳についてマクラで振ってから「崇徳院」を。独特のクサさはあるが、サラリーマン川柳を使ったクスグリなど独自のクスグリも。出入りの熊五郎は笑丸のニンに合った感じだが、後半はもうちょっと疲れた感じがほしいところ。サゲは鏡が割れる型で。
 とにかく元気があってにぎやかだが、全体に演り慣れてない感があり、もっと膨らませるのにもったいないなぁと思わされる場面もあちこちに。


 笑丸さんのキャラクターを活かすには、ネタ選びがポイントになるでしょう。もっとはじけるキャラが出てくる噺の方が合ってると思います。
 が、ウクレレ落語の方はとにかくおもしろい。こちらは一見の価値ありだと思います。若い女性ファンも付いてるようですし、ファン層拡大の牽引役としてがんばっていただきたいもんです。

天満天神繁昌亭
林家笑丸

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特選 吉朝庵

特選 吉朝庵
特選 吉朝庵

 吉朝さんの DVD 発売情報が出てきてからわりとすぐに Amazon.co.jp で予約したつもりだったんですが、相当数の予約が入ってたのか、はたまた入荷数が極端に少なかったのか、発送されたのが発売から 1 週間後。しかも到着したのが出張中で、ようやくさっき観ました。

 ファンのみなさんはすでにご存じのとおり、収録されてるのは「天災」と「蛸芝居」の 2 席。《芝居噺の吉朝》と云われてたくらいですから「蛸芝居」の方はおなじみですが、吉朝さんの「天災」は私も「観たことあるような‥‥」って感じなんで、高座に掛けた回数もそれほど多くなかったのかも。
 封入されてる小佐田定雄さんの解説によると、「天災」は小三治師匠の高座を参考に吉朝さんが上方風に再構成された、とのこと。収録前には完成型になってたようで、短気な男が心学の先生の受け売りで説教するも云い間違いまくるところのセリフなんかも自然な感じ。
 「蛸芝居」は独演会なんかでも掛けられてましたが、噺自体のおもしろさに加えて、吉朝さんのたしかな所作がおかしみを増幅しています。

 で、この DVD が終着点じゃなく、出発点になってもらいたいんですよね。おそらく CD とのネタの重複を避けた選択と云う側面もあるかとは思いますが、やっぱりファンなら「七段目」や「たちきり」や「地獄八景亡者戯」を観たいと思うんじゃないでしょうか?
 アンケートはがきが入ってたら送ろうと思ってたんですが、残念ながら入ってませんでしたんで、企画の東芝 EMI へ感想とともに要望を送ってみようかと思ってます。

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繁昌亭夜席 日よう寄席

2006/11/12 @天満天神繁昌亭

  • 桂 さん都 「みかん屋」
  • 桂 三金 「お忘れ物承り所」 (作:桂三枝)
  • 笑福亭 恭瓶 「町内の若い衆」
  • 露の 團六 「二人癖」
    ―― 中入り ――
  • 桂 坊枝 「野ざらし」
  • 笑福亭 福笑 「狼の挽歌」 (作:笑福亭福笑)


 前売り券を買ってたんで、腹具合を正露丸で強制的に押さえ込み、なんとか繁昌亭へ。ところが、交通機関のダイヤを安全側に読みすぎ、かなり早くに到着。寒ぅ~いなかを開場待ち。それでも開場直後にはそこそこの行列になって、列んだ甲斐はあったのかも。
 入りは 9 割くらい。日曜の夜席にしてはまずまずの入りではないでしょうか。


 開口一番のさん都はマクラもそこそこに「みかん屋」を。ちょこちょこカットしてあるが、時間を意識してかやや走り気味。それでも骨子をきっちり伝えて好印象。

 三金は、元銀行員ネタ、デブネタ、自虐ネタとマクラをつなぎ、電車でのエピソードからうまい流れで「忘れ物承り所」へ。ネタ自体も良くできてるが、三金のニンに合った感じでたのしい。

 初めて観る恭瓶は、ネタも初めて聴く「町内の若い衆」。兄貴分の嫁の謙虚さに感心した男が、自分の嫁にその話をして‥‥って感じの、構成的には「遊山船」に似た噺。笑いどころが少ない噺を、恭瓶は丁寧にきっちりと。サゲがややシモがかってるのがあまり高座に掛からない要因か?

 中トリは、こちらも初めての團六。こちらも「二人癖」をきっちり丁寧に。「つまらん」が口癖の男と「一杯飲める」が口癖の男の賭けは、やや物足りなさが残るも安定感あり。

 中入りを挟んで、坊枝は上手く客をあしらいながら「野ざらし」へ。二匹目のドジョウならぬふたつ目の骨を釣りに行く男の、下心満載のいやらしさと脳天気なバカさ加減をほど良くミックスしてハイ・テンションに。

 トリの福笑は、ヤクザ専門雑誌の話題をマクラに自作の「狼の挽歌」を。抗争の現場から飛び出してきたヤクザ二人がタクシーに飛び込み、運転手を人質に逃走する噺。この運転手がノリやすいタイプの男で、ダジャレも挟みつつ、いつものパターンで形勢逆転。勢い押しのようでいて、実は積み重ねからのくずしで一気にラストへ。


 落語 6 席は重いかと思いきや、2 時間ちょいでやや軽め。よくよく考えると、この番組編成って『島之内寄席』なんですよね。そう考えると、バランスは手慣れたもんなんでしょう。
 それにしても、中入り後は圧倒的。年功もあるんでしょうが、中トリは坊枝さんの方が良かったかもしれません。まぁ「終わり良ければすべて良し」ってことで。

天満天神繁昌亭

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BJ & p

ブラック・ジャックとピノコ

 コンビニに寄ったら目に入った手塚グッズ。コカ・コーラ社製品(のうちでも、おそらくホットのみ)に付いてます。デフォルメ・キャラながらブラック・ジャックがなかなか良い出来。ピノコは「アッチョンブリケ」の顔にしてほしかったなぁ。
 写真のブラック・ジャックとピノコのほか、アトム、ウラン、レオ、ユニコ、チャオ、孤独二世、火の鳥、メルモ、チンク、トリトンの全 12 種。おまけのパッケージになにが入ってるか書かれてるので、余計な出費は控えられます。

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カシミヤ落語会 笑福亭たまのカシミヤ 100 %

2006/11/11 @カシミヤ

  • 笑福亭 たま 《お囃子紹介》
  • 笑福亭 たま 「手水廻し」
  • 笑福亭 たま 「船弁慶」
  • 桂 吉坊 「かぜうどん」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 たま 「皿屋敷」

※ 第 4 回


 なぜか未明から腹を下しててフラフラ。早朝に胃腸薬を飲んで寝たら、次に目覚めたのが 3 時過ぎ。会は 5 時から。楽しみにしてた会だったんで、あわてて用意をして駅までダッシュ。なんとか間に合う電車に乗れてひと安心。
 第 1 回につづいてこの会へは 2 回目ですが、入りは 30 人ちょいって感じでしょうか。カフェのお客さんが若干減って、落語ファンが若干増えたような。


 高座には大太鼓と締太鼓。開演時間になって、なんの前触れもなくたまが登場し、まずはお囃子紹介。(ちなみにこの日の三味線は吉川絹代)
 大太鼓で一番太鼓の「どんどんどんとこい」、締太鼓で二番太鼓の「おたふくこいこい」を実演し、「上方と云うのは、だいだいおおてたらええやないか、みたいな」。
 つづいて、出囃子の解説。前座の“石段”と、たまの“長崎さわぎ”を紹介。“石段”は「前座さんが石の階段を登って出世していけるように。辞めた人は転げ落ちる」。
 さらに、ハメモノの解説。雨の音や幽霊の出てくる音を演りながら、「なんでも気の持ちよう」。
 ここらの説明のええ加減さ、行き当たりばったり具合がたまらしくておもしろい。

 まずはたまが、繁昌亭対策で 5 年ぶりくらいに引っ張り出してきた「手水廻し」を。田舎の宿での会話が、田舎者と云うより中途半端な外国人のようで、演り慣れてない感が。贅肉を極力そぎ落としてテンポは良いが、少しやせ過ぎの感も。ここらのバランスは難しい。

 つぎもたまで、「手水廻し」の反省から「船弁慶」へ。初演時よりも安定感を増す。終盤に喜六の女房のお松が船遊びをする喜六を発見して川一丸へ通い舟で向かう場面、船頭の高速漕ぎで笑いを誘い、お松と喜六のカットバックで緊迫感を演出。
 演り終えてから、つづく吉坊の出囃子“もしも月給が上がったら”と、中入り後のたまの“さよなら人類”の紹介。「船弁慶」の反省も。焼き豆腐事件での買い物間違いのところを間違えて、「まぁこんな日ぃもありますわいな」。

 吉坊の「かぜうどん」はきっちりと吉朝の型。見た目的に酔っ払いにやや無理はあるが、安定感はバツグン。うどん屋の手際と、それを食べる所作がリアル。

 中入りを挟んで、たまが自身の会の宣伝から「皿屋敷」を。要所に入るドラが効果的。初めて皿屋敷へお菊を観に行くくだりもおもしろいが、やはり全国各地から観光客が集まりだしてからが秀逸。お菊が必要以上に色気をふりまき、客の方は「目ぇ合ぅた!」と大興奮。風邪をひいたお菊に客のひとりが「おまえも風邪ひいたんか?」と、先の「かぜうどん」を引用したアドリブも。


 値段がちょっと上がった分、お囃子紹介に吉坊さんのゲスト出演と、盛りだくさんの内容。落語初心者のお客さんもたのしまれてたようで、大爆笑の連続とはなりませんでしたが、ええ雰囲気でした。
 懐かしいプラスチックの入れ物に入ったお茶付きなんですが、おにぎり販売が開演前にわかってたらいっしょに買ってたんですけどねぇ。中入りの短い時間では食べられないと思います。

らくごの玉手箱
カシミヤ

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全日空寄席

2006/11/10 @ANA 526 便

  • 笑福亭 銀瓶 「書割盗人」 (2006/9/17 「もりぐち寄席」にて)
  • 柳家 小菊 《粋曲》 (2006/7/6 鈴本演芸場にて)
  • 立川 談四楼 「のっぺらぼう」 (2006/9/16 お江戸上野広小路亭にて)


 ひさしぶりの全日空寄席。往きの 523 便でも聴きました。頻繁に機内アナウンスが入るのが玉に瑕ですが、落語聴いてるとあっと云う間に目的地に着くのが良いですね。
 ご案内は神田紅さん&内海英華さんの御両人。出演者のプロフィール紹介などを中心に。


 まずは銀瓶。全日空寄席の録音であることをマクラで振り、「しっかり笑うように」と客にお願い。声だけ聴いてると春蝶のよう。
 ネタの「書割盗人」はクスグリ多めか。「鉄瓶がクラクラチンと沸いてる様子」「時計を 1 時から 12 時まで 12 個」「山の間に全日空の飛行機」等々。口跡も良く、ネタもよく繰られてる印象。近眼の盗人が入ってきたところで男が目覚め、ふたりのやりとりがおもしろい。最後は「死んだつもり」。

 つづく小菊の粋曲とは、いわゆる俗曲で、都々逸など。文字どおり江戸前の粋な芸で、良い色変わりに。

 最後に談四楼の「のっぺらぼう」無限につづく(つづけられる)ってことをマクラで振るも、ネタばらしになるんで不要だったかも。単調な重複になりがちな噺をきっちり聴かせる。


 今回は色物も入って、それぞれやや短めでテンポ良く聴けました。銀瓶さんは生で何度か観てますが、やっぱり上手いですね。今後もたのしみです。

ANA 国内線 - オーディオプログラムのご案内:機内サービス

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火の国探訪

 九州出張のついでにプチ観光。
 拠ん所なき事情で急遽手配した宿がいまどきでなく、施設が古いのはともかくとして、一緒に行ってた仕事仲間の部屋は湯が出なかったそうな。ってことで、「とりあえず温泉へ行こう!」と相成り、「せっかくなんで阿蘇山方面へ」と云うことで、名前だけで地獄温泉をチョイス。カーナビに任せて出発。


 途中、線路と並走する区間があり、よく見るとスイッチバックになってました。その終端に駅があったんで、ちょっと寄ってもらうことに。JR「立野」駅で、そっから南阿蘇鉄道も延びてます。調べてみると、日本最大の Z 型スイッチバックだそうです。
 偶然、熊本方面から列車が来たんで、あわててパチリ。

立野駅


 またしばらく車を走らせてると、こんどは上司が当銭神社の看板を発見。宝くじ当選の御利益があるってことで、話のタネに寄ってみることに。
 ところが、これがまた場所がわからんのです。何軒かのコンビニで場所を訊いて、ようやく到着。しかも、最後はかなりの奥の細道。車高の低い車は要注意です。
 で、その当銭神社。宝来宝来ほぎほぎ神社とも呼ぶそう。ケバケバしい赤色の社がかなりいやらしい。なんかもう、金もうけのにおいがプンプンしてるわけです。御利益があるのかどうか‥‥。

当銭神社


 ぐるぐる寄り道しつつ、目的地の地獄温泉に到着。温泉場らしく、かなり硫黄臭がします。400 円で入湯。露天風呂に入りましたが、白濁してるというか、白っぽい沈殿物が湯のなかに漂ってる感じで、ハッキリ云って汚そう。やや熱めの湯につかりつつ、しばし堪能。なんとなく肌がすべすべになった気になりました。
 ここには天然どろ湯ってのもあったんですが、ちょっと立ち寄っただけの者には抵抗があって入りませんでした。ひょっとすると、そっちの天然どろ湯の方が目玉だったんかも。混浴でしたし。

地獄温泉


 で、そっから熊本空港へ。半日の駆け足観光でしたが、いろいろ見て、温泉にも入って、なんか満喫した感じです。

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吉朝さんの高座の DVD 化を実現させよう!

 黙っていても思いは届かない!

 消費者リクエスト型ショッピング・サイト 『たのみこむ』 にて 「桂吉朝 DVD 全集」 がリクエストにエントリーされています。賛同者が多ければ『たのみこむ』スタッフが動いてくれるようですし、メーカーが動き出すきっかけにもなるようです。
 ここで賛同・コメントしたところで必ず実現するとは限りませんが、「なにもしないよりは動き出そう!」ってことです。賛同・コメントには参加者登録(無料)が必要です。ゆるい署名だと思っていただければ良いかと思います。

 ここから芽を育て、花咲かせたい!

たのみこむ
「たのみこむ」って?
桂吉朝 DVD 全集


■■■ 朗 報 ■■■


特選 吉朝庵
特選 吉朝庵

 ついに吉朝さんの DVD が 『特選 吉朝庵』 として発売されます!
 発売日 2006 年 11 月 8 日(水) です! この日は吉朝さんの一周忌にあたります。
 演目は 「天災」「蛸芝居」 が収録されるそうです。

 映像作品が正式に世に送り出されると云うことで、まずは素直にうれしく思っています。これが売れれば第 2 弾、第 3 弾、‥‥とつながると思いますんで、みなさんこぞって買いましょう!
 これを機に DVD や CD が続けて発売されることを期待しています!

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無我 2006 プレミアム II 『闘秋』

2006/11/5 @大阪府立体育会館 第二競技場


 『上方亭ライブ』のあと、あちこちぶらぶらして府立へ。時間を勘違いしてて、再度ぶらぶら。ようやく入場できて座席へ。
 初回と違って入りが心配でしたが、座席はそこそこ埋まり、立ち見客もチラホラ。ええ感じで格好が付いたと思います。
 前回同様、入場式で全選手紹介のあと、西村選手がごあいさつ。


長井満也 vs 倉島信行
 倉島は若いはずなのに、どっから見ても昭和のたたずまい。コスチュームが木戸修チックだから? 長井に攻撃されてすぐになにもできなくなり、ヘッドロックから 3 カウント。ダメだ‥‥。

竹村豪氏、正田和彦 vs ブラソ・デ・オロ、ブラス・デ・プラティーノ
 メキシカンのふたりがおもしろすぎ。ルチャの国から来たふたりのデブは、あかるくたのしいプロレスで会場も賑わう。なぜか日本人がヒールになり、なぜかメキシカン側だけがルチャ・ルール(タッチなしで選手交代可能)だったのが不思議。
 たしか日本人組が勝ったと思います。(ええかげん)

ヒロ斉藤 vs エル・ブラソ
 こちらもデブのエル・ブラソが大暴走。四方の観客からコールを強要しまくりで試合が始まらない。見かねたレフェリーがしかる始末。あきれたヒロが帰ろうとすると、オロ&プラティーノが乱入。そこに竹村&正田が駆け付け、急遽 6 人タッグに。
 こちらもあかるくたのしいプロレス。最後はヒロとエルの一騎打ちのような状況でええ感じだったのに、ヒールの日本人が乱入して日本側の勝利に。なんとも空気の読めん奴らや‥‥。

藤波辰爾 vs 吉江豊
 藤波はなかなかコンディション良さそう。ドラゴンスクリュー、ドラゴンスリーパーと、ドラゴン殺法炸裂。が、吉江の重量に圧殺され、ダイビングボディプレスに完敗。

西村修 vs 後藤達俊
 なんと 60 分 3 本勝負。まさに無我イズム爆発の一戦。
 まずは西村ムーヴで後藤を翻弄するも、一瞬の隙を突いて後藤がバックドロップ一閃! そのまま 3 カウントで 1 本目を奪取。
 バックドロップのダメージが残る西村は防戦一方。場外で椅子攻撃やパイルドライバーまでも食らってしまい、万事休すか!?!?と云う局面、油断した後藤をクルクルッと丸め込んで首固めのまま 3 カウント。西村が 1 本を奪取してイーヴンに。
 息を吹き返した西村がアリキック、インディアンデスロック、足 4 の字固めと、後藤の足を集中的に攻撃。後藤もラフ・ファイトで応戦するが、西村の閃きの首 4 の字固めでレフェリー・ストップ(後藤のギヴ・アップ?)。


 最後は恒例の?無我の歌をバックに写真撮影。西村選手&吉江選手のお見送りで、無我茶をもらって帰宅となりました。

 なかなかに充実の内容だったと思います。「どこらへんが原点回帰なんだ?」と問われると困りますが、大技に依らない試合展開でも楽しめるあたり、無我の標榜するスタイルなんだと思います。とくにメインの 60 分 3 本勝負、懐かしさとともにゲーム性とプロレスの醍醐味が詰め込まれてたと思います。

無我ワールド・プロレスリング

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上方亭ライブ

2006/11/5 @上方亭

  • 桂 吉の丞 「時うどん」
  • 桂 こごろう 「阿弥陀池」改め「動物園」


 寝坊して、予定した用事を完遂できずにワッハ上方へ。会の前に 特別展「桂吉朝の魅力」 を堪能してたんですが、独演会のポスターなんか見てるとやっぱり感慨深いです。
 で、『上方亭ライブ』の方ですが、60 人以上は入ってたんじゃないでしょうか。大入り満員です。早めに行って良かった。


 まずは吉の丞。特別展の宣伝に「きょうの見どころは免許証です」。内弟子の年季が明けて借りたマンションの話や、ラジオ出演の話や、米朝が入院してたときの話など、マクラをたっぷり。
 ネタの「時うどん」はひとりヴァージョンで、きっちり吉朝の型。うどんの味(?)は兄弟子のあさ吉に軍配が上がるも、口跡が良くて人物の演じ分けも明瞭。もう少し整理されれば、もっと笑いが大きくなりそう。

 吉の丞の高座が終わって帰る客もいて、出てきたこごろうが「落語会を途中で帰ったお客さんの 80 % は‥‥」。吉朝の思い出話に、こごろう自身の初舞台で吉朝の会に行ったときの話と、イタズラ電話の話。そっから、以前に住んでたアパートでの話や、パチンコ屋で見たニューハーフの話、自動販売機での攻防など、こちらもマクラをたっぷりと。
 昔は情報源が新聞しかなかった‥‥と「阿弥陀池」へ入るも、「大阪のことやったらなんでも知ってます」「ほな訊くけども‥‥」でネタを忘れる。グダグダになりつつも、なんとか気を取り直して十八番の「動物園」に。出だしこそ演りにくそうな表情だったが、場面が動物園に移ってからはいつもどおりおもしろい。時間を気にしてか、やや走り気味だったが、トラの毛皮の臭さにファブリーズ要求、パチモンのチャック、首の皮をチャックで挟む、等のこまかいクスグリもしっかり。


 こごろうさんはどうなることかとヒヤヒヤしましたが、なんとか切り抜けられて、「動物園」もよくウケてたと思います。ただ、本人はさぞガックリされてるんではないでしょうか。

上方亭ライブ

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花形落語会

2006/11/4 @関西学院大学 上ヶ原キャンパス 第五別館 第四教室

  • 桂 あさ吉 「時うどん」
  • 桂 宗助 「七度狐」
  • 桂 米朝 《よもやま噺》
  • 桂 小米朝 「七段目」

※ 第 8 回


 とりあえず連休が空いたんで ねたのたね をチェックしてると、関西学院大学で小米朝さん、宗助さん、あさ吉さんと云う出番で 500 円の会が。ちょいと遠いが、大学祭の雰囲気も楽しめるだろうと出掛けることに。
 正門の案内テントで「落語会の会場はどこですか?」と訊くと「米朝さんの出られる会ですか?」と訊き返されてビックリ! サプライズ・ゲストがあるとは書かれてましたが、まさか国宝とは! なんとなく得した気分で会場へ。
 会場は 600 人ほど収容できる大講義室で、最終的にはほぼ満席になってたと思います。私は前から 5 列目あたりを確保。こう云う席に座ると、うつ伏せになって寝たくなったしまうから不思議。(パブロフの犬?)
 ちなみに、雀五郎さんが高座番のお手伝いに来られてました。


 主催の古典芸能研究部の部員による挨拶のあと、まずはあさ吉の「時うどん」を、師匠直伝のひとりヴァージョンで。サラ(落語が初めて)のお客さんが多いようで、うどんを食べたり汁をすすったりするだけで大きな笑いのうねりが。
 あちこちでいろんな噺家が「あさ吉のうどんは汁気が多くて美味そう」と云う話をしてたんで期待していたが、その期待を裏切らない汁気。ややとろみさえ感じられるその汁は、不味い方の屋台ですら美味そうに感じられる。(それはそれで問題?)

 つづく宗助は、ハメモノ入りの賑やかな噺をと「七度狐」。宗助はひさしぶりに観たが、あいかわらず安定感抜群。喜六と清八の対比もわかりやすく、わかりにくそうな言葉は平易にあらためるなど、客に合わせた親切設計。

 ここで米朝が宗助に手を引かれて登場。高座が文字どおりかなり高いため、座布団まで到達するのも大変そう。
 数ヶ月とは云え舞台から離れていたためか声量はやや物足りないが、口調はしっかりしたもの。昔話を交えつつつんぼの小咄を 2 題演ったところで太鼓が入って小米朝登場。親子で関学との関わり合いなんかをいろいろと。最後にどもりの小咄を。

 トリは小米朝。米朝骨折の顛末から、親子がどうの、道楽がこうのとマクラをつないで「七段目」へ。馴染みのある吉朝のとは細部がいろいろと異なり、団十郎の物真似なんかも入ってクスグリも新鮮。
 小米朝版では旦那も芝居通と見えて、赤い長襦袢をまとって二階から落ちてきた定吉が口走った「私には勘平さんと云う夫のある身」と云うセリフで忠臣蔵の一力茶屋の場面とわかる。旦那の「七段目で落ちたな?」から、定吉の「いいえ、てっぺんから」でサゲ。ここらは以前よりかなり整理されて自然な感じ。旦那が芝居通と云う伏線を上手く張れば完璧だろう。


 あさ吉さんで落語の基本を味わい、宗助さんで古典らしさを堪能し、米朝師匠で貴重な国宝を拝み、小米朝さんで華やかに。トータルで約 80 分と短めながら、それぞれ味の違った高座でたのしませてもらいました。なによりこれで 500 円ですから、お得な会です。落語初心者のお客さんも、お手軽にたのしめたんではないかと思います。
 ちょっと早めに終わったんで落語研究会の寄席を覗いていこうかとも思ったんですが、表に出てきてた落研部員の胸元がみなはだけてるのを見て、「自分もああやったんかなぁ‥‥」と、なんとなくげんなりしてそのまま素通りして帰ってしまいましたとさ。

新月祭 2006 大学祭実行委員会
 

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フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理
フェルマーの最終定理
サイモン・シン
青木薫 訳
(新潮文庫)

 工業高等専門学校(高専)は高校と短大が合体したような 5 年間一貫教育による工学系の学校で、こと数学に関してはかなり高度なところまで学ばされます。と云うのも、専門教科で必要となる数学理論・技術を早い段階から身につけておく必要があるからで、微積分なんかは専門教科の授業で「意味はそのうち数学で習うから、とにかくやり方だけ覚えなさい」ってな感じで無理から覚えさせられました。
 4 年生くらいになるといろんな定理の証明なんかも出てきて、講義を聴いてると高い山頂に向かってスーッと道が見えてくるような、目の前の霧がスーッと晴れてくるような、なんとも心地良かったのを覚えています。

 大学に編入してから、どこかで「フェルマーの最終定理が証明された」ってのは耳にしてましたが、「なんかスゴいな」とは思ったものの、そのときはとくに調べるまでもなく過ごしてしまってました。
 で、この 『フェルマーの最終定理』 を書店で見かけたのが今年の 6 月くらい。帯タタキの「『博士の愛した数式』副読本。」には「ちょっと違うやろ?」と首を捻りつつ、どのような過程で証明されたのか興味があり、読んでみようと思って買いました。


 まず、フェルマーの最終定理をご紹介。

【フェルマーの最終定理】

2 より大きい自然数 n (3, 4, 5, ‥‥) について,

  xn + yn = zn

を満たすような 0 以外の自然数の組み合わせ (x, y, z) は存在しない.

 定理自体は非常にシンプルです。ただ、これがフェルマーの残したメモに「余白が狭すぎるのでここに証明を記しことはできない」とだけ書かれていて、以来 300 年以上証明されずにいたと云うものです。

 似たような定理に、ピュタゴラスの定理があります。

【ピュタゴラスの定理】

直角三角形の斜辺の長さを c とし,残りの 2 辺の長さをそれぞれ ab とするとき,

  a2 + b2 = c2

となる.

 これは小学校か中学校で習う定理です。この定理はどのような直角三角形に対しても成立し、さらに (a, b, c) の組み合わせが自然数となるものがあることも知られています。(たとえば (3, 4, 5) (5, 12, 13) など)

 シンプルなのに証明できないと云うことで多くの数学者を魅了してきたフェルマーの最終定理が 20 世紀末、すなわち我々の生活している今の世の中で証明された、このことだけでもなんだかワクワクしてきませんか?
 この本では、まず前半で数学を取り巻く歴史をおおまかにたどりながら、後半でフェルマーの最終定理が証明されるに至った歴史をつぶさに紹介されています。そのなかに日本人も登場し、世界の歴史に日本も貢献したんだなぁあと思うと感慨もひとしおです。
 ときおり数式も出てきますが、難しい証明の内容、とくにフェルマーの最終定理に関しては、ごく簡単にとどめられています。それよりも、証明に関わった人々、とりわけ最終的に証明を完成させたアンドリュー・ワイルズのドラマにスポットが当てられます。証明の内容はわからなくとも、それが徐々に構築されてゆく様は圧巻で、この本のクライマックスとなっています。
 フェルマーの最終定理が証明されたあとの数学界については、余談のようで、しかも後味の悪い内容でもあり、ややダレ場にも感じられますが、それだけフェルマーの最終定理の証明が崇高な業績だっんだと云えるでしょう。


 数学嫌いの方にはオススメできませんが、そうでない方にはぜひ読んでいただきたい 1 冊です。とくに理系出身の方には興味深く読めるのではないかと思います。

 で、帯タタキの「『博士の愛した数式』副読本。」ですが、本文中に完全数に関する解説があって、あながち違うとも云い切れんかなぁ‥‥とは思いました。

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繁昌亭夜席 木よう寄席

2006/11/2 @天満天神繁昌亭

【月亭八方プロデュース】

  • 月亭 八方 《ごあいさつ》
  • 八方、八光 《ステレオ立体落語》 「つる」
  • 米平、遊方、八天、竹丸 《はなしか団地》 「時うどん」
  • 月亭 八方 「軒付け」
    ―― 中入り ――
  • 《爆笑レトロ大喜利》


 東京遠征がオジャンになって、体調も回復傾向ってことで「なんぞないかいな?」とチェックしてみれば、東京行きがなければ観たかった八方プロデュース興行! これは行かねばと急遽、前売り券を手配しました。
 開場 10 分前到着するも、すでに長蛇の列。普段お見かけするようなお客さんはごく少なめ。客席はほぼ満席、当日券用に補助席も出ていっぱいの入りです。ええ感じ。


 まずは八方プロデューサー自らごあいさつ。マクラ代わりの楽屋噺(西川きよしと若井みどりのネタ)でかるく客席をあっためて番組案内を。

 入れ替わりに八光が登場し、八方との親子共演にて《ステレオ立体落語》の「つる」。八光が喜六を、八方が甚兵衛と竹を演じる。立体落語はわかるが、どこらへんがステレオなんかと思ってたら、甚兵衛が上手袖から、竹が下手袖から出てくる、つまり八方が羽織を着たり脱いだりしつつ舞台を右往左往するんでステレオ。
 普通の「つる」では喜六がボケ役だが、ここでは喜六は進行役で、甚兵衛や竹がボケると云うスタイル。八光の早口がやや気になるも、とにかく八方がたのしそう。

 つづく《はなしか団地》は、いわゆる《鹿芝居》(噺家による芝居)で、こちらは「時うどん」。遊方(はずれ屋)、八天(あたり屋)の八方門下に、米平(喜六)、竹丸(清八)が助っ人出演。最初に八天が昔の時刻の解説を。
 とにかく米平の喜六が秀逸。袖を引いてもうどんをくれない清八に業を煮やした喜六が、清八の帯をつかんで文字どおり引きずり回す。ようやく手にした鉢にはうどんが 3 本。名残惜しそうに最後の 1 本は半分にして食べる。次の日も、ひとりでぶつぶつ話す喜六を不審がるはずれ屋に「心清き者には見えたある」を連発。残った 3 本には「う」「ど」「ん」と名前を付ける。もともと喜六が中心になる噺だが、ここまでヘンなんは初めて。鹿芝居ならではのにぎやかな舞台に。

 中トリに八方が落語を。マクラでは、長唄を習ってるって話から、東京と大阪の気質や言葉の違いについて。東京で割り込み乗車に注意する「ならびなよ」ってのが「わらびもち」に聞こえるってのが大ウケ。考えてみると「○らび○○」しか合ってなくてかなり無理があるのに、八方の語り口でそうも聞こえそうと思えてくるから不思議。
 五色太夫をあらわした狂歌「まだ青い 素人太夫が 玄がって 赤い顔して 黄な声を出す」を紹介し、「軒付け」をきっちり基本に忠実に。登場人物がいきいきとしてて、八方の息と間がやっぱりおもろい。

 中入りを挟んで、出演者全員による爆笑レトロ大喜利。(しかしこのタイトル、かなりハードル上げてると思ったのは私だけ?) 並び順は下手側より、司会の八方、米平、竹丸、八天、遊方、八光。まずは八方が下手側より順に出演者紹介するが、ここからすでにおもしろい。
 最初のお遊びは、八方の人となりを紹介する数え歌。予想どおりクサされるが、そのたびに「帰らしてもらいます」。そんななか、遊方の「し~でシ~モは弱ってる」に食いつき、以後、これをネタに張り扇で遊方をシバきまくり。
 次のお遊びはベンベン。八方はとにかくこれが演りたかったようで、最初の音合わせからノリノリで遊びまくり。ネタ自体はグダグダな感もあったが、ここでも遊方がシバかれまくりでええスパイスに。


 とにかく八方さんがええノリで、なにかと云うと「身内が来てんねから」を連発しつつ、終始たのしそうな様子でした。
 夜席にしては 2 時間とやや軽めながら、それでもお好み演芸会のおもむきでたのしいひとときに。数日前まで体調をくずしてた身としては、ええリハビリになりました。

 八方さんの独演会もご無沙汰ですから、繁昌亭を期にまた独演会をしてもらいたいです。朋友のきん枝さんにもお願いしたいところ。ここらのテレビでおなじみの方々の会ってのはやっぱり落語界の活性化、落語ファンの開拓に効果ありだと思います。

天満天神繁昌亭

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