花形落語会
2006/11/4 @関西学院大学 上ヶ原キャンパス 第五別館 第四教室
- 桂 あさ吉 「時うどん」
- 桂 宗助 「七度狐」
- 桂 米朝 《よもやま噺》
- 桂 小米朝 「七段目」
※ 第 8 回
とりあえず連休が空いたんで ねたのたね をチェックしてると、関西学院大学で小米朝さん、宗助さん、あさ吉さんと云う出番で 500 円の会が。ちょいと遠いが、大学祭の雰囲気も楽しめるだろうと出掛けることに。
正門の案内テントで「落語会の会場はどこですか?」と訊くと「米朝さんの出られる会ですか?」と訊き返されてビックリ! サプライズ・ゲストがあるとは書かれてましたが、まさか国宝とは! なんとなく得した気分で会場へ。
会場は 600 人ほど収容できる大講義室で、最終的にはほぼ満席になってたと思います。私は前から 5 列目あたりを確保。こう云う席に座ると、うつ伏せになって寝たくなったしまうから不思議。(パブロフの犬?)
ちなみに、雀五郎さんが高座番のお手伝いに来られてました。
主催の古典芸能研究部の部員による挨拶のあと、まずはあさ吉の「時うどん」を、師匠直伝のひとりヴァージョンで。サラ(落語が初めて)のお客さんが多いようで、うどんを食べたり汁をすすったりするだけで大きな笑いのうねりが。
あちこちでいろんな噺家が「あさ吉のうどんは汁気が多くて美味そう」と云う話をしてたんで期待していたが、その期待を裏切らない汁気。ややとろみさえ感じられるその汁は、不味い方の屋台ですら美味そうに感じられる。(それはそれで問題?)
つづく宗助は、ハメモノ入りの賑やかな噺をと「七度狐」。宗助はひさしぶりに観たが、あいかわらず安定感抜群。喜六と清八の対比もわかりやすく、わかりにくそうな言葉は平易にあらためるなど、客に合わせた親切設計。
ここで米朝が宗助に手を引かれて登場。高座が文字どおりかなり高いため、座布団まで到達するのも大変そう。
数ヶ月とは云え舞台から離れていたためか声量はやや物足りないが、口調はしっかりしたもの。昔話を交えつつ
トリは小米朝。米朝骨折の顛末から、親子がどうの、道楽がこうのとマクラをつないで「七段目」へ。馴染みのある吉朝のとは細部がいろいろと異なり、団十郎の物真似なんかも入ってクスグリも新鮮。
小米朝版では旦那も芝居通と見えて、赤い長襦袢をまとって二階から落ちてきた定吉が口走った「私には勘平さんと云う夫のある身」と云うセリフで忠臣蔵の一力茶屋の場面とわかる。旦那の「七段目で落ちたな?」から、定吉の「いいえ、てっぺんから」でサゲ。ここらは以前よりかなり整理されて自然な感じ。旦那が芝居通と云う伏線を上手く張れば完璧だろう。
あさ吉さんで落語の基本を味わい、宗助さんで古典らしさを堪能し、米朝師匠で貴重な国宝を拝み、小米朝さんで華やかに。トータルで約 80 分と短めながら、それぞれ味の違った高座でたのしませてもらいました。なによりこれで 500 円ですから、お得な会です。落語初心者のお客さんも、お手軽にたのしめたんではないかと思います。
ちょっと早めに終わったんで落語研究会の寄席を覗いていこうかとも思ったんですが、表に出てきてた落研部員の胸元がみなはだけてるのを見て、「自分もああやったんかなぁ‥‥」と、なんとなくげんなりしてそのまま素通りして帰ってしまいましたとさ。
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コメント
山葵さん、こんにちは!
落語では、落語初めてのお客さんを
「サラのお客さん」というのですね。
初めて知りました。「まっさらのDVD」とかで、
使ってる、「まっさら」→あたらしい、というのから
来ているんでしょうね。
おもしろいですね。
投稿: 丁稚定吉 | 2006.11.05 11:28
会の途中で、上手のシマ・通路側前から4〜5列めにいらっしゃるのをお見かけしましたが、帰りのどさくさの時に御姿を見失いました。
私は反対側、中央のシマの下手通路側・前から3列めにおりました。ご挨拶なしで恐縮です。
投稿: 高岳堂 | 2006.11.05 21:36
>> 丁稚定吉 さん
噺家さんもよく高座で使ってはるんで、昔からの符丁なんでしょうね。
>> 高岳堂 さん
そうそう、そこらあたりです。
私も開演前に「誰か来てるかな?」と見回してみたんですが、あまりに人が多かったんですぐにあきらめてしまいました。
投稿: わさび | 2006.11.05 22:30