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年越しオールナイト落語会

2006/12/31 ~ 2007/1/1 @天満天神繁昌亭

    【今年の新作コレクション】
  • 桂 あやめ (2006 年総集編の噺) (作:桂あやめ)
  • 桂 三風 「テレショップパニック」 (作:桂 三風)
  • 桂 福楽 《ベース漫談》
  • 笑福亭 仁智 「ハードラック」 (作:笑福亭仁智)
  • 露の 五郎兵衛 「掛け取り」
    ―― 中入り ――
    【珍品ネタ特集】
  • 旭堂 南湖 「はてなの原発」 (作:旭堂南湖)
  • 笑福亭 生喬 「花の都」
  • 笑福亭 猿笑 《珍芸》
  • 笑福亭 松枝 「除夜の雪」
    ―― 中入り ――
  • 《108 つ!除夜の鐘小咄》
  • 《カウントダウン!》
    ―― 中入り ――
    【新年余興大会】
  • 上方笑女隊 「ダンス・ペコリナイト」
  • 舞踊隊 「せつほんかいな」
  • 露の 都 《都の今年を占う!》
  • ヒロポンズ・ハイ 《ライヴ》
    ―― 中入り ――
    【干支落語特集】
  • 林家 染左 「五段目」
  • 笑福亭 仁勇 「動物園」
  • おしどり 《音曲漫才》
  • 桂 三枝 《御挨拶》
  • 月亭 遊方 「絶叫ドライブ ~彼女を乗せて~」 (作:月亭遊方)
  • 林家 小染 「二番煎じ」
  • 桂 ざこば 《御祝儀》
    ―― 中入り ――
    【福笑いタイム】
  • 《年男大喜利》
  • 笑福亭 たま 「Smell」 (作:たまよね)
  • 姉様キングス 《音曲漫才》
  • 笑福亭 福笑 「珍宝堂奇譚」 (作:笑福亭福笑)
  • 《お年玉争奪クイズ合戦!》


 年末最後のイヴェント、『年越しオールナイト落語会』が会場を茶臼山舞台から繁昌亭に移して開催。キャパが 5 倍になっても前売り完売。準備万端で挑みました。ちょっと長くなりますが、時系列でご紹介。


 まずは総合プロデューサーのあやめがごあいさつ。2006 年の出来事を盛り込んだ新作を。闇金からの借金の形に臓器を取られる噺家の噺。短いながらもテンポ良く、上々のオープニング。

 つづく三風は観客参加型落語「テレショップパニック」を正月ヴァージョンで。テレビのテレホン・ショッピングが押し売りに来る噺で、練習から観客のノリが良く、三風もたのしそう。

 福楽はベース漫談。「ベースですから、弾く(引く)芸です」と、客が引くようなネタを連発。上方落語協会誌『んなあほな』編集委員会の暴露話や、自身の躁鬱病ネタと、独特のテンポで。最後に“涙そうそう”の替え歌の“鬱躁々”で締め。

 仁智は福楽のあとで演りにくそう。「ハードラック」は不運を苦にして自殺を試みるもそれすらとことん成功しない男の噺。死刑執行直前に掛かってくる電話にやきもき。

 五郎兵衛は暮れの噺で「掛け取り」。貧乏長屋を訪れる掛け取りの好きなものは、芝居、芝居、喧嘩。最初はたっぷり芝居の真似事、つぎは面倒なんですぐさま追い返すと云うめずらしい型で。

 中入りを挟んで、南湖は「はてなの原発」。音羽の滝の前の茶店で茶道具屋の金兵衛が隣に建っている原子力発電所を見ながら茶を飲みつつ「はてな?」。マクラから危ないネタを連発。快楽亭ブラックの影響か?

 生喬の「花の都」は、無精な男が能勢妙見山へ御百度詣りし、鼻を高くする扇と低くする扇を手に入れる噺。ばかばかしい展開ながら、ハメモノも入って賑やかに。

 猿笑は御座敷芸をいろいろ。小道具を使って見立てをしたり、生喬を相手に野球拳をしたり。「最後に『奴さん』を」と、踊るのかと思わせて、道具屋筋で買ってきた冷や奴の見本を。ばかばかし過ぎてたのしい。

 松枝は大晦日の寺を舞台にした「除夜の雪」でしんみりと。

 臨時休憩を挟んで小咄大会。参加者が入れ替わり立ち替わり小咄を披露し、銅鑼を打つ。これを 108 つ。遊方がウルトラマン・シリーズでがんばり、福楽は鬱病ネタを引っ張る。シスター・スリーゴールドも登場。

 小咄が年越し前に無事終了してカウントダウンに突入。が、ここらからグダグダに。スポンサーの意向で、今回はビールでなくお茶で乾杯。これだとちょっと盛り上がりに欠ける気が‥‥。

 中入りを挟んで余興大会。上方笑女隊(都、あやめ、三扇、山澤由江、おしどりマコ)が“PECORI NIGHT”で揃わないダンス。勢いで賑やかに。

 舞踊隊(生喬、染雀、染左)の踊りは「せつほんかいな」。最後に両脇で染雀と染左が逆立ちし、猪の人形をかぶった生喬が大見得を切って決め。

 引き幕の前で都が年男の福楽、三金、阿か枝を占う時間つなぎコーナー。みな北へ行ってから西へ行かねばならないよう。

 余興のトリはヒロポンズ・ハイのライヴ。メンバーは、福笑(Vo)、福楽(B)、あやめ(Per/Acc)、岐代松(Ds)、遊方(G)、染雀(Key)、市楼(G)で、オリジナルの“上方落語ハッピー・ソング”と、“Johnny B. Good”の上方落語ヴァージョンを熱唱。

 中入りを挟んで、猪の出てくる噺特集。まずは染左が「五段目」。十一屋のご隠居の古希の祝いで長屋連中が芝居をする噺で、忠臣蔵の五段目からを八段目までを演ると云う趣向。上方で演るのは師匠の染丸と染左くらいだそうで、後半の素人芝居のくだりで笑える場面が減るからだろう。

 仁勇の「動物園」は干支が順番に出てきてそれにちなんだ小咄をすると云う趣向で、雇われた男がイノシシに扮する。最後にイノシシとトラの対決となり、トラのなかから‥‥と云う展開に。なかなかおもしろい趣向。

 おしどりはいつものワイヤー・アートをまじえた音曲漫才。新趣向の阿呆陀羅経や、観客からイノシシのリクエストもあり、賑やかな色変わりに。

 ここで飛び入りの三枝が登場して「新年、あけまして、いらっしゃ~い!」。挨拶のみだが、会場もひときわ盛り上がる。

 遊方は新作「絶叫ドライブ ~彼女を乗せて~」。免許取り立ての男が新車に彼女を乗せて海へ行く噺。国道や高速にまでイノシシが登場。勢いに乗ったままラストまで。

 小染は猪肉ボタン鍋の出てくる「二番煎じ」をきっちりと。

 またも飛び入り。こんどは泥酔状態のざこばが登場し、茶碗酒を飲みながらのおしゃべり。還暦やら 9 月生まれの観客に手拭を大放出。

 中入りを挟んでの《福笑いタイム》は年男による大喜利から。三金を司会に、下手から三ノ助、染左、阿か枝、由瓶(飛び入り)、三弥、福楽の並び。風船ゲームと一から十を。ツッコミボケの阿か枝と、マイペースな福楽が秀逸。

 たまはショート落語から「Smell」へ。途中でハメモノが合わず止めかけるも、なんとか最後まで。

 姉様キングスは繁昌亭初登場。松竹梅の都々逸から、映画『寝ずの番』でメジャーになった(?)ちょんこ節を。かなりきわどいネタも。

 大トリの福笑は前回と比べると酒量は控え目の様子。ネタは深い時間帯向けの「珍宝堂奇譚」。自分のイチモツに自信を持てない男が、モノを取り替えてくれると云う珍宝堂へ‥‥と云う噺。たっぷりと。

 最後はお年玉ギャラ争奪クイズ合戦。観客不在でグダグダに。


 12/31 の 21 時開演で 1/1 の 3 時終演の予定が、きっちり遅れて 4 時半終了で 7 時間半の長丁場に。2006 年のテンポの良さに比べ、2007 年に入ってからのゆるぅ~いグダグダ感が心地良かったです。番組構成も出演者もバラエティに富んでいて、とにかく賑やかな会でした。
 番組の目玉は《福笑いタイム》だと思うんですけど、どのコーナーもおもしろかったです。そのなかでも福楽さんが鬱病ネタで引っ張りまくってウケまくってました。
 前回は茶臼山舞台に寿司詰め状態で《荒行に挑む修行僧》の心持ちでしたが、今回は繁昌亭と云うことで比較的ゆったり座れて楽でした。長時間の興行ですから、ここらは重要なポイントだと思います。次回はどうなる!?!?

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