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Meet the Theatre Performance

2007/3/30 @Apple Store Shinsaibashi

  • 《プレゼンテーション》
  • 桂 しん吉 「103 系の嘆き」 (作:桂しん吉)
  • 《トーク》

※ #2 featuring 桂しん吉(落語家)

 in→dependent theatre での公演のプロモーション活動の一環。無料で、しかも未見のしん吉さんの「103 系の嘆き」が観られると云うことで行ってきました。
 Apple Store Shinsaibashi は、もちろん Mac や iPod なんかの展示・販売・サポートをおこなってる店舗ですが、2 階の奥に 100 インチくらいのスクリーンと 20 席くらいのシートがあり、ちょっとしたイヴェントができるスペースになってます。ただ、店内の BGM や呼び出しなんかが丸聞こえなんで、正味の演劇なんかには向いてませんね。
 今回のイヴェントを観るために来てたのは 8 人。事前告知が少なかったか?


 相内唯史(at will)プロデューサーによる in→dependent theatre についてのプレゼンテーションのあと、しん吉が登場。電車に対する想いをマクラに「103 系の嘆き」へ。

 「毎日々々、同じところをぐるぐる回って退屈な‥‥」とボヤいてる環状線の列車に、「どないしましてん?」と話しかけてきたのが地下鉄御堂筋線の列車。それぞれにボヤくことがある‥‥ってな噺。
 しん吉が撮影した写真をバックに、どんどんと減ってきてる JR 103 系、中津行きは地上に出られない、等々、それぞれの(マニアックな)ボヤキが次々と。ドアの開閉の音真似もたのしい。なんと云っても、しん吉の電車への愛が感じられてほほえましい。

 最後にしん吉と相内氏によるトーク。制作時のエピソードなどを。


 トータル 30 分チョイのイヴェントでしたが、なかなかにたのしめました。
 解放されたスペースでの無料イヴェントでしたが、一般のお客さんがふらっと観に来られると云うことはありませんでした。ここらは店舗側にもう少し協力してもらって、イヴェントの音声を店舗内に流すなど、少しでも観に来てもらえるような工夫が必要だったかもしれません。

in→dependent theatre Group
しん吉くん、いろいろと大変ねぇ。
at will

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笑福亭猿笑 五夜 (第四夜)

2007/3/29 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭 和光 「ぜんざい公社」
  • 桂 こごろう 「阿弥陀池」
  • 三遊亭 圓馬 「鰻屋」
  • 柳家 さん喬 「棒鱈」
    ―― 中入り ――
  • 桂 春雨 「子ほめ」
  • 笑福亭 猿笑 「吉住万蔵」


 腹ごしらえして夜席へ。猿笑さんの 5 夜連続の会で、この日は江戸落語特集。そのわりには何故かこごろうさんが‥‥。入りはええ感じにいっぱいで。


 開口一番は鶴光の弟子で和光。大阪弁のような東京弁のような、中途半端な感じ。ネタの「ぜんざい公社」はなかなかだと思うが、どっちつかずのしゃべりが気になる。もったいない。

 つづくこごろうは 2 度目の繁昌亭。ごくごく軽いマクラから「阿弥陀池」を。「阿弥陀が行け」「ヌカに首」に続けて「デコに小判」「叔母の耳に餞別」と続き、近所に米屋が見つからないと「この町内、パン食か?」と云うのがこごろう版。
 以前『上方亭ライブ』で、途中でネタを忘れたことがあったため、観てるこっちがヒヤヒヤ。そんなこっちの気持ちをよそに、軽快で快調な高座に。

 次は江戸から圓馬。いろいろとマクラをつなぎ、酒飲みの話から「鰻屋」へ。江戸落語らしい気っぷの良さとテンポで心地良し。

 中トリのさん喬に、ここでも客席から大向う。ボショボショしたしゃべりのマクラから酒飲みの話へつないで「棒鱈」へ。田舎の御大尽の変な言葉遣いや変な唄もさることながら、酔漢の演じ分けがお見事で、大げさ過ぎないギリギリのラインを行ったり来たりと云うさじ加減が絶妙。

 中入りを挟んでの春雨は、酒井とおるのアクが抜けた感じ。同じように病弱キャラで、そんなマクラから始まった「子ほめ」は、なんともほんわかした印象。

 トリの猿笑にも大向うがかかる。「吉住万蔵」は講釈ネタを三遊亭圓生が落語化したもの。とある宿で、そこの娘のお稲が弾く三味線に合わせて小鼓を打った万蔵は、江戸で三味線の修行をすすめる。家の事情で断るお稲に、万蔵は自分が小鼓を打ちに来ると約束する。しばらく忘れていた万蔵が、思い出したようにその宿へ行くと、お稲は亡くなっていた。‥‥
 やや怪談じみた噺を飄々と。もう少し情感がほしい気も。万蔵とお稲が吉原で再開すると云う後半は、来年の『猿笑 五夜』で。


 堪能したなぁ‥‥って感じの会でした。とくに中入り前の江戸落語の 2 席が充実。本当に上手い人に限って云えば、落語に東西の壁はないですね。十分に伝わってきます。

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繁昌亭昼席

2007/3/29 @天満天神繁昌亭

  • 桂 三四郎 「つる」
  • 笑福亭 たま 「兵庫船」
  • 林家 花丸 「鉄砲勇助」
  • 揚野 バンリ 《お笑い曲芸》
  • 桂 春駒 「犬の目」
  • 柳家 さん喬 「井戸の茶碗」
    ―― 中入り ――
  • 露の 新治 「ちりとてちん」
  • 桂 小春團治 「アルカトラズ病院」 (作:桂小春團治)
  • 桂 米八 《曲独楽》
  • 森乃 福郎 「滑稽清水」


 先に夜席の前売りを買ってたんですが、昼席にもさん喬師匠が出演と云うことで、繁昌亭カードの特典で昼席を予約しました。
 昼席は初めてだったんで早めに列びましたが、入場待ちの行列がどんどん伸びて、天神さんの境内までズラ~ッと。もちろん大入り満員です。さん喬師匠を目当てに遠方から来られた方も少なからずおられ、期待感が高まります。


 開口一番は初めて観る三四郎。マクラのしゃべりはややかたさが感じられるも、噺に入れば口跡も良く、なかなかええ感じ。「つる」をコンパクトに。鶴の名のいわれを訊ねられて困惑し、恥ずかしそうに説明する甚兵衛の表情がなかなか。

 つづくたまは、繁昌亭では毎日「いらち俥」ばかり、と云っていたが、あとの出演者のネタとのバランスからか、ハメモノの入る「兵庫船」を。謎掛けの場面から喜六の「やりますー!」の繰り返しがたのしい。両手でフカの口を表現し、扇子を船に見立てるあたりは、たまらしいヴィジュアル効果。
 ガッチリ繰られてて淀みなく進むも、時間の都合か全体にテンポが速めで笑う隙が詰まってしまってたのがもったいなくも。とくに前の方の出番では、ここらのバランスも難しそう。

 花丸はおなじみのマクラから嘘つきコンクールの話へとつないで「鉄砲勇助」へ。甚兵衛(的男)と喜六(的男)との会話だけだが、山賊の声色をそれぞれ変えたり、大岩が厚さ 1 mm だったりと、クスグリにもこまかく手を入れてるあたりは花丸らしい。イノシシのくだりまで。

 ここで色物、揚野バンリのお笑い曲芸。身近なものを使ったジャグリングを中心に、ゆる~い雰囲気のトークを交えながら。ファミリー層向けって感じで、ほんわかしててたのしい。

 ひさしぶりに観る春駒は、軽めのネタで「犬の目」。ひさしぶりの患者にほくそ笑んだり不安になったりする眼科医が秀逸で、あまりにひさしぶりすぎて「うち、目医者? 前田、前田。ワシ、目医者?」と、患者や助手に訊きまくり。

 中トリのさん喬に、客席から「待ってました!」と声がかかる。それをさらりと受け流し、いろいろとマクラをつないで「井戸の茶碗」へ。浪人の千代田朴斎と細川藩士の高木作左衛門との間で、仏像をめぐって屑屋の清兵衛が右往左往。登場人物それぞれの性格や微妙な喜怒哀楽が見事に表現されており、すばらしい一席。客席の子どもが泣き出してもアドリブでクスグリにしてしまうあたりに、経験と貫禄が感じられる。

 中入りを挟んで、新治は生で観るのは初めてだが、口跡良く小気味良い。やや神経質そうな声色(スネ夫が大人になったような声)がまたおもしろく、独特の雰囲気。
 「ちりとてちん」は知ったかぶりの清八の表情がコロコロ変わってたのしい。最後はちりとてちんを皿に取って、行きがかり上かっ込んでビールで流し込む。エグい!

 つづく小春團治はいつもマイペース。医者のマクラから自作の「アルカトラズ病院」を。不良患者の吹きだまりと云われる病院から脱走する噺。婦長の気に障ることをすると罰として面会禁止にされると云うのがおもろい。
 この噺、「犬の目」とネタが付くかと思ったが、趣向が違うから OK なのか? それとも、中入りを挟んでれば OK なのか? もっとも、個人的には同趣向の噺でもかまわないと思うが。

 ここで色物、米八の曲独楽。手慣れた芸に感心。

 トリの福郎は「滑稽清水」。京都に住まう目の不自由な作の市が、近所の人から嫁のおとわが浮気していると聞き、真偽を見届けるために目が開くよう清水寺へ御百度詣りする‥‥と云う噺。もの悲しい内容ながら、福郎の語り口はどこまでも軽く、サゲのばかばかしさがおかしみに。その後を描かないのも落語ならでは。


 初昼席でしたが、好番組で全体の流れも良く、ええ感じで落語をたっぷり楽しませてくれる、そんな雰囲気でした。さん喬師匠を観られたってのもお得感ありましたし、大満足でした。
 終演後、繁昌亭の向かいの樹林亭で腹ごしらえ。でっかいカツの載ったカツカレーに、おなかも大満足。

天満天神繁昌亭

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上方落語をきく会

2007/3/26 @朝日生命ホール

  • 笑福亭 呂竹 「色事根問」
  • 笑福亭 たま 「Hospital」 (作:たまよね)
  • 笑福亭 三喬 「仏師屋盗人」
    ―― 中入り ――
  • 桂 つく枝 「堪忍袋」
  • 桂 文珍 「天神山」

※ 第 108 回


 某 C さんの当選ハガキにへばり付いて入場。こう云う公開収録は多めに配布されるもんですが、立ち見も出る盛況に。
 ちなみに、司会は前半が三代澤アナ、後半が芦沢アナでした。


 開口一番の呂竹は「色事根問」。何度か観てるがこなれた感じ。《金》のところで貯めた金額をたずねられ、「あ~こわっ! もうちょっとで云うとこやった」の引っ張りがたのしい。

 つづいてたまの「Hospital」は、入院した病院での爆笑怪奇譚。たまよね作品でもよく掛けられてるネタで、かなり整理されている。笑い所の連続で笑いのパターンも多く、繰り返しとの相乗効果でよくウケる。あらたにエグいクスグリの追加も。

 中トリの三喬は得意の泥棒噺で「仏師屋盗人」。盗人に入られても胆が座ってる仏師屋と、ちょっととぼけた盗人とのやり取りがたのしい。とくに立場の逆転がスムーズで、ありそうに思えるから不思議。

 中入りを挟んで、つく枝が夫婦の実生活をマクラに「堪忍袋」。夫婦喧嘩の原因探しもさることながら、堪忍袋が完成して思いの丈をはき出すくだりは実生活を交えて。身近にもありそうなテーマで笑いも多く。

 トリの文珍は独特の雰囲気でマクラから観客をつかみ、「天神山」をたっぷりと。最後はナレーション中心でまとめ、後口もあっさりと。


 さすがに番組収録とあって、みなさん気合いの入った安定感のある高座で、たっぷり 5 席と云った感じでした。満足度は非情に高かったです。もっとも、このメンツでおもしろくならないハズはないと思いますが。とくに、たまさんの新作がよくウケてたってのがうれしくもあり、でした。

ABC ラジオ

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福楽の底力

2007/3/25 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 笑福亭 松五 「大安売」
  • 桂 福楽 「道具屋」
  • 桂 坊枝 「天王寺詣り」
  • 桂 福楽 「鹿政談」

※ Vol. 8


 安養寺から JR で難波へ移動。お客さんは 30 人ちょいでなかなかの入り。安養寺からのハシゴの方もチラホラ。
 仮チラシでは笑福亭岐代松さんがゲストと云うことでしたが、足を骨折して入院されてるそうで、坊枝さんが代演。


 松五はマクラでしどろもどろに。まだまだ高座慣れしていないか。ネタの「大安売」は、こちらは安心して聴いてられるほど安定。きっちりと。

 代演ゲストの坊枝は「がまの油」を演ろうと来場するも、福楽から「御彼岸やし、「天王寺詣り」でもいいよ」と暗にプレッシャーを掛けられ、ネタの選択を観客の挙手にゆだねて(ネタ選択の責任を観客に転嫁して)「天王寺詣り」に。急遽予定変更ながら、メリハリもあってトントントンと小気味良く。

 福楽の 1 席目は「道具屋」。前座ネタゆえ大胆な遊びを期待するも、案外オーソドックスに。道具屋をやることになった男のとぼけた具合が福楽らしい。掛け軸の《コイの滝のぼり》の絵を見て《そうめんを食うボラ》と間違える場面で「私もおかしいと思たんです。そうめん食べてるとこにしたら、どこにもおつゆが描いてない」には爆笑。
 2 席目は「鹿政談」。三都(江戸・大阪・京都)の名物を詠んだ歌から、奈良の紹介へとつないで小咄をいろいろと、教科書どおりごくごくきっちりと。心地良く聴く。


 意外と云っては失礼かもしれませんが、福楽さんの独特なゆるさをともなった普通な高座 2 席を堪能。とくに「鹿政談」はひさしぶりにきっちり聴いた気がします。

 次回は 5 月 19 日(土)です。

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安養寺寄席

2007/3/25 @安養寺

  • 笑福亭 たま 「佐々木裁き」
  • 笑福亭 呂竹 「牛ほめ」
  • 笑福亭 たま 「寝床」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 たま 「池田の猪買い」

※ 第 4 回


 某 C さんと安養寺へ到着すると、会場から笛の音が。入ってみると、たまさんが練習されてました。以前、2 か月ほど習ってたそうですが、この日が再開 4 日目とのこと。開演前にも練習、二番太鼓や中入り前後のシャギリでも微妙な笛の音。おそらく 6 月の『たまのお囃子のお噺』対策と思われます。今後の研鑽に期待。
 これまでよりもやや少なめの入りで 40 人くらい。微妙な天候も影響したかも。出囃子の CD を忘れたそうで、この日は THE BEATLES が出囃子代わりに。なんとなく茶臼山舞台の雰囲気に。


 2 日前に(おそらくたまが笛を吹きたいがために)緊急招集された呂竹は、たまの出番に挟まれて。リラックスした感じで軽いマクラから「牛ほめ」。丁寧に、きっちりたっぷり。

 たまの 1 席目は「佐々木裁き」。前半の子どもたちの御奉行事、喧嘩を裁かれている子どもが饅頭を賄賂に許してもらおうとするも、それを奉行役の四郎吉がたしなめて逆に百くすぐりの刑に処する。これを見ていた奉行の佐々木信濃守が、四郎吉を使って与力・同心に説教を試みる‥‥と云う筋立てに。
 まだまだ演り慣れていないところが見られ、これまでに追加していたクスグリとの交通整理も必要だが、無理のない展開への再構成がたまらしい。とくに信濃守と四郎吉との問答で、信濃守が与力の身分を訊ねる場面が自然な流れに。

 2 席目は「寝床」。何度か高座に掛けることで、ややこなれてきた感じ。自分の浄瑠璃に自信をなくして放心している旦那はあいかわらず秀逸だが、娘の取りなしで徐々にその気になってくる様子にもうひと工夫ほしいところ。
 寝ている(実際は失神していた)番頭を起こして旦那が「(浄瑠璃の)節はどうやった?」と訊くと、番頭が「(身体の)節々が痛い」でサゲ。これは初演時にはなかったが、わりとスッキリまとめた感じ。

 中入りを挟んで 3 席目は「池田の猪買い」。この噺は変えようがないそうで、クスグリに手を入れる程度で。それでもたまらしいにぎやかさで、全体にたのしい雰囲気が。
 訳のわからんことばかり云う男が猪肉を買いに来た客だとわかった六太夫がつぶやく、「鼻の黒いダダケモンが暴れ込んできたんかと思うたわ」と云うセリフがツボに。


 たまさんはたっぷりの 3 席、それに呂竹さんが色を添えた格好で、2 時間オーバーの会に。これで 1,000 円ですから、お値打ちの会です。贅沢を云えば、たまさんは軽く笑えるのを 1 席入れてもらえれば全体のバランスが取れるように思います。
 このあと、難波へ移動して福楽さんの会へ。

らくごの玉手箱

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新世紀落語の会

2007/3/21 @天満天神繁昌亭

  • 桂 かい枝 「ハル子とカズ子」 (作:桂かい枝)
  • 林家 花丸 「お父っつぁんは魔法使い」 (作:小佐田定雄)
  • 桂 小春團治 「アーバン紙芝居」 (作:桂小春團治)
    ―― 中入り ――
  • 桂 三風 「農と言える日本」 (作:桂三風)
  • 桂 雀三郎 「雨月荘の惨劇」 (作:小佐田定雄)

※ 第 31 回


 かわいらしいイラストのチラシで会のことは以前から知ってたんですが、今回初めて行きました。祝日の夜公演にもかかわらず、ほぼ満席です。


 まずはかい枝。東京と大阪の女性の違い、とくにおばちゃんの違いをマクラに、朝の公園でふたりのおばあちゃんが繰り広げるうだうだ話‥‥の噺。おばあちゃんがふたりともマジボケの応酬って感じ。良くウケる。

 つづく花丸は、借金に追われる一家を助けるのが魔法使いのお父っつぁん‥‥ってな噺。基本的には SF と云っても良い噺だが、落語世界自体がクスグリになっててマニアックな構成。花丸らしい丁寧さで、嫁さんの妄想がええアクセントに。

 中トリの小春團治は、脱サラして紙芝居屋を始めた男の噺。現代っ子のあしらいの難しさが笑いの基本で、様々な笑いのパターンの組み合わせでたたみかけるのが小春團治らしい。

 中入りを挟んで三風は、東京へ行ったきりだった息子が嫁を連れて農村の田舎へ帰ってくると云う噺。田舎の両親と祖母の朴訥さと、息子とその彼女のひたむきさで、ほのぼのとした笑いに。何度か聴いてるが、ほぼ固まってきた感じ。

 トリの雀三郎は、幽霊に対する持論をマクラに、地上げ屋が幽霊アパートの除霊に挑む噺。ここに取り憑いてるのが、耳が遠すぎて声がデカい幽霊、狂言師の幽霊、義太夫語りの幽霊と、とにかくやかましい。やかましい幽霊にエクソシストが対抗して壮絶な戦いとなり、雀三郎もふらふらに。


 新作の会と云えどもそれぞれ何度も高座で掛けられて練られてるネタだけあって、笑いも多く内容も充実。たっぷり感があって満足度の高い会でした。

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銀瓶・一琴・文華 三人会

2007/3/20 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭 瓶成 「いらち俥」
  • 桂 文華 「近日息子」
  • 銀瓶、一琴、文華 《座談会》
    ―― 中入り ――
  • 柳家 一琴 「鰻の幇間」
  • 笑福亭 銀瓶 「不動坊」

※ 第 8 回


 出張先から、途中で用事を済ませて天満入り。近所の喫茶店で腹ごしらえしてから会場へ行くと、開場 30 分以上前からもうそこそこの行列に。お客さんの期待感が伝わってくるようです。お手伝いに来られてた笑福亭由瓶さんにお客さんからクレームが付いて、早めの開場に。
 開場後もどんどんお客さんが詰めかけ、2 階席までぎっしり満員に。


 開口一番の瓶成は「いらち俥」を勢い良く。何度か観てるが、所作がやり過ぎぐらいオーバーに。これがアクになるか、それとも味になるか?

 つづいて文華の「近日息子」。知ったかぶりばかりする男にキレる男が秀逸で、憤怒に任せてこれまでイライラさせられてたことを次から次へと矢継ぎ早に。爆笑。

 ここでメインの 3 人で座談会。一琴は関西出身だが、噺家生活 18 年でまったく関西弁が出なくなったとか。東京の寄席事情、外国語なんかの話題であれこれと。文華が「電車のクサい男」の話で脱線したりも。

 中入りを挟んで、一琴の「鰻の幇間」。江戸落語ならではの小気味良い語り口で、幇間が鰻をおごってもらうのにヨイショし、だまされたとわかって狼狽する、その心理描写がお見事。

 トリは銀瓶で「不動坊」を、口跡良くトントンと。ちょっとしたセリフやクスグリにセンスが光る。前半、利吉が嫁をもらうウキウキ感がもう少し出てくれば、さらに良くなりそう。


 座談会を挟むことで《三人会》としていることに意味が明確になりますね。落語の方も満足度が高く、達者な 3 人ですから、もっと観てみたいと思わされました。

銀瓶出演情報
一琴のちょっとひとこと
文華人になりまへんか?

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桂枝三郎の会 老人いこいの寄席

2007/3/17 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 桂 枝三郎 《よもやま話》
  • 桂 ちょうば 「月並丁稚」
  • 桂 枝三郎 「天神山」
    ―― 中入り ――
  • 桂 文鹿 「阿弥陀池」
  • 桂 枝三郎 「浮世根問」


 繁昌亭で何度か観て気になってた枝三郎さんの会へ。サブ・タイトルの『老人いこいの寄席』ってのがちょっと引っ掛かったんですが。‥‥
 入場時に渡された番組表に「前売 1,600 円/当日 1,800 円/会員 1,500 円」と書かれていて、受付をされてた枝三郎さんに「この《会員》って、どうやったらなれるんですか?」と訊くと、「あぁ、これは老人割引です」とのこと。なるほど。そそくさと退散。
 こぢんまりした客席設定で、入りは 14 人。こんなもんなんでしょうか。前宣伝をまったくされてないらしく、おなじみさんばかりのようです。客層はおばあちゃん中心で、お客さんが少ないこともあってか、飴の配給が何人も。ごちそうさまです。


 まずは枝三郎がごあいさつ代わりによもやま話。東京と大阪の寄席の雰囲気の違いから、寄席での番組のあり方など。開場前に楽屋から漏れ聞こえてきていた話をちょっと薄めた感じの内容。最後に花粉症の話をして交代。

 ちょうばは「最近、物忘れが激しい」と云う話をマクラに師匠の桂ざこばのネタで軽く笑わせ、おなじみ「月並丁稚」。演り慣れており、あいかわらず丁稚がええ感じ。

 文鹿はマクラでにわかの解説を、例題を交えてにぎやかに。噺の「阿弥陀池」に入っても俄で「バンザーイ!」とにぎやかなんが文鹿らしい。いつもながら丁寧で好感が持てる。

 枝三郎の 1 席目は季節ネタで「天神山」を、ごく軽いマクラから噺へ。しっかりした人物描写と丁寧な語り口で、目の前に情景が浮かんでくるよう。
 2 席目の「浮世根問」は、アホが町内の物知りにめでたいことの云われを根ほり葉ほり。知らん方もおもろいが、教える方も知ったかぶりっぽくておかしい。


 客席も含めて、なんとものんびりまったりした雰囲気の会でした。ひとえに枝三郎さんのお人柄でしょうね。枝三郎さんはきっちり演られるんで、安心して観ていられます。

 次回は 4 月 7 日(土)です。

桂枝三郎の部屋

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あやめ・鶴笑 二人会!

2007/3/16 @茶臼山舞台

  • 桂 あやめ 「寿限無」
  • 笑福亭 鶴笑 「平林」×「酒の粕」
  • 桂 あやめ 「サカイで一つだけの花」 (作:桂あやめ)
  • 笑福亭 鶴笑 「パペット落語 布芝居赤ずきん」 (作:笑福亭鶴笑)
  • 笑福亭 鶴笑 「パペット落語 義経千本桜」 (作:笑福亭鶴笑)
    ―― 中入り ――
  • 月亭 遊方 「GORO」 (作:月亭遊方)
  • 姉様キングス 《音曲漫才》
  • あやめ、鶴笑、染雀 《二人羽織》
  • 《グランド・ファイナル》


 「緊急開催、茶臼山ホンマにグランドファイナル!」と銘打って、茶臼山舞台のホンマに最後の落語会。先日の『できちゃったらくご!』でチラシが入ってまして、限定 40 名と云うことですぐさま予約。予約完売の満員御礼です。


 “石段”で登場したあやめは、花枝の頃に戻った気分で、何十年ぶりかに演ると云う「寿限無」を。めでたい名前を付けてもらいに行ってるのに、いちいちツッコミを入れる父親がたのしい。最後に出てきた「長久命」「長助」に「はじめからそれ云うとけ!」。

 黒紋付きで無防備に登場した鶴笑は、いきなり「ごくお古いお噂でお付き合いを‥‥」と入りつつ、ひさびさの古典落語に照れてるよう。噺の導入部を何度も繰り返しながら、観客を探ってるよう。
 ようやく始まったのは「平林」。道中、丁稚が《平林》の読みを教えてもらって、「こんな口の動かしようやなかったで」「こんな云いにくい名前やなかったで」と云うつぶやきがたのしい。「《ひらばやし》をおぼえられんのに(4 種類も)すぐおぼえられるわけがない」と、途中で止めてしまう。
 で、いきなり「酒の粕」へ。酔っ払ったことを自慢してまわってる男と、さっきの「平林」の丁稚が道でばったり。「平林」と「酒の粕」のサゲを続けざまに。ストーリー的に無理のない噺のクロス・オーヴァーにバカウケ。
 あとのあやめが「どっちを演るか迷ってた」と云ってたが、両方をミックスして演れてしまう鶴笑のセンスに脱帽。

 ふたたびあやめで「サカイに一つだけの花」。花屋の花を擬人化した噺。花のキャラクターがさまざまで、しかもそれぞれの花にマッチしててたのしい。なんでもかんでも差した花かごを見て「まるで《百花繚乱》」「傷もんばっかりやから《百貨店によう売らん》」でサゲ。

 師匠の故・笑福亭松鶴の出囃子でふたたび登場した鶴笑は、得意のパペット落語。いちばん最初に作ったと云う、A3 くらいのボードに小さい人形が「布芝居赤ずきん」。小さくて演れる会場が限られるそうだが、カーテン・コールまで終始たのしく。
 つづいて「義経千本桜」の「河連法眼館の段」を。狐忠信の宙乗りを釣り竿に結わえた人形で再現。客イジリも手慣れたもんで、落語「猫の忠信」でも馴染み深い場面をにぎやかに。

 中入りを挟んで、飛び入りゲストの遊方が鶴笑との思い出をマクラに、自作の「GORO」を。田舎の喫茶店で、他の客の間違いにツッコめないもどかしさを描いた噺。関西ならではのイライラ具合がたのしい。

 つづいて姉様キングスがにぎやかに。本日のおたのしみは、都々逸、長崎ぶらぶら節、ストトン節、島唄(スペイン語ヴァージョン)など。いつもよりたっぷりと。

 さらに、売れっ子芸者のあやめ姉様に恋する幇間の鶴八(鶴笑)が、粋なところを見せようと染雀に助けてもらって三味線で「奴さん」を披露する‥‥と云う二人羽織。稽古中にしてはそこそこ形になっている。

 最後にグランド・ファイナルと云うことで、出演者が全員登場。手伝いに来ていた桂三金や笑福亭たまも舞台に上がって、お客さんも交えてビールで乾杯。プレゼント付きジャンケン大会もあり、にぎにぎしく大団円。


 茶臼山の最後は充実の会でした。あやめさんと鶴笑さんのお人柄もあって、終始リラックスした、たのしい雰囲気でした。
 先の『ドミニカへ行くの会』で鶴笑さんに初遭遇したんですが、今回もノック・アウトされました。落語の技術はともかく、演芸人としてのポテンシャルの高さを実感。鶴笑さんの高座で、下座のたまさんが大爆笑してたのが象徴的でした。

 1 年半ほど通いまくった茶臼山舞台がなくなるのはちょっとさみしいですが、あやめさんは繁昌亭を中心に新たな動きを見せられてますし、時期を見てまた別にスペースを作りたいと云う意向もお持ちのようですんで、今後の動きにも注目です。

茶臼山舞台

上方落語協会茶道部
KAKUSHOW.COM

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平成紅梅亭

2007/3/15 @よみうりテレビ

  • 笑福亭 由瓶 「強情灸」
  • 桂 吉弥 「親子酒」
  • 笑福亭 三喬 「転宅」
  • 笑福亭 鶴光 「木津の勘助」
    ―― 中入り ――
  • 大木 こだま・ひびき 《漫才》
  • 桂 雀々 「くっしゃみ講釈」

※ 第六十八回


 もともとこの日は『元祖大阪名物 あほの会』に行こうと思ってたんですが、好番組がタダで観られるとあって、窮屈覚悟で『平成紅梅亭』へ、当選ハガキをゲットされた某 C さんにくっついて入場。しかも整理券確保に早くから列んでいただいて、至れり尽くせりです。感謝々々。
 当然ですが、補助椅子も出て満員。


 トップの由瓶は、自分はテレビに出られないだの、お客さんの方がテレビに出てるかどうかチェックしてたのしめるだの、テレビ出演に固執した自虐ネタでわらわせる。
 「強情灸」は、とにかくお灸に火が下りてきたときの顔芸で笑わせる。

 吉弥は番組内での前座ながら貫禄さえ漂う余裕。十八番と云って良い「親子酒」は、酔っ払いが秀逸。ただ、テレビ収録を意識してか、以前観たときよりも弾けきれてない場面も。それでも安定感があって良い高座。

 三喬はマクラの「こんな人は愛人になってはいけない五箇条」で笑わせ、得意の泥棒ネタで「転宅」。いまどきのクスグリがそこかしこに入るのも三喬らしく、ちょっとヌけたような泥棒も三喬らしい。泥棒が忍び込んだ家で、お膳のご馳走を口にしながらのあれこれがたのしい。

 中トリの鶴光は講談ネタで「木津の勘助」。語り中心になりそうなところを、鶴光ならではの下ネタ&クスグリを随所に挟み込み、メリハリがあってなかなか。

 中入りを挟んで、色物に大木こだま・ひびきの漫才。こだまは「トリの前で目立ったらあかん」を連発するが、話があっちこっちへ飛んでゆく定番ネタでいやが上にも爆笑に。「チッチキチー」や「往生しまっせ」の定番ギャグもさることながら、余裕のある時間枠でこだまの表情とひびきのリアクションがいつも以上にたのしい。

 芸歴 30 周年で初めて紅梅亭のトリをつとめる雀々は、楽屋の名札が「桂 省々 様」となっていてガックリ。それにもめげず「ほたらなにかい‥‥」と、枝雀スタイルで始まる「くっしゃみ講釈」を汗だくで熱演。胡椒の粉を思い出すのぞきからくりの場面もおもしろかったが、目の前で唐辛子の粉をくすべられた後藤一山がくしゃみを我慢するのに鼻歌で自分をごまかそうとするのがなんともおかしくて。


 ええポジションで観られたんでそれほど窮屈感もなく、たっぷりたのしませていただきました。ダーク・マッチの由瓶さんも含めて、番組の構成・流れが良かったと思います。
 とくに省々さん‥‥やなくて雀々さんは、十八番を控えて気合い十分と云う感じで、そっちの方も期待できそうです。

平成紅梅亭

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らくご道 笑福亭生喬と桂こごろうの落語会

2007/3/13 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 笑福亭 生寿 「平林」
  • 桂 こごろう 「くやみ」
  • 笑福亭 生喬 「佐々木裁き」
    ―― 中入り ――
  • 生喬、こごろう 《対談:夕焼け日記》


 ひさしぶりな感じの『らくご道』は 30 人ちょいとええ感じの入り。この会は大きな入りの変動がなく、いつもこんな感じですね。


 いつもは生喬かこごろうがごあいさつするところを、今回から生喬の弟子の生寿が開口一番に。「平林」を付けてもらった通りきっちりと。序盤にやや硬さが見られるも、町々の人々の演じ分けも明瞭で好感の持てる高座。

 こごろうは結婚披露宴の司会での失敗談をマクラに、悔やみ顔のサンプルからそのまま「くやみ」へ。お通夜の受付なのに、なんともあかるい雰囲気なんがこごろうらしい。登場人物がいきいきとしていてたのしく、最後のノロケ男も強烈。

 生喬はマクラで、B1 角座での出番の話から、ラジオ CM の収録現場でスタッフにほめられてホクホクになった話。この CM はコンペに出されるもので、1 回しか流されないそうなんで、聴く機会はなさそう。
 「佐々木裁き」は生喬の解題で、町人に扮した佐々木信濃守が子どもたちの御奉行事に出会う‥‥と云う演出。後半の御白州での信濃守の貫禄はさすが。

 中入りを挟んで、対談コーナー。
 こごろうの「くやみ」を桂枝雀が「赤面しました」と評したそう。その当時は弾けまくってたそうで、今回はその当時に比べれば抑え気味だったそう。
 生喬は「佐々木裁き」で「いくら子どもとは云え、侍を棒で追うなんてことはあり得ない」との考えから、信濃守が町人に扮して視察していると云う設定にしたが、そのあとの場面で矛盾が生じ、それを直そうとするとさらに無理が出てくる‥‥と云うジレンマに。ここでこごろうの「棒で追わなんだらええんちゃうん?」のひと言で、生喬開眼。
 さらにこごろうの「手水廻し」の不思議など、落語のなかのあり得ない部分についてあれこれ。なかなかに興味深く、ふたりが常に落語に向き合ってることを実感。


 落語もさることながら、今回も充実の対談でした。生喬さんの「佐々木裁き」はリニューアルされるようで、スッキリするであろう次回に期待できそうです。

 次回は 4 月 19 日(木)です。

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春風亭昇太独演会 オレスタイル

2007/3/12 @ワッハホール

  • 春風亭 昇太 「お見立て」
  • 春風亭 昇太 「ストレスの海」 (作:春風亭昇太)
    ―― 中入り ――
  • 春風亭 昇太 「崇徳院」
  • 春風亭 昇太 「愛犬チャッピー」 (作:春風亭昇太)

※ Vol. 8


 前回は午後 3 時頃に前売り券を買いましたが、今回は正午頃に買ったんでちょっとだけ前に。座席分は売り切った感じの入りで満員。


 オープニングは恒例の《携帯電話撲滅キャンペーン》映像から。今回は「血煙極道兄弟の巻」と題し、弟弟子の春風亭柳好とともに。

 まずはマクラを長めにいろいろ。紆余曲折で会場の空気を作りつつ、1 席目は「お見立て」を。田舎の御大尽の相手をいやがる花魁のために、店の若い衆が「花魁は死んだ」と説明して追い返そうとする噺。色町の滑稽噺は江戸落語らしい。花魁はどうかと思ったが、田舎の御大尽は昇太にぴったり。

 生着替えで SWA ジャージ着物(赤の 4 番)へ。2 席目は新作「ストレスの海」。ストレス発散を強要する妻がムリヤリ泳げない夫を海に連れて行く噺。妻のストレス診断に対してイライラする夫の不幸が笑いに。海へ行く前にもうひとひねりほしいと思うのは贅沢?
 健康ネタと云うことで、志の輔の名前が頻繁に登場。笑いがストレス解消に良いという話から「たまに落語とか聴かなきゃダメなの。落語聴いても笑わなきゃダメよ。居眠りしたりメモしたりしないの!」と、落語ファンへの警鐘も。

 中入りを挟んで、自身の恋愛話なんかをマクラに「崇徳院」を。昇太らしさがあちこちに散りばめられてて、出入りの熊五郎が変な笑い方をする茶屋の娘に惚れてるってくだりが秀逸。

 ちょっとだけ時間が余ったんで、ボーナス・トラックに新作「愛犬チャッピー」。飼い主に溺愛されてる犬の悲哀の噺。飼い主の異常なテンションの高さが大爆笑へ。小品ながら、昇太らしさの詰まった高座に。


 今回は《病気》がテーマだったそうで、ボーナス・トラックも含めて、そう云われればのチョイスの 4 席でした。若いお客さんが多くて、落語ファンと云うよりも昇太ファンが大勢を占めてる感じですね。
 昇太さんの会は 2 度目ですが、前回同様腹八分目。十分おもしろいんですけど、期待が大きすぎるのか、それともアウェイで弾けきれないってこともあるんでしょうか、もっともっとと思ってしまいます。

 ところで、この会に限らず、指定席の会で中央通路に追加席を出すのっていかがなもんでしょうか? 早めに前売り券を買った人がうしろの方で、あとから買った人や当日券の人が前の方って、なんとも不公平感をおぼえます。自由席の会でも開場後に中央通路に補助席を出される場合がありますが、折りたたみ椅子の座面が高くて両サイドのブロックからは観づらくなる場合がありますし。追加席・補助席や立ち見は、会場後方か両サイドに限定すべきでしょう。

チビ師匠をつかまえろ! (ファン・サイト)

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林覚寺寄席

2007/3/11 @林覚寺

  • 笑福亭 呂竹 「寄合酒」
  • 月亭 遊方 「ゴーイング見合いウェイ」 (作:月亭遊方)
  • 笑福亭 三喬 「相撲場風景」
    ―― 中入り ――
  • 林家 染二 「夢の革財布」
  • 笑福亭 仁智 「トクさんトメさん」 (作:笑福亭仁智)

※ 第 10 回


 携帯電話のナビに案内されて、近鉄「針中野」駅から徒歩 10 分ほどで林覚寺へ。到着時にはもう開場してました。近所のおなじみさんに加えて落語マニアが大挙して押しかけた格好で、ざっと 70 人の大入り満員。


 開口一番は会場にベスト・マッチの風貌の呂竹。「寄合酒」をきっちりと。

 つづく遊方は世話焼きの母親の話をマクラに、遊方曰く《見合いババア》が活躍(?)する「ゴーイング見合いウェイ」。探偵じみた調査と拡大解釈で捏造スレスレの釣書を勝手に作成してしまう掃除のおばちゃん。後半の豹変ぶりがおもろ過ぎ。マクラから笑い多く、良くウケる。

 中トリの三喬はマクラ代わりに相撲の豆知識。そっから入った「相撲場風景」は三喬らしいセリフや演出がそこかしこに。とにかくたのしくおもしろく。

 中入りを挟んで、染二はネタ下ろしの「夢の革財布」をきっちりと。

 トリの仁智はレギュラーか? 10 年前と比べて差し入れが変わったってな話から健康の話へとマクラをつないで、老人病院が舞台の「トクさんトメさん」。おばあちゃんのトクさんとトメさんの会話。無茶な遺言状に爆笑。


 ネタも演者もバラエティに富んでて、充実したええ番組でした。年 1 回開催されてるそうで、通常は噺家さんは 4 人のところを、今回は 10 回を記念してひとり増やされたようです。これで 1,000 円はお得な会です。

 それにしても、くしゃみや咳なんかの生理現象はともかく、チラシをガサゴソ、カメラをパシャパシャ、なんとかならんもんですかね。そないに出演者と演目が気になるんでしょうか? デジタル・カメラなら設定で動作音を消せるんと違います? 自分自身はたのしいんでしょうけど、まわりの者を不快にさせてはいかんでしょう。

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できちゃったらくご!

2007/3/11 @天満天神繁昌亭

  • 《オープニング》
  • 月亭 遊方 「結婚妄想曲」
  • 桂 三風 「強盗高橋」
  • 桂 三金 「奥野君の同窓会」
  • 桂 あやめ 「かっぱ」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂 南湖 「餅つき」あるいは「なごやのバタやん」
  • 笑福亭 たま 「危険なジョージ」
  • 《エンディング》

※ 第 35 回
※ とくに記載のない場合は自作ネタ


 ワッハ上方から繁昌亭へ某 C さんと移動。ちょっと時間が早かったんで近所のお洒落カフェに入ると、あやめさんが猛烈な勢いで書き物されてました。この日のネタの追い込み!?!?
 ちょいしゃべりのあと繁昌亭へ移動すると、それなりの行列に。三金さんから当日券を買って開場待ち。雨がポツポツ降り出したんで、ちょっと早めに開場してくれました。ありがたい。
 続々とお客さんが詰めかけ、2 階席にもお客さんが。前売りだけで 120 枚、当日も 50 枚以上売れたとか。心配した入りも杞憂の大入りに。


 オープニングにあやめ、遊方、三金、南湖の 4 人が登場。自己紹介と趣旨説明。遅れてきたたまはトークそっちのけでネタ繰りに集中。さらに遅れてきた三風は開口一番「まだジャンケンしてないやろ?」。
 遊方の極めて高いテンションでジャンケン。結果、上の出番順に。

 遊方が極めて低いテンションで登場。独身の遊方自身の結婚観から妄想癖のある女性の話をマクラに、みんなが祝福していてふたりの間に障壁がないのに駆け落ちを熱望する彼女と、そんな彼女に困惑する彼氏の噺。設定の突飛さはなかなかだが、クスグリがまだ少ないか。終盤にネタを忘れてヒヤヒヤ。

 三風はごく軽いマクラから、銀行の新人研修会に紛れ込んだ強盗の噺。設定や展開はしっかりしているが、噺を膨らましきれなくて小さくまとまってしまった印象。

 三金は定番の《奥野君シリーズ》でデブネタ。今回は小学校の同窓会でのひと幕。それぞれの最近の動向や、思い出話などをおもしろおかしく。以前に聴いた、避難訓練で先生に理不尽に殴られたエピソードも。初演ゆえ未整理部分も目立ったが、三金らしいのんきさとたのしさが。

 あやめはマクラで、普段はやさしいのに他人の目を察知すると期待に応えてしまう横山やすしとの仕事の思い出話を。ネタは、外見がそれらしくない河童の噺。実は河童は見た目が人間そっくりで、みなの期待するそれと違ってガックリ。河童ネタに小ネタも満載。

 中入りを挟んで、南湖は「喫茶店の BGM のようなおしゃべりを‥‥」と、ウケなかったときの予防線を。ラジオ出演の話、コンパの話、大須演芸場の話など、何度聴いてもおもしろい。父親がラジオ番組に送ってきたファックスの話から、実家での餅つきの話へ。心温まる、なんともええ話。

 たまはネタ繰り時間確保のため自らトリを選ぶ。三風や遊方のおもしろエピソードをマクラに、別れた彼女がストーカーになって付きまとう噺。新しい彼女とデートする先々に別れた彼女が現われて、ちょっと不気味。

 最後に全員が登場してエンディング。今回のネタの反省など。


 繁昌亭での再スタートと云うこともあってか、ひさびさに全員の新作が揃いました。グダグダ感は希薄で、初演としては平均点以上の出来だったと思います。
 印象的には、繰れたマクラとええ話の組み合わせで南湖さんが抜きん出てた感じ。遊方さんは自信が卑下するほど悪い出来ではありませんでした。

 次回は 5 月 25 日(金)に、21 時スタートのレイトショーで。次回からは 6 人のメンバーから 4 人選抜で演ることになるそう。
 その前に、4 月 26 日(木)に『育っちゃったらくご!』も。こちらは普通の夜席です。

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上方亭ライブ

2007/3/10 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 桂 三若 「阿弥陀池」
  • 林家 花丸 「時うどん」


 朝から『朝日東西名人会』の前売り券をゲットし、そのまま難波へ。ブラブラしてるときに夜の『できちゃったらくご!』の前売り券を忘れてきたことに気付き、かなりヘコむ。気を取り直して、前売り券を取りに戻るか当日券で入るべきか損得勘定するも、やはり気が動転してなかなか考えがまとまらず。最終的に、取りに帰る方が金銭的損失は少ないが、やっぱり花丸さんと三若さんの組み合わせを見逃すのは損、ってことで決着(と云うか、ムリヤリ納得)。早めに列ぶことに。
 前回は団体客が来ててやや混雑した感じでしたが、今回の入りは 70 人くらいで、ここ最近ではちょっと少ない感じ。その代わり(と云うわけでもないでしょうが)中国のテレビ取材が入ってました。


 まずは三若。いつもの《落語鑑賞の 3 箇条》や十三ネタなどを矢継ぎ早に、マクラから笑いを詰める。東京と大阪の比較が入ったんで、新作の「ひとり静」かと思いきや、古典で「阿弥陀池」。
 甚兵衛(的男)も喜六(的男)も、笑い方が独特すぎてかなりおもろい。喜六(的男)が「ヌカにクビ」のシャレをかますのに飛び込んだ 2 軒目で、近所に米屋がなかなか見つからず「このへんの人は米、食わへんのかなぁ。‥‥欧米か?」と上手いギャグの入れよう。

 つづいて花丸。性急な三若に比べ、緩急で観客を引き込む。草野球ネタではセット・ポジションの解説や道に迷った話では、立ち上がって舞台をウロウロ。小咄を演ったり扇子で艪を漕ぐ仕草をしたり、たっぷりめのマクラから昔の刻の数え方を解説して「時うどん」へ。
 前半の喜六と清八のやり取りもおもしろいが、とにかく後半の、勘定をごまかせるとニヤニヤもだえる喜六と、それを気色悪がるうどん屋との対比が秀逸。うどん屋が喜六の使った鉢を割ってしまうのもやむなし。


 たっぷり 2 席たのしんで、満腹々々。三若さんの古典は初めてでしたが、らしい味付けで好感触。花丸さんは云わずもがなのおもしろさ。会場の笑いも多かったです。かなりお得な組み合わせで、チケット取りに帰らんでやっぱり正解でした。

上方亭ライブ

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南湖だんご 旭堂南湖話術研究会

2007/3/9 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 旭堂 南湖 『赤穂義士伝』 其の一 「殿中刃傷」
  • 旭堂 南湖 『難波戦記』より「荒大名の茶の湯」

※ 第 34 回


  今回からゲストを呼ばずに(呼べずに?)『赤穂義士伝』の続き読み。『赤穂義士銘々伝』(四十七士それぞれの話)や『赤穂義士外伝』(四十七士以外の話)はよく演られるが、本伝の『赤穂義士伝』はほとんど演られないそうです。
 入りは 8 人。薄い入りで、今後がチと心配。


 名古屋の大須演芸場に出演したときの話をマクラに、本伝、銘々伝、外伝の概説からいよいよ本伝へ。
 浅野内匠頭と吉良上野介との間に、いかにして遺恨が積み重ねられ、殿中松の廊下での刃傷に至ったかを、ふたりの出会いから語る。浅野と同様に吉良への遺恨を胸に秘め、吉良を斬りつけようと決意して登城した亀井能登守を救った亀井家の家老・多胡外記のエピソードを語り、次はいよいよ浅野の番‥‥と云うところで次回へ。
 初演と云うこともあってか、いつもと違ってややかための語り口。それでも淀みない語りが心地良く、南湖独特の表現もあってわかりやすい。

 90 分を予定していた本伝が 60 分程度で終わったため、本伝中で軽く触れた「荒大名の茶の湯」をボーナス・トラックに。徳川家康が関ヶ原の合戦で勝利できたその真相が、とあるお茶席にあった‥‥と云う話。
 徳川家康の重臣・本多佐渡守が細川越中守、加藤清正、福島正則をはじめとする 7 人の武将を根回しのためにお茶席へ招待する。細川越中守以外は茶道に暗く、てんやわんやのお茶会に。加藤清正のバカ正直さと福島正則のひねくれっぷりがたのしい。


 続き読みのスタートとしてはなかなかでした。ついて行けなくなるとつらいので、今回のように本伝+もう 1 本って構成は初心者に優しいと思います。あるいはマクラをたっぷり語ってもらうのも良いかも。

 次回は 5 月 11 日(金)、本伝より「蛙の遺恨」です。

正直南湖

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柳家三三 桂吉弥 ふたり会

2007/3/7 @天満天神繁昌亭

  • 桂 佐ん吉 「七度狐」
  • 柳家 三三 「悋気の独楽」
  • 桂 吉弥 「住吉駕籠」
    ―― 中入り ――
  • 桂 吉弥 「七段目」
  • 柳家 三三 「五貫裁き」


 柳家のホープ・三三さんが、米朝事務所のパワー・プッシュ・吉弥さんと組んでの二人会。立川談春さんが三三さんを推したことで企画がスタートしたそう。しっかり前売りを押さえてました。
 座席指定の会でしたが、若干売れ残ってたようです。それでもほぼ満席。客層は、いつもの吉弥さんの会と同様、女性率が高かったです。


 開口一番は佐ん吉は、ごく軽いマクラからすぐ「七度狐」へ。最近、佐ん吉で始まる会が多いが、早口がかなり改善されて聴きやすく。狐にだまされる喜六と清八のぬけ具合が佐ん吉のニンに合った感じ。サゲ付近はコンパクトに。

 吉弥は中入りを挟んだポジションで 2 席。いずれも吉朝の型を踏襲し、吉朝の CD 音源をベースに吉弥が微妙にアレンジを加えた格好。
 メクリが外れるアクシデントで登場した 1 席目は、三三が繁昌亭を携帯電話のカメラで撮りまくってた話から、先頃出演していた芝居で遠征していた話へとマクラをつなぎ、おなじみのリニアモーターカーの小ネタを経て「住吉駕籠」へ。酔っ払いが駕籠屋へ絡むくだりは秀逸。
 2 席目は、軽いマクラから「七段目」を。きっちり安定感はあるが、やや走り気味で下座とも微妙なズレが。

 注目の三三。マクラではボソボソと聴き取りづらいくらいのしゃべり。観客を探りつつ、繁昌亭の天井の提灯を「魚の卵のよう」。《ミミちゃん》ネタも。いろいろとマクラをつないで「悋気の独楽」を。女性の色分けが抜群。上方版とはかなり構成が違い、定吉は御寮人の密偵として旦那のあとを付ける。定吉の生意気さは江戸版が上か。
 トリの 2 席目では、おもむろに懐から携帯電話を取り出し、客席の写真を撮影。すぐさま「五貫裁き」へ。音声では聴いたことあったが、江戸っ子の口跡の良さが心地良い。大岡裁きをたっぷりと。


 東西の若手実力派の二人会と云うことで、かなり充実した会でした。三三さんは 2 度目でしたが、上手さが光ってますね。心地良かったです。
 東京でも二人会を演るそうで、定期的に開催してほしい会です。次回は対談なんかも番組に入れてくれるとうれしいですね。

柳家 三三
桂 吉弥

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生喬の茶臼山でまるかじり!

2007/3/4 @茶臼山舞台

  • 笑福亭 生寿 「犬の目」
  • 笑福亭 生喬 「愛宕山」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 生喬 「ねずみ」
  • 生喬、たま 《対談》


 ハシゴ落語の 3 段目。
 茶臼山舞台の隣の、グリンヒルホテルの下の喫茶店シェルで休憩。姉様キングスも楽屋代わりに使ったと云う、奥の 3 畳の座敷でくつろいでました。(ちょっとミーハー)
 この日は生喬さんのお弟子さんの生寿せいじゅさんが初舞台と云うことで、ご家族やお友達とおぼしきお客さんも。40 人以上入って満員。


 まずは初舞台の生寿。天狗連で演ってたそうで、過度の緊張はなく、師匠から付けてもらったとおりきっちりと。細身で声も高めで、見た目は生喬と正反対だが、生喬そっくりの場面がそこかしこに見られて微笑ましい。口をへの字に曲げるあたりまできっちりコピー。

 つづく生喬は、肩の荷が下りてホッとしたと云った表情。生寿以上に緊張してたのかも。マクラで生寿入門の話や、自分自身の入門時のエピソードなんかをたっぷりと。
 ネタは「演る機会がなくなる前に‥‥」と、季節を半歩先取りして「愛宕山」。旦那が貫禄十分で、一八と茂八のやり取りも勢いがある。米朝一門のとはやや違った演出で、笑福亭たまが演るのの原型を観た思い。

 中入りを挟んで再度、生喬。左甚五郎の作品紹介をマクラに「ねずみ」。子どもが客引きをするくだりの健気さ、宿屋の主人が放り出されるくだりの湿っぽさ、甚五郎の業で宿屋が大流行りするくだりの清々しさ、場面々々の対比が明瞭で、後半からサゲに至る流れが心地良い。

 最後にボーナス・トラック。のぞきに来ていたたまと、たま版「文七元結」の解題を中心にちょいしゃべり。


 落語 3 席+トークでしたが、生寿さんの門出に立ち会い、生喬さんはたっぷりの 2 席、最後にマニアックなトークと、こちらも大満足。ええ雰囲気の会でした。

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たまのフレンドリー寄席

2007/3/4 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 笑福亭 たま 「池田の猪買い」
  • 旭堂 南青 「将棋大名」
  • 笑福亭 たま 「寝床」
    ―― 中入り ――
  • 桂 三象 「アメリカ人が家にやってきた」 (作:桂三枝)
  • 笑福亭 たま 「文七元結」


 ハシゴ落語の 2 段目。
 春を通り越したかのような陽気に加えて、100 人近くの大入りで、会場は熱気ムンムン。たまさん自ら会場整理をしての開演。


 南青の「将棋大名」は、落語の「大名将棋」(あるいは「将棋の殿様」)と同じで、大名の《下手の横好き》の将棋に家来が迷惑する話。おそらく落語の方が講談からの移植と思われるが、さすがに講談だけにクスグリが少ない。手堅い語りできっちりと。

 ゲストの三象はマクラをたっぷり。独特の語り口で繰り出される自虐ネタと、照れ隠しのニッコリ笑顔がツボ。おもろい。
 ネタは師匠の桂三枝の新作「アメリカ人が家にやってきた」。転勤してくるアメリカ人をホームステイで受け入れるため、家族揃って英語の特訓をする噺。ネタのおもしろさに三象自身の高知訛りも相まって、おかしみが醸し出される。

 たまの 1 席目は、できちゃったメンバーの桂三風や月亭遊方のおもしろエピソードから。新ネタもあり、おもろい。パンフレットに「初心者の方のために、一番最初の『池田の猪買い』を『時うどん』にしても許してくださいね」と云う断りもあったが、客層を見て予定どおり「池田の猪買い」を。よく楽屋から「噺として完成されてて、いじりようがない」と云う会話がもれ聞こえていたが、産婆を呼びに行く男の袖を引きちぎったり、猪肉を買いに行く男のしつこさ加減がたまらしい。
 2 席目は、ゲストの三象のおもしろエピソードから。これもまたおもろい。ネタの「寝床」は展開にかなり手が入れられており、番頭が旦那を怒らし、それを旦那の娘がなだめると云う流れに。旦那は浄瑠璃を誰も聴きに来ないことで放心状態に。機嫌を直して開いた浄瑠璃の会では、旦那の浄瑠璃と、御師匠はんの三味線と、それを受ける客との三つ巴の戦いが見もの。修羅場のような凄まじい惨状に。ネタ下ろしとは思えない、上々の出来。
 3 席目は「文七元結」を解体・再構成した旨を解説してから本編へ。金をなくして自殺しようとする男に手持ちの金を貸してやる、そのために娘が遊郭へ身売りする、と云うところだけを芯に残し、たま流にアレンジ。所々にちょこちょことクスグリも。大きく手を入れたこともあってか、こちらは整理しきれていない感じ。これまでのたま落語にないタイプの噺ゆえ、今後に期待。


 「池田の猪買い」と「寝床」はかなり爆笑編で、とくに「寝床」は初演とは思えない出来で大爆笑。とくに旦那の浮き沈みの落差が大きく、流れや展開も自然になってて上手い改変だったと思います。
 一方、筋立てを大きく変えた「文七元結」はまだまだ整理が必要でしょうが、そのチャレンジ精神には脱帽です。

 たまさんはたっぷり、ゲストの三象さんと南青さんもそれぞれたのしめ、かなり満足度の高い会でした。

らくごの玉手箱

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桂三風の早起き寄席

2007/3/4 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭 松五 「手水廻し」
  • 桂 三風 「農と言える日本」
  • 淀家萬月、杉岡みどり、徳富啓太 《コント》
  • 桂 三風 「はてなの茶碗」
  • 桂 枝三郎 「テレビ葬式」

※ 第 1 回


 ハシゴ落語の 1 段目。
 まずは三風さんによる繁昌亭朝席の第 1 弾。これまで落語体験の会は何度かありましたが、純然たる落語会としては初めて。正直、観る側も演る側も朝から気が上がるのか心配でしたが、開場時のお出迎えで演者さんたちはさわやかにごあいさつ。杞憂でした。
 入りも心配でしたが、こちらも杞憂で、100 人くらいは入ってました。初めての企画にしてはええ入りだと思います。


 開口一番の松五は初見。名前の話をマクラに「手水廻し」をきっちりと。

 色物として、淀家萬月、杉岡みどり、徳富啓太によるコント。杉岡と徳富の占いの館に萬月が訪れる‥‥って話。ベタな展開にシュールな小ネタで、微妙な笑いがたのしい。

 三風はコントを挟んで 2 席。まずは新作で「農と言える日本」。東京へ行ったきりだった息子が嫁を連れて農村の田舎へ帰ってくると云う噺。息子からの手紙をたどたどしく読む母親と、自分の存在をことさら強調する祖母が大ウケ。
 2 席目は古典で「はてなの茶碗」。三風の古典は初めてかも。定番の小咄から本編へ入り、こちらはきっちり丁寧に。なかなか良い雰囲気だったが、もうちょっとたっぷり演ってもらっても良かったかも。

 トリはゲストの枝三郎。テレビの話をいろいろと、マクラからたのしい。ネタは師匠の三枝もよく演っていたと云う、文紅作の「テレビ葬式」。葬式がテレビ中継されたら‥‥って噺。あり得そうであり得ない設定で、ゲンの悪いネタだが、サゲもきれいでおもしろい。


 昼席が控えてるため、朝席は 10 時スタートで 11 時半までの 1 時間半。朝早くから行くのはつらかったんですが、短いながらもなかなか充実した番組で、これで前売り 1,000 円は安かったです。

桂 三風

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売名高座 はなしのおもしろギャラリー

2007/3/3 @道頓堀極樂商店街 ゑびす座

  • 桂 佐ん吉 「御公家女房」
  • 林家 花丸 「鷺とり」
  • 月亭 遊方 「素顔のままで」 (作:月亭遊方)
  • 桂 かい枝 「寝床」
    ―― 中入り ――
  • 《バラエティ》 桂かい枝プレゼンツ 「笑える英語講座」

※ 第 3 回


 前回にまた会場を移したようですが、ゑびす座に落ち着きそうな感じ。この日は道頓堀極楽商店街への入館料が無料で、しかも入館料が半年間無料になるパスも帰りにもらえました。
 入りは 30 人弱。会場の広さにしてはやや少ないとも云えますが、まずまずでしょうか。


 開口一番の佐ん吉は「いろんな人がいてます‥‥」と、桂小枝や桂ひろばや中村さんとこの子の話をマクラに「御公家女房」。以前よりもペース配分が良く安定感が増し、ちょっとしたクスグリが増えていたり、良い出来。

 花丸は吉本興業の話から行方不明の話へとマクラをつないで、唐突に「鷺とり」へ。先の『出没!ラクゴリラ』でも演ったが、独自の工夫がいろいろ。鳥捕りに挑戦する男がいちいちクチバシとハネを付けて鳥に変装してるのがなんともおかしい。にわかは前回と違うものだったが、永遠の「完成度 24 パーセント」。

 遊方は余興や芸人にまつわる話をマクラに、芸人が主人公の「素顔のままで」。ぼちぼちテレビにも出だした芸人のアリーナ桟敷が、バイト先のレストランで顔を指されないように孤軍奮闘する噺。正体がバレないように変顔で接客するアリーナ桟敷。遊方の顔芸がツボにハマる。サゲもきれいに。

 かい枝は軽いマクラから「寝床」をきっちりと。旦那のスネ具合がなかなか。

 中入りを挟んで、バラエティ・コーナー。今回はかい枝がホスト役で「笑える英語講座」だったが、ネタがあまり練られておらず、いまいち発散せず。唯一、変なところに噛み付く遊方と、それに突っ込む花丸はおもしろかったが。
 最後に日本語があまりわからない外国人を招き入れ、《掘った芋いじくるな = What time is it now?》的な日本語英語?を試すコーナーはなかなか興味深かった。


 この日は落語コーナーが充実で、バラエティ・コーナーはもひとつでした。ここらのバランスと云うか、番組構成は難しいですね。使ってたフリップが小さくて、会場規模にあってなかったのも問題かも。

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ドミニカへ行くの会 (三日目)

2007/3/2 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭 鶴笑 《ごあいさつ》
  • 笑福亭 呂竹 「米揚げ笊」
  • 林家 染雀 「金明竹」
  • 林家 染雀 《舞踊》 「松づくし」
  • 桂 あやめ 「義理ギリコミュニケーション」 (作:桂あやめ)
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 鶴笑 《紙切り》
  • 笑福亭 鶴笑 「パペット落語 立体西遊記」 (作:笑福亭鶴笑)
  • 姉様キングス 《音曲漫才》


 ドミニカ共和国へ笑いを届けるため、国境なき芸能団(NPO 法人)が資金集めに繁昌亭で 3 日間の興行。正直、3 日間も演って客入んのかいな?と思ってたんですが、フタを開けてみれば 3 日間とも大入り満員。前売り買っといて良かった~。
 客層が普段と違ってて、どうやら国境なき芸能団の賛同者が多数を占めていたよう。


 まずはリーダーの鶴笑が、スーツ姿で向かい風に立ち向かう姿でごあいさつ。針金入りスーツ&ネクタイでお手軽パフォーマンス。

 呂竹は「米揚げ笊」をきっちりと。会場がほぐれ、落語世界へ。

 《使用前》の染雀は、海外生活が長くても鶴笑は英語が話せないことをバラし、小咄をいくつか演ってから「金明竹」へ。素直にスカタンする丁稚と、知ったかぶりでごまかそうとする御寮人さんがたのしい。
 落語のあと、「飛び道具を‥‥」と、寄席の踊りで「松づくし」。

 あやめは「役者さんは変わってる」と『芋たこなんきん』での体験談から、立場や年齢が変われば考え方も変わるってな話へつないで「義理ギリコミュニケーション」を。2 世代にわたる嫁姑の対立を描いた噺。女性心理の切り取りとデフォルメはあやめならでは。嫁と母親の間でおろおろする旦那がいたたまれず‥‥。

 中入りを挟んで、鶴笑コーナー。まずは紙切りだが、紙切りそのものよりもトークが魅力的。かなり場数を踏んでるようで、客あしらいが抜群。
 つづいてパペット落語。身体のあっちこっちに隠した人形を使っての「立体西遊記」は、動きの派手さとわかりやすさで大爆笑。これは一見の価値あり!

 トリは姉様キングス。この日の演し物は、都々逸、猫ぢゃ猫ぢゃ、阿呆陀羅経。3 日目と云うこともあってか、合間のトークもいつもより余裕が。
 最後に姉キンが鶴笑を呼び込むと、サムライ・スタチューの格好で登場。イギリスではこの辻斬りパフォーマンスが大ウケしてるとか。


 いやぁ、充実。後半は色物コーナーでしたが、それがまたたのしくて。姉キンももちろんですが、初体験だった鶴笑ワールドにズッポリとハマった感じでした。

 鶴笑さん、あやめさん、染雀さんは 3 月 27 日(火)からドミニカ共和国へ出発されますが、そこでの活動報告が 4 月 9 日(月)19 時より大阪府労働センターにておこなわれるそうです。

NPO 法人 国境なき芸能団

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TORII 寄席

2007/3/1 @TORII HALL

【大好評 笑福亭福笑奮闘会】

  • 桂 佐ん吉 「狸の賽」
  • 笑福亭 たま 「Myselves」 (作:たまよね)
  • 笑福亭 福笑 「江戸荒物」
    ―― 中入り ――
  • 露の 都 「みやこ噺」
  • 笑福亭 福笑 「浪曲やくざ」 (作:笑福亭福笑)

※ 第 152 回


 開場直前に到着しましたが、出勤前に整理券をゲットしてたんで、余裕の入場。大入り満員でしたし、ちょっとした優越感。


 開口一番の佐ん吉は定番のマクラから、こちらも定番の「狸の賽」。ここ最近、早口がかなり改善され、かなり聴きやすい。ネタもきっちり入っており、たのしさもふくらむ。

 たまはマクラで月亭遊方のおもしろエピソード。これもかなり繰れてきてて、何度聴いてもおもしろい。
 ネタの「Myselves」は、20 歳のニートの男のところに、30 歳の自分、40 歳の自分、‥‥があらわれる噺。贅肉がそぎ落とされ、かなりテンポ良く展開。ギャグのパターンが豊富でウケも上々。問屋マフィアて。最後に流れる“人生いろいろ”のタイミングがずれたのが残念。

 都は漫談。テレビの恋愛ドラマの話、健康・美容の話、夫婦の話、等々、一応はなにをしゃべるか考えてきてはいるようだが、その場で思い付いたことを随時インサートするため、話の流れが右往左往。これがまたおもしろい。(好き嫌いは分かれそうだが)

 福笑の 1 席目は、言葉へのこだわりをマクラに「江戸荒物」。江戸っ子を気取る荒物屋の亭主がすさまじく、普通の滑稽噺が爆笑噺に変貌し、突き抜けたおもしろさに。亭主が連発する「おい、あンま!」に、あきれながらも「なんだい、おまえさん?」と返し続ける女房が甲斐甲斐しい。
 2 席目は、独自の教育論(?)をマクラに、斜陽の組が対抗組織の寝込みを襲う噺の「浪曲やくざ」。この噺、おそらく福笑が浪曲を謡いたいがために作ったんではないかと思われる。その場面がなんともたのしそうで。浪曲が浄瑠璃や河内音頭に変わってゆくのもおもしろい。犬語がサイコー!


 福笑さんは勢い押しのように見えて、実はマクラでネタに関わる情報をきっちり盛り込み、観る側にとって非常に親切で、そこらはきっちり理論派です。本編のはじけっぷりももちろん魅力的。今回も大爆笑でした。
 ゲストの都さん、たまさんにも笑わせてもらいましたし、たっぷり満腹の会になりました。

 来月の TORII 寄席は林家一門会です。

TORII HALL

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