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文楽 4 月公演

2007/4/30 @国立文楽劇場

  • 粂仙人吉野花王くめのせんにんよしのざくら
    • 吉野山の段
  • 加賀見山旧錦絵かがみやまこきょうのにしきえ
    • 草履打の段
    • 廊下の段
    • 長局の段
    • 奥庭の段


 前日に引き続き文楽、第 2 部へ。千秋楽です。いっぱいの入りです。

 『粂仙人吉野花王』は吉野が舞台。聖徳太子の兄・粂仙人は、竜神竜女を封じ、三種の神器も隠している。そこへ未亡人の花ますが訪れ、酒を飲みつつの身の上話をするうちに秘密をバラしてしまう。ここらの粂仙人のだらしなさ・情けなさが人間臭くてええ感じ。
 序盤はコミカルに、ラストの注連縄を切って封印を解く演出が派手で、とにかくたのしい。

 『加賀見山旧錦絵』は仇討ち物。尾上を侮辱し、しまいには草履で打ち付ける岩藤。尾上の召使いのお初までをもいじめ抜くその裏には、陰謀が。自害した尾上の仇を討つお初。
 パンフレットのあらすじを読んでるだけで、とくに後半の場面転換の多さに興味津々。スタッフ・ワークのすばらしさに舌を巻き、ラストのお初と岩藤の大立ち回りに圧倒されました。勧善懲悪の大団円に感動。それにしても、岩藤は悪いわぁ。

 今回は昼夜両公演を観ましたが、夜公演の『粂仙人~』『加賀見山~』が派手な演出で良かったと思います。『心中宵庚申』も良かったんですが、わかりやすいおたのしみポイントのある演目がビギナーには良いですね。

国立文楽劇場

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染二+ONE

2007/4/29 @天満天神繁昌亭

【落語と地歌のコラボレーション ~地歌恋愛論~】

  • 林家 央二 「手水廻し」
  • 林家 染二 「不動坊」
  • 菊央 雄司 《地歌》「たぬき」
  • 染二・雄司・都 《コラボトーク:地歌恋愛論 ~嫉妬~》
  • 菊央 雄司 《地歌》「黒髪」
    ―― 中入り ――
  • 露の 都 「みやこ噺」
  • 林家 染二 「紺田屋」

※ 第 1 回


 染二さんの月例勉強会。昨年のワッハ上方レッスンルームから、今年は繁昌亭へ会場を移し、毎回テーマを設定するなど、勉強会から一歩進めた会へ。第 1 回は落語と地歌のコラボ。
 ゴールデン・ウィークと云うこともあってか、補助席もかなり埋まるほどの超満員。地歌が目当てのお客さんよりも、どうも央二さんの初舞台を観にきたお客さんがかなり多かったようです。


 “上方落語界のプリンス”央二の登場に万雷の拍手。自己紹介につづいて始まった「手水廻し」は、おそらく師匠の染二からの指示と思われるが、かなりゆっくりとした語り。田舎の宿の女中・おなべに染二が透けて見えるも、師匠にはないやわらかい雰囲気がある。きっちりと最後まで。

 染二の 1 席目は、央二入門のエピソードをマクラに「不動坊」へ。オープニング、風呂屋から漉き直し屋の徳の家への場面転換など、適度にカットしてテンポ良く。終盤の、屋根の上でのてんやわんやもかなり改訂されていて、無理のない構成に。
 季節外れもええとこだったが、満足の高座。

 地歌のコーナーは、染二の司会で地歌の世界を紹介すると云う構成。おしゃべりに慣れていない菊央雄司のフォローか、都がにぎやかしで。
 地歌「たぬき」「黒髪」の演奏は雰囲気たっぷり。三味線の演奏にエレキ・ギターの奏法(プリング・オフやハンマリング・オン)を取り入れたり、見せるためのテクニックを取り入れたり、と云ったところはおそらく独自の工夫だと思われる。ちなみに、「黒髪」は東京の「立ち切れ線香」で使われる曲だそう。

 中入りを挟んで、都はいつもの漫談で、電気炊飯器の話や旦那の話など。何度聴いてもおもしろいのは、都のニンに寄るところも大きい。

 トリで 2 席目の染二は、ネタ下ろしとなる「紺田屋」。病に伏した娘のお願いが不自然すぎる前振りだが、やや怪談じみた展開からハッピー・エンドへと転じるラストが心地良い。孫の声によるサゲもかわいい。
 ネタ下ろし特有の硬さや窮屈さはさほど感じられず。これから整理されてくるのがたのしみ。


 いっぱいのお客さんで反応も良く、なかなかに充実。番組構成も良く、たっぷり感のある会でした。
 それにしても、菊央雄司さんの三味線演奏にはびっくりさせられました。純邦楽の世界にも革命が起こってるのかもしれませんね。

 次回は 5 月 24 日(木)に文華さんを迎えて。染二さんは「らくだ」、文華さんはネタ下ろしで「立ち切れ線香」の予定です。

林家染二 オフィシャル・ホームページ

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文楽 4 月公演

2007/4/29 @国立文楽劇場

  • 玉藻前曦袂たまものまえあさひのたもと
    • 清水寺の段
    • 道春館の段
  • 心中宵庚申しんじゅうよいごうしん
    • 上田村の段
    • 八百屋の段
    • 道行思ひの短夜


 なんだか GUNS N' ROSES 来日公演延期で 4 月のスケジュールがグダグダになり、文楽鑑賞が月末に集中してしまいました。
 まずは第 1 部。日曜日ですが、昼公演ですし、祝日前と云うこともあってか、いっぱいの入り。座席の予約にもかなり思案させられました。

 『玉藻前曦袂』は「実は‥‥親子でした」みたいな話。この手の話はストーリーをしっかり飲み込めてないと「?」で終わってしまうんですが、それよりなにより、睡眠不足で睡魔が‥‥。
 初花姫と桂姫の赤い着物があでやか。後半の白装束は、いずれかが殺されると云う悲壮感を漂わせ、なのにそれを双六で決めようと云うほのぼのとした情景との対比がまた悲しい。このふたりの衣装が印象的でした。

 『心中宵庚申』は、期待の心中物。姑の嫁いびりがえげつない。それでも親を立てる半兵衛と、それに付き従うお千代。とうとう意を決して心中‥‥と、現代では考えられないような結論。ただ、八百屋の養子になったとは云え、元々は武士の子であった半兵衛が《家》を第一義に考えてしまうと云うのも、やむを得ない時代だったのかと思わされます。
 「道行」は、やはり悲壮感が漂う。いつの時代でも死ぬことが賞賛されることはないと思いますが、死ぬしかなかったふたりの思いが伝わってくるようです。

 第 1 部の演目では『心中宵庚申』の方に期待してたんですが、やっぱり心中物が合ってるような気がしました。とくにラストの緊張感がなんとも云えない独特の空気に包まれて。それでも睡魔との闘いはあったんですけど。

 終演後、向かいの CoCo 壱番屋で腹ごしらえして繁昌亭へ。

国立文楽劇場

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氣樂堂寄席 桂団朝の会

2007/4/28 @氣樂堂

  • 桂 吉の丞 「つる」
  • 桂 団朝 「米揚げ笊」
  • 桂 紅雀 「七度狐」
  • 桂 団朝 「鴻池の犬」

※ 第 3 回


 ひっさびさの氣樂堂は、やっぱり遠いです。
 ちょい早めに行って椅子席を確保。開演直前にお客さんが詰めかけ、ザッと 50 人くらいに。びっしり敷き詰めた座布団の所々に空きがある程度。熱気ムンムンです。


 トップの吉の丞は「米朝の弟子の吉朝の弟子の吉の丞」を強調し、映画『かぞくのひけつ』出演の話やテレビ番組のオーディションの話など、マクラもたっぷりおもろい。
 演し物は「つる」を元気良く。大工の徳の仕事っぷりがややせわしなく感じるも、全編口跡良くトントンと。

 団朝に挟まれての紅雀は、マクラで正月に出た芝居の話から 1 日郵便局長の話へ。こちらもおもろい。
 演し物は「七度狐」。喜六と清八がにぎやかで、独自のクスグリもたのしい。秀逸だったのが、終盤に出てくるお小夜後家。老人特有の口をモグモグさせながらの顔芸がおもしろ過ぎ。サゲは大根で。

 団朝の 1 席目は、エアコン調整の要請をしてから「ようこそ桂団朝秘密倶楽部へ」でスタート。「世間へ広めないでください」と箝口令を敷いてから、たっぷりのマクラ。「米揚げ笊」はごくごくオーソドックスにきっちりと。歯切れ良さが心地良い。
 2 席目は、極秘のマクラその 2 から「鴻池の犬」へ。こちらもちょっとしたクスグリ以外はごくオーソドックス。『忍者ハットリくん』ネタは中途半端に古いか!?!? 捨て犬を拾ってきた丁稚はかわいく、犬社会の場面では威勢良く、耳に心地良い。


 終演後に紅雀&吉の丞による抽選会。プレゼントは、氣樂堂特製の団朝の CD と、メンバーのサイン入り団扇。約 5 分の 1 の当選確率でしたが、スレたぁ~!
 団朝さんの独演会にも行きましたが、やっぱりこう云ったこぢんまりした会の方がマクラのおもしろさが段違いですね。ぶっちゃけムード全開で、かもし出す空気感がぜんぜん違います。落語の方も私好みで、聴いてて心地良いんですよね。「猫の忠信」とか「宿屋仇」なんかも観てみたいです。

 次回の『氣樂堂寄席』は 6 月 16 日(土)に『桂雀三郎独演会』です。

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育っちゃったらくご!

2007/4/26 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭 たま 「宿替え」
  • 旭堂 南湖 「さやま遊園」 (作:旭堂南湖)
  • 桂 三金 「お笑い病院只今診察中」 (作:桂三金)
  • 桂 三風 「はてなの茶碗」
    ―― 中入り ――
  • 月亭 遊方 「オーサカ・シネマロケンロール」 (作:月亭遊方)
  • 桂 あやめ 「ちりとてちん」

※ 第 5 回


 繁昌亭での『育っちゃった』第 1 弾。今回から、新作・古典を問わず、それぞれが育てたいネタを演る会にリニューアル。
 前回の繁昌亭での『できちゃった』第 1 弾が大入り満員だったんで、ちょっと早めに南森町へ到着するも、外は雨。繁昌亭の入口の軒になんとか隠れて待機。ちょっと早めに開場してくれました。
 繁昌亭ではひさびさに薄い入り。ザッと 80 人くらいでしょうか。ゴールデン・ウィーク直前でマニア層以外の一般のお客さんが少なかったのかも。


 まずはたまが、逡巡しながら以前は頻繁に掛けていたと云う「宿替え」を、前の家から荷物を運び出すところから。荷物を背負い込む場面ではヴィジュアル系の本領発揮で、上手の方を向いて膝立ちになりエビ反りを強調。やや勢い押しの場面が見られるも、全体にたまらしいクスグリを盛り込んでグイグイと。

 “六甲おろし”で登場の南湖。ラジオ番組のレポーターの話、静岡での会の打ち上げで出た珍味の話、徳島の遊園地でのカブトムシ展の話と、いちいちオチが付いてたのしい。
 遊園地つながりで USJ から「さやま遊園」へ。南海電車に乗って「さやま遊園前」駅で降りる。園内の案内から、さやま遊園で実際にあった愛と誠の物語へ。‥‥

 遊方と出番を替わった三金は、健康科学センターでの落語会の話からマクラをいろいろとつないで、自作の「お笑い病院只今診察中」へ。タイトルまんまの噺で、奥野君の代わりに奥野先生が登場。先生が漫才や落語、マジック(?)やバルーン・アートで患者をリラックスさせる。患者も大喜利に参加したり。

 中トリの三風は、いろんなシーンでの価値判断の違いをマクラに、「はてなの茶碗」をごく丁寧に。油屋のキャラをもうちょっと派手にした方がメリハリが効くような気もするが、ここらに三風自身の人柄が出てるような気も。

 中入りを挟んで、三金に出番を替わってもらった遊方が、映画出演の話をマクラに自作の「オーサカ・シネマロケンロール」。大阪のたこ焼き屋に東京から映画のロケ隊が撮影にくる噺。
 撮影に口出ししまくるたこ焼き屋の夫婦と、それに同調しまくる野次馬がおもろい。俳優がしゃべる変な大阪弁はさもありなん。獅子舞。

 トリのあやめは、ネタ出ししていた「悋気の独楽」を「ちりとてちん」に変更し、テレビ収録の試運転を。
 御茶屋遊びをする旦那のところへ芸者がくると云う設定で、なにを出してもらっても喜ぶ雛鶴と、なんでも知ったかぶりをする杵鶴。カビた豆腐を梅干しの花できれいに飾り、隣の座敷から聞こえてきた三味線の音で「ちりとてちん」に。箱書きもその隣の座敷の書家に書いてもらったり、流れも自然に。杵鶴が意を決してちりとてちんを食べる様子は秀逸。

 出演者全員が揃ってエンディング。たまが『東西若手落語家コンペティション 2007』の第 1 回で優勝したことを報告し、そのときの話や、この日の繁昌亭の楽屋風景など。


 たっぷり 3 時間。遊方さんは相変わらずノリノリ状態を維持。あやめさんの改作は、もうちょっと整理が必要な場面もありましたが、なかなかええ感じでした。
 この日の個人的 MVP は南湖さん。話の流れもスムーズで笑い所も多く、その語りも名調子。かなり良い高座でした。

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桂福團治・福楽 親子会

2007/4/25 @B1 角座

  • 桂 福丸 「天狗裁き」
  • 桂 福楽 「寝床」
    ―― 中入り ――
  • 桂 朝太郎 《マジカル落語》
  • 桂 福團治 「百年目」


 出遅れるわ雨は降ってくるわ、おかげで席は埋まってるわ。初 B1 角座ですが、なんとも横長と云うか、奥行きのない会場ですね。座席の間隔も繁昌亭並みに狭いです。120 席くらいですが、ほぼ満席。客層は‥‥よくわかりません。知った方は 2 名でした。
 福團治さんと福楽さんによる、初の親子会です。


 開口一番の福丸は福團治の新しい弟子。京大卒業後に吉本興業の NSC に入ったと云う異色の経歴の持ち主。パッと見ぃはシュッとしてるけど地味目な男。まだ表情がカタいからかも。
 挨拶から「夢の噺を‥‥」と「天狗裁き」へ。カタさは感じられるも落ち着いており、丁寧で演技・演出も的確。今後がたのしみ。

 つづく福楽は軽い躁状態に入ってるのか、いつになくテンションが高い。定番の浄瑠璃での笑い方から「寝床」へ。
 登場する人物同士の会話が事細かで、会話の積み重ねで噺の背景・世界観を紡ぎ出すよう。たっぷりと、それでいて重くなく。

 中入りを挟んで、朝太郎の手品。ティッシュを使った定番ネタが中心ながら、「こんなん嫌い?」がたのしい。最後にバルーン・アートで犬と小鳥を作って交代。

 福團治はトリでも自虐的。扇子を杖代わりにゆるゆると「百年目」へ。
 このネタはどうしても吉朝のと比べてしまうが、細部まで手の届いた吉朝に対し、前半は番頭の、後半は旦那の貫禄でグイグイ引っ張る福團治、と云った印象。酔った番頭の遊び方は豪快で、旦那の「使い負けはしてないと思たが‥‥」に説得力が。こちらはたっぷり重厚に。


 2 時間チョイながら、たっぷりの会でした。福團治さんも福楽さんもそれぞれたっぷりで、それぞれの持ち味が出た良い高座だったと思います。
 福團治さんはまだ 2 度ほどしか観てませんので、機会を見つけてまた観たいと思います。とくに軽めの噺がどんな感じになるのかチェックしたいですね。

 初物尽くしで寿命が延びたかも。この親子会、また開いてほしいです。

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笑福亭福笑独演会 笑顔で元気の出る落語会

2007/4/24 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭 たま 「時うどん」
  • 笑福亭 福笑 「千早振る」
    ―― 中入り ――
  • 橘 右佐喜 《寄席文字あれこれ》
  • 笑福亭 福笑 「憧れの甲子園」 (作:笑福亭福笑)


 出張先から直行。(落語会の合間に出張を入れるんで、どうしてもこないなります)
 ちょっと時間があったんで、ひさしぶりに梅田をぶらぶら。そのあとうどんで腹ごしらえして会場へ。指定席だったんで早く行く必要もなかったんですが、開場前に到着。一番太鼓は笑福亭喬介さんが打ってました。
 この日の会はどっかの貸切公演で、一般へは 2 階席しか販売してなかったんですが、ひょんなことから 1 階席を都合してもらえました。面が割れてるとちょっとラッキーなこともありますね。


 まずはたまが、ブラックなマクラから、しつこいくらいに時刻の解説をして「時うどん」へ。
 前半のうどん屋とのやり取りでは、清八がうどん屋に凄んでみたり、喜六に袖を引っ張られる清八が最初は「引っ張りな」と云わずにマイムで応対したり、ちょこっとリニューアルされてるよう。相変わらずうどんの量は多く、目突き攻撃も増量!
 後半は喜六のひとり舞台。超不味いうどんも完食。

 福笑の 1 席目は、「人間に生まれて良かった」って話から「人は見かけだけやないけど‥‥」みたいな話へとマクラをつないで「千早振る」を、一杯引っかけてきた勢いで。
 娘に訊かれて云々はバッサリ切り、百人一首に興味を持ったアホが物知りの家を訪ねる、と云うシンプルな構成に。このアホが読み間違い王で、「ひゃくにんひとくび」に始まって「おのこちょう」「きよししょうのげん」から「ざいはらぎょうへい」まで。アホが「千早振る 神代も聞かず 竜田川 韓紅に 水くくるとは」の歌の意味を訪ねると、物知りは浪曲調や河内音頭風に歌ってごまかしたり、崇徳院の「瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ」と混ぜこぜにしてみたり、時間稼ぎに四苦八苦。途中で説明に困ると居直りの逆ギレ。
 林家花丸の「千早振る」に感化されてのネタ下ろし(か、それに近い高座)だったが、言葉にこだわる福笑らしいアレンジが光る一品に。ここから削ったり膨らましたりして整理されてからもまたたのしみ。

 中入りを挟んで、繁昌亭に初登場の右佐喜が寄席文字講座。寄席文字の特徴を簡単に解説し、観客からのリクエストで「夢」「心」「雀」「豊」「食」の文字を書く実演。

 福笑の 2 席目は、選挙の話題から、政治、金、野球界とマクラをつないで、自作の「憧れの甲子園」を。甲子園初出場を果たすも一回戦で敗退した野球部の、打ち上げでの監督の酔態にスポットを当てた噺。
 最初は選手たちへの慰労を語るも、ひさしぶりに一杯飲むと、その途端に豹変。喜怒哀楽の振幅が徐々に大きくなってきて、わがままになる様がえげつない。


 福笑さんやたまさんのおもしろさはもちろん、寄席文字教室も興味深く、番組構成が良かったです。
 福笑さんの「千早振る」はもはや古典の域を凌駕してますが、それでもおもしろいものはおもしろい。この路線でどんどん古典のリメイクを手がけてほしいです。その渦に遊方さんあたりが巻き込まれれば、なおおもしろくなりそう。新作の会とは別に、古典の改作の会が立ち上がれば、と思います。

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オーク弁天寄席

2007/4/22 @オークホール

【150 回記念スペシャル】

  • 旭堂 花鱗 『太閤記』より「太閤の風流」
  • 笑福亭 學光 「手水廻し」
  • 川上 じゅん 《腹話術》
  • 旭堂 南鱗 『紀伊国屋文左衛門』より「貧乏業平」
  • 桂 春團治 「野崎詣り」

※ 第 150 回


 先の『らくご道』で招待券をいただきまして、行って参りました。『オーク弁天寄席』は初参戦です。
 普段は毎月第 4 水曜日に ORC200 の 7 階の弁天町市民学習センターで開催されてますが、今回は【150 回記念スペシャル】と題し、会場を 6 階のオークホールに移しての拡大版。客席も 120 席から 250 席に倍増し、春團治師匠をゲストに迎えて、これでも無料ですからおどろき!
 またまたのんびりしてて、到着したのは開演 15 分前。もう後方 2 列ほどしか空いてませんでした。椅子が追加されるほどの大入り満員です。
 しっかりした高座が組まれていますが、高座自体がやや低く、会場がフラットですから、後方からでは観づらい。あと 30 cm 高ければ‥‥と思います。


 まずは花鱗。高座は初めて観るが、アニメ声の脱力系キャラ。ゆるゆるぅ~っと「太閤の風流」を。太閤秀吉がムリヤリ歌を詠まされて恥をかかされる‥‥って話だが、古典講談なのになんとも独特の空気感。会場の雰囲気は「孫の芸を応援する祖父母」って感じ。

 學光は、噺家になるために徳島から大阪へ出てきて受けたカルチャー・ショックを中心に、いろいろとマクラをたっぷり。
 「手水廻し」は、ちょこっと独自のクスグリも入るが、概ね基本どおりきっちり丁寧に。もうちょっとメリハリがほしい気も。

 川上じゅんの腹話術は 2 度目。ホワイト・ボードのネタは進化。持ち時間が長めだったんでネタを詰め込んだ感じだったが、ネタ数を減らしてそれぞれをたっぷりやった方がよりたのしめたかも。

 南鱗は会への思いを簡単に語ったのち、以前にも聴いた「貧乏業平」を。若き日の紀伊国屋文左衛門と、そこへ道具を仕入れにくる古道具屋との話。しくじるのがわかってるのにあらがえない道具屋がなんともおかしい。

 トリの春團治には万雷の拍手。季節ネタの「野崎詣り」の出来はもとより、こまかいクスグリにも観客の反応が良い。三代目の至芸をタダで観られるしあわせ。


 なかなかの好番組で、とくに南鱗さんから春團治師匠への流れはすばらしかったと思います。講談と落語の美味しいところをたっぷり堪能しました。これでタダですから、内容に文句は云えませんね。
 ただ、スタッフの慇懃無礼さには閉口しました。観る側としたら、自分が観やすい位置から観たいもんです。それを「前へ詰めてください」の一点張り。あまりに強硬なんで帰ろうかと思いましたが、春團治師匠の高座を思うと、帰るのを思いとどまって良かったです。

 次回は 5 月 23 日(水)の予定です。

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チャイカ 『かもめ』

2007/4/21 @芸術創造館

原作: アントン・チェーホフ
脚本・演出: 外輪能隆(エレベーター企画)
出演: 濱田佳菜、紀伊川淳、岡田知子、hime(姫組)、土本ひろき、山田一幸(朱亜 shu-A)、穴見圭司(dracom)、辻野加奈恵(チャイカ)


 のんびりしてたらギリギリになって、ダッシュ勝平青春ダッシュで会場へ。汗だく。


 チャイカは、エレベーター企画の演出助手をしていた辻野加奈恵が立ち上げたプロデュース集団。今回が第 1 回公演で、エレベーター企画経由で送られてきた DM で知り、観に行くことに。

 会場を横長に使用し、舞台後方には 4 m × 20 m の黒いボード、その前に脚立。空間の黒に対し、出演者は白の衣装で。辻野自身としてのモノローグからそのままスタート。
 男女の想いが交錯するストーリーが進むにつれて、場面々々を白いチョークで黒いボードへ描き足し、世界観をコラージュしてゆく。

 とくに土本ひろきと紀伊川淳の演技が光る。何気ない表情に人物の想いが垣間見えるよう。プロデューサーの辻野が演者としての力量不足を感じさせたのが残念。


 絵を描き足してゆく演出が必要だったかと問われれば疑問ですが、おもしろい試みではあったと思います。すぐに消せる・描き直せると云う特徴を活かした演出をもう少し盛り込んでも良かったかもしれません。
 ストーリーは、やはり難しく感じました。とくに序盤で登場人物を把握しきれない場面があったり、ふたつの展開を同時に見せる場面があったり、出演者の描く絵に気を取られたりで、物語の把握に私の脳が追いつけませんでした。

チャイカ

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らくご道 笑福亭生喬と桂こごろうの落語会

2007/4/19 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 笑福亭 生寿 「もぎ取り」
  • 笑福亭 生喬 「天王寺詣り」
  • 桂 こごろう 「愛宕山」
    ―― 中入り ――
  • 生喬・こごろう 《対談:夕焼け日記》


 開場前はどこかで見たことある面々が 15 人ほどでしたが、開演の頃には 40 人弱に。観る側としてはええ感じの入り。


 開口一番の生寿はハメモノの入る「東の旅」でにぎやかに。「発端」は演らずに「野辺」から入り、「煮売屋」に寄らず「七度狐」にもだまされず、「軽業」の前半の見世物小屋のくだりまで。見世物小屋はスタンダードに《一間の大イタチ》《天竺の白いクシャク》《取ったり見たり》で、付けてもらったとおりきっちりと。お調子者の喜六がええ雰囲気。

 つづいて生喬。マクラに菊池まどかの浪曲の会へゲスト出演したときの話なんかをたっぷりと。
 「天王寺詣り」の方もたっぷり。とくに境内の出店の場面が出色の出来。濃紺の手拭いを海苔に、小拍子を具に見立てた巻き寿司。その後の早寿司(握り寿司)は、ワサビを下ろして魚を切り身にするところから。とにかく芸がこまかい。

 生喬一門会のあと、こごろう登場。この日は桂枝雀の命日と云うことで、枝雀一門で墓参りに行った話をマクラに。
 こごろうの「愛宕山」も何度か観てるが、アットホームな雰囲気の勉強会と云うこともあってか、ええ具合に肩の力が抜けて、噺全体がたのしい雰囲気に。土器かわらけ投げで得意気になる旦那がお茶目。

 中入りを挟んでの対談では、米朝一門とそれ以外での「愛宕山」の演出の違いが話題に。生喬や笑福亭たまの「愛宕山」が米朝一門のとは違った筋立てだったんで気になってたが、やはり一門によって違うよう。これは想像だが、米朝一門では桂米朝が再構成したものが伝わっているのかも。
 そのほか、四天王寺のいま・むかし、大阪名物、等々。


 今回はとにかく落語がたっぷりたっぷりな感じでした。「天王寺詣り」も「愛宕山」も情景描写の多い長めな噺ですし、開口一番の生寿さんからハメモノ入りでにぎやかでしたし、勉強会にしては贅沢な会になりました。

 次回は 5 月 15 日(火)の予定です。

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平成創作落語の会

2007/4/18 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭 たま 「Elderly Love」 (作:たまよね)
  • 桂 あさ吉 「LOVE 八卦」
  • 桂 あやめ 「富豪弟子」
    ―― 中入り ――
  • 月亭 遊方 「クレーマー・クレーマー」
  • 桂 小春團治 「漢字悪い人々」

※ 第 70 回
※ とくに記載のない場合は自作ネタ


 出張先から直行。(最近、こればっか)
 GUNS N' ROSES の来日延期で日程が空いて行けることになり、前回の出張時に急遽チケットを買いまして、全席指定だったんですが、公演 1 週間前なのに 1 階中央くらいしか埋まってませんでした。復活第一弾の前回は桂三枝会長の出演やメディア報道もあって早々に売り切れてたと思ったんですが。‥‥
 で、入りは 1 階席が 9 割ほど埋まった感じ。


 開口一番のたまはマクラ代わりにショート落語を演るも、「銃撃戦」に対するリアクションが悪くて打ち切り。そのまま「Elderly Love」へ。老人ホームで出会ったふたりに頼まれて、ヘルパーが結婚の承諾をもらいに別の老人ホームにいる父親のところへ行く‥‥って噺。ギャグがさらに整理されて、よりわかりやすく笑いやすく。

 つづいてあさ吉。たまとは対照的に、のんびりいろいろマクラを振り、霊体験の話から「LOVE 八卦」へ。孫の初デートに、占い師を介してアドバイスを送る祖父の霊の噺。あさ吉らしいゆるぅ~いクスグリがたのしい。ただ、この微妙なノリは一般にはあまり伝わらなかったようで。

 中トリのあやめはドミニカ共和国遠征の話題から。やっぱり鶴笑の話はおもしろい。
 「富豪弟子」は、筒井康隆原作のドラマ『富豪刑事』のパロディ。大富豪の娘が落語家に入門する噺。弟子修行の雑用なんかを、なんでも金で解決。あやめらしいツッコミが満載で、金になびく庶民が悲しくもたのしい。

 中入りを挟んで登場した遊方は、やたらテンションが高い。カップ麺のかやくが入ってなくてメーカーにクレームを入れた経験をマクラに、実話混じりで構成したと云う「クレーマー・クレーマー」を。
 キャラメルから金属片が出てきて‥‥って噺で、製菓会社のクレーム担当者と目を合わせまいとする男の表情が、やり過ぎ感とともに妙に真に迫ってておかしい。ツバを飛ばしまくりの熱演。

 トリの小春團治は《ヴィジュアル落語》と銘打った「漢字悪い人々」。プロジェクターを使って後方のスクリーンに文字が映し出される趣向だが、手元のパソコンがいきなり操作不能に。一旦幕を引いて、復旧まで出演者(+桂三金)でつなぎトーク。ふたたび幕が開くと、小春團治が板付きで平伏。「繁昌亭にクレームをしないでください」と、遊方のネタをなぞって上手くフォロー。
 カタカナ国で見つかった《○》を、《ア》が漢字国を超えて葬りに行く‥‥と云う噺。ベースは『指輪物語』のよう。カタカナを組み合わせて漢字に化けたり、書体の違いがポイントになってたり、映像ありきのクスグリはまさにヴィジュアル落語。


 ネタ出しされてた会で好番組だったと思うんですけど、入りがもうひとつだったのが残念。それでも高座の出来は良かったと思います。小春團治さんのは初体験でしたし、できちゃったメンバーは相変わらずたのしめましたし、なによりひさびさだったあさ吉さんの「LOVE 八卦」がええ感じでした。ひさしぶりに「夢組」も観てみたいです。
 それにしても、お客さんのカタいことカタいこと。サラのお客さん(落語初心者の方)が多かったような印象でしたが、新作はお気に召さないんでしょうかねぇ。いやいや、わかりやすく『創作落語の会』と銘打ってるんですから、それなりの覚悟と云うか、認識はされて来られてたとは思うんですけど。

 次回は 7 月 4 日(水)の予定です。

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LORDI - Japan Tour

2007/4/12 @IMP ホール


 出張先から直行。
 JR「大阪城公園」駅で降りると、ちょっと派手めな女の子がわんさかでびっくりしたんですが、あちらは大阪城ホールでビヨンセの公演でした。こちらはそのまま橋を渡って OBP の方へ。
 某後輩 おすすめの、フィンランドのスーパー・モンスター・バンド、LORDI の初来日公演。唯一日本で発売されたアルバム『The Arockalypse』(邦題『ハード・ロック黙示録』)のみ予習しましたが、これがかなりええ感じ。KISS をもうちょいヘヴィにした感じと云うか、ロブ・ゾンビがアリス・クーパーのアルバム『Hey Stoopid』を志向して作ったらこうなりました‥‥って感じです。(わかりにくいか!?!?)

 開場直後に到着しましたが、観客に女子高生がいたのにびっくり。会場に入って、客の少なさにまたびっくり。フロアー後方 3 分の 1 が仕切られてて、当然のように左右も仕切られてます。それでも最終的には 700 人くらいは入ったんじゃないでしょうか。(それでも会場規模を考えると少ないですが)
 ステージは、深い森のなかに建つ城をイメージしたバック・ドロップ以外は、これと云って大掛かりな装置はなさそう。小物はチラホラ。


 定刻になると、KISS の“God Of Thunder”が流れて、観客は手拍子。途中から客電が落ち、曲終わりで SE の“SCG3 Special Report”から“Bringing Back The Balls To Rock”と云うアルバム通りの流れでショウがスタート。モンスター軍団の登場に大興奮! 最初からサウンド・バランスが良く、演奏もすばらしい。リーダーのミスター・ローディ(Vo)は間奏中も煽りまくり、フロントのオクス(B)とアメン(G)も動き回り、オープニングからテンションが上がる。
 キーボードとコーラス・ワークを多用した曲が適度にポップでキャッチー、それでいてヘヴィ・メタルとしてのツボを押さえまくってて、かなり好感触。とくに新作からの楽曲はクオリティが高く、ライヴもすばらしい。観客がいっしょに歌えるパートが多いのもポイント高し。2006 年の Eurovision Song Contest 優勝は伊達じゃない!

 日本以外ではパイロ・テクニックも駆使してかなりド派手なステージらしいが、さすがに日本では(消防法の絡みで)難しかったよう。小道具はしっかり使ってて、噴水装置付き電動丸ノコやバラバラ死体を披露。バトル・アックス型のマイク・スタンドも格好良い。“Biomechanic Man”や“Devil Is A Loser”でのミスター・ローディの変身も見もの。
 ミスター・ローディは「オーサカー!」「アリガトー!」を連発。曲が終わる毎にミスター・ローディが(小道具の仕込み&給水で)引っ込むのはご愛敬だが、他のメンバーが煽ったり、SE で上手くつないだり、そこらのフォローはなかなか。
 秀逸だったのがキタ(Ds)のドラムス・ソロで、HR/HM の代表曲数珠つなぎ。退屈させないアプローチに脱帽。

 最後の最後に聴きたかった“Hard Rock Hallelujah”を演ってくれて、これまた感動! おおいに盛り上がって大団円。


 コンパクトな楽曲を矢継ぎ早に次々と繰り出されてたっぷりに感じたライヴも、終わってみれば約 90 分。これがまた抜群のエンターテインメントで、「また観たい!」と思わせるすばらしい内容でした。ヴィジュアルだけで敬遠されてる方がいれば、それは大損してますよ!


  1. SCG3 Special Report - Bringing Back The Balls To Rock
  2. Get Heavy
  3. Who's Your Daddy?
  4. Supermonstars (The Anthem Of The Phantoms)
  5. Pet The Destroyer
  6. The Kids Who Wanna Play With The Dead
  7. Blood Red Sandman
  8. Biomechanic Man
  9. Good To Be Bad
  10. It Snows In Hell
    --- Drums Solo ---
  11. The Deadite Girls Gone Wild
  12. Devil Is A Loser

  13. They Only Come Out At Night
  14. Would You Love A Monsterman

  15. Hard Rock Hallelujah

LORDI

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御坊町寄席

2007/4/11 @真宗大谷派東本願寺 四国教務所

  • 笑福亭 學光 「天災」
  • 笑福亭 小つる 「宿屋仇」
  • 笑福亭 福笑 「葬儀屋さん」 (作:笑福亭福笑)

※ 第 18 回


 出張で高松へ来てるときにたまたま落語会があって、行ってきました。たまたまなのに前売り料金とは、これ如何に?
 小つるさんと學光さんがメインの会で、いつもは若手の方を前座に呼ばれてるそうですが、今回はトリに福笑さんを迎えて。
 30 畳ほどの座敷にお客さんがどんどんどんどん詰めかけ、70 人くらい入ってた感じです。外は涼しいくらいなのに、中は熱気ムンムン。高松にも落語好きが多いようです。


 まずは學光。街で見かけたおもろい人の話をマクラで軽く客席をほぐしてから「天災」へ。桂ざこばに稽古を付けてもらったとのことで、習ったとおりにきっちり演ってるとの印象。そのせいか、ちょっとした矛盾点も見られたが、人物表現にメリハリがあってなかなかええ感じ。

 つづいて小つる。マクラで高松近郊のラブホテル事情を考察し、「宿屋仇」を。ネタ下ろしだったようで、セリフの端々や繰り返しのクスグリに不備も観られたが、噺の運びが丁寧で、きっちり演ろうと云う姿勢が好印象。汗だくで 45 分を超える熱演。

 トリは福笑。鳴りやまない拍手が観客の期待を感じさせる。いつもの「世間は大騒ぎ。そんな大変ななか‥‥」のマクラから、職業の呼び名へと話題を渡し、ネタは自作の「葬儀屋さん」。
 父親が死んで、財産分与でもめてる兄弟を一喝する葬儀屋さんがイライラさせられる噺。マクラからウケは上々で、「弔辞なし」「遺影なし」「紋なし」の落とし込みや、終盤の出棺直前の様子なんかはとにかく爆笑。香典を祝儀
と云い間違えるくだりは高松でも大きな反応が。(しかし、「祝儀!」と声に出してリアクションするのは、やはり関西特有かも)


 失礼な云い方になりますが、地方の落語会の雰囲気はどんなもんかと思って行ってみましたが、なかなかええ雰囲気で、お客さんも落語をたのしんでました。とくに福笑さんへの反応が出てきたときから大きく、みな期待して来てたんだと思います。
 残念だったのが、何度か携帯電話が鳴ってたこと。それだけならまだしも、福笑さんがネタに入ろうとしてたときに電話で話し始めた男性がいて、あれにはちょっとヒヤヒヤしました。

 終演後、御当地の落語マニアのみなさんと飲み会へ。落語を肴にうだうだ話でたのしいひとときを過ごさせていただきました。どこにでもいるもんですねぇ。

御坊町寄席のページ

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ドミニカ報告会

2007/4/9 @大阪府立労働センター 研修室 2


 笑福亭鶴笑さんが団長を務める国境なき芸能団(NPO 法人)が、日系も多い ドミニカ共和国 へ笑いを届けると云うプロジェクトを 3/27~4/5 の期間で敢行されました。参加されたのは、鶴笑さん、桂あやめさん、林家染雀さん、スタッフ 2 名、なごみちゃん(あやめさんの娘さん)の 6 名。この日はその報告会でした。
 入場無料なのに出遅れてあせりましたが、開会 20 分前だとまだ十分座れました。開会時にはザッと 50 人くらい、開会後も次々と来られ、会場はいっぱいに。メディアの取材も入ってました。

 鶴笑さんの挨拶でスタートし、ビデオを観ながら現場の様子やエピソードなんかを 3 人があーだこーだ。事務局長の小林さんのコメントもわかりやすく、終始なごやかな雰囲気で進行。
 ドミニカ共和国の公用語はスペイン語で、言葉がまったくわからない 3 人は片言のスペイン語を交えながら、姉様キングスやパペット落語、南京玉すだれや二人羽織や紙切りなど、言葉がなくてもたのしませられそうな芸を中心に公演。とくにあやめさんが「言葉で笑わそう」とスペイン語に意欲的だったとか。
 現地の学校や病院などを訪問し、期間中に 9 ステージほどこなしたそうですが、どこのお客さんもたのしそうな表情があふれていました。大使館の協力でセッティングされたそうで、大使館サイドの反応も良かったそう。

 遠征にかかった費用の約 200 万円は、繁昌亭での 3 日間の公演の売り上げでまかなえたそう。鶴笑さん、あやめさん、染雀さんの 3 人はノーギャラ。支援会員の会費は広報・通信費で消えてしまうそうで、今後は法人の協賛会員を募って年 2 回ぐらい派遣したいとのこと。
 次回はブラジルへの遠征を検討中だとか。今後の活躍にも注目です。


 報告会は 1 時間半ほどでしたが、たいへん興味深い内容でした。とくに、「笑いで国境・言語の壁を越えよう」とする芸人のバイタリティを実感。ビデオのどの場面を観てもテンションの高いステージで、ムリヤリにでも笑わせてやろうと云う芸人魂みたいなモンがあふれてました。
 今回の報告会での様子も含めて、来週の『ぐるっと関西 おひるまえ』(NHK 総合)で放送されるかも、とのこと。興味のある方はチェックしてみてください。

NPO 法人 国境なき芸能団

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ビギナーズラック

2007/4/7 @天満天神繁昌亭

【古今東西さくら祭】

  • 桂 吉弥 「子ほめ」
  • 桂 かい枝 「堪忍袋」
  • 桂 吉弥 「親子酒」
    ―― 中入り ――
  • 桂 吉弥 「セレブ花見」 (作:桂吉弥&米井敬人)
  • 桂 かい枝 「サクラの代紋」 (作:桂かい枝&福ミミ)
  • かい枝・吉弥 《トーク》

※ Vol. 04


 会場を TORII HALL から繁昌亭へ移しての第 1 弾。
 開演時間を勘違いしていて、会場へ到着したのは開場直後。雨のなか、すでにえらい列ばれてました。それでもなんとかいつもの席へ。
 入りは、1 階はほぼ満席、2 階にも入って、約 200 人ってとこでしょうか。当日券もかなり出た模様。繁昌亭効果ですね。


 開口一番は吉弥。観客調査すると、『ビギナーズラック』ビギナーがほとんど。会の趣旨を説明してから「子ほめ」を。時間を意識してか、所々端折りながら、それでもきっちり。

 つづいてかい枝。軽く観客を転がして、唐突に「堪忍袋」へ。喧嘩の理由を云い合いをする夫婦のねちっこさがかい枝らしく、自身の実録も交えてたっぷりと。

 ふたたび吉弥で「親子酒」。先日の『平成紅梅亭』でも観たが、酔っ払い具合が絶品で、とくに息子の陽気さと、からまれるうどん屋とのやり取りがたのしい。

 ここで吉弥がかい枝を呼び出して、中入り後に演る新作の出番を決めるジャンケン。勝った吉弥が先行に。

 中入りを挟んで、吉弥はマクラなしで本編へ。インターネットで「貧乏花見」を検索したらヒットした「セレブ花見」が近所で開催されると知り、ちょっとのぞいてみる‥‥って噺。桜にちなんだ芸能人が出てきて、吉弥が微妙な物まねで再現。
 キャラ作りはなかなか。もう少し違うパターンのギャグを盛り込めば普通に演れそう。桜金造は旬の時事ネタで、今後使いづらいか?

 つづくかい枝もマクラなしで。鬼警部と新米で頼りない刑事との捜査日誌みたいな噺。
 仁智の「源太と兄貴」と同系統のパターンで、ダジャレのギャグが多い。キャラはおもしろいのに、かい枝自身に照れがあるのか、押しが弱くて中途半端な笑いに。

 スクリーンが下りてきて、観客が普段見られない繁昌亭の舞台裏(楽屋や事務所)を写真で紹介。3 階まであるとはびっくり。


 繁昌亭に移っても基本的なラインは変わらず、でした。ただ、なんとなく焦点が定まらんと云うか、独特のゆるぅ~い空気感も相変わらず。まったりした会でした。

 終演後、受付で T シャツがかなり売れてたようで、かい枝さんと吉弥さんはサインに大わらわ。混雑してたんで、今回からグッズに加わった手拭いをチェックできませんでした。

桂かい枝の さぁかいしでーす!!
桂吉弥ホームページ

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坂口修一 Solo Act Live 『火曜日のシュウイチ』

2007/4/3 @in→dependent theatre 1st

※ Stage 1


 たまたま in→dependent theatre のサイトを見ていて気になったこの公演。元 T∀NTRYTHM の坂口修一さんが、毎週火曜日 2 ステージのひとり芝居公演を 1 年間続けると云うもの。もともと坂口さんは好きな役者さんでしたし、しかも初日に間に合うってこともあって、なかなかおもしろそうな企画だったんで参加してみました。


 開場 20 分前くらいに会場へ行くと、ぼちぼち列ばれてるお客さんが。スタッフ・ワークがあきれるほど悪くて逆にびっくり。もうちょっと意識的に入場列を作るべきだと思います。

 開場前にオープニング・セレモニー。本人によるテープ・カットと‥‥
テープ・カット
ジグソー・パズル
‥‥ジグソー・パズルの初ピース挿入。これは 300 ピースだそうで、お客さんに 1 ピースずつ埋めてもらい、毎月 1 枚ずつ完成させたいとのこと。動員目標は 300 × 12 = 3,600 人(累計)で、ザックリ計算すると各ステージ 40 人弱の入りで達成となります。

 この日のメニューは↓こちら。

  • オープニング
  • 『吉田和夫物語』
  • シュウイチの客席探訪
  • 『紫の指の人』
  • シュウイチの輪
  • SyuTube
  • 『ミッド・ナイト・エクスプレス』 第 1 話 「誕生」
  • エンディング
  • おまけ:シュイチの部屋

月替わりゲスト作家作品 『吉田和夫物語』 
 坂口修一に多大なる影響を与えた男、吉田和夫。彼の偉業を役者・坂口修一が熱演にて紹介。しかし、話は脱線し‥‥。
[作・演出:ごまのはえ(ニットキャップシアター)]

土の会セレクション 『紫の指の人』
 オカマ(?)の電話勧誘販売員が巧みな話術で加湿器を売る。
[作・演出:サシマユタカ]

超短編連続ドラマ 『ミッド・ナイト・エクスプレス』 第 1 話 「誕生」
 1984 年、熱狂的な阪急ブレーブスのファンの中華料理店店主に息子が産まれる。(全 50 話)
[作・演出:サシマユタカ]

 以上の 3 本のひとり芝居の合間に、バラエティ・ショウっぽいミニ企画を詰め込んでの 75 分。ミニ企画はテレビ番組のパロディになってますんで、だいたいどんな内容かは察しが付くと思います。
 最後のおまけはこの日の特別企画で、坂口修一と月替わりゲスト作家のごまのはえとの対談。制作裏話などを。

 「吉田和夫物語」は、観劇者のイライラを笑いに転化しようと云う感じの作品だが、ちょっとひねり過ぎかも。
 「紫の指の人」は、テンションの高い坂口の演技が見もの。電話勧誘販売員の押したり引いたりがたのしい。
 「ミッド・ナイト・エクスプレス」は毎週 1 話ずつ、50 週で完結する短編ドラマ。昭和を舞台に、話がどこまで膨らむか楽しみ。店主のテンションの高さは坂口にぴったり。


 とにかくテンションが高いんですが、客席の反応は‥‥こんなもん? まぁ気負いが感じられはしましたが、なかなかおもしろかったと思うんですけど。
 毎週公演と云うことでテンションと体調の維持が大変だと思いますが、がんばっていただきたいと思います。月替わりゲスト作家作品はコンプリートできるよう観に行きたいですね。
 4 月中の公演に行くと、観劇数に応じてプレゼントがもらえるスタンプ・カードが付いてきます。気になってる方は急げ!

火曜日のシュウイチ
坂口修一の日記

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TORII 寄席

2007/4/1 @TORII HALL

【桜花絢爛 華やぐ高座 卯月吉例 林家一門会】

  • 林家 笑丸 「松山鏡」
  • 林家 染左 「看板の一」
  • 林家 花丸 「あくびの稽古」
    ―― 中入り ――
  • 豊来家 一輝 《太神楽》
  • 林家 染二 「質屋芝居」
  • 林家 染丸 「猿後家」

※ 第 153 回


 朝からチケット確保に奔走し、ぼちぼちと TORII HALL へ。
 日曜と云うこともあって早くから来られてる方が多く、入場は真ん中ぐらい。100 人くらいは入ってたんじゃないでしょうか。


 開口一番の笑丸は、たっぷりのマクラから短い「松山鏡」へ。初めて鏡を見た村人のリアクションが超大げさで笑丸パワー炸裂。

 つづく染左もマクラたっぷり。「看板の一」は、元博徒の隠居が貫禄十分で雰囲気があり、登場人物のそれぞれが活き活きとしてええ感じ。後半もおもしろく、秀逸の一席。

 花丸はお得意の「あくびの稽古」を。「次は~大国町~」「歴史を変えるな」「ガオー!」等々、花丸流のクスグリがたのしい。売りゃせん家で微笑流のあくびは由緒正しいおかしみが。観るたびに整理されてきていて、今回もヴァージョン・アップされてた感じ。

 中入りを挟んで、一輝の太神楽。狭い TORII の舞台で、傘や鞠を使った曲芸。とくに、口にくわえたバチの上に土瓶を載せる芸はお見事。これが成功率 99 %を超えてくれば、これだけで金が取れる超一流の芸人となるだろう。今後の精進に期待したい。

 なにやら紙袋を持って出てきた染二。この日の舞台番が染二の見習い弟子で、この場で正式入門を許可すると云う。観客からの万雷の拍手のなか登場した見習いに、「央二おうじ」と命名。紙袋から取り出した、入門許可を記した色紙を手渡すも、央二本人は突然のことでしどろもどろ。染二は「皆様方は一生、彼を応援する義務があります」。稽古が進めば月末の『染二 + ONE』で初舞台となるそう。
 ネタは「質屋芝居」をにぎやかに。クサ過ぎる芝居で、丁稚や番頭の素人っぽさが出て、ええ感じに。

 染丸は湯飲みを用意させていたが、のどの調子が悪かったのかも。それでも「猿後家」をたっぷり。幇間の太兵衛の中身のない軽さがなかなか。


 出演者それぞれに味があって、色物も入って、寄席の雰囲気ながら落語に力点を置いた、かなり満足度の高い充実した会でした。央二さんの正式入門と云うサプライズもあり、会場にただよう《陽》の雰囲気が良かったと思います。
 央二さんへの期待も込めて、帰りに『染二 + ONE』のチケットを購入。しっかり稽古に励んでいただきたいと思います。

TORII HALL

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