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鈴本余一会 柳家小三治独演会

2007/5/31 @鈴本演芸場

  • 柳家 ろべえ 「元犬」
  • 柳家 喜多八 「おすわどん」
  • 柳家 小三治 「小言幸兵衛」
    ―― 中入り ――
  • 柳亭 燕路 「だくだく」
  • 柳家 小三治 「お茶汲み」

※ 第五十八回


 昨年打ち立てたテーマ《小三治を観る》ですが、昨年は 10 月の鈴本余一会を目前に病に倒れ(やや大げさな表現)、志半ばで頓挫(これも大げさ)。しかもその会がかなり興味深い内容だったようで、ほぞをかんでおりました。で、今年もテーマを継続。
 この日は新宿末廣亭の余一会も狙ってたんですが、あんまり無理して小三治師匠で寝てたら世話ないんであきらめることに。なもんで、正午出発でのんびり密航。余裕の会場入りです。現場へは 17 時過ぎに到着したんですが、立ち見の当日券を求めるお客さんがかなり列をなしていました。
 ちなみに、座席指定の前売り 3,800 円に対し、立ち見は 1,700 円。ここらは良心的だと思いました。

 会場前の看板にこの日の出番があって、小三治師匠が 2 席あってひと安心。観たかった喜多八さんの名前を見つけて「ラッキー!」とほくそ笑んでおりました。他のお二方も未見で、そこらもうれしい。


 開口一番は喜多八の弟子のろべえ。シュッとした男前。名前の由来をマクラに、脱ぎかけた羽織を着直して「元犬」を。人間になったシロと出会った口入屋の旦那が、裸のシロに羽織を貸してやる‥‥ところであらためて羽織を脱ぐ。
 シロは元気良く、周りの人々は親切な雰囲気が良く出ていてなかなか。サゲは吠えるシロに「それじゃ犬みたいじゃないか」「今朝方、人間になりました」。

 噂どおり、けだるい雰囲気で登場の喜多八。「怪談噺を‥‥」と、妾にまつわる小咄なんかから「おすわどん」へ。女房公認で妾のおすわを自宅へ囲った徳三郎。その後、女房は急死したが、夜な夜な「おすわどん‥‥」と呼ぶ声が聞こえてくるように‥‥ってな噺。
 クサくなり過ぎず良い引き具合で、怪談噺にビクビクする家の様子がありありと。終盤は「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」で、そこからサゲへ至るくだりはストンストンと落ちまくりで心地良い。

 小三治の 1 席目は、なんとも云えない間を置いてから「とくにお話ししたいことはないんですが‥‥」。そう云いつつ、ハワイ旅行と時差ボケの話、7 月に出る DVD を「あれはハッキリ云っておすすめできない」と謙遜しつつ、『TBS 落語研究会』に対する世代による意識の違い、秋に歌うために練習中の“青葉の笛”をひと節と、それにまつわる話、等々。たっぷりの《ま・く・ら》を堪能。
 いつの間にやら「小言幸兵衛」へ。こちらは幸兵衛のイライラをたっぷりと。最初に部屋を借りにきた口の悪い豆腐屋は説教で追い返し、次にきた丁寧過ぎる仕立屋にはホクホクで冗談まで飛び出すお調子者ぶり。手前勝手な幸兵衛の小言の妙な押しの強さがたのしい。

 中入りを挟んで、燕路は「開演から 2 時間 10 分。東京駅で新幹線に乗った方は、名古屋を過ぎて、そろそろ京都に着く頃です。このまま新幹線は進みまして、きょうは広島あたりまで‥‥」。
 軽いマクラから「だくだく」(上方の「書割盗人」)に入り、トントントンとテンポ良く。家財道具の絵を描く場面での所作が筆をチョンと置くだけと云うのは江戸流か。

 小三治の 2 席目、マクラは若い頃に「明烏」を演る参考にと、弟弟子に案内させて吉原へ繰り出したときのエピソード。やや照れくさそうに軽く話し、サッと「お茶汲み」へ。吉原で女が部屋へ入ってくるなり声を上げる。訊くと、死に別れた男と生き写しだと、そう云って泣く女の目をよく見ると茶がらが。
 後半、茶がらに興ざめして帰ってきた男のツレがその女を訪れ、逆に同じような身の上話をすると云う趣向。それを聞かされる女のバツの悪そうな、困ったような表情が秀逸。同じことの繰り返しでダレそうなところだが、この小三治の表情で後半になんとも云えないおかしみが。


 小三治師匠の独演会形式の会は初めてでしたが、たっぷりのマクラを堪能。やっぱりたのしかったです。もちろん落語もすばらしいです。もっともっと観たい! 小三治師匠を寄席で観られる東京がうらやましいです。
 行きは新幹線、帰りは夜行高速バスの、1 泊 2 日(車中 1 泊)ツアー。正直、新幹線のなかで「こんだけ旅費使ってまで観に行く必要あるんかな?」と自問自答してたんですが、終わってみれば「必要はないかもしれんけど、それだけの値打ちはある!」と実感しました。行程はキツかったんですが、内容的には大満足です。

 次回は 10 月 31 日(水)です。次回で鈴本余一会での独演会は最終回。チケットが取れるのか、ちょっと心配です。


 終演後、外は猛烈な豪雨に。その雨も、新宿の地下街でカレーを食べてバス乗り場へ向かう頃にはやんでました。

 今回のチケット獲得には うるうさん に大変ご尽力いただきました。ありがとうございます。こうやって落語バカは皆様に支えられておるわけでありますです、はい。

鈴本演芸場

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名探偵ナンコ よみがえれ!探偵講談

2007/5/27 @本遇寺

  • 旭堂 南湖 『太閤記』より「長短槍試合」
  • 旭堂 南湖 「大蛇美人」 (原作:島田美翠)
  • 旭堂 南湖 《無声映画活弁劇場》
  • 芦辺拓(作家)・南湖 《対談:探偵講談と探偵小説あれこれ》

※ 第 34 回


 『かしや寄席』のあと難波へ移動し、吉朝ファン中心の打ち上げにちょろっと参加。途中で抜けて、地下鉄四つ橋線「なんば」駅から「肥後橋」駅へ、そっから徒歩 20 分弱くらいで本遇寺に到着。
 ひさびさの『名探偵ナンコ』は、なんとか「つ離れ」して 12 人の入り。


 まずは南湖の古典講談「長短槍試合」。槍の長短の選択に迷った織田信長が、上島主水に短い槍と 50 人の軍勢を、木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)に長い槍と 50 人の軍勢を与え、3 日ののちに戦わせて判断しよう‥‥と云う話。上島主水は槍術を教えたが、木下藤吉郎は兵法を教え、不利な状況でも勝利する。
 ここのところ集中的に掛けてるようで、安定感は抜群。おもしろおかしく、それでいて秀吉の策士ぶりをきっちりと伝える。

 つづけて探偵講談「大蛇美人」。明治 32 年の夏、博多の商家に勤める男が、京都で集金した 300 円を鞄に詰めて戻る。道中、船の上等席で一緒になった女に痺れ薬を飲まされ、集金した 300 円を盗まれる。なんとか女の帯をつかんで着物を脱がすと、背中にびっしりとウロコが。‥‥
 大蛇美人をめぐるサスペンス満載のミステリー。南湖の語りにグイグイ引き込まれる。

 今回からの新シリーズ《無声映画活弁劇場》は、南湖自身が調達した約 3 分の 8 mm フィルム 2 本と映写機で上映しつつ、活弁を披露すると云うもの。
 まず 1 本目は「吉良上野介 vs 浅野内匠頭」と題してスタート。映像はプロレスのタッグ戦。台本なしゆえ、ゆるゆると。つづいて 2 本目はサスペンス・タッチのスラップスティック・コメディ。こちらは映像自体におもしろみがあり、ちょこちょことツッコミを入れつつ。
 おまけに、ゲストの芦辺拓(作家)氏が持ち込んだ映画『猫とカナリヤ』のイントロ上映。もちろん無声で、芦辺氏の台本朗読付き。

 入場料徴収を挟んで、芦辺氏と南湖の対談。この日は「芦辺拓の 8 mm 映画講座」と云った趣。芦辺氏の撮影体験談など、なかなか興味深く。


 講談 2 席はたっぷり、その後は 8 mm 映画をダシにグダグダと‥‥って感じでした。
 活弁に関しては、約 3 分と短いとは云え、やはりある程度しっかりした台本が必要だと思いました。それでも、映写機のカタカタと云う音がアナクロ感満点な雰囲気ですし、そこに南湖さんの語りは合うでしょうから、ぜひつづけていただきたいです。

 次回は 7 月 22 日(日)の予定です。

正直南湖

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與兵衛桃林堂かしや寄席

2007/5/27 @與兵衛桃林堂

  • 桂 まん我 「青菜」
  • 桂 こごろう 「動物園」
  • 桂 宗助 「替り目」

※ 第 1 回


 與兵衛桃林堂の娘さんと同級生だった某熱狂的こごろうファンの方の橋渡しで、こごろうさんメインの落語会が実現。こごろうさん自身が 10 年前にラジオ番組の飛び込み取材でこちらのお店を訪れていたそうで、こごろうさんにとっても運命的な再会だったそうな。
 事前予約で満杯だったそうで、当日は 84 人(公式発表)の大入り。ご近所の奥様方が多かったように思います。会場のレイアウト次第ではまだまだ詰め込めそうでしたが、落語会に慣れてないお客さんも多そうでしたから、あれくらいがゆったり笑えて良かったのかもしれません。


 やや緊張気味の店主の挨拶のあと、まずはまん我。小咄やらなんやら、たっぷりのマクラで開場をほぐし、夏の涼いろいろから「青菜」へ。ちょこちょこ噛みながらも、いつもながら丁寧に。まん我のニンで、植木屋を尻に敷いてるお咲にもやわらかさが感じられる。

 つづくこごろうもマクラたっぷり。演し物は当然(?)十八番の「動物園」。
 これがまた、全部入りの長尺完全版と云った感じ。トラの毛皮を着ながらファブリーズを要求し、KYK のチャックを上げながら首の皮を挟んで「血ぃ出てない?」と云いつつ(オロナインでなく)タイガーバームを要求。(塗ったらヒリヒリするやん!) 「バンぐれぇ~!」も引っ張りまくり、同級生の山田も登場し、ライオンが入ってきての「前田は~ん!」も大絶叫。
 こんだけ盛り込んでも、最後までグイグイ引っ張ってスゴい出来。

 トリの宗助登場でやや落ち着いた雰囲気に。こちらも米朝直伝の小咄でゆっくり空気を作りながら、「替り目」へ。とにかく酔っ払いがええ具合。前後不覚でわがままになってるかと思えば、うどん屋に燗のつけ方を細かく注文したり、酔っ払いをつねに中心に据えた演出が好印象。


 終演後、お楽しみのお菓子の時間。よく冷えた水羊羹が振る舞われました。
 落語は 3 席とも良い出来で、とくに芯のこごろうさんは大熱演。お菓子の時間も入れて約 2 時間、たっぷりたのしませていただきました。

 今回は 5 月開催でしたが、これからは 4 月と 10 月の年 2 回ペースでつづけられるそう。次回は 10 月の日曜日の予定です。

與兵衛桃林堂

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できちゃったらくご!

2007/5/25 @天満天神繁昌亭

  • 《オープニング》
  • 桂 三風 「神様の遠眼鏡」 (脚色:桂三風)
  • 旭堂 南湖 「ジョージ・ルーカス一代記」
  • 桂 あやめ 「レズビアン漫才」
  • 笑福亭 たま 「ドーベルマン刑事デカ
  • 《エンディング》

※ 第 36 回
※ とくに記載のない場合は自作ネタ


 『天神寄席』のあと、軽くうどんを食べてふたたび繁昌亭へ。今回の『できちゃったらくご!』は繁昌亭初のレイト・ショー。
 で、入りが心配でしたが、なんのなんの、1 階席が 8~9 割は埋まってました。


 まずは全員集合でオープニング。今回から時間の都合で選抜の 4 人が高座を勤めることに。出番のない月亭遊方と桂三金もオープニングに参加するが、とくに遊方がノリノリ。出番のプレッシャーがない無責任感が顔からあふれまくり。
 出演順の発表と、三題噺をする南湖のお題募集。こちらは「天国」「ダース・ベイダー」「電子辞書」に。

 三風は午後 2 時に新作を断念し、後輩の作品をリニューアルした「神様の遠眼鏡」。いじめっ子に万引きを強要され、取ってこいと指定されたものが《神様の遠眼鏡》と云うもの。悪い人間がこれを覗くと、不吉な未来が見える‥‥って噺。
 三風お得意の観客参加型ながら、いじめがテーマで終始陰湿な空気が漂い、とにかく内容が重くどうも発散しない。サゲは上手いが。

 南湖は「本番に弱いんです」と、ラジオ番組でのエピソードをマクラに「ジョージ・ルーカス一代記」。アメリカはカリフォルニアで生まれたジョージ・ルーカスは、中学卒業と同時に親の転勤で大阪は桜宮へ。高校では名前から「カスや!」といじめられ、高校卒業後に(有)ガタロに就職する。そこで出会った人々は‥‥。
 かなり無理のある展開も、南湖独特の語り口で妙な説得力が。ジョージ・ルーカスが映画を撮るきっかけと、映画『スター・ウォーズ』の裏話も盛り込み、見事三題をクリアー。

 あやめは自身の落語家 25 周年企画『五日のあやめ』の宣伝から、雑誌掲載の話題を。 『BRUTUS』 には《国境なき芸能団》のニューヨーク公演の模様、ゲイ雑誌 『BÁdi』 にはカラー 4 ページでインタビューなど、 『COURRiER Japon』 には日本かぶれのロシア人として!
 演し物は、レズビアンであることを公表した 尾辻かな子 の応援イヴェントでおしどりマコと演った漫才を落語化して。レズビアンのカップルが「そろそろ子ども、ほしいなぁ」ってとこから始まり、あり得ない妄想をあやめ特有のテンションでワァワァ。

 トリのたまは刑事物。名刑事の犬飼警部と相棒のシナモン(ドーベルマン)のもとに配属された田中刑事が、警察内部の麻薬横流し事件を捜査する‥‥って噺。
 シナモンの云わんとすることを犬飼警部が的確に通訳。立場が逆転したり、犬飼警部がええように解釈したり、たまらしいクスグリ満載。ラストの展開は読めるものの、ギャグのたたみ掛けから人情噺らしい(?)サゲへ。

 最後にふたたび全員集合でエンディング。『BRUTUS』争奪ジャンケン大会もあり、2 時間弱でにぎにぎしく終演。


 南湖さんの瞬発力にはビックリです。三題噺なんでムリヤリな部分もたしかにあるんですが、それっぽいストーリーに仕上がってました。この日の秀逸です。
 それと、とにかく出番のない遊方さんが元気で、それがおかしかったです。次回は出番があるでしょうから、テンションの変化も見ものでしょう。

 7 月は天神祭があるため、『できちゃったらくご!』は偶数月に。6 月は 16 日(土)に『育っちゃったらくご!』、7 月は 26 日(木)に特別企画の『できちゃった祭!』、8 月は 25 日(土)にレイト・ショーの『できちゃったらくご!』の予定です。

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天神寄席

2007/5/25 @天満天神繁昌亭

  • 桂 三四郎 「二人癖」
  • 桂 文鹿 「延陽伯」
  • 笑福亭 三喬 「貧乏花見」
    ―― 中入り ――
  • 寺井種治(大阪天満宮権宮司)・三喬 《対談》
  • 笑福亭 福笑 「宗教ウォーズ」 (作:笑福亭福笑)

※ 第 9 回


 繁昌亭(上方落語協会)主宰興行で 5 時半開演。運転免許証の更新を名目に有休を取っての参加です。
 この時間帯になって入りが極端に悪くなってると聞いてましたが、この日はトリが福笑さんと云うこともあってか、1 階席が 9 割入り。おそらく 2 階席にもお客さんが入ってたと思います。


 開口一番の三四郎はとんとんとマクラをつないで「二人癖」へ。癖持ちの二人が賭ける場面は端折り、「一杯飲める」の男が甚兵衛に相談するところから。ネタもきっちりテンポ良く。今風な語り口が三四郎なりの味になってくるか?

 つづく文鹿は出てくるなりそそくさと羽織を脱ぐ。紐を忘れたそう。結婚式にまつわる話あれこれをマクラに「延陽伯」を。いつもながら丁寧だが、ちょいちょいとほころびが。羽織の紐を忘れた動揺か?

 中トリの三喬は、新設された JR「さくら夙川」駅の話題からサクラつながりのマクラをつないで「貧乏花見」へ。ちょっと季節はずれだが、三喬ならではのクスグリ満載。たっぷりの一席に。

 中入りをはさんで、まずは対談コーナー。ゲストに大阪天満宮権宮司の寺井種治氏、聴き手は三喬。神道にまつわる話や天神祭の話など。

 トリの福笑はいつもどおり一杯引っかけての高座。信仰についてのあれやこれやをマクラに、自作の「宗教ウォーズ」を。普段から仲の悪い寺と神社が全面戦争。和尚と神主の直接対決がヒートアップして銃撃戦となり、「なんと云う‥‥なんと云う‥‥なんと云う酷い落語なんだー!」。なりふり構わぬ展開ながら、サゲはきっちり心地良く。
 この会でこのネタを掛けてくるのは福笑の確信犯。爆笑の渦にやられる。


 落語 4 席に対談が入って 2 時間強とコンパクトな会でした。それでも福笑さんと三喬さんで違う味わいの笑いが満載で、なかなかお得な会だったと思います。

 次回は 6 月 25 日(月)です。

天満天神繁昌亭

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染二+ONE

2007/5/24 @天満天神繁昌亭

【Dash The Flag! 天神さんの決闘 ラウンド 1】

  • 林家 染二 「三十石」
  • 桂 文華 「立ち切れ線香」
    ―― 中入り ――
  • 林家 笑丸 「ウクレレ落語」
  • 林家 染二 「らくだ」

※ 第 2 回


 染二さんの月例会。今回は《染二「らくだ」 vs 文華「立ち切れ線香」》と云う趣向。染二さんは「三十石」もネタ出しされてて、長講 3 席のヘヴィな会です。
 1 階席はほぼ満席で、2 階席にもお客さんが。丁度満員と云った感じの入りです。


 ニューヨーク帰りの染二でスタート。旅行の話あれこれから旅ネタの「三十石」へ。やや流れる印象だったが、「御女中」と云う言葉で妄想を爆発させる男が秀逸で、噺の前後をつなぐクスグリも上手い。船頭の歌の、隣の船との掛け合いの直前まで。

 文華の「立ち切れ線香」は初演。ラウンジでのバイト経験をマクラに、昔は線香で時間を計ったことを解説して本編へ。淡々としたなかにそれぞれの人の想いが。文華なりに手も入れられており、こちらは丁稚が噺の前後をつなぐクスグリに。初演ゆえの硬さが目立ったが、それが抜ければかなり良くなりそう。

 中入りを挟んで、何度聴いてもたのしい笑丸のウクレレ。テレビ・ドラマ 『その男、副所長』 の 6/14 の回に出演するとのこと。(ただし、手だけ)

 トリは染二の「らくだ」。これが良い出来で、頼りなさげな紙屑屋が死んだらくだの兄貴分の熊五郎にどやされて町内を奔走。後半、家主が持ってきた酒で紙屑屋が酔っ払い、熊五郎と立場逆転する場面はたっぷりと、描写も細かく。紙屑屋が熊五郎に「剃刀、借りてこい!」と云うところまで。
 長講ながら、全体のメリハリが利いててあっと云う間。


 大ネタ 3 席にウクレレで 2 時間ちょい。とくに染二さんの「らくだ」の充実が印象的でした。文華さんの「立ち切れ」は初演ですから多くを期待するのも酷ですが、それは今後の成長への期待に。

 次回は 6 月 23 日(土)に、雀松さんとの二人会です。

林家染二 オフィシャル・ホームページ

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坂口修一 Solo Act Live 『火曜日のシュウイチ』

2007/5/22 @in→dependent theatre 1st

※ Stage 16


 毎週火曜日に開催されてる『火曜日のシュウイチ』ですが、前回おもしろかったんで、毎月 1 回行くべく 12 回数券をオーダー。月替わりゲスト作家作品はコンプリートしまっせ~!
 で、8 時半の部に行ったんですが、開場まではそれほど人がいなかったのに、開演までに 50 人ほどに。前説の茶瓶さんによると、5 月ではかなりの大入りだったそう。
 入場時に 大阪初上陸の Purimo のプリンをゲット。こちらは 5 月末までの限定販売ですので、気になってる方はお早めに。


 この日のメニューは↓こちら。

  • オープニング
  • 『錦恋』
  • シュウイチの輪
  • SyuTube
  • 『ミッド・ナイト・エクスプレス』 第 8 話 「押し、初体験」
  • エンディング

月替わりゲスト作家作品 『錦恋』 
 出番前の漫才コンビが些細なことで口論になり、ボケが楽屋のトイレに立てこもってしまう。残されたツッコミは‥‥。
[作・演出:伊藤えん魔(ファントマ)]

超短編連続ドラマ 『ミッド・ナイト・エクスプレス』 第 8 話 「押し、初体験」
 雅恵ちゃんとのデートでキス寸前にまでなった徹だが、なぜか思わず雅恵ちゃんをボートから突き落としてしまう。(全 50 話)
[作・演出:サシマユタカ]

 『錦恋』が長くなってしまった(オファーは 30 分だったが、できあがった台本は 60 分になってしまっていた)ため、土の会セレクションはお休みに。
 その『錦恋』、やや説明クサい場面が気になるも、漫才師と云う設定がムリヤリ感をオブラートに包む効果もあって、ギャグ数珠つなぎ的展開。ツッコミのシュウイチが見た夢の話を先輩芸人にする場面ではすさまじい迫力の悪魔になりきり、出てこないボケのポンイチへの当てつけにひとりでネタ合わせ(?)を始めて「中東か!」。そのセンスにバカ負け。

 『ミッド・ナイト・エクスプレス』の方は予習せずに挑んだが、切り取られた 1 話だけ観てもたのしめる展開。しかも、あり得ない展開。サブ・タイトルは次回へのネタ振り?


 丁度この日が誕生日だったもんで、SyuTube に投稿して“Happy Birthday To You”で祝ってもらう。読まれたコメントでも軽くひと笑いありましたし、なんだかうれしい気持ちになりました。100 円で得られるしあわせ。

 入場時にポイント・カードに押印。スタンプ 2 個で終演後に坂口修一とツーショット写真を撮ってもらえました。最初は「それってどうなん?」と思いましたが、撮ってもらうとうれしいもんですね。

 要所々々に観客参加型のパートがありますんで、いっしょに盛り上がるのが吉です。

火曜日のシュウイチ
坂口修一の日記

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福楽の底力

2007/5/19 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 森乃 石松 「浮世根問」
  • 桂 福楽 「子ほめ」
  • 露の 新治 「兵庫船」
  • 桂 福楽 「打飼盗人」

※ Vol. 9


 この日は『たまのカシミヤ 100 %』と迷ったんですが、福楽さんをチョイス。新治さんがゲストってのも大きかったです。
 梅田から難波へ移動し、某 C さんと合流。虫養いしてからワッハ上方へ。誰もいません。‥‥開場後、ぼちぼち来られましたが、入りは 15 人でした。


 開口一番の石松は初見。マクラは余裕がない感じで、しかもちょっとブラックなネタを持ってくるんで笑えないのがつらい。ネタの「浮世根問」に入ると徐々にテンポ良く。

 ゲストの新治は入りの悪さをイジリ倒し、入りの悪かった地方興行での話やら、病院でのええ話もはさみながら、いろいろとマクラをつないで旅ネタの「兵庫船」を。これと云った派手な演出はないが、心地良い口跡で船旅もたのしく。喜六が扇子に質札をくくり付けて「流れやすいように」と頓智を効かせる。

 福楽の 1 席目は、十数年ぶりに演ると云う「子ほめ」。春團治の型を踏襲しているが、年齢のことを考えてる喜六の間がスゴい。どうスゴいって、絶句したかと思わされそうなギリギリのライン。それでも下に云う 45 歳と上に云う 10 歳の間の 40 歳の伊勢屋の番頭に対して、どっちに云えば良いか論理的に悩むあたりは福楽らしい。
 2 席目は「打飼盗人」。初めて観るネタだが、「仏師屋盗人」と同趣向の噺で、こっちは盗人の同情を誘って逆に金を置いていかせる。盗人に入られた男の頼りなさが福楽のニンにぴったりで、無職と云うことに説得力を与える。ゆるぅ~い身の上話で盗人を丸め込むくだりがたのしい。


 独特のフラの福楽さんと、語り口が耳に心地良い新治さんで、なかなか充実の会になりました。とくにゲストの新治さん、まだ数えるほどしか高座を観てませんが、もっと観たいと思わされました。

 次回は 7 月 28 日(土)の予定です。

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千朝落語を聴く会

2007/5/19 @太融寺本坊

  • 桂 さん都 「みかん屋」
  • 桂 千朝 「住吉駕籠」
  • 桂 こごろう 「書割盗人」
  • 桂 千朝 「肝つぶし」

※ 第 42 回


 ギリギリに起きたもんで、直前まで行くか行こまいか逡巡してたんですが、一念発起して出発。(んな、たいそうな)
 太融寺の本坊が建て替えられてから初めて行ったんですが、かなりきれいなホールに生まれ変わってます。靴のまま会場へは入れますし、エレベーターも完備。椅子席で、高座も 1.5 m くらいあります。落語会のために作られたような設備です。
 客入りは 100 人くらいでしょうか。詰めれば 200 人は入りそうな会場です。


 開口一番のさん都のマクラは、おなじみの教育関係者向けの会でのエピソード。これもかなり繰られてて、笑い所が増えてる。演し物の「みかん屋」は手慣れたもの。安心して観ていられる。

 千朝の間に出たこごろうは、つもり貯金の話から、人は金がなくてもないなりに工夫するって話へつないで「書割盗人」へ。壁紙に絵を描いてもらおうと云う男もさることながら、絵を描く男も調子にノってきて、遠近法やなんじゃとたのしみながら。観てるこっちまでたのしい雰囲気に。盗人が入ってのつもり合戦も、「ひょいーっと、かわしたつもり!」やのにきっちりかわして、「逃げるつもり!」やのにきっちり逃げてるのがなにげにおもろい。

 千朝の 1 席目は、定番のリニアモーターカーのマクラから「住吉駕籠」。茶店の店主の啖呵はもうちょっと勢いがほしいところ。しかし、中盤の酔っ払いはなかなかで、千朝独特の変な動きで酔っ払いの酩酊度が上昇。
 2 席目は軽いマクラから「肝つぶし」。恋わずらいの吉松のふせり具合はやや弱いが、千朝自身の引き具合が思いつめた噺の雰囲気にハマってる感じ。もうちょっとクサくても良いかも。


 2 時間弱でしたが、千朝さんはきっちり、こごろうさんとさん都さんはにぎやかに、全体としてたっぷりと云う印象の会でした。
 この新本坊、天井がドーム状で高いせいか、高座が高めに設定されてるためか、声が上へ抜けてしまって聴き取りづらい感じがしました。ここらは慣れの問題ですかね。

 次回は 6 月 30 日(土)の予定です。

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atto おどろく落語会

2007/5/17 @太極拳処“atto”

【初めての人でも分かる英語落語の会。】

  • 桂 しん吉 《ごあいさつ》
  • 桂 しん吉 「天災」
  • 桂 しん吉 「牛乳時代」 (作:中島らも)
    ―― 中入り ――
  • あさ吉・しん吉 《初めての英語落語の前に》
  • 桂 あさ吉 「The Zoo」

※ 第 25 回


 予定を ねたのたね でチェックして予約して行ったんですが、開演時間が 19 時半を 19 時と間違ってて、えらい早くに到着。遅くに間違えるよりは良かったんですが。
 前回行ったとき は大入り満員でしたが、今回は 16 人でゆったり。男性客は 3 人で、あいかわらずの女性人気です。


 まずはしん吉のごあいさつ。阪堺電車とロッキーの関係から、桂米朝負傷の話題、『きふね寄席』の楽屋話など。笑福亭福笑のさもありなんなエピソードがたのしい。
 つづいてしん吉の 1 席目、マクラをしゃべり始めるなりあさ吉が会場の外へ。どんだけ自由人やねん!?!? 「天災」はきっちり吉朝の型で。いらちな男の啖呵もポンポンと威勢良く。
 さらに 2 席目、中島らもの思い出話や、らも作の小咄をマクラに「牛乳時代」。以前に観たときよりもええ具合にこなれて、中島くんのキャラがまとまってる印象。最後に本物の牛乳を口に含んで「ム~ン」。

 中入りを挟んで、あさ吉としん吉でトーク&英語落語の解説。これがまたあさ吉ワールド全開って感じ。会自体がリラックスしたゆる~い雰囲気で、しん吉はガイド役に徹し、あさ吉の味を引き出しまくり。英語落語の持ちネタは 6 本で、毎年増えてるそう。
 そのあさ吉の英語落語「The Zoo」(「動物園」)は、桂枝雀の「White Lion」の簡略版との印象。話が頭に入ってると、簡単な英語で構成されてると笑えることを実感。英語化されてて設定はより現代っぽいのに、トラに入る男が Kiroku って云う、そのセンスがあさ吉らしい。トラの檻に案内された Kiroku の「My new office!」がツボ。


 しん吉さんの高座もマニアックなネタ満載でたのしめましたが、この日はあさ吉さんの魅力満載だったのがうれしかったですねぇ。あさ吉さんの勉強会にも行かねば、と思いました。いやぁ~、たのしかったです。
 開演前にあさ吉さんが会場の外でネタ繰りされてたのが印象的でした。

 次回は 6 月 21 日(木)、ゲストは桂阿か枝さんで、三味線さんといっしょに《長唄のススメ》だそうです。くわしくは こちら をどうぞ。
 ちなみに、開演は 19 時半です。

しん吉くん、色々と大変ねぇ。
桂あさ吉@ブログ

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無我 2007 M-ROAD

2007/5/16 @大阪府立体育会館 第二競技場


 毎度おなじみ 某後輩 と無我観戦。
 今回は《藤波辰爾国内 3500 試合記念》と銘打ったツアー‥‥なんですが、なんとも入りが悪い。ザッと 5~6 割って感じ。試合数は少なめですが、カードも良いし、大阪プロレス参戦で華もあるし、なんで? ヒロ斉藤の欠場が影響してる?


征矢学 vs 倉島信行
 とにかく倉敷がいまどきのレスラーじゃなくて、なんか永源遙予備軍みたいな感じ。一方の新人・征矢はカッコ良い身体。それでも試合は倉敷が逆エビ固めで征矢を下す、ヤングライオンチックな結果に。

後藤達俊 vs 長井満也
 やられていても終始、後藤が試合をコントロール。ヤバくなったら金的攻撃で流れを変え、きれいな弧を描いて危険な角度のバックドロップ!
 最後も金的→バックドロップでピン・フォール。さすがは Mr.BD だ!

グラン浜田&竹村豪氏 vs クォーターメイン&ビリーケン・キッド
 タッグで中トリなのに 20 分 1 本勝負ってどうよ!?!? 盛り上がってきたところで時間切れ引き分けで延長コールも起こらず、なんとも消化不良。浜田のがんばりが光る。竹村とキッドのシングルってのも良さそう。

【藤波辰爾国内 3500 試合出場記念試合 第 3498 試合】
藤波辰爾 vs スペル・デルフィン

 休憩後に特別試合。やっぱり藤波のテーマ曲は“ドラゴン・スープレックス”に限る。曲に合わせて「ドーラーゴン!」とコールできるし、これだけでテンションが上がるから。
 デルフィンにとっては憧れの選手との対戦だろう。その藤波にデルフィンクラッチを極めたシーンに感動。(あっさり返されたけど)
 ドラゴン殺法をたたみ掛けるまでもなく、ドラゴンスリーパーでデルフィンがギヴアップ。フルネルソンでのドラゴンスープレックスの攻防くらいは見たかった。

西村修&吉江豊 vs 川田利明&青柳政司
 メインは 60 分 3 本勝負。ここらが無我らしい、昭和の薫りプンプン!
 1 本目、青柳の鋭い蹴りにびっくり! 川田が西村にストレッチプラムを極め、粘る西村を逆方向にひねってギヴアップを奪う。説得力十分。
 2 本目、なぜか満身創痍の西村がリングに。吉江に変わるとことちゃうん? そのまま西村のローンバトルがつづくも、ストレッチプラムにきた川田を逆さに押さえ込んで逆転の 1 本。
 3 本目、混戦のなか、川田と西村のバックの取り合いを制した西村がコブラツイストでガッチリ固めたところで、吉江が青柳をダイビングボディプレスでピン! 逆転勝利!
 倒立やスピニングトーホールドなど、西村節爆発! 川田との丁々発止のやりとりも見ごたえあり、すばらしい試合に!


 ‥‥ってことで、試合数は少なくても見どころ満載の無我です。集客や選手層の薄さなど課題もありますが、もっと入っても良いと思える内容を持ってます。ケロちゃんのコールも健在ですし。
 殺伐とした遺恨がなくても成立するプロレス、ええもんですよ~。

無我ワールド・プロレスリング

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らくご道 笑福亭生喬と桂こごろうの落語会

2007/5/15 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 笑福亭 生寿 「色事根問」
  • 笑福亭 生喬 「三人旅」
  • 桂 こごろう 「崇徳院」
    ―― 中入り ――
  • 生喬・こごろう 《対談:夕焼け日記》


 こごろうさんの会なんで天気が心配でしたが、なんとか持ちこたえたようです。入りはあいかわらず 30 人ちょいでほぼ横ばい。


 開口一番の生寿は「色事根問」をきっちりと。ところどころに見られる生喬風味が微笑ましい。しっかり稽古してることがうかがえて好感。

 生喬はマクラで繁昌亭昼席・夜席の話を。開演時間の早まった夜席『○よう寄席』はかなり入りが悪いとのこと。その後もいろいろ話をつないでマクラたっぷり。旅の話から「三人旅」へ。喜六・清八・源兵衛の上方落語トリオと馬方とのやり取りあれこれ。馬代の値切りは「住吉駕籠」と同趣向だが、こっちの方がいろいろ多い。後半の馬の屁は芸がこまかい。

 こごろうは恋わずらいへのあこがれをマクラに「崇徳院」をたっぷり。これまでずっと気になってた、熊五郎の首に掛けられたおひつの行方、それを上手くクスグリに処理されてて感心。こごろうらしさが全体に上手く散りばめられた好演出。

 中入りを挟んで対談コーナーは、本日のネタを中心にあれこれ。こごろうの考える「崇徳院」のサゲ(?)はなかなか良さげ。ぜひ独演会で実現してほしい。


 落語はたっぷりで対談も興味深く、あいかわらずの『らくご道』でした。

 生喬さんも気にされてた繁昌亭の定席興行ですが、東京の寄席では夜席が 5 時頃開演ですから、あり得ない設定ではないんでしょうけど、演る方にも観る方にも不評な運営ってどうなん?
 関西では寄席ではなく落語会と云うスタイルが定着していることと、同じ料金なら元を取りたいと思う関西人気質を考えると、途中から入ってこられるお客さんは少ないと思います。しかも貸席が増えてる夜席の現状を考えると、『○よう寄席』だけ開演時間を早めることに意義が感じられません。いろいろと試行錯誤されてるんでしょうけど、こういう思いを伝える術がないのがもどかしいです。

 次回は 6 月 14 日(木)の予定です。

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遊方のゴキゲン落語会

2007/5/14 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 月亭 遊方 《オープニング・ミニトーク》
  • 旭堂 南青 『水戸黄門漫遊記』より「牛盗人」
  • 月亭 遊方 「憧れのひとり暮らし」 (作:月亭遊方)
    ―― 中入り ――
  • 月亭 遊方 「わすれうた」 (作:月亭遊方)

※ 第 21 回


 1970 年代の UFO ブーム以来の遊方ブーム到来!?!? 40 人ちょいの入りで、ええ感じの満員。


 大入りに気を良くする遊方。オープニングは、ヤカラに絡まれそうになった話と、見合い話で家族(母・姉・義兄・姪・甥)におちょくられた話で大盛り上がり。見合い話から理想の見合い結婚の妄想モードに突入。

 前座の南青は、ラメ入りのピンクの着物で登場。「牛盗人」は、牛を盗んだ父親を息子が訴え出る話。前半はクスグリ満載、後半は親を思う子の気持ちが良い具合に語られる。テンポ良い語り口で心地良く、講談の常套手段のラストも大ウケ。

 遊方の 1 席目「憧れのひとり暮らし」は 11 年前に作った噺で、若い男が実家を出ようと不動産屋を訪れるところから。変な物件の目白押し。スベり気味のクスグリも勢いで乗り切る。
 中入りを挟んで、2 席目「わすれうた」は、とある CD ショップにおぼろげながら覚えてる歌の CD を買いにきた男の噺。微妙なメロディで「ラララ~」と歌う男と店員とのやり取りがおかしい。もうちょっとで曲名が出てきそうになった男が逆さ吊りにされたり、後半の加速度がスゴい。


 今年に入ってからの遊方さんの勢いは衰えることなく、ええ具合にテンションの高い高座でおおいに盛り上がりました。いまが旬ですよ!
 中入りの間に、遊方さんの飼ってる猫が紹介されてるフリー・マガジン『ザ・おおさか』が回覧されました。詳細は 今月の遊方雑記 をご覧ください。オープニングでも遊方さんの猫バカッぷりが炸裂してました。

 次回は 8 月 21 日(火)の予定です。
 そしてそして、三遊亭白鳥さんとの二人会がアナウンスされました! しかも前座は笑福亭たまさん! 9 月 19 日(水)に繁昌亭にて。これはえらい濃い会になりそうです。

遊方 FOR YOU!

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国境なき芸能団、ドミニカ道中

Watch!:国境なき芸能団、ドミニカ道中/上 (毎日新聞)
Watch!:国境なき芸能団、ドミニカ道中/下 (毎日新聞)

 国境なき芸能団の小林康二(事務局長)さんによる、笑福亭鶴笑&姉様キングス(あやめ小路ビッ千代&雀リーヌ染奴≒桂あやめ&林家染雀)のドミニカ共和国遠征記です。先日の ドミニカ報告会 で聴いた内容ですが、小林さんの日記からの引用も多く、現地での奮闘ぶりが伝わってきます。
 ぜひ、ご一読を。

NPO 法人 国境なき芸能団

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繁昌亭昼席

2007/5/13 @天満天神繁昌亭

  • 桂 吉坊 「つる」
  • 桂 壱之輔 「ぜんざい公社」
  • 桂 文昇 「桃太郎」
  • 桂 春雨 「稽古屋」
  • いわみ せいじ 《漫画》
  • 桂 梅團治 「禁酒関所」
    ―― 中入り ――
  • 桂 米輔 「兵庫船」
  • 桂 文也 「宿替え」
  • 桂 米八 《曲独楽》
  • 桂 春之輔 「親子茶屋」


 落語ビギナーのガイド役として繁昌亭昼席へ。開場 1 時間以上前に到着すると、すでに「当日券はこれより補助席」の案内に。繁昌亭カードのポイントで予約してたんで無問題でしたが。大入り満員。


 吉坊の「つる」は、散髪屋での噂話はカットして、すぐさまつるの因縁に。仕込んでバラすシンプルな構成。「つるぅーーーーーーーーー」で笑わないのは、客が硬いのか、それともおもしろさを理解できないのか。

 壱之輔の「ぜんざい公社」は、こちらもコンパクトに。ほど良い具合にいまどきのアレンジが施されてて好感。

 文昇は「桃太郎」を丁寧に。憎たらしい息子に、首を絞める仕草で「永久に眠らしてしまいそうになるやないか」はツボなクスグリだったが、昼席ではどうか。

 虚弱体質の春雨は妻の三味線で「稽古屋」。前半の「色事根問」の部分は端折り、後半の稽古屋の場面をたっぷりと。

 ひさしぶりのいわみせいじ。即興漫画はたのしいおどろき。

 中トリの梅團治はマクラをいろいろ振ってから「禁酒関所」へ。貫禄十分だった番役の侍が、水カステーラでグダグダに。落差がすさまじい。

 中入りを挟んで、米輔は「兵庫船」をハメモノ入りで立体的に。時間の都合で前半の謎掛けまで。

 初めて観る文也の「宿替え」は、なんとなく軽妙でたのしい雰囲気。

 米八は毎度おなじみの曲独楽。独楽を掌で受ける際に流血するも、最後まで。

 毛氈が敷かれてトリの春之輔。自虐的マクラから「親子茶屋」へ。初めて「死ぬなら今」以外のネタ!
 「男の道楽、三ダラ煩悩」の導入部からきっちり春團治の型。そこに春之輔のゆるぅ~いフラが加わって、道楽にハマり込んでる感が増幅。


 全体的にまったりとした雰囲気の番組でした。お客さんが硬かったのか、趣味に合わなかったのか、笑いはやや少なめ。番組は悪くなかったと思います。ただ、ちょっと自虐的なマクラが多くて、そこらは気になりましたが。
 個人的には、この日の秀逸は中トリの梅團治さん。かなりおもしろかったです。
 終演後にビギナーのみなさんにヒアリングしたところ、なかなかたのしめたご様子。ただ、前半は早口に感じられたとか。私は噺を知ってるんで気になりませんでしたが、初心者への配慮を考えると、短時間でのネタ構成はかなり難しい課題と云えるでしょう。

天満天神繁昌亭

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きふね寄席

2007/5/12 @貴布禰神社

  • 桂 しん吉 「桃太郎」
  • 林家 染左 「軽業講釈」
  • 笑福亭 三喬 「仏師屋盗人」
    ―― 中入り ――
  • 桂 つく枝 「食通夜」 (作:小佐田定雄)
  • 笑福亭 福笑 「千早振る」

※ 第 29 回


 難波から地下鉄と阪神を乗り継いで尼崎へ。徒歩約 10 分で貴布禰神社に到着。枝三郎さんの会が押したんで、会場に着いたらすでに開場してました。
 どんどんどんどんお客さんが詰めかけ、開演前には座布団席の膝送り、開演後も椅子席の膝送りで、最終的には 160 人(公式発表)の入りに。


 開口一番のしん吉は、幼稚園での落語会のエピソードをマクラに「桃太郎」を。いまどきな雰囲気で、子どもが『NEWS23』を観てたり、父親が母親に「ハッピーターン食べてる場合やないぞ」と意見したり、こまかいクスグリがたのしい。

 つづく染左は、マクラで師弟関係をボヤきつつ「軽業講釈」へ。前半は隣の軽業小屋からの囃子が入ってにぎやか。総髪の解説で脱線したり、ここらは余裕が感じられる。
 後半の軽業小屋での綱渡りでは《淀の川瀬の水車》を初めて観る。あまりのにぎやかさに張り扇を投げつけてキレる講釈師に爆笑。本気印に感服。

 中トリの三喬は、染左の熱演を受けて「そないに力入れて演るほどの芸やないと思うんですけど」。
 得意の泥棒ネタから「仏師屋盗人」を。何度か観てるが、立場逆転の構図に三喬のフラとの相乗効果で、あいかわらずおもろい。ふと我に返って「神社で仏さんの噺して、ええんかいな。‥‥まぁええやろ」ってな自問自答も三喬らしい。

 中入り後、宮司の挨拶を挟み、つく枝の「食通夜」は、通夜の席に駆け付けた男が食べまくるだけの噺。なんでも美味そうに食べ続け、その食べ分けもお見事。何度観ても腹一杯な気分に。

 トリの福笑は、ひさびさに電子音のマクラ。ガス漏れ警報器との格闘は秀逸。
 マクラで盛り上げるだけ盛り上げといて、いきなり「千早振る」へ。歌の意味を訊きにきた男も、それを教えざるを得なくなった男も、どっちも知ったかぶり。訊く方の「ひゃくにんひとくび」「おのこちょう」「きよししょうのげん」もおもろいが、教える方が相手に推測させておもむろに打つ相づちの「せや」の繰り返しも秀逸。浪曲に講釈に浄瑠璃に河内音頭と、福笑の持ちネタ満載。落語マニア向けのクスグリには爆笑。
 前回よりも整理され、安定した感じ。サゲ付近にもう少し意外性がほしい気もするが、贅沢?


 最初から最後まで、それぞれに違う味があって、かなり充実の番組でした。これで 1,500 円はお得でしょう。みな大満足で家路につけたと思います。

きふね寄席

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桂枝三郎の会 老人いこいの寄席

2007/5/12 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 桂 枝三郎 《ごあいさつ》
  • 繁昌亭 隼丸 「七度狐」
  • 笑福亭 松五 「天狗さし」
  • 桂 枝三郎 「六文銭」
    ―― 中入り ――
  • 桂 三ノ助 「初恋」 (作:桂三枝)
  • 桂 枝三郎 「稽古屋」


 かなりこぢんまりした印象の『老人いこいの寄席』ですが、畳敷きが 8 畳から 10 畳に増えてました。入りは 20 人ちょい。


 枝三郎の前説のあとに登場したのは、老人大学上方演芸科修了生の繁昌亭隼丸はやまる。命名は桂三枝。
 軽くマクラを振ってからの「七度狐」は、ゆったりとしたテンポで。イントネーションはかなり気になったが、ネタがきっちり入っていたのが救い。水車のサゲまできっちりと。

 つづく松五はあいかわらず余裕がなくて絶句しそうなマクラにドキドキさせられるも、ネタへ入ればきっちり安定感あり。
 ひさしぶりの「天狗さし」は、天狗と間違えて連れてきた坊主に「天狗か? 坊主か?」「みっちり修行をしてきたつもりだったが、自慢の鼻がへし折れた」「自慢の鼻! やっぱり天狗や」と、米朝の型とは異なるサゲ。

 枝三郎の 1 席目はマクラたっぷり。子どもの小咄から、めずらしい「六文銭」。口の達者な息子に父親がまんまと小遣い銭を取られる噺。息子のストーリー・テリングの妙が、だまされると判っててもたのしい。

 中入りを挟んで、三ノ助はハキハキと。プロ野球のマクラから、高校教師が高校球児に恋愛指南を受ける「初恋」。三枝の作で、構成が巧みでサゲも上手い。三ノ助の口演にはもうちょい感情移入がほしいところだが、カラッとした口跡は聴きやすい。

 枝三郎の 2 席目は、「八咫烏」が「七度狐」とネタが付くと云うことで「稽古屋」に変更。前半は「色事根問」がきっちり入り、後半の稽古屋では師匠の所作が雰囲気たっぷり。


 こんなこと云うのは失礼かもしれませんが、枝三郎さんは地味にええ感じです。まったりした枝三郎さんの会ですが、隼丸さんのおかげでさらにのんびり。おかげで 2 時間半近くに。

 次回は 6 月 16 日(土)の予定です。

桂枝三郎の部屋

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南湖だんご 旭堂南湖話術研究会

2007/5/11 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 旭堂 南湖 『赤穂義士伝』 其の二 「蛙の遺恨」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂 南湖 『太閤記』より「長短槍試合」

※ 第 35 回


 私の場合、平日に難波へ出るときはバスを利用するんですが、ごくたまに大渋滞に巻き込まれるんで、ちょっと早めに出ることにしてます。
 きょうも早めに出発したんですが、バスはスムーズに運行して開場前に到着。誰も列んでません。開場後、チラシを何枚か読み、菓子パンで腹ごしらえし、トイレを済ませ、それでもひとり。ひょっとすると中止になるかも‥‥と思ってるところ、開演 10 分前にようやくひとり、開演 3 分前にさらにひとり、開演直前に最後のひとり、合計 4 人。前回から半減です。


 軽いマクラで客席の緊張感をほぐしてから『赤穂義士伝』へ。前回のあらすじ、元禄十二年の亀井能登守の吉良上野介との遺恨から、元禄十三年の岡部美濃守と吉良上野介との遺恨と、賄賂強要とそれにまつわるいやがらせで強欲な吉良上野介の底意地の悪さがますます増幅。岡部美濃守が吉良上野介に折檻を加えるもますます増長し、いよいよ元禄十四年の殿中松之大廊下での刃傷へ。‥‥と云うところまで。
 今回も 60 分少々だったが、前回に比べて硬さの取れた語り口。あらすじだけで半分以上あったが、ここらは客入りを考えると仕方なかったかも。

 短い休憩を挟み、おまけで『太閤記』より「長短槍試合」を。織田信長の軍勢に槍が不足し、長い槍と短い槍のどちらを追加すべきか迷う。短い槍を推す上島主水と長い槍を推す木下藤吉郎にそれぞれ 50 人の兵を付け、3 日間の教練ののちに争わせ、有利な方を採用しようと云う。
 槍の使い方にたけた上島主水に対し、人の使い方にたけた木下藤吉郎の差が勝負の結果にあらわれる。極端な話だが、現代社会にも通じる教訓が含まれている。
 こちらはゴールデン・ウィークに東京で開催された『たま・南湖 二人会』でも掛けられていて、口跡良くトントンと。心地良い一席に。


 おまけもたっぷりで古典講談を堪能しました。『赤穂義士伝』は吉良の憎たらしさがどんどん膨らんで、刃傷への期待感が高まります。続き読み講談なんで、なかなか話が前へ進みませんが。
 それにしても、入りの悪さがもったいないです。

 7 月は『講談文月毎日亭』のためお休み。次回は 9 月 7 日(金)の予定です。いよいよ刃傷松之大廊下‥‥だと思います。

正直南湖

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熱烈しんおん寄席 桂雀々独演会

2007/5/10 @朝日生命ホール

  • 桂 二乗 「牛ほめ」
  • 桂 あさ吉 「書割盗人」
  • 桂 雀々 「地獄八景亡者戯」
    ―― 中入り ――
  • 桂 雀々 「雨乞い源兵衛」 (作:小佐田定雄)


 前日の猛暑が一転、雨と風で気温低下。肌寒いくらいに。
 前売り完売で補助席も。ってことで、天気は関係なく大入り満員。


 二乗の「牛ほめ」は何度か観てるが、徐々に時間が圧縮され、それでいて走ってる様子もなく、こなれてきてスマートになってる印象。安心して観ていられる。

 あさ吉はいつもどおり飄々とした雰囲気を漂わせ、パキスタン公演の話をマクラに「書割盗人」を。これも何度か観てるが、家財道具を絵に描いてもらおうと云う男のお気楽さがニンに合っててええ具合。「『なんじゃこりゃ~!?!?』のつもり」は何度聴いてもおもしろい。サゲは「カギ描いといてもらったら良かった」。

 雀々の 1 席目は長講「地獄八景亡者戯」。長いことをマクラでサラッと伝え、すぐさま本編へ。人呑鬼が出てくるところまでは、御隠居とサバにあたった男とを軽い芯にした構成。奪衣婆のくだりや一芸の趣向はカットし、河豚を食べて死んできた若旦那御一行もあっさりと。もっといじってくるかと期待してたが、スタンダードな流れでシンプルな構成に。
 クスグリは先人のええとこ取りだったが、三途の川の渡し賃のくだりでは《納豆を食べ過ぎて激やせして死んだ男》が登場。鬼の「そんな死に方、ないない」に「あるある!」で爆笑。閻魔大王が横山ノックだったのにはバカ負け。
 「地獄」にしては短めの、約 65 分。(長けりゃええってもんでもないが) 御隠居とサバ男にもうちょっとキャラが付いてきて、ふたりの地獄道中記みたいな構成になれば、雀々ならではの「地獄」になる予感。

 中入りを挟んで、雀々の 2 席目は小佐田定雄・作の「雨乞い源兵衛」。先祖が雨乞いだったためにその役目をムリヤリ押し付けられる源兵衛の受難噺。同じことを 2 度繰り返す、ややパンチの弱い構成の噺だが、雀々落語の田舎者はなんとも云えないおかしさが。


 もっと濃厚な会を想像してたんですけど、前のおふたりもスマートな芸風ですし、雀々さん自身が引くことを意識してるせいもあってか、非常にあっさりした印象の会でした。
 とくに「地獄」はもっと飛び道具を盛り込んでくるかと思ってたんですが、肩すかしを喰らわされたと云うか、拍子抜けと云うか、とにかく意外でした。今年は何度か掛ける予定のようですんで、これからどう膨らんでゆくのか、何年後かにまた観てみたいです。

桂雀々☆落語のひろば!
大阪新音

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朝日東西名人会

2007/5/9 @シアター・ドラマシティ

  • 桂 まん我 「子ほめ」
  • 立川 談春 「宮戸川」
  • 桂 雀松 「替り目」
    ―― 中入り ――
  • 林家 たい平 「お見立て」
  • 林家 染丸 「天下一浮かれの屑より」

※ 第五回


 開演 10 分前に到着し、ロビーであわてて腹ごしらえ。客席に入ってびっくりしました。後方の半分がほとんど空席。前方もところどころ歯抜けになってるし、なんで?


 開口一番のまん我は「子ほめ」をたっぷりヴァージョンで。あいかわらず終始たのしい雰囲気で、細かい部分でわかりやすく改変されていて好感。

 談春の登場に声が掛かりまくる。やはりこの日いちばんの注目株。自己紹介で《良い方の立川流》であることをお断りし、客入り(の悪さ)に触れる。さらに、この日の上方勢はみな受賞者だとか、自虐的なマクラ。
 演し物は「宮戸川」。帰りが遅くて家を閉め出された半七とお花が、半七の叔父の家に泊めてもらいに行く‥‥って噺。半七がお花にもてあそばれてて、それでもなにやら半七はうれしさを秘めてるようで、おもしろい場面だが、観てる方はどうも入りきれない。ところが、叔父夫婦の家へ到着し、ふたりの関係を勝手に合点する叔父や、やたら老けた叔母とのやり取りがたのしく、噺が立体的になってきたあたりで引き込まれる。
 ‥‥が、時間の都合で半ばまで。どうも 7 月の独演会の予告編のような印象に。

 中トリの雀松は、いつもの「お付き合いと云っても‥‥」「小鳥のように‥‥」のマクラから、これまたいつもの「替り目」。ところがこの日は時間に余裕があってサゲまでたっぷり。酔っ払いの旦那があいかわらず憎めないオーラを出しまくり。

 中入り後のたい平は勢い良く、立て板に水の語り口。さりげなく税金の払い方を知ってるとアピール。
 演し物の「お見立て」は、花魁が田舎の御大尽の相手するのを幇間に断らせる噺。花魁の憎々しい表情がえげつなく、幇間は困惑しながらもとことん軽く、御大尽はもっちゃり。クサいんだけどカルく観させてしまうのはたい平のニンだろう。ギャグ満載で、時代にそぐわないクスグリもあったが、それも OK なノリ。御大尽が幇間に祝儀を渡して「袋は破って捨ててしまえ。地下室に持ってっちゃダメだぞ」とたしなめたり。

 トリの染丸は《しんどくておもしろくない「浮かれの屑より」》と《おもしろくて楽な「寝床」》の観客アンケート。圧倒的に「屑より」で、ひと言「いけず」。(袴姿で、もともと演る気で出てきてるくせに~)
 途中で座布団を脇へ放り投げ、ハメモノが入って中腰のまま踊ったり、ここらは林家の真骨頂、まさに《天下一》。ツケがええ具合に入るなぁと、終演後にパンフレットを確認すると、やっぱり染雀の名が。


 もともと談春さんがお目当てだったんですが、意外に(と云っては失礼ですが)たい平さんもなかなか。染丸さんにもええもん観させてもらいましたし、それぞれがええ味出てて、なんとも満足度の高い会でした。それだけに、入りの悪さがもったいなかったです。

 次回は 7 月 18 日(水)の予定です。

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アンジェラ・アキ - MY KEYS TOUR 2007 ~サクラ色~

2007/5/8 @フェスティバルホール


 たまたまチケット発売前にコンサート情報が目に入ったんで取ったんですが、よくよく考えてみるとアルバム出てないんですよね。武道館でのピアノ弾き語りコンサートを演って、シングル『サクラ色』が出た、それだけでシアター・クラスの会場で全国ツアーができるんですから、いまのアンジェラ・アキの勢いがうかがえるってもんです。ちなみに、チケットは前売り完売だった模様。
 やや女性が多いかなと云う感じでしたが、年齢層は幅広く、子ども連れの方もチラホラ。なかなかおもしろい雰囲気です。


 ステージの下手側は幕で隠されていて、やや上手側にピアノが 1 台。10 分遅れくらいでショウがスタート。武道館の成功を受けて弾き語りかなと思いましたが、そのとおり。バンド編成よりも、シンプルな曲の力強さとアンジーの歌唱力が前面に出る感じ。
 2 曲目でいきなり“Home”を演ってびっくり。もっとクライマックスに持ってきても良い楽曲なのに、なんとも贅沢な構成。ここらに「過去にとらわれず前進する」って意気込みが感じられる。

 基本的には座って聴けてラッキー。アップ・テンポの曲ではスタンディングになるが、これはコアなファンが先導してくれるんでわかりやすい。聴かせる曲と乗せる曲のメリハリがあってええ具合に。
 ちょこちょこと合間にトークが入って、しかもしっかり笑わせて関西ノリ。さすがにオチまでは要求できないまでも、ここらもたのしい。
 MADONNA のカヴァー“Like A Virgin”では、またまた《アンジェラ・アキの英語でしゃべらナイト!》が。途中に“こんにちは赤ちゃん”“勝手にシンドバッド”“昴”をインサートして大盛り上がり。
 “サクラ色”は、CD ではオーヴァー・プロデュースで凡庸な曲との印象だったが、ライヴで弾き語りだと力強さがグッと際立ってええ感じ。アルバムにはぜひ弾き語りヴァージョンで収録してほしい。
 アンコールでは PRINCESS PRINCESS の“M”と“Diamonds”をメドレーで。会場も大合唱。最後に次のシングル曲“孤独のカケラ”を演ってお開き。


 歌とおしゃべりの 2 時間半(スタートが遅れたんで、正確にはもうちょっと短かかったんですが)、とにかく楽曲の良さが際立ったライヴでした。個人的には“Kiss Me Good-Bye”や“Home”がお気に入りなんですが、弾き語りだと“サクラ色”がかなりええ具合になるって発見もあり、大満足のライヴでした。
 ピアノ弾き語りと云うことで、まさに独演会。あまり大きな会場で演らず、息の長い活動を続けてほしいもんです。


  1. A Song For You
  2. HOME
  3. Rain
  4. 奇跡
  5. Kiss Me Good-Bye
    --- Talk ---
  6. Like A Virgin
  7. Again
    --- Talk ---
  8. 大袈裟に「愛してる」
  9. お願い
  10. 宇宙
  11. This Love
  12. 心の戦士
    --- Talk ---
  13. サクラ色
  14. On & On
  15. MUSIC

  16. M - Diamonds
  17. 孤独のカケラ

ANGELA AKI

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文太の会 in 高津の富亭 文太の「贋作あれこれ」

2007/5/6 @高津の富亭

  • 桂 文太 《開口 0 番》
  • 桂 文太 「くっしゃみ講釈」
  • 桂 文太 「口入屋」
  • 笑福亭 瓶太 「田楽喰い」
  • 桂 文太 「桑名船煙管遣取」


 ゴールデン・ウィークの最終日は、とうとう雨。想定の範囲内とは云え、やはり気が重くなりますね。「風がないだけマシや」と、初の高津の富亭へ。ちょっと道に迷いました。
 20 畳くらいの座敷に高座をきっちりしつらえてあります。さすが田辺寄席のスタッフですね。開演後もぼちぼち詰めかけ、最終的には 40 人ちょいって感じでしょうか。ええ感じの入りでした。


 開演 10 分前に、文太の会恒例の開口 0 番。『田辺寄席 in 府立天王寺高校(定時制)』の話題から、今後の出演予定、この日の番組紹介、など。
 いったん下りて二番太鼓。仕切りの隙間から文太の笛を吹く姿が垣間見える。ええ音色。

 文太の 1 席目、まずはお楽しみで「くっしゃみ講釈」。噺家と講釈師で、小拍子と張り扇でたたくリズムが違うと実演。文太のやわらかい語り口で、講釈師・後藤一山に腹を立ててるはずの男もなんやのんびりした雰囲気。じっくりと語る一山に引き込まれて「上手いなぁ。追っかけしょ」。
 2 席目の「口入屋」は、《船場》の由来をマクラに本編へ。場面々々で入れ替わる人物の描写が的確で、とくに丁稚がかわいい。おなじみのドガチャガからドタバタへの展開はあっさり味。

 ゲストの瓶太は高津の富亭初登場。演し物は「田楽喰い」をごく丁寧に。後半のん廻しでは「新幹線今晩突然停電全線動かん運転困難原因判らん」と新ネタ(?)も。

 トリの文太は贋作「桑名船煙管遣取」。江戸の「岸柳島」相当の噺で、江戸の「桑名船」は上方の「兵庫船」相当の噺‥‥チとややこしい。
 乗り合いの船で侍の落とした煙管の雁首をめぐってのやり取りの噺。前半は船モノおなじみの「なんぞ遊びましょか?」となって「謎掛けしましょか?」「兵庫船でやりました」「考えもんは?」「小倉船でやりました」「色問答は?」「矢橋船でやりました」と、かなり落語マニア向けクスグリ。その後の折り込み川柳もたのしい。
 侍が船の縁にたたき付けた煙管から、雁首だけが y = - ax2 + b の放物線を描いて海へ‥‥と云うクスグリには爆笑。理系ゆえ、ただし a > 0 である、と付け加えたくなる。


 ゆったり座って 4 席たっぷり 2 時間あまり、満腹の会でした。文太さんのやわらかい語りで癒された感じです。
 残念だったのが、近くの席の方のヘッドフォン・ステレオのスイッチが勝手に入ってしまってたようで、どっかから音が漏れ聞こえてきて気になったこと。本人は気付かなかったんか、非常に不思議でした。

 帰りには小雨に。すがすがしい‥‥とまではいきませんが、気分ははればれ。ゴールデン・ウィークの良い締めくくりの会になりました。

 次回は 6 月 3 日(日)の予定です。

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ゴールデン落語会 (三日目)

2007/5/5 @雀のおやど

  • 桂 吉の丞 「米揚げ笊」
  • 笑福亭 三喬 「借家怪談」
  • 桂 雀三郎 「親子酒」
  • 笑福亭 福笑 「宿屋ばばぁ」 (作:笑福亭福笑)


 ひさびさの雀のおやど、『ゴールデン落語会』最終日は満員御礼。この日は好番組で、会場まで来たのに入れなかったお客さんもおられたようです。


 開口一番の吉の丞は「米揚げ笊」を。ややクサさが気になるも、元気に口跡良く。笊屋の指導で尻からげする場面はあいかわらずおかしい。
 以前は切っていたサゲも、しくじる部分を上手く端折って「品物が違います」のサゲへ。スッキリ観終えられる改訂に好感。

 落語マニアが集った会と云うことでか、三喬もいつもと違ってリラックスした雰囲気で「借家怪談」へ。前半で怪談話をする源兵衛もおもしろいが、後半に出てくる河内弁のおっさんが秀逸。笑いの度合いが 2 段階、確実にステップ・アップ。

 雀三郎は酒飲みに対する持論を展開し、酒飲み小咄から「親子酒」へ。酔っ払った父親の醜態を、座布団から崩れ落ちての熱演。息子の方は、酔っ払いつつも理屈っぽくなってておかしい。とにかく酔態が派手で、サゲに説得力あり。

 トリの福笑に鳴り止まない拍手。観客の期待感がうかがえる。いつもの「世の中大変」なマクラから、細長い会場に「よく『おまえは上下がない』云われますが、ここは上下のうてええ」とのコメント。納得。
 演し物は「宿屋ばばぁ」を。山深い温泉宿へ行く噺。初めて観たが、とにかく宿屋の女将(ばばぁ)の動きが不気味すぎてインパクト強烈。一見の価値あり。


 時間は 100 分くらいと短めでしたが、吉の丞さんから福笑さんまで、とにかく濃厚。好番組で納得の会でした。

 今回、事前の問い合わせがかなり多かったそうで、問い合わせの電話を急遽、予約と云うことにしたそうです。もちろんチラシにはなにも記載されてませんでしたし、勝手を知ってる方は問い合わせることもないでしょう。そんなわけで、問い合わせていれば開場までに来れば入れるのに、それより早く来てても問い合わせなかったために入れなかった方もおられました。
 こう云う不公平感の出る変更は、極力すべきではないと思います。私は直前にこのことを知って、あわてて電話したんで事なきを得ましたが、なんとも理不尽でもやもやした感情が残りました。落語会へ行くのにこんだけ神経をすり減らされるのも、ちょっとどうかと思います。

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染丸ワイワイ一座

2007/5/4 @天満天神繁昌亭

【旅の噺 リレー落語 東の旅】

  • 林家 染太 「時うどん」
  • 林家 染丸 《染丸のおもしろ落語講座》
  • 林家 染弥 「東の旅 発端~煮売屋」
  • 笑福亭 仁智 「七度狐」
  • 染丸・仁智 《対談:お伊勢参り道中記》
    ―― 中入り ――
  • 豊来家 玉之助 《太神楽》
  • 林家 花丸 「運つく酒」
  • 林家 染丸 「三十石夢通路」

※ 第 2 回


 染丸さんが 4 月から 6 か月間、毎月テーマを変えて第 1 金曜日に会を開かれてます。第 2 回にあたる今回のテーマは《旅の噺》で、「東の旅」をリレー形式で。
 開場 1 時間前から整理券発行と云う情報をもらったんで、ちょっと早めに行ったつもりだったんですが、それでももう列ばれてる方が多数。えらい人気です。整列は筆頭弟子の染二さんが。
 入りは満員。通路も補助席で埋まるほど。(これはどうかと思いますが)


 開口一番の染太は「時うどん」。うどんを食べる所作が独特で、これが大ウケ。

 「東の旅」の通し上演の前に、染丸がホワイト・ボードを使っての講義。「発端」で出てくるキーワードを中心に、大坂の範囲と旅装束を解説。

 ここから「東の旅」へ。染弥が 13 年ぶりに「発端」から「煮売屋」までをきっちりと。叩きが心地良い。

 つづいてゲストの仁智が「七度狐」。基本ラインはいたってオーソドックスだが、とにかく勢いが半端なくスゴい。清八のツッコミにも仁智らしさ満点で、勢いに拍車を掛ける。観客もグイグイ引き込まれるように笑いの渦が。伊勢音頭を謡う喜六と清八を注意しに行く百姓が「深~い~か~、浅~いか」でサゲ。

 染丸と仁智の対談では、仁智が歩いて伊勢詣りしたときのエピソードを中心に。とにかく笑福亭仁福のヘタレ具合が強調され、さもありなんって感じ。

 中入りを挟んで、ひさしぶりに玉之助の太神楽。演し物は傘、棒、だるま、竿。竿は客席の床から天井の提灯に届くくらいの長さがあり、絶妙のバランス。
 ここに太神楽を入れたのは「軽業」代わりだったのかも。

 「東の旅」に戻り、花丸がめずらしい「運つく酒」を。道中で酒を飲みたくなった喜六と清八が、小売りをしない造り酒屋でなんとか酒を売ってもらおうとする噺。「うんつく」「どんつく」とは阿呆とか馬鹿とか云った意味で、これをめぐって酒屋とひと悶着。
 マクラで「この噺はおもしろいところがない」と云っていたが、なんのなんの、クスグリを盛り込んで最後まで飽きさせず。ただ、サゲがわかりにくいのが残念。

 トリは染丸の「三十石夢通路」。旅の終わりの風流を雰囲気たっぷりに。船頭の歌では袖の花丸もええ声を聴かせる。


 「東の旅」をまとめて観る機会ってのはなかなかないんで、これはなかなかの好企画だったと思います。欲を云えば、染太さんが「発端」、染弥さんが「野辺」から「煮売屋」ってな感じにすれば、会の統一感がより増したかも。
 それにしても、仁智さんの古典もおもしろいですね。とくに勢いとツッコミが特筆モノで、「船弁慶」なんか演ってもらったらスゴいことになるんじゃないでしょうか。要注意ですよ。

 次回は 6 月 1 日(金)の予定、テーマは《人情噺の世界》です。

染丸@web

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生喬まるかじりの会 生喬の上方落語勉強会

2007/5/3 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 笑福亭 生喬 《ごあいさつ》
  • 旭堂 南青 『太閤記』より「木村の麻風呂敷」
  • 桂 九雀 「軒付け」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 生喬 「らくだ」
  • 生喬・九雀・南青 《座談会:みんなでちょいしゃべり》


 南森町から難波へ移動し、CoCo 壱番屋で腹ごしらえ。時間調整にジュンク堂をぶらついてから会場へ。最初は悪いかなと思ってた入りも、開演の頃には 70 人ほどとええ感じに。


 生喬のごあいさつ&番組紹介につづいて、南青の「木村の麻風呂敷」。病床の母親を助けるために強盗を試みる木村又蔵と加藤清正との出会いを描いた一節。あいかわらずの口跡の良さで、要所にクスグリを配する工夫もなかなか。落語ファン向けの小ネタも。

 ひさしぶりに観る九雀は、マクラで落語マニアに苦言を呈しつつ、素人落語家の功罪へと話をつないで「軒付け」へ。独特の軽妙さでテンポ良く。

 中入りを挟んで、生喬は長講「らくだ」。渡来した当時のラクダに対するイメージを簡単に紹介して本編へ。
 とにかくヤタケタの熊五郎が恐さが尋常でない。紙屑屋がちょっとでもぐずると激高。ところが後半、酒が入ると紙屑屋に気圧される場面も。ここで立場が逆転するでなく、ふたりでいっしょに酔っ払ってるって感じ。これくらいが自然かも。火葬場へ行くサゲまで。

 最後に出演の 3 人でちょいしゃべり。それぞれの師匠についてなど。桂枝雀の話の最中には、手伝いに来ていた桂こごろうも袖から乱入。


 とにかく生喬さんの熊五郎はえらい勢いで恐かったです。
 対談では、九雀さんによる枝雀さんのエピソードがかなりおもしろかったです。米朝&枝雀にはさまれたお弟子さんたちは大変だったようです。

 次回はちょっと先の 10 月 14 日(日)の予定です。

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枝さんの朝から落語会

2007/5/3 @天満天神繁昌亭

  • 桂 三金 「道具屋」
  • 桂 枝三郎 「牛ほめ」
  • 桂 三幸 「四人癖」
  • 桂 枝三郎 「鶴満寺」


 低血圧の私としては繁昌亭朝席の 10 時開演は非常に困難な時間帯なんですが、枝三郎さんに期待して前売り券を購入。気合いの早起きです。
 開場 30 分ほど前に到着しましたが、しばらくするとぼちぼち入場列ができはじめました。ところが、しれ~っと横から割り込むおっさん&おばはんが数名。自分だけ良かったらええんかいな。程度の低さに朝からげんなり。
 入りはザックリ 70 人くらいでしょうか。まずまずでしょう。


 開口一番は三幸‥‥と思ったら、三金。このあと別の仕事に行くと云うことで、出番をチェンジ。いつものマクラからアルバイトの話へと話題をつないで「道具屋」へ。
 甚兵衛宅での仕込みを完全にカットして、荷物を背負って露店を出しに行く場面から。その後はいたってオーソドックスに。仕込みなしでもたのしめるとは、意外な発見。

 枝三郎に挟まれての三幸は、高座番の動作もやや挙動不審気味。急遽、切付紋を用意して。いろいろとマクラをつなぎ、いきなり「四人癖」へ。あかるくさわやかで元気良く、まさに前座向き。

 枝三郎の 1 席目は、たっぷりのマクラから「牛ほめ」をきっちり丁寧に。池田への道中で出会った牛でほめ方を稽古する場面が入るのは初めて。ここでも牛を連れた百姓にきっちり怒られるのもたのしい。
 2 席目は、やや季節は過ぎた「鶴満寺」を。いまでは演り手が 2 人しかいないそう。もうひとりはおそらく桂雀々だが、雀々ほどのエキセントリックさはないものの、寺男の権助の酔態をええ具合に。


 三枝一門の会で古典 4 席は意外でした。それぞれきっちり、これで前売り 1,000 円はお得な会だと思います。枝三郎さん、派手さはありませんが良いですね。

 次回は 5 月 20 日(日)です。

桂枝三郎の部屋

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『んなあほな』編集委員の落語会

2007/5/1 @天満天神繁昌亭

  • 桂 三弥 「僕たちヒローキッズ」 (作:桂三枝)
  • 林家 竹丸 「豊竹屋」
  • 笑福亭 三喬 「我が家のアルバム」
  • 桂 文福 「酔っ払い」
    ―― 中入り ――
  • 《『んなあほな』公開編集会議》
  • 桂 米平 「七度狐」
  • 桂 福楽 「代書」

※ 『んなあほな』第 9 号付き


 かなり気になるタイトルの会。出演者が上方落語協会誌『んなあほな』の編集委員で、メンバーも濃い。『んなあほな』最新号が付くってことなんですが、前売り 2,300 円って‥‥そのまま上乗せしてるやん!
 入りは 100 人くらいですかねぇ。一般客からしたら、ちょっと高いわりには出演者が弱かったかも。


 開口一番は初めて観る三弥は、師匠の桂三枝による新作「僕たちヒローキッズ」を。塾のハシゴで疲れてる子どもたちを描く。口跡良くサラリと聴かせる。

 竹丸は『んなあほな』の新コーナー「ヘビーなホビーで趣味まヘン?!」の話から、趣味つながりで「豊竹屋」へ。豊竹屋節右衛門の即席実況浄瑠璃がたのしい。ごくごく丁寧に。

 三喬は自身の家庭を赤裸々につづったマクラが独立した「我が家のアルバム」。誇張もあろうが、三喬ファミリーのおもしろエピソード満載。

 中トリに文福。駄洒落連発にやや引き気味の観客をよそに、相撲甚句をひと節。酒の小咄から入った「酔っ払い」は「上燗屋」の前半部分。駄洒落も含め、早口すぎて伝わらない場面多数。もったいない。

 中入りを挟んで、お待ちかね(?)の公開編集会議。出席したのは出番の 6 人に加え、笑福亭竹林、桂梅團治、露の團六、桂坊枝、さらにデザインを担当する(株)西木椿の渡辺氏。(月亭八天は欠席)
 坊枝の進行で、事前回収したアンケートをもとに編集委員がディスカッション。‥‥のはずが、みんな勝手気ままにしゃべって、しっちゃかめっちゃか。もっとも、ここらは想定の範囲内でおもろい。最後にそれぞれひと言のところで、福楽が「もっと落語マニア向けのマニアックなコーナーがあっても良いかも」とナイスなコメント。

 公開編集会議のあと、米平は軽いマクラから「七度狐」を。時間の都合で「いまのはワイや」まで。米平の体型から、狐と云うより狸の噺みたいな雰囲気で、なんともほのぼのした雰囲気。

 トリの福楽は演し物を逡巡しつつ、ひと笑いさせてから「代書」へ。履歴書を書いてもらいにきた男に対し、最初は笑ってた代書屋がイラつく様子が絶妙。何度か観てるが、代書屋のこまかいツッコミが福楽流であいかわらずたのしい。


 予想以上に編集会議がたっぷりで、3 時間近い公演に。リアル編集会議ものぞいてみたいですねぇ。落語の方は、トリの福楽さんに満足々々。
 でもやっぱり、会誌込みで前売り 2,000 円がうれしいですね。(しつこい!?!?)

上方落語協会誌 『んなあほな』

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