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染雀花舞台

2007/6/30 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 林家 染雀 「七度狐」
  • 笑福亭 生喬 「ちしゃ医者」
  • 林家 染雀 「雁風呂」
    ―― 中入り ――
  • 林家 染雀 「天下一浮かれの屑より」

※ 第 22 回


 キタからミナミへ移動。なんとなくこの日は入りが少ないんじゃないかと思ってたんですが、開場 30 分前にはすでに列ができてまして、あれよあれよと云う間に列が伸びました。染雀ブーム?
 この日はなぜかお手伝いさんが多くて、月亭遊方さん、笑福亭たまさん、林家染左さんの顔が。三味線に吉川絹代さん、舞台番に笑福亭生寿さんも来られてて、楽屋はにぎやかそう。
 入りは 70 人くらいでしょうか。後方の扉からあふれた方が 10 人ほど。


 まずは売れっ子の染雀。繁昌亭、NGK、大銀座落語祭と、6 月から 7 月にかけての出番にまつわるいろいろ。繁昌亭では持ち時間が短くネタ以外はほとんどしゃべれないと云うことで、自分の会では自由におしゃべり。
 「七度狐」は、出だしの狐の「悪いー奴なぁ」の一声から芝居っ気たっぷり。川渡りでの着物のまとめ方が理屈に合った手順(帯、笠、着物)で納得。尼寺の尼僧が妙に妖しい。喜六と清八が伊勢音頭を唄ってるところを村人が発見したところで唐突に終了。

 生喬はマクラ代わりに「なぜこのネタを出してしまったのだろう‥‥」と逡巡。医者に対する思いもぶちまけて、本題の「ちしゃ医者」へ。
 とにかく登場人物がみな恐い。医者を呼びにくる男が恐ければ、医者の助手も、後半に出てくる肥汲み屋まで恐くて、みんなえらい勢い。それに対して、医者の赤壁周庵先生だけが変なおじいちゃんキャラで、この対比が強烈。もちろん終盤も強烈。

 染雀の 2 席目は、国境なき芸能団でドミニカ共和国へ遠征したときの話や、茶道具にまつわる逸話をマクラに、水戸黄門が活躍する「雁風呂」を。松に鶴、葦に雁が普通の組み合わせのところを、とある宿屋に立てかけてあった屏風に描かれていたのが松に雁。はて、この絵は‥‥と云う噺。
 釈ネタと云うことで固有名詞が多く出てくるが、ちょこちょこと間違えるもんで、チと混乱。染雀で 2 度ほど聴いてるんで、大意はつかめたが。

 中入りを挟んで、染雀の 3 席目は師匠の林家染丸の十八番「天下一浮かれの屑より」。居候に家主が屑より(ごみの仕分け)の仕事を世話するが、隣の稽古屋の音に合わせて唄ったり踊ったり。
 狭い上方亭の高座でどう演るのかと気になってたが、狭けりゃ狭いなりに踊ったり転んだり歩き回ったり。よくよく考えてみれば、茶臼山舞台の高座で「松づくし」を踊る染雀にとっては造作もないことか。賑やかに、華やかに。


 ネタのチョイスもあるかと思いますが、『染雀たぁ~っぷりの会』って感じの会でした。トリの「~屑より」は「さすが林家!」って感じですね。
 ぽっどきゃすてぃんぐ落語 で柳亭こみちの「紙屑屋」を聴いたんですが、江戸では手紙を読んだり本を読んだりで怒られる程度。バカさ加減とムチャさ加減は圧倒的に上方が上ですね。

 次回は 8 月 4 日(土)に「本格怪談をします」とのこと。こりゃちょっと期待!ですね。

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千朝落語を聴く会

2007/6/30 @太融寺本坊

  • 桂 雀太 「まんじゅうこわい」
  • 桂 千朝 「つぼ算」
  • 笑福亭 三喬 「転宅」
  • 桂 千朝 「猫の忠信」

※ 第 43 回


 やはり土曜はどうしても腰が重くなってしまいます。が、一念発起して出発。開場過ぎくらいに到着したんですが、すでにええ感じの入り。今回は会場を仕切ってギッシリ感が向上し、高座も 1 段低くなって観やすくなってました。
 ちゃんと数えてませんが、開演の頃には 120 人くらいは入ってたと思います。


 開口一番の雀太の「まんじゅうこわい」は、時間の都合で怪談調になるくだりは端折るも、町内の若い衆が集まってワチャワチャしてる感じがたのしく小気味良い。登場人物のカラーもそれぞれいろいろで、安定感も抜群。

 千朝の 1 席目は、昭和 30 年代の電化製品の三種の神器についてリカちゃんを引き合いに出して軽く笑わせてから「つぼ算」へ。滑稽噺をじっくり丁寧に演ることで、千朝の味がじんわり。
 終盤、買い物上手と瀬戸物屋の番頭とのやり取りはややあっさりめに。番頭はもうちょっと勘定に困惑する方がサゲに説得力が出るようにも思うが、ここらのさじ加減は難しいところか。

 ゲストの三喬は、「つぼ算」や「宿題」(作:桂三枝)のあとは計算が気になって演りにくい‥‥と引きずりつつ、恒例の《こんな女性は愛人になれない 5 箇条》を紹介して、得意の泥棒ネタで「転宅」を。のっけに登場する、船場の長屋へ入ろうとする泥棒の表情がなんとも間抜けズラで、ここらは三喬の独壇場。いまどきのクスグリも自然に。行方知れずになった女が三味線の師匠だったけに「うまいこと調子合わして行きよった」でサゲ。

 千朝の 2 席目は、浄瑠璃(義太夫節)の稽古屋の様子をごく簡単に紹介して、狂言『義経千本桜』がからむ「猫の忠信」を、こちらも丁寧に。千朝はそれほど声色を変えないが、それでも人物が明瞭に演じ分けられてるのが魅力。後半、徐々にミステリアスになって、クライマックスのニセ常吉の独白は雰囲気たっぷり。
 こちらもサゲはあっさりと。サゲの落とし具合、あるいは故・桂枝雀が云うところの《緊張と緩和》にはあまり頓着してないのかも。あるいはここらが千朝落語の美学か。


 4 席どれも良く、大満足の会でした。とくに個人的に好きなネタの「猫の忠信」を千朝さんで聴けて、しかも出来が良くてホクホク。若いお客さんにも千朝さんの芸が良くウケてましたよ。

 次回の予告はありませんでしたが、毎年恒例の独演会が 9 月 13 日(木)にワッハホールで。乞うご期待!

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売名高座

2007/6/28 @道頓堀極樂商店街 ゑびす座

  • 林家 卯三郎 「延陽伯」
  • 月亭 遊方 「スクールバスターズ」 (作:月亭遊方)
  • 桂 かい枝 「おごろもち盗人」
  • 林家 花丸 「三十石」

※ 第 4 回


 今回からサブ・タイトルの《はなしのおもしろギャラリー》が取れてバラエティ・コーナーがなくなり、ごく普通の三人会に。前説やバラエティもたのしみにしてただけに、チと残念な気もします。会の特色もなくなるような。
 そんなこんなはさておき、買い物&プチ腹ごしらえを済ませて会場へ。クラシック音楽が流れる客席は、約 20 人の入りでした。


 開口一番の卯三郎、夫婦の小咄で観客を退かすも、本ネタ「延陽伯」はきっちりと。時間の都合で(?)「火事になったら大変や」ってなところまで。最近、この独特の雰囲気がちょっと気になる。

 遊方はマクラたっぷり。下ネタならぬ思春期の性教育で退き気味の客に「退くな! カニ剥いてんねやないねんから」と、微妙なたとえのツッコミ。すでに遊方ワールド全開。
 「スクールバスターズ」は、クラスでいじめられてる男子をなんとかしてやろうとする先生が‥‥って噺。ポイントのずれた指導で先生と生徒の立場が逆転。先生がアホ過ぎるような気もするが、陰湿な感じがしないのは遊方のニンだろう。

 かい枝はまず、この会の経緯をおもしろおかしく。刑務所での公演の体験談をマクラに「おごろもち盗人」を。帳簿の整理をする亭主のそろばんの音がリズミカルで、寝間へ誘う女房がなんとも愛らしい。
 右手を敷居の向うにくくられて、それを解こうとした左手までもくくられてしまう演り方。見台を上手く使って、これはこれでヴィジュアル的におもしろいが、通りがかりの男に財布になかの小刀を取ってもらうことに矛盾が生じるようにも。

 トリの花丸は福井への公演旅行の話から旅ネタの「三十石」。
 前半、土産物の伏見人形を買ったり乗船名簿を書き付けるあたりでは花丸らしいクスグリが入ってたのしい。
 後半、三十石船が出てからは雰囲気たっぷり。最後は「京の夢、大阪の夢。三十石は夢の通い路」と云う締めで。朝霧にけむる夜明けの雰囲気が漂い、花丸のは何度聴いても良い幕引き。


 たのしみにしていた花丸さんの高座に大満足。それでもやっぱりバラエティがないと物足りない気がしますね。3 人でゆるいテーマ・トークでもするとか、なんか「この会ならでは」ってもんがほしい気がします。

遊方 FOR YOU!
桂かい枝のさぁカイシでーす!!

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坂口修一 Solo Act Live 『火曜日のシュウイチ』

2007/6/27 @in→dependent theatre 1st

※ Stage 26


 ツキイチのシュウイチ。6 月はなんとか最終ステージに間に合いました。40 人くらい入ってええ感じです。


 この日のメニューは↓こちら。

  • オープニング
  • 『傘がない』
  • シュウイチの輪
  • SyuTube
  • 『ミッド・ナイト・エクスプレス』 第 13 話 「愛の告白大作戦 in 摩周湖」
  • エンディング

月替わりゲスト作家作品 『傘がない』 
 雨のなか、寿司屋の男が中学時代の同級生の家へ出前を持っていくと、当時憧れていた女性が。しかも、泣いている。‥‥
[作・演出:角ひろみ]

超短編連続ドラマ 『ミッド・ナイト・エクスプレス』 第 13 話 「愛の告白大作戦 in 摩周湖」
 修学旅行で訪れた摩周湖。田々南徹はその夜、雅恵ちゃんへの告白を画策する。(全 50 話)
[作・演出:サシマユタカ]

 『傘がない』が長くなり、土の会セレクションは今月もお休み。
 その『傘がない』では、主人公の寿司屋の男を「イラッとする感じに」演出した角。それに見事に応えた坂口。慇懃無礼と云うか、腰が低いのにしゃべり方からしてムカつく男を怪演。マジでイライラッとさせられるんで、もうちょっとコンパクトにしても良かったかも。
 徐々に浮き彫りになってくる同級生の素顔に、ふくらむ想像から得も云われぬ怖さも。

 今回の『ミッドナイト~』はまさに大作戦で、小ネタを挟みつつも大人数を見事に演じ分け。しかもそれぞれキャラが立っててナイス!


 前説から押し押しなのにシュウイチの輪で盛り上がったり、85 分の予定が 100 分に。えらい熱の入れようです。おもしろかったんで OK ですが。
 来月は月間スケジュールの都合で、早い段階に観に行く予定。

火曜日のシュウイチ
坂口修一の日記

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笑いがいちばん

 日曜昼に NHK 総合で放送の『笑いがいちばん』に笑福亭たまさんが出演すると云うことで、録画チェックしました。


 司会は林家正蔵と中川翔子。ザブングルの漫才(かなりおもしろかった!)のあと、寄席演芸コーナーで期待の星的紹介で、たまと紙切りの林家二楽。
 たまは、ショート落語いろいろ、今秋スタートの NHK 連続テレビ小説『ちりとてちん』のオーディションでのエピソード、オチを先に云う小咄、の構成で 5 分程度。おそらく持ち時間 10 分ほどで、全体の時間に合わせて笑いの量とネタの内容で編集されたんだと思います。ショート落語ベストなら必ずと云って良いほど入ってる「健康飲料」が入ってなかった不思議。
 その後、二楽の紙切り(仕込んであった幼なじみの成長を OHP で)、青空球児・好児の漫才(「ゲロゲーロ!」ではなく、駅弁ネタ)の流れ。最後に出演者が揃ったところで、しょこたんが二楽にガンダムをリクエスト。


 短時間とは云え、全国区の番組に出ると顔が売れてギャラが出るんで、芸人としては美味しいでしょう。しかも(ショート落語とは云え)本芸ですから、たまさん的には良かったと思います。

 それよりなにより、確執の NHK に出演したってところが意外です。ドラマのオーディション参加で吹っ切れたのか、東京だったから良かったのか。これからバンバン顔が売れて、大阪のディレクターが頭を下げてくれば御の字でしょうね。

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二人のビッグショー in 大阪 柳亭市馬・柳家喬太郎 二人会

2007/6/24 @TORII HALL

  • 林家 染左 「軽業」
  • 柳家 喬太郎 「夫婦に乾杯」 (作:春風亭昇太)
  • 柳亭 市馬 「佃祭」
    ―― 中入り ――
  • 柳亭 市馬 「雛鍔」
  • 柳家 喬太郎 「へっつい幽霊」

※ Vol. 4


 朝から GUNS N' ROSES 日本武道館公演のチケットを確保し、そのまま TORII HALL へ。11 時より整理券配布ってことで、ちょっと早いかと思いましたが、なんのなんの、すでに行列になってました。
 で、昼食がてらしばし時間を潰して会場入り。早々に前売り完売となったそうで、大入り満員です。


 開口一番の染左は「上方らしい噺を」と云うリクエストで、旅ネタ『東の旅』から「軽業」。安定感抜群で、ハメモノも入ってにぎやか。もぎ取りでだまされたあと、いちいち「イタチ(致し)方ない」ってな駄洒落を云うのがおかしい。サゲは「カルワザ(身体)じゅうが痛い」。

 喬太郎の 1 席目はマクラたっぷり。羽織を脱ぐと SWA ジャージ着物で、春風亭昇太の作った「夫婦に乾杯」を演って「知らないところで昇太いじめ」。
 新商品のネーミング会議で、ひょんなことから夫婦仲が良すぎることを非難され、帰ってから夫婦喧嘩を試みる‥‥って噺。ラヴラヴ指数の高い女房が絶品。喧嘩が始まってからの訳のわからないやり取りもおもしろく、昇太のは観てないが、かなり喬太郎味が濃くなってる印象。

 喬太郎と一緒になることの多い市馬は「夫婦に乾杯」を指して「私もそろそろ演れるんじゃないかな?」。そのあと喬太郎との出会いからいろいろとマクラをつなぎ、「情けは人のためならず 巡り巡りて己が身のため」の紹介や、昔の神信心や祭りについてのあれこれから「佃祭」へ。
 佃祭でたっぷりたのしんだ男が終い船へ乗り込もうとしたところ、見知らぬ女に袖を引かれて乗り損ねる。その終い船が沈んでしまい、男が死んだと早合点した女房と町内の連中が葬式を始めてしまう。語り口はやわらかく軽妙だが、登場人物のちょっとした喜怒哀楽の表情がお見事。

 中入りを挟んで、市馬の 2 席目は子ども時代の話から「雛鍔」へ。銭を知らずに「お雛様の刀の鍔か?」と云った純真な御大尽の子息に感心した植木屋が、家へ帰って自分の息子に云って聞かせる噺。息子の生意気さもさることながら、女房の憎めないおっちょこちょいぶりがたのしい。

 トリの喬太郎は妙な柄の浴衣で登場。わりとスッと「へっつい幽霊」へ。序盤の落語世界の崩し方や、「雛鍔」を引用したクスグリは喬太郎ならでは。そっからはじっくり古典の世界へ。基本ラインは上方同様。人物の切り返しが明確で、喬太郎の技量をたっぷり堪能。


 市馬さんと喬太郎さんが、がっぷり四つに組んだ感じでした。喬太郎さんの切れ味もさることながら、市馬さんのほっこりした味わいがなんとも云えず、とくに「佃祭」は満足度の高い高座でした。

 次回は来年 1 月 27 日(日)の予定ですが、その前の 9 月 17 日(月・祝)の『柳亭市馬独演会』もたのしみです。

柳亭市馬公式サイト

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神田愛山独演会

2007/6/23 @薬業年金会館 5F 和室

【一部】

  • 旭堂 南海 『水戸黄門漫遊記』より「湊川建碑の由来」
  • 神田 愛山 『笹野名槍伝』より「海賊退治」
  • 神田 愛山 「漂泊の歌人・若山牧水 酒の歌」 (作:神田愛山)

【二部】

  • 旭堂 南海 『太閤記』より「秀吉の初陣」
  • 神田 愛山 『天保水滸伝』より「ボロ忠売り出し」
  • 神田 愛山 「葬式ばあさん」 (原作:結城昌治)


 昨年末の茶臼山舞台から半年、今回の『神田愛山独演会』は昼夜 2 公演に。
 昼の一部。開場直後に到着するも、一番乗り。座り位置を選んでると、愛山先生から話しかけていただきました。恐縮です。
 入りは‥‥なんとかつ離れ。


 前講に南海が『水戸黄門漫遊記』より、水戸黄門が楠木正成の墓を建立した話を。立て札の角に俳号の「水隠梅里」を書いて上手く事を運ぶ。軽妙なテンポが心地良い。

 愛山はえんじ色の唐草模様の着物で登場。今回の独演会へ挑む心境をマクラに、『笹野名槍伝』から「海賊退治」。前座時代に付けてもらったそう。海賊に襲われた風早丸で、ドスの効いた荒くれ者の文句が大迫力。危ういところで登場する笹野権三郎と、海賊との丁々発止の大立ち回り。臨場感抜群。
 つづけて 2 席目は、健康の話から酒の話へと進み、若山牧水の短歌をいろいろと紹介し、いつの間にかネタに入っている。講談と云うより、牧水の酒にまつわる短歌に愛山自身の経験を重ね合わせながらの随想と云った趣。


 1 時間半弱でしたが、ひさびさに心地良い愛山先生の語りを堪能。

 夜は別件を予定していたんですが、愛山先生の語り口の心地良さと、愛山先生の「夜の都合をキャンセルして残ってくださいね」との言葉につられて、夜の二部にも。
 入りは‥‥昼の半分。


 前講の南海は『太閤記』より「秀吉の初陣」。今川義元の家臣・松下之綱に仕えた秀吉が功名を上げるべく奔走する。話が枝葉へ脱線するのはいつものことだが、それがまたたのしい。

 愛山は本寸法の唐草模様の着物で登場。演し物は『天保水滸伝』より「ボロ忠売り出し」。親分の着物と金子を無断借用して賭場へ乗り込んだ、ボロ忠こと忠吉の話。金はないが度胸は据わった忠吉が大活躍(?)。ちょいちょいとクスグリも入っててたのしい。
 つづけて 2 席目は、結城昌治の小説を講談化した「葬式ばあさん」。葬儀の仕切り名人の男と、手練れの香典泥棒の婆さんの、水面下での対決。物語の展開もさることながら、ストーリー・テラーとしての愛山の面目躍如。


 愛山先生、演し物によって醸し出される雰囲気がガラッと変わるのもスゴいですね。ここらが講釈師としての腕なんでしょう。1 時間半強、堪能させていただきました。
 こんな良い会があの入りではもったいないですし、愛山先生にも気の毒です。聴く側からすれば、少人数で愛山先生の一級品の芸を堪能できたわけですから、非常に贅沢な会だったと云えますが。ハッキリ云って、今回は大赤字だったと思いますが、これに懲りずにまた来阪していただきたいです。

愛山の話芸ドットネット

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たまのお囃子のお噺

2007/6/22 @天満天神繁昌亭

  • 《寄席囃子紹介》
  • 桂 ひろば 「動物園」
  • 笑福亭 たま 「船弁慶」
  • 桂 雀松 「紙入れ」
  • 笑福亭 たま 「Smell」 (作:たまよね)
    ―― 中入り ――
  • たま・吉川絹代 《対談:三味線トークショー》
  • 笑福亭 たま 「愛宕山」

※ 大阪文化祭参加公演


 以前から古典・新作にかかわらずハメモノの工夫が目立っていたたまさんの、ハメモノを前面に出した会。企画発表時からかなり期待してました。
 朝から降ったり止んだりの天気が、入場列を作る時間帯にはしっかりした降りに。ありがたいことに、たまさんの配慮でかなり早めの開場に。助かりました。
 悪天候でもぼちぼちお客さんが集まり、1 階席は 9 割入り、2 階席にもお客さんが入って大入り。


 緞帳が上がると、たま、吉川絹代(三味線)、笑福亭呂竹、桂佐ん吉が板付きで、まずは寄席囃子紹介。一番太鼓(ドンドンドントコイ)、二番太鼓(オタフクコイコイ)、バレ太鼓(デテケデテケ)の紹介、効果音の実演、出囃子“野崎”の演奏、など。

 “石段”で登場したひろばの「動物園」は雀々の型(?)をきっちりと。とくにハメモノは入らず。

 “長崎さわぎ”(唄入り)で登場したたまの 1 席目「船弁慶」は、かなり整理されてライトな感触。喜六は利発な感じで、雷のお松はあいかわらずエグい。
 船遊びする喜六を見つけたお松がその船へ乗り込む場面は以前よりもあっさりしてて、期待してただけにやや物足りない。

 ゲストの雀松は“砂ほり”で登場。たまのことをいろいろとほめるが、最後に「着物のセンスが悪い」とクサす。メジャー移籍した松阪のネタからハジカキ王子まで、いろいろとマクラをつないで「紙入れ」へ。
 間男してるところへ旦那が帰ってきて、あわてて紙入れを忘れてしまうも、一念発起して取りに行く‥‥ってな噺。相手の女(旦那の嫁)がかわいいと云うか色っぽいと云うか、雀松の真骨頂。こちらもとくにハメモノは入らず。

 たまの 2 席目は“さよなら人類”で登場。着物はキティちゃん柄。「後味が悪いんで、休憩時間で息抜きを」と「Smell」を。猛烈にクサい社長と食事会に行く噺。漂ってくるニオイを銅鑼の音で表現。
 今回でしばらく休止するそう。やっぱり評判が気になるのか?

 中入りを挟んで対談コーナー。三味線の吉川絹代を迎え、観客からのアンケートをもとにいろいろと質問。

 最後にたまが“長崎さわぎ”(唄なし)で登場し、3 席目は「愛宕山」。これまでよりさらに整理されてスッキリ。《京都の旦那 vs 大阪の一八》と云う対立の構図がより明確に。派手な動きに漫画的な演出も加わり、たまらしさ満載。
 季節外れだったがネタ的にはトリにぴったりで、ええ雰囲気に。


 たまさんの 3 席はハメモノにこだわった演出で、とくに古典はたっぷり。お囃子紹介の効果で、ビギナーでも十分たのしめたんではないかと思います。
 残念だったのが、ゲストのふたりがハメモノなしのネタだったこと。企画としては、やはりハメモノ入りのネタを演ってほしかったです。

らくごの玉手箱

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新世紀落語の会

2007/6/21 @天満天神繁昌亭

  • 桂 三弥 「読書の時間」 (作:桂三枝)
  • 桂 あさ吉 「夢組」 (作:桂あさ吉)
  • 桂 あやめ 「練炭焚いたらサヨヲナラ」 (作:桂あやめ)
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 恭瓶 「うなじの毛」 (作:北牧賢彦)
  • 桂 米二 「忘れな草」 (作:小佐田定雄)

※ 第 32 回


 曇天でじっとり蒸し暑いなか、出遅れて小走りに繁昌亭へ。ところが、入りがいまいちでいつもの席を確保。ついてることもあるもんです。
 この日は 1 階席のみで 9 割の入り。こんなもん?


 トップの三弥は師匠・三枝の「読書の時間」。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』のカバーに隠した『未亡人日記 今夜は燃えちゃう』を息子が学校に持っていってしまい‥‥って噺。構成と云いクスグリと云い、三枝作らしい噺をそつなく。
 息子の同級生にアイドル好きの奥野君も登場。(桂三金?)

 つづいてあさ吉は、マクラで入門時のエピソードを。桂米朝に断られるも桂吉朝を紹介してもらい、吉朝の顔も知らずに会いに行き、「米朝師匠の推薦で」と云って入門に至る。なんともあさ吉らしいエピソード。断片的には知っていたが、本人から時系列に沿って聞くとよりおもしろい。
 自作の「夢組」は、先生のタマゴが教育実習で、全員が明確な将来の夢を持ってると云うクラスを訪れると云う噺。市川君が歌舞伎役者になりたいと語るときにきっちりツケが入るのがたのしい。
 ネタ的に考えると、全体にもっと大げさにクサく演った方が笑いが大きくなりそう。ここらの引っ込み具合がまたあさ吉らしいとも云えるが。

 中トリのあやめの「練炭焚いたらサヨヲナラ」は、ネット上の自殺サイトで知り合った 3 人が練炭自殺する噺。美化していた死に対し、突き付けられる非常な現実。睡眠薬と間違って下剤を大量に飲んでしまい、閉めきった狭い軽自動車のなかで 3 人がえらいことに。「あ、あかん、出るぅーーー!」で太鼓がドロドロドロドロっと入るのには爆笑。
 ラストの凄まじい情景は笑福亭福笑の「絶体絶命」と双璧。これを女のあやめが演ってるってこともまたスゴい。

 中入りを挟んで、恭瓶の「うなじの毛」はフェティシズムの噺。女性のうなじの美しさに魅了された若旦那(33)がうなじの毛を収集し始めるも、どうしても手に入れられない尼僧のうなじの毛に思いが募ってわずらいつく。
 現代的なテーマを擬古典的な世界観で。構成も良く、恭瓶の語りも雰囲気があってなかなか。

 トリは米二の「忘れな草」。物忘れの激しい熊五郎が稽古屋の師匠に知恵をさずかる噺。熊五郎が米二の雰囲気にフィットしてて、おかしみがかもし出される感じ。
 サゲがなんともざんないんで、もうひと工夫ほしいところ。(あやめの「練炭~」に比べたらかわいいもんだが)


 今回はネタが付くことが多かったようにも思いますが、それぞれなかなか味があってたのしめました。とくにあやめさんの「練炭~」は、笑福亭たまさんが演ったのしか観たことなかったんで、オリジナルを堪能できて良かった(?)です。
 それと、あさ吉さんの入門志願のマクラが吉朝ファンとしては興味深かったです。あさ吉さんにもっとたっぷり話してもらえれば、吉朝さんとのおもしろエピソードがゴロゴロ出てきそう。そんな機会を作っていただきたいです。

 次回は 9 月 6 日(水)に 8 周年記念の会で、東京から春風亭昇太さんがゲスト出演とのこと。個人的には、桂福楽さんがかなりたのしみです。

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出没!ラクゴリラ

2007/6/19 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 桂 佐ん吉 「始末の極意」
  • 林家 花丸 「無いもん買い」
  • 桂 こごろう 「素人浄瑠璃」
    ―― 中入り ――
  • 桂 つく枝 「七度狐」
  • 笑福亭 生喬 「佐々木裁き」

※ 第 68 回


 前回は LORDI のライヴとバッティングして行けなかった『ラクゴリラ』。梅雨らしい雲行きながらほとんど降らず、中途半端な天気でしたが、これでもこごろうさんの会がある日にしては良い方!?!?
 ちゃんと数えてませんが、ザッと 70 人くらいの入り。畳の方はわりとゆったりでした。


 開口一番の佐ん吉は定番のケチの小咄から「始末の極意」へ。トントントンと進むも、途中で噺が戻ってしまい、崩れそうに。ヒヤヒヤさせられるも、なんとか持ち直して最後まで。まずまず。

 つづいて花丸は、『花ちゃんの会』でネタ下ろししたとき「もう演ることはないでしょう」と云っていた「無いもん買い」。
 「おい、なにしてんねんな、ビリー」「Oh, Hiroshi-san」「なにしてんねや、こんな天六(天神橋 6 丁目)の交差点で」「I am standing」「立ってなにしてんねん?」「I am standing and... standing」「立って立ってんのかいな」‥‥ってな具合に、最初っから花丸節炸裂で絶好調。
 妙に大阪事情に造詣の深いビリーが変な大阪弁を駆使し、ヒロシと漫才ノリで天神橋筋商店街を南下しながら無いもん買いをする。どこの店に入っても「よそと同じことやってたらあきまへんねん」と応対され、なんでも出てくる。寿司屋ではクジラの活け造りにハリセンボンの活け造り、銃砲店では鰻重ならぬウナ銃。繁昌亭は札止めで、小山事務局長への直談判で花丸を呼び出しておちょくる。ビリーはどの店でもなんか掴んで出てくるが、繁昌亭では赤い人力車を牽いて逃走。
 ちょいちょい間違ってるような気もしたが、ビリーの変な大阪弁のおかげで、どこまでが繰ってきたネタで、どっからが間違いをアドリブでフォローしてるのか、その境界線がわからん状態になり、それがまた笑いになったり。落語マニア向けの小ネタ満載で、全編クスグリのてんこ盛り。変化球と云うより反則カウント 4 の波状攻撃で爆笑の渦に。
 最後は「キョウハ、イロンナモノヲ買ウタワ」「なんにも買うてないやないか」「ソコラジュウデ、ヒンシュクヲ買ウタワ」でサゲ。満腹。

 こごろうは「私は普通の落語でございます」と客に断ってから、袖に向かって「アト演リニクイワ!」。ホンマに演りにくそう。
 「素人浄瑠璃」は『こごろうの会』でのネタ下ろしも観たが、格段に板に付いた感じ。クスグリも増え、旦那と手代の久七とのやり取りで徐々にハイ・テンションに。断りの連続に涙ぐみ、すねてしまってそっぽを向き、ベンチャラ云われてニヤケる、クルクル変わる旦那の表情がたのしい。

 中入りを挟んで、観客は平静を取り戻すも、つく枝はいまだ花丸インパクトから立ち直れずと云った様子。
 つく枝版「七度狐」は「野辺」~「煮売屋」の短縮版を前に付けて、食いしん坊の喜六にイライラする清八の構図。イカの木の芽和えをむさぼり食い、べちょたれ雑炊のおかわりを要求し、油と間違えて差した醤油が濃口だと告げる喜六。サゲは、掴んだ狐の尾が抜けたと思ったら大根だった、の型で。

 前の 3 人が熱演で、トリの生喬が高座に上がったのが 8 時 45 分くらい。江戸時代の賄賂事情を簡単に紹介して、すぐさま「佐々木裁き」へ。
 以前から「子どもとは云え、武士を棒で追い立てるのは不自然」と筋立てをひねっていたがどうもしっくりせず、『らくご道』の対談でこごろうから「追わなんだらええんとちゃうん?」と指摘されて目から鱗。それに沿った改訂版。スッキリ整理された噺をきっちりと。


 この日はなんと云っても花丸さんに決まり! いやぁ~、もうねぇ、花丸派としてはなんとも壮快な会でした。
 「無いもん買い@天神橋筋商店街」は、噺が進化したと云うより突然変異したと云った印象で、山盛りのクスグリを勢いで演りきった感もありますが、そのセンスに脱帽。ローカル色が強くて客を選ぶ改作ではありますが、マニアは一見の価値ありの怪作ですよ。また福笑さんあたりに影響を与えそうな気がします。

 次回は 8 月 10 日(金)の予定です。
 その次の 10 月は 70 回記念の企画も考えるそうで、そちらもたのしみです。

出没!ラクゴリラ

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花ちゃんの会

2007/6/16 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 林家 卯三郎 「つる」
  • 林家 花丸 「蔵丁稚」
  • 笑福亭 由瓶 「はてなの茶碗」
  • 林家 花丸 「いらちの愛宕詣り」


 田辺から難波へ 香川の砧さん と移動。ラーメン定食で腹ごしらえして会場へ。
 この日はほかにも会が多くて入りが心配でしたが、花丸親衛隊か林染会か、開場前からおばちゃんの団体客も入って、ザッと 50 人弱に。それでもちょっと少ないですわな。観る方はこれくらいだと楽ですが。


 開口一番の卯三郎はマクラで映画『しゃべれども しゃべれども』を観に行った話。映画の主演の国分太一と自分自身の生活とのギャップに嫉妬。
 「つる」の方はコンパクトに。最後の「つるーーーーーーー」で困ったあと、半ジレになっての「黙って飛んできたんや!」が新しい。サゲらしい云い方の工夫でもっと印象が良くなりそう。

 花丸の 1 席目は、手違いで三味線さんの手配を忘れていた話から。いろいろ枝葉で笑わせつつ、当日の繁昌亭昼席の楽屋でなんとか手配に至るくだりを。「やっぱり生の出囃子は迫力がありますから」と、労をねぎらう意味で三味線を持ち上げまくり。
 つづけて、ゼンジー・一億と福井へ余興に行った話。「私、一億さんとロマンスが生まれてる場合やございませんから」に爆笑。
 演し物の「蔵丁稚」、丁稚の定吉が旦那にしかられて蔵へ放り込まれるも、芝居の真似事で気を紛らわす。登場人物を評しつつ、「この人はマル」「このおっさんはペケ」と云う定吉がなんともかわいらしい。芝居の真似事が、いつの間にか観てきた舞台のカット・バックと云う感じの演出。芝居のシーンと素の定吉との切り返しが絶妙。
 芝居はたっぷり、定吉もかわいく、本日の秀逸。

 由瓶は曰く付きの「はてなの茶碗」。所々イントネーションが気になるも、ごく丁寧に演っててなかなか。ちょっとクサい気もするが、一生懸命さが伝わってくる高座。

 花丸の 2 席目は、もし三味線さんが見つからなかったら昔取った杵柄で自分で弾こうと、ちょっと練習してみた話から。よくよく考えると、自分の出番のときはどうする?とハタと気付く。さらに師匠の林家染丸からの無茶な要求で困惑した話から、師匠には意外にいらちな面があると云う話へとつないで「いらちの愛宕詣り」へ。
 いらちの男が花丸のニンに合わんようにも思うが、いらちと云うよりおっちょこちょいと云う感じの演出で、クスグリをいろいろ突っ込んで花丸らしい一席に。


 中入りなしの 2 時間弱でしたが、短いながらも充実の会でした。
 とくに花丸さんの「蔵丁稚」が秀逸。定吉の「ペケ!」にはやられました。芝居の場面も意外なほどしっくりきてましたし、「七段目」あたりも観てみたいです。花丸さんの若旦那を想像すると‥‥なんともたのしみ!

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田辺寄席

2007/6/16 @大阪市立阿倍野青年センター

【いちもん会】

  • 桂 文太 《開口 0 番 文太の前ばなし [つ]つるつる ぞろぞろ だくだく》
  • 桂 福矢 「子ほめ」
  • 桂 福六 「月並丁稚」
  • 桂 文太 「寝床」
  • 《笑呆亭 出題編》
    ―― 中入り ――
  • 桂 福車 「船徳」
  • 桂 福楽 「仔猫」
  • 《笑呆亭 解答編》

※ 第 426 回


 ひさびさの田辺寄席。会員証を作ってからお初です。地下鉄谷町線「田辺」駅から徒歩 10 分くらい。JR 阪和線の高架化工事の影響でプチ遠回りしました。
 今回は桂福團治一門会。開場直後ぐらいに到着しましたが、すでに待ち行列。ザッと 120 人の大入りです。


 文太の前ばなしは、らくごの演題について。前回演った「つるつる」の解説から、落語の演題はもともと楽屋の符丁だったってな話へ。

 開口一番の福矢のマクラはあいかわらずマーフィー岡田ネタ。今年はこれで引っ張るつもりか、かなり繰られてきた印象。
 福矢の「子ほめ」は、きっちり春團治の型。登場人物がみな世間を斜めに見てる感じで、独特の味が好き嫌い分かれそう。町内の人気男がもう少し弾ければウケが大きくなりそう。

 福六は初めて。独特の容貌と声量のなさで最初はどうなるかと思ったが、噺の「月並丁稚」に入れば丁稚がなんとなくかわいく見えたり。

 中トリは文太の「寝床」。これが秀逸。家主の浄瑠璃の会に呼ばれた町内の者らの断りは軽く流し、店の者らの断りをふくらませて。使用人はもとより、犬、猫、果ては金魚まで声をかけ、それらにもきっちり断りが。
 後半も、「後家殺し!」「人殺し!」とか云いつつ酔っ払って寝てしまい、気付いた旦那に起こされ半分寝言で「人殺し!」とか。クスグリの構成がお見事。
 ここで《笑呆亭》の出題。浄瑠璃の会に来ないことを理由に家主から明け渡しを云い渡された店子は、それに従わなければならないか?

 中入りを挟んで、福車の「船徳」。笑福亭たまに比べると動きやクスグリで劣るものの、人物の表情が出色。とくに若旦那船頭にイラつく船客がええ具合。ほかの噺も観てみたい。

 トリはお目当ての福楽が「仔猫」。以前(約 1 年前に)観たときはきっちりながら平板な印象だったが、今回は雰囲気たっぷり。前半のわちゃわちゃと後半のおどろおどろしさとの対比がメリハリに。おなべの独白もきっちり七五調で雰囲気満点。
 マクラでは「トリにしては軽すぎる」と謙遜されてたが、なんのなんの。福團治一門の筆頭弟子としてきっちりええ仕事。こちらも秀逸。

 最後に《笑呆亭》の判決。段取り悪く、「出て行かなくて良い」と早くに決着。抽選会は‥‥惨敗。


 福楽さんと文太さん、この 2 席は抜群でした。これだけでも行った甲斐があったと思います。福車さんも好感触でしたし、たっぷり福團治一門って感じのええ番組でした。

 7 月は 21 日(土)、22 日(日)です。

上方落語の地域寄席 田辺寄席

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元祖大阪名物 あほの会

2007/6/15 @天満天神繁昌亭

  • 露の 都 「みやこ噺」
  • 桂 勢朝 「鉄砲勇助」
  • 笑福亭 仁嬌 「夏の医者」
  • 笑福亭 仁福 「恐ろしい妻」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 右喬 「うなぎ屋」
  • 笑福亭 由瓶 「仔猫」
  • 《大喜利》

※ 第 10 回


 ひさしぶりの『あほの会』。入りが徐々に悪くなってましたが、前回は 40 人くらいだったとか。今回は 121 人(公式発表)で、1 階席中央はほぼ埋まり、2 階席にチラホラって感じ。


 開口一番は大阪のおばちゃん代表の都。日常のおもしろ話をいろいろと。

 勢朝はマクラからいつものハイ・テンション。そのままの勢いで「鉄砲勇助」へ。観客の反応が気になったのか、エクスキューズが多くて流れが分断される。

 仁嬌は、定番のヤブ医者のマクラから、めずらしい小咄をいくつか演って「夏の医者」を。のんびりした田舎噺がニンに合った感じ。(が、睡眠不足で途中から‥‥)

 中トリの仁福はマクラで自らの失敗談を披露するも、ウケるのは楽屋のみ。しかも楽屋から客席に聞こえてくるほどの笑い声が。さすがは『あほの会』。
 初めて目にする演題「恐ろしい妻」はどんな噺かと思えば、なんのことはない、「船弁慶」の前半部分。演題のわりには雷のお松が弱いような気もするが、喜六の頼りなさはニンに合ってる。喜六と清八が出掛け、喜六の「焼き豆腐事件」独白のあとにちょっとしたエピソードを付けてサゲに。

 中入りを挟んで、右喬はこれまでのバイト経験の話をマクラに「うなぎ屋」を。右喬にしてはややおさまった印象で、ウナギと格闘する店主はもっと弾けても良いかも。

 トリは由瓶の「仔猫」。所々でイントネーションが気になるも、きっちり丁寧に演ってて好感。最後のおなべの独白は芝居がかった七五調に演るのが正調だろうし、聴いてる方も怖々ながら心地良いんで、セリフの整理が必要だろう。

 最後に大喜利。下手より、司会の勢朝、露の吉次、桂福矢、林家笑丸、仁嬌、仁福。お遊びは、「6 月」をテーマにしりとり風船ゲームと、「山登り」をテーマに数え歌。勢朝が大喜利の司会に不慣れで、やや物足りなさも。


 あいかわらずのグダグダ具合です。まぁそこをたのしむのがこの会なんでしょうし、それを承知で行ってますから、個人的には無問題なんですが。
 仁福さんは「恐ろしい妻」と別演題にしてましたが、桂枝雀さんの CD には同じようなところで「半ばでございます」と切ったのがきっちり「船弁慶」として収録されてます。

 次回は 7 月 15 日(日)です。開演が 17 時(午後 5 時)なんでご注意を。トリは都さんの「子は鎹」です。

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らくご道 笑福亭生喬と桂こごろうの落語会

2007/6/14 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 笑福亭 生寿 「道具屋」
  • 笑福亭 生喬 「豆屋」
  • 桂 こごろう 「花筏」
    ―― 中入り ――
  • 生喬・こごろう 《対談:夕焼け日記》


 やっぱりこごろうさんの会、雨です。そのせいか、客足鈍し。それでも開演時には 30 人ちょいに。動員にそれほどの増減がないところが『らくご道』の不思議。


 開口一番の生寿は「道具屋」。ネタはきっちり入っており、ここらは好感が持てる。時折のぞく生喬色が微笑ましい。道具屋稼業がうまくいかず、イラッとしたところに声を掛けられてキレるが、生寿のニンとのギャップで笑いに。
 直前に観た桂佐ん吉のと比べると、一門による細部の違いが興味深い。

 生喬のマクラは恒例の、最近の出来事。たっぷりいろいろしゃべってから「豆屋」へ。気の弱い豆屋が気の荒い長屋の住人に買いたたかれる噺。この噺は桂春團治のを CD で聴いたことがあるだけで、春團治のでも買い手は口汚いが、生喬のは買い手が恐喝のような値切り方。恐ろし過ぎる。

 こごろうはマクラで最近の相撲界を嘆きつつ「花筏」を。何度か観てるが、花筏に扮した提灯屋の徳さんが書く色紙がたのしい。「休んだっていいじゃない、人間だもの」。相撲見物の客にもそれぞれ個性があって、ここらの工夫がこごろうらしい。
 行司の呼び出しと観客の声援に、千鳥ヶ浜が思わず土俵に上がってしまう描写がなく、この部分だけ流れがやや不自然にも。のちの対談で語っていたが、自分の声が呼び出しに合わないためカットしてるそう。唐突な展開ゆえ、つなぎが必要かも。

 中入りを挟んでの対談では、本日のネタに関する話から、噺家の声質や思い出話に。会場のキャパによる演出の違いなども。


 きっちり 3 席+αで、いつも満足度の高い会です。

 次回は 7 月 19 日(木)、生喬さんが「ぞろぞろ」、こごろうさんは「青菜」です。

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神戸塾・火曜サロン 島田亭

2007/6/12 @ギャラリー島田

【上方落語の世界 (その 1)】

  • 桂 佐ん吉 「道具屋」
  • 桂 こごろう 「書割盗人」
  • 林家 花丸 「電話の散財」

※ 第 158 回


 阪急「三宮」駅北側の繁華街を抜けると、閑静な街並みに。細い坂道を上ってゆくと、道の両側に洒落たカフェやレストラン。「嗚呼、神戸やなぁ」とか思いつつ、ギャラリー島田に到着。地下 1 階の会場では 『藤崎孝敏展』 が開催中で、展示品を観ることができます。重厚なタッチ。
 『神戸塾・火曜サロン』では様々な文化・芸術に関するイヴェントが定期的に開催されています。今回は初の落語会だそう。高めの高座が組まれていて、初めてにしてはなかなかに本格的。
 観客の集まりが悪いなぁと思ってたんですが、開演時には 40 人ほどに。


 席亭の挨拶につづいて、まずは佐ん吉。おなじみのマクラ(雑誌の占いコーナー、御祝儀のポチ袋)でほぐし、美術・骨董系小咄から「道具屋」へ。
 時間的余裕もあり、安定感あり。前半の「そんなもんでも、どこぞのアホが買うていきよる」の繰り返しは新しいが、もうひとひねりでクスグリ度がアップしそう。仕込みとバラシをつなぐ再構成に好感。

 つづくこごろうもマクラたっぷり。おなじみ内弟子時代の失敗談(そんなバカラ)からつもり貯金へ話をつなぎ、「金がなくても工夫して暮らす」みたいな展開で「書割盗人」へ。
 注文よりも凝った絵を描く甚兵衛がたのしそうで、観てるこっちもたのしげに。泥棒とのつもり合戦も白熱し、しっかり避けてるのに「避けたつもり!」、きっちり逃げてるのに「逃げたつもり!」が毎度おかしい。サゲは「カギ描いといてもろたら良かった」。

 トリの花丸もいつものマクラ(覚えやすい名前、帰りにおみやげ、草野球で怪我)でしっかり笑わせ、趣向で「ハメモノの入る噺を」と云うことで「電話の散財」を。(趣向はおそらく席亭からのリクエスト)
 隠居した旦那が外出を禁じられ、御茶屋に電話してたのしもうと云う噺。明治期の噺のようで、昔は回線が混線したら「話し中!」と叫ぶと解消したそうで、それがクスグリに。噺自体に笑いが少ないが、きっちり丁寧に。御隠居のキャラが好々爺そのものでたのしい。


 たのしい雰囲気の 3 席に大満足でした。観客の反応も良かったと思います。
 花丸さんがメインの会だそうですが、この日はネタ的にこごろうさんに軍配。次回は「厩火事」「千早振る」「あくびの稽古」あたりで本領発揮していただきたいところです。

 終演後の席亭の挨拶で、『島田亭』は 3 か月に 1 回、年 4 回のペースで開催したいと発表されました。とすると、次回はおそらく 9 月頃になると思います。

ギャラリー島田

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文楽鑑賞教室

2007/6/9 @国立文楽劇場

  • 寿柱立万歳ことぶきはしらだてまんざい
  • 解説 文楽へようこそ
  • 仮名手本忠臣蔵かなでほんちゅうしんぐら
    • 二つ玉の段
    • 身売りの段
    • 勘平腹切の段

※ 第 24 回


 某 C さんが無料招待券をゲットされ、おこぼれ頂戴。しかもええ席を確保していただきました。毎度ありがとうございます。
 この日は招待客のみの公演だったようで、満員でした。初心者向けの会で、無料なのにパンフレット付きと、至れり尽くせりです。
 で、このパンフレット。文楽 Q & A や『仮名手本忠臣蔵』の紹介が 中西らつ子 さんの漫画になっててたのしい!


 まずは『寿柱立万歳』でご機嫌うかがい。三河から江戸へ流れてきた太夫と才三が新築祝いに賑やかな舞を披露します。これがいわゆる三河万歳?
 この演目は、ストーリー云々よりも文楽のスタイルを紹介することが主眼のよう。ふたりの舞に鼓の投げ渡しがあったり、見た目が派手です。

 つぎに解説。大夫、三味線、人形遣いを、実演をまじえて紹介。人形遣いでは観客参加コーナーも。

 休憩を挟んで『仮名手本忠臣蔵』より「おかる・勘平」のくだり。娘のおかるを身売りした金を懐に、家路を急ぐ父。その道中、定九郎に殺される。その定九郎を猪と間違って撃ち殺してしまったのが勘平は、おかるの父親を殺してしまったと勘違いし‥‥ってな展開。
 芝居にありがちな勘違いの連鎖。不覚にも「身売りの段」でウトウト‥‥。唐突な勘平の腹切に「切る前に告白せえよ!」と突っ込んでしまうのは野暮でしょうか?


 解説もわかりやすく、演目も初心者向きで良かったと思います。
 ただ、開演前にカレーを腹一杯食べてしまったため、たのしみにしてた「おかる・勘平」で居眠ってしまいました。残念。(自業自得)

国立文楽劇場

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笑福亭福笑独演会

2007/6/8 @ウェルシティ大阪(大阪厚生年金会館)大ホール

  • 笑福亭 たま 「兵庫船」
  • 笑福亭 福笑 「狼の挽歌」 (作:笑福亭福笑)
  • 桂 勢朝 「ハイウェイ歌合戦」 (作:小佐田定雄)
  • 笑福亭 福笑 「江戸荒物」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 福笑 「絶体絶命」 (作:笑福亭福笑)

※ Vol. 22


 チラシにも、パンフレットにも、大きく「絶体絶命」の文字。このネタに対する福笑さんの思い入れのほどがうかがえます。字の大きさと言葉の意味から受けるインパクトは絶大。ネタを知らない人はどんな印象を受けたんでしょう。
 会場が芸術ホールから大ホールへ移動し、全席指定に。諸般の事情でチケットを取ったのが遅れて上手寄りの席でしたが、まずまず。入りが心配でしたが、後方両角に空席はあるも、1 階席は 7~8 割の入り。2 階席にもお客さんは入ってました。(3 階席は未使用)
 入場時にパンフレットとともに、おみやげ(?)の携帯トイレをいただきました。「絶体絶命」を知ってる人はここでニンマリ、知らない人は終わってからニンマリ。


 緞帳が上がって開口一番のたまが登場するも、ち、小さい。否、遠い。高座から最前列まででも 4~5 m あり、自分の席は 7 列目くらいだったが、それでも遠い。
 たまの「兵庫船」は何度も観てるが、時間を意識してかクスグリを端折りながら、それでもポイントできっちり笑わせる構成に。謎かけの場面で喜六の「やりますー!」がたのしい。

 福笑に挟まれた勢朝はいつものハイテンション。「ハイウェイ歌合戦」は福笑からの指定だそう。商店街の慰安バス旅行に勢朝が添乗し‥‥って噺。バスのなかで歌合戦が始まれば、気持ち良さそうにええ声を発揮。

 福笑は全席指定になったことや値上げしたことを詫びつつ笑わせつつ、何年後かにはこの大ホールを満杯にすると誓う。もちろん会場からは大きな拍手。
 1 席目は自作の「狼の挽歌」。抗争現場から飛び出してきたヤクザにタクシーを占拠された運転手の噺。警察に包囲された頃には逃走犯と人質と云う立場が逆転し、タクシー運転手が唐突にピストルを乱射。ここらの不意打ちが福笑らしい。
 2 席目は古典で「江戸荒物」。荒物屋の「おい、あンま!」「なんだい、おまえさん!」の繰り返しが笑いを誘う。筋立ては基本に忠実だが、登場人物に対する性格付け、そして噺運びの呼吸が福笑ならでは。
 中入りを挟んでの 3 席目は、とうとう「絶体絶命」。突然便意をもよおした女性がガソリン・スタンドに飛び込んでくる噺。前半はスタンド店員のあり得ないすかしっぷりにヤキモキさせられ、後半は裏のフキ畑で用を足す女性が星空を見上げながら“月の砂漠”を歌う場面が最高潮。用を足す凄まじく激しい擬音のなかに「ドスーン!バターン!」ってのまで入ってるのには平伏。


 福笑ワールド全開。新作はもちろん、古典の転がし方も福笑さんらしさ満点で、あいかわらずおもしろい 3 席でした。
 ただ、大ホールは天井が高く、音声が響いて上へ抜けていくようで、客席に届きにくいように思いました。とくに福笑さんは勢朝さんやたまさんに比べて声量がありませんから、観客も噺を聴き取ろうとその都度笑いが途切れてしまって笑いが連鎖しない感じもありました。初めての会場ですから、ここらの音響の設定は難しかったかもしれません。
 
 

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六日のあやめ

 「六日の菖蒲あやめ」とは、広辞苑によると「(5 月 5 日の節句の翌日の菖蒲の意)時機におくれて役に立たない物事のたとえ」とのこと。

 で、蛇足かつあとの祭りですが、『五日のあやめ』に 5 日間通った感想など。


番組に満足

 あやめが毎日 3 席、ゲストは「あやめ自身が繁昌亭で観たい人」と「日替わりイケメン 5 人衆」で構成。『できちゃったらくご!』のメンバーが入ってなかったことで、特別な会と印象付ける効果があったと思います。
 とくに東京から春風亭昇太、神田山陽、ポカスカジャンを呼んでくれたのはうれしかったですね。昇太はともかく、山陽とポカスカジャンは関西ではなかなか観る機会がないですから。実際、よそからゲストを呼べばそれだけ費用がかかるってなもんですが、そこをあえて起用するところにあやめのプロデューサーとしてのセンスと手腕がうかがえます。
 今回のゲストはそれぞれがその日しか空いてないところにピッタリはまったそうです。幸運の女神があやめに微笑みかけてたんでしょうねぇ。


ネタに満足

 新作 11 席+古典 3 席+姉様キングスをまんべんなく配置。
 新作は、初期作品から定番ネタ、記念の会向けの趣向物と、バラエティに富んだチョイス。とくに趣向物は普段掛ける機会がほとんどないようで、ネタの虫干しの意味合いもあったかと思いますが、それらがみな良くできた噺で、タンスの肥やしにしておくにはもったいないと思いました。定番ネタの安定感は云わずもがなで、初期作品も古さを感じさせないよう手を入れられていて、とにかく充実していたと思います。
 古典の方は、「軽業」と「船弁慶」はスタンダードでしたが、女性版「ちりとてちん」が秀逸で、まさに新作派の面目躍如。
 姉様キングスは云わずもがな。さすがに過激度は抑えてましたが、本人らがたのしんで演ってる風が舞台から伝わってきます。いつもながらにぎやかに。


エピソードに満足

 あやめ本人はもとより、ゲストからもあやめのエピソードがいろいろと。とくにあやめ本人は 3 席ともマクラを振ってまして、そのエピソードの多さにもびっくりさせられます。(もっとも、新作だとネタ自体が短いものが多く、マクラを振らざるを得ないと云うのも一因かもしれませんが)
 それぞれのネタにまつわる話や、入門前後の話など、かなり興味深いエピソードがマクラに満載されてました。


客席の雰囲気に満足

 繁昌亭と云うせまい会場での一体感、とにかくこれが良かったように思います。繁昌亭バブルのお客さん(とくにあやめ目当てでもなく、単純に繁昌亭に行ってみたかったお客さん)はいたかもしれませんが、きっかけはなんであれ、みんなたのしみにして来てはるなぁってのが会場の雰囲気から伝わってきました。
 ただ、やっぱり何回か鳴ったんですよねぇ、携帯電話が。残念。


料金設定に満足

 前売り 2,500 円、当日 3,000 円は独演会としては普通だと思いますが、通し券 10,000 円(1 日あたり 2,000 円)はお値打ち。これでおみやげ付きですから、かなりお得感がありました。


長蛇の列にぐったり‥‥

 通し券のこともあって全席自由にしたんだと思いますが、当日指定制にするとか、整理券くらいは出しても良かったんじゃないかと思います。スタッフの負担とか、なかなか難しい問題もあるのかもしれませんが。


 ‥‥とまぁ、なんやかんや書きましたが、とにかく充実した 5 日間でした。
 終演後はあやめさんご本人が毎回お見送り。これは繁昌亭だからこそできたサービスかもしれませんが、ここらの気配り・サービス精神はさすがだと思います。(そのあと、毎日へべれけになるまでの打ち上げだったそうな)
 非常に満足度の高い企画で、あやめ支持度が一気に上がりました。5 日連続の独演会と云っても大上段に構えることなく、あやめさんの視線はお客さんと同じ高さにあるなぁと思いました。気が早いようですが、いまから 30 周年がたのしみです。

 あやめさん、5 日間お疲れさまでした。

上方落語協会茶道部

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五日のあやめ

2007/6/7 @天満天神繁昌亭

【桂あやめ落語家生活 25 周年記念 一日三席相勤めます】

  • 桂 二乗 「普請ほめ」
  • 桂 あやめ 「京阪神日常事変」 (作:桂あやめ)
  • 林家 染雀 《御祝儀舞》
  • 桂 あやめ 「船弁慶」
    ―― 中入り ――
  • 桂 雀三郎 「ちしゃ医者」
  • 姉様キングス 《音曲漫才》

※ 五日目


 とうとう千秋楽。前 2 日の状況から油断してたってわけでもないんですが、会場へ向かうバスのなかで某 C さんからメールで、17 時前の段階ですでに 20 人近く列んでる、との情報。一応サラリーマンなんで、そんなん無理やって!
 17 時半前に会場に着くと、すでにその倍くらいになってました。先頭の方々は《あやめ親衛隊》って感じのおばちゃんです。おばちゃんは時間あるからなぁ。暑いなか、ご苦労さんです。
 それでもまぁ、某 C さんのおかげでいつもの席へ。ありがたやぁ~。この日は前売り完売の大入り満員です。


 最後の《日替わりイケメン 5 人衆》は二乗。ことさらそのことには触れず、自分の部屋の暑さを紹介して「普請ほめ」へ。二乗の「牛ほめ」は何度か聴いてるが、かなり安定感のある高座。上手いこと短くまとまっている。

 つづいてあやめの 1 席目は、神戸でメロンパンと云えばラグビー・ボール型で白あんが入っている、と熱くメロンパン考現学を力説し、同じ関西と云えども京阪神で色合いがまったく違うことを落語に託した「京阪神日常事変」を。
 京都の北白川雅、神戸の岡本深江、大阪の千林我孫子。この 3 人が居酒屋へ‥‥って噺。我孫子の芸人ノリもさることながら、雅のゆったりした京言葉との対比でおもしろさ倍増。ハイソ意識の高い深江が「神戸はなんもないやろ!」とやりこめられるのも納得。食材の原価まで考慮してメニューを注文する我孫子には脱帽。

 あやめが着替えるまでのあいだ、染雀の御祝儀舞。「紀伊の国」は狐の出てくる踊りで、袴姿から浴衣に狐面への早替わりも。

 あやめの 2 席目は、師匠の文枝に約 20 年ぶりで付けてもらった「船弁慶」を。文枝が茶臼山舞台に出向いて稽古を見てくれたそう。
 導入部の喜六と清八のやり取りは文枝そっくりだったが、船遊びの割前が 3 円と聞いた喜六が驚嘆したところで、文枝に背中をポンと突かれたか、そこからはあやめ風味にシフト。不自然さが抜けて、いつものあやめの調子で。
 上下が不自然だったり、云い淀みや云い間違いが散見されたり、まだまだこれからと感じさせるが、それでも師匠から最後にいただいた贈り物を大切に育てようと云う気持ちのこもった、なんとも云えないほっこりした高座。

 中入りを挟んで、ゲストの雀三郎はやぶ医者の小咄から。雀三郎にかかると、手遅れ医者の小咄だけでも爆笑に。
 演し物は「ちしゃ医者」。トリにつなぐことを意識してか、わりとあっさりした印象。それでも動きのおもしろさは抜群。肥壺を股ぐらに押し込められた赤壁周庵先生の悲劇はやっぱりキツい。

 そして大トリの大喜利は、お待ちかねの姉様キングス。この日のお品書きは、都々逸、ストトン節、阿呆陀羅経。記念の大舞台と云うことでネタは A 面ベストと云う感じだが、つなぎのトークはぶっちゃけモード全開でたっぷりと。
 阿呆陀羅経ではあやめの半生を織り込んだトリづくし(おそらくこの日のための新ネタ)でグダグダになり、木魚を叩くかんざしの玉が割れると云うアクシデントが発生するも、これも姉キンらしさであり、ライヴの醍醐味。
 にぎやかに、にぎやかに、カラッと大団円。


 最後はやっぱり姉キン!だったわけですが、あやめさんの落語 2 席もなかなかで、最終日にふさわしい、あったかい盛り上がりでした。

 5 日間通った『五日のあやめ』ですが、どの日もハズレなしの興行で、あらためてあやめさんの企画力のスゴさとネタの質の高さを実感しました。
 ちょっと疲れましたが、終わったかと思うとなんだかやっぱりさみしい感じですね。

上方落語協会茶道部

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五日のあやめ

2007/6/6 @天満天神繁昌亭

【桂あやめ落語家生活 25 周年記念 一日三席相勤めます】

  • 桂 ちょうば 「平林」
  • 桂 あやめ 「セールスウーマン」 (作:桂あやめ)
  • ポカスカジャン 《音楽ショー》
  • 桂 あやめ 「ルンルン大奥絵巻」 (作:桂あやめ)
    ―― 中入り ――
  • 桂 あやめ 「船場ぐるい」 (原作:山崎豊子)

※ 四日目


 この日は前売りの伸びがいまひとつと云うことだったんですが、なんのなんの、開場前には長蛇の列です。前日同様、1 階席はほぼ満席の入り。これまでの 3 日間とは若干客層が違ってたのも興味深いです。


 この日の《日替わりイケメン 5 人衆》はちょうば。いつものマクラで客席をほぐして「平林」を。あいかわらず丁稚がかわいい。最後は、歌いほうけてる丁稚の前にヒラバヤシさんが出てきて、丁稚が「ちょっと待って。タイラバヤシ、ヒラリン、モクモク、トッキッキ。‥‥ヒラバヤシさん、おたくに用はおまへんわ」と、サゲにひと工夫。

 あやめの 1 席目は、桂文枝(当時、小文枝)の追っかけファンだった高校時代から入門して桂花枝になるまでの話をマクラに、ABC 漫才落語新人コンクールで最優秀新人賞を受賞した「セールスウーマン」。化粧品売り場での美容部員の先輩と後輩とのやり取り噺。ネタの構成はシンプルながら、先輩と後輩のキャラがきっちり立ってるのはさすが。

 この日のゲストは音楽ショーのポカスカジャン。定番の絵描き歌から、仮面ライダー金八で客をイジり、ワールド・ミュージックいろいろ。大伴家持アフリカンとボサノヴァが秀逸で、スゴいゲストに立川談志?も登場してタンゴを披露。よくできたネタとしっかりした音楽センスで客席もハジケる。

 あやめの 2 席目は、「ルンルン大奥絵巻」のコントで上様役を引き受けてくれた桂三枝をしくじりそうになった話から、いかに大奥好きかを熱く語って本編へ。
 河内出身の河内殿と京都出身の綾小路殿との大奥内での勢力争い。綾小路殿が連れてきた美しいお美乃に対抗するため、河内殿の手下の松原と藤井寺が連れてきたのがお竜。
 河内殿のキャラもかなり強烈だが、暴走馬賊のお竜が凄まじい。云い間違いも軽いクスグリに転化する余裕もあり、あやめ自身がたのしんでることが伝わってくる。サゲもストンと心地良い。(声の出演:林家染雀)

 中入りを挟んで、あやめの 3 席目「船場ぐるい」は山崎豊子の短編小説が原作。(ただし無許可)
 船場にあこがれつづける、船場マニアの女の噺。子ども時代から、第二次世界大戦をまたいで、あくまでも船場に執着する女の一代記に敬服。映画『船場狂い』に感化されたそうで、映画的な雰囲気を感じさせる構成。


 ポカスカジャンと大奥に爆笑。とくにポカスカジャンはにぎやかで、演る側と観る側との一体感も良かったと思います。
 連日の充実した番組に感心していますが、あやめさんの声のかすれがちょっと気になりました。あと 1 日、がんばっていただきたいと思います。

上方落語協会茶道部

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五日のあやめ

2007/6/5 @天満天神繁昌亭

【桂あやめ落語家生活 25 周年記念 一日三席相勤めます】

  • 桂 三四郎 「大安売」
  • 桂 あやめ 「営業一課の高田くん」 (作:桂あやめ)
  • 神田 山陽 「鼠小僧外伝 サンタクロースとの出会い」 (作:神田山陽)
  • 神田 山陽 『赤穂義士銘々伝』より「中山安兵衛 高田馬場十番斬り」
  • 桂 あやめ 「サカイで一つだけの花」 (作:桂あやめ)
    ―― 中入り ――
  • 桂 あやめ 「OH! 舞妓(マイガール)」 (作:桂あやめ)

※ 三日目


 前日が長蛇の列だったんで早めに行ったんですが、ちょっと拍子抜け。それでも、補助席こそ出さないまでも、ほぼ満席の入り。


 恒例の《日替わりイケメン 5 人衆》から、この日は三四郎。定番マクラをやや長めに、子どもの頃は相撲取りになりたかったと「大安売」へ。とても相撲取りには見えない体型だが、きっちり繰り返しのおもしろさ。ええ具合にあったまる。

 25 年前のきょう入門したあやめ。入門から紆余曲折を経て女性を主人公にした新作を演るようになった経緯をマクラに、あやめ自身が子どもの頃から願いつづけていた、24 歳までに結婚すると云う夢を落語化した「営業一課の高田くん」を。
 見合い話が進むなか、社内に気になる男性社員がいて迷っている女性社員の噺。まわりくどい告白の繰り返しで笑わせる構成で、シンプルな笑いのパターン。約 20 年前の作品ながら、携帯メールのクスグリを入れたり、時代に合わせた改訂も効果的。

 グリーンの SWA ジャージ着物で登場したゲストの神田山陽は、あやめと同い年だそう。講談の認知度の低さをテンポ良く嘆きつつ、古典か新作か観客に打診。新作支持派が若干上回るも、結局、どっちも演ると宣言。
 声が大きいからと、マイクから釈台をズイッと遠ざけての新作は、鼠小僧がサンタクロースと出会う話。張り扇をバシバシ入れつつ、修羅場読みの凄まじい勢い。それに反して、ストーリーはばかばかしさからほっこりした展開へ。
 古典は『赤穂義士銘々伝』より、後の堀部安兵衛が活躍する「高田馬場十番斬り」を演るも、時間切れでほんのさわりのみ。釈台を担いで退場。

 あやめの 2 席目は本人曰く《もっとも邪道な落語》の「サカイで一つだけの花」。花屋の店先に並んだいろんな花を見てると、その花たちがしゃべりだす噺。実際に花(造花)を使ってそれにしゃべらせると云う、コント的でわかりやすい仕掛けで、笑い多し。

 中入りを挟んで、あやめの 3 席目は、あやめ襲名前夜の思い出から。以前から師匠の桂文枝(当時、小文枝)の前座名だったあやめを欲しがっていたが、師匠がなかなか首を縦に振らなかった。ところが入門 10 年目に兄弟子の桂小枝が間に入り、師匠の許可が下りる。その翌日、 スナックママ連続殺人事件 の犯人に首を絞められる!
 演し物は、あやめ襲名披露公演で数回演ったきりだった「OH! 舞妓(マイガール)」を。京都の老舗の御茶屋に東京と九州の女の子が舞妓修行にくる噺。東京の女の子がテンション高くて笑いの中心に。自由奔放な現代っ子に御茶屋の女将がキレそうになる様子がおかしい。


 この日のあやめさんは新作 3 本ながら、それぞれ色が違ってて充実。とくに「サカイ~」はかなり繰られてて、客席の笑いもひときわ大きかったです。
 初めて観た山陽さんのインパクト大! もうちょっと時間に余裕のある高座を観てみたいと思いました。SWA の大阪ツアーを実現してほしいもんです。

上方落語協会茶道部

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五日のあやめ

2007/6/4 @天満天神繁昌亭

【桂あやめ落語家生活 25 周年記念 一日三席相勤めます】

  • 笑福亭 瓶成 「いらち俥」
  • 桂 あやめ 「アタック!ナンバ一番」 (作:桂あやめ)
  • 春風亭 昇太 「愛犬チャッピー」 (作:春風亭昇太)
  • 桂 あやめ 「ちりとてちん」
    ―― 中入り ――
  • 桂 あやめ 「桜姫花菖蒲文章」 ~歌舞伎「桜姫東文章」より~

※ 二日目


 二日目も大入り満員。かなり早くから入場列ができてたようです。某 C さんが席を確保してくれてて大助かりです。


 まずは《日替わりイケメン 5 人衆》から瓶成。軽いマクラから「いらち俥」へ。繁昌亭昼席の効果か、時間枠ぴったりにうまく間引いた構成。とにかくにぎやかで、瓶成独自のクスグリもあり、瓶成独特の所作とも相まって、たのしい高座に。少しずつ進歩がうかがえる。

 あやめの 1 席目は、今回のゲストの奇跡のブッキングをマクラに、スポコン落語の「アタック!ナンバ一番」。意地悪な先輩と期待のホープとの対立は、懐かしのスポコン少女漫画ネタ満載。袴姿で座布団のまわりを動きまくり。

 ゲストの昇太はあやめと同期だとか。この日、迷いながらようやく繁昌亭に到着するも、いきなり桂三枝に捕まって立ち飲み屋へ連れて行かれ、近所を散策しようと商店街を歩くも、いつまでも商店街が終わらず不安な気持ちに。その後もマクラいろいろたっぷり。
 演し物は、あやめのリクエスト「名犬チャッピー」を受けて「愛犬チャッピー」。飼い主のテンションの高さにもまして、チャッピーのツッコミのテンションも高い。

 あやめの 2 席目は、姉様キングスの東京公演で泊まるところがなく昇太邸へ転がり込んだときのエピソードをマクラに、物喜びする噺家・しない噺家の話から、あやめ版「ちりとてちん」を。
 御茶屋で遊ぶ旦那のもとへ、物喜びする雛鶴と物喜びしない杵鶴のふたりの芸妓が訪れる設定。このふたりの性格が両極端で、とくに杵鶴は「これで客商売か?」と思わずにはいられない憎まれ口のオンパレード。客はみなド M か!?!?
 腐った豆腐を崩さずに梅干しで作った花をあしらったり、隣の座敷の書家に箱書きをしてもらったり、美的ヴィジュアル指向。

 中入りを挟んで、あやめの 3 席目は歌舞伎の「桜姫東文章」を落語化した「桜姫花菖蒲あやめ文章」。さながら「本能寺」の趣。
 同性愛あり、レイプあり、濡れ場あり、殺しあり、ストーリーはドロドロでヘヴィだが、そこはあやめ、そこここに笑いをまぶしながら、カラッとした演出で。得意の阿呆陀羅経も。


 あやめさんは趣向物の「桜姫~」も良かったんですが、整理された「ちりとてちん」がええ具合でした。昇太さんとのエピソードもおもしろく、記念の会らしいにぎにぎしさでした。

上方落語協会茶道部

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五日のあやめ

2007/6/3 @天満天神繁昌亭

【桂あやめ落語家生活 25 周年記念 一日三席相勤めます】

  • 桂 あやめ 「軽業」
  • 旭堂 南青 『太平記』より「八尾別当顕幸」
  • 桂 あやめ 「コンパ大作戦」 (作:桂あやめ)
  • 桂 小米朝 「立ち切れ線香」
    ―― 中入り ――
  • 桂 あやめ 「立ち切れ・小糸編」 (作:桂あやめ)

※ 一日目


 あやめさんの噺家生活 25 周年記念の 5 日間興行。会の発表前後には勝手にヤキモキしてましたが、限定 25 枚の通し券も無事確保し、いざ!

 こごろうさんの会があったミナミから南森町へ。早めに着いたんで天神橋筋商店街をブラブラ北上し、カツ丼で腹ごしらえ。えっちらおっちら天六まで進み、地下鉄堺筋線で一気に逆戻り。
 いつもよく見るお顔はチラホラで、おばちゃん層が多くて圧倒されました。この日は前売り完売の大入り。繁昌亭が始めてと云うお客さんも多かったようです。


 まずは“石段”で登場したあやめがごあいさつ。「軽業」は入門して 2 番目に覚えたネタで、兄弟子の桂文太に付けてもらったそう。高座で真っ白になって林家染丸に 2 度も助けてもらった思い出から本編へ。
 野辺からの道中は軽めに、見世物小屋はオーソドックスに「一間の大イタチ」「天竺の白いクシャク」「取ったり見たり」。清八のツッコミにあやめらしさが。軽業小屋での口上にヒヤリとさせられるも、太夫が綱を渡り始めるやグイグイと。終始にぎやかな前座。

 つづいて、あやめセレクトの《日替わりイケメン 5 人衆》から南青。7 月に続き読みする『太平記』より、楠木正成が八尾別当顕幸を味方に引き入れようと云う話。心地良い口跡に南青らしいクスグリをあちこちに配し、たのしく聴かせる。

 あやめの 2 席目は、イケメン 5 人衆の話から噺家のコンパの実態をマクラに、自作の「コンパ大作戦」。30 代女性 3 人組がコンパへ挑む必死さをテンション高く。ジェネレーション・ギャップが出る話題に神経質になり、「疱瘡ほうその跡じゃー!」と絶叫。

 小米朝は桂米朝ネタで空気を変えつつ、京都での御茶屋遊びの実体験をマクラに「立ち切れ線香」へ。噺のパーツがバラバラで全体の流れが悪く、しかもクサすぎる場面が目立つ。それでも、蔵住まいを終えた若旦那と御茶屋の女将とのやり取りはなかなかの雰囲気。

 中入りを挟んで、あやめの 3 席目「立ち切れ・小糸編」は「立ち切れ線香」の外伝。蔵住まいを終えて天満の天神さんを参詣すると出掛けた若旦那とはぐれた定吉。若旦那を捜しに宗右衛門町へおもむき、そこで小糸の恋敵の雛菊と出会う。定吉は小糸のことを雛菊から聞くことに。‥‥
 若旦那が蔵へ放り込まれるその日、小糸をめぐる恋の行方を奥行き深く。若旦那への想いを胸に小糸があの世へ。黒地に白の菖蒲柄の振り袖で出てきたあやめは、あの世で白無垢に扮した小糸に合わせて早替わり。
 あの世では「地獄八景亡者戯」の六道の辻を思わせるくだりがあったり、稽古屋で習っていた地唄が、小糸の“雪”に対して、雛菊は江戸版の「立ち切れ線香」で使われる“黒髪”だったり、ちょっとしたエピソードで噺が立体的に。とにかくストーリーが秀逸で、しっかりとした擬古典として成立。サゲも上手い。


 初日はとにかく「立ち切れ・小糸編」の印象が圧倒的でした。「立ち切れ線香」を知ってることが前提になる噺だけに単体で演れないそうですが、埋もれさせとくにはもったいない噺だと思います。

 通し券はおみやげ付きで、記念ロゴの入ったトート・バッグをいただきました。

上方落語協会茶道部

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桂こごろう+落語展

2007/6/3 @ギャラリー パライソ

  • 桂 こごろう 「子ほめ」

※ 6 日目
※ さかいひろこ works プロデュース Vol. 9


 落語展最終日。日曜の午後のアメリカ村は若い人たちであふれてます。この日もいっぱい 25 人くらいの入り。


 マクラで、こごろうが南光(当時はべかこ)に入門したときの失敗談をたっぷり。「そんなバカラ」リプライズ。
 あほの小咄から、入門して最初に付けてもらった「子ほめ」を。演りようによってはクスグリてんこ盛りにできる噺だが、そこは 8 分目に抑えた印象でテンポ良く。あほのにぎやかさがたのしく、奥の手の所作が秀逸。ホントに脇の下から手が出てきたよう。
 最後にプロデューサーのさかいひろこ氏を呼び出して締めの挨拶。


 6 日間のうちの 2 日だけ観ましたが、手作り感満点の会で、価格も内容もビギナーの入門には最適だったと思います。
 ただ、こごろうさんの高座に不満はなかったんですが、やっぱり 1 品だけだとちょっと頼りないと云うか、物足りないような気がしました。次回の『出没!ラクゴリラ』のチラシを挟むなど、次への誘導も必要だったんではないかと思います。

さかいひろこ works
ギャラリー パライソ

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桂こごろう+落語展

2007/6/1 @ギャラリー パライソ

  • 桂 こごろう 「替り目」

※ 4 日目
※ さかいひろこ works プロデュース Vol. 9


 東京から夜行高速バスで帰宅し、風呂に入って出勤。妙にハイなテンションで終日過ごし、心斎橋へ。こごろうさんがギャラリーで 6 日連続 1 席だけの落語会。料金は 500 円とリーズナブル。
 こぢんまりしたギャラリーで、25 人でほぼ満員。予約でほぼ埋まってたようです。観客はマニアとビギナーが半々と云った感じ。女性率が高かったです。


 ウキウキした雰囲気をたたえて登場したこごろう。酒飲みの小咄から「替り目」へ。酔っ払いの亭主にスポットを当て続けた演出で、俥屋とのやり取りをカットし、おでんを買いに行った嫁も帰ってこない。亭主は酔った勢いでわがまま放題だが、細かいところに気が回ってたり、かわいらしいところが垣間見られたり。喜怒哀楽があっちこっちから飛び出してくる感じがたのしい。
 こごろうの「替り目」は初めてだったが、《愛すべき酔っ払い》度が高くて好印象。芯を残した削ぎ落としと、残した芯の膨らませ方が絶妙。こごろうらしいやわらかさが、たのしさをよりいっそう際立たせている。


 たっぷり感のある 1 席でしたが、それでも 40 分ほどだとやや食い足りなさも。たのしい噺を丁寧に演られてたんで、ビギナー向けの入門コースとしては適してたんじゃないかと思います。

さかいひろこ works
ギャラリー パライソ

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