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笑福亭福笑独演会

2007/6/8 @ウェルシティ大阪(大阪厚生年金会館)大ホール

  • 笑福亭 たま 「兵庫船」
  • 笑福亭 福笑 「狼の挽歌」 (作:笑福亭福笑)
  • 桂 勢朝 「ハイウェイ歌合戦」 (作:小佐田定雄)
  • 笑福亭 福笑 「江戸荒物」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 福笑 「絶体絶命」 (作:笑福亭福笑)

※ Vol. 22


 チラシにも、パンフレットにも、大きく「絶体絶命」の文字。このネタに対する福笑さんの思い入れのほどがうかがえます。字の大きさと言葉の意味から受けるインパクトは絶大。ネタを知らない人はどんな印象を受けたんでしょう。
 会場が芸術ホールから大ホールへ移動し、全席指定に。諸般の事情でチケットを取ったのが遅れて上手寄りの席でしたが、まずまず。入りが心配でしたが、後方両角に空席はあるも、1 階席は 7~8 割の入り。2 階席にもお客さんは入ってました。(3 階席は未使用)
 入場時にパンフレットとともに、おみやげ(?)の携帯トイレをいただきました。「絶体絶命」を知ってる人はここでニンマリ、知らない人は終わってからニンマリ。


 緞帳が上がって開口一番のたまが登場するも、ち、小さい。否、遠い。高座から最前列まででも 4~5 m あり、自分の席は 7 列目くらいだったが、それでも遠い。
 たまの「兵庫船」は何度も観てるが、時間を意識してかクスグリを端折りながら、それでもポイントできっちり笑わせる構成に。謎かけの場面で喜六の「やりますー!」がたのしい。

 福笑に挟まれた勢朝はいつものハイテンション。「ハイウェイ歌合戦」は福笑からの指定だそう。商店街の慰安バス旅行に勢朝が添乗し‥‥って噺。バスのなかで歌合戦が始まれば、気持ち良さそうにええ声を発揮。

 福笑は全席指定になったことや値上げしたことを詫びつつ笑わせつつ、何年後かにはこの大ホールを満杯にすると誓う。もちろん会場からは大きな拍手。
 1 席目は自作の「狼の挽歌」。抗争現場から飛び出してきたヤクザにタクシーを占拠された運転手の噺。警察に包囲された頃には逃走犯と人質と云う立場が逆転し、タクシー運転手が唐突にピストルを乱射。ここらの不意打ちが福笑らしい。
 2 席目は古典で「江戸荒物」。荒物屋の「おい、あンま!」「なんだい、おまえさん!」の繰り返しが笑いを誘う。筋立ては基本に忠実だが、登場人物に対する性格付け、そして噺運びの呼吸が福笑ならでは。
 中入りを挟んでの 3 席目は、とうとう「絶体絶命」。突然便意をもよおした女性がガソリン・スタンドに飛び込んでくる噺。前半はスタンド店員のあり得ないすかしっぷりにヤキモキさせられ、後半は裏のフキ畑で用を足す女性が星空を見上げながら“月の砂漠”を歌う場面が最高潮。用を足す凄まじく激しい擬音のなかに「ドスーン!バターン!」ってのまで入ってるのには平伏。


 福笑ワールド全開。新作はもちろん、古典の転がし方も福笑さんらしさ満点で、あいかわらずおもしろい 3 席でした。
 ただ、大ホールは天井が高く、音声が響いて上へ抜けていくようで、客席に届きにくいように思いました。とくに福笑さんは勢朝さんやたまさんに比べて声量がありませんから、観客も噺を聴き取ろうとその都度笑いが途切れてしまって笑いが連鎖しない感じもありました。初めての会場ですから、ここらの音響の設定は難しかったかもしれません。
 
 

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コメント

仰るとおり聴き取り難い時があり「聞き逃すまい!」という姿勢になってしまいましたですね・・・次回、お客様が更に爆発暴発しやすいように改善もなされるであろうなぁと願いつつ、ですね^^
TB張らせていただきました

投稿: お手伝い | 2007.06.12 01:06

>> お手伝い さん
天井吊りのスピーカーは、おそらく 2・3 階席用に設置されてるんだと思うんですよね。
コンサートだとステージ脇にスピーカーを立てますが、1 階席用に同様の対応が必要だと感じました。
オペレーターは福笑さんのときにマイク・レベルを上げたり、対処はされてたと思います。
(福笑さんのときだけ高座台のギシギシ鳴る音を拾ってましたから)

投稿: わさび | 2007.06.12 01:38

「月の砂漠」には私も壊れました~。(^^)

とても大きな会場で、最初は遠くに思えて寂しかったのですが、音響の調整と福笑師匠をはじめ演者の方々の力でいつの間にか距離を忘れて没頭していました。
次回はさらにさらにスケールアップされるんでしょうね。
楽しみです!

投稿: は~と | 2007.06.14 23:01

>> は~と さん
福笑さんの大会場への挑戦は、もちろん 1 年の生活費を稼ぎ出すことももちろんでしょうけど、落語表現の壁・限界をブチ壊そうと云う思いがあるのかもしれませんね。
次回はどうなるのか、注目ですね。

投稿: わさび | 2007.06.15 00:14

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受信: 2007.06.12 01:04

» 笑福亭福笑 独演会vol.22「絶体絶命」 [まどろむパイドロス]
まず、入場時に全員にお土産が配られました。 それがなんと「携帯トイレ」! 一体何が起こるのでしょうか?大体想像はつきますが…。(笑) 最初は福笑さんのただ一人のお弟子さん、笑福亭たまさん。 海老茶色の着物に字が書いてある着物でした。(繁昌亭の一門会と同 じ着物?) 今回の独演会の一部がラジオ大阪で放送されますとのお知らせ。 これ以上はたまさんの命に係わるかもしれないのでここでは言えませ ん。(笑) 演目は「兵庫船」。 このネタは以前別の方で聞いたことがありましたが、それを実にたま さんらしく陽気に... [続きを読む]

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