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出没!ラクゴリラ

2007/6/19 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 桂 佐ん吉 「始末の極意」
  • 林家 花丸 「無いもん買い」
  • 桂 こごろう 「素人浄瑠璃」
    ―― 中入り ――
  • 桂 つく枝 「七度狐」
  • 笑福亭 生喬 「佐々木裁き」

※ 第 68 回


 前回は LORDI のライヴとバッティングして行けなかった『ラクゴリラ』。梅雨らしい雲行きながらほとんど降らず、中途半端な天気でしたが、これでもこごろうさんの会がある日にしては良い方!?!?
 ちゃんと数えてませんが、ザッと 70 人くらいの入り。畳の方はわりとゆったりでした。


 開口一番の佐ん吉は定番のケチの小咄から「始末の極意」へ。トントントンと進むも、途中で噺が戻ってしまい、崩れそうに。ヒヤヒヤさせられるも、なんとか持ち直して最後まで。まずまず。

 つづいて花丸は、『花ちゃんの会』でネタ下ろししたとき「もう演ることはないでしょう」と云っていた「無いもん買い」。
 「おい、なにしてんねんな、ビリー」「Oh, Hiroshi-san」「なにしてんねや、こんな天六(天神橋 6 丁目)の交差点で」「I am standing」「立ってなにしてんねん?」「I am standing and... standing」「立って立ってんのかいな」‥‥ってな具合に、最初っから花丸節炸裂で絶好調。
 妙に大阪事情に造詣の深いビリーが変な大阪弁を駆使し、ヒロシと漫才ノリで天神橋筋商店街を南下しながら無いもん買いをする。どこの店に入っても「よそと同じことやってたらあきまへんねん」と応対され、なんでも出てくる。寿司屋ではクジラの活け造りにハリセンボンの活け造り、銃砲店では鰻重ならぬウナ銃。繁昌亭は札止めで、小山事務局長への直談判で花丸を呼び出しておちょくる。ビリーはどの店でもなんか掴んで出てくるが、繁昌亭では赤い人力車を牽いて逃走。
 ちょいちょい間違ってるような気もしたが、ビリーの変な大阪弁のおかげで、どこまでが繰ってきたネタで、どっからが間違いをアドリブでフォローしてるのか、その境界線がわからん状態になり、それがまた笑いになったり。落語マニア向けの小ネタ満載で、全編クスグリのてんこ盛り。変化球と云うより反則カウント 4 の波状攻撃で爆笑の渦に。
 最後は「キョウハ、イロンナモノヲ買ウタワ」「なんにも買うてないやないか」「ソコラジュウデ、ヒンシュクヲ買ウタワ」でサゲ。満腹。

 こごろうは「私は普通の落語でございます」と客に断ってから、袖に向かって「アト演リニクイワ!」。ホンマに演りにくそう。
 「素人浄瑠璃」は『こごろうの会』でのネタ下ろしも観たが、格段に板に付いた感じ。クスグリも増え、旦那と手代の久七とのやり取りで徐々にハイ・テンションに。断りの連続に涙ぐみ、すねてしまってそっぽを向き、ベンチャラ云われてニヤケる、クルクル変わる旦那の表情がたのしい。

 中入りを挟んで、観客は平静を取り戻すも、つく枝はいまだ花丸インパクトから立ち直れずと云った様子。
 つく枝版「七度狐」は「野辺」~「煮売屋」の短縮版を前に付けて、食いしん坊の喜六にイライラする清八の構図。イカの木の芽和えをむさぼり食い、べちょたれ雑炊のおかわりを要求し、油と間違えて差した醤油が濃口だと告げる喜六。サゲは、掴んだ狐の尾が抜けたと思ったら大根だった、の型で。

 前の 3 人が熱演で、トリの生喬が高座に上がったのが 8 時 45 分くらい。江戸時代の賄賂事情を簡単に紹介して、すぐさま「佐々木裁き」へ。
 以前から「子どもとは云え、武士を棒で追い立てるのは不自然」と筋立てをひねっていたがどうもしっくりせず、『らくご道』の対談でこごろうから「追わなんだらええんとちゃうん?」と指摘されて目から鱗。それに沿った改訂版。スッキリ整理された噺をきっちりと。


 この日はなんと云っても花丸さんに決まり! いやぁ~、もうねぇ、花丸派としてはなんとも壮快な会でした。
 「無いもん買い@天神橋筋商店街」は、噺が進化したと云うより突然変異したと云った印象で、山盛りのクスグリを勢いで演りきった感もありますが、そのセンスに脱帽。ローカル色が強くて客を選ぶ改作ではありますが、マニアは一見の価値ありの怪作ですよ。また福笑さんあたりに影響を与えそうな気がします。

 次回は 8 月 10 日(金)の予定です。
 その次の 10 月は 70 回記念の企画も考えるそうで、そちらもたのしみです。

出没!ラクゴリラ

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コメント

いや~、見たかったです!惜しいことをしました。

>「無いもん買い@天神橋筋商店街」は、
一見の価値ありというのが良く伝わってきます。

>また福笑さんあたりに影響を与えそうな
そうでしょうねえ。
福笑師がやるとこれまたエゲツナクなりそうで。

投稿: 高岳堂 | 2007.06.20 17:22

>> 高岳堂 さん
こう云う衝撃に出くわすのがライヴの醍醐味ですね。
とくに『ラクゴリラ』は 4 人がそれぞれ暖めてきたネタを掛けますから、毎回中身が濃いと思います。
もはや「無いもん買い」ではない、と云う意見もありますが、エッセンスは残ってますし、普通に演ってもおもしろくない噺ならこれぐらい大胆な改作の方が歓迎です。
ただ、普遍性はないんで後世に残るようなもんではないと思いますが、落語改作のアプローチ手法を拡げたと云う効果はあったでしょう。
機会があればぜひ一度ご賞味ください。

投稿: わさび | 2007.06.20 18:54

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