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SF 寄席 醉魚亭

2007/8/31 @パシフィコ横浜 会議センター 502

【Nippon 2007 - the first Worldcon in Japan】

  • 夢枕 獏 《ごあいさつ》
  • 神田 山陽 「鼠小僧外伝 サンタクロースとの出会い」 (作:神田山陽)
  • 林家 彦いち 「熱血怪談部」 (作:林家彦いち)
  • 《座談会》


 南湖さんの紙芝居の 2 回目の中入りに、同所で作家の夢枕獏先生をホストに据えた寄席がありました。そのまま居続けての鑑賞。
 200 人くらいは入れるホールがそこそこ埋まってました。ホスト目当てか、出演者目当てか、どっちなんでしょうね。
 商業イヴェントではないんで、進行がええ加減です。会場は 14:00 から割り当てられてましたが、スタートしたのは 14:15 頃でした。


 まずはホストの夢枕獏が着物姿で登場し、ごあいさつ。番組案内と出演者紹介をごく簡単に。SF 好きの彦いちと、SF に疎い山陽で、ややホームとアウェーの様相。

 設営のつなぎに山陽の公開袴履き。あらためて高座に上がり、講談解説と修羅場読みのサンプルをマクラに、自作の「鼠小僧外伝 サンタクロースとの出会い」を。
 江戸の町で鼠小僧がサンタクロースに出会い、その仕事を手伝う話。『五日のあやめ』で演ったときは端折られていた、サンタクロースに思いをぶつける鼠小僧のセリフがグッとくる。荒唐無稽な展開に泣かせる一場面をはめ込む構成の妙と、修羅場読みの心地良さ。

 つづいて猿蟹合戦の臼にそっくりな彦いち。初めてだが、噂どおりいかつい容貌。学校公演の話をマクラに、学校が舞台の「熱血怪談部」へ。
 怪談噺サークルの顧問に体育会系の流石ながれいし先生が就任する噺。幽霊や妖怪が出てきてもものともしない流石先生が説教と駄洒落を連発。彦いちの風貌が体育会系の先生にピッタリ。「化け物使い」のような展開だが、サゲにもうひと工夫ほしい気も。

 会場に来られていたイラストレーターの天野喜孝と寺田克也を、夢枕が舞台に招き入れて紹介。寺田はそのまま残り、夢枕、彦いち、山陽と 4 人で座談会。
 夢枕一行がシルクロードを旅したときの写真をスクリーンに映しながらうだうだ。山陽はこの旅行に参加してないため傍観状態で、解説役の彦いちがほとんどしゃべり、ときどき夢枕と寺田がコメントすると云う感じ。スクリーンに三遊亭白鳥が映るたびに笑いは起きるが、事前の打ち合わせがほとんどなされてないようで、中途半端な失敗企画。


 2 時間枠の前後に設営時間が必要で、正味 1 時間半くらい。最後の座談会はテーマ・トークにすれば山陽も参加できたでしょうし、もうちょっと企画をしっかりしてくれ、と思いました。
 ただ彦いちさんと山陽さんの高座は良かったです。とくに山陽さんの「鼠小僧外伝」には感動すらおぼえました。講談は落語よりも認知度は低いでしょうが、もっと関西で口演してもらいたいです。

Nippon 2007
蓬莱宮

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SF 寄席 2007 原子怪物ガニラ

2007/8/31 @パシフィコ横浜 会議センター 502

【Nippon 2007 - the first Worldcon in Japan】

  • 旭堂 南湖 《南京玉すだれ》
  • 旭堂 南湖 《紙芝居》 「原子怪物ガニラ」 (1)~(10)
    ―― 中入り ――
  • 旭堂 南湖 《紙芝居》 「原子怪物ガニラ」 (11)~(19)
    ―― 中入り ――
  • 旭堂 南湖 《南京玉すだれ》
  • 旭堂 南湖 《紙芝居》 「原子怪物ガニラ」 (20)~(28)


 『世界 SF 大会』(通称『ワールドコン』)が日本で開催され、そこで南湖さんが紙芝居『原始怪物ガニラ』を一挙公開する‥‥と云うことで、行ってまいりました。

 南湖さんの公演が 11 時からで、余裕の 10 時前に到着。が、受付が長蛇の列であせりました。しかも、なぜか南湖さんが列の後方に。ちょっと心配してると、関係者窓口で先に受付を済まされました。そらそうやわな。
 で、こっちは列がなかなか進まん。イライラしながらなんとか受付を済ませてダッシュで会場へ。ギリギリ開演に間に合いました。


 まずは第 1 部。南湖さんと作家の芦辺拓先生が登場。‥‥するも、なんと宅配便で送った紙芝居が行方不明。いきなりのトラブル発生に、とりあえず南湖さんが南京玉すだれで時間をつなぎ、その間に芦辺先生が奔走。その後、なんとか見つかって紙芝居開始。全 28 話を 10 話、9 話、9 話に分けての上演。
 カニ漁船の山内船長と、その息子の真一少年が主人公。北海で漁をする第一北洋丸と第二北洋丸。その目前の氷山からあらわれたのが原子怪物ガニラ!
 各話の合間に飴や煎餅を売る代わりに、特製手拭いを販売。
 ガニラは第二北洋丸を粉砕し、逃げる第一北洋丸を追いかける。真一たちは第一北洋丸の船体に火を放って北海へ飛び込む。そこへ救援のヘリコプターが。‥‥と云うところで第 1 部終了。

 ここで 1 時間の中入り。

 第 2 部は外国人のお客さんも来られ、通訳をまじえてのんびりと。「あのカニ、まっすぐ歩いてるぞ」「あれ、酔っ払ってんねん」と云うジャパニーズ・ジョークも通じてました。
 ガニラに追いかけられつつ、ヘリコプターは無人島へ。山内船長、真一少年、北洋丸の乗組員の権さん、ヘリコプターの操縦士 2 名の計 5 名は、岩山の洞穴へ逃げ込む。火でガニラを追い払おうと、操縦士のひとりがヘリコプターまでガソリンを取りに戻る。ところがガニラに捕まり、まっぷたつに! 子ども向け紙芝居なのに凄惨な場面。
 もうひとりの操縦士が別の抜け穴を発見し、真一少年がそこからヘリコプターへ向かう。‥‥と云うところで第 2 部終了。

 ここで 2 時間の中入り。

 開演までに少し時間があったんで、南湖さんが南京玉すだれのサービス。第 3 部にも外国人のお客さんが数名。
 なんとかガソリンを持ってきた真一少年。炎でガニラを威嚇し、海岸のヘリコプターまで逃げる。しかし、満ち潮に浸かってしまったヘリコプターは飛ぶことができない。(もともと壊れてたはずだが‥‥)
 海岸まで迫ってきたガニラ。そして‥‥大団円。完。


 同じパターンの繰り返しながら、トントントンとテンポ良く展開し、たっぷり最後までたのしませていただきました。この紙芝居の作者の佐久良五郎は、実は手塚治虫と『新宝島』を合作した酒井七馬だそう。懐かしい感じのタッチです。
 各回 50 人前後は観覧されてたと思います。南湖さんの語りも心地良く、お客さんの協力で各話の合間に手拭いも順調に売れ、良い雰囲気の会になりました。

Nippon 2007
正直南湖

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大須演芸場 葉月下席

2007/8/30 @大須演芸場

  • なごやのバタやん 《そっくりショー》
  • 立川 平林 「風呂敷」
  • ひと:みちゃん 《艶歌シャンソニエ》
  • 雷門 獅篭 「初天神」
  • 柳家 三亀司 《曲独楽》
  • 柳家小三亀松・日比純子 《粋曲》


 たまたま、たまたま近くを通ったもんですから、時間をやり繰り算段して初めて大須演芸場へ。劇場の前に車が停まってるのにびっくり。中へ入ると雰囲気は良いんですが、猫と小便のニオイが渾然一体となってほのかに漂ってます。
 入りの悪さは覚悟してましたが、開演の頃にはつ離れ。芸人さん曰く、「平日にしては入ってる」そうで。親子連れが来たのにはびっくり。お母さん、こんなところに子どもを連れてきたらいけませんよ。


 トップは「オーッス!」と登場したなごやのバタやん。田端義夫公認のそっくりさんだそうだが、田端義夫を知らんから似てるかどうかわからん。(あとで写真見たら、なるほどなかなか似てる!) 伊達ギターをつま弾きながら田端義夫の歌をカラオケで歌うも、似てるかどうかわからん。曲の合間にダジャレをはさんだり、全体に漂うとほほ感がなんとも云えない。ほのぼの。

 平林ひらりんは初見。客席の子どもにとまどいつつ、男女の小咄をマクラに「風呂敷」へ。きっちり丁寧ながら、やや棒読み調。談志風なクスグリは立川流ならではか。

 つづいて『暴れん坊将軍』のテーマ曲にのってひと:みちゃん(正確には「み」にウムラウト記号)の登場。着物ベースのド派手な衣装で、アンニュイな雰囲気のトークをはさみつつ、自作の歌をいろいろ。いきなり指人形劇になったり、自由奔放。

 獅篭の出囃子は沢田研二の“酒場で DABADA”。ジュリー好きの私はちょっとうれしい。漫画家の技術を活かしてマクラ代わりに似顔絵を。さすがに上手い!
 子ども向けに昔話の小咄をいくつか演ってから、「初天神」の設定を夏祭りに変えて。子どもが無邪気な半面、なんとも憎たらしい。

 洋装で登場した三亀司は理屈っぽいボヤキ・トーク。漫談かと思いきや曲独楽。最後の独楽の羽織渡りは成功すればかなりカッコ良い芸だけに、失敗の連続でチと気の毒。

 トリは小三亀松と純子。小三亀松が三味線を弾きながら都々逸やら粋なところをいろいろ。最後は純子が、なぜか美空ひばりの“哀愁波止場”を歌って終了。


 12 時からの 1 回目を観ましたが、ゆるぅ~い雰囲気の 2 時間でした。外の番組表にはあった中入りもなく、1 回目終了後もそのまま 2 回目に突入。時間の関係で 1 回目終了時に退場しました。
 落語を期待して行くとキツいですが、寄席演芸が好きなら一度は観ておいて損はないんじゃないでしょうか。いつ潰れてもおかしくない状態とも聞きましたんで、気になる方はお早めに。お出かけの前には 雷門幸福さんのサイト番組案内割引券 をチェックしましょう。

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大須演芸場

大須演芸場

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本陣落語会

2007/8/29 @本陣フォレスト事務所

  • 桂 三若 「ひとり静」 (作:桂三若)
  • 桂 三若 「崇徳院」

※ 桂三若全国落語武者修行ツアー 2007 第 169 回 落語会


 吉朝さんつながりの H さんが席亭となって、バイク行脚中の三若さんの会を開かれるとの情報をゲット。たまたま、たまたま近く(?)に行ってたもんですから、ちょっと寄せてもらいました。
 会場は岐阜県恵那市、JR「恵那」駅から 10 分ほど歩いたところ。雰囲気たっぷりの中山道に隣接するかなりデカいお屋敷は 本陣 だったそうです。歴史街道。
 広い事務所に約 40 人のお客さん。近所の方がほとんどですが、なかには会を手伝いに奈良から来られたお知り合いの方も。そのパワーに頭が下がります。


 席亭の挨拶のあと、おもむろに三若登場。「寝起きの東幹久、桂三若です」から矢継ぎ早にマクラたっぷり数珠つなぎ。これがまたおもろいから客も笑いまくり。
 1 席目は席亭のリクエストで自作の「ひとり静」。東京から大阪に転勤してきた同僚を飲みに誘った大阪男の実況中継。東京好きを公言しつつ、徐々にツッコミを強要。大阪的あるあるネタが多いだけに最初は理解しづらいネタもあったようだが、噺が進むにつれて徐々に盛り上がる。
 2 席目は「崇徳院」。とにかく出入りの熊五郎の勢いがスゴい。逆に若旦那は、これやったら恋わずらいで寝込むやろな、と納得させられる女々しさ。熊五郎の女房が旦那に輪を掛けた恐さ。後半の熊五郎の困惑と疲労の様子は研究の余地ありだが、サゲまで三若らしい勢いで。


 約 1 時間、三若落語をたっぷりって感じでした。ひさしぶりに三若さんを堪能しました。これで木戸銭 500 円ですから、近所のお客さんは超お得な娯楽だったと思います。
 終演後は三若さんを囲んでビールで乾杯。お手製のおむすびやなんかもご用意いただき、にわか席亭に巻き込まれた奥さんはさぞ大変だったことでしょう。なにからなにまでありがとうございました。これに懲りずに、また落語会を開催していただきたいです。
 会の様子は 三若さんの日記 もあわせてどうぞ。

桂三若探偵団通信
桂三若 旅日記

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こごろうの会

2007/8/27 @太融寺本坊

  • 桂 雀太 「道具屋」
  • 桂 こごろう 「普請ほめ」
  • 桂 米平 「はてなの茶碗」
    ―― 中入り ――
  • 桂 こごろう 「口入屋」

※ 第 12 回


 お初天神から太融寺へ会場を移した 2 回目。私は初めてです。案内ハガキを出し忘れてたそうで、会場を 3 分の 1 に仕切ってましたが、用意した椅子がきっちり埋まるくらい、ザッと 60 人の入りでした。


 開口一番の雀太は、マクラから一言一句かみしめるように、丁寧すぎるくらい丁寧に。諸注意からスッと「道具屋」へ。
 掛け軸の絵を見ての「おっさん、鯉ちゅうのは滝登りまんの?」に「えら登りやがな」との返しもおもしろいが「エラで登りまんの?」でダメ押し。(これは雀太の工夫?) 道中で金魚すくいをひやかす枝雀の型で、よその子どもがすくってるのを真剣に指導する様子がたのしい。

 ゲストの米平は軽めのマクラから「はてなの茶碗」へ。クセの少ないサラリとした口跡で、教科書どおりのきっちりした高座。

 こごろうの 1 席目は、マクラにウォーキングを始めた話をたっぷりと。体重計が教えてくれる身体年齢が 33 歳まで若返ったってことで、若い頃によく演ってたと云う「普請ほめ」を。(こごろうは「牛ほめ」と紹介していたが、牛をほめるくだりはなし)
 とにかくお調子者(喜六的男)がこごろうのニンに合っててたのしい。普請をほめに行った池田の家で、懐の書き物を見ながら玄関、床の間、庭先とほめてまわり、台所へまわって節穴を指摘するべきところで、あわてて先に読んだ床の間のほめ言葉の部分を読んでしまう。お調子者のうっかり具合が強調されてて、なんともおかしい。
 中入りをはさんでの 2 席目は、先の「普請ほめ」の解題から。読み間違いのクスグリは以前からあたためてたそうで、実際に演ってみて手応えは良かったよう。
 「口入屋」はネタ下ろし。こちらも全体に愉快な雰囲気に満ちている。オープニングの口入屋の風景(と云うか、口入屋の主人の独白)や、一番番頭がすまして「番頭でおます」と繰り返し練習する様子など、前半にも笑い多し。御寮人さんが新しい女衆にいろいろ訪ねる場面では、女衆が「落語も少々かじりまして、『子ほめ』『兵庫船』『煮売屋』『阿弥陀池』、『時うどん』『牛ほめ』『ちりとてちん』『動物園』、『東の旅』に『西の旅』、『月宮殿星都』に『地獄八景亡者戯』」と羅列すると、御寮人さんは「大ネタやないかいな」。ここらは大爆笑。後半もハイ・テンションの一番番頭を中心にワチャワチャにぎやか。


 自身の勉強会と云うことで、やはりこごろうさんの力の入れようが違いますね。クスグリの工夫もさることながら、ネタ下ろしの「口入屋」もええ仕上がりでしたし、こごろうさんらしさが山盛りでした。

 次回は 11 月上旬の予定です。仕切りを 3 分の 2 に拡大して開催したいとのことですから、こごろうさんのがんばりに期待!ですね。

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淨照寺寄席

2007/8/26 @淨照寺

  • 笑福亭 智之介 「道具屋」
  • 笑福亭 仁智 「三人旅」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭 智之介 《南京玉すだれ》
  • 笑福亭 仁智 「スタディーベースボール」 (作:笑福亭仁智)

※ 第 4 回


 近所(と云っても、電車で約 30 分)のお寺で落語会、しかもタダ!ってことで、喜び勇んで行って参りました。
 開演 40 分ほど前に着くと、お世話されてるようなおじいさん・おばあさんが数名。靴袋と冷えた PET ボトルのお茶をもらって入場。タダなのにお茶までいただけるなんて、至れり尽くせり。
 年に 1 回、8 月の最終日曜日に開催してるそうです。100 人以上入りそうな本堂に、8 割以上のお客さん。近所のおばあさんがほとんどって感じです。


 開口一番は智之介。軽くマクラを振って「道具屋」を、きっちり仕込んできっちりバラす。もちろん「珍なる物」が入る笑福亭の型で、丁寧に、軽妙に。

 仁智はマクラから爆笑の連続。モンゴルや中国へ行ったときの話から、旅行にまつわるありもんのネタまで、なんでもよく笑う。プロペラ飛行機の形態模写がなんともおもしろ過ぎで大爆笑。これは一見の価値あり。
 マクラから旅つながりで「三人旅」。口汚い田舎の馬方が仁智にぴったり。トントントンとテンポ良く。

 中入りをはさんで、智之介の南京玉すだれ。突然ハイ・テンションになったりして、ニンとのギャップがおかしみに。ベタなネタを入れたり、オチを付けたり、構成に工夫も。

 トリの仁智は世界陸上から野球の話へとマクラをつなぎ、スポーツ番組のテーマ曲を局毎に歌いながら、各局アナウンサーの特徴を紹介。そこから自作の「スタディーベースボール」へ。
 勉強しない野球選手が増え過ぎたため、ヒットを打って塁へ出ると塁審からクイズが出題され、答えられないとアウトになると云うルールに改正された‥‥ってな噺。クイズに間違えつづけると云うわかりやすいボケの連続。野球好きなだけに、立て板に水の実況が心地良い。


 『仁智・智之介 親子会』の趣で、仁智さんは古典と新作でそれぞれたのしませてくれましたし、満足度の高い会でした。しかも奉納落語会の招待券までゲットできて、これでタダなんですからありがたいことです。
 終演後、智之介さんが登場し、サイン色紙(9 枚)と彦八まつり奉納落語会の招待券(5 枚)をめぐってのジャンケン大会。なんと執念で招待券をゲット! ラッキー!

淨照寺

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できちゃったらくご!

2007/8/25 @天満天神繁昌亭

  • 《オープニング》
  • 月亭 遊方 (救急病院の噺)
  • 桂 三風 (一流芸能人の噺)
  • 桂 三金 (相撲部屋の噺)
  • 桂 あやめ (串カツ屋の噺)
  • 《エンディング》

※ 第 37 回
※ とくに記載のない場合は自作ネタ


 『天神寄席』のあと、しばし時間を潰して再度繁昌亭へ。入りは 1 階席が 6 割ほど埋まった感じ。レイト・ショーなんで、こんなもんでしょう。


 まずはたまと南湖が、できちゃったメンバーでの合宿用にあやめが作った似顔絵イラスト入りの青いユニフォーム(T シャツに短パン)で登場。この日に出番のないふたりが軽くおしゃべり。
 残りのメンバーが登場し、テンションの高いジャンケンで順番決め。

 トップは遊方。方向音痴の郵便配達員の噺を作ろうとするも、笑福亭仁智の知り合いにそんな人がいると云うことで、その方に取材してからあらためて作ることにしたとか。
 遊方が月亭八方に入門するまでのエピソードをマクラに、母親とのエピソードを落語化した、笑福亭鶴瓶の《私落語》のような噺。実家に呼び出されたときに頭を怪我し、流血する頭を押さえたまま自分で車を運転して救急病院へ。状況を考えない母親の言動がおもしろい。

 たま&南湖がふたりでお茶子(舞台番)。出てきた三風も不思議そう。
 島根での観客 1 人の落語会での話をマクラに、祭りの余興で山里を訪れた噺家の桂風太郎の噺。軽トラの荷台に乗せられたり、食事に入った店で酔っ払いに「一流芸能人」を連発されたり、気分を害す。名前こそ変えてたが、こちらもなにやら経験談のよう。

 三金はマクラで暑苦しいデブネタから、涼しく怪談を。ゆるい笑いに。
 ネタは相撲部屋の噺。「ビリーズ・ブート・キャンプ」でダイエットする力士たちに困った相撲部屋の親方が、「デーブズ・ブータ・キャンプ」を作って太らせようと画策する。音響トラブルに困惑しつつも、立ち上がって動きながらの熱演。最後は「金星ぃーーー!」。

 トリのあやめは彦八まつり情報をマクラに、ミートホープの話題から「噂はどこまでが真実か?」と云う流れでネタへ。
 とある老舗の串カツ屋で赤犬の肉が使われていると云う噂が流れているが、実は‥‥ってな噺。フィクションとノンフィクションの狭間でギリギリのネタ。出来たてで整理しきれずやや冗長ながら、しっかりしたストーリーがあってなかなか。

 最後に全員がユニフォームで集合してエンディング。次回の『育っちゃったらくご!』の招待券プレゼント抽選会では当選者をイジり倒し。メンバーが出演する会の告知をして終演。


 みんなネタは短めとのことだったんですが、トータルではちょい長めの 2 時間弱で、終演は 23 時前に。適度なゆるさでたのしめました。

 次回は『育っちゃったらくご!』で 9 月 26 日(水)です。

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天神寄席

2007/8/25 @天満天神繁昌亭

  • 桂 佐ん吉 「いらち俥」
  • 林家 花丸 「阿弥陀池」
  • 立花家 千橘 『真景累ヶ淵』より「宗悦殺し」
    ―― 中入り ――
  • 土居年樹(天神橋筋商店連合会理事長)・花丸 《対談》
  • 笑福亭 仁智 「源太と兄貴」 (作:笑福亭仁智)

※ 第 11 回


 繁昌亭に到着すると、奥の天満宮で盆踊りをしてました。開場後、席を確保したところで某 Y さんに連れられて天満宮へ。ちょうど文福さんの河内音頭でした。繁昌亭のあれこれを音頭にのせて、なかなかたのしいもんですね。お弟子さんのまめださんが太鼓を打ち、ぽんぽ娘さんが合いの手を入れてました。
 この日は 1 階がええ感じで埋まったかなって感じの入り。まぁ、夜席はこんなもんですかね。


 開口一番の佐ん吉は、交通事故の小咄をマクラに、最近集中的に掛けている「いらち俥」。安定感があり、きっちりにぎやか。後ろに倒れるアクションも、繁昌亭のような広い高座だと演りやすそう。

 つづく花丸は、いろいろとマクラをつないで「阿弥陀池」へ。前半、新聞を読まん男が物知りの男にだまされる場面がごく丁寧で、だまされることに説得力あり。その後、新聞を読まん男の云い間違いにはこまかいアレンジあり。米政のくだりでの会話も自然な流れに。

 千橘は初めて。『真景累ヶ淵』が原作の映画「怪談」に軽く触れてから、幽霊の小咄をはさんで「宗悦殺し」へ。朴訥とした口跡が怪談にぴったりで、噺が進むにつれて色合いと深みが増す感じ。引き込み具合がとにかくスゴい。たっぷりの高座で納得の中トリ。

 中入りをはさんで、土居年樹(天神橋筋商店連合会理事長)氏と花丸の対談。日本一長い商店街の話をあれこれ。

 トリの仁智はマクラで野球解説員の話をたっぷり。何度か聴いてるネタもあるが、ガッチリ繰れてるんで何度聴いてもおもしろい。
 演し物は自作の「源太と兄貴」。ヤクザの兄弟分のやり取り。ボケ役の弟分の源太に、兄貴がキレまくりのツッコミ。短い噺だが、笑いの密度が高い。最後の方に天神祭りがほんチラッと登場。


 この会はちょっと短めの約 2 時間ですが、今回は番組も良くて納得。
 千橘さんは初めてだったんですが、怪談にぴったりの語り口ですね。露の一門の怪談噺は一度聴いてみたかったんで個人的には満足でしたが、ネタ出ししてない繁昌亭での会でいきなりこれを演られて、ほかのお客さんはどうだったんか気になるところです。

 次回は 9 月 25 日(火)、開演は 18:30 です。

天満天神繁昌亭

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遊方のゴキゲン落語会

2007/8/21 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 月亭 遊方 《幕開前戯噺》
  • 桂 佐ん吉 「いらち俥」
  • 月亭 遊方 「うなぎや」
    ―― 中入り ――
  • 月亭 遊方 「はてなの茶碗」

※ 第 22 回


 新作派の遊方さんがチラシに古典 2 席のネタ出し! かねてから「古典の改作に挑戦したい」と云われてたんで、これだけでも興味を惹かれるんですが、チラシの煽りが「今回は気魄の古典を 2 席リリース! 大胆な試みでトリッキーにカヴァー!」となってて、これは遊方ファンとしては期待せずにはおれんでしょう。
 入りは 40 人くらい。だいたいこれくらいで定着してきたようです。


 遊方はオープニング・トークから古典に対する緊張で噛みまくり。いろいろ話すも、結局は古典を演ることに対する恐怖心を吐露。「佐ん吉が『はてなの茶碗』演ってくれたら『サンダーマン』とか演るのに」と弱音を吐いたり、しまいには佐ん吉に対して「(彼女に)捨てられてまえ」と毒づいたり。
 あるとき桂九雀に「古典を演るなら『はてなの茶碗』を」と指定されたそう。制約の多い噺をいかに演るかが修行・勉強になる、と云う観点からのチョイスだとか。

 佐ん吉は「京都のお噺でございまして‥‥」とお約束。夜行高速バスでの災難をマクラに「いらち俥」へ。最近、集中的に掛けてるだけに、安定度抜群。安心して観ていられる。ふたりの俥屋をもう少し誇張したら、おもしろさが倍増しそう。

 遊方の 1 席目はネタ下ろしの「うなぎ屋」。板前に逃げられた鰻屋の大将が慣れない手付きでウナギと格闘するが、滑ったウナギが女将の懐に。悶えながらどっかに行ってしまう女将‥‥と云う R 指定ギャグ。
 さらに巨大なウナギが出てきて大将が格闘を始め、舞台狭しと這いずり回る。着物も裂ける奮闘と、エキセントリックな演出に脱帽。

 中入りをはさんでも息が切れたままの遊方。2 席目の「はてなの茶碗」は、九雀の会でネタ下ろししたそう。バスガイドから教えてもらった音羽の滝の豆知識をマクラに本編へ。
 古典世界のまま基本ラインに沿いつつも、要所に遊方独特の演出を入れて。茶金のいじくり回した茶碗を油屋が茶店の親父からムリヤリ 2 両で買い取ったばかりか、箱や風呂敷まで用意させる。油屋が茶碗をうっかり落としたと思わせといて「‥‥受けとるわ~い」がいやらしいおかしみに。
 後半の、地の文の語りがどうも恥ずかしそう。落語世界のテンションとのギャップで照れくさいのかも。ここらは課題かも。


 演る前は自信なさそうでしたが、どっちも遊方さんらしさが盛り込まれてて良かったです。存分にたのしめました。とくに「うなぎ屋」は動きが大きくて新味もあり、繁昌亭昼席でも十分通用すると思いますし、「はてなの茶碗」も照れを克服すればええ線行くと思います。
 今後の遊方さんは古典にも期待!ですね。

 次回は 11 月 27 日(火)の予定です。

遊方 FOR YOU!

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秋桜寄席

2007/8/18 @コスモスシアター 中ホール

  • 桂 佐ん吉 「狸の賽」
  • 笑福亭 たま 「寝床」
  • 桂 福車 「佐々木裁き」
    ―― 中入り ――
  • 露の 都 「みやこ噺」
  • 笑福亭 福笑 「葬儀屋さん」 (作:笑福亭福笑)

※ 第 35 回


 ちょっと遠いんで行くつもりはなかったんですが、ふと ねたのたね で番組を見て「やっぱりええ組み合わせやん」と、チケット買ってしまってました。
 南海「貝塚」駅から電車賃をケチって歩いたんですが、これがまた遠くて徒歩 20 分くらい。しかも暑いのなんの。ダラダラ汗かいて会場に着くと、すでに長蛇の列。貝塚市民の気合いにビックリです。(落語マニアの面々もかなり見受けましたが)
 客席が階段状になってて、どっからでも観やすそう。逆に噺家さんは見上げる形になるんで、演りにくいかも。約 280 のキャパで 200 人以上は入ってたと思います。


 開口一番の佐ん吉は博打の小咄いろいろから得意の「狸の賽」。仔狸を助けた遊び人がなんとなくお気楽そうで、そこらが佐ん吉のニンに合ってて、なんともたのしい雰囲気に。

 つづくたまは簡単に文楽の解説を入れてから「寝床」を。前半は旦那の浄瑠璃の会の断りの理由がスッキリと整理されスムーズに。あいかわらずテンション高くてクスグリも山盛り。後半の浄瑠璃の会の場面はやや冗長かも。サゲも毎回変わってるんで、たまのなかでもまだまだ改良の余地ありなんかも。期待。

 福車は「佐々木裁き」を、時代背景の解説を入れながらわかりやすく。佐々木信濃守と四郎吉とのとんち合戦もたっぷりと、後日談にオチを付けてサゲに。たっぷりの高座で納得の中トリ。

 中入りをはさんで、都の漫談。最初はかしこまった感じだったが、徐々にいつものノリに。昨年の彦八まつりの裏話は凄まじい。おなじみの電気釜の話や旦那の話は何度聞いてもおもしろい。「天ぷら揚げてますー!」。

 トリの福笑。夏の特急列車は海の家状態になってるって話から、マクラいろいろ。高齢化社会の話題から「葬儀屋さん」へ。父親が亡くなり、財産を巡って 3 人兄弟が大もめ。さとす葬儀屋もあきれて投げやりに。クスグリの連発で、聴いてるこっちも疲れるくらい。葬儀は金がかかるって話から長男の「そや、葬式やったら祝儀入んねや!」では、観客も思わず「祝儀!」と声に出してしまうリアクション。


 かなりの遠出でしたが、たっぷり笑わせてもらいました。料金もお手頃ですし、貝塚市近郊の方ならぜひ一度お試しいただきたい会です。
 帰りはさらに電車賃をケチって JR「東貝塚」駅まで徒歩で。これがまたさらに遠くて、汗ダクダクに。さすがに夏場はキツいです。

 次回は 2 月 9 日(土)の予定です。

コスモスシアター

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元祖大阪名物 あほの会

2007/8/15 @天満天神繁昌亭

【冬の噺特集】

  • 笑福亭 由瓶 「時うどん」
  • 笑福亭 右喬 「池田の猪買い」
  • 露の 吉次 「二番煎じ」
  • 笑福亭 仁嬌 「不動坊」
    ―― 中入り ――
  • 露の 都 「初天神」
  • 笑福亭 仁福 「ふぐ鍋」
  • 《鹿芝居》 「平林」

※ 第 12 回


 なんとなくチケットを買ってた『あほの会』へ。お盆と云うこともあってかなかなかの入りで、1 階は 9 割入り、2 階席にもお客さんが。
 プログラムで番組チェックしてたら、どうもおかしい。「池田の猪買い」に「二番煎じ」に「不動坊」に「ふぐ鍋」。よくよく見ると《冬の噺特集》。やっぱりあほですね。


 トップの由瓶は、マクラで不味いラーメン屋への熱い思いを観客に伝えようと四苦八苦しつつ、なんとか「時うどん」へ。桂吉弥に付けてもらったと云うことで 1 人ヴァージョン。うどんを食べる所作がどうも変で、研究・練習の余地あり。マクラでのハチャメチャなノリに比べて、本編では習ったとおりきっちりと。ただ、もう少し由瓶らしさを噺に盛り込むべきかも。

 右喬は「池田の猪買い」に対して「これ、正直、メチャクチャ難しいんですよ。変えていいですか?」。客席の反応で、ネタは変えずそのまま演ることに。
 基本ラインを踏襲しつつも、ネタに対して時間枠が短すぎたためか、どうも走り気味であっちこっち抜けてる印象。道をたずねる場面は端折っても良かったかも。

 吉次はラジオ出演のエピソードをマクラに「二番煎じ」を。かなりテンションが高く、酒や肴が出てくるたびに大げさなリアクション。「風邪薬の口直しはなんです? 猪の身、炊いたん! 池田から、取れとれの?」と、前の噺をクスグリに。見回りにくる侍の引き具合もなかなか。

 中トリの仁嬌は「不動坊」をきっちりたっぷり。全体的にクスグリは控え目ながら、仁嬌のむこうに師匠の仁鶴が見えるような雰囲気で、丁寧さが前面に出た高座。屋根の上でのてんやわんやでは、もう少し寒さの演出を入れても良いかも。

 中入りをはさんで、都は「みやこ噺」のノリでとりとめもない話をたっぷり。主婦向け情報バラエティのノリで、いつもおもしろい。(ダメな人はまったくダメだろうが)
 最近は「みやこ噺」が多かったんで、落語はひさしぶり。都の「初天神」は生意気盛りの寅ちゃんがかわいい。飴屋を経て、みたらし団子屋のくだりまで。

 トリの仁福は、ネタ繰りできなかった言い訳をウニャウニャと語ってから「ふぐ鍋」を。端折ったか飛んだかクスグリが少なく、かなり短め。それでも後半のノリはなかなか。

 大喜利に鹿芝居で「平林」。出演は登場順に、仁嬌(旦那)、仁福(丁稚)、吉次(着流しの遊び人?)、右喬(泥棒)、都(占い師)、由瓶(ビリー隊長)。右喬以下は通行人で、都の娘も特別出演し、最後はみんなで「ヴィクトリー!」。適度なグダグダ具合がこの会らしい。


 冬の噺で涼しくなったかどうかはともかく、鹿芝居のおもしろさはあほの会ならではですね。いつもの大喜利もおもしろいんですけど、ときどき趣向を変えていろいろ演ってもらえると、観る方も新鮮味があって良いと思います。

 9 月は繁昌亭 1 周年記念特別興行のため、次回は 10 月 15 日(月)です。

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らくご道 笑福亭生喬と桂こごろうの落語会

2007/8/14 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 笑福亭 生寿 「軽業」
  • 桂 こごろう 「へっつい幽霊」
  • 笑福亭 生喬 「三十石」
    ―― 中入り ――
  • 生喬・こごろう 《対談:夕焼け日記》


 お盆と云うこともあってか、普段よくお見かけする常連さんが減って、新しいお客さんが増えて、トータルではいつもよりちょっと多めの 40 人くらいに。


 恒例の生寿の開口一番は「軽業」。もぎ取りはなく、喜六と清八が軽業小屋に入ってゆくところから。きっちりした所作と口上が好感触。

 つづくこごろうは、楽屋風景を紹介。生寿の高座を師匠の生喬が見守りながら太鼓を叩いていたそう。なんともほほえましい師弟の図。
 「へっつい幽霊」は噺の展開に沿って徐々に場面が変わってゆき、それにしたがって登場人物も入れ替わるが、登場人物の色が明瞭で場面転換もわかりやすい。《幽霊のタマゴ》から出てきた 300 円が、終盤になって 300 両に。単純な云い間違いだろうが、それまでが良かっただけに最後のブレがなんとも残念。

 生喬はマクラに『彦八まつり』の紹介や裏話など。素人参加コーナーへの応募が少なくて苦心惨憺しているよう。
 さらに、笑福亭松枝の「三十石」を手伝ったときの話から、笑福亭の酔漢には手を焼くってな話へとマクラをつなぎ、ようやく本題へ。生喬のは三十石船の出るところが見もの。出番前に生寿が交換していた膝隠しが三方背になっていて、拡げると 3 倍の長さになり、船の絵が現われると云うもの。ちょっとした工夫で雰囲気も出て、なかなかの趣向。

 中入りをはさんでの対談では、まず生喬の膝隠し製作の苦労話。初代は観音開きで 2 倍の長さに拡がるものだったが、林家染丸の助言で今回の二代目が生まれたそう。ただ、長さと重量と強度のバランスが難しかったとか。
 一方のこごろうは、今回の「へっつい幽霊」を桂雀松に付けてもらったが、雀松の流暢な早口で稽古が大変だったってな話を。
 そこから話題はイントネーションや言葉の話へと発展。東京の噺家が使う大阪弁や、またその逆の場合の違和感と難しさなど。


 今回は 3 か月に 1 回のハメモノ・デーと云うことで賑やかにたっぷりで、対談もたっぷりで、ええ具合の満腹感でした。

 次回は 9 月 20 日(木)の予定です。

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氣樂堂寄席 桂千朝の会

2007/8/11 @氣樂堂

  • 桂 ちょうば 「始末の極意」
  • 桂 千朝 「まんじゅうこわい」
  • 桂 歌之助 「阿弥陀池」
  • 桂 千朝 「植木屋娘」

※ 第 5 回


 ひさびさの氣樂堂。ここは混雑が常ですからちょっと早めに行ったつもりだったんですが、すでに 10 人弱くらいのお客さんが列を作ってました。それでも観やすい席を確保できてひと安心。最終的にはギッシリ満員でした。


 開口一番のちょうば。マクラで本屋の節約術コーナーで立ち読みした内容の紹介から「秘伝書」に移行するも、肝心なところで噛んでしまいグダグダに。
 ボヤきつつ、ケチの小咄を演って「始末の極意」へ。始末の師匠と見習いのキャラがきっちりしていて、ちょうばの良さがしっかり出てて心地良い。時間の都合でなかばまで。

 千朝のあいだの歌之助は、8 月 8 日の琵琶湖の花火大会にて、写メールで格闘。携帯で花火を撮影するのに夢中になって、肝心の花火がほとんど見られなかったとか。
 「阿弥陀池」は基本に忠実にきっちりと、歌之助独特のメリハリで、とにかく陽気に。

 千朝の 1 席目は、仕事でざこばとキャバクラへ行った話から。若い女の子とは話が合わん、ってなところからいろいろつないで「まんじゅうこわい」へ。こわいもんの云い合いには怪談を入れず、狐がこわいと云う話をたっぷりと。日本昔話のような牧歌的な雰囲気がニンに合ってて良い。独特のトーンの「キャーバタバタ、キャーバタバタ!」もたのしい。
 2 席目の「植木屋娘」は故・桂枝雀の印象が強いが、千朝もなかなか。派手さはないが、千朝独特の語り口が植木屋の親父に重なって、子どもっぽいわがままな感じがええ具合におもしろい。古さが逆に新しいギャグも千朝らしいアクセント。サゲは「接ぎ木も根分けもうちの秘伝でおます」。


 落語はいずれも大満足。とくに千朝さんの「植木屋娘」は良いですね。ひょっとすると枝雀さんに付けてもらったのかも。
 恒例の抽選会は、手伝いに来ていた雀五郎さんと佐ん吉さんで。氣樂堂特製の千朝さんの CD が当たりました。ラッキー!

 次回は 10 月 20 日(土)に『桂こごろう落語会』です。

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納涼お笑い怪談噺

2007/8/10 @天満天神繁昌亭

【今夜はネられない。バカバカしくて眠れない。お化けも出ま~す!】

  • 笑福亭 たま 「七度狐」
  • 林家 染雀 「化け物使い」
  • 桂 米左 「皿屋敷」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂 南鱗 「淀の月」
  • 笑福亭 福笑 「じたじた」

※ 5 日目


 福笑さんプロデュースの怪談の会。5 日間のうちの最終日に行ってみました。会場入口の太鼓の台に、どことなくかわいい幽霊がお出迎え。
 入りの薄い日もあったそうですが、最終日とあってなかなかの入り。


 緞帳が上がると、後方を暗幕で隠し、上手側には墓場、下手側には柳に灯籠と、それっぽい装飾が。

 開口一番のたまはマクラ代わりにショート落語をいくつか演ってから「七度狐」へ。ハメモノを効果的に‥‥と云いたいところだが、銅鑼の入りが毎回のように遅れて妙な間が。尼寺の安寿さんがいつになく妖しかったり、お小夜後家は棺桶ごと暴れたり、細かいところもちょこちょこ手が入れられてる。喜六と清八はもうちょっとビビっても良かったかも。

 染雀はマクラでの年齢と風格の話から、本格怪談「悪の十字架」で風格を示し、鼻で笑われる。
 「化け物使い」は、嫁使いの荒い亭主が宿替えしてきた先に出る化け物を手先のように使う。亭主が云い付ける用事が見事な立て弁で、しかも神経質で細かいところがおかしみに。

 米左は「私のところは休憩時間としてお使いください」との自虐的マクラから「皿屋敷」へ。基本通り丁寧にきっちりと。前半の皿屋敷の因縁話を説明するあたりは雰囲気抜群。陰から陽に切り替わる後半、やや息切れしたか、ところどころブレるも、読み過ぎたお菊とのやり取りは勢い良く。

 中入りをはさんで、南鱗はマクラに怪談豆知識をいろいろ。上方講談に怪談がほとんど残っていないのは、三代目・旭堂南陵が怖がりだったからだそう。
 「淀の月」は、自殺しようとしていた女を助けた男が、実はこの女の仇だった‥‥と云う話。あり得ないような運命の出会いも、交通の未発達な時代にはままあったのかも。淡々とした語りが緊迫感を増す。

 トリの福笑。おなじみの「電子音が気になる」って話でたっぷり笑わせ、「怪談噺っておかしい。怪談が怖い話のことやから、怪談噺は怖い話の噺」ってな感じで言葉へのこだわりをひとしきり。ここらは福笑らしい。
 怪談の決まり文句「さて恐ろしき、執念じゃなぁ~」の解説から本題へ。「じたじた」は「まんじゅうこわい」の途中に入る怪談部分。自殺しようとしていた女を通りかかった男が助けようとするが、死なねばならぬとあまりに強情な女に業を煮やし、男は女を川へ突き落とす。序盤のシチュエーションは「淀の月」と似ているが、後の展開が異なるとエクスキューズを入れる。徐々に照明が落ちてゆき、雰囲気を盛り上げる。
 女が追いかけてきたところで暗転。墓場には吉崎律子(三味線)の幽霊、客席には染雀の幽霊が。ふたりとも雰囲気たっぷり。染雀幽霊が客席をぐるっと回ってから恨み節を語ると、いつの間にやら着替えた福笑が高座に。最後は決まり文句で。


 思いのほか雰囲気を盛り上げるための演出が凝らされてて、良い趣向でした。とくに福笑さんの高座は照明やハメモノのきっかけもきっちり仕込まれてて、裏方さんにも拍手を送りたいです。
 ただ、5 日間同じネタだったってのはどうなんでしょうね。入りとか考えると金土日の 3 日間にするとか、土日で福笑さん以外はネタを変えるとかすれば、もうちょっと集客があったのかも。

 終演後は外も暗くなり、幽霊もちょっと怖さを増してました。

幽霊

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坂口修一 Solo Act Live 『火曜日のシュウイチ』

2007/8/7 @in→dependent theatre 1st

※ Stage 36


 一応毎回予約していくんですが、毎月初日は入りが悪いそうです。少しマシな 20 時半の回も 30 人弱って感じでした。


 この日のメニューは↓こちら。

  • オープニング
  • 『白い眉の人』
  • 客席探訪
  • 『お墓参りは俺がする』
  • シュウイチの輪
  • 『ミッド・ナイト・エクスプレス』 第 18 話 「卒業」
  • エンディング
  • おまけ:シュイチの部屋

土の会セレクション 『白い眉の人』
 運転免許センターの鬼教官・本郷の指導のもと、初めての路上教習へ。
[作・演出:サシマユタカ]

月替わりゲスト作家作品 『お墓参りは俺がする』
 どこかの部屋でピストルを手に対峙する、ふたりの男。一方の男は女を人質に、もう一方は女の解放を求めて。
[作・演出:森澤匡晴(スクエア)]

超短編連続ドラマ 『ミッド・ナイト・エクスプレス』 第 18 話 「卒業」
 卒業式を無事終え、教室でひとりたたずむ田々南徹。(全 50 話)
[作・演出:サシマユタカ]

 ひさびさの土の会セレクション。本郷教官は大きめのサングラスに白手袋で、かなり嫌味な教則本第一主義。生徒の逆襲で挙動不審にあせりまくる様が秀逸。ミニカーを使った状況再現もかわいい。

 『お墓参りは俺がする』の主人公はスナイパーと云う設定だそうだが、どう見ても勘違いしてる三流探偵って感じ。ピストルを手にしゃべりまくりで大暴れ。アッとおどろく‥‥と云うより、呆気にとられるラストがたのしい。

 『ミッド・ナイト・エクスプレス』では、ついに田々南徹が高校を卒業し、第一部・完。憧れの雅恵への含みを持たせ、社会人編の第二部へ。

 終演後、8 月のゲスト作家の森澤匡晴(スクエア)を迎えてのトーク。観客からの演出に対する質問にドギマギする森澤がほほえましい。おまけコーナーなのに、かなり盛り上がる。


 おまけも入れて約 2 時間、あいかわらずのテンションを維持してて、毎回たのしいですね。バランスとしては今回のように 30 分作品 2 本での構成がダレなくて良いように思います。

火曜日のシュウイチ
坂口修一の日記

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池田で亥会

2007/8/5 @池田市民文化会館 小ホール

【六年前の忘れものを探しに】

  • 《口上》
  • 桂 佐ん吉 「いらち俥」
  • 桂 阿か枝 「竹の水仙」
  • 桂 吉弥 「肝つぶし」
  • 桂 三ノ助 「天狗裁き」
    ―― 中入り ――
  • 桂 よね吉 「皿屋敷」
  • 桂 歌之助 「つぼ算」
  • 桂 まん我 「桜の宮」
  • 笑福亭 由瓶 「はてなの茶碗」
    ―― 中入り ――
  • 桂 三金 「鯛」 (作:桂三枝)
  • 桂 三弥 「読書の時間」 (作:桂三枝)
  • 林家 染左 「写真の仇討ち」
  • 林家 染左 《舞踊》 「奴さん」
  • 桂 紅雀 「池田の猪買い」


 昭和 46 年・亥年生まれの噺家 11 人が寄っての会。チラシには小さく「二一六〇〇秒落語会」と書かれていて、つまり 6 時間くらいになるとのこと。気になる噺家さんも多く、値段もお手頃と云うことで池田へ行くことに。
 阪急「石橋」駅から暑いなかを徒歩 10 分ほどで会場へ。後方に空席があるも、ええ感じの入り。


 まずは口上。緞帳が上がると、舞台上手から出演順に 11 人が黒紋付き袴姿でズラリ。先頭の阿か枝から順に、小学校の卒業式のような呼び掛け風に。

 開口一番に亥会メンバーよりひと回り若い佐ん吉が登場し、「僕が出ること、みなさんご存じでしたでしょうか?」。「いらち俥」をテンポ良く。

 阿か枝は青汁のドキュメント番組風コマーシャルにボヤいてから「竹の水仙」を。とにかくきっちり丁寧で、聴いてて心地良い。若手ながら、引き芸の極み。

 吉弥はダイエットの話をマクラに、唐突に「肝つぶし」へ。マクラから余裕の感じられる高座で、噺の方も適度に力の抜けた感じがええ具合。

 先の吉弥の高座で初めて「肝つぶし」を知った三ノ助は、夢の噺でネタが付くことを断りながら「天狗裁き」を。やや棒読み口調ながら、丁寧に。

 中入りをはさんで、ひさびさのよね吉。じらしつつ「皿屋敷」へ。師匠の吉朝がよく「クサ過ぎる」と云っていたことを、いまようやく実感。それでも町内の若い連中がおびえながら初めて皿屋敷へ行く場面など、クサさがおもしろさに転換。

 歌之助はマクラで大阪のおばちゃんの話。駆け込み乗車の話から、振り込め詐欺被害に遭わないって話へとつないで、詐欺のような噺で「つぼ算」へ、と云う流れ。時間を気にしてか、古手屋でのたとえ話は端折って。買い物天狗の徳さんと瀬戸物屋の番頭との丁々発止のやり取りを軽妙に。

 まん我は季節外れの「桜の宮」。登場人物の演じ分けが的確・明瞭で、しかも陽気でたのしい雰囲気。芝居の真似事をたのしみながら、本物の侍に追いかけられてもドタバタ感でたのしそう。

 由瓶のこの日の主張はまず、帯源でのまん我との(一方的な)意地の張り合い。次にこの日の MVP に、会を見事に仕切る阿か枝よりも、音の鳴る楽屋口の扉に KURE 5-56 を差した染左を押す。
 「はてなの茶碗」は、ネタはきっちり入っててこなれてはきているものの、背伸びしていてニンに合ってないとの感は否めない。油屋のキャラクターをもっとふくらますなり、自分流へのアプローチが必要かも。

 再度の中入りをはさんで、メンバーのなかでいちばんのキャリアを誇るも着物はいちばん安い三金。デブネタいろいろのマクラにてダイエットでの名言(名言?)は「痩せる前にリバウンドが始まってる」。
 師匠の三枝作品「鯛」を「タイですよ。フグじゃありませんよ」との注意を入れて。活け魚料理屋のいけすの鯛同士の会話劇で、漫画的な噺が三金のニンにぴったり。中国産だの段ボールだの、最近の話題もクスグリに。

 三弥も三枝作品で「読書の時間」。息子が学校での読書の時間用に父親の本棚から持っていった本が、実は官能小説で‥‥って噺。こちらはほぼきっちり師匠の演り方を踏襲しているよう。

 染左はめずらしいところで「写真の仇討ち」。自分をだました遊女と無理心中する代わりに、その女の写真を刺してその場の気を晴らす、と云う噺。クスグリも少なく笑い所の少ない噺をきっちりと。
 ついでに「奴さん」を踊る。ここらが林家流。

 大トリは紅雀。今回の出演順はあみだくじで決まったそう。「せっかくですから‥‥」と「池田の猪買い」を。猪肉を買いに行く男のチョカ具合が紅雀にぴったり。口跡良く心地良い。


 予定は 6 時間でしたが、みなが時間を気にしてテンポ良く進んで 5 時間丁度くらいに。たっぷりの会でしたが、それぞれ色があってダレずにたのしめました。
 終演後は残ってたメンバーがお見送り。この会、またあるんですかねぇ。6 年後に期待、です。

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染雀花舞台

2007/8/4 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 桂 さん都 「二人癖」
  • 林家 染雀 「仔猫」
  • 桂 つく枝 「宿替え」
    ―― 中入り ――
  • 林家染雀 『東海道四谷怪談』より「お岩の最後」
  • つく枝・染雀 《舞踊》 「かっぽれ」

※ 第 23 回


 文楽劇場から足早にワッハ上方へ行くと、開場 30 分前でもすでに長蛇の列でビックリ。染雀人気、じわじわ上がってますね。
 最終的には 60 人くらい入ってたんじゃないでしょうか。大入り満員。今回は趣向入りの怪談特集と云うこともあって、それを目当てに来られたお客さんも多かったでしょう。


 開口一番のさん都は淀川の花火大会で街にあふれる浴衣カップルに毒づきながら、なかばやけくそ気味。安井金比羅会館での『桂米朝落語研究会』の出番の日に突然、米朝が来場した話をマクラに、その日に演った「二人癖」を。
 口開けから「パーッと《飲める》てな話はないか」「またや。おまえほど《つまらん》癖持ってる奴はないな」と、会話のなかに癖をたっぷり盛り込んで話の流れが自然。口跡良くポンポンと。

 染雀の 1 席目は遠征公演の話を中心にマクラたっぷり。桂あやめとの姉様キングス珍道中がたのしい。段ボール箱が山積みの物置に畳が 1 畳だけ敷かれていると云うような楽屋をあてがわれたこともあるそう。
 演し物の「仔猫」は、故・林家染語楼に付けてもらったそう。主人や番頭にもう少し貫禄がほしいが、女性の御寮人はさすが。登場人物が多いところもきっちり語りわけ、最後のおなべの告白も雰囲気たっぷり。

 ゲストのつく枝は「自分の体型では幽霊の出てくる噺は無理」と、ダイエットの話。ビリーズブートキャンプに入隊し、2 か月で 1 kg 痩せたとか。嫁による食事制限も厳しく、自宅で「食通夜」の稽古をしてたら「なに食べてんの!」と怒られたそうな。
 おなじみ「宿替え」は、引っ越し先でほうきを掛ける釘を打つ場面から。夫婦喧嘩をさせたら抜群で、慌て者の男があいかわらずおもしろい。

 中入りをはさんでこの日のメイン、染雀の「四谷怪談」。田宮神社へお参りに行った話や、怪談噺の会でのエピソードをマクラに、笑いをまじえて客席をほぐしてから本題へ。
 序盤は田宮伊右衛門と四谷左門の娘・岩との関係を解説しつつ、岩と云う妻がありながら伊藤喜兵衛の孫・梅との縁談を進める伊右衛門の傲慢な振る舞いと、恨む岩を情感たっぷりと。
 死んだ岩が伊右衛門のもとに化けて出る。暗転すると、高座に人魂がふわふわと現われ、岩に扮した染雀が客席後方から。伊右衛門への恨み節をひとくさり語って舞台下手へ消えてゆくと、最後に「はて恐ろしき、執念やなぁ~」。早替わりに加えて芝居掛かった演出でゾクゾクさせられる。
 最後に気を変えるため、つく枝と染雀でかっぽれを踊る。


 お岩に扮した染雀さん、なりきり具合といい、語りっぷりといい、かなり大満足の趣向でした。マクラたっぷりのおかげで 2 時間半の長丁場に。ここでのギリギリ終演時間です。

 いまの時代、幽霊とか云われても騙し物とわかってるだけに、演り様によってはシラケてしまうんでしょうが、逆に演り方次第でエンターテインメントとして十分成立するってことの見本だと思います。
 ただ、これには観る側の協力も必要だと思います。客席に 2~3 人、「仔猫」や「四谷怪談」の見せ場でクスクス笑うお客さんがいました。あきらかに笑うような場面ではありませんでしたし、どうも腑に落ちません。まわりのお客さんもシラケるでしょうし、場をわきまえたリアクションをしていただきたいもんです。

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夏休み文楽特別公演

2007/8/3・4 @国立文楽劇場

【第 1 部 親子劇場】

  • 金太郎の大ぐも退治
  • 解説:文楽はおもしろい
  • 瓜子姫とあまんじゃく

【第 2 部 名作劇場】

  • 鎌倉三代記かまくらさんだいき
    • 入墨の段
    • 絹川村の段
  • 釣女つりおんな

【第 3 部 サマーレイトショー】

  • 契情倭荘子けいせいやまとぞうし
    • 蝶の道行
  • 伊勢音頭恋寝刃いせおんどこいのねたば
    • 古市油屋の段
    • 奥庭十人斬りの段

※ 第 107 回


 2 日間かけて文楽の夏休み公演を。

 まずは 3 日(金)に第 3 部のレイトショー。と云っても、金曜のみ 19 時開演(その他の日は 18 時半開演)なんで、レイトショー?って感じですが、文楽にしたら遅めの公演。サラリーマン層も会社帰りになんとか行けるって時間帯です。その分、公演時間は約 2 時間と短め。入門編にはこれくらいが丁度良いと思うんですが、平日の夜公演と云うこともあってか空席が目立ちました。
 『契情倭荘子』は、死出の道行きで蝶の化身となった助国と小巻が舞い踊る‥‥って感じの舞台。ストーリーよりも舞を観させるもの。着物の袖をはためかせる様がまさに蝶そのもの。儚くも艶やか。
 『伊勢音頭恋寝刃』は、主君に紛失した名刀「青江下坂」の奪還を命じられた福岡貢の話。なんとか取り戻した刀をすり替えられたと思いこんだ貢が半狂乱になって斬りまくる「奥庭十人斬りの段」は凄惨そのもの。と云うより、現代の常識に照らし合わせると、ストーリー的にはほとんど破綻してます。最後もあんまりめでたくないけど、見得を切られたら納得せなしゃあない。それでも大立ち回りは圧巻。

 変わって 4 日(土)は、朝から第 1 部の親子劇場。ほとんど親子連れでほぼ満席。お子様は帰りにおみやげ付きです。これが中西らつ子さんの金太郎のイラスト入りハンドタオルで、欲しかった!
 まずは『金太郎の大ぐも退治』。そのまんまの内容です。最初の鬼と金太郎のやり取りは滑稽ながら、巨大蜘蛛登場で凄まじい立ち回りに。最後は宙乗りもあって大迫力。
 解説は子ども向けにごく簡単に。人形遣いの体験コーナーも。
 『瓜子姫とあまんじゃく』は、妖怪あまんじゃくに囚われる瓜子姫の話。昔話風ながら、『金太郎~』に比べると牧歌的過ぎてストーリーが淡々とし過ぎな感じ。

 入れ替えをはさんで、第 2 部の名作劇場。さすがにまったく客層は変わったが、こちらもええ感じの入り。
 『鎌倉三代記』は、大坂夏の陣を鎌倉幕府滅亡に仮託した物語。源頼家の参謀・佐々木高綱にそっくりの男が顔に入れ墨を施される「入れ墨の段」、囚われの時姫を巡る「絹川村の段」と、通しで 3 時間。まだ浄瑠璃を聴き取れないんで、ストーリーがすっくり入ってないと理解できないんですが、登場人物が多く、影武者やなんかが錯綜して大混乱。
 変わって『釣女』は狂言から取材されたものだけに、滑稽でおもしろい。京都の大名が妻を授かろうと、太郎冠者を引き連れて西ノ宮の恵比寿さんへ参詣。夢に従って西門で釣り糸を垂れると美女が。太郎冠者が真似ると醜女が。舞のような動きが多く、観ていても華やかです。


 やっぱり長丁場の演目はストーリーを理解できるかどうかにかかってますね。『鎌倉~』は最後まで混乱しながら、ウトウトしながら観てましたが、パンフレットを読み返してみると場面々々は思い浮かんできますんで、もう一度観れば理解が深まるかも、と思いました。
 今回のなかでいちばんおもしろかったのは、なんと云っても『金太郎~』ですね。子ども向けでわかりやすいストーリーと、派手な立ち回りが良かったです。次点は『伊勢~』の「奥庭~」の大立ち回りですが、ストーリーはどうも。そう云う意味では『釣女』が次点になるかも。

 次回 11 月の公演では、吉田玉男一周忌追善狂言として、近松門左衛門の『曽根崎心中』が。これはなんとか観たい演目です。

国立文楽劇場

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劇団☆新感線 2007 年夏休みチャンピオン祭り 『犬顔家の一族の陰謀 ~金田真一耕助之介の事件です。ノート』

207/8/2 @シアター BRAVA!

作・演出: いのうえひでのり
出演: 古田新太、宮藤官九郎、勝地涼、橋本じゅん、高田聖子、小松和重、粟根まこと、逆木圭一郎、右近健一、河野まさと、村木よし子、インディ高橋、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ、村木仁、川原正嗣、前田悟、池田成志、木野花


 某 SNS でチケットを融通してもらい、ひさびさの新感線乗車。エントランスにて、落語会で良くお見かけする方とバッタリ。おたがいビックリでした。
 席は 1 階席中央通路よりちょい前で、なかなかの好位置です。


 タイトルからもわかるとおり、横溝正史の『犬神家の一族』のパロディで、タイトル・ロールも市川崑監督の映画をまんまパロった構成。基本のストーリー・ラインは『犬神家~』ながら、それ以外にもいろいろとパロディを盛り込みつつ、オープニングからたのしませてくれる。
 ネタもの(ギャグ中心の作品)ながら意外としっかりとしたストーリー展開で、元ネタを知らなくてもたのしめるような構成。元ネタを知ってれば 2 倍も 3 倍もたのしめるんで、余裕があれば映画『犬神家の一族』くらいは観ておいて損はないだろう。

 宮藤官九郎が主役の金田真一耕助之介かねだしんいちこうすけのすけ役だが、狂言廻し役と云うこともあって、他の登場人物に比べて出番が多い割にはかなり薄味。他のキャストがギャグに集中できる分、そこはまぁ狙いどおりだろう。木野花がノリノリ。客席の下手側通路が花道代わりに使われ、近かったもんでちょっと得した気分に。
 個人的なツボは、隠密捜査を得意とする私立探偵の敗地大五郎まけちだいごろう役の逆木圭一郎。新感線お得意のあり得ない変装術で頻繁に出没。なんとも美味しい役どころ。

 紗幕を使って転換時に映像を流すことで間延びを解消。映像の使い方も凝った演出を盛り込んだり、ここらの演出は経験と予算がものを云うところ。チケット代が安くない分、舞台装置には金がかけられている。
 チケット代と云えば、毎回思うのがパンフレット代の高騰。今回は特製文庫本付きとは云え、2,800 円ってどうよ?(買うたけど)


 とにかく《贅を尽くしたコント》なんですが、ミステリー故にきっちりしたストーリーがあるため、ギャグの応酬でもきれいにまとまったなぁと云う印象でした。もっとハジけたバカバカしさを期待してたんですが、ある程度の水準を期待される劇団になってしまったんで、そこらのバランスは難しいでしょうね。あってないようなストーリーにギャグ満載で、しかも下ネタ率が高かった昔の作品に比べれば、ネタものとは云えかなりまともな芝居に仕上がってました。
 ただ、最近の《いのうえ歌舞伎》から新感線に入ったファンの方々は、どう思われるんでしょうねぇ。カッコ良さがほとんどなくてアホらしい内容の舞台に 9,500 円も払わされた!とお怒りかも。まぁ大人ならタイトル見てどんな内容かは概ね判断できるでしょうから、文句を云うのは筋違いと云うか野暮だと思いますが。

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可朝・福團治 二人会

2007/8/1 @天満天神繁昌亭

  • 桂 三四郎 「大安売」
  • 桂 春菜 「ぜんざい公社」
  • 桂 福車 「無いもん買い」
  • 桂 福團治 「くっしゃみ講釈」
    ―― 中入り ――
  • 月亭 可朝 「市川堤」
  • 月亭 可朝 「嘆きのボイン」
  • 可朝・福團治 《対談》

※ 第 2 回


 出張先から逃走して繁昌亭へ。可朝さんに期待の会の第 2 回。この日も大入り満員です。


 開口一番の三四郎は元気良く、おなじみのマクラからおなじみのネタで「大安売」。演り慣れてるネタだけあって安定感があり、安心して聴いてられる。

 春菜はやや陰な雰囲気。民営化の進む世の中で、ひょっとするとまた国営化に戻るかも、と「ぜんざい公社」。陰な雰囲気が横柄な頃の役所にぴったり。「代書」のクスグリを持ってきたり、「嘆きのボイン」を歌ってみたり、独自のクスグリも散りばめて工夫が見られる。

 福車はシャキシャキと「無いもん買い」。金物屋に古手屋に饅頭屋に味噌屋に魚屋とフルコース。それでもテンポ良くトントンと、心地良さとおもしろさがバランス良く。「硫酸で顔洗ぅて出直してこい? おのれの方こそサリンで行水しとけバーカ!」と云う啖呵がスゴい。

 中トリの福團治はあいかわらず陰な雰囲気。陰気な魚屋の小咄をボソボソ演ってから「くっしゃみ講釈」。こんな引きまくりの「くっしゃみ~」もめずらしい。覗きカラクリの「ホェ~!」が鼻から気の抜けたような声で、陰な雰囲気とのギャップでなんとも云えないおかしみに。後半、後藤一山の講釈はニンに合ってて雰囲気たっぷり。くしゃみも派手に。

 中入りをはさんで、待ってましたの可朝。メガネにチョビ髭はあいかわらずだが、カンカン帽は脱いで、手に持って登場。参議院選挙の話題から、自身が参院選に出馬したときのエピソード、各国首脳の人相分析など、マクラからおもろい。東京の景気は良いが、大阪は景気が悪い。しかし自殺はいかんと、自殺小咄も。
 落語は景気には左右されないが、季節には左右される。二月・八月は入らない。しかし、季節に合った噺はたくさんある。きょうは怪談噺を‥‥と始まったのが「市川堤」。前半は次郎吉とお紺との関係の中心に、やや淡々と、ときにクスグリを入れて丁寧に。
 後半、これまでの悪行を悔いた次郎吉は商売に精を出すようになり、親の次郎兵衛の名を継ぐ。そしてお紺との再会。不義理と行き違いを詫びる次郎兵衛だったが、昔の自分を知るお紺を殺してしまう。ここらの語りっぷりは圧巻。
 雨のなか、宿屋の門口で化けて出たお紺。次郎兵衛は「俺は次郎吉と違う!」と叫びながら、お紺を追い払いつつ立ち上がって袖へ引っ込んだかと思うと、ギターを手にして「俺は月亭可朝や!」。
 いまの時代、幽霊を出すとお客が笑ってしまってシラケるからと、こんなオチにしたそう。このあと、艶笑小咄をいくつか演ってから「嘆きのボイン」の弾き語り。

 「しまいやでぇ~」のあと、可朝が「福さん、出といで」と福團治を呼び出し、床几に腰掛けての対談。内弟子時代の思い出から、月亭可朝襲名にいたる話など。博打の話なんかは可朝ならでは。いろいろとたのしそうに。
 最後に、可朝が太鼓、福團治が当たり鐘を打ってお開きに。なんともええ雰囲気のエンディング。


 いやはや、お見それいたしました。今回は可朝さん、きっちりネタ繰りされてたと思います。前回の「住吉駕籠」では抜けや間違いが散見されましたが、今回はきっちりたっぷりで大満足。とくに後半の盛り上がりは圧巻で、照明効果を入れればもっと怖くなったと思います。ええもん観させてもらいました。

 次回の予定は出てませんが、これは第 3 回以降にも期待したいです。もっともっと可朝さんが観たい!

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