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染雀花舞台

2007/8/4 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 桂 さん都 「二人癖」
  • 林家 染雀 「仔猫」
  • 桂 つく枝 「宿替え」
    ―― 中入り ――
  • 林家染雀 『東海道四谷怪談』より「お岩の最後」
  • つく枝・染雀 《舞踊》 「かっぽれ」

※ 第 23 回


 文楽劇場から足早にワッハ上方へ行くと、開場 30 分前でもすでに長蛇の列でビックリ。染雀人気、じわじわ上がってますね。
 最終的には 60 人くらい入ってたんじゃないでしょうか。大入り満員。今回は趣向入りの怪談特集と云うこともあって、それを目当てに来られたお客さんも多かったでしょう。


 開口一番のさん都は淀川の花火大会で街にあふれる浴衣カップルに毒づきながら、なかばやけくそ気味。安井金比羅会館での『桂米朝落語研究会』の出番の日に突然、米朝が来場した話をマクラに、その日に演った「二人癖」を。
 口開けから「パーッと《飲める》てな話はないか」「またや。おまえほど《つまらん》癖持ってる奴はないな」と、会話のなかに癖をたっぷり盛り込んで話の流れが自然。口跡良くポンポンと。

 染雀の 1 席目は遠征公演の話を中心にマクラたっぷり。桂あやめとの姉様キングス珍道中がたのしい。段ボール箱が山積みの物置に畳が 1 畳だけ敷かれていると云うような楽屋をあてがわれたこともあるそう。
 演し物の「仔猫」は、故・林家染語楼に付けてもらったそう。主人や番頭にもう少し貫禄がほしいが、女性の御寮人はさすが。登場人物が多いところもきっちり語りわけ、最後のおなべの告白も雰囲気たっぷり。

 ゲストのつく枝は「自分の体型では幽霊の出てくる噺は無理」と、ダイエットの話。ビリーズブートキャンプに入隊し、2 か月で 1 kg 痩せたとか。嫁による食事制限も厳しく、自宅で「食通夜」の稽古をしてたら「なに食べてんの!」と怒られたそうな。
 おなじみ「宿替え」は、引っ越し先でほうきを掛ける釘を打つ場面から。夫婦喧嘩をさせたら抜群で、慌て者の男があいかわらずおもしろい。

 中入りをはさんでこの日のメイン、染雀の「四谷怪談」。田宮神社へお参りに行った話や、怪談噺の会でのエピソードをマクラに、笑いをまじえて客席をほぐしてから本題へ。
 序盤は田宮伊右衛門と四谷左門の娘・岩との関係を解説しつつ、岩と云う妻がありながら伊藤喜兵衛の孫・梅との縁談を進める伊右衛門の傲慢な振る舞いと、恨む岩を情感たっぷりと。
 死んだ岩が伊右衛門のもとに化けて出る。暗転すると、高座に人魂がふわふわと現われ、岩に扮した染雀が客席後方から。伊右衛門への恨み節をひとくさり語って舞台下手へ消えてゆくと、最後に「はて恐ろしき、執念やなぁ~」。早替わりに加えて芝居掛かった演出でゾクゾクさせられる。
 最後に気を変えるため、つく枝と染雀でかっぽれを踊る。


 お岩に扮した染雀さん、なりきり具合といい、語りっぷりといい、かなり大満足の趣向でした。マクラたっぷりのおかげで 2 時間半の長丁場に。ここでのギリギリ終演時間です。

 いまの時代、幽霊とか云われても騙し物とわかってるだけに、演り様によってはシラケてしまうんでしょうが、逆に演り方次第でエンターテインメントとして十分成立するってことの見本だと思います。
 ただ、これには観る側の協力も必要だと思います。客席に 2~3 人、「仔猫」や「四谷怪談」の見せ場でクスクス笑うお客さんがいました。あきらかに笑うような場面ではありませんでしたし、どうも腑に落ちません。まわりのお客さんもシラケるでしょうし、場をわきまえたリアクションをしていただきたいもんです。

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コメント

場をわきまえたリアクション…ほんとその通りです。
初めて落語会に来たであろう人なら目をつぶりますが、よく見掛ける人でもそんなのがいますね。
お菓子、パックのドリンク開けたり、写真撮ってはブログで公開。
落語は話芸です。
言葉でその良さを伝えられないものかと思います。
正直なところ、客席にそういう顔触れ見つけた時点で楽しさ半減です。

話、逸れましたね。すみません。

投稿: どーらんのこーすけ | 2007.08.20 18:25

>> どーらんのこーすけ さん
ビニール袋やバッグのファスナーの開け閉めなど、自発的に音を鳴らす連中はホンマに腹立ちますよね。
ごく近くなら注意することもありますが、だいたいは
「あの人は茶の間と劇場の区別もつかんアホなんやな。アホやからしゃあないんやな」
とか思って、ムリヤリ溜飲を下げてます。

投稿: わさび | 2007.08.21 01:50

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