« 糞尿特選落語会 | トップページ | 文太の会 in 高津の富亭 »

二代快楽亭ブラック襲名十五周年記念毒演会

2007/10/6 @TORII HALL

【第一部】

  • 快楽亭ブラック 「転失気」
  • 快楽亭ブラック 「目黒のさんま」
  • 快楽亭ブラック 「カラオケ寄席」 (作:快楽亭ブラック)
    ―― 中入り ――
  • 快楽亭ブラック 「人性劇場」 (作:快楽亭ブラック)
  • 快楽亭ブラック 「道具屋・松竹篇」 (作:快楽亭ブラック)

【第二部】

  • 快楽亭ブラック 「押しくら」
  • 快楽亭ブラック 「権助魚」
  • 快楽亭ブラック 「文七ぶっとい」 (作:快楽亭ブラック)
    ―― 中入り ――
  • 快楽亭ブラック 「朝鮮人の恩返し」 (作:快楽亭ブラック)
  • 快楽亭ブラック 「イメクラ五人廻し」 (作:快楽亭ブラック)

【第三部】

  • 快楽亭ブラック 「近日息子」
  • 快楽亭ブラック 「聖水番屋」 (作:快楽亭ブラック)
  • 快楽亭ブラック 「英国密航」 (作:快楽亭ブラック)
    ―― 中入り ――
  • 快楽亭ブラック 「蛙茶番」
  • 快楽亭ブラック 「一発のオマンコ」 (作:快楽亭ブラック)


 ブラックさんが襲名 15 周年に引っかけての一挙 15 席口演、しかもそれが 3,000 円で観られるってんですから、これは行くでしょう。朝から晩までブラック漬けです。
 5 席ずつの 3 部構成で、第一部のスタートは 11 時から。集客はどんなもんかと思いきや、ザッと 40 人くらいの入り。まずまずじゃないでしょうか。落語会でよくお見かけする顔はごくわずかです。


 まずはマクラに長時間の会についてあれこれ。
 桂文福が若い頃にやった 24 時間河内音頭に対抗して、6 年ほど前に 24 時間落語会をやったときの話。ギネスブックの規定によると 2 時間に 10 分は休憩して良いそうで、それを拡大解釈して 3 時間に 15 分休憩で挑んだそう。ところが栄養ドリンクを飲み過ぎて、休憩中に飲食もままならない状態になったとか。
 その後、2 年半前には《ブラック十八番》と称して 1 日に 18 席演ると云う会を。その年の大晦日には再度、24 時間落語会を予定するも、病に倒れてお流れに。
 今回の 1 日 15 席は、近い将来の 24 時間落語会へ向けてのリハビリだそう。やる気満々!

 古典の「転失気」「目黒のさんま」は邦画マニアの面目躍如。とくに「転失気」の住職や「目黒のさんま」の武士など、しゃっちょこ張った人物に雰囲気あり。下ネタも付け合わせ程度で、初心者も安心!?!?

 「カラオケ寄席」は、客が演者や演題をリクエストし、ついでにカラオケを歌えると云う寄席ができた‥‥と云う噺。リクエストされるのが東京の噺家で馴染みがなく、わかりにくいところがあったかも。

 「人性劇場」は映画「人生劇場」のパロディか。刑期を終えた飛車角が、組長のはからいでイメクラへ行く噺。事あるごとに「任侠に生きる、男、飛車角!」と力む様子がたのしい。

 「道具屋・松竹篇」は、活キチ(映画狂い)の古道具屋の店先に松竹映画のキャラクターが次々に訪れると云う趣向。最後は実際に懐から赤いロープを取り出し、サゲにつなげるわかりやすさ。


 マクラを端折って 2 時間くらいでまとめるのかと思いきや、たっぷり 2 時間半。最初っからサービス満点です。
 インデアンカレー で腹ごなしして、14 時半から第二部。入りは少し増えて 50 人くらい。女性は片手で足るくらい。


 青春 18 きっぷでの旅のエピソードをマクラに「押しくら」、つづけて「権助魚」と、古典 2 席は満腹で睡魔が‥‥。

 予定していた「オマン公社」は第一部の「道具屋・松竹篇」と似たところがあると云うことで、変更されたのが「文七ぶっとい」。
 古典の「文七元結」をベースに後半はムリヤリな下ネタも入るが、左官屋の長兵衛をはじめとして登場人物をいきいきと。文七が入水自殺しようする文七を長兵衛が止める場面、工面したはずの金を持たずに帰ってきた長兵衛とその妻が喧嘩する場面など、元来の人情味はそのままに、感情の起伏をたっぷりと。

 「朝鮮人の恩返し」は「狸の賽」の子狸を朝鮮人の子どもに置き換えたバカバカしいパロディ。下ネタや宗教ネタも入って危険度高し。

 イメクラを訪れる変な客をつづった「イメクラ五人廻し」は、風俗レポーターとしての経験が存分に活かされ、変態客の人物像が妙にリアル。


 第二部は約 3 時間の熱演。とくに「文七ぶっとい」がたっぷり聴き応えありました。
 間が 30 分ほどになったんで外に出るわけにもいかず、会場内で休憩。観客は若干入れ替わったようですが、トータルは 50 人くらいと変わらず。第三部は 18 時から。


 マクラに自身の DVD の情報で、タイトルは『非国民』に『不敬罪』。以降、いろんな3 文字熟語がつづくそう。

 江戸の「近日息子」は初めてかも。息子が与太郎のバカさ加減が半端でなく、なんであんなに機転が利くのか不思議。そこから笑いにつながるんだろうが、上方的に考えるとちょっと不自然。が、これもまた様式美。

 「聖水番屋」は「禁酒番屋」(上方の「禁酒関所」)のパロディ。江戸の町に大流行した SM が禁止され‥‥ってな噺に。ところがこのストーリー・ラインにさほど無理がなく、上手く構成されている。(そう感じてしまうところがすでにおかしい?)

 そしてお待ちかねの「英国密航」。舞台は開国直前の日本。君主の命で井上聞多、山尾庸三、野村弥吉、遠藤謹助らが、足軽の伊藤俊輔の機転でイギリスへ密航する噺。歌舞伎の「白波五人男」をモチーフにしてるそう。
 資金繰りから船の手配まで、紆余曲折しつつもなんとか調達。なんとか到着したイギリスでスコットランド・ヤードに取り囲まれ、警官が叫ぶ「ふりーず!」「ふーあーゆー!」「ふぁっちゅあねーむ!」と、それに答える 5 人の名乗りがまさに歌舞伎調。
 歴史に沿った擬古典は映画的。長講をたっぷりと。

 一方、素人芝居を題材にした古典の「蛙茶番」は軽妙に。
 舞台番を任された男が調子にのって着物の裾を端折ると、褌を締め忘れてて‥‥って場面。ここで実際に立ち上がり、着物の裾を端折ると真っ赤なゾウさんパンツが!

 大トリに「一発のオマンコ」と云うのもブラックらしい。すすきののトルコ風呂を訪れた親子 3 人連れが「3 人で 1 発のオマンコを‥‥」と掛け合うと云う、「一杯のかけそば」のパロディ。バカバカしくも涙ぐましい噺。


 終演は 21 時前。休憩もはさんでますが通しで約 10 時間になり、ブラックさんは 8 時間近くしゃべられたことになります。観てる方は途中でウトウトしたりもできますが、しゃべりつづけたブラックさんの気力・体力には敬服します。
 長いだけかと思いきやなかなか充実の会で、とくに期待していた「英国密航」は秀逸でした。以前に観てますし、CD で何度も聴いてましたが、ブラックさんの上手さが光る噺だと思います。これはぜひ一度、機会があれば聴いていただきたいネタです。

快楽亭ブラックの出直しブログ

|

« 糞尿特選落語会 | トップページ | 文太の会 in 高津の富亭 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 二代快楽亭ブラック襲名十五周年記念毒演会:

« 糞尿特選落語会 | トップページ | 文太の会 in 高津の富亭 »