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たまのフレンドリー寄席α

2007/12/2 @ワッハ上方レッスンルーム

  • 笑福亭たま 「住吉駕籠」
  • 露の都 「みやこ噺」
  • 笑福亭たま 「蛸芝居」
    ―― 中入り ――
  • 桂まん我 「しじみ売り」
  • 笑福亭たま 「胎児」 (作:たまよね)


 たまさんのなかで『たまのフレンドリー寄席α』は、大衆向けの『たまのフレンドリー寄席β』に掛ける前の試運転実験の場と云う位置付けだそうです。客層によって会を使い分けつつ、精力的に勉強会(『~β』は独演会?)を開かれるたまさんには感服です。
 この日は各所で落語会があったため、たまさんの会にしては少なめの入り。それでも 60 人は入ってたと思います。ゆったり座って満席って感じ。


 長めの二番太鼓のあと、たまの 1 席目の出囃子は「長崎さわぎ」のあと「石段」へ。直前まで準備できておらず、つなぎに流していたよう。
 次の都のため、軽いマクラからすぐに「住吉駕籠」を。笑福亭三喬のクスグリと林家小染のサゲを譲り受け、さらにたまが再構成したそう。
 駕籠屋が茶店の親父にドヤされたあと、酔っ払いに絡まれる。この酔っ払いがなにを云うてるのかわからんくらいの酔いどれで、さらにはエズきまくり。で、これがまたリアル。たっぷり吐き出してスッキリしたところで駕籠に乗り込み、駕籠屋は酔っぱらいを乗せて堺へ。ここから見事な汚濁噺に。後半の展開が米朝一門の型とはまったく違い、当然サゲも異なる。激しいアクションとたっぷりのクスグリと強烈な汚濁で、たま落語の真骨頂。

 高座のあと、そのまま息子の結婚式へ走ると云う都は、曰く「お正月でもないのに」黒留袖で登場。自身の 2 度の結婚の話からいろんな失敗談など、矢継ぎ早に息が切れるほどのマシンガン・トーク。黙ってるとツラいと云う話など、とにかくおもしろ過ぎる。電話を切る常套句「天ぷら揚げてます!」のネタで締め。

 たまの 2 席目「蛸芝居」はアクション満載。芝居の真似事での型もさることながら、逃げるタコを追う旦那の絡みではタコが『北斗の拳』のケンシロウばりの連打突き。
 クスグリも満載で、丁稚が位牌を使った芝居の真似事では力みすぎて位牌を折ってしまう始末。芝居はクサめだが、そこがまたリアルかつコミカル。たまらしいアニメ的なおもしろさ満載。

 中入りをはさんで、まん我は翌日の自分の会を軽く宣伝し、スッと「しじみ売り」へ。冬の寒さを丁寧に描きながら、義侠心のあるヤクザな親分と親孝行なしじみ売りの子どもとのやり取りをしみじみと。重くなりがちな人情噺だが、子分を道化役に仕立てて笑いをふりかける。ここらのさじ加減が巧妙・絶妙。

 たまの 3 席目は、この日の番組構成の顛末から。番組編成時のまん我とのやり取りを再現してると、袖からまん我が横やりを入れる場面も。いろいろとしゃべりつつ、先の人情噺の空気を変える。
 たまよね作品の「胎児」は、初期の「Baby」からかなり構成が変わっている。妊娠 8 か月の妻とその夫とのやり取りから、産婦人科でのエコー画像を見る場面へ。ここから場面が妊婦のおなかのなかに移り、双子の胎児がおしゃべり。帯をヘソの緒に見立てたり、逆子のままやったらマズいと逆立ちしてやり取りしたり。双子が産まれてサゲに。独創的な演出と SF とも云える内容で、笑いも多し。


 たまさんは色の違う笑いを 3 席、そこに爆笑トークの都さんとたっぷりのまん我さんですから、かなりバラエティーに富んだ充実の会でした。ええ雰囲気でした。

 次回は 12 月 21 日(金)に繁昌亭で『たまのフレンドリー寄席β』があります。

らくごの玉手箱

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