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師走しんおん寄席 桂こごろう独演会

2007/12/3 @そごう劇場

  • 桂雀五郎 「七度狐」
  • 桂こごろう 「牛ほめ」
  • 桂雀喜 「犬の目」
  • 桂こごろう 「替り目」
    ―― 中入り ――
  • 桂こごろう 「ちりとてちん」


 私にとって初めてのこごろうさんの独演会です。『しんおん寄席』はリサイタルホールやそごう劇場など、お上品な印象の漂う会場を使いますね。
 前日の『まもなく夜明け米朝事務所です』でも宣伝してたんで当日券ありだとは思ってましたが、入りは 9 割くらい。ポツポツと歯抜けに空席があったのは、販売ルートが複数あったからでしょうね。


 開口一番の雀五郎「七度狐」はしっかりきっちりテンポ良く。サゲは大根。

 こごろうの間にはさまれた雀喜は「そごう劇場は演りやすい。それに比べて‥‥」と、演りにくかった会の話題などをマクラに、「犬の目」を現代版で。眼科医の助手が長坂(ジャッキの本名)だったり、飼い犬がジャッキだったり。普通のサゲのあとに続きあり。

 雀五郎の出番中に簾内から会場の様子をうかがっていたこごろうの 1 席目は、そごう劇場での独演会に恐縮しつつマクラいろいろ。仕込んでバラす噺のタイプに合わせて、落語の稽古での失敗談。「兵庫船」で「船は岸を離れて沖へ沖へ」を「船は沖を離れて岸へ岸へ」と間違えたり。
 勉強会では牛をほめるくだりを抜いていた「牛ほめ」を、今回は完全版で。喜六的男が池田のおっさんの普請をほめる場面では、懐のあんちょこの読む場所を間違えて、戻ったり進み過ぎたり。「侮りなはんなー!」の連発に爆笑。最後は汚らしくなる場面を上手く抜いてサゲに。

 2 席目はやや緊張がほぐれた様子。酒飲みの小咄いろいろから「替り目」へ。前半の酔っ払い亭主と女房とのやり取りでは酔態でしっかり笑わせ、女房への思いを独白したり、うどん屋に友達の娘との思い出話を聞かせるくだりではしんみりほっこりさせる。愛すべき酔っ払いをサゲまでたっぷり好演。

 中入りをはさんでの 3 席目。「徐々に気が上がってきまして、あと 8 席くらい演りたいくらい」。マクラで「噺家になって、ええもんを食べられるようになった」と、食べ物の話から、師匠・桂南光直伝の「ちりとてちん」を。
 物喜びする喜六がハイ・テンションで幇間の様相。これは、旦那の誕生日に手ぶらできたため、冗談でも云って盛り上げようと云うところから。
 長崎名物の候補は「長崎へ行ってきました」に「黄色い恋人」に「黄色福」に「カスボン」。「黄色い恋人」に難色を示す旦那に喜六は「けどこれ、期限も切れております」と追撃。「ちりとてちん」の名が出ると、「ちょうどドラマでもやってる最中です」「そら本末転倒じゃ。まずこっちありきじゃ」と、タイム・パラドックスなやり取りも。
 物喜びしない竹がきて、家人がゲラゲラ笑いながら「ちりとてちん」を持ってくると、そのまま座敷に居座ってその後の顛末をみんなで観察。そこからサゲまでスパート。


 こごろうさんの 3 席はいずれも熱演。それぞれにこごろうさんなりの工夫が見られたのはさすがです。「牛ほめ」のクスグリも進化してましたし、「ちりとてちん」での時事ネタの入れ方も絶妙のバランス。そして、ほっこりした空気感に会場がつつまれた「替り目」が印象的でした。
 ぜひ来年も独演会を、と思わされました。

大阪新音

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コメント

ラジオの様子では入りが心配されたんですが、9割も入れば上出来じゃあないですか。よかった、よかった。
万全の「ちりとてちん」「替り目」だったようで、なによりです。

投稿: 高岳堂 | 2007.12.06 21:25

>> 高岳堂 さん
ご本人が苦手と云うマクラでのおしゃべりもいつになくたっぷりめで、ひさびさの独演会への気合いとサービス精神が感じられました。
もちろん落語は 3 席とも充実。
欲を云えば、「子は鎹」や「七段目」など、ちょっと毛色の違う噺が 1 席入ってても良かったかも。

投稿: わさび | 2007.12.07 10:43

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