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東西笑いの喬演

2008/2/29 @ワッハホール

  • 桂吉の丞 「米揚げ笊」
  • 柳家喬太郎 「猫久」
  • 笑福亭三喬 「住吉駕籠」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭三喬 「子盗人」
  • 柳家喬太郎 「ハワイの雪」 (作:柳家喬太郎)

※ 第 4 回


 前回は諸般の事情で行けなかった三喬さんと喬太郎さんの二人会へ、満を持して。補助席も出る大入り満員。何の気なしにコンビニで前売り買ったらこれが指定席で、最前列の端っこの方に。もうちょっと事前に情報を調べとくべきでした。


 開口一番の吉の丞は、得意の「米揚げ笊」。毎度ながら、笊屋が売り子の男に尻からげをさせる場面がたのしい。売り子が米相場師をしくじる手前まで。

 喬太郎の 1 席目は「馬に止動の誤りあり 狐ケンコンの間違いあり」の解説を云い間違えて「猫久」を。普段から猫みたいにおとなしい八百屋の久六が、血相を変えて刀を取り出し出て行ったそのわけを、近所の連中があれこれ。あの夫婦は変わってる、いや変わってないと、通りがかりの侍も交えてあれこれ。後半、近所の男が自分の女房に説教をする場面が「天災」のようでたのしい。

 三喬の 1 席目は、タクシー運転手の東西の違いで笑いを誘ってから「住吉駕籠」へ。茶店の主人、手づくしの値切り、侍、酔っぱらい、と云う構成。最後は酔っぱらいを乗せて、スズメ駕籠にカラス駕籠にツル駕籠。にぎやかでたのしく、サゲもわかりやすくてきれいに決まる。

 中入りを挟んでの三喬の 2 席目は、得意の盗人噺で「子盗人」。女房に金を無心されて盗人に出かける旦那が、入った先で子どもをあやす。そのさまが三喬のやわらかい表情と語り口にぴったりで、なんともかわいい。所々に入るダジャレも味が変わって効果的。

 トリの喬太郎は、マクラに師弟の話。師匠と自分の関係を客観的に見ていると、とても弟子を取る気にはならないそう。師弟関係の流れで、ドラマ『ちりとてちん』の感想も。ちょっとおかしく感じる場面も「大阪ってこうなんだ」と納得。貫地谷しほりなら弟子に取りたい、とも。
 「ハワイの雪」は、新潟に住む頑固ジジイのもとへハワイの女性から手紙が届き、孫のサポートでなんとかハワイへ行こうとする噺。爆笑の押しと人情の引きのコントラストが凄まじい。しかも押したり引いたりの繰り返し。終盤は客電も落とされ、しみじみした展開にグイグイと引き込まれる。


 とにかくトリの喬太郎さんには圧倒されました。おなじみのジジイのキャラもスゴいんですが、ひとつの噺のなかでの振れ幅の大きさがスゴいです。喬太郎さんは東西の壁を軽く越えてくる噺家さんですね。
 一方の三喬さんも、ほんわかたのしい雰囲気で、憎みきれない盗人がたのしかったです。

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たまクラブ

2008/2/28 @大阪市内某所

  • 笑福亭たま 「質屋芝居」
  • 林家卯三郎 「まんじゅうこわい」
  • 山澤由江・たま 《お囃子あれこれ》
  • 山澤由江・たま 《大喜利》
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭たま 「遊山船」

※ 第 6 回


 会の直前に案内があって入りが心配でしたが、それでも熱心なたまサンファンが 20 名ほど集まってました。さすがですねぇ。


 たまはまず『東西若手落語家コンペティション 2007 グランド・チャンピオン大会』の報告から。同期にあたる三遊亭好二郎が「宗論」を普通に演って爆笑を取る様に驚いたそう。
 1 席目がハメモノもふんだんに入る「質屋芝居」で、たまにしてはオーソドックスに。

 卯三郎は「まんじゅうこわい」を、怪談のくだりも入れてたっぷり。長屋連中のワチャワチャに合った口調でたのしい。

 山澤由江(三味線)を招いての《お囃子あれこれ》では、「同じ出囃子でも噺家に合わせて弾き方が変わる」と云うことで、山澤の実演で「○○師が△△師の出囃子で出ることになったら、出囃子はどう変わるか?」を実験。桂文福がたまの「長崎さわぎ(唄入り)」で出たら‥‥ってのが秀逸。
 そのままふたりで大喜利を‥‥と物ボケ。学生時代に落研だった山澤もなかなか。三味線で出囃子を弾いてから文庫本を手に「桂文庫(文紅)」としたり、サービス満点。

 中入りを挟んで、たまの 2 席目は、季節外れながらハメモノの入る「遊山船」。喜六と清八が遊山船に出てる料理にあれこれ云う場面をいくつかカットし、その代わりに繰り返しで笑いを誘うクスグリでふくらませた独自構成。テンション上がりまくりの喜六と、冷静にツッコむ清八の対比がたのしく、「振り袖に南京豆」で引っ張りまくり。サゲで噛んでしまったのが残念!


 お囃子コーナーは趣向がおもしろかったです。たまさんからの突然のリクエストにも応えられる山澤さんの力量もさすがですね。
 「遊山船」は、以前よく掛けられてたときは結局観られなかったんで、満を持してって感じでした。たまさんらしい再構成でたのしめましたが、おもしろさとともに風情をたのしむって側面もあると思うんで、玉子焼きや太巻きのくだりも上手く入れてほしい気もしました。

らくごの玉手箱

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桂あさ吉 英語落語独演会

2008/2/26 @天満天神繁昌亭

【英語落語を通して】

  • 林家染太 「Eye Doctor」
  • 桂あさ吉 「The Zoo」
  • 宝来家玉之助 《Daikagura》
  • 桂あさ吉 「MOMOTARO」
    ―― 中入り ――
  • 桂あさ吉 「Tea Ceremony」


 英語落語の会ってどうかと思ったんですが、あさ吉ファンとしては行っとかなあかんかなぁ‥‥と参戦。英語落語の会で当日が雨と云うことで入りがかなり心配でしたが、なんのなんの、1 階席がほぼ埋まり、2 階席にもお客さんが。上々でしょう。
 客席にもお手伝いにも外国人がチラホラ。女性客が多く、なんとなく客席にお上品な雰囲気が漂ってました。


 前座の染太の「Eye Doctor」(「犬の目」)は、いつもながらにぎやかで、表情がおもしろい。基本は英語だが、ときおり日本語を交えて。

 あさ吉の 1 席目は、マクラで海外公演のエピソードを。講座の説明が難しく、マットレスで組まれていたり、ふかふかの絨毯の上にハート型のクッションが置かれていたり。
 英語に直した小咄をいくつか紹介してから「The Zoo」(「動物園」)へ。基本どおりだが、「パンくれ~」がジュースになっていたり、ちょっとした変更も。

 色物に太神楽の玉之助。英語で自己紹介し、「奴さん」を踊りながらのバランスや、傘や刀でジャグリング。合間のしゃべりもたのしい。

 あさ吉の 2 席目は「MOMOTARO」(「桃太郎」)。子どもが親に「この話は親孝行を説いている」と説明するところを「ビジネス成功の秘訣が隠されている」としている。

 中入りを挟み、あさ吉の 3 席目「Tea Ceremony」(「茶の湯」)はネタおろし。そのまま英語に翻訳した感じだったが、英語の韻を使った地口を入れたりといった工夫も。地語りによる解説が多いだけに、構成の検討が課題になるかも。


 英語落語オンリーの会でしたが、満足いたしました。わかりやすいネタばかりですし、中学生くらいでも十分楽しめる内容だと思います。
 あさ吉さんの飄々とした語り口はなんとも云えないほんわかした味わいがあって、心地良い雰囲気になりますね。ネタおろしを持ってきた意欲も評価できると思います。

桂あさ吉@ブログ

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できちゃったらくご!

2008/2/25 @天満天神繁昌亭

  • 《オープニング》
  • 桂三金 (相撲)
  • 笑福亭たま (陰陽師)
  • 旭堂南湖 「ウエスタン」
  • 桂あやめ (七夕)
  • 桂三風 (望遠鏡)
  • 《エンディング》

※ 第 40 回
※ とくに記載のない場合は自作ネタ


 この日の夜席『天神寄席』の主任が笑福亭福笑さんで、ハシゴされるコアなお客さんもチラホラ。私は素直にレイトショーの『できちゃった』一本で。
 入りは 1 階席に 80 人くらい。茶臼山舞台の頃に比べたら倍くらい入ってるわけですが、新作ネタおろしと云う会の性質と、レイトショーってことを併せると、これくらいが妥当な入りだと思います。それでも客席アンケートでは半分くらいが初めてのお客さんで、そう云う意味では下手は打てないんで、演者さんへのプレッシャーは大きいのかも。
 今回は全員が《星》をテーマにネタを作ったそう。


 まずは今回出番がなくてやたらテンションの高い月亭遊方の進行でオープニング。全員登場し、ジャンケンで出番順決定。演者が引っ込み、遊方がプチ漫談から悪ノリして「それでは爆笑新作落語をおたのしみください。爆笑に次ぐ爆笑」と、ハードル上げまくり。

 三金は、角番脱出の掛かった大関が 7 勝 7 敗で最終日を迎え、まわりから白星につながりそうな食べ物を次々に持ち込まれる噺。白星へのつなげ方にややムリはあったが、デブネタだけにニンに合ってる。

 たまは台本が書き上がらないまま高座へ上がったそう。安倍晴明と芦屋道満の末裔が陰陽道対決する噺。呪術によって蛇に変えられた男が脱皮する様を、実際に着物を脱いで襦袢姿に。安倍晴明の紋が星形。

 南湖はなぜかウエスタン講談。マカロニ・ウエスタンの語源からワイルドな男への憧れなど、徐々にウエスタンの世界へ。バー・ワタミでたむろするならず者のヤタケタのベアーとビリー・ザ・キッドが決闘。小ネタがあちこちに。保安官バッジが星形。

 あやめは、七夕伝説の町・交野を訪れたカップルが謎の老婆に出会う噺。彼女がいきなりキレるが、徐々にファンタジックに、メルヘンチックに。サゲもきれい。

 ジャンケンに負けてトリになった三風は、望遠鏡で星空を観るのが好きな亭主の噺。こちらも女房がキレまくり。出て行った息子を見守る父親。亭主は結局、のぞきなのか?

 エンディングでは出演者が遊方に反撃。次回『育っちゃったまつり!』の招待券プレゼントも。


 出番がない遊方さんはいつも以上に元気ハツラツでしたが、出演者はみなテーマが縛りになって苦戦してた感じでした。でも、たまにこんなことをすると研鑽にはなるんじゃないでしょうか? 時々はこんなんもおもしろいと思います。
 この日は落語が 5 本だったんで、終演は 23 時ちょうどくらいに。ちょっとドキドキするんで、もうちょっと早めに終わっていただけるとありがたいですねぇ。

 次回は 3 月 29 日(土)に『育っちゃったまつり!』です!

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丸善落語会

2008/2/24 @丸善 名古屋栄店 会議室

【現代を語る! 桂あやめ・三遊亭白鳥 二人会】

  • 三遊亭白鳥 「メルヘンもう半分」 (作:三遊亭白鳥)
  • 桂あやめ 「セールスウーマン」 (作:桂あやめ)
    ―― 中入り ――
  • 三遊亭白鳥 「ナースコール」 (作:三遊亭白鳥)
  • 桂あやめ 「ルンルン大奥絵巻」 (作:桂あやめ)

※ 第 30 回


 東西の新作派のふたりが名古屋で激突! 東京でもあった二人会ですが、ちょっと近い名古屋の方をチョイス。以前から気になってた『丸善落語会』に行ってみたかったてのも理由のひとつ。近鉄特急で一路、名古屋へ。
 遠征すると微妙な時間調整ができず、開場 1 時間前に会場へ到着。それでも入場を待つお客さんが 10 人以上おられました。名古屋もアツい!?!?
 会場には、わりと高めにしつらえた高座と、後方には屏風代わりの金色のパネルがあり、寄席文字の名ビラもあって、なかなか寄席っぽい雰囲気。客席はフラットな大会議室に椅子が並べられてて、ザッと 200 人くらいの入り。


 白鳥の 1 席目は、マクラ代わりのお笑い落語健康体操から。観客のノリも良し。ネタは「ムーミン」と「もう半分」が合体した「メルヘンもう半分」をたっぷりと。こまかいクスグリは抜き差ししてるよう。以前はなかった、スナフキンとミイの関係をネタにしたクスグリに驚きの声が。あいかわらずミイが恐い。
 中入り後の 2 席目は、いろんなところで落語を演った話をマクラに、ドジな看護師のミドリちゃんが主役の「ナースコール」。ものすごいテンポで、それでも内容が伝わってくるから不思議。ここでもクスグリがこまかい。

 あやめの 1 席目は、上方落語の発祥から見台の使い方を解説。自己紹介がてらに自身の落語体験から入門にいたるまでの話や、『徹子の部屋』に出演したときの話など、いろいろとマクラたっぷり。女性の商売の話題から「セールスウーマン」へ。化粧品店の先輩後輩の噺。先輩美容部員が貫禄十分。後輩のたどたどしい接客もたのしい。
 トリの 2 席目は、ドラマ『ちりとてちん』にチラッと出演した話から、子どもの頃に夢中になったドラマ『大奥』の話へと話題が移り、まさかまさかの「ルンルン大奥絵巻」に。綾小路殿と河内殿のお局様抗争。河内殿とお竜のドギツいキャラがあやめならでは。クライマックスに登場する上様は、もちろん白鳥様が声の出演。あっぱれ。


 新作特集でしたが、おふたりとも古典風味の噺と女性の職場の噺を 1 席ずつで、なんとなく会にコンセプトがあるような構成でした。しかも最後はあやめさんと白鳥さんのコラボレーション。二人会であることの必然性みたいなものも感じられました。
 4 席ともおもしろかったのはもちろんですが、昨年末からノドの調子が悪そうだったあやめさんが回復されたようで、ちょっと安心しました。

 終演後、その場で買った白鳥さんの著書 『砂漠のバー止まり木』 にサインをもらいました。かなり売れてたようでしたよ。

楽茶会 桂あやめ H.P.
三遊亭白鳥公式ホームページ

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月亭会

2008/2/23 @アークホール

  • 月亭八方 《ごあいさつ》
  • 月亭八光 「アメリカ人が家にやってきた」 (作:桂三枝)
  • 月亭遊方 「たとえばこんな誕生日」 (作:月亭遊方)
  • 千樂一誠(舞踊千樂会) 《創作舞踊》
  • 月亭八方 「軒付け」

※ 第 3 回


 朝からチケットぴあに寄って、そのまま心斎橋の某カラオケ店へ。会社のカラオケ同好会の『カラオケまつり 2008 ミナミ 8 耐』に参加。それでもこの『月亭会』は外せないんで、中抜けして文の里へ。
 いつも前売り完売で、この日も 100 人ほどの入りに。


 いつものように開演前から八方が登場し、前説を兼ねたごあいさつ。いろいろ話すなかで、内海カッパ・今宮エビスのエビスが亡くなる直前のエピソードや、朋友の桂きん枝や中田ボタンの話も。楽屋ニュースの趣で、たっぷり 20 分超。

 八光はハワイで内田裕也にインタビューしたとき、本当に「シェケナベイベー!」と云ったってな話をマクラに、桂三枝作品の「アメリカ人が家にやってきた」へ。現代の噺は合ってる感じ。ただ、ややメリハリに欠け、上下の乱れやネタがあやふやになる場面もチラホラ。もうちょい。

 遊方は風邪をひいてるのか、やや鼻声でノドもつらそう。年齢にまつわる話をマクラに、この日が八方の誕生日と云うことで「たとえばこんな誕生日」を。誕生日に交通事故に遭ってしまった男の噺。救急隊員のイチビリ具合がなんともおもろい。

 千樂一誠の舞踊コーナーを挟んで、還暦を迎えたトリの八方は習い事の話から「軒付け」へ。心地良い軽妙な語り口でトントンと、それでいてたっぷり。登場人物がみなたのしそう。
 紙屑屋の三味線「テーンツテンテン」「トテチントテチン」「チリトテチン」はとっておきで、軒付けのキッカケには「テーンテーン」と。


 今回は 2 時間ちょうどくらいでした。中入りなしですから、これくらいがちょうど良いように思います。
 自分の会って云うこともあるでしょうけど、いつもながら八方さんはサービス満点ですね。それと、ちょっとした音響トラブルがあったときにアドリブですぐに身体が動くあたりは、さすが芸人だなぁと思いました。

 次回は 3 月 30 日(日)です。


 終演後、某カラオケ店へ逆戻り。『ミナミ 8 耐』も大盛況のうちに幕を閉じ、某カレー店にて打ち上げ。こちらもなかなかに盛り上がりました。

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福楽の底力

2008/2/22 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭たま 「いらち俥」
  • 桂福楽 「ふぐ鍋」
  • 笑福亭福笑 「もう一つの日本」 (作:笑福亭福笑)
  • 桂福楽 「寝床」

※ Vol. 13


 福楽さんの勉強会が、会場を上方亭から繁昌亭へ移しての第 1 弾。補助席も出て、いつもの 10 倍以上は入った感じ。隔月開催で、今後は師弟をゲストに迎えるようです。


 開口一番のたまは新聞の三面記事ネタで笑わせてから「いらち俥」へ。キッチリ 15 分枠に収まるよう刈り込まれてスッキリ。わかりやす過ぎるほど拡大されたクスグリと猛烈な勢いで笑い多し。

 ゲストの福笑は職業のカタカナ語化に物申してから「もう一つの日本」を。英語が苦手な社員が、商談のために訪れたアメリカ人の相手をする噺。福笑ならではの言葉へのこだわりが満載。コミュニケーションを取れずにイラつき出し、徐々にテンションの上がる様がおかしい。

 メインの福楽の 1 席目は、今年開催予定の自身の会の宣伝をたっぷり。繁昌亭で偶数月に『福楽の底力』、雀のおやどで 3 の倍数月に『ウラ福楽』、そのほか奇数月にも他の方と会をするよう。
 中国製冷凍餃子の話題から食べ物の話題をつないで「ふぐ鍋」へ。福楽らしいやわらかさで進めつつ、キレ芸をアクセントに。

 福楽の 2 席目は、芸能いろいろの対比をマクラに「寝床」を。登場人物の性格が出るよう適度に会話がふくらまされてて、噺全体がより立体的にたっぷりと。旦那のスネ具合が秀逸。


 福楽さんは体調もかなり戻られたようで、ネタでは演出でテンションを上げる場面もありますが、マクラなんかでは落ち着いた語り口でした。大入りでしたし、気合いも入って気持ち良く演られてたんではないかと思います。とくに「寝床」は以前観たときよりもかなりええ感じでした。
 そんな福楽さんを立てるように、福笑さんがやや若干ちょっとだけ抑え気味に演られてたのが印象的でした。

 次回は 4 月 17 日(木)、ゲストは桂雀三郎さんと桂雀五郎さんです。

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お囃子のお噺

2008/2/21 @高津の富亭

【東西三味線編】

  • 笑福亭たま 《お囃子紹介》
  • 旭堂南青 「具志堅用高物語」 (作:旭堂南青)
  • 笑福亭たま 「宿屋仇」
    ―― 中入り ――
  • 恩田えり・吉川絹代・たま 《東西三味線聞き比べ》
  • 笑福亭たま 「芝浜」


 ほとんど会の宣伝活動をしなかったようですが、それでも 30 人近くが集まりました。おなじみさんは半分くらいで、たまさんにも徐々に新しいファンが付いてきてますね。しかも女子率高し。


 まずはたまのごあいさつ。急遽、高座に大太鼓・締太鼓・拍子木を持ち出し、思い付きな感じでお囃子紹介。客席を見渡してビギナーが多そうとの判断と思われる。
 一番太鼓、二番太鼓、中入り前後、バレ太鼓における東西の違いについての研究成果報告と実演を駆け足で。

 南青は講談「あしたのジョー」の導入部をマクラに、たまのリクエスト「具志堅用高物語」を。具志堅用高の誕生から、苦労した高校生時代あたりまで。沖縄が舞台のはずなのに、出てくるヤクザは大阪弁と云うのが、さすが上方講談。お囃子の会を意識したアドリブも飛び出す余裕が。

 たまの 1 席目は「宿屋仇」。たまならではの刈り込みと膨らましがあちこちに。とくに宿屋の伊八と客の源兵衛が、隣を気遣って声を出さずにジェスチャーでやり取りする様子がたのしい。ハメモノが打ち合わせていたキッカケどおりに鳴らず、たま自身が思わず笑ってしまう場面も。

 中入りを挟んで、お囃子コーナー。東京の恩田えりと大阪の吉川絹代による出囃子の聞き比べ。ふたりがそれぞれ「石段」「長崎さわぎ」「たぬき」「だんじり」を弾き、東西の違いをたまが解説。総じて、東京は繊細、大阪は派手、と云った印象。

 たまの 2 席目は「芝浜」だが、大阪を舞台にしているため、芝浜は住吉の浜に置き換えられている。以前よりもかなり整理され、重さが取れてスッキリ。夫を思う妻の情をしっかりと。ハメモノは恩田えりによるもの。


 たまさんはお囃子をフィーチャーした会を何度かされますが、東西比較はその差が明瞭で、解説も手伝って素人にもわかりやすかったです。恩田えりさんが大阪へ来られる機会は少ないでしょうから、お囃子コーナーはもうちょっと時間を取ってもらっても良かったかも。
 正直、たまさんの 2 席はネタ繰りが不十分な場面もありましたが、たっぷりめのネタで趣向の仕込みもあったことを考えると仕方なかったかも。企画としての会の満足度は高かったです。

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神田愛山自宅講談会 六畳庵

2008/2/17 @神田愛山宅

  • 神田愛山 『大久保彦左衛門』より「将棋のご意見」
  • 神田愛山 「喘息療法」 (原作:結城昌治)


 IRON MAIDEN のあと夜行バスで帰ると云う手もあったんですが、なんだかもったいない気がして、一泊してなんか観よう!と思い、いろいろと調査。ところがめぼしい落語会もなく、思い出したのが愛山先生。サイトをチェックすると自宅講談会がありました。問い合わせてみると、愛山先生直々のご連絡をいただき、行ってみることに。
 ちなみに「六畳庵」と書いて「むじょうあん」と読ませるそうです。

 千葉で一泊し、翌日、東京都狛江市の愛山先生のお宅へ。住宅街のなかにある普通のアパートで、呼び鈴を押すと愛山先生自らお出迎え‥‥は、自宅だからあたりまえですね。
 ほんとに六畳間で、そこにお客さんが私を含めて 4 名。あと 2~3 人もくれば満員です。


 まずは 1 席目。将棋にまつわるあれこれをマクラに、将棋に傾倒する徳川家光に側近の大久保彦左衛門が意見する話。駒の動かし方さえ知らない彦左衛門が家光の心を動かすと云う、落語「将棋の殿様」(上方では「大名将棋」)と逆の趣向。彦左衛門の、盤上の駒を戦の陣形に置き換えての修羅場読みが、さすがの説得力。
 本来は家光が将棋を絶って終えるところを、将棋指しの愛山は、家光が程を覚えて将棋をたしなむようになった、としめる。

 つづいて 2 席目。結城昌治作品の講談化について軽く紹介し、そのなかから「喘息療法」を。仲の悪い夫婦の話。喘息持ちの妻が新聞にあった、喘息の原因がパートナーの存在であると云う医学論文を読み、偶然手に入れた青酸ソーダで夫を殺すことを決意する。
 前半のサスペンス仕立ての緊張感と、後半の意外で皮肉な展開との対比がおもしろい。グイグイ引き込まれる。


 古典と新作を 1 席ずつで約 1 時間。とくに結城昌治作品はおもしろかったです。やっぱりミステリーと講談は相性が良いですね。
 終演後、愛山先生を交えてちょっとおしゃべりして散会となりました。

 『六畳庵』は基本的に隔週日曜日の昼に予定されてるそうですが、愛山先生の都合さえ合えばいつでも開催してくれるそうです。興味のある方は下記 URL よりお問い合わせください。

神田愛山の話芸ドットネット

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IRON MAIDEN - Somwhere Back In Time World Tour 08

2008/2/16 @幕張メッセ


 IRON MAIDEN の 5st アルバム『POWERSLAVE』から 7th アルバム『SEVENTH SON OF A SEVENTH SON』までを中心に、初期の楽曲で構成されたセット・リストでのワールド・ツアー。前々回のツアーでは 1st~4th の曲によるセットでしたが、日本公演はありませんでした。これはもう、期待するしかないですよね。
 で、今回は横浜と幕張のみ。なんでやねん!と思いましたが、今回は Ed Force One と命名されたボーイング 757 をブルース・ディッキンソン〈Vo〉自ら操縦して各国を(文字どおり)飛び回ってるため、機材運搬の都合なんかで会場が選定されたような気がします。

 ぷらっとこだまで東京へのんびり移動し、そこから幕張へ。腹ごなしして会場入りするも、2 重 3 重の関所があってなかなか入れません。その割には荷物チェックとかしないんです。なんで?
 やっと入ってグッズ売り場へ直行するも、ツアー・オリジナルの T シャツは速攻で売り切れ。仕方ないんで騎兵とミイラのを購入。それにしても、ユーロ高とは云え 1 枚 5 千円はキツい!
 荷物をクロークに預けて観戦エリアへ。オール・スタンディングですが、左右に分かれてるだけです。圧力のなさそうな PA 前でスタンバイ。


 まずはオープニング・アクト、スティーヴ・ハリス〈B〉の娘の ローレン・ハリス で幕開け。普通のロックだが、父親のバンドの前座経験が多いだけあって、ステージ・アクションが派手で見応えはあり。特徴のある曲が 2~3 曲できればかなり良くなりそう。約 30 分のステージ。

 約 20 分のセット・チェンジで照明が落とされ、UFO の“Doctor Doctor”が流れ、観客のヴォルテージも上昇。つづいてチャーチルの演説が流れ、そのまま“Aces High”へ。こら、盛り上がらん方がおかしい!
 ブルースは前日の横浜公演の直後と云うこともあってか、高音が出づらいようだったが、それでもあれだけ動きまくってることを考えるとスゴいとしか云いようがない。とくに中域ののびはすばらしい。
 音楽向けホールでないため反響がやや残るものの、サウンド・バランスは良好。とくにメタル系のコンサートではやたらヴォリュームを上げる傾向にあるが、今回は抑えめで音割れも皆無。

 とくに今回の個人的聴きどころは“Powerslave”、“Moonchild”、“The Clairvoyant”の 3 曲。“Rime Of The Ancient Mariner”もだが、今後のツアーではよっぽどのことがない限り演奏されないだろう。とくに“The Clairvoyant”に感動。

 ブルースは“The Trooper”でユニオン・ジャックを振りまくり、“Rime Of The Ancient Mariner”や“Powerslave”ではそれっぽい衣装に着替えるなど、フロントマンとして大活躍。とにかく隙あらば「Scream for me, Tokyo!」を連発して煽りまくり。
 スティーヴもステージを右へ左へサービス満点。デイヴ・マーレイ〈G〉、エイドリアン・スミス〈G〉、ヤニック・ガーズ〈G〉の 3 人はほぼ定位置で。もちろんニコ・マクブレイン〈Ds〉も定位置。
 そして定番曲では観客も大合唱。これは圧巻。

 ステージ・セットは『POWERSLAVE』に合わせたエジプト風に。後方のバック・ドロップはカーテン式になっていて、曲によって 5~6 種類を使い分け。
 本編後半に 6th アルバム『SOMEWHERE IN TIME』風のバック・ドロップに替わり、本編最後の“Iron Maiden”では 6th アルバムのサイボーグ・エディが登場。

 アンコールの『SEVENTH ~』からの 2 曲につづく“Hallowed Be Thy Name”もまた格別。もう大団円としか云いようのないエンディングに。


 いやはや、とにかくすばらしかったです。まさに名曲の波状攻撃。演奏も安定感抜群でしたが、とくにブルースはパフォーマーとして最高レヴェルの仕事をこなしていました。
 幕張まで行った甲斐はありました。でも、大阪だったらもっと盛り上がったのかなぁとか思ったり。次回はぜひ大阪でお願いします。


    --- Opening: Churchill's Speech ---
  1. Aces High
  2. 2 Minutes To Midnight
  3. Revelations
  4. The Trooper
  5. Wasted Years
  6. The Number Of The Beast
  7. Can I Play With Madness?
  8. Rime Of The Ancient Mariner
  9. Powerslave
  10. Heaven Can Wait
  11. Run To The Hills
  12. Fear Of The Dark
  13. Iron Maiden

    --- Encore: Dickinson's Speech ---
  14. Moonchild
  15. The Clairvoyant
  16. Hallowed Be Thy Name

IRON MAIDEN Official Website

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桂吉弥の新お仕事です。 in 繁昌亭

2008/2/14 @天満天神繁昌亭

  • 桂さん都 「強情灸」
  • 桂吉弥 「かぜうどん」
    ―― 中入り ――
  • 桂紅雀 「いらちの愛宕詣り」
  • 桂吉弥 「立ち切れ線香」


 今年はいろんな噺家さんの「立ち切れ線香」を観ようと思ってまして、この日は吉弥さんがネタ出しされてたんでチケットを取りました。なんとこの会、ドラマ『ちりとてちん』効果もあってか 3 日ほどで完売。取れて良かった~。
 で、もちろん大入り満員で、立ち見のお客さんも。やっぱり女性率高し。1 階席後方の補助席はなく、収録用のカメラが入ってました。ソフト化されるのかもしれませんね。


 トップのさん都は、おなじみの教育関係者向けの会でのひとコマをマクラに「強情灸」を。強情な男が腕にお灸を据え、その火が下りてきた瞬間の表情が秀逸。やせ我慢する様がまたお見事。

 ひさしぶりの紅雀は、おなじみの 1 日郵便局長での顛末をマクラに「いらちの愛宕詣り」を。おっちょこちょいな失敗を繰り返すいらちの男に、嫁がツッコむ「あんたそれ、いらちと違うんとちゃうか?」と云うセリフに納得。

 吉弥の 1 席目は「桂吉弥、またの名を徒然亭草原と云います」から、ドラマ『ちりとてちん』の影響で顔を指されることが多くなった話などをマクラに、物売りの売り声いろいろから「かぜうどん」へ。安定感抜群だが、うどん屋の売り声にもう少し冬の寒さがほしいところ。陽気な酔っぱらいはあいかわらず上手い。

 2 席目は、内弟子時代に桂米朝のお供で祇園のお茶屋へ行ったときの話をマクラに、線香で時間を計ったことを解説してから「立ち切れ線香」へ。師匠の桂吉朝の型でキッチリと。笑わせるところは少ないが、番頭が三文ガンほど笑うところなど、ちょっとしたところに自身の色を加えてるのが意欲的。


 吉弥さん、あいかわらず上手いですねぇ。ただ、もうちょっとゆっくり間を取ってしゃべっても良いような‥‥と思わされる場面がチラホラ。逆に云えば、まだまだ伸び代があるってことでしょう。
 吉弥さんも良かったんですが、トップのさん都さんがメチャクチャ良かった! ニンに合った噺ってのもあると思うんですけど、苦悶の表情を浮かべつつやせ我慢を口にする男が抜群で。今後がたのしみです。

 この日は吉弥さん目当てのお客さんが集まったため客席の雰囲気も良く、非常にええ会でした。これからますますチケットが取りづらくなりそうです。

桂吉弥ホームページ

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坂口修一 Solo Act Live 『火曜日のシュウイチ』

2008/2/12 @in→dependent theatre 1st

※ Stage 88


 朝からの雨はやみましたが、冷え込みが厳しく。天候のせいか、待ち行列はいつもより少なめで、入りも 30 人くらい。予約も少なかったのか、椅子も少なめの配置でした。


 この日のメニューは↓こちら。

  • 『身体からいろんなモノを出す男』
  • シュウイチの輪
  • SyuTube
  • 『ミッド・ナイト・エクスプレス』 第 44 話 「出町柳常務の黒い闇」
  • エンディング

月替わりゲスト作家作品 『身体からいろんなモノを出す男』
 身体からいろんなモノを出す男の無言劇。ダンス&マイム。
[構成・演出:ウォーリー木下(sunday)]

超短編連続ドラマ 『ミッド・ナイト・エクスプレス』 第 44 話 「出町柳常務の黒い闇」
 田々南徹のホスト・チームが分裂危機。(全 50 話)
[作・演出:サシマユタカ]

 月替わりゲスト作家のウォーリー木下が前説。諸注意のあと、この日は坂口修一に替わって実弟のケイジが舞台を務めるというムチャ振り!?!?

 今回はオープニングもなく、いきなりスタート。そして無言。文字どおり『身体からいろんなモノを出す男』が繰り広げる、不思議な時空間。
 全身タイツの黒子がウロチョロしてたり、チープなギミック盛りだくさんで、それでも不思議さが前面に出てて安っぽく見せないところはさすが。煙と証明と映像を使った演出はお見事。観客を舞台に引っ張り上げたりも。
 トータル 40 分ほどだったが、もうちょっとテンポ・アップしても良いかも。

 「シュウイチの輪」のゲストは、ビルチュ田川こと田川徳子(劇団赤鬼)が ミス・エアギター・ジャパン・コンテスト 2007 に出場したときのエピソードをたっぷり。
 ちなみに「《ビルチュ》とはドイツ語で《キノコ》のこと」と本人が云っていたが、実際には pilz で《ピルツ》の方が近い。

 『ミッド・ナイト・エクスプレス』は佳境に突入し、徹とシルバーフォックスのホスト・チームの抗争が激化。特命の指令を受けた徹が苦渋の選択で、チームは分裂の危機に。最近は 10 分越えがあたりまえみたいで、登場人物の数もさることながら、とにかく情報量が多い。


 無言劇ってどんな感じなんかと思ってましたが、シュールな展開でなかなか楽しめました。ただ、もうちょっと短くまとめて、ひさびさに《土の会セレクション》を入れてほしかった気がします。
 『ミッド・ナイト・エクスプレス』の方は、スケールがデカいんだか小さいんだか、なんだかスゴい展開に。ファンは来月末までに全話おさらいしておく必要アリ、ですね。
 ご本人が 88 回目のステージを指して「もう 88 回ですよ。米寿ですよ」には笑ってしまいました。米寿って。

火曜日のシュウイチ
坂口修一の日記

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快楽亭ブラック毒演会

2008/2/11 @TORII HALL

【快楽亭ブラック最新 CD『下ネタ』発売記念】

  • 快楽亭ブラック 「味噌蔵」
  • 快楽亭ブラック 「お血脈」
    ―― 中入り ――
  • 快楽亭ブラック 「全女番」 (作:快楽亭ブラック)
  • 快楽亭ブラック 「オマン公社」 (作:快楽亭ブラック)


 今回はひさびさの CD 付き落語会。新シリーズ『成人落語アワー 下ネタ』には「紀州飛脚」「艶笑小咄」「抜けマラ」が収録されてて 2,100 円です。
 入りはいつもどおり 40 人ほど。ブラックさんの会だけに、かなり独自の固定客が付いてる感じです。


 1 席目のマクラに、東京のとあるちゃんこ屋で聞いてきた話。その店を訪れた桂ぽんぽ娘が「自分がドラマ『ちりとてちん』の主人公のモデルだ」と吹聴してたそうな。貫地谷しほりがぽんぽ娘? となると、渡瀬恒彦が演じる師匠役のモデルは桂文福? となると、この先の『ちりとてちん』の展開が読める!?!?
 前半は古典で、まずは「味噌蔵」は、味噌屋のケチな旦那が留守の間に、店の連中で酒宴を開く噺。意外とオーソドックスだが、下男の権助が注文するラーメンが SM チック。上方では聞かないネタだが、酒宴でハメモノを入れられるんで上方向きかも。

 つづいて 2 席目は、最近は神社仏閣を訪ねることが趣味になってきたと云う話から、仏教の起こりなどから。そのまま日本の神道や仏教伝来、さらに善光寺の話へとつないで、自然な流れで「お血脈」へと。ここらの構成はお見事。
 善光寺の《血脈の印》のおかげで地獄が閑古鳥。地獄で国会審議のような対策会議の結果、石川五右衛門を派遣して血脈の印を盗ませることに。
 JR「長野」駅に降り立った五右衛門は、駅前の「ホテルサンルート長野」に逗留。そこで観た有料ビデオに興奮し、若い女性マッサージ師を呼ぶも生理で「月経かな、月経かな~」。バカバカし過ぎ。「三十石」や「地獄八景亡者戯」の一節を挟んだり、遊びふんだんに。

 中入りを挟んで 3 席目は、相撲界の裏話あれこれから。龍虎に聞いた話や、青葉城とのエピソードなど。格闘技つながりでプロレスの話へと、マクラたっぷり。
 唐突に落語へ。「湯屋番」かと思ったら、若旦那が紹介されたのが全日本女子プロレスで「全女番」。女子プロレス自体が下火になった現在では、とくに若い人には通じないかも。

 最後は橋下大阪府知事の話題から、立川談志の選挙活動など。そのあと始まったのが「ぜんざい公社」のパロディーで「オマン公社」。もちろん現在の財務大臣が登場。これはもうブラック十八番で、役所の人間の慇懃な口調がなんともおかしい。じっくりたっぷり。


 4 席たっぷりで 2 時間半。しゃべり倒しでした。古典に躊躇することなく現代のクスグリを入れてくるんですけど、ブラックさんならなんでも OK な感じがします。今回は「お血脈」が出色の出来でした。
 2 席目以降も文福・ぽんぽ娘師弟のネタを引っ張りまくりで、あっちこっちで出てきてました。大阪向けのサービスでしょうね。

 次回は 4 月 5 日(土)です。次回は CD が付きませんのでご注意を。

快楽亭ブラックの出直しブログ

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繁昌亭昼席

2008/2/10 @天満天神繁昌亭

  • 林家染太 「時うどん」
  • 桂こけ枝 「手水廻し」
  • 月亭遊方 「奇跡のラッキーカムカム」 (作:月亭遊方)
  • 桂三象 《舞踊》
  • 笑福亭仁福 「子ほめ」
  • 桂かい枝 「堪忍袋」
    ―― 中入り ――
  • 露の吉次 「夢見の八兵衛」
  • 森乃福郎 「煮売屋」
  • 笑福亭鶴笑 「パペット落語 立体西遊記」 (作:笑福亭鶴笑)
  • 笑福亭福笑 「釣道入門」 (作:笑福亭福笑)

※ 第 72 週


 トリが福笑さんと云うこともあってか、11 時半過ぎですでに満員御礼の札止め。あいかわらず繁昌亭昼席の入りはスゴいです。


 トップの染太「時うどん」は二人ヴァージョンで、頭で食うはずの清八が顔で食うと云う予想外の展開。時間枠の都合で早送りになってしまってたのが残念。

 つづくこけ枝はひさしぶり。ツルツル頭で笑いを誘ってからの「手水廻し」は、見本のような高座。田舎宿の連中の田舎弁が弱かったが、意図的な演出か?

 遊方はおばちゃん話で共感を得るも、雑誌の裏のインチキ・アクセサリーでは共感を得られず、不安な表情のまま「奇跡のラッキーカムカム」へ。先輩に金を借りて幸運グッズを買おうとする後輩の噺。クスグリのこまかさがおもしろい。

 三象は自己紹介から漫談的にいろいろしゃべりつつ、徐々におかまチックな雰囲気に。高座でメイクし、袖に引っ込んで早変わり。大川栄策の“女の街角”を 3 番まできっちり踊る。

 仁福は出てくるなり目の前の観客のあくびにガックリ。うだうだ云いつつ「子ほめ」へ。細部はかなり雑だが、独特のフラでなんとも云い難い味がある。

 かい枝は女性の話、嫁の話、祖母の話とマクラをつないで「ハル子とカズ子」かと思いきや、いきなり方向転換して「堪忍袋」。喧嘩する夫婦のキャラ立ちまくり。

 中入りを挟んで、吉次はマクラからやや肩に力が入っている感じだったが、なるほど、師匠・露の五郎兵衛の十八番「夢見の八兵衛」を。八兵衛のしゃべりがややオーバーだが、力みが抜ければかなり良くなりそう。

 福郎は軽いマクラから「煮売屋」を軽く。時間調整か?

 鶴笑は紙切りでつかんでからパペット落語「立体西遊記」を。孫悟空が忍者のような気もしたが‥‥どっちにしてもネタの基本構成はいっしょなんで。まぁそんなことは関係なく、何度観てもおもろい。

 福笑の登場にあちこちから「待ってました!」「福笑!」の声。船場吉兆から冷凍餃子から世界情勢までマクラたっぷり。
 ネタはの「釣道入門」は、名人がビギナーを連れて渓流釣りに出かける噺。ビギナーの「おっとっとっと~、ま~た釣~れた~!」と、たっぷり間を取ってからの「ギョエッ!」がポイント。名人のキレっぷりも凄まじい。


 いつもよりちょっと長めの 4 時半終演。この日は個人的に美味しい番組だったんで、お得感がありました。満腹。ただ、お客さんがおとなしめで、みなさん苦戦されてた感じでした。ここらがライヴの難しさですね。

天満天神繁昌亭

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エレベーター企画 『後瀬の花・安穏河原』

2008/2/3 @プラネットホール

原作: 乙川優三郎
演出: 外輪能隆
出演: 穴見圭司(dracom)、なかみちあき、菊谷高広(遊劇体)、土本ひろき、大野美伸、松下茜(舞夢プロ)

後瀬の花
 店の金を盗んだ太物屋の手代・矢之吉は、飲み屋の女中・おふじと駆け落ちする。追っ手の足音に怯え、追い詰められた二人は、いまさらに、どうしてこんなことになってしまったのかと後悔し、互いをなじりはじめる。
 そのとき二人はあることに気づき、相手を、そして自分自身を見つめなおすのだった。
安穏河原
 己が信じる志のために郡奉行を自ら退身し、零落した浪人・羽生素平。家族のために女郎に身を落とした素平の娘・双枝。素平に頼まれて双枝に会いに行く若い浪人・織之助。
 気ままに生きていながら心の中は索漠としている織之助だったが、潔い心を失わず、幼き日の親子で出かけた河原の光景を支えに生きている双枝の姿に、人間の値打ちを見出していく。

※ 公演パンフレットより


 小雨が降るなか、森ノ宮のプラネットホールへ。寒さも相まって客足が心配でしたが、やや押した開演の頃には 80 人くらいに。


 広めに取ったフラットな舞台の奥には格子が斜めに立てられており、空間を二分している。格子の手前で物語が展開され、奥でナレーション等が語られると云う演出。

 まず『後瀬の花』。雨のなかを逃げる矢之吉(穴見圭司)とおふじ(なかみちあき)。多くは語り合わないが、依存しあう男女の機微を描く。(約 40 分)
 大柄の穴見に男の傲慢さが感じられるが、かわいらしいなかみちに水商売の女のしたたかさが希薄。それでも最後に女ならではの芯の強さを感じさせる。
 岩見のつんつるてんの着物が気になる。

 つづいて『安穏河原』。自ら身を売った双枝(大野美伸)を案ずる素平(菊谷高広)と、素平に雇われ双枝に会いに行く織之助(土本ひろき)を軸に、双枝を介してつながる二人の男の心情とその変化を描く。(約 70 分)
 刹那的に生きる織之助が双枝に惹かれてゆく一方、あまりにも世間知らずで織之助から現実を突きつけられ愕然とする素平。立場は違えど双枝への気持ちを内に秘めた男たちの想いがズシリと。
 数年後、双枝の陰がかいま見える娘(松下茜)と出会う織之助。喜びが静かに。


 エレベーター企画初の時代劇でしたが、いくつかの男女の愛の形を描いた 2 つの短編は、エレベーター企画にしてはわかりやすい作品でした。それでも表層的な展開に終始しない演技・演出はエレベーター企画らしいなぁ、と。わかりやすいだけに、重さをダイレクトに感じられたのかも。

エレベーター企画

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笑福亭福笑一門会

2008/2/2 @天満天神繁昌亭

【たった二人の一門会】

  • 笑福亭たま 「不動坊」
  • 笑福亭福笑 「無いもん買い」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭たま 「蛸芝居」
  • 笑福亭福笑 「宗教ウォーズ」 (作:笑福亭福笑)

※ 第 2 回


 昼は島之内のお茶屋・たに川にて『一生に一度はお茶屋遊びをしてみたいぞの会』に参加。たに川の 若旦那 のお茶屋解説に始まり、美味しいお弁当に舌鼓を打ちつつ昼間っからおビールをいただき、芸子さんの舞を堪能し、お座敷ゲームの「金比羅船々」や「虎々」を体験。それなりのお値段でしたが、それなり以上の経験をさせていただきました。これで一見さんではなくなって、次から個人的に利用できる?
 お茶屋ってのは基本的に《座敷を貸す商売》で、そこで客が心地良く過ごすための演出をしてくれるところだそうです。お酒を飲みたければ用意してくれるし、うどんを食べたければ取り寄せてもくれる。なかには座敷を借りて麻雀をするお客さんもいるそうな。芸子を呼ぶ・呼ばないは客の自由だそうです。もっとも、なにをするにもそれなりのお足は必要ですが。

 南森町へ移動し、コーヒー・ショップでウトウト‥‥。

 ひと息ついて繁昌亭へ。昨年につづいて 2 度目の福笑一門会は早々に前売り完売したようで、補助席はもちろん、立ち見も大勢出る大盛況。


 まずはたまが露払い。マクラに、繁昌亭開席以降に入門した後輩、いわゆる繁昌亭チルドレンの「これあかんでしょ?」をたっぷり。いままであちこちで聞いたことのある話の総集編で、ネタ繰れまくり。
 「不動坊」はフル・ヴァージョン。嫁を迎えることになった利吉のニヤケも、風呂屋でのノロケも増量。クサされたやもめ三人衆の屋根の上での騒動も増量。最初から最後までテンション高く、クスグリてんこ盛り。

 つづく福笑は挨拶のあとに「あいつ 43 分演りやがった」。4 席で 2 時間半越えを宣言。考えていた船場吉兆のマクラが冷凍餃子騒動でワヤになったと、それでも中国ネタを交えてあれこれ。世相の転がし方はお手のもの。
 「無いもん買い」は『年越しオールナイト』で演ったときよりもクスグリ増量。味噌屋で喜六的男が《泣き味噌》を注文し、丁稚から喜六的男から番頭からみな泣き出して、最後には清八的男まで泣き出す始末。

 中入りを挟んで、たまの 2 席目「蛸芝居」は、こちらも独自のギャグ満載。とくに旦那とタコが芝居に興じる場面が秀逸で、最後はタコの北斗百裂拳が旦那に炸裂。(さすがに爆発はしないが) 芝居はあくまでもクサく、ハメモノが入ってにぎやかに。

 トリの福笑は「ジャズ大名」の出囃子で登場。マクラで日本人の無節操な宗教観をぶった切り。しかし、本題の「宗教ウォーズ」に比べれば甘いもの。犬猿の仲である神主と住職の想像を絶する争いは、双方譲らずドンパチにまで発展し、最後には落下傘部隊まで登場。「なんと云う、なんと云う、なんと云うヒドい落語なんだー!」の絶叫に、云うとわかっててもやっぱり爆笑。


 4 席で 2 時間 40 分。たまさんの熱演で福笑さんが発奮し、これでもか!と云うたっぷり濃厚な一門会に。福笑一門をたった二人とあなどる事なかれ、ですね。

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遊方のゴキゲン落語会

2008/2/1 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 月亭遊方 《幕開前戯噺》
  • 桂雀太 「天狗さし」
  • 月亭遊方 「迷走配達人」 (作:月亭遊方)
    ―― 中入り ――
  • 月亭遊方 「奇跡のラッキーカムカム」 (作:月亭遊方)

※ 第 24 回


 遊方さんの人気がジワジワ浸透してきてるようで、この会も徐々にお客さんが増えてます。今回は 50 人くらい。
 この日は冷え込みが厳しかったと云うことで、入場時に使い捨てカイロをいただきました。こうしたちょっとした心遣いはうれしいですね。


 まずは遊方の前説から。遊方自身に弟子入り志願者がきたことから、師匠の月亭八方の元を訪れた変わった弟子入り志願者の話いろいろ。志願者の予測不能の言動に爆笑。

 雀太は昨年の仕事納めにまつわる話から。バーでたまたま隣り合わせた男がヤクザで、親分の出所祝いの宴席の余興に呼ばれたとか。緊迫のドキュメンタリー。
 たっぷりのマクラから「天狗さし」を。天すき屋を始めようと云う男の、知恵がありそうでちょっと抜けた感じがグッド。口跡も良く安定感抜群。サゲは「すき焼きあきらめて天ぷらにしよ。最初から衣が付いてる」とわかりやすく。

 遊方の 1 席目「迷走配達人」を高座に掛けるのは今回で 2 度目。極度の方向音痴の郵便局員が配達部に配属される噺。初めてのところでは部屋の中でさえまともに歩けないと云う設定からしておもろい。初めての配達に行くも、案の定、迷いまくってどんどん遠くへ。ベタなギャグが満載。

 GUNS N' ROSES の“Paradise City”で登場した遊方の 2 席目は、その人がきたら絶対スベると云う《スベリ男》のエピソードや、占いの話をマクラに、「奇跡のラッキーカムカム」へ。幸運グッズに翻弄されまくる人々をコミカルに。ツイてるのかツイてないのか微妙な幸運の連続がおかしい。


 この日は落語もさることながら、遊方さんも雀太さんもマクラが秀逸でした。遊方さんはおもしろエピソードがたまってるそうで、トーク・ライヴの構想もあるみたいですよ。そっちの方も実現してほしいです。

 次回は 5 月 26 日(月)です。

遊方 FOR YOU!

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