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エレベーター企画 『後瀬の花・安穏河原』

2008/2/3 @プラネットホール

原作: 乙川優三郎
演出: 外輪能隆
出演: 穴見圭司(dracom)、なかみちあき、菊谷高広(遊劇体)、土本ひろき、大野美伸、松下茜(舞夢プロ)

後瀬の花
 店の金を盗んだ太物屋の手代・矢之吉は、飲み屋の女中・おふじと駆け落ちする。追っ手の足音に怯え、追い詰められた二人は、いまさらに、どうしてこんなことになってしまったのかと後悔し、互いをなじりはじめる。
 そのとき二人はあることに気づき、相手を、そして自分自身を見つめなおすのだった。
安穏河原
 己が信じる志のために郡奉行を自ら退身し、零落した浪人・羽生素平。家族のために女郎に身を落とした素平の娘・双枝。素平に頼まれて双枝に会いに行く若い浪人・織之助。
 気ままに生きていながら心の中は索漠としている織之助だったが、潔い心を失わず、幼き日の親子で出かけた河原の光景を支えに生きている双枝の姿に、人間の値打ちを見出していく。

※ 公演パンフレットより


 小雨が降るなか、森ノ宮のプラネットホールへ。寒さも相まって客足が心配でしたが、やや押した開演の頃には 80 人くらいに。


 広めに取ったフラットな舞台の奥には格子が斜めに立てられており、空間を二分している。格子の手前で物語が展開され、奥でナレーション等が語られると云う演出。

 まず『後瀬の花』。雨のなかを逃げる矢之吉(穴見圭司)とおふじ(なかみちあき)。多くは語り合わないが、依存しあう男女の機微を描く。(約 40 分)
 大柄の穴見に男の傲慢さが感じられるが、かわいらしいなかみちに水商売の女のしたたかさが希薄。それでも最後に女ならではの芯の強さを感じさせる。
 岩見のつんつるてんの着物が気になる。

 つづいて『安穏河原』。自ら身を売った双枝(大野美伸)を案ずる素平(菊谷高広)と、素平に雇われ双枝に会いに行く織之助(土本ひろき)を軸に、双枝を介してつながる二人の男の心情とその変化を描く。(約 70 分)
 刹那的に生きる織之助が双枝に惹かれてゆく一方、あまりにも世間知らずで織之助から現実を突きつけられ愕然とする素平。立場は違えど双枝への気持ちを内に秘めた男たちの想いがズシリと。
 数年後、双枝の陰がかいま見える娘(松下茜)と出会う織之助。喜びが静かに。


 エレベーター企画初の時代劇でしたが、いくつかの男女の愛の形を描いた 2 つの短編は、エレベーター企画にしてはわかりやすい作品でした。それでも表層的な展開に終始しない演技・演出はエレベーター企画らしいなぁ、と。わかりやすいだけに、重さをダイレクトに感じられたのかも。

エレベーター企画

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