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繁昌亭昼席

2008/4/28 @天満天神繁昌亭

  • 桂ちょうば 「いらち俥」
  • 林家竹丸 「動物園」
  • 桂三扇 「又も華々しき華燭の典」 (作:桂三枝)
  • ダブルダッチ 《漫才》
  • 笑福亭仁勇 「貧乏花見」
  • 桂枝三郎 「寝床」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭達瓶 「うどん屋」
  • 桂文喬 「研修医・山田一郎」 (作:桂文喬)
  • 桂三象 《踊り》
  • 笑福亭松喬 「親子酒」

※ 第 84 週


 繁昌亭カードのポイント有効期限が迫ってたんで、なんとか行ける日を算段しての昼席参戦です。いつものように超満員。


 ちょうば、竹丸、三扇までトントンと。とくに三扇は口慣れたネタで、何度聴いてもたのしい。
 ダブルダッチはひさびさに見たが、大阪のおばちゃんネタがおもしろい。あるあるの積み重ねだが、身近なネタだけに笑いも多し。
 ここで福楽のはずが、仁勇に。印刷パンフも仁勇になってたため、事情で交代となったよう。たのしみにしてただけに残念。
 中トリの枝三郎はさすがに客の転がし方が上手い。「寝床」は、町内の衆の断りは簡単に、奉公人の病状をたっぷりと。トントントンとテンポ良く、サゲを微妙に変えて。

 中入り後に事件発生。達瓶の「うどん屋」は「親子酒」の息子とうどん屋とのやり取り。やたらハイな文喬、いつもの爆笑舞踊の三象を挟んで、トリの松喬は逡巡するようにたっぷりめのマクラを振ってから「親子酒」へ。さすがに達瓶とは比較にならない上手さだが、客席もざわついたまま終演。


 いやはや、ビックリな事件でした。ネタがツく(同趣向のネタが出る)てなことはままあるでしょうが、まったく同じネタとは‥‥。会場を出てからも、お客さんの間ではこの話題で持ちきりでした。

天満天神繁昌亭

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與兵衛桃林堂かしや寄席

2008/4/27 @與兵衛桃林堂

  • 笑福亭たま 「時うどん」
  • 桂雀喜 「野崎詣り」
  • 桂こごろう 「桜の宮」

※ 第 3 回


 当初は鬼束ちひろのあと 1 泊して東京の落語会に行こうと思ってたんですが、この日の『かしや寄席』にて某こごろうファンさんがお囃子デビューと云うことで、夜行高速バスで帰宅し、しばしの休息を挟んで八尾へ。
 お客さんは約 80 人の札止め。早くから大勢来られてました。


 トップのたまは八尾の印象で笑いを誘い、小咄や三面記事ネタなど、マクラたっぷり。執拗に時刻の解説をしてから「時うどん」へ。最初に都々逸の入る型。反応の良い観客に乗せられてか、普段以上にアクション過多で、いつもより余計に箸で突く。

 つづいて雀喜が、師匠の桂雀三郎の話から太極拳の話まで、定番マクラできっちり自分の空気に。《小粒》の解説を挟んで「野崎詣り」へ。「参詣人でにぎやかなこと~」で聞き覚えのある唄声が。
 喜六と清八のやり取りがチョカチョカした感じでかわいらしい。とくに喜六はかなり頼りなくて、そこがまたかわいい。後半に稽古屋の屋形船も出てきて華やか。

 トリのこごろうはごく軽くマクラを振って「桜の宮」を。花見の趣向で仇討ちの芝居しようと云う稽古屋仲間の 4 人のキャラがそれぞれ立ちまくり。とくに仇の浪人役の松っつぁんが、稽古ではメチャクチャ下手くそだったのが本番では芝居クサさ満点で、このギャップがまたたのしい。喜ぃさんのチョカさ加減も半端なくて最高。


 三者三様のおもしろさで、おおいに満足させていただきました。お客さんの反応も良く、演りやすかったんではないかと思います。
 最後におまけ(主役?)の和菓子付き。この日はまもなく 5 月と云うことで柏餅をいただきました。おいしかったです。

 次回は 10 月頃の予定です。

與兵衛桃林堂

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鬼束ちひろ - NINE DIRTS AND SNOW WHITE FLICKERS

2008/4/26 @オーチャードホール


 鬼束ちひろに会いに、赤坂から渋谷へ。あいかわらず人が多過ぎな渋谷駅前から、携帯片手にオーチャードホールへ到着。おそらく普段はクラシック・コンサートやオペラなんかが催されてる会場だと思います。スゴい上品な、ハイソな感じのホールです。
 今回は鬼束ちひろオフィシャル・サイトの先行予約で取れました。ただ、席がわからなかったんで他の先行予約も 3~4 回挑戦したんですが、ことごとく惨敗。一般発売ではもちろん取れず、奇跡の参戦となりました。キャパ 2,000 のホールで 1 回こっきりのコンサートでしたから、取れなかった人も多かったと思います。


 定刻より少し遅れて、ピアノの独奏でショウがスタート。ステージ後方の紗幕に鬼束のシルエットが浮かび、その紗幕が上がっていよいよ登場。白のロング・ドレスに身を包んだ鬼塚はおもむろにマイクをつかみ、ア・カペラで新曲を披露。鬼気迫る雰囲気。
 つづく“Cage”で、すでにすすり泣く音が会場のあちこちから。実際、新作で気になった歌唱能力については、ライヴでは力強い歌いっぷりでまったく問題なし。数曲の既発曲ののち、新曲“everyhome”もスタジオ録音よりも数段良い感じ。このあとカバー 2 曲をアクセントに。とくに“なごり雪”は鬼塚の雰囲気にぴったりで、グッとくる。
 とくに MC を挟むこともなく、客席へ歌を届ける。独特の前傾姿勢で力強く歌い、1 曲歌い終わるごとに深々と礼をする姿は、とにかくストイック。
 後半は新曲と、休養前のシングル中心に選曲。そのなかに“Sign”が入っていたことに感動。そして“私をワルツを”を歌い終わり、礼をして退場。

 アンコールでは黒の T シャツに黒のスパッツに着替えて登場。代表曲“月光”ののち、初めて発した言葉は「最後の曲です。新曲です。“蛍”」。
 すべてを歌い終え、演奏陣もステージ前へ並び、鬼塚がひと言「礼!」。そのまま舞台袖へ去りながら、客席に向けて V サイン。鬼塚本人も復活の手応えを感じたか。


 とにかく鬼束ちひろの歌声の力強さに打たれました。アルバムではちょっと心配なところもありましたが、ライヴではブランクを感じさせませんでした。音響はもちろん良かったです。
 以前のように全国ツアーとかへの展開はまだ先になるかもしれませんが、今回のようなプレミアム感を演出する単発コンサートはこれっきりにしてほしいと云うのが正直なところです。観たい人・聴きたい人が参加できない不健全な状況はどうかと思います。もちろんソフト化等での救済措置もあるとは思いますが。

 とにかく感動が大きかったです。


  1. Aria Da Capo (『ゴールドベルグ変奏曲』より)
  2. SUNNY ROSE
  3. Cage
  4. 流星群
  5. infection
  6. 眩暈
  7. everyhome
  8. なごり雪
  9. You've Got A Friend
  10. Angelina
  11. MAGICAL WORLD
  12. 僕等 バラ色の日々
  13. いい日旅立ち・西へ
  14. Sign
  15. 私とワルツを

  16. 月光

鬼束ちひろ official homepage

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月影番外地 『物語が、始まる』

2008/4/26 @赤坂 RED/THEATER

原作: 川上弘美
脚本: 千葉雅子(猫のホテル)
演出: 木野花
出演: 高田聖子(劇団☆新感線)、加藤啓(拙者ムニエル)、辻修(動物電気)


 2006 年にその幕を下ろした、高田聖子を核としたプロジェクト【月影十番勝負】が、突如【月影番外地】として復活してました。
 鬼束ちひろのコンサートでの上京ついでになんか観に行こうと調べてて発見。公演直前で後方の席しか空いてませんでしたが、またとない機会ですから落語以外のイヴェントを、とチョイス。東京で観劇は初めてかも。


雛形を拾った。
何の雛形かというと、簡単に言ってしまえば男の雛形である。
・・・・・・・生きている。

 山田ゆき子(高田聖子)は偶然出会った雛形(辻修)と生活を始めるが、恋人の本城(加藤啓)との関係はぎくしゃくしだす。人間よりも成長の早い《雛形》と云う奇妙な存在を絡めた三角関係。
 とくに「雛形とは何ぞや」と云う提示がなく、前半が非常に理解しづらい。人間とは別種の生命体であると理解できたあたりから、三者のパワー・バランスによる物語の方向性の揺れをつかみ取ることができ、終盤に向けてグイッと急浮上。
 地味な OL 役の高田が、特異な三角関係のなかで逆に浮き立つ感じ。主体性がないようでいて、雛形に対する感情の変化が見て取れる。恋人の視点であったり、母親の視点であったり、姉の視点であったり、妻の視点であったり。
 ときおりセリフが文語調になるのが気になった。演出効果として、あえて引っかかるように入れてるのかもしれないが、ストーリー自体が SF 的で不自然きわまりないため、逆にセリフは自然の方が良いように思われた。突如挿入されたダンスも、演出意図が理解しがたい。


 復活の月影で期待感が高まってただけに、前半は「こら失敗したかな‥‥」と思いながら観てたんですが、後半の盛り返しでまずまず納得って感じでした。
 ストーリーが SF 仕立てで不思議感が漂ってるだけに、演出では奇をてらわずとも良いように思いました。もっとも、凡人には計り知れない深淵なる意図が込められてたのかもしれませんが‥‥。

月影番外地 『物語が、始まる』
高田聖子の見られていい日記

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できちゃったらくご!

2008/4/25 @天満天神繁昌亭

  • 《オープニング》
  • 月亭遊方 「マジ喰う?マッシュルーム」
  • 桂三金 「メタボリンピック」
  • 桂三風 「親孝行体験講座」
  • 桂あやめ 「私はおじさんにならない」
  • 笑福亭たま 「よもぎまんじゅう」
  • 《エンディング》

※ 第 41 回
※ とくに記載のない場合は自作ネタ


 レイトショーの『できちゃったらくご!』は 1 階席に 7 割くらいの入り。それでも半分くらいは初できちゃったのお客さんで、初落語会のお客さんもチラホラ。


 MC の旭堂南湖の呼び込みで出演者が登場するも、遊方は登場せず。新作ができず、トップで以前作ったネタを演ることが決まってたそう。残りのメンバーがジャンケンで順番決めしたあと、南湖がメンバー紹介で時間つなぎ。

 ややテンション低く登場した遊方は、地方の余興でのエピソードをマクラに、登山ビギナー 2 人組が遭難し、野生のキノコを食べて‥‥って噺。舞台上で笑いまくる遊方に引きまくる観客。キノコの副作用を変えればどうにかなるかも。

 三金は『繁昌亭デブサミット』で演ったデブ大喜利の紹介から、時事ネタでオリンピックの噺‥‥と思いきや、デブ専門の競技大会の噺。やっぱりデブネタ。実況は奥野武志、解説は桂三金、レポーターはスリーゴールド。一者三様? 三者一様?

 三風も地方の余興でのエピソードをマクラに、田舎の郷愁へと話題をつなぎ、親孝行を疑似体験できるスクールの噺。やや不自然な設定・展開ながら、三風自身の人柄が出たええ感じのラスト。

 あやめはこれまでの新作履歴をたどりつつ、「私はおばさんにならない」を作ったときの心境を披露してから、その発展系の「私はおじさんにならない」を。おばちゃん化を通り越しておっさん化したキャリア・ウーマンが、政治や株の話をしたり、ダジャレを連発したり。
 この段階では構想のみで未整理の部分も多く、キーワードを書き出したメモを見ながら。これからの成長に期待。

 自らトリを選んだたまは、台本を最後まで書ききれず。緊張感が漂う客席をほぐそうとショート落語を演るも、ややスベリで緊張感が増す。
 16 歳の娘との結婚を許可してもらいに 18 歳の男が訪ねてくる噺。たまの新作にはめずらしいホーム・ドラマで、後半はええ話にシフトするも、未完成で流れもサゲもわかりづらい。

 エンディングで南湖が開口一番「結構おもしろかったですね」。遊方は凄まじく低いテンション。客席から男性客が絡んできて変な空気に。次回の『育っちゃったらくご!』招待券抽選会でお開き。


 今回はひさびさにグダグダ感が漂ってました。もっとも、茶臼山時代と比べたらまだパッケージとして体裁は整ってましたが。
 グダグダ感を増幅させたのが、エンディングで絡んでた男性客。自分の思いついたことをどんどん舞台の噺家さんにぶつけて、しかも一方的で意思の疎通すらまともにできてない、まさに空気を読めない典型のような人でした。

 次回は『育っちゃったらくご!』が 5 月 16 日(金)の夜席に。『できちゃったらくご!』は 6 月 25 日(水)のレイトショーです。

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慰安旅行 りょかんでらくごで旅ごこち

2008/4/24 @あい粂旅館

  • 【出発】 桂吉の丞 「東の旅・発端~煮売屋」
  • 【旅路】 桂こごろう 「七度狐」
  • 【宿泊】 桂歌之助 「宿屋仇」
         ―― 中入り ――
  • 【帰路】 林家花丸 「三十石」

※ さかいひろこ works プロデュース Vol. 12


 各線「天満」駅から徒歩数分、ビルの谷間になんとも風情のある旅館がひっそりと。都会の隠れ家ってこのことでしょうね。「旅館で旅ネタ特集を」と云う趣向の会です。
 2 階の広間に 50 人ほどのお客さんで、あと 15 人くらいは入れそうな感じでした。観客の 8 割が女性で、独特のお客さんが付いてる感じです。


 吉の丞はほとんど笑いのない「発端」をトントントンと心地良く、「野辺」は喜六と清八のやり取りをシャキシャキと、「煮売屋」は酒を選ぶくだりまで。わかりやすく丁寧な口跡が好感触。

 こごろうの「七度狐」は、村人や尼僧の味付けもさることながら、喜六と清八のキャラが立ちまくりで、ふたりのやり取りを何気ない会話までふくらませてたっぷりと。お小夜後家もちょっといちびった感じに。「狐の尻尾かと思ったら‥‥」のサゲ。

 歌之助は「宿屋仇」を、顔芸と云っても良いほど表情豊かに。兵庫の 3 人連れのにぎやかさもたのしい。たっぷりをテンポ良く。

 中入りを挟んで、旅の締めくくりは花丸の「三十石」。土産物屋から船宿と、喜六と清八が乗り込んだ船が出発するまではワチャワチャとたのしい。船頭の舟歌の場面では、下座から桂吉弥の歌声も。そしてなによりも、朝もやの天満が目の前に広がるような静かな幕引きが美しい。


 みなさんたっぷり演ってくれましたが、とくにこごろうさんのふくらませ方は独特でした。やり取りの自然さと云うか、あの喜六だったらこんなリアクションするだろうなって感じがたのしかったです。
 もともと「宿屋仇」は『東の旅』の一節ではありませんし、順番的には「三十石」のあとに「宿屋仇」の方が旅程としては自然な流れでしょうが、会の締めくくりとしては花丸さんの「三十石」がベストでしょうね。
 某 F さんの調査によると、お囃子の笛も吉弥さんだったそうです。

 次回は 7 月 12 日(土)に奈良のカナカナで季節ネタ特集《ゴー!ゴー!サマータイム!》が催されます。

さかいひろこ works

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福笑と異常な仲間たち アブノーマル演芸会

2008/4/23 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭たま 「ドーベルマン刑事」 (作:笑福亭たま)
  • 笑福亭福笑 「宿屋ばばぁ」 (作:笑福亭福笑)
  • 松元ヒロ 《スタンダップコメディ》
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭福笑 「入院」 (作:笑福亭福笑)
  • 松元ヒロ 《スタンダップコメディ》

※ Vol. 1


 福笑さんの新企画は立ち見も出る大入り満員。福笑さんのセレクトによる、ちょっと変わった芸人さんをライヴで紹介する会になるようです。


 トップのたまは、この日の楽屋に来ていた桂文福のエピソードを紹介すると、文福が舞台に顔を出して「も、も、も、もぉええ」。師匠の福笑のエピソードも紹介し、自作の「ドーベルマン刑事」を。犬飼警部とその相棒のシナモン(ドーベルマン)と新米刑事の噺。いつもは羽織を使って表現する防護布を、この日は手拭いで。ジェスチャーで会話できるシナモンが、この日はお好み焼き、たこ焼き、芝居の真似事を。

 福笑の 1 席目は、自主興行にまつわるぶっちゃけトークをマクラに、自作の「宿屋ばばぁ」を。とある山奥の温泉宿での噺。這いうごめくような宿屋の女将の登場シーンはいつも爆笑。荒唐無稽な珍事の連続で笑いてんこ盛り。

 ヒロの 1 席目は、探りさぐりな感じでスタート。軽妙な語り口でジワジワと政治ネタ時事ネタ皇室ネタ。やんわり客イジリも交えて会場が笑いで一体に。パントマイムも事前の解説付きなのが親切。どれも大ウケ。

 中入りを挟んで福笑の 2 席目。開口一番「松元ヒロさん、いかがでございましたでしょうか?」に観客は拍手喝采。あとに出てくる松元ヒロにプレッシャーを掛けてから「入院」へ。検査入院先での大騒動。とにかく笑いのパターンが多く、以前よりかなり整理された感じ。後半は全身複雑骨折の患者の悲劇が笑いの中心になり、これが痛おもろい。

 トリのヒロは「トリで色物が出るって、ないですよ」とドギマギ。風船のパントマイムをマクラ代わりに、自身の生い立ちへ。鹿児島で生まれ、駅伝選手として活躍した中学・高校時代から、大学に入って笑いの道へ。笑パーティ、ザ・ニュースペーパーを経てソロ活動へ。笑いたっぷりの自己紹介。
 テンポ・アップして政治ネタ時事ネタ皇室ネタをたっぷり。最後に《きょうのニュースと天気予報のパントマイム》を。ニュースと天気予報の朗読はたまが。ヒロのすさまじい動きが視界の隅に入ってくるのか、たまも笑いをこらえながらの朗読。もちろん観客は大笑い。


 松元ヒロさんは初めて観ましたが、ネタのチョイスがおもしろく、語り口の軽くて聴きやすいですね。時事ネタが入れ替わる半年に 1 回は観てみたい感じです。
 福笑・たまの師弟も自作ネタで笑い多しでした。かなりお得でおもしろい企画ですから、第 2 弾にも期待!です。

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朝日東西名人会

2008/4/22 @シアター・ドラマシティ

  • 笑福亭たま 「いらち俥」
  • 三遊亭白鳥 「マキシム・ド・のん兵衛」 (作:三遊亭白鳥)
  • 桂小米朝 「稽古屋」
    ―― 中入り ――
  • 桂小春團治 「さわやか侍」 (作:小佐田定雄)
  • 三遊亭小遊三 「大工調べ」

※ 第 9 回


 ひさびさの『朝日東西名人会』は 9 割入り。以前は半分くらいしか入ってなかった回もありましたから、まずまずの入りでしょう。ひょっとすると招待券を配りまくってるのかもしれませんが。


 トップのたまは新聞の 3 面記事ネタやショート落語ベストでほぐしてから「いらち俥」へ。いつもながらアクション過多ながら、時間枠の都合でクスグリはいつもよりやや少なめ。後半もやや端折り気味で、市電の運転士は理解しづらかったかも。時間枠を逆手に取ったサゲは上手い。

 白鳥は自己紹介に着物の解説から実家ネタ、母親ネタなど。ネタは自作の「マキシム・ド・のん兵衛」。老夫婦が経営する流行ってない居酒屋を、見よう見まねで東京の高級レストラン風にしてみる‥‥って噺。特有の早口ツッコミが伝わりきらなかったかも。

 中トリの小米朝は、マクラに入門から米團治襲名までの裏話。あちこちで話してるとみえて、かなり繰られてておもしろい。「稽古屋」の方は、喜六のチョケ具合や稽古屋の師匠のはんなりした雰囲気などが軽妙洒脱。はなやかでにぎやかでたのしい、良い出来の高座に。

 中入りを挟んで、小春團治はテレビの時代劇の話をマクラに「さわやか侍」を。日常に退屈した若殿様が変装して市井に出る噺。世間知らずの若殿様のバカさ加減がいちいちおもしろい。

 トリの小遊三に「待ってました!」と声が掛かる。この日、カッパ横町で柳家小さん(三代目)と三遊亭圓遊(初代)の速記本を発見し、意を決して購入したそう。
 「べらぼう」の語源や江戸っ子気質、職人気質なんかを導入に「大工調べ」へ。大工の棟梁の威勢の良さが心地良く、とくに後半、借金の形に与太郎の大工道具を押さえた頑固な家主に浴びせかける立て板に水の啖呵に拍手喝采。半ばまで。


 小遊三さんはあいかわらずさっぱりしてて良いですね。江戸落語らしいネタのチョイスも良かったと思います。白鳥さんとたまさんもいつもどおりおもしろかったですし、小春團治さんもいつもの安定感でたのしませてくれました。
 それよりなにより、小米朝さんの高座が思いのほか良く、かなり得した感じでした。米團治襲名が決まり、米朝と云う重荷が取れて肩の力が抜けたのかもしれませんね。秋の襲名披露興行がたのしみです。

 次回は 7 月 15 日(火)です。

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福楽の底力

2008/4/17 @天満天神繁昌亭

  • 桂雀五郎 「動物園」
  • 桂福楽 「野崎詣り」
  • 桂雀三郎 「悋気の独楽」
  • 桂福楽 「ふたなり」

※ Vol. 14


 あいにくの雨で当日券も伸び悩んだか、1 階席に 9 割くらいの入り。前回が満員だったことを考えると減少ですが、それ以前に比べればこれでもまだ十分増員してますから、まぁ良いとは思うんですけど‥‥。


 雀五郎の「動物園」は初めてだが、トラのアルバイトをする男がとぼけた雰囲気で、ここらは雀五郎風味。ライオンが迫ってくるときにはもうちょい阿鼻叫喚がほしいところ。

 ゲストの雀三郎は、男女の笑い方の違いから、女性の嫉妬の話へとマクラをつないで「悋気の独楽」へ。悋気する御寮人さんや、それに取り入る女子衆、御寮人さんや女子衆に詰め寄られて困る丁稚など、メリハリが効いててたのしい。独楽が玉突き衝突するサゲは初めて聴く型。

 福楽の 1 席目は、客入りの減少をやや気にしつつ、落語ブームの話などをマクラに。「野崎詣り」は喜六のとぼけ具合と唐突なキレ具合とのコントラストがおもしろい。
 2 席目はごく軽いマクラから「ふたなり」へ。偉そうなことを云ったがじつは怖がりな親っさんの心情変化が笑いを誘う。後半、親っさんを探しに出掛けた村の若い衆二人連れの掛け合いもたのしい。


 福楽さんの「野崎詣り」はかなり良いですね。「ふたなり」では独自のクスグリも入ってて、これがまた福楽風味満点でたのしかったです。どちらも丁寧に語った感じで、満足度高し。ゲストの雀三郎一門も安定感抜群でした。

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立川談春独演会

2008/4/14 @ワッハホール

【サイン本おみやげ付き!出版記念】

  • 立川こはる 「千早振る」
  • 立川談春 「粗忽の使者」
    ―― 中入り ――
  • 立川談春 「ねずみ穴」


 談春さんが自著 『赤めだか』 出版記念全国ツアーの初日です。サイン本付きで、入場時にいただきました。ちょっと早めに行ってロビーで虫養いしてたんですが、この本を抱えてロビーを一生懸命駆けてたのが、談春さんのお弟子さんのこはるさんでした。
 前売り完売で満員。サイン本の用意のためか、追加席は制限してたかも。


 開口一番のこはるは初見。「千早振る」を教科書どおり丁寧に。柳亭こみちにも似た感触。

 談春の 1 席目は、自著出版にまつわるあれこれから、師匠の立川談志と異常な客とのエピソード(本に書けなかったネタ)など、まずはマクラをたっぷり。おかげで予定時間を超過したか、唐突に「粗忽の使者」へ。「月並丁稚」の侍版で、初めて使者の役に就いた侍の粗忽ぶりがたのしい。
 中入りを挟んでの 2 席目は、1 席目のマクラを受けて「ねずみ穴」を。兄に金を無心するも体裁良く帰らされた弟が一念発起し、立身出世してひさしぶりに兄を訪ねる。金をめぐる兄弟の確執と邂逅を丁寧に。


 やっぱり談春さんは滑稽なネタでも上手さが先にきますね。江戸落語は粗忽者とか与太郎とか、ボケ役が極端にバカ過ぎるんで、「青菜」とか「時そば」とかの仕込んでバラすネタを聴いてみたいです。
 「ねずみ穴」は談春さんの真骨頂って感じでした。とにかく兄貴が極悪人のようで、ほんとに弟を思って金渡さんかったん?と疑ってしまいます。
 最後に、6 月 28 日(土)に東京・歌舞伎座で開催する師匠との親子会の情報を発表されました。料金はチとお高めですが、こちらも気になりますねぇ。

立川談春 Official Homepage


 談春さんの高座とは関係ありませんが、客席で革靴をこすり合わせて音を鳴らす輩に辟易しました。うっかり鳴ってしまうことはあると思いますが、ちょいちょい何度も鳴らすってのはどう云う神経してるんでしょうね。まぁ無神経なんでしょうけど。

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文楽 4 月公演

2008/4/13 @国立文楽劇場

【第 1 部】

  • 競伊勢物語はでくらべいせものがたり
    • 玉水渕の段
    • 春日村の段
  • 勧進帳かんじんちょう

【第 2 部】

  • 日吉丸稚桜ひよしまるわかきのさくら
    • 駒木山城中の段
  • 桂川連理柵かつらがわれんりのしがらみ
    • 石部宿屋の段
    • 六角堂の段
    • 帯屋の段
    • 道行朧の桂川

※ 第 110 回


 今回は『勧進帳』が掛かると云うことでか、前売りの出足が早かったです。こんなとき、週末しか行けないサラリーマンはツラいですね。仕方がないんで、第 1 部はサイドの高台から鑑賞。こっから観るのは初めてでした。
 その第 1 部は 9 割以上の入り。ちょっと早めに行って予習をしとこうと、ロビーでパンフレットを読んでたんですが、団体客がかなり多かったです。


 『競伊勢物語』は在原業平が絡む時代物で、皇位継承権をめぐるふたりの親王の争いに業平が巻き込まれる。これがかなりややこしい展開で難しい。
 業平をかくまう豆四郎の女房が、母親に処罰の手が掛かるのを避けるためわざと自分を勘当させるよう仕向けるが、このときの云い草が「風呂が沸いてない? 娘を風呂に入れたくないのか!」みたいな感じで、思わず吹き出しそうに。

 『勧進帳』は義経と弁慶の話で、これも時代物。関所を通過するときに見つかりそうになった義経を、弁慶が「おのれが義経に似てるから疑われるのじゃ!」と金剛杖で打ちすえ、その場をやり過ごす。主君を思うがゆえに手を上げねばならない弁慶のつらさが伝わってくる。
 弁慶の舞に見られる静と動のコントラストや、六方を踏んで退場する弁慶など、演出の随所に様式美を感じる。


 第 2 部までの短い入れ替え時間に遅めの昼食をとダッシュでロビーへ出ると、人間国宝・竹本住大夫の御姿が! 我が目を疑いつつカレー屋へ。
 昼食後、ホッとひと息つきつつ会場へ。落語ファン的には第 2 部のお半長がお目当てなんですが、こちらは 6 割程度の入り。


 『日吉丸稚桜』は日吉丸(後の豊臣秀吉)の出生から描かれた時代物で、「駒木山城中の段」は墨俣の一夜城以後の話。とにかく人間関係が複雑で、ほとんど内容を理解できず。しかも唐突に自害する者がいたり、それを放ったらかしで話が進んだりと、構成にも無理があり、どうも入り込めずうつらうつら‥‥。

 『桂川連理柵』は落語「胴乱の幸助」でもおなじみの世話物。継母おとせに長右衛門が詰め寄られる「帯屋の段」には笑いもあり、長丁場を感じさせない構成の妙。
 親子ほども年の差のあるお半と長右衛門の道行は因果のようでいて、それを引き寄せてしまっているのが人間の業であることと、そしてなによりも、死ぬことでしか悲恋を終結させることのできない時代の窮屈さを感じさせる。


 今回はとにかくお半長が良かったです。もともと興味があったこともありますが、ドラマとしてのおもしろさを堪能できました。
 一方、やっぱり時代物は難しいですね。『勧進帳』は物語よりも演出でたのしませる構成だったんで理解も容易でしたが、『競伊勢物語』と『日吉丸稚桜』は人物の相関関係が複雑で、「実は‥‥」と云うトピックスも多く、鑑賞中はほとんど理解できず、勉強不足・予習不足を痛感しました。

国立文楽劇場

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神田愛山独演会 IN 大阪

2008/4/11 @薬業年金会館

  • 旭堂南海 「加古川赤壁明神の由来」
  • 神田愛山 『白子屋政談』より「髪結新三」
  • 神田愛山 「留守電菌」 (作:神田愛山)


 ひさびさの愛山先生の大阪での独演会。入りが心配でしたが、ザッと 25 人くらいでまずまず形になった感じです。落語ファンのお姿もチラホラ。


 まずは前講に南海が、出身地の加古川にまつわる「赤壁明神の由来」を。日銭を稼いで博打に明け暮れる男と、不思議な力を持った猫の話をたっぷりと。

 愛山の 1 席目は、ボソボソとした語り口からマクラいろいろ。徐々に声が出てきて「髪結新三」へ。金に困った白子屋が持参金目当てに娘のお熊を結婚させる。その金に目を付けたのが、出入りの髪結の新三郎。最後の芝居がかった啖呵が心地良い。
 つづけての 2 席目は自作の SF 講談「留守電菌」。あるときから自宅の留守番電話に相手の本音が録音されるようになる‥‥と云う話。ショート作品ながら、人間のイヤラシい部分を浮き彫りにするアイディアと、最後のドンデンがたのしい。


 約 1 時間半の会でしたが、愛山先生の語りをたっぷり堪能した感じです。ご本人も次回への意欲を見せておられたんで、またの来阪公演がたのしみです。
 開演がもう少し遅ければありがたいんですけど、会場都合もあって難しいようです。手頃な会場ってなかなかないもんですね。

神田愛山の話芸ドットネット

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“旬”作落語会

2008/4/9 @天満天神繁昌亭

  • ナオユキ 「地球のすみずみに憲法の花を」 (作:小林康二&ナオユキ)
  • 笑福亭松枝 「ザ・ご用心」 (作:阪野登)
  • 笑福亭福笑 「今、教育現場が危ない」 (作:玉井史朗)
    ―― 中入り ――
  • 姉様キングス 《音曲漫才》
  • 笑福亭鶴笑 「パペット落語 イモムシくん物語」 (作:笑福亭鶴笑)
  • あやめ・鶴笑・染雀 《二人羽織》

※ 4 月公演・初日


 国境なき芸能団が 4・5・6 月に 2 日間ずつ開催する、ブラジル遠征資金調達のための会。笑工房による啓蒙作品と、あやめ・鶴笑・染雀によるおたのしみ演芸バラエティで構成されてます。
 会の直前に「チケットが売れてない」と云う情報もあったんですが、満員でした。


 トップのナオユキは初見。パンチの効いたルックスと気だるい語り口が特徴的。世間の日常にボソッとツッコむ芸風で、独自の笑いの世界の徐々に引き込まれる。憲法第 9 条を変えてはいけないと云うメッセージを軸に、自身の小ネタを随所に織り交ぜて。

 松枝は悪質訪問販売の手口を落語化したネタ。データのすり替えをはじめとした具体的な手口が詳細で、主客転倒する後半もおもしろい。

 福笑は軽いマクラから、荒れた中学校を舞台にした噺。反抗的な生徒が突然まともなことを云い出したり、「この親にしてこの子あり」な後半もおもしろい。

 中入り後は姉様キングスから。この日は都々逸、ぎっちょんちょん、阿呆陀羅経。桜にちなんだ都々逸で自虐ネタ爆発。のどかな曲調のぎっちょんちょんでなごみ、阿呆陀羅経はトリ尽くし。

 つづく鶴笑は名ビラや座布団がなくてあたふた。パペット落語は 20 cm くらいのイモムシを使った新作。こぢんまりしてるが、イモムシの動きがかわいくてたのしい。簡単な状況説明のあとはセリフがなくてもできそうで、海外公演向け。

 最後は二人羽織。幇間の鶴八(鶴笑)があやめの気を引くために染雀の手を借りて三味線を弾く‥‥と云う趣向。以前にも観たが、少しまとまった感じ。鶴笑の眉に塗ったインクが流れてきてえらい顔に。


 前半はやや説教クサい雰囲気もありましたが、めずらしいネタを観られたってことで納得。とくに初見のナオユキさんが好印象で、本ネタも観てみたいと思いました。
 中入り後の演芸バラエティが本命のお目当てで、こちらはいつものにぎやかさで発散して大満足。やっぱりあやめ・鶴笑・染雀のトリオって芸達者でおもしろいです。

 次回は 5 月 21 日(水)、22 日(木)です。

NPO 法人 国境なき芸能団

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桂三若全国落語武者修行ツアー「陽の訪れのように」ファイナル

2008/4/1 @天満天神繁昌亭

  • 《座談会》
  • 桂三若 「七度狐」
    ―― 中入り ――
  • 《座談会》
  • 桂三若 「ゴルフ夜明け前」 (作:桂三枝)


 三若さんの 1 年間の武者修行の集大成の会です。チケット取り損ねてたんですが、某席亭さんから融通していただきました。
 開場前に会場前で帰着式があるのは知ってたんですが、ちょっと出遅れて、到着したらすでに師匠の桂三枝さんが三若さんへのねぎらいの言葉を送られてました。その後も文枝一門をはじめとして先輩後輩の噺家さんが次々とスピーチ。黒山の人だかりで、開演前からにぎわってました。
 会の方は前売り完売ですから当然大入り満員。各地で席亭をされた方が半分以上を占めてたんではないかと思います。


 最初と中入り後の座談会でツアーの報告。司会は桂三之助と林家笑丸。47 都道府県でおこなった全 470 回の落語会を Excel にまとめ、スクリーンに映して駆け足で紹介。おもしろエピソード満載の道中記だが、とくに序盤のエピソードはネタが繰れてておもしろい。
 スポット・ゲストが次々登場。桂三風、露の都、桂きん枝、露の団六、笑福亭由瓶、露の新治、桂三弥、桂勢朝、桂三歩、笑福亭智之介、桂三幸、桂ひろば、桂そうば、TASUKU、淀屋満月。(出演順)

 落語の 1 席目は「上方落語らしくハメモノの入る噺を」と「七度狐」。喜六と清八のキャラの対比がおもしろい。そして尼僧が色気増量で妖し過ぎ。サゲは「狐の尾と思ったら‥‥」。

 47 都道府県をまわるにあたって 47 のネタを掛けようと考えていたそうで、この 1 年で 46 のネタを掛けたとのこと。47 本目には思い入れのある師匠・三枝作の「ゴルフ夜明け前」を。西郷隆盛と会談した坂本龍馬が、近藤勇と沖田総司を誘ってゴルフに興じる。坂本龍馬の唄う「よさこい節」がかなり微妙。全体にネタをなぞってるだけの感があり、もう少し重厚感がほしい場面も。ときおりのぞく三枝風の口跡がほほえましい。
 演り終えたところで三枝が登場し、三若は大泣き、三枝ももらい泣き。旅を終えた三若をねぎらいつつ、「ゴルフ夜明け前」のダメ出し。三若はまともにしゃべれず。


 涙、涙の大団円でした。段取りがグダグダでしたが、三若さんご本人が本当に当日帰ってこられたんですから、そこらはまぁ仕方ないかと思います。
 正直、落語に関しては微妙でしたが、高座ではひとりでも、まわりに支えられての噺家なんだなぁと云うことが伝わってきましたし、三若さん自身もそのことをあらためて感じられたんではないかと思います。三若さんの今後に期待します。

桂三若探偵団通信
桂三若 旅日記

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