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平穏亭 桂あさ吉お噺会

2008/5/30 @Gallery HAY-ON-WYE

  • 桂あさ吉 「The Zoo」
  • 桂三四郎 「宿題」 (作:桂三枝)
  • 桂あさ吉 「天災」

※ 第 5 回


 出張先から会場へ直行。この会は入りにバラツキがあるんですが、今回は約 20 人。演目が出てなかったんで敬遠されたお客さんもおられたかも。


 まずはあさ吉が海外公演『シカゴ繁昌亭』の情報から英語落語の話題へとつないで「The Zoo」へ。‥‥と思いきや、あれこれとマクラがつづく。ようやく噺に入ったかと思ったら、ちょっと次の句に詰まって「もっぺん初めから演りますわ」。良くも悪くもあさ吉ワールド全開。

 三四郎はあさ吉の英語落語に感心しつつ、自己紹介がてら高校・大学時代のエピソードをたっぷり。「勉強はしなかった」って話から、真逆に「宿題」を。息子が塾から持ち帰った算数の宿題を会社の部下が解説する場面はやや危なっかしかったが、親子のやり取りはテンポ良く。

 あさ吉の 2 席目は、またも海外公演のエピソードをいろいろ。オーストラリアは自然物の持ち込み審査が厳しく、木や猫の皮や象牙でできている三味線は持ち込みに苦労したそう。そんな話題から英語落語かと思いきや「天災」へ。
 ひょっとするとネタおろしだったかも。短気な男のイラつき具合はやや弱いが、心学の先生を真似て納まってる様子はあさ吉のニンにぴったり。この落差の付け方が課題か。独自のクスグリも入ってて、今後がたのしみ。


 約 1 時間半でアット・ホームな雰囲気のあさ吉ワールドをたっぷり堪能した感じです。独特のフラが心地良いですね。

Gallery HAY-ON-WYE
桂あさ吉@ブログ

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名探偵ナンコ よみがえれ!探偵講談

2008/5/25 @本遇寺

  • 旭堂南湖 『太平記』より「楠木と泣き男」
  • 旭堂南湖 『大久保彦左衛門』より「めこすり膾」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南湖 「ルパン対ホームズ」 (原作:モーリス・ルブラン)
  • 芦辺拓・南湖 《対談:探偵講談と探偵小説あれこれ》

※ 第 40 回


 前回にリクエストした「ルパン対ホームズ」が掛かるんで、繁昌亭から本遇寺へ移動。JR「大阪天満宮」駅から「新福島」駅へ 1 本で行けて便利。駅から本遇寺まではちょっと遠いんですけど。
 普段は「ツ離れしたなぁ」ってくらいの入りなんですが、今回は 40 回記念と云うこともあってか約 30 人の入り。早々にパンフレットが足りなくなったようです。
 受付に旭堂南舟さん(旭堂南左衛門さんのお弟子さん)が。


 マクラ代わりに最近の話題をたっぷり。楠公祭でのエピソードが秀逸。大雨で客がほとんどおらず、「兄ちゃん、まけとくで」と呼び止められ、「まさか大雨になるとはなぁ」と云ったのが占い師だったそうな。

 古典の 1 席目は「楠木と泣き男」。赤坂の城に籠城した楠木正成を囲む北条氏。近隣の農民から一芸に秀でたものを集めると、そのなかに人を泣かせるのが得意な男が‥‥と云う話。盛り上げたあとのドンデンが南湖の軽妙さにピッタリ。

 古典の 2 席目は「めこすりなます」。賭け碁の代償に豹の皮 100 枚を用意せねばならなくなった伊達公の家臣は、大久保彦左衛門に相談する‥‥と云う話。後半にグロい描写もあるが、とんちがたのしい。

 中入りを挟んで、リクエスト探偵講談「ルパン対ホームズ」。パリのある大邸宅で旦那が殺され、現場を見た蟹丸警部が「これはルパンの仕業に違いない!」と断定する‥‥。昔の翻訳者が地名や人物名を所どころ日本名に変えてたり、推理の過程が超適当だったり、そこらもたのしい。

 最後に芦辺拓(作家)を招いて対談。会の話や乱歩の話など。


 講談はたっぷり、対談もたっぷりで、満腹の会でした。
 『名探偵ナンコ』は第 50 回をもって終了となるそうですが、なんだかもったいないですね。ミステリーと講談って相性が良いと思いますんで、新しい方向性を模索してもらいたいと思います。

正直南湖

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繁昌亭昼席

2008/5/25 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭瓶成 「いらち俥」
  • 笑福亭笑助 「宗論」
  • 桂珍念 「大安売」
  • ナオユキ 《漫談》
  • 笑福亭仁昇 「手水廻し」
  • 笑福亭松枝 「うなぎ屋」
    ―― 中入り ――
  • 月亭遊方 「ゴーイング見合いウェイ」 (作:月亭遊方)
  • 桂米平 「阿弥陀池」
  • 桂朝太郎 《マジカル落語》
  • 笑福亭福笑 「千早振る」

※ 第 87 週


 またまた繁昌亭カードのポイント消化で昼席へ。5 月はトリが福笑さんの週があったんで、そこへはめ込みました。ほかにも遊方さん、ナオユキさんあたりがお目当て。


 トップの瓶成は、東京の鉄道はとにかくわかりにくいと云う話をたっぷりマクラに、「いらち俥」は前半の頼りない俥夫のところまで。いらちは客だけ?

 つづく笑助は初めて。笑福亭笑瓶の弟子で、関西出身ながら師匠に付いておもに東京で活動してるよう。師匠のことを「笑瓶ちゃん」と呼ぶフレンドリーさ。「宗論」はキリスト教に傾倒する息子の変なイントネーションがおもしろ過ぎ。

 珍念も初めて。桂文珍の二番弟子。マクラからもっちゃり感たっぷりで、「大安売」も力士と云うよりちょけた芸人みたい。どもそれがまたおもしろかったり。

 ナオユキはイカツい風貌でシニカルなネタをボソボソしゃべるスタイル。帰るときの拍手の多さと会場のざわつきが評価の高さを感じさせる。

 仁昇「手水廻し」、松枝「うなぎ屋」と、笑福亭できっちり中締め。

 中入りを挟んでの遊方は、世話焼きの母親の話をマクラに、世話焼きのおばちゃんが登場する「ゴーイング見合いウェイ」で笑いたっぷり。見合いを勧めるおばちゃんの逆転がたのしい。

 米平「阿弥陀池」、朝太郎「マジカル落語」と、米朝一門でトリへ橋渡し。

 福笑はマクラから飛ばしまくり。しっかり笑わせて「千早振る」へ。ヒャクニンヒトクビに凝りだした男が、物知りの男にザイハラギョウヘイの歌の意味を訊きに行くと云う、福笑独自の構成。クスグリ満載で、浪曲、講談、河内音頭、浄瑠璃も飛び出す。後半の、物知り男の「せや」の繰り返しや、マニア向けの落語ネタもたっぷり。


 福笑さんの熱演はさすがですね。この日はトリへ向けてどんどんと盛り上がる感じが良かったと思います。

 福笑さんのときに限って福笑の携帯電話が 3 度も鳴って、しかも 3 度とも同じ人。さすがに最後はご本人が「ええ加減に切っといてくれたらええのに」と、噺を一時中断するほど。1 度目はうっかりってこともあるかもしれませんが、その時点で最低でもマナー・モードに切り替えておくべきでしょう。
 客のマナーもさることながら、繁昌亭のスタッフにも客席の様子をチェックしてフォローする体制が必要だと思います。

天満天神繁昌亭

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姉様キングス和洋折衷ショー

2008/5/23 @do with cafe

  • ガリガリガリクソン 《漫談》
  • 姉様キングス 《音曲漫才》
  • ガリガリガリクソン 《漫談》
  • おしどり 《音曲漫才》
  • ナジャ・グランディーバ 《パフォーマンス》
  • ガリガリガリクソン 《漫談》
  • ナジャ・グランディーバ 《パフォーマンス》
  • 姉様キングス 《シャンソンショー》
    1. エクスタシーいくよくるよ
    2. 嘆きのボイン
    3. パルナスの歌
    4. カリンカ
    5. 人生は過ぎゆく
      --- おしどりケンのパントマイム ---
    6. いんじゃもん de コマンタレブー


 ドラァグ・クイーンの店で姉様キングスのイヴェントって、ベスト・マッチ過ぎますよね。姉キンのファンとしては行っとかないと!
 入りは 50 人くらいで、客席には桂三金さんの姿も。お店のスタッフはきれいなおにいさんで、それっぽい男性ふたり組のお客さんも。


 つなぎ役のガリガリガリクソンは初めて観たが、引き芸を超えた究極のどん引き芸。持ち時間の 3~5 分の間にこまかいネタをいろいろ。個人的にはおもろい。ぉおコワ!

 おしどりはいつもの針金アート音曲漫才。『できるかな』のテーマ曲を歌うマコの目が完全にイッてる。会場に合わせていつも以上にハードコア。新ネタもちょこちょこ。

 この店でも活躍しているドラァグ・クイーンのナジャ・グランディーバは、音楽に合わせたダンス・パフォーマンス。

 主役の姉様キングス、まずはいつもの音曲漫才。この日のメニューは、姉キン流外国語講座、都々逸、ストトン節、ちょんこ節、阿呆陀羅経。会場に合わせて B 面ネタもまじえ、いつもよりたっぷり。阿呆陀羅経はキン尽くし。
 トリは洋風にシャンソンショー。おしどりマコのアコーディオン伴奏で、オリジナル“エクスタシーいくよくるよ”や“いんじゃもん de コマンタレブー”に加え、“嘆きのボイン”も定番に。おなじみの曲も替え歌で、“カリンカ”ではかりんとうの投げ入れも。ミス・ジャクリーヌがソロで美輪明宏の“人生は過ぎゆく”を怖いくらいに情感たっぷりと。最後は全員登場してエンディング。


 いやはや、やっぱりおもろいです、姉キンショー。おなかいっぱいになりました。ガリガリガリクソンもおもしろかったんですけど、おにいさんたちは引きまくってました。
 今年もクリスマスにまたイヴェントされるみたいなんで、いまから年末がたのしみです。

do with cafe

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“旬”作落語会

2008/5/21 @天満天神繁昌亭

  • 桂三若 「お地蔵さんの遠メガネ」 (作:須田康成&阪野登)
  • 笑福亭松枝 「ナースのお仕事」 (作:玉井史朗)
  • 笑福亭福笑 「これが振り込め詐欺だ」 (作:阪野登)
    ―― 中入り ――
  • 姉様キングス 《音曲漫才》
  • 笑福亭鶴笑 「パペット落語 イモムシくん物語」 (作:笑福亭鶴笑)
  • あやめ・鶴笑・染雀 《南京玉すだれ》

※ 5 月公演・初日


 国境なき芸能団の 4 月公演はチケットの伸びが悪かったそうですが、5 月公演の初日は前売り完売だったそうです。楽日は完売とはならなかったそうですが、前半が両日同演目と云うことを考えると健闘ではないでしょうか。
 で、満員。


 三若の「お地蔵さんの遠メガネ」は、小学生のいじめっ子がいじめられっ子に万引きを強要する噺。笑い所も少なく、内容がかなり重い。

 松枝は医療の現状をマクラに「ナースのお仕事」。儲け主義の民間経営の病院の噺で、稼ぎのテクニックいろいろを。

 福笑の「これが振り込め詐欺だ」は、タイトルのまんまの噺。母親が振り込め詐欺にだまされそうになり、警官の息子が実演指導するも、徐々に真に迫る‥‥って展開。啓蒙的内容だが、福笑テイストあり。

 中入りを挟んで演芸バラエティ。まずは姉様キングスが、テーマ曲の英語ヴァージョンから海外公演でのエピソード、ストトン節、阿呆陀羅経。

 鶴笑は先月披露した「イモムシくん物語」をサイレント・コメディに練り直し。ホイットニー・ヒューストンの“I Will Always Love You”に乗せて、イモムシくんの動きだけで展開。演出の上手さが光る。

 最後はあやめ、鶴笑、染雀で南京玉すだれ。あやめが弟子の桂さろめとともにカラフルに塗装した虹色玉すだれで。形だけでなく色を使った演出があたらしい。あやめと鶴笑はそつなくこなすも、染雀が意外に不器用で、なんとか形は作っても元の状態に戻せない。チと心配。


 前半は重たかったんですが、やっぱり後半の演芸コーナーはたのしいですね。染雀さんは舞踊や鳴り物で器用な印象があったんですけど、玉すだれのダメさ加減はハンパなかったです。それもまたおもしろかったですけど。

 次回は 6 月 11 日(水)、12 日(木)です。

NPO 法人 国境なき芸能団

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快楽亭ブラック毒演会

2008/5/17 @TORII HALL

  • 快楽亭ブラック 「近日息子」
  • 快楽亭ブラック 「英国密航」 (作:快楽亭ブラック)
    ―― 中入り ――
  • 快楽亭ブラック 「七度狐」
  • 快楽亭ブラック 「イメクラ五人廻し」 (作:快楽亭ブラック)


 大阪でも恒例になってきたブラックさんの毒演会。今回は CD『カルト落語アワー 恐怖奇形人間』付きでした。
 ざっと 40 人の入り。だいたいこれくらいで安定した感があります。女性のひとり客も。まぁブラックさんの会に来るお客さんは、男女問わず好事家でしょう。


 まず「近日息子」は、序盤で父親が息子に「新聞を読め」と諭す場面で聖教新聞ネタが出てくるも、以降はいたってオーソドックスに。

 つづいて相撲の話から南北朝時代の話へと移り、時代が進んで「英国密航」たっぷりと。この噺が聴けるとはラッキー!

 中入りを挟んでの「七度狐」は、立川流の若手ふたり組が田舎の余興の帰りに七度狐に化かされると云う、パロディ色の強い改作。「その道中の陰気なこと」ってな様式を残しつつの遊びもたのしい。立川流の運命やいかに!?!?

 最後は文福ネタをマクラに「イメクラ五人廻し」。途中、言葉の間違いが気になる場面があるも、ブラックならではのネタで納得。立川キウイが二ツ目に昇進したため、サゲ前は微修正。


 たっぷり 4 席で 4 時間半になりました。今回の秀逸は、物語の展開をたのしませる「英国密航」と、強烈なパロディの「七度狐」でしょう。

 次回は 7 月 26 日(土)です。
 その後、8 月に『ブラック・文福 二人会』、9 月に『川柳・ブラック 二人会』を計画してるそう。たのしみ!

快楽亭ブラックの出直しブログ

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育っちゃったらくご!

2008/5/16 @天満天神繁昌亭

  • 桂三風 「えっ3」 (作:桂三風)
  • 桂三金 「野崎詣り」
  • 桂あやめ 「串かつワン!」 (作:桂あやめ)
  • 月亭遊方 「はてなの茶碗」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南湖 「はてなの原発」 (作:旭堂南湖)
  • 笑福亭たま 「船弁慶」
  • 《エンディング》

※ 第 10 回


 『育っちゃったらくご!』も今回で 10 回目。でも記念の会とかではなく、普通の会です。ちょいちょい『まつり!』があるんで、特番は必要ないんかもしれませんね。
 落語ブームもひと息ついたか、1 階に 9 割入り。繁昌亭にしてはやや少ない入りですが、これが普通なんかも。


 トップの三風は新宿・ルミネ the よしもとに出演したときの苦労話。「大阪から来たテレビで見たことないおっさんがひとりで落語」と云う三風は、完全にアウェーでまったくウケず。師匠の桂三枝に相談すると、その場でギャグを伝授され、それがウケたことにビックリ。後日談がまたおもしろい。三枝、おそるべし。
 「えっ3」は「二人癖」の現代版。聞き返しの「えっ?」をしつこいほどに繰り返し。イライラ感が伝わる。

 つづく三金はめずらしく見台を使わず、座ったり立ったりが大変そう。「野崎詣り」は基本に忠実、きっちり丁寧に。喜六がチビってところにデブネタを入れても良いかも。

 あやめはなんと四十肩(?)で左腕がほとんど利かず。見台へ手を乗せるのも大儀そう。6 月の独演会に不安を残す。
 自作の「串かつワン!」は、新世界の《架空の》串かつ屋を舞台にした噺。串かつ屋の由来がより詳細に。やはり肩が痛むのか、いつもと比べてややキレに欠ける。

 中トリの遊方はマクラで「はてなの茶碗」にちなんで音羽の滝の取材リポート。ヒモが 3 本と云うよりも云うよりも、カップ焼きそばの湯切り口のようで、柄杓で受けても水圧はあまり感じないとか。
 ネタの方は以前よりも整理され、独特の口跡と効果的なクスグリでおもしろさアップ。地語りの部分の照れがなくなれば全体のカラーが統一されてもっと良くなりそう。

 中入りを挟んで南湖。マクラにほのぼのとした話をいろいろ。ドラマ『ちりとてちん』ネタを上手く導入に、「はてなの茶碗」のパロディで「はてなの原発」。
 ストーリーは元ネタにのっとりつつ、後半は「はてなの茶碗」とも以前の「はてなの原発」とも違って、かなり変化。首相から天皇皇后両陛下まで登場。

 トリのたまは夏を先取りして「船弁慶」。雷のお松登場時のひとり語りにあらたな工夫。終盤、夕涼みに出てきたお松が船遊びで浮かれる喜六を発見してからラストまで、独自演出がたのしいところだが、時間の都合かやや駆け足気味に。

 最後に全員揃ってエンディング。今後の会の予告や、次回の『できちゃったらくご!』の招待券抽選会も。招待券はなんと高松市の方に。


 あやめさんの肩の具合は気になりましたが、いつもながらバラエティに富んだ充実の会でした。とくに南湖さんは、タイトルの出オチなネタをあそこまでふくらますとは!って感じで、どんどんアブナい方向に突き進んでました。大丈夫なんでしょうか?
 レイトショー&新作ネタおろしの『できちゃった』はともかく、『育っちゃった』はもっと入っても良いと思うんですけどねぇ。でもまぁ、観に行く方としてはこれぐらいの方がチケット争奪戦になったりしなくて安心できますが。

 次回は 7 月 29 日(火)ですが、その前に『できちゃったらくご!』が 6 月 25 日(水)にあります。

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こごろうの会

2008/5/13 @お初天神(露天神社)参集殿

  • 桂雀五郎 「黄金の大黒」
  • 桂こごろう 「つぼ算」
  • 桂米二 「天狗裁き」
  • 桂こごろう 「質屋蔵」

※ その 15


 一旦は太融寺に会場を移した格好になった『こごろうの会』ですが、お初天神との交互開催になったそうです。今回はお初天神にて。
 そしてこの日は雨。《雨男》のこごろうさんに加えて、ゲストが《嵐を呼ぶ男》の米二さんと云うことで‥‥か!?!?
 それでも早くからお客さんが列を作って待たれてました。そこで開場前に酔っぱらい騒動が勃発。事態の収拾にこごろうさん自身が右往左往。えらい災難。
 お客さんの方はどんどん詰め掛け増席の連続。ここでもこごろうさんが右往左往。こちらはうれしい悲鳴か。80 人以上は入ってたと思います。


 雀五郎の「黄金の大黒」は、長屋の連中のとぼけ具合にらしさが出ててたのしい。

 ゲストの米二は米朝の現状報告から夢の話とマクラをつないで「天狗裁き」を。淡々と演ってるようで、徐々にテンションが上がっていくようで、そこらはなかなか。

 こごろうの 1 席目は、この日の天気、酔っぱらい騒動、足りない椅子と、会が始まるまでの話から、最近始めたバイクの話など、マクラもたっぷり。ネタおろしの「つぼ算」は、買い物下手の喜六的男の脳天気さもさることながら、買い物天狗の徳さんの瀬戸物屋に対するベンチャラがものすごく、えらい勢いで持ち上げまくり。その後、勘定に不審を抱いた瀬戸物屋の困りをたっぷりと。
 2 席目はマクラに「つぼ算」の反省から船場吉兆の話など。菅原道真の解説はあえて振らずに「質屋蔵」へ。出入りの熊五郎がちょっと凄む場面はあるものの、全体的にこごろうらしいやわらかさが前面に出た感じ。後半の熊五郎と番頭が三番蔵の前にある離れの座敷で怖がりまくる場面はとくにたのしい。


 こごろうさんの 2 席はどちらもあちこちに手を入れてあって、こごろう印に仕立て直されてました。ネタおろしでまだまだすっくりいってないってなことも云われてましたが、そこはこれからでしょう。

 次回は太融寺にて、7 月 13 日(日)です。

kogoro.web

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そごう寄席 三喬 たい平 二人会

2008/5/11 @そごう劇場

  • 桂二乗 「普請ほめ」
  • 林家たい平 「お見立て」
  • 笑福亭三喬 「仏師屋盗人」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭三喬 「禁酒関所」
  • 林家たい平 「幾代餅」


 めずらしい取り合わせの東西会で、発表されたときから興味はあったんですが、5 月の会のチケットを 1 月に発売するってどうなんでしょう? 早すぎるって!
 それでも会場は空席がチラホラ見られるくらいでほぼ満席。東のたい平さんが『笑点』でおなじみってこともあるのかも。


 開口一番は笑福亭でも林家でもない、桂米朝一門の二乗。米朝邸の大掃除のエピソードをマクラに「普請ほめ」は口慣れてて心地良い。スルスルと落語世界に。

 たい平の登場に「待ってました!」の声が掛かる。大阪の不思議に始まって、次々と話題をつないでマクラたっぷり。鉄板ネタの数珠つなぎとみえて、ウケも上々。
 唐突に「お見立て」へ。花魁や若い衆の軽快なテンポと、田舎のお大尽のもっちゃり具合の対比で、メリハリが明瞭。お大尽と若い衆が墓参りへ行ったところで「千の風になって」は絶妙。

 中トリの三喬もマクラいろいろ。「噺家は師匠の芸を盗む」ってな話から、得意の盗人噺で「仏師屋盗人」。あいかわらず「バリボリ。バリー・ボッター。ボリショイ・サーカス」から。落ち着きまくった仏師屋に手を焼く盗人の構図がおかしみに。主客逆転してからの盗人の心理描写も丁寧に。

 中入りを挟んで、つづけて三喬。上方の噺家の各門下の特徴から、笑福亭の事始めでのエピソードを。騒がしいなか、六代目松鶴師匠がなにか云おうとしてることに気付いた某弟子が「おい、静かにせえ! おっさん、なんか云うてるぞ!」。
 喧嘩の話から酒の話題へとつないで「禁酒関所」へ。酒を隠し持っていく丁稚がなんともかわいらしい。関所の侍の《三度目の正直》はごくあっさりと。

 トリのたい平は、マクラで時事ネタいろいろ。自然な流れで「幾代餅」へ。テンポは勢い良く、登場人物のキャラクターはそれぞれはっきりくっきり。現代のクスグリがちょこちょこ入るも、さほど違和感を感じないのはたい平のニンからか。たっぷりした噺をさっぱりと聴かせる。


 どの噺もスルスル~ッとこちら側へ入ってくるような、そんな感じの会でした。たい平さんの 2 席はちょっとネタが付いてるようにも思いますが、たのしめたんで良し、でしょう。とにかくテンポが心地良いですね。三喬さんも、あいかわらずのたのしさおかしさでした。この組み合わせって、なかなか良いかもしれませんね。

そごう劇場

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南湖だんご 旭堂南湖話術研究会

2008/5/9 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

【赤穂義士伝 其の六 堀部安兵衛 4】

  • 旭堂南湖 『紙芝居 原子怪物ガニラ』
  • 旭堂南湖 『赤穂義士銘々伝』より「村上兄弟登場」
  • 旭堂南湖 『寛政力士伝』より「谷風の人情相撲」

※ 39


 隔月で「堀部安兵衛」の続き読みの会となってる『南湖だんご』ですが、前回につづいてツ離れの 12 人入り。徐々に定着してきた?


 まずはマクラ代わりにいろいろ。旭堂南青のテレビ出演、ワッハ上方、東京の古書イベント、ラオス旅行、等々。『原子怪物ガニラ』は 4~6 を。襲ってくるガニラにシンイチ少年が火を放つ。毎回 3 話ずつくらいで進める感じ。

 つづけて「堀部安兵衛」続き読みで「村上兄弟登場」。酒癖の悪い安兵衛が禁酒を命ぜられ、それに従いつつ修行のために全国行脚。しかし数年後、禁を破って痛飲。他流の村上兄弟が登場し、菅野六郎右衛門との確執で高田馬場にて決闘に。六郎右衛門に助太刀すべく、安兵衛が高田馬場へ‥‥と云うところまで。たっぷり 1 時間弱。

 最後にボーナス・トラック、『寛政力士伝』より「谷風の人情相撲」を。貧窮する佐野山を助けるため、大関の谷風が片八百長。取り組みの場面では笑いも挟みつつ、独特の臨場感。最近よく掛けてるようで、良いテンポ。


 「堀部安兵衛」はなかなか進みませんが、準備もあるでしょうからこれぐらいの進行が限界なんでしょうね。次こそ高田馬場へ。

 次回は 7 月 11 日(金)です。

正直南湖

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仏教落語の会

2008/5/7 @天満天神繁昌亭

  • 桂福楽 《まもなく開演》
  • 林家小染 「こんにゃく問答」
  • 桂福楽 「百人坊主」
  • 桂小米朝 「八五郎坊主」
    ―― 中入り ――
  • 桂福楽 「他力本願」 (作:さとう裕/監修:宏林祥一)

※ 第 1 回


 福楽さん主催の仏教とのコラボの会。前半に仏教が関連する噺を、後半に《世界初おもろいお説教落語》を、と云う構成。大入り満員の客席には、頭がクリクリのお客さんが目立ちます。


 まずは福楽が会の成り立ちを簡単に紹介し、小染に交代。住職の寄合で「天王寺詣り」を演ったときにお経を読む場面で苦労した話をマクラに「こんにゃく問答」を。上方では「餅屋問答」として演られることが多いが、その餅屋がこんにゃく屋に変わっているだけ。

 福楽の「百人坊主」はネタおろし。きっちり丁寧に。

 小米朝は出てくるだけで華やか。この会で自身の生死観を語れるのがスゴい。「八五郎坊主」は桂枝雀に付けてもらったそう。坊主をクサすセリフが出てくるたびに「申し訳ございません」と謝りを入れ、これがまた笑いに。

 中入りを挟んで、福楽が説教落語「他力本願」を。教えてもらった仏の教えを友達のところで披露しようとして間違えまくると云う「阿弥陀池」のような展開。なかなかおもしろい。


 お説教落語もなかなかおもしろかったですし、企画としてはなかなかの趣向だったと思います。ひょっとすると第 2 回があるかも、とのこと。ただ、お坊さんの出てくる噺を集めるのに苦労しそうですね。

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『女芸人らん子のブルース 2』

2008/5/6 @ワッハホール

作・演出: 萩原芳樹
出演: メグマリコ、桂あやめ、杉岡みどり、林家染雀、しましまんず、$10、SONB、チュチュ、桂三四郎、吉川絹代、他


 『女芸人らん子のブルース』を観逃して悔しい思いをしてたんですが、終了直後に桂さろめさん(と、桂あやめさん)のブログに『~ 2』と『~ 3』の日程が載ってたんで、すぐさま予定表に書き入れてました。ゴールデン・ウィーク最終日と云うことで、マチネーに。
 開演時刻を間違えてて会場に早く着いたんですが、それでも 10 人ほど列ばれてました。その後もどんどん列が伸び、開場前にはロビーが人でいっぱいに。開演前には 200 人以上は入ってたと思います。ええ感じの入り。
 開演前に萩原大介(おそらく作・演出の萩原芳樹の息子)が弾き語りで 3 曲ほど披露してました。


 前回は昭和 43 年頃を舞台に、男に狂って蒸発した柳流亭らん子(桂あやめ)の穴埋めに、たまたま遊びにきていたキャバレー歌手のネネ(メグマリコ)が二代目らん子として舞台に上がるようになり、その後に戻ってきた初代らん子とひと悶着‥‥って感じだったそう。
 今回の舞台は昭和 47 年頃。初代らん子は柳流亭おまんと改名し、三味線の弾けるゲイの千吉(林家染雀)と音曲漫才に。二代目らん子はぴん子(杉岡みどり)、ぽん子(橋本由可/SNOB)とともにトリオ音曲漫才“こまどり娘”を。そこへらん子の恋人・ヘンリー井上(池山心)が帰ってきたり、GS 崩れのアイドル漫才コンビ、フレンド 2($10)が出てきたり。音曲漫才全盛の頃で、キーワードは《失踪》とのこと。

 劇場の楽屋をメインの舞台に、芸人たちの悲喜こもごもを。吉川絹代と桂三四郎が生のお囃子を演奏。もっと吉本新喜劇のようなドタバタコメディを想像していたが、予想外にまともな芝居。それゆえ、俳優でない出演者のセリフのクサさが気になってしまう。
 そんななか、要所々々ではじけるあやめと、後半で本領を発揮する染雀。杉岡や池山も熱演で、友情出演の $10 は美味しい役どころ。それぞれのファンならそれなりにたのしめる舞台だったはず。主役のメグは、まわりの芸人たちに支えられながら自分の道を見つけると云う感じで、人間的成長を 2 時間の舞台に凝縮。

 男と時代に翻弄されつつも、それでもたくましい女芸人の生き様。そんなたいそうなもんでもないのかもしれないが。

 終演後、作・演出の萩原芳樹が舞台に登場。そしてなぜか全員でダンス。演出家が役者といっしょに踊る舞台なんて、そうそうない。


 空気を読まずに出演者の名を叫ぶおっさんは気になりましたが、舞台はなかなかたのしめました。「きょうは特別に半額です」の声に押されて、前回公演の DVD を買ってしまいました。

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ゴールデンウィーク特別興行

2008/5/3 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭松五 「十徳」
  • 桂都んぼ 「四人癖」
  • 笑福亭小つる 「禁酒関所」
  • 桂文福 《文福フルコース》
    ―― 中入り ――
  • 林家花丸 「たいこ腹」
  • 笑福亭鶴笑 《紙切り》
  • 月亭可朝 「秘伝書」

※ 3 回目(夜の部)


 ゴールデンウィークの繁昌亭特別興行は、繁昌亭カードのポイントも使えませんし、通常興行よりも番組短縮で価格はそのまま。ですから正直、興味なかったんですが、可朝さんがトリってことで、これは観逃せん!と。
 お客さんはあたりまえのように満員。


 松五、都んぼ、小つると、寄席らしい流れでトントンと。
 中トリの文福は、駄洒落、落語の所作、相撲甚句と、いつものフルコース。サラの客には良いかも。最後に艶笑小咄をいくつか。

 中入りを挟んで花丸の「たいこ腹」は、幇間の繁八がとにかく軽過ぎるくらい軽くて調子が良い。いよいよ若旦那が繁八の腹に鍼を打とうとしたときの、繁八の「タマァ~」は何度聴いてもおかしい。

 色物に鶴笑の紙切り。しゃべりのおもしろさもさることながら、浦島太郎や藤娘、最後は恒例の似顔切りも。

 トリは待ちに待った可朝がカンカン帽にチョビ髭でゆらりゆらりと登場。「ホンマに、ホンマにね」から始まって、時事ネタいろいろ。野球賭博で捕まった自虐ネタも。男女の話から横山ノックのネタ。独特のテンポと間合いが、寄せては返す笑いの波に。
 漫談で終わるかと思ったが、夜店や香具師や啖呵売の話から「秘伝書」へ。秘伝書を売る男のうさん臭さがとにかく可朝にピッタリ。


 可朝さんはごく軽いネタでしたが、それがまた寄席らしくもありますね。漫談のおもしろさで本領発揮してくれましたから、それはそれで大満足でした。
 で、振り返ると、この番組はなかなかバランスが取れてましたね、文福さんも含めて。軽い雰囲気が最初から最後までつづいて、トリは軽さに加えてたっぷり感も。楽屋の空気が高座を通して客席に届けられた、そんな感じでした。

天満天神繁昌亭

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四葉の会 染丸ぷらす四人の精鋭たち

2008/5/2 @天満天神繁昌亭

  • 桂あさ吉 「道具屋」
  • 桂三四郎 「野ざらし」
  • 林家染丸 「三枚起請」
    ―― 中入り ――
  • 染丸・あさ吉 《対談:すっぴんコーナー》
  • 林家染左 「やかん」
  • 林家染弥 「猿後家」

※ 第 2 回


 染丸さんが期待の若手噺家 4 人と共演する『四葉しようの会』は今回が 2 回目。第 1 回は都合で行けなかったんですが、口上があったそうです。今回から染丸さんと四葉メンバーとの対談コーナーがスタートし、しかも今回はあさ吉さんが対談の相手と云うことで出掛けました。
 入りは 1 階がほぼ満席で、2 階にもチラホラ‥‥って感じ。


 トップはあさ吉が海外公演の話題から「道具屋」を。やや荒い部分が見られるも、フラと云うか、独特のとぼけた感じが道具屋見習いにピッタリ。ようやく買ってもらえそうな笛の値付けで、あれこれ手土産を考えながら「全部で‥‥」がおかしい。

 つづく三四郎は師匠の桂三枝の稽古の付け方なんかをマクラに「野ざらし」を。若さゆえに隣の先生が貫禄不足で序盤はややもてあまし気味だったが、お調子者が骨釣りに出掛ける場面はテンポも良くなかなか。

 中トリで染丸が起請の解説をマクラに「三枚起請」を。同じ小山から起請をもらっていた喜六・清八・源兵衛のキャラがそれぞれきっちり。チョイ役ながら、お茶屋の女将がまた良くて。従来のサゲはわかりにくいためか、男女逆転のサゲに。

 中入りを挟んでの対談は「すっぴんコーナー」と題し、染丸とあさ吉が私服で登場。あさ吉から、内弟子生活で世話になった大師匠の桂米朝の話題など。稽古事の話から、染丸の三味線であさ吉が浄瑠璃を披露。いきなりやり直すあたりがあさ吉らしい。

 染左は「やかん」で、理屈云いの男と物知らずの男のやり取りを、ふたりのメリハリと軽妙なテンポで心地良く聴かせる。理屈云いが物知らずの質問攻めをなんとか理屈をこねてかわす、知ったかぶりがたのしい。

 染弥は内弟子修行中のエピソードで笑わせてから、師匠よりも師匠の奥さんに気に入られる必要がある、と「猿後家」へ。トリと云うことでか、序盤はやや硬かったが、徐々に力みが取れてええ具合に。汗をかきかきの熱演。


 それぞれの味が出てええ雰囲気の会になってました。染丸さんのチョイスも良いんだと思います。あさ吉フリークとしては対談コーナーもたのしめました。若手にトリを取らせる機会をつくり、古典をきっちり聴かせる会になりそうですね。

 次回は 6 月 18 日(金)です。

染丸@web

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