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育っちゃったらくご!

2008/7/29 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭たま 「胎児」 (作:たまよね)
  • 桂三金 「ハンバーガーショップ」 (作:桂三金)
  • 月亭遊方 「親子酒」
  • 桂三風 「農といえる日本」 (作:桂三風)
    ―― 中入り ――
  • 桂あやめ 「口入屋」
  • 旭堂南湖 「ボーイズラヴ」 (作:旭堂南湖)
  • 《エンディング》

※ 第 11 回


 暑い季節と云うことで、できちゃった!の会でも整理券が配られてました。その場でじっと待たなくて良いだけでもましですね。
 客席は、1 階席が 6~7 割入り、2 階席にもチラホラと、チとさびしい。この状況で 2 階へ行かんでも‥‥と思うんですけどねぇ。


 たまは「胎児」。おなかのなかの胎児と外の世界の大人たちとのあれこれの噺。胎児がへその緒で物ボケする場面がたのしい。胎内の様子をあらわすのに倒立するのにはいつも感心。落語ネタのクスグリがあちこちに入って、これはマニア向けのサービス?

 三金の「ハンバーガーショップ」は、もちろんデブ専用‥‥と云うより大食い専用。サイド・メニューはなんでも食べ放題の飲み放題。終盤、特大サイズのハンバーガーに挑戦する場面では嘉門達夫の“ハンバーガーショップ”が流れる。サゲがやや弱いか。

 遊方の「親子酒」は、遊方自身の疑問を解消した現代版。酔っぱらった息子が絡むのはラーメン屋で、自宅はマンション。父親も息子も酔っぱらい具合がたのしい。ただ、ラーメンに七味?と云う疑問が‥‥。

 三風は地方での余興の話から、農村を舞台にした「農といえる日本」。都会へ働きに出ていた息子が彼女を連れて田舎の実家へ帰ってくる噺。社会はネタにのんびりしたクスグリでホッとさせられるような。
 いままでのサゲのあとにちょっと付け足されてたが、ややわかりにい。もうひとひねりほしいところ。

 中トリをはさんで、あやめは『彦八まつり』の話から、文枝一門の襲名にまつわる話。最終的には、女は長生き→協会最年長→どんな名前でも襲名できる、と云う結論に。
 あやめの「口入屋」を聴くのは 3 度目だが、構成はほぼ固まったよう。ただ、スーパー女衆の立て弁はもうちょっとカッチリ入れてきてほしいところ。このスーパー女衆が活躍するラストはダイナミック。

 槇原敬之の“どんなときも。”で登場した南湖は「ボーイズラヴ」。「噺家はほとんどがゲイ」だとか「ほとんどの落語はゲイがテーマ」だとかを、できちゃった!の楽屋風景や落語「骨つり」「時うどん」「青菜」「まんじゅうこわい」で検証。衆道の歴史を紹介しつつ、古典の「犬公方」につなぐ構成はお見事。こまかいクスグリも満載。バカバカしいことを納まってしゃべってる様子がまたおかしい。本日の秀逸。

 最後に全員揃ってエンディング。


 やっぱりこのメンバーの会はおもしろいですね。とくに今回は南湖さんが秀逸でした。初演時は前半部分だけで「ゲイ談」とされてましたが、今回はトリと云うことでネタの構成に苦労されたんではないかと思います。

 次回は 8 月 27 日(水)・28 日(木)に『育っちゃったまつりザンショ!』が開催されます。東京からのゲスト(27 神田茜、28 林家彦いち)や企画コーナーもあって、またおもしろい会になりそうです。

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名探偵ナンコ よみがえれ!探偵講談

2008/7/27 @本遇寺

  • 旭堂南舟 『浪速侠客伝』より「木津勘助」
  • 旭堂南湖 『寛政力士伝』より「雷電の初相撲」
  • 旭堂南湖 「怪の物」 (原作:黒岩涙香)
    ―― 中入り ――
  • 芦辺拓・南湖 《対談:探偵講談と探偵小説あれこれ》

※ 第 41 回


 ファイナル・カウントダウンに突入した『名探偵ナンコ』もお客さんが定着してきたようで、開演後もぽつぽつとお客さんが訪れ 20 人くらいに。


 まずは前講で南舟。最初はおどおどとしたしゃべりでどうなるかと思ったが、ネタにはいるとそれなりに雰囲気もあってまずまず。「木津勘助」は貧しくとも義侠心あふれる木津勘助と豪商の淀屋十兵衛との交友録。入門数ヶ月にしては声も出ていて、しっかりと稽古している様子がうかがえる。

 南湖は 9 月 14 日(日)・15 日(月・祝)に開催される上方講談教会 30 周年記念興行を紹介してから、まずは「雷電の初相撲」を。田舎から出てきた雷電が横綱・谷風のもとで修行を積んで初土俵を踏む話。何度も聴いてるがおもしろい。
 つづいて黒岩涙香の「怪の物」。ロンドン郊外で奇怪な事件が起こる。夜、暗闇に妖しく光る‥‥眼。猟奇的な展開が独特の雰囲気。

 中入りを挟んで、芦辺拓(小説家)と南湖の対談コーナー。この日の「怪の物」の話から、涙香作品についてあれこれ。


 南湖さんは風邪気味でのどが本調子ではなかったようですが、それでもたっぷりしゃべっていただきました。「怪の物」は持ちネタになるよう脚本を肉付けされるようですので、次回の口演がたのしみです。
 南舟さんは初めてでしたが、講談はなかなかしっかりしゃべられてました。がんばって修行していただきたいです。

 次回は 9 月 28 日(日)です。

正直南湖
芦辺倶楽部

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雷 ON ハート

2008/7/26 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 桂ぽんぽ娘 「寿限無」
  • 雷門獅篭 「たいこ腹」
  • 雷門幸福 「道灌」
    ―― 中入り ――
  • 雷門幸福 「がまの油」
  • 雷門獅篭 「妾馬」

※ 第 10 回


 『雷 ON ハート』は前回につづいて 2 回目。入りは 25 人ほど。


 開口一番のぽんぽ娘は、マクラで NHK のドキュメンタリー番組に出演したときの裏話。付け焼き刃の稽古では結果に結びつかないよう。
 「寿限無」は名前の由来がまるまるカットされてて、どうありがたいのかまったく情報がなく、ただただ名前が長いってだけの印象に。まぁそれでも良いのかも。

 獅篭の 1 席目は、ワッハ上方の話から劇場つながりで大須演芸場の話、さらに絶滅寸前つながりで幇間の話へとマクラをつないで「たいこ腹」へ。幇間の調子の良さがニンに合った感じ。若旦那をしくじりそうになって、それをごまかす様子がたのしい。

 幸福の 1 席目は、マクラいろいろから「道灌」を。唯一、立川談志から稽古を付けてもらった噺だそう。基本どおりきっちり演った印象。

 中入りを挟んで幸福の 2 席目は、マクラで数日前に名古屋で談志に会ったときの話。談志は破門したとは云え、獅篭や幸福のことを気に掛けているとか。幸福もまた談志への思いは強いよう。
 「がまの油」は、前半の売り口上は雰囲気もあってなかなか良いが、後半の酔っぱらい具合がもうひとつと云う感じ。

 獅篭の 2 席目はスッと「妾馬」へ。大名の妾となった妹の計らいで大名と接見することになる兄の八五郎は、勧められるままに酒を飲んで上機嫌に。その後の酔っぱらい加減はややぶれるも、母親思いの八五郎をたっぷりと。


 獅篭さんも幸福さんもなかなか。ただ、古典落語に現代のクスグリがバンバン入るのがちょっと気になりますね。その場はおもしろいんですけど、芸が小さくなってしまう感じがして、ちょっともったいない気がします。

 この日は運悪く、なんでもかんでもなんにもなくても爆笑する男性に隣に座られて、辟易しました。笑いのツボは人それぞれでしょうけど、のべつ幕なしに笑われると興醒めしてしまいます。

 次回は 12 月 20 日(土)です。

雷門獅篭 公式 HP
雷門幸福の伝統と私
ビビンパの会(落語会手伝いサークル)、高麗楼(朝鮮半島古典)共同ブログ

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千朝落語を聴く会

2008/7/26 @太融寺本坊

  • 桂吉坊 「千早振る」
  • 桂千朝 「夏の医者」
  • 桂雀三郎 「まんじゅうこわい」
  • 桂千朝 「代書」

※ 第 48 回


 千朝さんの会は徐々にお客さんが増えてる感じで、この日も開場を待つお客さんが早くから列を作られてました。開場後も続々と詰め掛け、最終的には 150 人近くになってたと思います。


 トップの吉坊は、新しくなった太融寺本坊で演るのは初めてだそう。「千早振る」は吉朝の型をきっちり継承した感じで、安心して聴いてられる。

 千朝の 1 席目は「夏の医者」。千朝独特の変な所作が田舎弁とマッチしておかしみ倍増。「アジャパー」や「ハラホロヒレハレ」などの懐かしギャグも入って自由奔放のようで、サゲに掛かる「夏のチシャは腹に障る」を無理から強調したり、よくよく聴くときめ細かい。

 ゲストの雀三郎は「まんじゅうこわい」を怪談入りで。集まってる連中がみなちょっと抜けた感じ。こわいもんの云い合いで「ハエ」を挙げた男の手の動きが秀逸。

 千朝の 2 席目は、マクラで米團治の話。「代書」を作った四代目はしっかりと落ち着いた感じだったそうで、「次の人(小米朝)は正反対の性格ですね」。四代目が実際に開いていた代書屋ではアジア系外国人なんかもよく訪れたそう。
 「代書」は「自署不能に付き代書」のサゲまで演る型。ネタおろしか、これといった入れ事もせずきっちり演った印象。


 千朝さんの「夏の医者」はおもしろいですねぇ。特に田舎弁と変な所作の相性が良いってのを再確認しました。
 「代書」のフル・ヴァージョンは初めて聴きましたが、最初に登場する無筆の男に比べると、それ以降の来客の印象が弱くなるため、サゲまで演るなら思い切って来客順を変えても良いかもしれませんね。

 次回は未定ですが、毎年恒例の独演会が 10 月 4 日(土)にワッハホールで開催されます。今年は「地獄八景亡者戯」が掛かりますんで、たのしみ!

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らくご道 笑福亭生喬と桂こごろうの落語会

2008/7/24 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 笑福亭生寿 「つる」
  • 桂こごろう 「延陽伯」
  • 笑福亭生喬 「日和違い」
    ―― 中入り ――
  • ねこまんま 《漫才》
  • 生喬・こごろう・雀喜 《対談:夕焼け日記》


 ひさしぶりの『らくご道』は、客席の顔ぶれを見ると入れ替わりはあるようなんですが、それでもザッと 30 人とあいかわらずの入り。不思議な会です。


 開口一番の生寿の「つる」はきっちり丁寧テンポ良く、笑福亭だけにクスグリがえげつない。時折のぞく生喬風味がほほえましい。

 こごろうは、ねこまんま(桂雀喜との漫才コンビ)の話や、大銀座にまつわるあれこれなど、近況報告を中心に、めずらしくマクラたっぷり。
 「延陽伯」は、やもめのおとぼけぶりがこごろうにぴったり。甚兵衛の「この娘さんにひとつだけ傷がある」に、やもめが「わかります、わかります!」の繰り返しが、全然わかってないのにうれしそうでほほえましい。「火事になったら‥‥」まで、独自のクスグリも入ってたのしい 1 席に。

 生喬は、彦八まつりや宗右衛門町夏祭りの話をいろいろ。今年は師匠の松喬が実行委員長だけに、いろいろと苦労も多いよう。彦八まつりでの襲名プレ公演にまつわる話は興味深い。
 彦八まつりは雨が多いって話から「日和違い」へ。聞き手の受け取り方で意味が変わる言葉を扱った噺。聞き間違いに自然さを出すのが難しそう。

 中入りを挟んで、ボーナス・トラックでねこまんまの漫才。マリン・スポーツを題材に、こごろうがダジャレを連発。テンポ良いこごろうとの対比で雀喜のゆるさも味に。

 最後は生喬とこごろうに雀喜も交えて座談会。ねこまんまを初めて観たと云う生喬。漫才についてのあれこれから、学生時代の話など。


 私も生喬さん同様、ねこまんまは初めてでしたが、なかなかたのしいですね。8 月 23 日(土)の『ジャッキー 7 ねこまつり』にも行ってみたくなりました。

 次回は 8 月 12 日(火)です。

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たまの小劇場

2008/7/23 @common cafe

  • 笑福亭たま 《ごあいさつ》
  • 春野恵子 《トーク》
  • 笑福亭たま 「鼻ねじ」
  • 桂さん都 「向う付け」
  • 笑福亭たま 「遊山船」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭たま 「子は鎹」


 大銀座のラストがたまさんの会で、戻ってからの 1 発目もたまさんの会。
 またまた会場設営に手間取って、開場が 15 分押しに。地下への通路で風が通らないため蒸し暑く、蚊も飛んでて、かなり苦痛でした。
 お客さんはザッと 50 人くらいで、前回よりもちょっと増えた感じ。やや女性が優勢で、新しいお客さんもちらほら。


 まず私服のたまがごあいさつ。着替える間、会場見学にきていた春野恵子がトークでつなぐとお知らせし、すぐに交代。
 恵子はたまとの接点を軽くしゃべってから、8 月 2 日(土)に TORII HALL で開催する『浪曲乙女組!』公演の告知。しゃべるネタがなくなって楽屋のたまに振ると、たまが恵子の秘密を暴露。恵子が逆襲しようとしたところでたまが「準備できました」。

 たまの 1 席目はマクラで大銀座での楽屋話・裏話や三遊亭好二郎の話など、近況報告をたっぷり。
 「鼻ねじ」(あるいは「隣の桜」)では終盤、板塀の節穴から隣家の宴席をのぞこうとするもことごとく節穴をふさがれる場面で、ハメモノの強弱で立体的に演出。やや未整理なところもあったが、来春までには固まりそう。

 ゲストのさん都は「鼻ねじ」のハメモノで、たまからの指示が細かくて大変だったと吐露。
 「向う付け」はニンに合っててなかなかええ感じ。時折、桂阿か枝に口調が似て感じられる。

 たまの 2 席目はハメモノの効果の解説から「遊山船」を。「舞妓の振り袖に南京豆を入れたら食べにくい」のクスグリを発展させ、繰り返しのおもしろさに。そこを中心に、他の場面をカットして整理し、テンポが良くなって笑いも多くなる好演出。以前は気になったサゲもスッキリして好印象。本日の秀逸。

 中入りを挟んで、この会の最後は新作のはずだが「『NIGHT HEAD』とお客さんがかぶるので」と云うことで、新作は『NIGHT HEAD』に譲って「子は鎹」を。大銀座のときと同じだったが、声の調子が戻って聴きやすい。亀ちゃんの利発さが際だつ演出。


 今回はとにかく「遊山船」の良さが光ってました。この夏、ぜひ一度は体験していただきたい一席です。

 次回は 8 月 17 日(日)です。次回は昼公演ですのでご注意を。

らくごの玉手箱
common cafe

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大銀座落語祭 2008

2008/7/21 @銀座小劇場

【笑福亭たま独演会】

  • 三遊亭好二郎 「高砂や」
  • 笑福亭たま 「蛸芝居」
    ―― 中入り ――
  • 桂三金 「奥野君のコンパ」 (作:桂三金)
  • 笑福亭たま 「子は鎹」


 大銀座の最後はたまさんの独演会。喬太郎さんの会と云うチョイスもあったんですけど、たまさんが東京の会でどんな風に演られてるのか一度観てみたかったんで。値段が 800 円と破格値だったってのもありますが。
 会場は地下の映画館って感じで、キャパは 100 人くらい。ほぼ満席でした。


 開口一番は出演予定になかった好二郎。昼に同会場で好二郎の会があり、開演前に訪れたたまとのやり取りで、お互いに開口一番を務めることになったそう。
 自身の結婚生活の話から結婚披露宴の話へとマクラをつないで「高砂や」を。スゴく作り込んでるのに軽快。

 たまの 1 席目は、マクラで好二郎の話いろいろ。楽屋で好二郎が毒を吐いていたと話すも、楽屋から「云ってない!」の声が。その後も楽屋話をたっぷり。
 まだ観客がカタいと感じたか、ショート落語をいくつか。好二郎が作った歌舞伎にまつわる小咄をはさんで「蛸芝居」へ。たま流のこまかい修正があちこちに見られ、とくに最後の旦那とタコとのだんまりは激しいアクションに。魚屋がタイをさばく場面がカットされていたが、急に抜いたのか、その部分だけ流れが悪い。ハメモノがふんだんに入って上方ならではの空気感を。

 中入りを挟んで、三金はまずたまがゲストのことを話さずに好二郎のことばっかり話してたとボヤく。
 いつもの「デブはバランスが取れてる」マクラで笑わせてから、デブネタの「奥野君のコンパ」を。デブの奥野君がコンパに挑む噺。デブネタのみならず、トランプ・マジックやバルーン・アートなどの得意ネタもはさみつつ。客イジリしつつ、本音もポロリ?

 たまの 2 席目は「くっしゃみ講釈」でマイク・チェックしてから、三金のエピソードを。さらに好二郎のエピソードも追加。
 「子は鎹」は、なんでも気の回る亀ちゃんが甲斐々々しく、きんつばのくだりは毎度おもしろい。終盤、鰻屋へ押しかけた父親の微妙な表情と、その後の親子のやり取りはなかなか。声がかれててしゃべりにムリが感じられたのが残念。


 どうもたまさんは好二郎さんの会のあとにしゃべり過ぎたようで、1 席目からえらいガラガラ声でした。
 たまさんは東京のお客さんのことを意識し過ぎな感じで、自分でどんどんアウェイな空気にされてました。観客のほとんどがたまさんを観にきてるんですから、そないに気負わんでも‥‥と思うんですけどねぇ。

大銀座落語祭
らくごの玉手箱

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大銀座落語祭 2008

2008/7/21 @よみうりホール

【スペシャルプログラム】

  • 春風亭小朝 「涙をこらえてカラオケを」 (作:桂三枝)
  • 古今亭菊志ん 「湯屋番」
  • 春風亭小朝 「お菊の皿」
    ―― 中入り ――
  • 桂三枝 「平成 CHIKAMATSU 心中物語」 (作:桂三枝)
  • 桂三段 「How to プレイボーイ」 (作:桂三枝)
  • 桂三枝 「宿題」 (作:桂三枝)
    ―― 中入り ――
  • 入船亭扇辰 「お血脈」
  • 入船亭扇橋 「茄子娘」
  • 小沢昭一 《随談》
  • 柳家小三治 「青菜」


 今年の大銀座の私的メインは、小三治さんの出られるこの『スペシャルプログラム』でした。毎年マクラたっぷりで小三治節を堪能させてくれてましたから、期待感も高まります。
 朝、チェック・アウト直前に目覚めてかなりあせりましたが、駅ナカで腹ごなしして会場へ。よみうりホールは初めてでしたが、ビックカメラの上にあるんですね。もちろん、ビックカメラがあとに入ったんでしょうけど。劇場内は曲線を多用した造形で、昭和の香り漂う、趣きのあるホールです。客席は 1,100 席で、もちろん満員。


 第 1 部は小朝の会。
 小朝の 1 席目「涙をこらえてカラオケを」では、カラオケ好きの故人を偲ぶカラオケ葬の場面で見台の下に隠してあったマイクを手に歌いまくり。2 席目の「お菊の皿」は、前半こそ古典をあっさりと演るように見せかけて、後半の興行化したお菊の登場では“恋のバカンス”に合わせて踊りまくり。凄まじい笑いへの執着心。稽古風景を見てみたい。
 間に挟まれた菊志んは、小朝の近況に軽く触れてから「湯屋番」を。軽妙洒脱。心地良いテンポと若旦那の軽さがたのしい。

 第 2 部は三枝の会。
 三枝の 1 席目は、弟子の桂三若が関口まい(桂ざこばの次女)と結婚する話題をマクラで振り、なのに心中がテーマの「平成 CHIKAMATSU 心中物語」を。心中しようと死ぬ方法をいろいろ模索するふたり。いざと云うときの男女の決断力の差がおかしみに。
 師匠に挟まれる形の三段。「How to プレイボーイ」は、喫茶店のウェイトレスに告白する噺。師匠の作品を師匠の前できっちり。
 三枝の 2 席目は、時間の都合でマクラを振れずに「宿題」を。小学生の息子が塾から持ち帰る宿題に四苦八苦する父親の噺。さすが本家のおもしろさ。間合いが絶妙。

 お待ちかねの第 3 部。
 まずは扇辰が「お血脈」を軽く、それでいてしっとりしっかり。表情が良い。
 つづいて師匠の扇橋は、好々爺の風情。ナスが嫁にくる「茄子娘」をのんびりした雰囲気で。サゲのバカバカしさもニンに合う。
 小沢昭一は音曲師へのあこがれを熱弁。“金金節”をたっぷり歌い、最後はハーモニカ演奏。しっかりネタも仕込んでて、オチまであるのはあっぱれ。

 そして、小三治。
 暑さを嘆いてすぐさま「青菜」へ。
 仕事中の植木屋を呼び寄せて酒の相手をさせる旦那。それまで仕事をしていた植木屋にあおいで風を送ってやる旦那にやさしさがにじみ出て、植木屋の方は旦那の暮らしぶりにいちいち感心する。旦那と植木屋の会話を無理なくふくらませつつ、植木屋のとぼけた性格と、それをたのしむ旦那のやり取りで、前半が他にないほのぼのとした味わい。
 屋敷暮らしへのあこがれから、精神的な充実へのあこがれへと気持ちが傾き、自宅へ戻って女房に説教‥‥のはずが、女房の方が上手で植木屋の立つ瀬なし。大工がきてから旦那のまねをする場面もほのぼの。
 仕込んでバラすことによって起こる笑いもさることながら、植木屋の旦那へのあこがれに焦点を当てた演出が秀逸。しかも植木屋がのんびりした性格なのがたのしい。そうかと思うとセリフのこまかいところまで計算されてるようで、なのに会話はごくごく自然なのが不思議。
 湯飲みにも手をつけず、たっぷり 40 分超。


 この会はとにかく小三治さんの「青菜」に尽きました。良いと云う噂は小耳にはさんでましたが、これほどまでとは。旦那と植木屋のやり取りに風情があって、笑わせられるんじゃなくて思わず笑ってしまうような、とにかくほほえましくてたのしい「青菜」でした。
 他の出演者も良かったですし、扇辰さんや菊志んさんとの出会いもうれしかったですし、スペシャルプログラムの名に恥じない、お値打ちの会でした。

大銀座落語祭

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大銀座落語祭 2008

2008/7/20 @博品館劇場

【柳家喬太郎と上方落語 その 1】

  • 立川こはる 「真田小僧」
  • 笑福亭たま 「胎児」 (作:たまよね)
  • 柳家喬太郎 「ほんとのこというと」 (作:柳家喬太郎)
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭福笑 「絶体絶命」 (作:笑福亭福笑)
  • 柳家喬太郎 「純情日記 横浜編」 (作:柳家喬太郎)


 しばし休憩して再び博品館劇場へ。喬太郎さんの会と云うことで、顔見知りの方々が多数集結。もちろん遠征組も。


 開口一番のこはるを観るのは 2 度目だが、「真田小僧」はテンポも間合いも頃合いで口跡良し。しかも子どもの出てくる噺はニンに合ってておもしろい。子どものませ加減がたのしく、良い感じで会場をあっためる。

 つづくたまはこはるの達者ぶりに感心しつつ、マクラ代わりにショート落語。三越劇場でのリベンジで「ドリアン」も。
 「胎児」は、妊婦が病院で胎児の様子を診てもらう噺。構成はかなり固まったようだが、あらたなクスグリも。帯を解いて胎児のヘソの緒に見立ててのジェスチャーしたり、胎児の様子を実際に逆立ちしたり、かなりヴィジュアル系。

 喬太郎の 1 席目は、会の成り立ちに毒づいてから、2 日間の独演会のあとで抜け殻だと断る。最近のニュースをいろいろと取り上げ、ときに雄叫びを上げる。
 「ほんとのこというと」は、結婚を前に彼女を家族に紹介する噺。登場人物のキャラクターで笑わせるタイプの噺だが、両親のテンションの上がり具合や、いまどきの若者など、喬太郎の観察眼と造形力が冴える。後半の家族へのムチャな要求はバカバカしい展開で、落とし方はいまどきかも。

 中入りを挟んで、福笑は人間の欲求についてのマクラを振ってから「絶体絶命」を。便意を催した女性がガソリン・スタンドを訪れる噺。前半、便意をこらえる女性ととぼけた応対をする店員とのやりとりで、《喜多商店》を《北酒場》に変えたのは東京ヴァージョンか。後半、女性が畑で用を足すときの擬音は以前よりも写実的に。とにかくどの場面も映像が浮かんでくるヴィジュアル系。

 喬太郎の 2 席目は、開口一番「なにを演れば良いんでしょう」。福笑は「君が上がりにくいようにしてくるわ」と上がったそう。
 噺家になる前のサラリーマン時代の話や、学生時代のアルバイトの話など、徐々に昔の話へと話題をつないで「純情日記 横浜編」へ。男が意中の女に告白する噺。初めてのデートで横浜市内を散策する場面は、やはり土地勘がないと笑えない。それでも告白にいたるドキドキ感はしっかりと伝わる。


 結果的に新作の会になりましたが、喬太郎さんを目当てにこられたお客さんにも、福笑さんは強烈なインパクトを与えたと思います。好き嫌いは別として。凄まじいチョイスでした。
 対する喬太郎さんの方はと云いますと、福笑一門を相手に丁々発止の真っ向勝負と云った感じ。しっかりと自分の空気にしてから噺に入るあたりはさすがです。

 終演後、顔見知りの方々と大宴会。落語を肴に盛り上がりました。

大銀座落語祭

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大銀座落語祭 2008

2008/7/20 @博品館劇場

  • 5GAP 「コント 山登り」
  • ハイキングウォーキング 「Mr. スズキックスのスーパーイリュージョンショー」
  • 髭男爵 《ショート・コンツェルン》
  • フルーツポンチ 「コント バンド脱退」
  • はんにゃ 「コント 柔道部のヘタレ先輩」
  • 狩野英孝 「コント 占い」他
    ―― 中入り ――
  • 三遊亭白鳥 「はらぺこ奇談」 (作:三遊亭白鳥)
    ―― 中入り ――
  • 電撃ネットワーク
    ―― 中入り ――
  • 三遊亭かっ好 「からぬけ」
  • 昔昔亭桃太郎 「死神」


 7 月 17 日(木)から始まった『大銀座落語祭 2008』ですが、私は後半の 20 日(日)から参戦。
 400 席ほどの会場はほぼ満席。どの会も前売り券は完売との情報でしたが、どの会でも当日券が若干数出てたようでした。


 5GAP はカップルの登山デートのコント。彼女が異常行動でボケるパターン。まずまず。

 ハイキングウォーキングはしょぼいイリュージョン(?)に全力で挑戦して失敗するパターン。結果がわかってても勢いでなんとなくおもしろい。

 お待ちかねの髭男爵は、ショート・コンツェルン(コント)もさることながら、合間のしゃべりがおもしろい。あとに出た白鳥も言及していたが、客イジリも巧みで寄席向き。

 フルーツポンチはバンドを脱退する先輩を後輩が引き止めるコント。先輩をイラッとさせる後輩の言動の数々に、こちらまでマジでイラッとさせられる。

 はんにゃは柔道部のコント。イキッた先輩のヘタレ具合がかなりおもしろい。

 イケメン(?)の狩野英孝はひとりコント。「ラーメン、つけ麺、ぼくイケメン」から、長めの占いコント。イケメンでキメてるはずなのに、そこはかと漂うチープ感がおかしい。

 中入りを挟んでの白鳥は、人情噺や怪談噺などの落語のスタイルについて軽く説明してから、自身のダイエット話から白鳥版ホラー落語の「ハラペコ奇談」を。こまかい仕込みが終盤に活きる構成ながら、いつもながらやや早口で通じにくかった場面も。終盤は舌に巻かれて引きずられる様を熱演。

 中入りを挟んで、大音響とともに電撃ネットワークの登場。過剰な勢い芸の連発にバカ負け。客を舞台に上げたり、客席に暴れ込んだり。最後のロケット花火で会場には煙が充満。
 アンコールを促す手拍子が起こるも、無情に中入りを告げる場内アナウンス。

 中入りを挟んで、予定になかったかっ好が登場。電撃ネットワークのあとの演りにくい空気を緩和するのと、煙がおさまるまでのつなぎで。とつとつと、自虐的にいろいろしゃべる。なんとなくおもしろい。小咄をいくつか。

 会の大トリの桃太郎は、今回「死神」を「他所で演らず、大銀座で初演を」とオファーされたそう。定番と思われるマクラや、師匠の春風亭柳昇が作った小咄なんかをぽつりぽつりとしゃべるも、それほどウケずにとまどう。
 演し物の「死神」は、探りさぐりしゃべっている感じ。ダジャレのクスグリをいろいろ入れるも、反応はいまいち。終盤、唐突に『笑ゥせぇるすまん』みたいな展開になるも、これで上手い具合にサゲに。


 極端な《お好み演芸会》の趣でしたが、買う前からわかってたことなんで OK でした。お目当ての髭男爵が想像以上におもしろくて大満足。ほかのお笑い芸人もなかなかおもしろかったです。
 落語の方は、急遽上がることになったと思われるかっ好さんはともかく、白鳥さんはもうちょっとテンポ・ダウンしてほしいところ。桃太郎さんの「死神」は「初演を観た」ってだけですかね。これから繰られておもしろくなりそうではありました。

大銀座落語祭

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男前寄席

2008/7/14 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 桂三四郎 「子ほめ」
  • 旭堂南青 「将棋大名」
  • 月亭遊方 「奇跡のラッキーカムカム」 (作:月亭遊方)
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南青 『源平盛衰記』より「那須与一」
  • 桂三四郎 「がまの油」

※ 第 2 回


 三四郎さんと南青さんの勉強会。チラシに「男前しか出ていません」と書かれた、自信満々のナルシストの会です。「個人差はあります」と云う但し書きがありますが。
 第 1 回は今年 2 月 14 日に開催されましたが、木戸銭 1,800 円のところを、ふたりへのバレンタイン・チョコ持参の方は 1,500 円になると云う割り引き企画がありました。今回は受付で「三四郎と南青って男前ですネ」と告げると割り引きになると云う、これまたなんともナルシストな企画。実際に行ってみると、受付にいた南青さんが恥ずかしそうに「云わなくていいです」と、ちょっと拍子抜け。
 直前に約 30 名の団体予約が入って、お客さんは 60 名ほどに。もちろん狭い上方亭は満席。両サイドの床几が団体用の予約席になって、ちょっと腑に落ちず。
 お茶子は桂さろめさん。


 まずは三四郎がやらしい話その 1 で、この会の割り引きにまつわる話。前回、チョコはたくさんもらえたそう。
 繁昌亭でほめられた話から「子ほめ」へ。全部入りの全長版ながら、全体に荒さが目立つ。それでもとことん軽い調子の喜六が天ぷらに過剰反応したりするのがおもしろい。

 つづく南青がやらしい話その 2 で、差し入れにまつわる話。もしどうしても木戸銭以外になにか渡したくなった場合は《軽くて薄くてみんながよろこぶもの》を、とのこと。
 「将棋大名」は、殿様のムチャな将棋に困った家臣らが筆頭家老に相手を頼む話。要所にクスグリを配して緩急に。口跡の良さで聴きやすい。

 中トリの特別男前出演の遊方は申し訳なさそうに登場。曰く「ノド渇いて自販機でジュース買おと思たらサバ缶出てきた」みたいな男前度。この日の楽屋での三四郎と南青のやらしい話を暴露。この日だけにするにはもったいないネタ満載。
 ゲン担ぎの話や占いの話でたっぷりのマクラで笑わせてから「奇跡のラッキーカムカム」へ。ついてない男が通販で開運グッズを買う噺。冒頭の雑誌の体験談から笑い多し。後半の展開もたのしい。
 ちなみに、このネタは三四郎からのリクエストだったそう。

 中入りを挟んで、南青の 2 席目はマクラなしで「那須与一」を。源平合戦のさなか、平家方の小舟が棹の先にかかげた日の丸の扇を射落とせとの謎に、若い那須与一が抜擢される話。グイグイ引き込む。最後のオマケで緩和させるあたりも上手い。

 三四郎の 2 席目は、落語を演りにくかった会場の話をマクラに、啖呵売の客の寄せ方を紹介して「がまの油」へ。構成は上手く工夫しているが、まだ演り慣れてない(ひょっとするとネタおろし)とあってぎこちなさがチラホラ。後半の酔っぱらい具合が独特。


 いやはや、とにかく笑いの多い会でした。とくに前半はみなマクラがおもしろく、その流れでネタもノリノリでした。団体さんもマナーが良くて会の雰囲気を壊すことなくたのしまれてましたし、結果的に満員になったことが良い方に転がった感じです。

 次回は 2009 年 2 月 14 日(土)の予定です。

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徳本寺スペシャル 2008

2008/7/13 @徳本寺

【徳本寺的総天然色のココロだ!! ~落語もするかも?~】

  • 桂佐ん吉 「道具屋」
  • 桂しん吉 「鶴満寺」
  • 桂よね吉 「遊山船」
  • 桂あさ吉 「世帯念仏」
    ―― 中入り ――
  • 《錦影絵》
    • 解説 (吉坊)
    • その 1 (よね吉・吉の丞)
    • その 2 (あさ吉・佐ん吉)
    • その 3 (吉弥・しん吉)


 徳本寺へ行くのはこの日が 2 度目なんですが、『徳本寺スペシャル』は今年が初めて。いつもの吉朝ファンの面々と阪急「御影」駅前で待ち合わせ、タクシーに乗り合いで徳本寺へ。徒歩 15 分くらいなんですが、この季節にあの坂を登るのは‥‥と云うことで。
 早めに着いてのんびり開場待ち‥‥のはずが、どんどんお客さんが詰め掛け、えらい行列に。早く行って正解でした。
 本堂に 100 人ほどがギッシリ。女性客が 8 割以上で、吉朝一門ならではな客層です。聞くところによると、予約が 2 分で完売したとか。スゴいですね。
 前半は落語会で、後半の趣向はおたのしみ。


 トップの佐ん吉は軽いマクラから「道具屋」を。演り慣れててテンポ良く、繰られまくりでこまかいクスグリも追加されてる。佐ん吉オリジナルの、首の抜けるお雛様で「こんにちは」「お前はんかいな」がたのしい。ようやく笛が売れそうになったところで、あさ吉のクスグリ「全部で‥‥」も。

 増席のため長い出囃子のあとに登場したしん吉は、マクラであさ吉のエピソード。この会の打ち合わせに来ないと思ったら海外公演に行ってたことや、吉朝の形見分けで奇跡的にええことを云うた話など。
 演し物は季節外れながら「鶴満寺」。金と酒に目がない寺男がなんとも憎めない。

 つづくよね吉もマクラであさ吉のエピソード。自身の独演会で、吉の丞の「子ほめ」につづいて出たあさ吉が「子ほめ」を始め、楽屋も客席も騒然。なんとか「向う付け」を演り終え楽屋に戻ったあさ吉が「いまのはセーフやな」。
 演し物は季節ネタで「遊山船」。吉朝スタイル。喜六のワチャワチャ感がたのしい。

 中トリにあさ吉が登場すると、なにか言葉を発するたびに笑いが起こる。中入り後の趣向が錦影絵であることをいきなりバラすも、「スクリーン出てんのに。隠し事はあきません」と居直り。
 これまで自分がおかしなことを云ったと思ったのは、小米朝とオランダへ行ったときに「ハウステンボスみたいですね」と云ったことだけ、とのこと。そのあと「いろんなところで落語を演りましたが、日本がいちばん演りやすい」と、いきなり天然発言。
 演し物は「世帯念仏」。ニンに合ったネタで、気もそぞろな読経がおかしみに。

 ビールとおつまみでゆるりと長めの中入り。この間、舞台ではごそごそと趣向の準備。

 中入り後は吉坊の司会・進行・解説で錦影絵。残りの一門メンバーが 2 人 1 組になり、お題の種板 3 枚を必ず使ってのオリジナル台本を作って演ると云う、三題噺のような趣向。本堂の雨戸も閉めて会場は真っ暗に。
 まずはよね吉と吉の丞が漫才風に。かなり勢い押し。
 つづくあさ吉と佐ん吉は、なぜかオープニングが映画『ターミネーター』風で、話に入ると「あぁ、のど渇いたなぁ」と、いきなり独特のゆるぅ~い感じに。
 トリの吉弥としん吉は、腹痛の男が医者を訪ねる話。いちばんまともな台本。ふたりの声質が似てて登場人物の差がわかりにくかったのがチと残念。
 最後に全員揃って反省会。そろそろお開きと云うところであさ吉が「きょうはどうもありがとうございました。‥‥あ、俺まとめられへんかったわ」と、あさ吉節炸裂。


 なんともアットホームな雰囲気で、しかもええお客さん。笑い所でドカンドカンとウケてました。なによりあさ吉さんのフラと云うか、癒しオーラと云うか、天然の味が出まくりで、とにかくおかしかったです。来年もたのしみになりました。

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深脳落語会 NIGHT HEAD

2008/7/12 @天満天神繁昌亭

  • 林家市楼 「江戸荒物」
  • 笑福亭たま 《新作ショート落語》
  • 笑福亭たま (バーで酔う女の噺) (作:笑福亭たま)
  • 林家花丸 「ないもん買い」
  • 笑福亭たま 「兵庫船」


 たまさん主催の繁昌亭レイトショー枠での会の 2 回目。遅くの会にもかかわらず 100 人くらいの入り。


 市楼を観るのはひさしぶり。東京で大阪弁が通じなかった話をマクラに「江戸荒物」を。変な江戸弁も含めてきっちり丁寧。高座の出来は良いのに、気の毒なほどウケない。

 たまの 1 席目は新作ショート落語から。時事ネタを材に取ったものが多かったが、思ったほどウケずに四苦八苦。ウォシュレットのネタが凄まじい。
 そのまま続けて新作を。独り身の女性がバーで酔いつぶれる噺。最近の『できちゃったらくご!』や『たまの小劇場』で披露した新作をアセンブル。よもぎまんじゅうやバーの女などにこだわりがあるよう。徐々に方向性は定まりつつあるようで、どう育つかたのしみ。

 花丸はマクラで学生時代の落研の話。先輩にタージンや太平かつみがいるそう。たまがパンフレットでハードルを上げたことをボヤきつつ、花丸版「ないもん買い」。ビリーとヒロシが天神橋筋商店街を 6 丁目の交差点から南下。新しいクスグリもちょこちょこと。途中でネタが前後してあたふたしつつも、それもアドリブで笑いに。
 終盤で登場する花丸にビリーが質問。「コノ世デイチバンオモシロイ古典落語テ、ナンヤネン?」「そら『兵庫船』ですね」「オー、コノアト誰カ演ルラシイナ。腸ヨジレルラシイナ」と、ハードルを上げる。

 たまの 2 席目は上げられたハードルを回避するためか「兵庫船」「口入屋」「代書屋」でアンケートを取るも、結局「兵庫船」に。喜六が威勢良いキャラで、謎掛けを「やりますぅー!」ってのがおもしろい。こまかい工夫も随所に。膝隠しに水色の手拭いを掛けて海面に見立てたり、扇子の船と手でつくったフカとで大きさを対比させたり、ヴィジュアル効果も。


 時間は 1 時間ちょっとですが、中身はギュッと詰まってて盛りだくさんの内容でした。ハードルをクリアした(下をくぐった?)花丸さんもさることながら、さらに上げられたハードルを越えていったたまさんもさすがです。個人的には、「兵庫船」はたまさんのがいちばんおもしろいです。

 次回は 8 月 9 日(土)です。

らくごの玉手箱

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南湖だんご 旭堂南湖話術研究会

2008/7/11 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

【赤穂義士伝 其の七 堀部安兵衛 5】

  • 旭堂南湖 『紙芝居 原子怪物ガニラ』
  • 旭堂南湖 『赤穂義士銘々伝』より「堀部安兵衛 決闘高田馬場」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南湖 『太閤記』より「長短槍試合」

※ 40


 チケットぴあで JUDAS PRIEST の前売り券を買ってワッハ上方へ。
 入りは 16 人。だいたいこれくらいで安定してきた感があります。今回来られてなかった常連さんが数名おられたと思いますんで、状況次第ではもう少し入りそう。


 まずはマクラ代わりのおしゃべり。じんま疹の話から NHK のニュース番組で声の出演をした話。くいだおれ太郎の声を(台本の手直しを含めて)演ったが、番組のテロップには「語り くいだおれ太郎」と出てひっくり返ったそう。
 紙芝居の『原子怪物ガニラ』は 7~9 を。北洋丸に火を放ってガニラの注意を引き付け、シンイチ少年らは海へ。しかし北洋丸は沈んでしまい、再びガニラに追いかけられる。谷場中の谷場で展開少なし。ガニラが徐々に大きくなる。しかもひとつのエピソードのなかで。

 つづけて「堀部安兵衛」の続き読み。村上兄弟から決闘を申し込まれた、安兵衛の師匠の菅野六郎右衛門。多勢に無勢とわかっていながら決闘に挑む六郎右衛門。酔って帰った安兵衛が六郎右衛門からの手紙を見た途端、酔いは覚めて血気にはやる。糊用に炊いた米をあおって高田馬場へ。
 村上兄弟に対峙した六郎右衛門の大立ち回りと、安兵衛が六郎右衛門からの手紙を読む場面の緊迫感が秀逸。

 短い中入りを挟んで、おまけ講談で「長短槍試合」。槍の長短でどちらが有利か迷う織田信長に対し、槍の名手の上島主水は短槍を、木下藤吉郎は長槍を、それぞれ支持する。両者を筆頭に 50 名の隊を編成し、4 日の後に試合をおこなうことに。
 ひさしぶりに聴いたが、クスグリが増えてたような。それぞれの槍の稽古の場面がたのしく、試合で金に目がくらんだ木下隊の連中がまたおもろい。笑いのなかに現代にも通じる兵法が上手く盛り込まれている。


 トータル 100 分くらい。講談は情報量が多いんで、これくらいが丁度良いかもしれませんね。「堀部安兵衛」もいよいよ佳境に突入で、ますます観逃せなくなってきました。

 夫婦らしい男女二人連れが口演中にもかかわらず、会場を出たり入ったり、ふたりでボソボソしゃべったり。いったい何をしに来てるやら。気が散って仕方なかったです。

 次回は 9 月 19 日(金)です。
 とうとう次回は高田馬場十八人斬り‥‥となる予定。ひょっとすると安兵衛が抜刀したところで終わるかもしれませんが。

正直南湖

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五日連続 日曜落語なみはや亭 特別興行

2008/7/10 @ほたるまち ABC ホール

  • 桂阿か枝 「子ほめ」
  • 桂団朝 「座長の涙」 (作:小佐田定雄)
  • 林家染二 「片棒」
  • 笑福亭仁鶴 「代脈」
    ―― 中入り ――
  • 林家染丸 「豊竹屋」
  • 桂あやめ 「口入屋」
  • 《手締め》

※ 千秋楽


 定席寄席みたいに思ってた『なみはや亭 特別興行』もとうとう千秋楽。この日ももちろんいっぱいの大入り満員。


 開口一番の阿か枝は小学三年生が相手の落語会で「いつまで続けはるんですか?」と痛烈な質問をされた話をマクラに、スルリと「子ほめ」へ。ごくごくスタンダードな構成ながら、「灘の白鶴さんに親類が‥‥」とヨイショ。伊勢屋の番頭のくだりは端折り、サゲは「どう見ても生まれてないみたい」。よどみない口跡が心地良い。

 つづいて団朝が大衆演劇や《下町の玉三郎》の話をマクラに「座長の涙」を。とある大衆演劇の座長のもとに、母親を捜すため芝居に出してほしいと云う男が訪れる噺。芝居がかったクサいセリフが芝居経験の豊富な団朝ならではの説得力。男が勝手に暴走する後半の展開もたのしい。

 染二は自身の両親のエピソードをマクラに、親子の噺で「片棒」を。くいだおれや大阪府知事などの時事ネタをふんだんに盛り込み、スポンサーの白鶴を持ち上げる。この日のためにきっちりネタを繰ってくることに好感。にぎやかな高座。

 中トリの仁鶴は独特のフラで、普通にしゃべってるだけで前列の客が笑い出す。医者の話をマクラに「代脈」を。淡々とした口跡ながら、玄関番の若先生のとぼけた感じがぴったり。時折、ネタを思い出してるかのような間にヒヤヒヤさせられる。

 中入り後から NHK の取材カメラが入る。染丸が落語ブームの話題からドラマ『ちりとてちん』の名前を出して「横にいてはるから云うたんですよ」。余芸の話いろいろをマクラに「豊竹屋」へ。即席浄瑠璃と即席口三味線のセッションがにぎやかでたのしい。よどみない語りに安心して身をゆだねる。

 大トリのあやめはやや緊張した雰囲気。女流噺家の実情から現代の派遣社員の話題へとマクラをつないで「口入屋」へ。スーパー女衆の特技の云い立てはやや怪しかったが、初演時より全体的にスムーズで、番頭が店の者を寝かせる場面がクスグリ増量でたのしい。最後はスーパー女衆が大活躍。

 最後に伊藤史隆アナウンサーの誘導で染丸とあやめが再登場して大阪締め。


 いろんな味わいの噺が並び、いずれもニンに合った噺で、満足度の高い会でした。あやめさんは最初こそ硬い雰囲気でしたが、ネタに入ればいつものテンションで大トリの責務を果たされました。
 伊藤史隆アナウンサーとともに、高座を華やかに彩った お茶子さん も 5 日間お疲れさまでした。

ABC ラジオ

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平成創作落語の会

2008/7/9 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭鉄瓶 「テープレコーダー」
  • 笑福亭たま 「ナオミの夢」
  • 笑福亭仁智 「恐怖の民宿 百物語」
    ―― 中入り ――
  • 月亭遊方 「戦え!サンダーマン」
  • 笑福亭福笑 「脂肪遊戯」

※ 第 73 回


 朝から曇り空で昼間もパラッと降ったみたいでしたが、開場頃にちょっと強めに降り出して「やっぱり梅雨なんやなぁ」と実感。
 天気は悪かったんですが、当日券で補助席のお客さんも多数で大入り満員。たしかに好番組だとは思いますが、それにしてもスゴいですね。
 この日は全員が自作ネタでした。


 トップは「笑福亭鶴瓶に入門したての頃にしくじりをごまかそうとしたことがバレて芸名を《隠瓶》とされそうになった」鉄瓶。「テープレコーダー」は、中学時代に母親のイビキを録音して修学旅行のバスのなかで流したところ‥‥って噺。いわゆる《私落語》だが、もう少し脚色しても良いかも。いかにもたのしそうにしゃべってる姿には好感。

 つづくたまは、海外三面記事ネタとショート落語(ベスト&時事ネタ)でご機嫌うかがい。「ナオミの夢」は、アイドルをめざす女の子の噺。場面が、新幹線のホームで上京する娘を見送る両親、オーディションでの仁義なき戦い、チン・リー監督との面会、と移り変わる。全体に整理されて流れがスムーズに。

 仁智の登場に合わせて客席照明が照明が落ちる。いろんな意味でコワい川柳いろいろをマクラに「恐怖の民宿 百物語」を。ふたりの男が琵琶湖畔のペンションを訪れる噺。前半は宿屋の婆さんとのやり取りがすさまじくおもろい。後半は舞台の照明も落とし、蝋燭(風照明)を灯して百物語。その後がまたコワおもろい。

 中入りを挟んで、遊方は子ども時代のニックネームについてのマクラを振ってから、ヒーローショーの会場で事件が起きる「戦え!サンダーマン」を。中途半端な格闘シーンと変な所作がおもしろ過ぎる。事件発生後は虚実ない交ぜで犯人のないがしろ具合がおかしい。観客参加を要請したり、たまのネタを絡めたアドリブも。

 トリの福笑はマクラで、新作を演る原動力について切々と語ってから「脂肪遊戯」を。脂肪吸引による最新の痩身術をする医者の噺。「大丈夫」を連発してムチャな手術を敢行。すさまじい展開に観客は引き気味。


 福笑さんの「脂肪遊戯」は初めて聴きましたが、いやはやかなりクセとアクの強い作品です。来年の独演会に向けて育てられてるんでしょうけど、どんな風に育つのかと云う点では興味深いです。
 仁智さんの「恐怖の民宿 百物語」も初めてでしたが、こちらは怪談噺的な演出ながら笑いたっぷりで、仁智さんらしくてたのしい作品でした。

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五日連続 日曜落語なみはや亭 特別興行

2008/7/7 @ほたるまち ABC ホール

  • 桂三金 「アメリカ人が家にやってきた」 (作:桂三枝)
  • 桂梅團治 「青菜」
  • 笑福亭仁智 「めざせ甲子園」 (作:笑福亭仁智)
  • 月亭八方 「算段の平兵衛」
    ―― 中入り ――
  • 柳家権太楼 「代書屋」
  • 桂つく枝 「井戸の茶碗」

※ 二日目


 初日と比べると平日と云うこともあってか、開場前も少し落ち着いた雰囲気でした。それでも客席は満員。曇り空で猛暑とまではならず、開場待ちの間も少し楽でした。会場内の冷房も若干緩和された感じ。


 トップの三金はいつものデブネタをマクラに「アメリカ人が家にやってきた」を。サラリーマン家庭がアメリカからの転勤者を受け入れるために英語を猛特訓する噺。前半、亭主が先生みたいな口調で違和感を受けるも、後半は家族の雰囲気に。あかるくたのしい高座。

 梅團治はスッと「青菜」へ。声だけ聴いてたら雑なようで、その実、きっちり丁寧。植木屋が旦那の真似事をする場面は、植木屋の納まり具合の落差が大きい。大工が贅沢できない理由が「双子の年子が三年続いたから」と具体的でおかしい。

 家から自転車できた仁智は「めざせ甲子園」を。地元の LP 学園が今年は甲子園出場できるのか、商店街の人が監督に訊く噺。選手のダメさ加減が半端なくてとにかくおもしろい。イライラしつつも最後まで朗報を訊き出そうとする商店街の人もエラい。

 家から歩いてきた八方は、子どもの頃に恐がってた「香港に売り飛ばすぞ!」が口癖の内海のおっさんの話をマクラに「算段の平兵衛」へ。笑い所の少ない噺だが、軽妙な語りのテンポで噺のなかへ引き込む。

 中入りを挟んで、東京からのゲストで権太楼。小咄いろいろをマクラに「代書屋」を。江戸へ「代書屋」を持ち込んだ桂小南から習った柳家喜多八にネタを付けてもらい、桂枝雀の許可を得てクスグリを盛り込んだそう。代書屋はイラッとしつつも常に落ち着いた感じ。履歴書を書いてもらいにきた男は湯川秀樹。「せーねんーがっぴっ!」。

 トリのつく枝は桂小文枝に入門したときのエピソードで笑わせてから「井戸の茶碗」へ。頼まれたら断れない紙屑屋がつく枝のニンに合ってて、ふたりの侍の間を右往左往するトホホ感がたのしい。きっちりたっぷり。


 仁智さんまではええ感じで盛り上がったんですが、中トリの八方さんとトリのつく枝さんが笑いの少ないネタで、東京からの権太楼さんはテイストが違いますし、終わってみると全体がやや重い印象となってしまった感があります。それぞれの高座は良かったんですが、番組編成って難しいですね。
 で、個人的なお目当てだった八方さんの「算段の平兵衛」には大満足。地噺で笑い所も少ないんですが、押し引き緩急自在な語り口でグイグイ引き込まれた感じです。師匠の可朝さんだったらどんな風に語られるかな?とか想像させられたりも。弟子の遊方さんもぜひ受け継いでほしいです。

ABC ラジオ

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五日連続 日曜落語なみはや亭 特別興行

2008/7/6 @ほたるまち ABC ホール

  • 桂歌之助 「桃太郎」
  • 桂坊枝 「阿弥陀池」
  • 桂雀三郎 「親子酒」
  • 桂春團治 「皿屋敷」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭福笑 「葬儀屋さん」 (作:笑福亭福笑)
  • 桂こごろう 「茶の湯」

※ 初日・夜


 腹ごしらえをして夜の部へ。こちらももちろん満員で、ギリギリに来られて入場を断られるお客さんも。これはちょっとおかしいようにも思いますが。


 トップの歌之助は塾講師のバイトをしていた頃の話をマクラに「桃太郎」を。基本に忠実にきっちりと。

 坊枝は新聞を 6 紙読んでる、ただし駅で‥‥って話をマクラに、新聞ネタの出てくる「阿弥陀池」。便所の壁紙が入るヴァージョン。新聞を読まない男が騙されたとわかったときのいぶかしげな表情と、そのときのタメが効果的。口跡が良くメリハリも利いてて心地良い。

 雀三郎は酒にまつわる小咄いろいろから「親子酒」へ。父親のグダグダ具合がたのしい。息子は陽気に酔っぱらい、うどん屋相手にツッコミ強要。最後の酔っぱらい親子の対面では所作が秀逸で、こっちまでグラグラ‥‥。この感覚がラジオで伝わるか?

 中トリの春團治は季節ネタで「皿屋敷」を、いつもよりたっぷりと。お菊の登場は微妙な揺らぎがそれっぽくて、幽玄な雰囲気を醸し出す。評判になってからのお菊はいつになくかわいらしい。秀逸。

 中入りを挟んで、福笑は鉄板ネタの「葬儀屋さん」。亡くなった父親の葬儀でもめる 3 人兄妹の噺。スカタンなことを云いまくる長男と、キレそうになる葬儀屋のやり取りがとにかくおもろい。香典のくだりでは、観客から思わず「祝儀!」の声が上がる。

 トリのこごろうはやや緊張気味か。目の前の空席を気にしつつ、内弟子時代の失敗談で笑わせつつ、徐々に自分の空気に。「茶の湯」は前日の『片塩寄席』でほぼ完成されてたようで、あかるくたのしいこごろうテイストが随所に発揮された高座に。


 3 時間に迫る熱演でした。
 中トリの春團治師匠まで徐々に会が盛り上がり、福笑さんが笑いのハードルを上げ、それをこごろうさんが見事クリアすると云う、理想的な展開でした。番組が功を奏した好例だと思います。

ABC ラジオ

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五日連続 日曜落語なみはや亭 特別興行

2008/7/6 @ほたるまち ABC ホール

  • 笑福亭たま 「いらち俥」
  • 林家花丸 「千早振る」
  • 桂文華 「ちりとてちん」
  • 桂文珍 「船弁慶」
    ―― 中入り ――
  • 桂三歩 「さよなら動物園」 (作:桂三枝)
  • 笑福亭三喬 「次の御用日」

※ 初日・昼


 ABC の社屋移転記念のなみはや亭は 5 日間 6 公演のビッグ・イヴェント。もちろん応募したんですが、惨憺たる結果でした。ところがどっこい、おすそ分けで初日昼夜も行けることに。ありがたやぁ~。
 熱いなかにえらい人出。もちろん 300 人満員。おそらく 150 組以上当選してたと思われます。日曜昼のこの回がいちばんの激戦区だったそうな。


 トップのたまは海外三面記事ネタとショート落語(ベスト&時事ネタ)をマクラに「いらち俥」を。途中、観客に断ってから着物の乱れを直すほどのハッスルぶり。繁昌亭効果できっちり 15 分、サゲも「持ち時間終了です」。ラストのストップ・モーションはラジオで伝わるか?

 つづく花丸はまず、高座のあちこちに飛び散ったたまの汗を拭き取ってから。「千早振る」は途中で浪曲や歌劇が出てきたり、イタコに千早大夫が乗り移ったり、花丸版と云える改作。こまかいクスグリも追加された増補改訂版に。

 新社屋の複雑な通路で迷った文華は「ちりとてちん」を。こちらは入れ事も少なく基本どおりきっちりと。顔芸とまでいかない、こまかい表情で心理描写を的確に。上手さが光る高座。

 片方の鼻の穴に詰め物をして登場した文珍は「CO2 半減させようと」。ボソボソとした感じで四方山マクラを振ってから「船弁慶」へ。序盤はマクラを引きずったテンポの悪さが気になるも、雷のお松が登場したあたりからリズミカルに。

 中入りを挟んで、七つ紋の羽織で登場した三歩はマクラ代わりに早口言葉を。「さよなら動物園」は、廃止される動物園のチンパンジーとゴリラの噺。ダジャレ中心でほのぼの。

 トリの三喬はマクラでスポンサーの白鶴酒造を持ち上げつつダジャレ連発。「次の御用日」は、前日の『ポエム噺』で冗長に感じた部分がスッキリ整理された感じ。それでもダジャレや桂文枝ネタは健在。丁稚の常吉の生意気さ加減がたのしい。きっちりと三喬パッケージに。


 充実の 2 時間半でした。
 トリの三喬さんはきっちり仕上げてこられましたね。さすがです。お目当ての花丸さんやたまさんはもとより、ひさびさの文華さんも良かったですし、満腹々々。

ABC ラジオ

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ポエム噺 笑福亭三喬の勉強会

2008/7/5 @喫茶ポエム

  • 笑福亭喬介 「阿弥陀池」
  • 笑福亭三喬 「次の御用日」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭三喬 「一文笛」

※ 第 31 回


 初めて喫茶ポエムに行きましたが、住宅街にあるごく普通の喫茶店で、狭い店内に椅子が敷き詰められてました。客席前方は桟敷になっており、幅の狭くなった茶臼山舞台って感じです。
 お客さんは 30 人くらい。補助席も出る超満員です。近所の方が中心ですが、落語ファンの姿もチラホラ。(他人のことは云えませんが‥‥)


 まずは喬介が「阿弥陀池」。仕込みの場面はトントンと進むも、バラシの場面で話が前後して混乱。なんとか気を取り直して最後まで。トラウマにならねば良いが‥‥。

 三喬の 1 席目はマクラたっぷり。今後の会のお知らせや、東京の寄席事情など。ギャラに関する生々しい話も。
 「次の御用日」は丁稚の常吉がかわいらしい。奉行所の場面ではダジャレが入ったり、「もしも奉行が桂文枝だったら」みたいなネタが入ったり、退屈しがちな場面にも三喬らしいクスグリ満載。
 中入り前に「健忘症になった娘を助けるにはどうしたら良いか?」と云う宿題が三喬から出題される。

 中入りはコーヒー・タイム。お菓子もたくさん振る舞われる。

 中入りを挟んで三喬の 2 席目はパジャマのような羽織で登場。元刑事に訊いたスリの話をマクラに「一文笛」を。入れ事をせずきっちり丁寧に、それでも三喬風味がにじみ出た感じに。
 終わってから質問コーナー。三喬からの宿題を観客から訊いてみたり、さらにスリの話をしてみたり。


 三喬さんがたっぷり 2 席で、コーヒー・タイムもサービス満点。落語もさることながら、おまけの多いお得感のある会でした。

 次回は 12 月頃に開催予定です。
 その前に、10 月 31 日(金)に池袋演芸場で三喬一門会を昼・夜 2 公演。11 月 2 日(日)に兵庫県立芸術文化センターで独演会を昼にと、大きい会が予定されてるそうです。

ポエム噺

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片塩寄席

2008/7/5 @片塩カルチャーセンター

  • 桂三四郎 「時うどん」
  • 桂しん吉 「船弁慶」
    ―― 中入り ――
  • りんりん亭りん吉 「松山鏡」
  • 桂こごろう 「茶の湯」

※ 第 14 回


 前回はりん吉ちゃんの出演が新聞に載ったことで立ち見も出る大入りだったんで早めに出掛けましたが、今回は椅子が埋まるくらいの満員で、ザッと 100 人くらいの入り。これぐらいが適当だと思います。


 まずは三四郎が「時うどん」。清八がうどんの残りの出汁を喜六にぶっかければ、翌日は喜六が自ら出汁を頭からかぶると云う異常行動。イントネーションが気になる場面がチラホラ。きっちり稽古を付けてもらう時期かも。

 しん吉は《元祖お囃子カントリーぐんきち》の紹介をマクラに「船弁慶」を。師匠の桂吉朝の型を踏襲した感じできっちりと。お囃子も入ってにぎやかに、夏の風情を。

 中入りを挟んで、りん吉が「松山鏡」をかわいらしく。

 トリのこごろうはマクラをいろいろ振りつつ観客を引き付けてから「茶の湯」を。茶碗の回し方で裏千家と表千家に違いがあったり、掛け軸の「根性」をかみしめたり、こごろうならではのこまかい工夫がたのしい。茶を点てると高座からキュキュキュと音が鳴り、それを「立て付けが悪い!」とアドリブで笑いに。


 観客の笑いも多く、たのしい会でした。
 ただ、むやみやたらと写真を撮る人が多過ぎ。デジタル・カメラの起動音はもとより、シャッター音の消せない携帯電話での撮影やフラッシュ撮影など、視覚・聴覚を刺激されまくり。困ったもんです。

 次回は 11 月頃に開催予定。ゲストは桂小枝さんとのことです。

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たまの小劇場

2008/7/2 @common cafe

  • 笑福亭たま 《ごあいさつ》
  • 桂ひろば 「インド旅行記」 (聞き手:桂三幸)
  • 笑福亭たま 「看板の一」
  • 桂三幸 「あなたになら言える今日のこと」 (作:桂三幸)
  • 笑福亭たま 「口入屋」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭たま 「夏の日の 1993」 (作:笑福亭たま)


 開場が押しに押して、どないしたんかと思ったら、お囃子さんのための設営に手間取ったそうな。受付に桂さろめさんが。
 前回の反省もふまえて、席の配置にも工夫がなされてました。なのに入りは少し少なめの 40 人くらい。なかなか難しいですね。


 定刻にたまが私服で登場。着替える暇がなかったんで、手伝いにきてたひろばにつないでもらうとのこと。で、ひろばがインド旅行の話(主に騙された話)を、訊き手を三幸に、インド旅行経験者の観客と。

 たまの 1 席目はこの日のバタバタをマクラに「看板の一」。貫禄十分の親父っさんが看板をしまう場面でキャラの落差が大きくたのしい。その親父っさんのやり口をまねるチョカなおとこの納まり具合もおかしい。

 ゲストの三幸はこの日が誕生日で、やたらと大きな羽織を着てると思ったら兄弟子の桂三金にもらったそう。繁昌亭カードやサイン色紙を持ち出したりして、マクラいろいろ。
 ネタは、相撲取りになりたい漁師の息子の噺。展開の骨子はなかなかおもしろいが、ちょっと前のゴシップを使ったクスグリが多く、笑いが弱くなるのが残念。

 たまの 2 席目は、昔の商家における男女による勤務形態の違いを解説してから「口入屋」へ。最初の口入屋での場面はカット。その分、番頭をはじめとする店の者の表情を色濃く。とくに「番頭でおます」のアピールがおもしろい。

 中入りを挟んでのたまの 3 席目は、マクラで落語の分類にまつわる話から、地噺の解説を詳細に。
 ネタは、ふたりの女性の狭間で揺れる優柔不断な男の噺。後半が地噺風に。会の直前に完成したと云うことで未整理部分が目立つも、趣向としてはおもしろい。今後の練り込みに期待。


 バタバタ感がなんともたまさんらしい会でした。新作もこれまでにない趣向を入れてみたり、やはり実験的な会ですね。

 次回は 7 月 23 日(水)です。

らくごの玉手箱
common cafe

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