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上方笑女隊 秋の祭典

2008/9/29 @天満天神繁昌亭

【豪華絢爛 浪花娘襯道成寺】

  • 桂さろめ 「軽業」
  • 桂三扇 「生中継・源平」 (作:桂三枝)
  • 桂あやめ 「私はおじさんにならない」 (作:桂あやめ)
  • 露の都 「悋気の独楽」
  • 林家染雀 《解説》
  • 《豪華絢爛 浪花娘襯道成寺なにわむすめすててこどうじょうじ


 春と秋に開催される上方笑女隊公演。今回は前売りが 10 日で完売したそう。スゴい! ただ、この日は天気が悪くて当日券(補助席)の伸びはいまいちだったみたいです。個人的には、フラッと来た人のために当日券は用意した方が良いように思いますが、ここらの販売判断は難しいでしょうね。


 開口一番のさろめの「軽業」は、前半の《もぎ取り》部分をあやめに、後半の《軽業興行》の部分を染雀に付けてもらったそう。時間の関係でもぎ取りは《一間の大イタチ》のみ。まだ数回しか高座に掛けてないので全体にぎこちないが、ネタはほぼ入ってる感じ。

 三扇の「生中継・源平」は、文字どおり源平合戦の実況中継。那須与一が扇の的を射落とすくだりを野球実況風にリズミカルに。現代のクスグリがポンポン入るが、設定が SF 掛かってるだけに違和感なし。

 あやめはマクラで、娘の《おばちゃん》と呼ばれることを受け入れられないと吐露し、《魂の三部作》から「私はおじさんにならない」。キャリア・ウーマンがおばさんを通り越しておじさんになってしまっていると云う、実録風落語。おっさん化現象がリアル。

 都は笑女隊の話あれこれをたたみ掛けてから、唐突に「悋気の独楽」へ。御寮人さんや女中のお竹は云わずもがなだが、やはり丁稚の定吉がかわいい。この三者のやり取りになる後半はたのしさ倍増。

 中入りを取らないため、着替えの間に踊りを指導した染雀がつなぎトーク。

 最後は踊りと三味線の華やかな舞台。出演シャミセニストは、吉川絹代、吉崎律子、山澤由江、中田まなみ、早川久子、脇阪新子、寺西美紀の 7 名。踊り手は、都、雅、眞、あやめ、さろめ、三扇、笑子、ぽんぽ娘の 8 名。さすがに 15 名が舞台に登場すると圧巻。凝った演舞があったり、早変わりもあったり、稽古のあとがうかがえる。


 毎度のことですが、女性ばかりの舞台で、なんとも華やかでした。落語の部もなかなかに充実。女流噺家も増えてきてますんで、今後もたのしみですね。

 次回は 3 月頃の予定です。

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名探偵ナンコ よみがえれ!探偵講談

2008/9/28 @本遇寺

  • 旭堂南湖 「無筆の出世」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南湖 「鬼坊主」
  • 芦辺拓・南湖 《対談:探偵講談と探偵小説あれこれ》

※ 第 42 回


 難波から梅田へ、さらに 某ホテル のシャトル・バスで福島へ移動し、南湖さんの定例会へ。某ホテルから本遇寺へは、川をはさんで徒歩 8 分くらいです。
 開演時はツ離れしたくらいでしたが、開演に遅れて来られた方がチラホラで 15 人に。

 まずは近況報告。田中啓文の小説 『チュウは忠臣蔵のチュウ』 の講談監修とコラム執筆を担当した話。デジタル・ラジオの番組収録で ABC の新社屋へ行った話。OBC のラジオ『南湖の美男子好男子』の話。 『日中友好講談大会』 の話。等々。
 1 席目は古典講談。「無筆の出世」は、伊予の松山に住む文字の読み書きすらできない男が立身出世する話。が、不覚にもウトウト‥‥。

 中入りを挟んで、2 席目は探偵講談。最近は殺人事件が増えたように思うがこれは報道の影響で、件数自体は昔の方が多かったてな話をマクラに、明治期の実録物「鬼坊主」へ。幼少から悪童だった男が、僧侶になった後も次々と悪事をはたらくと云う話。が、不覚にもウトウト‥‥。
 恒例の、作家の芦辺拓を迎えての対談コーナー。今回の「鬼坊主」の原作本を紹介。貸本時代の単行本で、南湖が所有。結構なヴォリュームがあり、ここから冗長な部分を抜いて再構成したそう。東京と大阪の講談や観客の違いなども。


 慢性の寝不足で、失礼ながら半分くらいウトウト。客席の「枯木も山の賑わい」になってました。まぁこんな日もあるかな。

 次回は 11 月 23 日(日)です。

正直南湖
芦辺倶楽部

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柳亭市馬独演会

2008/9/28 @TORII HALL

  • 柳亭市丸 「転失気」
  • 柳亭市馬 「目黒のさんま」
  • 桂雀三郎 「天王寺詣り」
    ―― 中入り ――
  • 柳亭市馬 「ねずみ穴」
  • 柳亭市馬 《歌謡劇場》
    1. 会いてえなぁ ふる里に
    2. 元禄名槍譜俵星玄蕃


 TORII HALL で年に一度の市馬さんの独演会は 100 人越えの大入り。整理券をもらうための列も早くからできてました。遠征して来られた方もチラホラ。


 開口一番は市馬の弟子の市丸。「転失気」を習ったとおり、覚えたとおり。

 市馬の 1 席目は歌手デビューの話から。最後に歌う予定のため、すでに気持ちがそっちへ行ってるような様子。
 気を取り直し、師弟の話から、師匠の五代目・柳家小さんが人間国宝に指定されたときや園遊会に呼ばれたときのエピソードなど、上下関係の話いろいろ。そこから「目黒のさんま」へ。殿様の子どものようなわがままっぷりが、市馬がやるとイヤミがなく、なんともたのしい。

 雀三郎が使う見台一式を市丸が用意するも、小拍子を置く位置が逆で不思議に思ってると、やはり袖から指示が入っていつもの位置に。見台は東京の噺家には馴染みがなく、この失敗は仕方ないかも。
 中トリの雀三郎は四天王寺の解説をマクラに「天王寺詣り」を。四天王寺案内での露店風景がリアルで、最後に出てくる乞食は超リアル。擬音表現が独特かつ強烈でおもしろい。

 名ビラが《中入り》のまま、市馬の 2 席目はゲストの雀三郎に敬意を表してから「ねずみ穴」をたっぷりと。弟の転落人生に無慈悲な兄が憎らしい。ふたりの距離感と視点の微妙なずれを、ぶれずにきっちり描ききる。

 大トリは市馬の歌謡劇場。マイクを手に、まずはオリジナルの「会いてえなぁ ふる里に」を。新曲なのに懐かしいメロディーで、歌う姿がなんとも気持ち良さそう。客席から思わず「上手い」と云う声が漏れる。
 次の曲の用意に出てきた市丸に、この日の非礼を謝らせる市馬。叱り方にもやさしさが感じられるひと幕。
 マイクをスタンドにセットして、最後は三波春夫の「元禄名槍譜俵星玄蕃」。堂々とした所作やセリフが入って浪曲のよう。身内の余興でちょいちょい演ってたそうで、堂に入った歌いっぷり。


 いやいや、市馬さんの歌はなんとも心地良かったです。年末はどっかのテレビ番組で歌ってる姿を拝めるかも!?!?
 この日は持ち合わせがなくて CD 買えなかったのが悔やまれました。

柳亭市馬公式サイト

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東西落語名人選

2008/9/27 @神戸文化ホール 中ホール

【昼の部】

  • 柳家三三 「やかん」
  • 林家染丸 「子ほめ」
  • 柳家小三治 「粗忽長屋」
  • 桂春團治 「高尾」
    ―― 中入り ――
  • 月亭八方 「宿屋仇」
  • 桂歌丸 「竹の水仙」

【夜の部】

  • 柳家三三 「悋気の独楽」
  • 月亭八方 「蛇含草」
  • 桂歌丸 「越後屋」
  • 桂春團治 「祝いのし」
    ―― 中入り ――
  • 林家染丸 「寝床」
  • 柳家小三治 「青菜」

※ 第 34 回


 さわやかな土曜日。
 関西で小三治師匠を観られる数少ないチャンスと云うことで、ここはもちろん昼夜通しです。ここは中ホールと云っても 900 人収容の大きな会場で、それでも昼の部は前売り完売、夜の部も残席少々と大入り。


 昼夜とも三三が露払い。昼は「やかん」で、物知らずと知ったかぶりのやり取りをテンポ良く。知ったかぶりの解説が調子付いて講談の修羅場読みになる場面が見せ場。
 夜は「悋気の独楽」。上方との細部の違いが興味深い。

 染丸は、昼はドラマ『ちりとてちん』の話から年齢の話に上手くつないで「子ほめ」へ。染丸クラスで前座ネタはめずらしい。丁寧で安定感抜群で端折りもほとんどなし。
 夜は「寝床」。旦那が御簾内で語る訳(新しくあつらえた肩衣が間に合わず、古い肩衣はネズミに穴をあけられ、格好が付かないため)もはさみ、細部まで丁寧に。

 八方は甲子園球場の 阪神 vs 巨人 戦がとにかく気になる様子。昼の「宿屋仇」は、宿屋の番頭・伊八の困り具合をアクセントに、兵庫の 3 人連れの勢いが心地良い。
 夜は「蛇含草」をトントントンと軽快に。八方節を堪能。

 歌丸は昼のトリを「竹の水仙」で。甚五郎が左を冠するようになった由来や、無銭旅行にいたる過程を導入に、たっぷり。釈ネタはニンに合っててなかなか。
 夜の「越後屋」は、豆屋の女に惚れて寝込んだ男の噺。こちらはチとニンに合ってない感じ。

 春團治は昼夜とも中トリ。昼は「高尾」。滑舌の悪さがやや気になるも、火鉢にくすべた反魂香の煙から高尾があらわれる様は、とにかくすばらしい。もちろん客席からは拍手が。
 夜は「祝いのし」。こちらは滑舌の悪さが口上を上手く云えない喜六にフィットして、逆に良い効果にも。

 小三治は、昼はコンビニで消費期限に負けて赤飯のおむすびを買えなかった話をマクラに、《そそっかしい》の 2 パターンを解説してから「粗忽長屋」を。長屋の粗忽者ふたりが真剣な表情になるほど不思議さとおかしみが増幅。マクラ 10 分にネタ 20 分。
 夜はこの日の神戸のさわやかな気候に軽く触れ、白湯を口に含んでから「青菜」へ。2 日前に名古屋で演ってるだけに、より繰れた感じに。前半は植木屋がお屋敷へのあこがれをしみじみと語りつつ、それでいて植木屋の性格付けだけでなく、実はこれが笑いのための入念な仕込みになってると云う周到さ。後半の、旦那のまねをする植木屋の納まり具合がなんともかわいく、イライラしながら付き合う大工との掛け合いは絶妙。押入れから植木屋の女房が汗だくになって出てくると爆笑に。約 40 分。


 昨年は漫談だった小三治師匠も今年はちゃんと落語を演ってくれましたし、他の出演者もみな充実の高座で、まさに大満足です。今年はとくに顔付けも良かったですし、今回の 1 階席 4,800 円 × 昼夜 2 公演 = 合計 9,600 円 は納得価格。昼夜通しで行った方はもちろん、昼の部だけや夜の部だけって方でも十分満足できたと思います。

 ただですねぇ、夜の部の隣席の女性には辟易しました。まわりに「私、落語でたのしんでんのよ!」ってのをアピールしたかったんでしょうか、噺家のセリフに相づち打ったりツッコミ入れたりと思ったことを口走るわ、のべつこっちの耳が痛くなるくらいけたたましく笑うわ、とにかくオーバー・リアクションがひどかったです。なんでもないようなセリフで笑ってるくせに肝心のギャグで笑ってなかったり、思わず「どないやねん!」とツッコみたくなりますし。笑い方も、女優が舞台で笑う演技をしてるみたいで、なんかわざとらしいんですよ。歌丸さんが終わったところで猛烈ダッシュでどっか行ったまま戻ってこなかったんで、以降は落ち着いて観られましたが。
 世の中、いろんな人がいるもんですね。

神戸文化ホール

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JUDAS PRIEST - World Tour 2008

2008/9/26 @フェスティバルホール


 いつの間にかチケット発売日が過ぎてまして、 某後輩 からの連絡でチケットぴあに行ったときには 1 階席は最後方のみで、仕方なく 2 階席を購入。新譜『NOSTRADAMUS』の予習も忘れてて、正味 3 回ほどしか聴けませんでした。

 で、会場に行くと、1 階席はほぼ埋まってたんでしょうが、2 階席はガラガラ。大阪公演は 2 日間だったんで仕方ない面もあるとは思いますが、チと残念。


 ステージには城壁を思わせるセットが組まれ、これがドラム・ライザー兼用に。バック・ドロップは無表情のノストラダムスのアップ(新譜のイラスト)。バック・ドロップは全部で 3 種類ほど。

 暗転して SE が流れ、新譜のオープニング・トラック“Prophecy”でショウがスタート。城壁の左側上部に銀色のマントをすっぽりかぶった人物がせり上がり、これがどうもロブ・ハルフォード(Vo)のようだがまったく微動だにせずでわかりづらい。
 ええ感じで盛り上がったところで立て続けに“Metal Gods”。城壁の中央が開き、奥からロブが登場するも、ロボットのような動きがマジか演出かわかりづらい。

 ロブの声は抜群に出ていて、前回来日時は杖に常時すがるような感じだったが、今回はそんなこともなく元気そう。“Death”では王座に座って歌うと云う、ある意味、開き直りのような演出が。
 スコット・トラヴィス(Ds)はあいかわらず超安定ドラミング。ステージ右側のグレン・ティンプトン(G)とイアン・ヒル(B)はほぼ定位置で動かなかったが、左側の K・K・ダウニング(G)はソロに入るとそれなりに見せる動きも。

 『PAINKILLER』アルバムからのチョイスが多くてうれしい誤算。本編終盤の“Electric Eye”以降のたたみかけは圧巻。本編最後の“Painkiller”でもしっかり声が出てるあたりにロブの調子の良さが感じられる。
 程なくしてハーレーにまたがったロブが登場し、そのハーレーにすがるように“Hell Bent For Leather”を絶唱。最後の“You've Got Another Thing Comin'”の前には観客との掛け合いをたっぷりたのしみ、最後の最後にも掛け合い。どんだけ気に入ってんねん!


 トータル 100 分ほどでしたが、観る方も演る方もこれぐらいが丁度良いように思います。ベースの音がやや埋もれ気味でしたが、演奏自体はタイトで、ロブの調子も良かったので、十分に納得。充実のライヴでした。
 JUDAS PRIEST は“死の番人”とか、まだまだ聴きたい曲がいっぱいあるんで、また来てほしいです。


  1. Dawn Of Creation - Prophecy
  2. Metal Gods
  3. Eat Me Alive
  4. Between The Hammer & The Anvil
  5. Devil's Child
  6. Breaking The Law
  7. Hell Patrol
  8. Death
  9. Dissident Aggressor
  10. Angel
  11. The Hellion - Electric Eye
  12. Rock Hard Ride Free
  13. Sinner
  14. Painkiller

  15. Hell Bent For Leather
  16. The Green Manalishi
  17. You've Got Another Thing Comin'

JUDAS PRIEST

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柳家小三治独演会

2008/9/25 @名古屋市青少年文化センター アートピアホール

  • 柳家一琴 「夢八」
  • 柳家小三治 「青菜」
    ―― 中入り ――
  • 柳家小三治 「湯屋番」

※ 第 6 回


 大須のあと、腹ごしらえして会場へ。アートピアホールはビルの 11 階にあるんですが、エレベーターが 2 本しかなくて、とくに終演後が不便です。当然満員で、750 席ほどの客席は 2 階まで埋まってます。
 今回は岐阜の落語ファンの H さんにチケットを手配していただいたんですが、なんとセンター・ブロックの 3 列目! ありがたや~。


 露払いに一琴が「夢八」を。八兵衛の脳天気さがたのしく、首つりの表情がリアルで雰囲気抜群。ネコに操られた首つりに八兵衛が伊勢音頭を歌わされるが、上方のとは歌詞が違ってて興味深い。

 小三治の 1 席目は、マクラを振らずにスッと「青菜」へ。前半は縁側で旦那と植木屋が酒を含みつつの何気ないやり取りを丁寧につむぎ、なんとも味わい深い。旦那は植木屋を出入りの職人だからと下に見ず、植木屋は旦那を尊敬している、そんな間柄が手に取るよう。クスクス程度のクスグリがアクセントに。
 後半、植木屋が自宅へ帰ってからは植木屋と女房とのやり取りでは、女房の物云いにカチンとくる植木屋だが、女房の方が冷静で一枚上手と云う感じ。大工が入ってきたところで、旦那をまねる植木屋が出すのは、ぬるい日本酒にイワシの塩焼き。
 何気なく演ってるようで、全体のバランスや整合性が絶妙。約 40 分

 中入りを挟んで小三治の 2 席目は、たっぷりのマクラから。
 1 席目は「青菜」を演るつもりではなかったが、今回のパンフレットに「青菜」に関すること(『東京かわら版』今月号の堀井憲一郎氏の記事で、今夏に堀井氏が聴いた「青菜」のうち、最長が小三治の 42 分に対して、最短は春風亭昇太の 14 分だった)が記載されていて、季節はやや過ぎた感もあったが演りたくなったそう。
 噺の長さについて、何十年ぶりかで「まんじゅうこわい」をザックリと語りながら、「まんじゅうこわい」なら 10 秒で演れるが「青菜」はムリだと解説。「まんじゅうこわい」の 10 秒版も披露。
 昨今の食の問題や年金問題について熱く語り、さらに政治界や落語界の若旦那について触れてから「湯屋番」へ。前半は湯屋(風呂屋)の仕事に芝居がかって難癖を付ける若旦那がたのしく、後半は番台に上がった若旦那が妄想しながら照れる表情がなんともかわいい。
 マクラ 45 分にネタ 25 分。


 『大銀座落語祭』につづいて小三治師匠の「青菜」に遭遇。何度聴いても良いですねぇ。「湯屋番」もたのしかったですし、大満足の独演会でした。

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大須演芸場 長月下席

2008/9/25 @大須演芸場

  • なごやのバタやん 《そっくりショー》
  • 雷門福三 「猫の皿」
  • 古池まゆみ 「平野金物店物語」
  • 三遊亭楽市 「無学者論に負けず」
  • 柳家三亀司 《江戸曲独楽》
  • 立川キウイ 「たいこ腹」

※ 2 周目


 『柳家小三治独演会』のために名古屋入りするんで、ついでにひさびさの大須演芸場へ。初めて席亭さんと遭遇しましたが、雷門獅篭さんが描かれた 割引券 のイラストとそっくりでした。周辺はあいかわらず寂れてましたが、平日にもかかわらずなんとツ離れ。びっくりです。
 2 周目の終盤に入場すると、キウイさんが「強情灸」を演られてました。今回はバタやんと三亀司さん以外はお初です。


 2 周目のトップは田端義夫のそっくりさん、なごやのバタやんが田端義男の歌を朗々と歌い上げる。《120 歳の田端義夫》がたのしい。

 福三は小咄いろいろ演ってから「猫の皿」をきっちりと。マクラで振ってたオレオレ詐欺を使った 2 段オチに。

 ご当地タレントの古池まゆみはなかなかのべっぴんさん。結婚披露宴の司会でのエピソードをマクラに、ラジオ番組でいっしょの内藤洋子(エッセイスト)の自伝『わが故郷ふるさとは平野金物店』を講談化した「平野金物店物語」。口跡はしっかりしているが、覚えたネタをただ語っているだけと云う感じで、講談としての引力が弱い。

 楽市は師匠の楽太郎を中心に『笑点』ネタのマクラ。「無学者論に負けず」は「千早振る」と同趣向の噺で、小野小町の「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」の意味を訊かれた男がムリヤリこじつけで説明する。全体に平板な印象。

 三亀司の曲独楽は投げ技 3 種をテンポ良く決める。とくに羽織渡りが秀逸で、これは銭の取れる芸。今回は成功して拍手喝采。

 トリのキウイはひときわ声が通る。落語に対する持論みたいなもんを演説してから、幇間の話につないで「たいこ腹」へ。ハリー・ポッターが出てきたり、御祝儀が 2 万円だったりで、設定は現代。幇間の軽薄さがニンに合ってる感じ。


 ひとり 20 分割りで 6 組出演、落語が 3 席入ってたのは意外でした。安い木戸銭で 2 時間たのしませていただきました。

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こごろうの会

2008/9/24 @お初天神(露天神社)参集殿

  • 桂とま都 「煮売屋」
  • 桂こごろう 「七度狐」
  • 桂宗助 「次の御用日」
  • 桂こごろう 「子はかすがい」

※ その 17


 この日は大阪市内だけで落語会が 6 か所くらいであり、個人的にも『はんじょうてい DE おはんちょう』『たまの小劇場』『こごろうの会』の 3 択でおおいに悩みました。結局、こごろうさんの北海道旅行のみやげ話をお目当てに(って、落語と違うんかぁ~い!©髭男爵)『こごろうの会』へ。
 有志のファンからの寄付金でこごろうさんが補助席用に丸椅子を購入されました。が、今回は他所での会も多くて観客がバラケたか、60 人ほどの入りで丸椅子は使われず。ちょっと残念でしたね。(実際は、こごろうさんが受付で使われてましたし、私も腹ごしらえするのに廊下で使わせてもらいました)


 トップのとま都はおそらく初めて。手伝いをされてる様子を見てるとキョドの慌てもんだが、高座に上がるとほがらかな印象。軽いマクラを振ってから、叩きを導入に「煮売屋」を。名酒「むらさめ」「にわさめ」「じきさめ」のくだりまで。

 こごろうはまず「煮売屋」の思い出話。若手の頃、桂吉朝の会の前座で「煮売屋」を演ったとき、「酒に水」「水に酒」「水くさい酒」「酒くさい水」のくだりで順番がゴチャゴチャになって「わぁわぁ云うております」で下りると、吉朝に「わぁわぁ云うてんのはお前やないか!」とツッコまれたそう。
 北海道旅行のみやげ話もたっぷり。桂ひろばとともに舞鶴からフェリーで小樽へ上陸し、あちこち行ったり、いろいろ食べたり。おいおい こごろうのホームページ に記載される模様。
 「七度狐」はちょいちょいかんだりセリフが前後して乱れそうになるも、喜六と清八の珍道中のコミカルさがこごろうらしくて、とくに喜六のイチビリ具合が強調されててたのしい。

 ゲストの宗助はスッと「次の御用日」に入るも、いきなり丁稚の名前を間違えて演り直し。仕切り直して始まると、丁稚のかわいらしさもさることながら、旦那の貫禄との切り替えがお見事。
 不覚にも天王寺屋藤吉の登場あたりで猛烈な睡魔に襲われ、気付けば「次の御用日を待て」。

 こごろうの 2 席目は「子はかすがい」。母親が家を出て、父子で暮らしてるパターン。
 母親が姉貴分の家を訪ねる場面では、姉貴分がお茶を入れる様子を丁寧に演り、女所帯の雰囲気を醸し出す。子どもの物云いに不自然さが感じられるも、うなぎ屋でのやり取りでは大人のばつの悪さと照れくささがない交ぜになった様子を上手く描く。


 こごろうさんの 2 席はどちらも課題が残った感じでしたが、どちらも今後に期待を持たせる内容ではありました。『らくご道』や『べにこご』あたりで経験を積む過程や、その後の成長したヴァージョンをまた観てみたいです。

kogoro.web*桂こごろうのホームページ

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塚本学院校友会 40 周年記念寄席

2008/9/20 @天満天神繁昌亭

【生喬・こごろう・南湖 卒業生の会】

  • 桂佐ん吉 「手水廻し」
  • 旭堂南湖 「誕生日」 (作:旭堂南湖)
  • 笑福亭松喬 「つぼ算」
    ―― 中入り ――
  • 桂こごろう 「動物園」
  • 笑福亭生喬 「竹の水仙」


 大阪芸術大学グループの校友会の記念落語会で、卒業生の生喬さん、こごろうさん、南湖さんが出演。入場時に記念の手拭いをいただきました。
 入りがどうなるか読めませんでしたが、補助席も出る大入り満員に。南湖さんが高座から調査されたところ、塚本学院関係者と一般客は半々くらいでした。普段お見かけする顔は 10 名くらいでしたから、昼席のような雰囲気でした。


 大阪芸大に入るのを断られた佐ん吉は、恨みを込めて「手水廻し」を。田舎弁は仲居のみで、宿屋の主人も板場も普通に大阪弁。前半はなかなかええ具合に進むも、噺が進むにつれて雑な印象に。息切れか?

 学籍番号 T93-062 の南湖は自作の「誕生日」。芸大の思い出をたっぷり。眉毛を描かれた芸大犬の背中に「4WD」の文字。唯一厳しい学則が「ブドウ畑のブドウを盗ると退学」。学食の話なども。
 終盤、実家に帰るくだりあたりからは、客席が水を打ったように静まり返って聴き入る。

 妻の旧姓が塚本の松喬はマクラで落語の起こりや東京と大阪の落語の違いなどを笑いを交えて。ここらは客層を意識してるのかも。
 「つぼ算」はさすがの安定感。喜六(的男)のヌケ具合や瀬戸物屋の番頭の困り具合が絶妙。どちらも《過ぎない》さじ加減が心地良い。

 卒業生のこごろうは定番マクラいろいろに加え、ブドウ畑で恐ろしい目にあった話や、おもしろい同級生の話など、芸大の思い出話も。
 鉄板「動物園」はややあっさり味。ライオンに怯えるトラが「もっと勉強しといたらよかったー!」と、芸大をクスグリに。

 こごろうと同期の生喬は落研時代に襲名披露をおこなったそう。アートが噺の材料になっている「竹の水仙」を。侍の押し出しが生喬にぴったりで、後半の困りとの対比、宿屋の亭主との攻守逆転が明瞭に。甚五郎の存在感もどっしりと。


 落語会としてバランスの取れた良い番組で、客席の雰囲気も良く、子ども客も良く笑ってました。塚本学院関係者のみなさんにとっても良い記念になったんではないかと思います。

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南湖だんご 旭堂南湖話術研究会

2008/9/19 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

【赤穂義士伝 其の八 堀部安兵衛 6】

  • 旭堂南湖 「さやま遊園」 (作:旭堂南湖)
  • 旭堂南湖 『紙芝居 原子怪物ガニラ』
  • 旭堂南湖 『赤穂義士銘々伝』より「堀部安兵衛 高田馬場の仇討ち」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南湖 『小夜衣草紙』より「蛤の吸い物」

※ 41


 「堀部安兵衛」が山場中の山場と云うことで、かなり期待してワッハ上方へ。男:女 が 1:2 で女性人気がうなぎ登りかと思いきや、男女合わせて 6 人の入り。最近ツ離れが安定したかと思ってたんですが、なんとも少なめ。


 まずは最近の出来事をたっぷり。10 月 30 日(木)の『映像で楽しむ上方講談の世界』企画にまつわる裏話や、よみうりテレビ『平成紅梅亭』やデジタルラジオ『トリビアソングアワー』出演にまつわる裏話など、ここだけの話をいろいろ。

 その『平成紅梅亭』で演った「さやま遊園」を。2000 年 4 月 1 日に閉園した、チープでのどかなさやま遊園のガイド。オープニングで南海高野線の駅名をそらんじるなど、いかにも講談な見せ場も。たいした遊園地ではなかったようだが、聴いてると行ってみたくなるから不思議。最後も「ここからがおもしろい」で講談らしく。

 『原子怪物ガニラ』は 10~12 で、南湖曰く「ここが最大の山場」。北洋丸をガニラに破壊され、北海に放り出された山内船長、シンイチ少年、権さんの 3 人。自衛隊のヘリコプターが救援にあらわれるが‥‥と云う場面。スリリングな展開とミスマッチなヘリコプターの造形がポイント。

 「堀部安兵衛」はついに高田馬場へ。村上兄弟に云い掛かり同様の果たし合いを申し込まれ、卑劣な手段で殺された菅野六郎右衛門。師匠である叔父の一大事を知った中山安兵衛は高田馬場へ急行。バサリバサリと 18 人斬りで仇を討つ。
 独特のテンポで修羅場を語る。とくに後半、六郎右衛門からの手紙を読んで安兵衛の表情が一変するあたりからが心地良い。後日談への橋渡しをつないでこの日は読み切り。

 中入りを挟んで「この夏 1 度も語らなかったから」と怪談『小夜衣草紙』から「蛤の吸い物」。若旦那に袖にされた花魁が自害し、恨みとともに出てくる。師匠の三代目・旭堂南陵が怖がりで、怪談もハッピー・エンドで終わってたそう。


 この日は前菜の新作と紙芝居でほぐしてから、メインディッシュの「堀部安兵衛」が山場中の山場と聴き物で、デザートに怪談と、かなり充実の番組でした。これでツ離れしない入りってのはなんとももったいないです。
 この会で続き読みをしている「堀部安兵衛」の通し口演も興味深いですが、『小夜衣草紙』も続きでどんどん怖くなるようなんで、こちらも気になるところ。ぜひどちらも口演の機会を作っていただきたいです。

 次回は 11 月 15 日(土)です。

 南湖さん出演のよみうりテレビ『平成紅梅亭』は 9 月 30 日(火)深夜 26 時 29 分より放送予定。『平成紅梅亭』自体は翌日 10 月 1 日(水)にも深夜 26 時 20 分より別番組の放送があります。詳細は こちら をご覧ください。

正直南湖

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『女芸人らん子のブルース 完結編』

2008/9/17 @ワッハホール

作・演出: 萩原芳樹
出演: メグマリコ、桂あやめ、杉岡みどり、林家染雀、しましまんず、里見まさと、桂三四郎、桂さろめ、チュチュ、吉川絹代、他


 とうとう完結となる『女芸人らん子のブルース』。うっかり前売り券を買いそびれて当日券で参戦しました。ワッハホールが 7~8 割ほど埋まる、なかなかの入り。
 前回同様、今回も開演前に萩原大介(おそらく作・演出の萩原芳樹の息子)による弾き語りミニミニコンサート。


 今回は昭和 49 年頃が舞台。こまどり娘からはぽん子が抜けてらん子(メグマリコ)とぴん子(杉岡みどり)のコンビになり、柳流亭おまん(桂あやめ)と千吉(林家染雀)はふたたび三味線漫才コンビに、ジョージ(藤井輝雄/しましまんず)とリンダ(こっこ)は曲芸コンビに。
 新進の劇場に芸人を引き抜かれ、客足が落ちた老舗劇場の笑楽座は年間 3 千万円の赤字経営に。ボンボン専務(桂三四郎)は月末までに 3 千万円用意できなければ笑楽座は閉鎖すると宣言する。

 スカしてるのにどこか抜けてるボンボン専務を桂三四郎が好演。
 それ以上にスゴかったのが、千吉が連れてきた新しい相方の女の子役の桂さろめ。あまりにもバカっぽ過ぎて怖いくらいで、正視できないほど。危険領域に突入した表情は、果たして演技か!?!?

 今回は劇場が主役で、ミナミの五座閉鎖にもクロス・オーバーする。老舗の劇場とその伝統を守りたいと云う思いは伝わるも、芸人のあがきや悪戦苦闘をもう少し盛り込んでほしかった気も。
 最後はやっぱり大団円。

 終演後、やっぱり作・演出の萩原芳樹が舞台に登場。『女芸人らん子のブルース』シリーズは終了するが、来年はあらたな舞台シリーズをスタートさせると発表。そして最後はやっぱり全員でダンス。


 小粒にまとまった感じで食い足りなさも感じましたが、悲劇を涙と笑いで締めくくるエンディングはなかなかでした。三四郎さんとさろめさんの怪演もひろいものでした。

 公演は 18 日(木)が楽日です。

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月亭会 in 繁昌亭

2008/9/16 @天満天神繁昌亭

  • 月亭八方 《ごあいさつ》
  • 月亭八光 「ちりとてちん」
  • 月亭八天 「足上り」
  • 月亭方正 「猫の茶碗」
  • 藤山直美・八方 《対談》
    ―― 中入り ――
  • 月亭遊方 「ゴーイング見合いウェイ」 (作:月亭遊方)
  • 月亭八方 「大丸屋騒動」


 昼席が終わってからうどんで腹ごしらえし、コーヒー・ショップで時間つぶし。夜席が指定席制だと昼席との間がのんびりです。
 『月亭会』の繁昌亭出張版は前売り完売の大入り。ただ、前売りの一般発売前にほとんどさばけていて、チケットぴあへ発売日に買いに行っても数列分しか出てなかったようです。これってどうなんですかねぇ‥‥。
 料金が前売り 3,500 円と少々お高めなだけあって、洒落たデザインのパンフレットが用意されてました。


 まずはいつもどおり八方が、ご機嫌をうかがいつつ笑いを交えて番組&出演者紹介。

 八光は井岡弘樹や桑名正博のおもしろエピソードで笑わせてから「ちりとてちん」を。喜六がなんでも初めて美味いと食べる場面は端折られてたが、「長ぁーい街です、ヨ」が入るんで南光の型と思われる。とくに後半が性急な感じで落ち着かない印象。もう少し短めのネタを丁寧に演った方が良さそう。

 八天は落ち着いたもんで、軽いマクラから「足上り」へ。前半の旦那の叱りと後半の番頭の芝居の真似事との対比クッキリ。とくに後半はハメモノも入ってスゴい押し出し。

 方正は落語 4 回目にして繁昌亭の舞台に登場。着物を着るのに手間取ってたら、藤山直美が着せてくれたそう。
 落語は「猫の茶碗」(「猫の皿」)をきっちり丁寧に。古典だが、時代設定が不明瞭な演出で、通貨単位も現代に合わせているが、そこらをぶれないようにきっちり詰めればかなり印象が良くなりそう。

 中トリは八方が藤山直美を招いての対談。藤山寛美の思い出話を中心にいろいろ。八方がかなりしゃべるんで、藤山直美が聞き役のよう。それでもちょいちょい出てくる藤山直美の適度な毒がたのしい。芝居に関する興味深い話もいろいろ。約 30 分たっぷり。

 中入りを挟んで、遊方は世話焼きな人の話から、見合いを世話する掃除のおばちゃんの噺で「ゴーイング見合いウェイ」。同じことでも前半と後半で云い草が 180 度変わる掃除のおばちゃんをハイテンションに。場をわきまえてクスグリもちょこっと変更する気配りも。

 トリの八方は、名刀ながら悪剣・邪剣と云われた村正の解説からスッと「大丸屋騒動」へ。地噺でも引き込む語り口の上手さが八方の真骨頂。初演時よりもスッキリした印象だが、隣家から聞こえる音楽に合わせて若旦那が踊る場面は、扇子を回せる見せ場でもあるし、若旦那の気の移り変わりをあらわすのにもう少したっぷりでも良いかも。緊迫した場面にポンとクスグリを放り込む、その間合いはさすが。


 月亭一門はそれぞれカラーが違って、一門会なのにバラエティー豊かで、盛りだくさんの 2 時間半でした。八方さんと藤山直美さんの対談も興味深くたのしめました。
 「大丸屋騒動」の演り手が少ないのは、笑いが少ないからでしょうね。今後、八方さんの代表作になるか注目です。
 願わくば、可朝さんも交えての『大月亭会』を企画していただきたいなぁと思います。事件の直後だけに近々にはムリだと思いますが、師弟対談なんかがあると落語ファンなら興味をそそられると思うんですけどねぇ。

 次回、アークカルチャーセンターでの『月亭会』は 10 月 19 日(日)です。

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繁昌亭昼席

2008/9/16 @天満天神繁昌亭

  • 林家染太 「犬の目」
  • 桂文鹿 「青菜」
  • 笑福亭銀瓶 「千早振る」
  • 桂三象 《踊り》
  • 桂米左 「豊竹屋」
  • 森乃福郎 「胴切り」
    ―― 中入り ――
  • 林家花丸 「狸の鯉」
  • 桂三風 「ああ定年」 (作:桂三風)
  • 桂朝太郎 《マジカル落語》
  • 月亭八方 「始末の極意」

※ 第 104 週


 この日の昼席はもともと月亭可朝さんがトリで、それを目当てに早くから前売り券を手配してたんですが、例の事件で早々に八方さんの代演に差し替えられました。八方さんは好きなんで良いんですが、やっぱりトリや中トリが代わったら払い戻し対象にしてもらいたいです。


 開口一番の染太は「犬の目」。時間調整のために導入部はカットしていたが、独自のクスグリも入ってテンポ良く。

 文鹿は「青菜」を、朴訥とした雰囲気でやわらかく。ニンに合ってて聴き心地は良いが、もう少しメリハリがあればまだまだ良くなりそう。

 銀瓶は飄々と、それでいて丁寧な語り口で「千早振る」を。独自の工夫が盛りだくさんで、力士の竜田川が出てきたら角界の時事ネタも。上手さが光る。

 三象の踊りは藤あや子の「むらさき雨情」をフル・コーラス。おひねりも飛ぶ。

 三象のあとで演りにくそうな米左。歌舞伎の大向うの解説から浄瑠璃の話へとつなぎ、浄瑠璃の笑い方サンプルをはさんで「豊竹屋」へ。マクラからすでに雰囲気たっぷりで、ちょいクサいくらい。

 中トリの福郎は試し斬りの小咄から「胴切り」へ。全体にバタバタした印象。サゲは「あんまり女湯のぞかんように‥‥」の笑福亭の型。

 中入りを挟んで花丸の「狸の鯉」は、導入部でタヌキをいじめている子どもの舌っ足らず加減が普通でない。後半は比較的普通だが、登場人物が表情豊かでたのしい。

 三風は自作の「ああ定年」。定年退職になった亭主が居場所を求めてカルチャー・センターへ。ネタおろしのときよりかなり整理され、「席がない」クスグリは悲しくもおもろい。後半のカラオケ教室では、隠し持っていたマイクで「大阪ラプソディー」をワン・コーラス。自然と観客参加型に。

 朝太郎は「Mr.マリックに挑戦します」と連発しつつ、いつもの小ネタを連発。

 トリの八方は可朝の話題から、時事ネタやら社会ネタやら、マクラいろいろでたっぷり笑わせる。母親のケチっぷりを披露してから「始末の極意」へ。節約の例はいくつか抜いて短めに編集されてたが、緩急自在で心地良いテンポの語り口に身をゆだねる。


 トリが代わったからと迷ってる場合ではなかったですね。当たりの日でした。可朝さんが欠席でチと残念ではありましたが、好番組で存分にたのしめました。八方さんも師匠の代役をそつなくこなしてました。

天満天神繁昌亭

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上方講談を聞く会 ワッハ亭

2008/9/14 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

【30 周年記念特別大興行】

  • 旭堂南左衛門 《ごあいさつ》
  • 旭堂南青 『真田十勇士』より「霧隠才蔵」
  • 旭堂南湖 『三国志』より「三顧の礼」
  • 旭堂南北 『赤穂義士銘々伝』より「大石妻子離別」
    ―― 中入り ――
  • 《爆笑!大喜利》
  • 旭堂南鱗 『難波戦記』より「木村重成の堪忍袋」

※ 第 360 回


 30 周年記念だからと云うよりも大喜利が気になって、初めて『上方講談を聞く会』へ。初期の頃は 1 月に公演してなかったため、実際には 30 周年はとっくに過ぎてるそうですが、360 回と区切りが良さそうなんで記念の会にした模様。
 今回は 30 周年記念と云うことで 2 日間 3 公演。初日の昼は玉造から大阪城への歴史ウォーク、夜にこの講談会、翌日は夜に講談会、と云う番組です。
 普段は 30 人くらいの入りらしいですが、記念の会と云うことで 60 人ほどの入りで、会場からあふれるほどの大入りに。


 まずは南左衛門がごあいさつ。『上方講談を聞く会』のこれまでやこの日の番組案内、さらに 10 月 18 日(土)の『日中友好講談大会』の宣伝など。

 南青は霧隠才蔵の誕生譚。徳川方の浅野長晟の家臣、山本久兵衛が真田幸村に寝返って霧隠才蔵となる。途中で名前を忘れるも、それを笑いに変える余裕も。

 南湖は『上方講談を聞く会』の世話役を引き継いでからのあれこれに始まり、なんじゃかんじゃとおもしろおかしく。未到着者のための時間つなぎだったそうな。
 『三国志』は「三顧の礼」の由来を、こちらも笑いをはさみつつ。最後は集客力のある後輩の南青に南湖が出演交渉に行くと云う「南湖の礼」。

 南北は黒紋付きで大石内蔵助が妻のおりくを離縁するくだりをたっぷりと。終盤のたたみ込みは圧巻。

 中入りを挟んで、お待ちかねの大喜利コーナー。下手側より、司会の南湖、南青、南華、南鱗、南左衛門、南舟、南北。南海は余興で欠席、左南陵はなぜか来ず。
 ゲームは、立派な講談師になるまでの数え歌、タ抜きで「那須与一」、三代目・旭堂南陵の一から十。ワイワイにぎやかに。新人の南舟も上手いボケ役に。

 トリに南鱗が、三代目・南陵の思い出や会にまつわるあれこれをマクラに、『難波戦記』より木村重成にまつわるくだりをたっぷりと。グイグイ引き込む語り口。


 約 2 時間半の公演で、大喜利は期待どおりおもしろく、講談もそれぞれ色があって、上手い番組編成だったと思います。落語会よりもお客さんのマナーが良い印象でした。

 あすが楽日、次回の第 361 回は 10 月 23 日(木)です。

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深脳落語会 NIGHT HEAD

2008/9/13 @天満天神繁昌亭

  • 笑福亭生寿 「犬の目」
  • 笑福亭たま 《新作ショート落語》
  • 笑福亭たま (ヤクザの噺)
  • 笑福亭生喬 「虱茶屋」
  • 笑福亭たま 「つぼ算」


 難波から南森町へ移動し、うどんで腹ごしらえして繁昌亭へ。指定席でも開場を待つお客さんが多く、お客さんのたまさんへの期待感が感じられます。
 入りは 80 人くらい。レイトショーとしてはこれくらいでしょう。


 開口一番の生寿は「犬の目」をきっちり。目玉を逆向きに入れてしまうくだりは、持ち時間を考えて短く編集してたかも。口跡良く聴きやすい。

 たまは月亭遊方にまつわる話から、まずは新作ショート落語をいくつか。
 新作は、ヤクザの下っ端が親分の身代わりになる噺。話の肝心なところが欠落する親分と、身代わりになった下っ端が見る夢が笑いのポイントだが、未整理部分が多くてやや冗長。展開が殺伐とし過ぎて笑いづらいような場面も。

 生喬も月亭遊方にまつわる話をマクラ。たまの会でなにを演ったら良いやら困った様子で、「辻占茶屋」を予定していたようだが、時間を考慮してか下座に指示を出して「虱茶屋」に変更し、コンパクトに。幇間が踊りながらシラミを取る様子がたのしい。

 たまの 2 席目は「つぼ算」を、こちらも時間を考慮してか、繰り返し部分を少し端折って。瀬戸物屋の番頭が水ツボの勘定に困ってるところへ、カンテキを買いにきた客にも同じような買い方をされて自暴自棄に。


 今回はみな時間を意識されてたせいか、23 時過ぎに終演。あまり時間を意識されるのも内容に響くと思いますんで、新作の完成度とショート落語の数で調整してもらいたいところです。

 次回は 10 月 11 日(土)です。

らくごの玉手箱

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トリギン! 笑福亭銀瓶奮闘会

2008/9/13 @TORII HALL

【夜の部】

  • 笑福亭銀瓶 「七度狐」
  • 笑福亭三喬 「次の御用日」
    ―― 中入り ――
  • 三喬・銀瓶 《対談》
  • 笑福亭三喬 「墓供養」
  • 笑福亭銀瓶 「立ち切れ線香」

※ Vol. 01


 TORII HALL 主催で銀瓶さんの会がスタート。昼は後輩を従えての独演会、夜は先輩を迎えての二人会と云う趣向で、銀瓶さん自身は 1 日 4 席口演と、意欲的な会になってます。
 実は昼夜通しで観に行こうと思ってたんですが、諸般の事情で夜の部のみに。撮影機材が入ってて補助席は少なめでしたが、それでも 100 人は入ってたと思います。


 銀瓶の 1 席目は 『全日空寄席』 で流れたのをたまたま機内で聴いたときの気まずいエピソードをマクラに、旅つながりの流れで「七度狐」へ。
 狐の登場シーンはやや物足りないが、喜六と清八のやり取りが始まるとええ具合に。とくに喜六がただのアホではなくて洒落好きと云う設定が上手い。尼寺では出汁のイモリが出てきたところで食欲ゼロになる清八に対し、おかわりを要求する喜六。このクスグリを上手くサゲに絡める構成はお見事。

 三喬の 1 席目は弟弟子の右喬がドラマ『破れ奉行』を『やぶれぼうこう』と読んでいた話から、右喬のおもしろエピソードをたっぷり。ひとしきり笑ってから『破れ奉行』に戻り、奉行つながりで「次の御用日」へ。
 三喬は丁稚がかわいらしく、御白砂でもメリハリに。その丁稚が娘のお供で縫物屋へ行く道中、フリップを持ち出して住友の浜周辺の地理解説。「お奉行さんが桂文枝師匠だったら」もたのしく、丁寧でわかりやすいが、全体にカミ気味だったのが残念。途中で携帯が鳴って、こちらも残念。

 中入りを挟んで対談コーナー。
 三喬がネタ中にフリップを使った解説を入れるのは、演り手の慣れをおそれて観客視点に立ってとのこと。同様の理由で、神社の名前を出すときに「高津さん」「生國魂はん」だけではなく、噺のなかで一度は「高津神社」「生國魂神社」と入れるようにしてるそう。
 兄弟弟子の話題なると、右喬(松喬一門の宝)や由瓶(銀瓶の弟弟子)の話。ここらの《一門の飛び道具》の話になると笑えるエピソードが満載。

 三喬の 2 席目「墓供養」は、墓供養(土葬時代の墓碑建立の法事)の帳場でのあれこれ。「くやみ」と同趣向の噺だが、後半はどもりの男とのやり取りで笑わせるので、現在では演られる機会が少ないのかも。

 銀瓶の 2 席目は、お茶屋遊びの経験談をマクラに「立ち切れ線香」を。言葉がやや多めながら自分なりに再構成していることがうかがえ、言葉のひとつ一つを丁寧に語る。ただ、若旦那が蔵へ 100 日間押し込められ、若旦那が蔵から出て紀ノ庄へ行くと丁度その日が小糸の三七日と云う時間軸において、その間に小糸から若旦那に宛てた手紙が届き始めた日と最後に届いた日の整合性が取れていない。全体に丁寧なだけに、なんとももったいない。
 若旦那が紀ノ庄を訪れてからは、銀瓶自身も気が入りすぎて早くから落涙。感情の抑制や緩急の不足など課題はあろうが、いまの銀瓶の精一杯を感じる、たっぷり 50 分の長講。


 おふたりとも撮影で気負いがあったようにも見受けられましたが、落語も良かったですし、対談もおもしろかったですし、満足度の高い会でした。

 次回は来年 1 月 24 日(土)、夜の部のゲストは桂小春團治さんです。

笑福亭銀瓶の出演情報
TORII HALL

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第 6 回 彩雅草展 オープニングイベント落語会

2008/9/12 @ギャラリー御堂筋

  • 笑福亭たま 「高津の富」


 ギャラリーでの現代アート作品展のイベントでたまさんの落語会があるってことで、なんだかおもしろそうなんで行ってきました。
 作品展への出品は、歌一洋(建築)、志水清純(表具)、秦典子(彫刻)、吉井秀文(絵画)、INOUE 青■(■は光偏に皇)(墨彩画)、草場あき(ガラス:サンドブラスト)、中野潤(木工)、原田文裕(写真)、善村文瑞(墨象)の 9 名。(順不同、敬称略) なかなかおもしろい作品が展示されてます。十二支お猪口が洒落てました。
 で、落語会の方ですが、お客さんは 15 名ほど。ほとんど関係者だったみたいです。


 ややカタい感じのたまは、マクラ代わりに小咄やショート落語いろいろたっぷり。軽い笑いで様子をうかがいつつ、落語における笑いのメカニズムを解説したりも。ここらの分析は興味深いが、初心者には取っつきにくかったかも。
 会場アンケートで「落語を聴いたことがある人」がほとんどだったため、予定していた「時うどん」をやめて「高津の富」を。噺に入るといつものテンポに。実は貧乏な泊まり客がうっかり富くじを買ってしまったところで当時の貨幣価値の解説を入れたが、これで落語世界が分断されたと云うか、流れが悪くなった印象。二番が当たると大騒ぎする男の繰り返しギャグとボヤ騒ぎはなかなかの反応。ここを山場に設定してるため、終盤の一番が当たった泊まり客のくだりが少し物足りない感じも。


 マクラたっぷりで約 1 時間でした。普段と違う客層で、会場も独特の雰囲気だったせいか、たまさんはチと演りにくそうではありましたね。「時うどん」の方が良かったかも。それでも熱演でした。
 アートな空間で落語を演ってることそれ自体、この時間・空間がまたアートなんでしょうね。

 あすは月亭遊方さんがゲスト。作品展は 9 月 17 日(水)までです。

異分野アートコラボ 彩雅草展

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繁昌亭 銀の花瓶に菊之情

2008/9/10 @天満天神繁昌亭

【江戸・上方 精鋭の競艶】

  • 桂ちょうば 「いらち俥」
  • 笑福亭銀瓶 「天災」
  • 古今亭菊之丞 「妾馬」
    ―― 中入り ――
  • 古今亭菊之丞 「紙入れ」
  • 笑福亭銀瓶 「胴乱の幸助」


 江戸へ逐電された吉朝ファンの K さんがえらいおすすめで気になってた菊之丞さんが、繁昌亭にて銀瓶さんとの二人会を。良い機会と思って行ってみることにしました。
 客席は所々が歯抜けになってましたがほぼ満席。DVD 収録用の機材が入ってました。繁昌亭シリーズで出るようです。


 開口一番のちょうばは DVD 収録における諸注意からマクラいろいろで笑わせて「いらち俥」へ。こなれてて丁寧だが、チとスピード感が物足りない。

 銀瓶は菊之丞と仕事でいっしょになったことはなく、10 年ほど前に宴席で同席したことがあるだけだそうだが、銀瓶自身はそれすら覚えていないそう。前日の前祝いの宴席では、着物姿の菊之丞に対して銀瓶はスーツ姿で、どう見てもマネージャーだったとか。
 「天災」は桂ざこばに付けてもらったそうで、全体にテンションやや高め。短気な男を追い詰めた心学の先生がイケズしてイチビッた表情に。天災を会得して家へ帰ると女房が逆手で吊るされたままと云う演出がなんともスゴい。隣家で天災を披露する場面にも工夫あり。サラリとたのしい。

 菊之丞はシュッとした見た目から納まった引き芸かと思いきや、心地良い口跡に軽みもあってなかなか様子が良い。
 ポンポンポンと軽快なマクラから「妾馬」へ。殿様と接見することになった八五郎の軽薄さが高田文夫のようでなんともたのしい。酔った八五郎が母親に孫の顔を見せてやってほしいと頼むくだりも湿っぽくなり過ぎず、その後の照れ隠しでカラリと。

 中入りをはさみ、菊之丞の 2 席目は「紙入れ」を軽く。兄貴分の女房に間男した新吉が、兄貴分の様子をうかがうときの、うつむいて目だけキョロキョロさせる表情がデフォルメされててなんともおかしい。まったく気付かない兄貴分や、抜け目ない女房もたのしい。

 銀瓶の 2 席目は、実父のヤタケタなエピソードをマクラに「胴乱の幸助」を。全体にコミカルな雰囲気。割木屋の親父にはまだ若さが勝ってるようだが、ニンには合ってる感じ。稽古屋の場面もなかなか雰囲気があり、どっしり感が出てくればかなり良くなりそう。


 なかなか良い組み合わせの二人会でした。とくに初めてだった菊之丞さんの様子がすこぶる良く、また観たいと思わされました。
 好評なら来年の秋にまた開催予定とのことで、期待がふくらみます。そのときには対談なんかもしてほしいですね。

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たまの小劇場

2008/9/8 @common cafe

  • 笑福亭たま 《ごあいさつ》
  • 笑福亭松五 「餅屋問答」
  • 笑福亭たま 「延陽伯」
  • 春野恵子(曲師:一風亭初月) 「番町皿屋敷 お菊と播磨」
  • 笑福亭たま 「皿屋敷」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭たま 「米揚げ笊」


 繁昌亭で 11 月の『NIGHT HEAD』のチケット買ってから common cafe へ。今回の入りは 30 人ちょいで、月曜開催ではこれくらいで安定してきたのかも。19 時半開演だと終演が遅くなりそうで敬遠されるのかもしれませんが、サラリーマンとしては助かります。


 たまの番組案内につづいて松五が登場。六代目・七代目・笑福亭松鶴の法要の席での騒動をマクラに、寺つながりで「餅屋問答」へ。まだあまり高座に掛けてないのか、丁寧に演るも後半は息切れし、リズムが崩れてチグハグに。残念。

 たまの 1 席目もマクラに法要での騒動の話から、彦八まつりでのあれこれやサインの話など、かなりぶっちゃけトーク。
 「延陽伯」へ入ってすぐ、店の電話が鳴って中断するも、楽屋へ指示を出して何事もなかったかのように再開。新婦が長い名前だと勘違いして新郎は馬鹿正直に覚えようとするも、たまのは最後に「嬶でええか」と気付く。「酔って件の如し」のサゲまで。

 春野恵子の「番町皿屋敷 お菊と播磨」は浪曲版「皿屋敷」。お菊が青山播磨の気持ちを試すために預かった皿をわざと割ると云う、「皿屋敷」と云うよりも「厩火事」の趣。皿が割れたことよりも、自分を試されたことに鬼気迫る形相で怒る播磨。江戸が舞台の武家物で、イントネーションの違和感を覚えず聴ける。恵子自身が涙を拭いながらの熱演。

 たまの 2 席目は「皿屋敷」で、時間調整のため、お菊の幽霊の因縁はダイジェストで、皿屋敷への道中はカット。皿を多く数えたことを罵倒されたお菊がドスを利かせて「誰に物云うてんねん」の逆ギレが恐おもろい。

 中入りを挟んで、たまの 3 席目は東京と大阪の単語の違いを紹介してから「米揚げ笊」を。笊屋への道中で道を訊ねるときに引っ張った袖を破ってしまい、笊屋へ行っても「潰れるような品物と、品物が違います」の稽古で潰してしまう。それでも最後はきっちり「潰れるような品物と、品物が違います」。


 この日は長めで終演は 22 時過ぎに。いきなり「東の旅」シリーズがなしでしたが、ネタ選択の行き当たりばったり感がたまさんらしくはあります。浪曲と落語の「皿屋敷」の対比は興味深かったです。

 次回は 9 月 24 日(水)です。

らくごの玉手箱

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アンジェラ・アキ - 浪速の MY KEYS

2008/9/7 @大阪城ホール


 チケット発売日をうっかり忘れてて、そのチケットも即完売だったようで、発売日をおぼえてても買えなかったかもなコンサートだったんですが、チケットを譲っていただいて観に行けることに。しかもスタンド最前列で観やすい席。ありがたや~。
 今回はアンジーひとりでピアノ弾き語りの《MY KEYS》の大阪編。センター・ステージでスタンド全周を座席にできるため、なんと観衆 14,000 人!


 約 15 分遅れでステージをおおった幕が引き下ろされ、アンジーは板付きで“サクラ色”からショウがスタート。音がやや割れ気味で耳に痛い。
 “心の戦士”のあとの観客アンケートで初生アンジーの観客が多いことを確認し、注意事項として「ごっつ、しゃべります」とアナウンス。
 シンディー・ローパーのカヴァー“Time After Time”でうれしく思ってると、座席にあった黒い封筒の開封指示。なかにはサビの部分の歌詞カードが入ってて《アンジェラ・アキの(勝手に)英語でしゃべらナイト!?》に突入。さびの歌詞解説とともに、「歌詞に『If』や『もしも』が入ってるとヒットする」と“恋におちて”を、「“Time After Time”発表当時に歌ってた曲」で“飾りじゃないのよ涙は”を、「私やシンディー同様に遅咲きアーティストの曲」で“夜空ノムコウ”をはさみつつ。最後は“Time After Time”のサビを大合唱。
 未発表新曲“Seven Days Seven Nights”を含めて数曲。このあたりになるとサウンド・バランスは改善された感じに。

 “This Love”でいったん捌けたと思ったら、バーのようなセットが用意されて《スナック ふるさと》と銘打って小芝居をはさみつつ 2 曲披露。“Still Fighting It”はベン・フォールズの邦訳カヴァー。

 新曲“手紙 ~拝啓 十五の君へ~”の前に黄色い封筒の開封指示。なかには便せんと鉛筆が 2 本が入っており、「未来の自分宛に手紙を書いてみてください」と云うメッセージ。
 その後は元気な 2 曲で本編終了。

 アンコールで会場照明が入ると、ステージには阪神タイガースの旗を携えたくいだおれ太郎が。ア・カペラで“六甲おろし”のサビを合唱し、ピアノに座って“悲しい色やね”を歌うと云う、なんともベタな展開。このあと、ベンチに座らされたままスタッフに運ばれるくいだおれ太郎の姿がなんともざんない。
 つづいて河野伸(ピアノ伴奏)と大阪すみよし少年少女合唱団がステージに上がり、“手紙 ~拝啓 十五の君へ~”を 14,000 人で大合唱。先の便せんの裏に歌詞があり、練習もきっちり。
 最後は“HOME”で大団円。


 どの曲もエモーショナルになって、アンジーのライヴの良さを再確認。歌の上手さはもちろん、単調になりがちな弾き語りコンサートに、いろんな趣向を盛り込んでの 2 時間半は大満足でした。


  1. サクラ色
  2. 心の戦士
  3. TODAY
  4. Kiss Me Good‐Bye
  5. 《アンジェラ・アキの(勝手に)英語でしゃべらナイト!?》 Time After Time
    • 恋におちて
    • 飾りじゃないのよ涙は
    • 夜空ノムコウ
  6. Again
  7. Seven Days Seven Nights
  8. モラルの葬式
  9. This Love
  10. 孤独のカケラ
  11. Still Fighting It
  12. 手紙 ~拝啓 十五の君へ~
  13. Music
  14. たしかに

  15. 六甲おろし
  16. 悲しい色やね
  17. 《合唱》 手紙 ~拝啓 十五の君へ~
  18. HOME

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上方はなし 彦八まつり

 9 月の第 1 土日の恒例イベント、今年で 18 回目になる彦八まつりをのぞきに、生國魂神社へ行ってきました。

 家を出る前になんやかんやしてたら大阪のあちこちに大雨洪水雷警報が出て、前日がものすごい豪雨だっただけにかなり躊躇しました。しばらくすると西の方の雲の隙間から陽の光が差してきたんで、まぁ大丈夫だろうとぼちぼち出発。
 生國魂はんに到着したのは 17 時過ぎ。雨は降らなかったようですね。ちょうど奉納落語会が始まったところで、人が少し減ってたよう。今年はサインの用意をしていかなかったんで、福笑さんとこでたまさんからビールを買い、休憩所でグビリグビリ。小染さんとこでキムチ入りチヂミを買い、文太さんとこでビールを買って南湖さんとおしゃべり。あやめさんとこで昨年か一昨年くらいに作られた《丁稚カフェ》のマグカップ(中西らつ子さんの丁稚イラスト入り)を購入。野外ステージでコンサートが始まるまで休憩所でまったり。疲れた三象さんがひと息つかれてたのが印象的でした。

 南湖さんからビールを追加購入したころにコンサートがスタート。まずはしん吉さん率いるぐんきち。バンジョーとギターと篠笛と云う組み合わせで、阪堺電車の歌や阪急電車の歌なんかを。
 休憩所で聴いてると「聞こえてくるなぁ」程度でやや聞き取りづらく、ステージ正面へ移動。ここでお待ちかね、福笑さん率いるヒロポンズ・ハイがスタート。“Johnny B. Goode”の上方落語ヴァージョンやら、“ぷかぷか”やら。持ち時間を少々押してのアンコールに“タイガー&ドラゴン”で締め。ベースを市楼さんが担当されてて、福楽さんがチと心配。

 ヒロポンズ・ハイ終わりで難波へ移動し、関西の吉朝ファンと東京からの遠征組とで打ち上げ。早朝の新幹線で来阪された遠征組はさすがにテンション高い! 東京の方々が上方の噺家さんとホットラインがあって、ちょっとびっくり! ワイワイと盛り上がり、終電滑り込み。

 彦八まつりのためにわざわざ東京から遠征されてきたってのもびっくりでしたし、いろいろおもしろいお話も聞かせていただきました。ブログを読んでいただいてると云うことで、ありがたいなぁと思う反面、あんまりええ加減なことも書けんなぁとも。まぁええ加減なままだと思いますが。
 数時間しかいなくて飲みに行ったような感じでしたが、たのしく過ごせました。

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たま vs 吉坊 2 人会

2008/9/1 @天満天神繁昌亭

【たまの芝居噺 vs 吉坊の新作落語 決して誤植ではありません!】

  • たま vs 吉坊 《ごあいさつ》
  • 桂二乗 「牛ほめ」
  • 笑福亭たま 「蛸芝居」
  • 桂吉坊 「一文笛」
    ―― 中入り ――
  • たま vs 吉坊 《対談》
  • 笑福亭たま 「高津の富」
  • 桂吉坊 「その後のはてなの茶碗(仮)」


 たまさんと吉坊さんと云う、これまでなかった両極端な組み合わせの二人会と云うことで注目が集まったか、指定席券は完売で補助席も出る大入りに。夜席でこんなに入ってるのはひさしぶりな気がします。
 この会はお互いの得意分野のネタを演ると云うことで、たまが芝居噺を、吉坊が新作落語をと云う趣向になってます。


 緞帳が上がると定式幕が引かれており、その前へマイクを持ったたまと吉坊が登場。たまが「二度とない二人会へようこそ」と、笑いにはなるが、期待してる側からすると始まる前からいきなりテンション下がるような発言。自己紹介やら、たま恒例の観客調査やら。たまの企画による二人会のようで、「自分が有利になるような出番順にする」てなコメントも。
 能楽堂で定期的に会を開いている吉坊に、たまは「能っておもろいん?」と素朴な疑問。説明に困る吉坊の解説が、わかったようなわからんような。たまはたまで「私の落語は喫茶店でしゃべってるような‥‥」とか、これまたわかったようなわからんような。

 トップの二乗は極端なふたりの会の前座で、「能楽堂と喫茶店のあいだで、私は演芸場」と上手いこと云う。「牛ほめ」は安定感があってそつなく口跡良く。下がかったサゲの流れもスッキリひと工夫。

 たまの 1 席目「蛸芝居」は、魚屋が井戸端で鯛をさばきながら芝居に興じる場面をカットするも、前後のつなぎもスムーズに整理されていてる。登場人物の芝居はよりクサく、よりダイナミックに。最後の旦那と蛸の格闘シーンでは拍手が起こるほど。テンポも良く、私が観たなかではこれまでで一番の高座。

 吉坊は出てくるなり「あの後になにを演れと‥‥」。たまが出番前に「俺の『蛸芝居』はさっぱりしてるから」云ってたそうだが、吉坊曰く「私とたま兄さんとでは言葉が違うようで‥‥」。
 そんな吉坊の 1 席目は、たまのリクエストでたっぷりのマクラから。先日の『獅子十六の会』東京公演での道中記を。タクシーの運転手の話へとつないで「住吉駕籠」かと思わせといて、「どんな職業でもプロ意識が‥‥」とムリヤリ泥棒の話へ持っていって「一文笛」へ。ネタおろしして間がないようで、全体にリズムがちぐはぐな感じ。スリの秀が演説してるところへ兄貴分が訪れる場面は、上下の位置関係が逆のような‥‥。ネタはきっちり入っているので、高座に余裕が出てくればもう少し感情の抑揚も出てくるのかも。

 中入りを挟んで対談コーナー。
 たまは、吉坊が楽屋でしゃべらない=腹を割らないと感じてるようで、そのことについてひとしきり問い詰める。
 吉坊はこの日、たまがハメモノを合わせてるときに会場入りしするも、最初はなにを演ってるのかさっぱりわからなかったそう。そのうち聞いたことのあるセリフが出てきて、ようやく「蛸芝居」とわかったとか。

 たまの 2 席目は「高津の富」。導入部を端折り、高津の富で二番が当たると興奮する男をメインに。この男に絡む繰り返しギャグがなんともおもしろい。どんどん整理されてコンパクトになるが、ボヤ騒ぎは健在。

 吉坊の 2 席目は「はてなの茶碗」の続編。何代か後の鴻池家の宝蔵に眠る《はてなの茶碗》を帝へ献上しようと取り出したところ、水を注いだだけで欠けてしまう。繰り返しのおもしろさと、クルクル変わる表情がたのしい。
 アンサー・ソングならぬアンサー落語の趣で、もう少しクスグリを振りかけて、サゲをわかりやすくすれば、古典落語になり得る噺に仕上がりそう。


 なんなんですかね、この充実感は!
 たまさんとの会だったんで、吉坊さんの新作が擬古典でくるとは思いませんでした。当日完成したそうですが、なかなかどうして、しっかり落語になってました。さすがですね。たまさんが「吉坊の新作が完成しなかったら『ドーベルマン刑事』を演ってもらいます」と云われてたんですが、シナモンの「七段目」のジェスチャーだけが妙にリアルだったりしておもしろそうなんで、そっちも観てみたい気がします。
 たまさんも負けてられないと、2 席ともかなり気合い入ってました。
 ただただふたりの落語を列べるのではなく、前説や対談を入れることでふたりの関係性や会の趣旨なんかが伝わってきて、企画としての奥行き・立体感が出て良かったと思います。
 たまさんと吉坊さんは、嗜好ベクトルや方法論や言葉は違っても、落語に向き合うひたむきさに同種のニオイが感じられます。水と油ではなく、磁石の S 極と N 極のようで、相性は良いように思いました。第 2 回に期待!

 しばらく好番組の会がつづいたんで、なんとなくウキウキしてます。

らくごの玉手箱
kichibox 桂吉坊公式サイト

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