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深脳落語会 MIDNIGHT HEAD

2009/1/31 @天満天神繁昌亭

【新作 Festival】

  • 桂三幸 「エコロジー」 (作:桂三幸)
  • 笑福亭たま 「伝説の組長」 (作:笑福亭たま)
  • 桂かい枝 「丑三つタクシー」 (作:桂かい枝・福ミミ)
  • 笑福亭たま 「ベルゼバブの蝿」 (作:笑福亭たま)


 千朝さんの会 のあと、買い物であちこち転々としてから諸般の事情で一旦帰宅し、再度繁昌亭へ。移動してるだけで疲れます‥‥。
 たまさんのレイトショー@繁昌亭が限定復活! ‥‥と云っても 2 か月ぶりですが。入りは 1 階席が 7~8 割埋まった感じ。時間帯を考えればまずまずでしょう。


 三幸は「最近は教育が悪い」と、おなじみのマクラいろいろはかるぅ~いノリで、何度聴いてもおもしろい。母親の云い間違いエピソードから、親子の会話が主体の「エコロジー」へ。自分にきびしく地球にやさしい父親の機嫌が悪いと、母親と息子が心配する噺。がおもしろい。父親をほめてるのかクサしてるのかわからん母親のフォローがおもしろい。

 たまの 1 席目はショート落語から。正月に作ったためちょっと古くなってしまったと断って、「餅つき」「お年玉」や、『年越しオールナイト落語会』の影響でか皇室ネタも。
 「伝説の組長」は 2 度目の口演か。下っ端ヤクザがとにかくスゴい組長の身代わりになる噺。若頭のムチャな言動や、「天狗裁き」的展開がおもしろい。

 少し照明が落ちてから登場したゲストのかい枝は、アメリカ公演旅行の話をマクラに、今回が 3 度目の口演となる「丑三つタクシー」。偶然飛び乗ったタクシーの運転手が元霊柩の車運転手で‥‥と云う噺で、ネタに入ると会場はさらに薄暗くなり、雰囲気を盛り上げる。ドラを効果的に使い、怖さがクスグリに。やはり夏に聴きたいところ。

 たまの 2 席目は「人食い」と迷った末に「ベルゼバブの蝿」を。作家のもとに届いた「呪いの原稿」を読むと、そのとおりの出来事が起こると云う噺。こちらは 4 回目くらいか。全体的にかなり整理されてまとまってきた感じで、とくに取って付けたようだった後半がスッキリ。この日に上方落語協会の事務所で書き直したそう。


 たまさんの 2 席はどちらも整理された感があり、おもしろさがアップしてました。ただ、たまさんならまだまだおもしろくできるはず!との思いも。とくに「ベルゼバブの蝿」は 2/7 の一門会でもネタ出しされてますから、さらなるレベル・アップに期待!です。
 今回は特別に MIDNIGHT HEAD としてレイトショーが開催されましたが、繁昌亭でのたまさん主催の会が今後どうなるのかも気になるところです。

らくごの玉手箱

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千朝落語を聴く会

2009/01/31 @太融寺本坊

  • 桂まん我 「子ほめ」
  • 桂千朝 「軒付け」
  • 桂都丸 「試し酒」
  • 桂千朝 「景清」

※ 第 50 回


 久しぶりに千朝さんの会へ。ここんところどんどんお客さんが増えてるんでちょっと早めに行ったんですが、案の定、早くからえらい行列に。早めの開場となりました。
 会場の方も広めに設定されてたと思いますが、ザッと 200 人近く入ってた感じ。往年の『吉朝学習塾』を彷彿とさせます。


 トップはまん我で、ちょっと得した気分。マクラを降らず、サッと「子ほめ」へ。わかりやすい言葉選びと丁寧な口跡が心地良い。クスグリにもこまかく手を入れられていて、まん我流の工夫があちこちに感じられる。赤ん坊をほめに行ってからは笑いも多く、出来過ぎた前座。

 ゲストの都丸は風邪をひいてるのか、ちょっとガラガラ声。酔っぱらい小咄いくつかをマクラに、寄り道せず「試し酒」へ。下男の田舎弁も飲みっぷりも都丸にぴったり。後半もダレることなく、うまい間で最後まで聴かせる。

 千朝の 1 席目は、テレビ収録でカメラが入ってることへの断りから。「気になさらずに。私も気にしてませんので」と云いつつ、ピース・サインを出して「山田、観てるかぁ~」。昭和な笑いをマクラに「軒付け」へ。丁寧な語り口がとぼけた味に。ちょっと変な所作の「てーんつてんてん」と、間髪入れずの「鰻のお茶漬けは~」がたのしい。
 2 席目は「景清」で、こちらもじっくり丁寧に語る。開眼を願うもかなわぬ男の口惜しさで人情噺とも云えるシリアスさだが、所々に入るクスグリで適度に緩和。押しと引きの妙で、グイグイ引き込まれる。たっぷり。


 「景清」良かったです。千朝さんはもちろん、助演の都丸さんとまん我さんも含めて、落語そのもので堪能させてもらった会でした。切りの良い 50 回と云ってもことさらそのことに触れないのも千朝さんらしいです。
 千朝さんの人気も定着してきてるようですし、今後もたのしみですね。

 次回は 3 月 28 日(土)です。

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できちゃったらくご!

2009/1/30 @動楽亭

  • 《オープニング》
  • 桂あやめ 「土曜の昼」 (作:田中昌樹)
  • 桂三金 「奥野君の彼女」
  • 旭堂南湖 (らくだ殺害事件の裁判)
    ―― 中入り ――
  • 月亭遊方 (新幹線の車内通話の噺)
  • 笑福亭たま 「人食い」
  • 《エンディング》

※ 新世界に移った第 1 弾
※ とくに記載のないものは自作ネタ
※ 桂三風は MC


 できちゃった!がディープな町に帰ってきた!
 会場を繁昌亭から動楽亭へ移しての第 1 弾です。あいにくの雨模様でしたが、それでも 50 人ほどの入りで「ゆったりした茶臼山舞台」みたいな雰囲気。
 お茶子はさろめさんでしたが、ほかにも桂三ノ助さんと杉岡みどりさんがこられてました。


 オープニングで司会の三風が私服姿で、いっしょにあやめが着物姿で登場。あやめは先日おこなわれた『第 1 回 上方落語台本大賞発表落語会』で口演したネタを演りたいんで、トップで出る旨を説明。
 つづけて他の出演者 4 名が登場するも、遊方の表情が冴えない。どうもネタおろしでなく他人の台本のネタを演るあやめに納得できない様子。しかも気を取り直しての順番決めジャンケンでひとり負けし、爆発暴走して楽屋へ。
 順番は あやめ → 三金 → 南湖 → たま → 遊方 となったが、舞台へ戻ってきた遊方がたまに「お前がトリやろ! お客さんの声はお前やねん!」とゴネて、最終的にはたまが折れて 遊方 → たま の順に。

 あやめの「土曜の昼」は、上方音曲漫才のテーマ曲のイントロ当てクイズ。解答者が竹内日出男(笑福亭松鶴)、中川清(桂米朝)、河合一(桂春團治)、長谷川多持(桂文枝)の 4 名。竹内はせっかち、中川は解答に加えてうんちくを付け加える、河合は解答前に羽織を脱ぐ、長谷川はもっちゃり。横山ホットブラザーズ、宮川左近ショウ、ちゃっきり娘、暁伸・ミスハワイ、かしまし娘など、マニアックなのになじみ深くておもしろい。四天王のものまねもまじえて笑い多し。

 三金は 桂かい枝の娘に冗談で「10 年後に結婚しよな~」と云ったら本気で困られた 話をマクラに、毎度おなじみ奥野君シリーズの新作「奥野君の彼女」。とうとう奥野君も結婚し、子供も生まれる。カールの箱買いを「大人買い」と云う奥野君に対し、彼女のマキちゃんの「大人はそんなもん買わへんわ!」がツボ。

 南湖はマクラなく落語「らくだ」の導入部分を語る。ヤタケタの熊五郎が死んでいるらくだを発見したところへ紙屑屋が訪れ「人殺しー!」。らくだ殺害事件の裁判となり、裁判員制度に則り、チラシの束に呼び出し状がはさみ込まれていた観客が裁判員となる。熊五郎がらくだを毒殺したと見られたが、ぽん酢のビンのなかからも毒が発見され‥‥と、事件が二転三転するはずだったようだが、想定どおりに進まずグダグダに。

 中入りをはさみ、遊方は開口一番「先ほどは取り乱しまして‥‥」。噺家の乗り物にまつわるエピソードいろいろをマクラに、新幹線の座席で携帯電話を使うヤクザに注意する噺。電話の向こうの親分が「ワシが直接謝るから替わってくれ」の連続がおもしろい。永六輔のエピソードを遊方流にふくらませたそう。

 トリのたまの「人食い」は、ヒマラヤで登山隊が遭難する噺。寒がり方がどう見ても「不動坊」みたいなんはご愛敬。食人族が出てきて隊長がさらわれ、それを助ける場面は「池田の猪買い」のパロディーに。

 最後に全員揃ってエンディング。プレゼントとして bj リーグ の招待券が提供されるも、落語ファンにはまったく響かず。


 なんだかスゴいハプニングと云うかトラブルもありましたが、それがまたおもしろかったです。あやめさんの分だけですが、観に行けなかった台本大賞の会でのネタを観られたんでラッキーでした。ネタおろしの方もおもしろかったですし、十分たのしめました。
 遊方さんは他人のアイディアでネタを作ったことが不本意で、さらにあやめさんが他人の作ったネタで、しかもネタおろしでもなかったことに納得できなかったのかも。まぁわからんでもないんですが、それにしても‥‥子どもみたいでした。

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ミロー寄席

2009/1/29 @ミローホール

  • 桂三幸 「平林」
  • 桂ぽんぽ娘 「桃太郎」
  • 桂三幸 「お忘れ物承り所」 (作:桂三枝)
  • 桂雀太 「天災」


 先日の 『7 時だョ! 8 人集合』 でチラシをもらい、雀太・三幸の同期コンビで前売り 1,000 円はお値打ちだ!と、予約しての参戦。地下鉄「桜川」駅から北西へ数分歩いたところです。
 会場はちょっと広めの多目的ルームって感じで、お客さんは 50 人くらい入ってたと思います。ほとんど近所の方のようでした。


 トップの三幸は着流し姿で登場。いつもの日常数珠つなぎのマクラから「平林」を。丁稚がのほほんとした雰囲気でたのしい。「たいらばやしか、ひらりんか~」と歌うところでは「ご一緒に~!」と観客参加で。サゲは「歌いながら大勢引き連れて、祭り囃子の稽古か?」「いえ、ひらばやしの稽古です」。

 ぽんぽ娘はベタなベンチャラをマクラに「桃太郎」を。息子を寝かし付けるのを母親に替えて、クスグリに工夫も。ネタはきっちり入ってるが、視線が泳いでてどうも落ち着かない。

 ふたたび三幸で、今度は羽織を着て登場。女性車掌との淡い恋物語をつづってから、駅つながりで「お忘れ物承り所」へ。JR「大阪」駅(?)のお忘れ物承り所でのあれこれ。食べ物の忘れ物では、純ちゃんまんじゅう、オバまんじゅう、ヒラリー栗きんとん、麻生太郎の KY まんじゅう(「KY」は「漢字読めない」)。ほかにもこまかいクスグリいろいろ。

 トリの雀太はマクラたっぷり。「松屋町」は「まつやまち」か「まっちゃまち」か?とか、町で赤の他人にえらい怒られた話など。『雀三郎・昇太 二人会』の打ち上げで騒ぐ子どもに立腹した話から「天災」へ。短気な男が眉間を指差して「ここだバーン! 鼻血ダー!」の繰り返しがおもろい。心学の先生との対比、その先生をまねておさまってる様がまたおかしい。


 3 人が 1 席ずつかと思ってたんですが、三幸さんが 2 席でお得感アップ。中入りなしでしたから 2 時間弱でしたが、とくに雀太さんと三幸さんのマクラがおもしろく、ひさびさに雀太さんの「天災」も聴けて、満足度は高かったです。

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桂三風 25 周年独演会 1 月席

2009/1/28 @天満天神繁昌亭

  • 桂三四郎 「道具屋」
  • 桂春菜 「母恋いくらげ」 (作:柳家喬太郎)
  • 桂三風 「時うどん」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭仁智 「ハードラック」 (作:笑福亭仁智)
  • 桂三風 「農といえる日本」 (作:桂三風)


 三風さんが噺家生活 25 周年記念に 1 年間毎月 1 回の独演会を開催。この日が 1 回目です。
 心配した入りは 1 階席がほぼ埋まった感じ。毎月のチケットの半券を 1 年分 12 枚集めた方には三風さんの CD 全集がもれなくプレゼントされるそうですよ。今回の記念独演会をすべて録音されるようです。


 露払いの三四郎はマイク・チェックを兼ねてか声張りまくり。バス旅行の添乗員のエピソードをマクラに、「いろんな仕事があるもんです」と「道具屋」へ。まだ演りなれてない感じ。

 春菜は自身のネガティヴな性格を語りつつ、3 か月前に子供が産まれた話から「母恋いくらげ」へ。クラゲの親子の物語。先日の 『新進落語家競演会』 で観たときよりリラックスした感じだが、やはりまだまだ喬太郎色が支配的。大阪弁の比率をもっと上げれば印象が変わるかも。

 ゲストの仁智は三風のことを再三「三枝一門のなかではノーマルな方だ」と評すが、ほめてるのやらクサしてるのやら。
 駅の券売機で隣の列だけが進む話や、鰹のタタキであたった話など、自身のツイてない話いろいろをマクラに「ハードラック」を。とことんツイてない男の噺で、三風のリクエストだそう。後半の電気椅子での電話の繰り返しが、わかっていてもおもしろい。

 三風の 1 席目は、登場するなり客席におられた高校時代の同級生一同から花束贈呈。ちょっと照れくさそう。昔の時間の数え方や、時刻に一ツ・二ツ・三ツがないのは捨て鐘に由来すると云う解説をマクラに「時うどん」を。前半はやや言葉が多くて丁寧過ぎる感じだが、後半のうどん屋の困りや喜六のイチビリ加減がおもしろい。
 2 席目は仕事で徳之島や美山に行ったときの話をマクラに「農といえる日本」を。田舎の農村に住む両親のもとへ、東京に出ていた息子が婚約者を連れて帰ってくる噺。メッセージ性の強いネタだが、ほっこりするサゲが付いて全体がまとまった感じに。


 新作が 3 本あったんで、時間的には 2 時間ちょっとくらいで、あっさりした印象の会になりました。
 記録用か CD のジャケット用かわかりませんが、写真撮影されてました。これがネタに入ってからも撮影されてて、カメラのシャッター音がかなり気になりました。もうちょっと配慮してほしいもんです。

 仁智さんが鰹のタタキにあたった(ノロウィルスにやられた)って話をされてたんですが、この日の晩飯のおかずが鰹のタタキでした。えらい偶然。食べにくいっちゅーねん!

 次回は 2 月 26 日(木)です。

さん風のたより

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名探偵ナンコ よみがえれ!探偵講談

2009/1/25 @本遇寺

【ファイナル】

  • 旭堂南湖 「蝿男」 (原作:海野十三)
  • 田辺駿之介 「村越茂助」
  • 旭堂南湖 「魔術師」 (原作:江戸川乱歩)
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南湖 「双子の犯罪」 (原作:初代・快楽亭ブラック)
  • 南湖・芦辺拓 《対談:『名探偵ナンコ』を振り返って》

※ 第 44 回/最終回


 第 50 回までと云われていた『名探偵ナンコ』ですが、急なことですが諸々の事情で前倒しの最終回に。
 受付に南左衛門門下の南舟さんと南斗さんのおふたりがおられました。入りの方は 20 人弱。記念品として、来場者に シャープペンシル がプレゼントされました。南湖さんと同い年だそうです。


 南湖の 1 席目は、2001 年にこの会を始めたときのことや、今回で最終回とした思いなどを、マクラ代わりにいろいろと。最初は探偵講談を演る会として年 1 回くらいの開催を考えていたが、第 1 回の客席にいた芦辺拓の後押しで隔月開催となったそう。
 「蠅男」は「魔術師」とならんでもっとも口演したネタだそう。鴨下ドクトルの屋敷の暖炉から発見された焼死体と、資産家の玉屋家に送り付けられた蠅男と名乗る者からの脅迫状。意外な展開‥‥と云うより、荒唐無稽と云っても良い展開。途中、断酒の話に脱線しつつ、たっぷり。

 特別ゲストに東京から、余興の仕事でたまたま堺へきていた田辺駿之介が一席。ちなみに、仕事はカラオケ大会の司会だったそう。
 しゃべり始めは「大丈夫か?」と心配してしまうほどの押し出しの弱さだが、ネタに入ると凄まじい勢い。この落差がおもしろい。徳川家康の家臣・村越三十郎が失敗を続けて出世を重ね茂助と名乗るようになる「村越茂助」をたっぷり。

 南湖の 2 席目は「魔術師」。諏訪湖畔で休暇する明智小五郎のもとへ警視庁から救援要請が入り、東京に向かった明智が上野で誘拐される。資産家・徳田氏に起こった奇怪な事件。時間を前後しつつ語りつぐも、これからと云うところで時間に。

 中入りをはさんで、南湖の 3 席目はネタ下ろしの「双子の犯罪」。フランス革命の頃、男爵が厩別当の格好をしてイギリスへ難を逃れる。そこで出会った百姓の娘と結婚し‥‥と云う話。ヨーロッパが舞台だが、登場人物は日本名。2 月の『講談毎日亭』へ向けての大いなる予告編。

 最後は南湖と芦辺拓との対談。これまでの『名探偵ナンコ』を振り返りつつ、今後の展望も。探偵講談は今後も演るとのことで、『名探偵ナンコ』自体も充電期間ののちにタイミングが合えば復活させるかも、とのこと。


 南湖さん 3 席に特別ゲストの駿之介さんの口演もあって、ファイナルは 2 時間半を越えるたっぷりの会となりました。芦辺先生は来阪機会が減ってちょっと残念そうでしたが、やはり南湖さんご本人の意向が尊重されるもんでしょうから、これはこれで仕方ないですね。
 打ち上げにも参加したかったんですが、翌日に出張を控えてたんで断念残念。

 約 40 本の探偵講談は南湖さんの財産になるでしょうから、今後も育てていってほしいと思います。

正直南湖
芦辺倶楽部
Shunnosuke Style

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7 時だョ! 8 人集合

2009/1/25 @桜川三丁目劇場

  • 《オープニング》
  • 《大喜利》
  • 旭堂南青 『太閤記』より「太閤の風流」
  • 三幸・三四郎・ぽんぽ娘 《コント「宅配ピザ店」》
  • まめだ・団姫・雀太・南青 《コント「噺家入門」》
  • 《ひな壇トーク》
  • 《1 分ネタ》
  • 桂三四郎 「田中」 (作:セブンエイト)
  • 《エンディング》

※ 第 2 回


 千日前で天丼を食べて、あちこちブラブラしてから桜川へ。ちょっと早めに行ってしまったんで、寒空のなかを開場待ち。しかも開場が遅れてブルブル。
 入りは 40 人くらい。前回よりちょっと増えた?


 オープニング映像(雀太の追加改訂版)のあと、無言でくじ引き。今回の出演は、桂三幸、桂三四郎、桂雀太、桂ぽんぽ娘、桂まめだ、旭堂南青、露の団姫(五十音順)の 7 人で、くじ引きの結果、雀太が司会、南青が古典、三四郎が新作、その他が一般参加に。

 まずは大喜利。お題は「もう誰もやらなくなった古典落語のタイトルとは?」「蚊取り線香の意外な使い道とは?」「おばあさんの写真を見てひと言」の 3 つ。わりとグダグダ。

 古典担当の南青は『太閤記』より「太閤の風流」。和歌に暗い豊臣秀吉が妻・ねねの助けで面目躍如する話。ちょこちょことクスグリを入れて。

 宅配ピザ店の新人アルバイト(三四郎)を指導する先輩アルバイト(三幸)。別の先輩アルバイト(ぽんぽ娘)も登場して、しっちゃかめっちゃか。三幸がかなりおもしろい。

 まめだ師匠(まめだ)の弟子、おまめ(団姫)とまめ太(雀太)が話しているところへ入門志願の男(南青)がやってくる。
 団姫の吹っ切れたアバズレ加減が衝撃的。噺家の真実が明らかになるたびに雀太が南青の胸ぐらをつかんで「お前このことよそで云うたらシバきまわすぞ!」とスゴんで口止め。

 ひな壇トークのテーマは「こんな人おるんや」「私のいいところ」。芸人の裏話が盛りだくさん。
 あまりしゃべらないまめだは皆がイジりやすい前列中央に、よく絡んでくる三四郎やぽんぽ娘は後列に配置するべきかも。

 1 分ネタのコーナーは、三四郎がレスリングバー、南青はサンバイザーズ、まめだはダジャレ、団姫は世相しりとり(フリップ芸)、ぽんぽ娘は女子高生下ネタソング、雀太はありそでない研究所、三幸はノブカバー。ネタ的には雀太がおもしろい。雀太とぽんぽ娘は 1 分への落とし込みが課題。

 新作担当の三四郎は「田中」。中村の携帯電話に登録された《田中》が誰なのかわからなくて田中に訊く噺。アイデアはなかなかおもしろい。以前に 三幸で聴いた が、それとはまた違ったテイストに。

 最後に全員そろってエンディング。


 今回もたっぷり 2 時間半(- 10 分)でした。各コーナーは意外としっかり準備されてるんですが、進行はグダグダ。そこらもまたおもしろいんですけど、大喜利は、『ダイナマイト関西』等への出演を想定して仕込みなしを前提とするにしても、研究と練習は必要ですね。司会の雀太さんがフォローしようと一所懸命でした。

 次回は会場をワッハ上方レッスンルームに移して 3 月 13 日(金)に開催されます。

~セブンエイト~ 7 時だョ! 8 人集合

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花花寄席

2009/1/24 @ヨシモト∞ホール OSAKA

  • 桂さろめ 「東の旅・発端」
  • 桂三幸 「十徳」
  • 桂文昇 「牛ほめ」
  • おしどり 《音曲漫才》
  • 月亭遊方 「絶叫ドライブ ~彼女を乗せて~」 (作:月亭遊方)
    ―― 中入り ――
  • NON STYLE 《漫才》
  • 桂文華 「ちりとてちん」


 先月末の『花花寄席』に行ったときに、その数日前に M-1 グランプリで優勝した NON STYLE が出ると云うことを T 先生から聞き、噺家勢の番組も良かったんでさっそく手配。当日、開場ギリギリに行くとスゴい行列が! 最終的には 200 人近く入ってたと思いますが、いやはや M-1 効果は絶大です。およそ 9 割は NON STYLE がお目当てのようで、その大半が女子高生と云う、寄席らしからぬ客層。


 開口 0 番のさろめの「東の旅・発端」は噛んだり詰まったりすることなく口跡もしっかりしていて、年末に観たときより格段に良い。客席の反応はまったくないが、ネタ的に仕方ない。

 三幸はマクラで日常の「どないやねん!」なトピックスいろいろ。身近な話題で客席の反応も良く、スムーズに「十徳」へ。登場人物の性格設定をやや極端にしてわかりやすく、おもしろさが伝わりやすい。

 文昇はマクラで落語が《観客の想像力が頼り》の《一人が複数人を演じ分ける》芸であることを実演付きで解説してから「牛ほめ」を。やわらかい語り口でごく丁寧に。「銭儲け教えたろ」「誰殺しまんねん」がいきなりツボ。サゲは牛の尻の穴に御札を貼って「屁の用心になります」。
 「牛ほめ」だと難しい言葉が並ぶんで、同じ仕込んでバラす噺なら「子ほめ」の方が良かったかも。(《牛》が《子》だと昨年の噺になってしまうが)

 おしどりは登場こそオールド・スタイルに失笑気味だったが、針金でモノを作るケンとツッコむマコが受け入れられたよう。客席からのお題は《ハンガー》のあとに《NON STYLE》で、この難題をなんとかこなして拍手喝采。

 中トリの遊方は客層を意識しないようにマクラを振り、でもネタは共感を得やすそうなデートの噺で「絶叫ドライブ ~彼女を乗せて~」。免許取り立ての男が新車に彼女を乗せてデートに行く噺は、ツボツボできっちりウケる。
 女子高生が中心層だったんで、ドライブよりも身近な店が舞台の「コンビニストアの人々」や「わすれうた」なら、さらに良かったかも。

 中入りをはさんで NON STYLE が登場すると絶叫にも近い嬌声。客イジリで様子をうかがってから、時代劇、バイク、野球の実況と、ありネタ数珠つなぎ。それぞれしっかり作り込まれてておもしろい。石田(白い方)が昭和こいるのアクションをしていたが、これは落語ファン向けのサービスだったかも。
 終わるなり客席のあちこちから「チョーカッコイイ!」「もいっかい観たい!」。

 トリの文華は「寄席でこんなアウェイを感じるのは初めて」。ひと口小咄で様子をうかがいつつ、「ちりとてちん」を。文華も登場人物のカラーを濃いめに調整し、所作や顔芸も駆使してわかりやすく。


 いやぁ~、おもしろかったです NON STYLE。客席の甘さを抜きにしても、ネタがしっかりしてて好感が持てました。漫才さんは売れてくるとテレビ出演が増えてネタをしなくなる傾向がありますが、舞台での活躍に期待します。
 一方、立場が逆転して迎え撃った噺家勢ですが、健闘してたと思います。ネタ選びには苦慮されたと思いますが、手を抜くことなく一所懸命の高座でしたし、きっちりウケてました。
 開演前に「途中退場はご遠慮ください」と云うアナウンスをされてましたが、やっぱり NON STYLE が終わったところで帰るお客さんがチラホラ。それでも思ったほどではなかったですし、公演中に携帯電話も鳴りませんでしたから、若手漫才師のイベントでお客さんがしっかり教育されてるんだなと感じました。このなかからふたたび寄席へ足を運ぶお客さんがおられるか、興味深いです。

花花寄席日記
ヨシモト∞ホール OSAKA

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たまクラブ外伝 秘密やない落語会

2009/1/22 @高津の富亭

  • 笑福亭笑子 「寿限無」
  • 笑福亭たま 「花ねじ」
  • 旭堂南青 「木村重成」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭たま 「池田の猪買い」


 毎度 1 週間ほど前に届く召集令状(ご案内メール)で会の存在を知らされる『たまクラブ』ですが、今回は『外伝』でオープンな会に。たまさんからの案内では「ちょっと試食気分というか、実験台気分を味わいたい方にお勧めの落語会です」とあるんで『フレンドリー寄席α』くらいの位置付けなんかも。
 緊急開催と雨天でやや出足は悪かったんですが、それでも 20 人ちょいは入ってました。女性率高し。《出家した橋下徹》こと呂竹さんが受付をされてました。


 開口一番の笑子は旦那の話に始まって、夫婦の話、名前の話へとたのしいマクラをつないで「寿限無」へ。母親が近所の和尚に相談するよう変えられており、和尚の提案する名前に母親がいちいちツッコむのがおもしろい。家に帰ると赤ちゃんが登場したり、サゲまわりにも手が入れられていて、女性流・自分流への努力が感じられる。

 中トリの南青は、健康ランドの余興で困った話をマクラに、木村重成の話。和歌がきっかけとなる木村重成と青柳との恋路を、その出会いからたっぷりと。

 たまの 1 席目は笑子のおもしろエピソードをマクラに、季節を先取りしまくりの「花ねじ」を。敷地内へ伸びてきた桜の枝を折ってしまう学者が恐ろしく、遣いに行って口上をまともに云えない丁稚をどやしつける。後半の塀をはさんでのモグラ叩きのような攻防がたのしい。キーワードとなる「逆ねじ」や、「花」と「鼻」のイントネーションを強調してわかりやすく。
 中入りをはさんでの 2 席目も笑子のおもしろエピソードをマクラに、季節ネタの「池田の猪買い」を。たまらしいクスグリも入って構成も考えられているが、新味を入れたためか丁寧に演りすぎて全体にややテンポに欠ける感じ。言葉が多過ぎる場面もあり、そこらは冗長な印象。それでも猪撃ちの場面はやっぱりおもろい。猪肉を買いに行く男が家中の着物といっしょに布団までぐるぐる巻きにしてくるくだりは、旭堂南海が若い頃、引っ越しするのに布団を手荷物として電車へ持ち込もうとしたら断られ、身体に巻き付けて服だと云い切って乗車したエピソードにインスパイアされたそう。

 ちょうど 2 時間くらい。たまさんは一門会へ向けて「ベルゼバブの蝿」の改訂版の試運転かと思ったんですが、意外に古典 2 席でした。
 笑子さんはがんばられてますね。物怖じせずにいろいろとチャレンジされてて好感が持てます。南青さんはちょっと太ったともっぱらの評判でした。

 たまさんは 2 月からまた新しい会『笑福亭たまの脱構築落語会』が始まりますし、今年もあいかわらず精力的ですね。

らくごの玉手箱

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繁昌亭大賞発表落語会

2009/1/19 @天満天神繁昌亭

  • 《表彰式》
  • 《輝き賞》桂吉坊 「寄合酒」
  • 《創作賞》桂三金 「デブのお肉に恋してる」 (作:桂三金)
  • 林家染二 「替り目」
    ―― 中入り ――
  • 《爆笑賞》桂文華 「池田の猪買い」
  • 《奨励賞》笑福亭銀瓶 「胴乱の幸助」

※ 第 3 回


 繁昌亭大賞を人気の桂吉弥さんが受賞されたんで、この会は発売直後に手配しましたが、案の定、早々に前売り完売だったようです。もちろん大入り満員。


 まずは授賞式。ナビゲーターは第 1 回《創作賞》の桂三風、プレゼンターは上方落語協会会長の桂三枝。ことある毎に前へ出てくる三風をたしなめる三枝の図で笑いに。
 《大賞》吉弥、《奨励賞》銀瓶、《爆笑賞》文華、《創作賞》三金、《輝き賞》吉坊の順に、表彰状・賞金・表彰楯の授与。大賞の吉弥には歴代大賞受賞者のペナントが付けられた特大カップも。授与時にはそれぞれコメントされたが、吉坊がいちばんしっかりした挨拶を。吉弥は他の仕事がこの会より先に決まっていたため授賞式のみの出演。

 落語は吉坊から。昨今の噺家の酒事情をマクラに「寄合酒」を。見台を使わず、要所に春團治テイストを感じさせる。

 三金は《創作賞》と云うことで自作の「デブのお肉に恋してる」を。デブの奥野君がサークルでいちばんかわいいマキちゃんにモテる‥‥と云う、三金自身の妄想のような噺。時事ネタも盛り込む余裕があり、かなり繰れててテンポ良くスッキリ。(でもデブネタ)

 吉弥の代演で第 2 回《大賞》の染二が「替り目」を。酔っ払いの亭主の感情の振れが大きく、そのくせツッコミがこまかくておもろい。早いテンポでトントンと進んでサゲまで。

 中入りをはさみ、文華が「《爆笑賞》はハードルが上がってつらい」とボヤきつつ「池田の猪買い」を。観客がなにか特別なものを期待しているのか、普通におもしろいのに客席の反応が薄い。そんな状況を途中でイヤになったか、落語ファンを逆手に取って噺の省略をクスグリにしたり。

 トリの銀瓶は仕事で行った某高校に「サイテー!」と叫び、そこで起こった喧嘩の様子から「胴乱の幸助」へ。全体に若さが目立つも、割木屋の親父の得意気な表情や、浄瑠璃の稽古屋で「お半長」を語る男の技量の極端な変貌がおもしろい。あちこちのこまかいツッコミもワチャワチャとたのしい。マクラからガッチリつかんでたっぷり。


 表彰式に始まって、終始華やかな印象の会でした。とくにトリの銀瓶さんは充実でした。吉坊さん以外はそれぞれ昼席のトリ・中トリで出演されますから、そちらもたのしみですね。

天満天神繁昌亭

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二人のビッグショー in 大阪 柳亭市馬・柳家喬太郎 二人会

2009/1/18 @TORII HALL

  • 桂吉坊 「軽業」
  • 柳亭市馬 「一目上がり」
  • 柳家喬太郎 『牡丹灯籠』より「本郷刀屋」
    ―― 中入り ――
  • 柳家喬太郎 「初天神」
  • 柳亭市馬 「富久」

※ Vol. 7


 この会も人気が定着してきて、今回は昼夜 2 公演(同演目)に拡張。昼の部へ行きましたが、昼夜とも前売り完売で当日券なしだったようです。個人的には、もう少し入る会場に移っても良いように思いますが。
 市馬さんのお弟子さんの市也さんが高座番を務めていました。


 まずは吉坊が「べちゃっとした上方落語」で露払い。軽い挨拶から「軽業」を。露店案内から、見世物小屋は《一間の大イタチ》と《白いクシャク》。軽業小屋に入ってからはきちっとした所作で魅せ、吉朝テイストをそこここに感じさせる。ハメモノも入ってにぎやかに、いかにも上方らしい一席。サゲは「長口上は大怪我の元」。

 羽織なしで登場した市馬の 1 席目は「本日は桂吉坊の会へようこそ」で始まり、ごく軽い挨拶からスッと「一目上がり」へ。八五郎がご隠居に掛け軸のほめ方を習うも、ことごとく失敗する噺。八五郎(上方なら喜六)の困惑ぶりがたのしい。

 喬太郎の 1 席目は「期待しない方がいいですよ」で始まり、口唇ヘルペスの話や年末年始への思いなど、マクラいろいろ。《噺家で忠臣蔵を演ったら》のキャスティングがおもしろく、大石内蔵助は古今亭志ん朝か市馬、浅野内匠頭が柳家花緑か市也、堀部安兵衛が立川談春か林家彦いち、松の廊下であたふたしてる茶坊主が三遊亭白鳥。蕎麦屋の亭主が喬太郎。吉良上野介は‥‥誰もが想像するあの人。
 ワッと笑わせてスッと噺へ。本郷の刀屋で店主との値段交渉をたのしむ侍と、その侍の中間に絡む酔っ払いの浪人とが、退っ引きならない状況に。怪談『牡丹灯籠』の発端「本郷刀屋」で、緊迫感たっぷりに語る。ちょっとした笑いで客席が緩和されるが、おそらく喬太郎独自のアレンジだろう。

 中入りをはさんで喬太郎の 2 席目は、抹茶と『世界の車窓から』を好む自身の息子の話をマクラに「初天神」を。息子と隣の男とのやり取りや団子の蜜の二度漬けはないが、その分、息子の駄々のこね方が強烈で、溜めて溜めて溜めてから発狂したかのように泣き叫ぶ。人力俥に乗る親子を見て息子が云う「格差社会だね」がツボ。団子のくだりまで。

 トリに「二上がりかっこ」で登場した市馬の 2 席目は「富久」。幇間の久蔵がなけなしの一分で買った富くじに一等の千両が当たる。しかし、くじは火事で焼けてしまった‥‥。幇間としては不器用そうな久蔵が火事で焼け出されて不遇なはずが、それでも久蔵のまわりの人間のあったかさで軽い感じを与えるのが市馬らしさか。最後はめでたく幕を閉じて心地良い。


 市馬さんは落語を軽やかにたっぷり、喬太郎さんはマクラで笑いたっぷり落語はこってりって感じでした。吉坊さんも良かったですし、落語会としてはかなり満足度の高い内容です。料金は 3,500 円とややお高めですが、東京の人気真打ちふたりがたっぷり演ってくれてるわけですから、お値打ちですね。

 次回は 6 月 20 日(土)です。

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繁昌亭昼席

2009/1/17 @天満天神繁昌亭

【桂米團治襲名披露興行】

  • 桂佐ん吉 「始末の極意」
  • 桂あさ吉 「犬の目」
  • 桂米左 「道具屋」
  • 桂朝太郎 《マジカル落語》
  • 桂春之輔 「ぜんざい公社」
  • 桂春團治 「祝いのし」
    ―― 中入り ――
  • 《桂米團治襲名披露口上》
  • 翁家勝丸 《太神楽》
  • 桂都丸 「強情灸」
  • 桂米團治 「掛取り」

※ 第 121 週


 結局、米團治さんの襲名披露興行へは( 『扇町寄席』の収録 以外は)一度も行かなかった私ですが、それでもやっぱり雰囲気だけでも味わいたいと、お手頃価格の繁昌亭昼席へ。
 早めに取ったにもかかわらず整理券はうしろの方で、二階から。立ち見も出る大入り。


 佐ん吉はケチの小咄から「始末の極意」へ。紙と扇子の使い方、梅干しと鰻の食べ方をトントンと進めて極意の伝授へ。無駄をそぎ落として 10 分に落とし込み、それでいて性急に感じさせずに噺のおもしろさを伝えているのはお見事。

 あさ吉は内弟子修行中に米朝が胆管結石の手術をした話をマクラに、医療つながりで「犬の目」へ。眼科医の余裕と冗談が独特のあさ吉節と合わさってたのしい。目玉はたこ焼きの要領であっさりくり抜く。

 米左クラスで「道具屋」はめずらしいかも。教科書どおりきっちりと淀みない口跡で、安心して聴いていられるが、逆にあっさりし過ぎでもの足りなさも。ベテランならではの遊びがほしいところ‥‥とは贅沢か?

 朝太郎は 前日 同様で、時間枠に合わせて小ネタを端折ったりの編集はされてるものの、時間がきてチンッ!でサゲ。

 春之輔はうだうだとマクラをつないで「ぜんざい公社」を。全体にキレの悪さが気になる。汁がないはずのぜんざいをすするのはどうなん?

 高座に緋毛氈がひかれ、座布団は白色に。そこへ柿色の着物に身を包んだ春團治が登場。披露目の席でおめでたい「祝いのし」を。様式美の極み。

 中入りをはさんで、米團治襲名披露口上。下手側より米左(司会)、米朝、米團治、春團治、春之輔、都丸とならび、後方には「五代目 桂米團治 師匠」と入った関西学院大学古典芸能研究部からの幕。口上は米朝、都丸、春之輔、春團治の順。
 米朝は人間国宝ネタで軽く笑わせて「息子をよろしくお願いします」。
 先輩の都丸は「米團治と呼び捨てにできる。米やんと呼んでもええ」。祇園のお茶屋で散在する(も請求書は米朝へ回す)米團治を王将へ連れていきたいと。下げたり上げたりたのしい口上に、米朝や春團治の顔もほころぶ。
 春之輔が「私も都丸さんのようにいろいろしゃべりたいんですが、横に三代目がいてますので簡単に」と云うと、春團治が「遠慮せんでええで」。
 最後に春團治がきれいな締め。

 以前に一度観たことのある太神楽の勝丸は、五階茶碗と傘回し。芸そのものもさることながら、かぶせたりすかしたりの話術が巧み。客のノリも良くて笑いいっぱい。

 都丸は米團治の最新エピソードや師匠のざこばのおもしろエピソードをマクラに、強情なざこばに重ね合わせるかのように「強情灸」を。軽めのネタながら、都丸のニンに合っててたのしい。

 トリの米團治が登場すると、やはり高座が華やいだ雰囲気に。マクラで、南座の支配人に「いつから米團治になるんですか?」と問われ「大阪の日の出から」としたところ、5 時 55 分と 5 がならんだと云う話。
 ネタは「掛取り」。米團治版は初めて聴いたが、洋服屋をクラシック音楽(噂に聞いた「バッハなことを云うな」に感激)、酒屋を喧嘩、醤油屋を芝居で借金の断り。最後の芝居では上方の噺家尽くしで、ハメモノも入ってにぎやかに。


 口上も米團治さんの高座も雰囲気良く、襲名披露興行の華やかさを堪能させていただきました。吉朝一門の 2 席も良い露払いでしたし、お値打ちの会でした。
 繁昌亭昼席の襲名披露公演は今月 25 日(日)まで。前売りは完売のようですが、当日でも補助席・立ち見は出ると思います。

天満天神繁昌亭

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可朝・福團治 二人会

2009/1/16 @天満天神繁昌亭

  • 桂都んぼ 「子ほめ」
  • 桂福若 「居酒屋」
  • 桂福團治 「蜆売り」
    ―― 中入り ――
  • 桂朝太郎 《マジカル落語》
  • 月亭可朝 「餅屋問答」

※ 第 3 回


 ストーカー騒動で謹慎(自粛?)されていた可朝さんが、ひさびさに繁昌亭で福團治さんとの会。カメラが入ってましたが、セッティングの状況を考えるとニュースかドキュメンタリー用と云う感じです。
 チケット確保ですったもんだありましたが、まぁ今回は復帰の御祝儀と云うことで。当日券も出てましたが、入りは満員。


 トップは都んぼが元気に「子ほめ」を。大人のほめ方は省略し、歳を若く云う作戦と子どものほめ方だけを習って飛び出す。「ここ笑うとこでっせ」みたいな間が気になるも、テンポ良くトントンと進むところは気持ち良い。

 「子連れ狼」の出囃子で登場した福若は、とにかく恐い。ダジャレに観客が拍手で応えると「拍手するほどのことやおまへん」。ぼそぼそとマクラを振りつつ「居酒屋」へ。酔っ払いが居酒屋の店主に絡む噺。この酔っ払いがまた恐い。

 福團治のご贔屓さんが多いとみえて、いつもの陰なうだうだはごく短めに、昔の売り声いろいろから得意の人情噺「蜆売り」へ。たっぷりしみじみ。

 中入りをはさんで、朝太郎のマジカル落語は「Mr. マリックに挑戦!」を連発しつついつもの流れ。最初は見せただけだった南京玉すだれを「芸惜しみしましたが‥‥」と最後に取り出し「さては南京玉すだれ!」で下座からチンッ!と鳴っておしまい。

 お待ちかねの可朝は黒紋付にカンカン帽と眼鏡の正装でひらひらと登場。客席からはやんやの喝采。「この頃は日本語にぎょうさん英単語が入るようになりました。わからんことが多いです。そういうときは帰って辞書で調べます。こないだもわからんから帰って調べました。ストーカー」「意味はわかりましたし、やったらどないなるかもわかりました」。罰金の話からおなじみ横山ノックの話へとマクラをつなぎ、最後に「二度と繰り返さず、落語に精進せないかんなぁ、と」。
 「餅屋問答」は、やはり口演数の少なさからか、人物を呼び間違えるなどチグハグな場面が散見されるも、フラとしか云いようのない独特の可朝節は耳に心地良い。


 可朝さんは高座でしゃべってるだけで《ザ・芸人》ってオーラが出ますね。ちょっとネタ繰りしてきてくれるだけで満足度が数段上がると思いますんで、ホンマに精進していただけることを願ってやみません。
 一方の福團治さんもあいかわらずの雰囲気でなかなか。「蜆売り」も良いんですが、ぜひ一度「菜刀息子」を聴いてみたいです。

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新進落語家競演会

2009/1/15 @ワッハホール

【第 46 回 なにわ芸術祭新人賞選出】

  • 《オープニング》
  • 桂壱之輔 「四人癖」
  • 桂三弥 「結婚」 (原作:桂三枝)
  • 林家卯三郎 「番台」
  • 笑福亭由瓶 「稲荷俥」
  • 桂阿か枝 「金明竹」
    ―― 中入り ――
  • 桂三ノ助 「ハト」 (作:桂三ノ助)
  • 笑福亭たま 「いらち俥」
  • 桂春菜 「母恋いくらげ」 (作:柳家喬太郎)
  • 《クロージング》

※ 第 14 回


 昨年はたまさんの会で招待券をいただいたんですが、今年は 2 通応募して 1 通当選。会場へは 17 時過ぎに行ったんですが、すでに長蛇の列。さすがにタダの力はスゴい! 補助席も使って満員です。
 審査員は、伊東雄三(大阪府立上方演芸資料館館長)、金森三夫(産経新聞社文化部)、河内厚郎(演劇評論家・「関西文学」編集長)、水戸徹(関西テレビ放送プロデューサー)の 4 名。(五十音順・敬称略) 新人賞と奨励賞がそれぞれ 1 名選出され、新人賞受賞者はサンケイホールブリーゼで 4 月 30 日(木)に開かれる『上方落語名人会』への出場権を得ます。


 オープニングは桂文華の司会で演者と審査員の紹介と出演順決め。春菜が仕事が遅れるためトリ、あとのメンバーでクジ引き。トップは壱之輔に。持ち時間はそれぞれ 12 分。

 トップの壱之輔は「四人癖」をきっちりと。これがきっちり過ぎて面白味に欠ける。

 三弥の「結婚」は小学生の息子が離婚した父親に見合いを勧める噺で、先日の 『新世紀落語の会』 での「結婚のススメ」とおなじだが、三枝の元ネタからかなりいじってるためタイトルを変えてるそう。ネタはかなり繰られているが、やはり早口が気になる。

 卯三郎の「番台」は江戸落語の「湯屋番」だが、大坂で《湯屋》が馴染みないので演題だけ変えたよう。時間の都合で導入を端折り、若旦那に仕事を斡旋するところから。《女湯》に食い付く若旦那の妄想がなんともたのしい。

 由瓶の「稲荷俥」は硬さが気になり、そうなると訛りも気になる。

 中トリの阿か枝は小学 3 年生に落語をしたときの話で軽く笑わせてから「金明竹」へ。丁稚がスカタンな断りをする場面はごっそりカットし、ややこしい口上をする来客の応対をメインに。なめらかな口跡の立て弁が心地良く、古典落語ならではの味わい。

 中入りをはさんで、三ノ助は元気に自作の「ハト」を。行き倒れのハトが実は‥‥と云う噺。「四人癖」の登場人物や元獣医の卯三郎を登場させたりと余裕あり。古典落語を使ったクスグリは上手いが、独自のクスグリがわかりにくいのが残念。

 たまはショート落語ベストで自分の空気にしてから「いらち俥」をえらい勢いで。繰られまくりで笑いどころ多し。最後に人力俥と市電が激突する直前にスローモーションになる演出は映画的で毎度おもろい。顔芸満載。

 トリの春菜は 3 か月前に子供が生まれたばかりだそうで、親バカぶりを披露してから親子愛をテーマにした「母恋いくらげ」。柳家喬太郎の作で、喬太郎が演るのは観てないが、全体の演出はもとより、こまかいクスグリもそのまま演った感じ。作品力が強く、笑い多し。

 最後に全員が登場し、審査員の講評があってクロージング。


 みな時間枠を意識して噺をまとめてこられててサクサク進行し、18 時に開演して 20 時過ぎには終演となりました。
 個人的に予想をすると、春菜さんとたまさんが抜け出てた感じで、次点は阿か枝さん、卯三郎さん、三ノ助さんあたり。

 審査結果は 1 月 16 日(金)の産経新聞で発表予定です。

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新春林家一門顔見世興行

2009/1/12 @天満天神繁昌亭

  • 林家染吉 「阿弥陀池」
  • 林家卯三郎 「湯屋番」
  • 林家染左 「つぼ算」
  • 林家うさぎ 「ふぐ鍋」
  • 林家染二 「素人浄瑠璃」
    ―― 中入り ――
  • 林家染雀 「宗論」
  • 林家花丸 「たいこ腹」
  • 《三曲万歳》

※ 楽日


 整理券をもらうべく 16 時過ぎに繁昌亭へ行くと丁度昼席がハネた頃合いで、前であやめさん(となごみちゃん)とたまさんが繁昌亭福袋の売り子をされてました。
 楽日も大入り満員です。


 染吉はマクラを振らずに「阿弥陀池」を。構成にちぐはぐな部分が感じられるも、肩の力が抜けた語り口になったのは進歩かも。ただ、そうなるとイントネーションが気になる場面がチラホラ。

 卯三郎は酪農大学時代のおもしろエピソードいろいろから弟子修行、居候とうまくマクラをつないで「湯屋番」へ。風呂屋の仕事を紹介された若旦那が「女湯? 女湯?」と過剰反応するのがおもろい。その後の妄想もたのしい。

 染左は軽いマクラから「つぼ算」を。人物のメリハリも明瞭で、あいかわらず上手さが冴える。

 うさぎは花丸と出番位置を交代して。マクラをいろいろと振るも、落ちてるかどうか微妙なラインで観客の反応も微妙。「ふぐ鍋」もあっさり過ぎる感じ。

 逆に染二はあいかわらず濃ゆい。マクラから飛ばして観客をグイグイ引っ張ってから「素人浄瑠璃」へ。浄瑠璃の会に誰も来ないことがわかって旦那がキレるところまで。

 中入りをはさんで、染雀は手の陰陽について実演を交えて解説してから、故・林家染語樓に付けてもらったと云う「宗論」を。キリスト教かぶれの息子が抜群にハマってる。

 落語のトリは花丸。染太の気の遣い方がおかしいと云う例を紹介してから、気を遣う商売つながりで幇間の出てくる「たいこ腹」へ。幇間の調子の良さは一級品。鍼を打たれたと思って先に死んだタマと再会してる様子がおもしろ過ぎ。

 大喜利の三曲万歳は、染丸、染二、染左が小鼓、うさぎが締太鼓、染雀、山澤由江が三味線、林家和女が胡弓を演奏しながら、まずは『仮名手本忠臣蔵』から落語の「質屋芝居」や「七段目」でおなじみの場面を曲に乗せて。そのあとは小咄や謎掛けなど。いずれも仕込み芸ながら、にぎやかでたのしい。


 この日も 3 時間近くに。落語は充実、最後の三曲万歳もなかなかたのしかったです。

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新春林家一門顔見世興行

2009/1/11 @天満天神繁昌亭

  • 林家市楼 「看板の一」
  • 林家染太 「いらち俥」
  • 林家竹丸 「餅屋問答」
  • 林家笑丸 「虱茶屋」
  • 林家染丸 「悋気の独楽」
    ―― 中入り ――
  • 林家染弥 「読書の時間」 (作:桂三枝)
  • 林家そめすけ 「無筆の手紙」
  • 林家小染 「くっしゃみ講釈」

※ 初日


 正月恒例の林家一門会は前売り完売で補助席もでる盛況。今年も 2 日間興行で、初日は大阪天満宮の残り福のお客さんもあって、開場前もにぎやか。


 トップの市楼は「看板の一」で露払い。江戸っ子の親父っさんにならう型で、やや平板で後半のバラシもやや弱いが、安定感はあってそつなく。

 染太は「金属バットをお持ちの方、ご遠慮ください」と、最新ニュースいろいろで笑わせる。
 「いらち俥」は顔芸盛りだくさん。土管を 3 本越えたあとに向こうから土管が何本も転がってきてジャンプジャンプジャンプ!が新しい。北へ向かって市電とすれ違うところまで。

 竹丸は「餅屋問答」をきっちり。

 笑丸はいつもの微妙な笑顔でなにを演ろうか逡巡しながら、「踊りの入る噺もあるんです」と「虱茶屋」を。芸者の冷や奴のキャラがおもろい。旦那がいたずらで仕込んだシラミをかゆがる幇間の動きが極端。

 中トリの染丸も逡巡しながらのおしゃべり。女性の話になって「悋気の独楽」へ。女性のやわらかさはさすが。丁稚もかわいらしく、たっぷりの一席。

 中入りをはさみ、染弥の登場に「待ってました!」の声が掛かる。三枝作品の「読書の時間」は、高校生が授業用に父親の本棚から持ち出した本が実はポルノ小説で‥‥って噺。独自のクスグリもいろいろと盛り込んでテンポ良く。

 ニンニク臭いそめすけは「普段着のそめすけ、怪しいですか?」と、東京で職質を受けた話や西成区の話。
 「無筆の手紙」は程良い間で聴かせ、客イジリで笑いを誘う。

 小染は開口一番「ニンニク臭ぁ」。吉本の寄席でのマジシャンの悲喜劇で笑わせてから「くっしゃみ講釈」へ。全体に性急な感じだが、しっかりした構成。最後の虫尽くしの歌がなくてチとさみしい。


 たっぷり 8 席で 3 時間近い公演に。2 日間で全員に落語を演る機会をと云う意向だと思いますが、番組編成だけを考えるとどなたかが色物だとメリハリになるとは思いました。それでも満足して帰れましたから、全然 OK です。

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南湖だんご 旭堂南湖話術研究会

2009/1/9 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 旭堂南湖 『難波戦記』より「般若寺の焼き討ち」
  • 旭堂南湖 『赤穂義士銘々伝』より「大高源吾」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南湖 「細川の福の神」

※ 43


 定時ダッシュでバタバタッと会場へ行くと、丁度開場してるとこでした。やれやれ。
 入りはぎりぎりツ離れずの 9 人でしたが、南湖さんがゲスト出演したラジオ『とびだせ!夕刊探検隊』を聴いてこられたお客さんもおられたそうです。やっぱりマスメディアの力はスゴい!


 マクラ代わりに今年の抱負・決意を。定例会のうち『名探偵ナンコ』を 1 月で終了し、『南湖だんご』と『講談毎日亭』に照準を絞って注力するとのこと。

 入門してまず『難波戦記』の「三方ヶ原の戦い」を習い、次に教えてもらったのが「般若寺の焼き討ち」。そんな前置きから、入門時の思い出をいろいろ。講談をほとんど知らずに入門し、師匠の三代目・南陵から「講談は 3 カ月、3 年、10 年で辞めたくなる」と聞かされたが、別段そう云う感覚もなく 10 年が過ぎたそう。
 薄田隼人正兼相に追い立てられた徳川家康の前にあらわれたのが本田出雲守忠朝。酒好きの出雲守の墓が一心寺にあると云う話から、酒好きの師匠の思い出や、自身の断酒の話など。年々上昇していた尿酸値が昨年末の健康診断でついに限界値すれすれになり、賞取りへの願掛けも兼ねて 12 月に断酒を決意したそう。古今亭志ん朝の願掛けにまつわる話がおもしろく、もっと落語が上手くなるようにと大好きな鰻を断ったまま亡くなられたが、生前に寿司屋へ行ったときにはまず穴子を 10 貫くらい頼んだそう。
 断酒会へ行った話や酒にまつわる失敗談なんかもたっぷり語って、閑話休題。薄田隼人と本田出雲守がやり合ってる間に家康は逃げだし、乞食と桶屋のおかげで助かる。かんな屑まみれになる家康がなんともコミカル。
 あちこちと話題がそれて、ここまでで約 1 時間に。

 つづけてメインの義士伝は、『赤穂義士銘々伝』より「大高源吾」を。
 間者として中村勘助とともに赤穂から江戸へ向かう大高源吾。仇討ちを悟られまいと道中立ち寄った義兄弟と縁を切り、後に詫び証文を書くくだりをはさみ、討ち入りを翌日に控えて吉良邸を探る最中、俳人の宝井其角と出会うくだりを。
 こちらは本筋をたっぷり。次回は討ち入り。

 中入りをはさみ、ボーナス・トラックの「細川の福の神」は、売り子が「福の神が宿る」と云う松飾りを細川越中守忠利が買う話。細川家は家禄が倍となり、売り子も儲かっておめでたい一席。松飾りを売って二両を手にした売り子の新商売がたのしい。

 最後に抽選会。宵戎と云うことで福笹と粟おこし。残念ながら 3 分の 1 の確率に負ける。


 紆余曲折のおしゃべりもあって、たっぷり 2 時間に。とりとめのない脱線もまたたのしいですね。マクラ代わりに近況報告を 30 分くらいしゃべってもらっても良いかも。
 「大高源吾」の方は時間を気にしてかやや詰め込み気味な印象でした。後半がどれくらいの分量かはわかりませんが、3 回くらいに分けても良かったかもしれません。

 次回は 3 月 13 日(金)です。おそらく「大高源吾」は討ち入りでしょうから、たのしみ。

正直南湖

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新世紀落語の会

2009/1/8 @天満天神繁昌亭

  • 桂三弥 「結婚のススメ」 (作:桂三枝)
  • 旭堂南湖 「天皇陛下大阪漫遊記」 (作:旭堂南湖)
  • 桂勢朝 「ハイウェイ歌合戦」 (作:小佐田定雄)
    ―― 中入り ――
  • 桂米平 「立体紙芝居 大カラクリ忠臣蔵」 (作:桂米平)
  • 笑福亭松枝 「溜息坂口笛坂」 (作:笑福亭松枝)

※ 第 38 回


 南湖さんが「天皇陛下大阪漫遊記」をネタ出しされてたんで、チケット発売前からかなり期待してまして、早々に前売り券も確保済み。なのに出張が入ってあせりました。それでもなんとか行程調整して繁昌亭へ。入りは 1 階席が半分くらいでチとさびしい。


 トップの三弥は師匠の「結婚のススメ」を。離婚した父親に小学生の息子が再婚を勧める噺。時間枠を気にしてか、やや早口で一本調子な印象。

 お茶子が高座を整え、メクリをめくってチラッと名前を見せてから、あらためて客席に背を向けた状態に置き直し。出てきた南湖は「つづいて出て参りましたのが匿名希望で、顔と名前をセットで忘れて帰ってください」。
 「天皇陛下大阪漫遊記」は、水戸黄門よろしく天皇陛下がお忍びで大阪を訪れる話。前半はナンセンスな笑いが盛りだくさん、後半はホームレスと意気投合した陛下が現在の不況下での労働者問題に一石を投じる社会派人情話に。

 勢朝は抑え気味にマクラをいろいろと振りつつ、ネタの「ハイウェイ歌合戦」に入るとテンション上昇。商店街のバス旅行の噺で、あいかわらずのええノドを聴かせる。

 中入りを挟んで、米平の立体紙芝居は一心寺とおなじ「大カラクリ忠臣蔵」。

 松枝の「溜息坂口笛坂」は、自著から自身の入門当初の思い出話。六代目・松鶴の私生活をのぞかせつつ、弟子修行時代のエピソードいろいろ。弟子を気遣う師匠のやさしさに、思わず目頭が熱くなる。


 南湖さんもおもしろかったんですが、松枝さんの「溜息坂口笛坂」がなんとも良かったです。本の方も読んでみたいと思いました。
 『新世紀落語の会』では専用ポイントカード『むふふカード』があって、4 回目と 8 回目に記念品がもらえたんですが、今回から 4 回毎に 『新世紀落語の会』の招待券 をもらえるようになりました。招待券の有効期限は 1 年ですから、こっちの方がお得かも。

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三金・たま 誕生日二人会

2009/1/6 @common cafe

  • 桂三幸 「田中」 (作:セブンエイト)
  • 笑福亭たま 「初天神」
  • 桂三金 「奥野君のコンパ」 (作:桂三金)
  • 三金・たま・遊方 《トーク》
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭たま 「ドーベルマン刑事」 (作:笑福亭たま)
  • 桂三金 「寝床」


 この日は三金さんとたまさんの誕生日と云うことで、お客さんからおふたりへ続々とプレゼント。思惑どおり!?!?
 前日に届いたたまさんからの案内メールに《先着限定 60 名》とあったんですが、きっちりそれくらい入ってました。呂竹さんと笑子さんがお手伝いに、遊方さんが遊びにこられてました。


 トップの三幸は小咄披露。《宝くじ》と《歩きタバコ》の小咄はおもしろいのに、その前につかみ損ねててウケが半減。
 落語はセブンエイト作品の「田中」。携帯電話に登録された田中がどの田中なのか、田中に訊いて思い出そうとする噺。「可能性をさぐっとったんや」の繰り返しがおもしろい。

 たまは「マクラは苦手なんで、落語だけして一生を終えたい」と云いつつも、上方落語協会の総会の話から某噺家のエピソードでガッチリ笑わせる。
 「初天神」はやや言葉の多い場面が気になるも、独自のクスグリや構成が効果的。息子と隣の男のやり取りにはまた手が入ってややマイルドに。飴屋、みたらし団子屋と店を流す間に父親も上機嫌になり、自ら凧を買って夢中で凧揚げ。たっぷり。

 三金は年賀状の話をマクラに「奥野君のコンパ」を。自身の経験をもとにデブネタ満載。最近のネタ(最近始めたレコーディング・ダイエット)や、定番のマジックにバルーンアート(リクエストでリス)も。

 当初、トーク・コーナーは予定してなかったそうだが、遊びにきていた遊方の提案で急遽追加。巨体の三金といっしょに狭い高座に座って、たまはビビりまくり。最初こそ三金とたまの二人だったが、たまが呼び出して私服の遊方と三人で。打ち上げでの注文の仕方や、すき焼きの具材の切り方について、観客アンケートなんかも交えて。最後は三金と遊方の小芝居で爆笑。

 中入りを挟んで、たまの「ドーベルマン刑事」は、新米刑事がドーベルマンを相棒にするベテラン刑事のもとに配属される噺。かなり繰られて展開もスッキリ。

 トリの三金は「寝床」をきっちり丁寧にたっぷりと。気の悪い人間が出てこない、三金ならではのやわらかい雰囲気が心地良い。


 遊方さんが遊びにこられたおかげでサプライズのトーク・コーナーが実現し、お得感がありました。結局、トークでは遊方さんの話ばっかりしてたようにも思いますが、おもしろかったんで OK です。
 落語は三金さんもたまさんも、新作は軽快に、古典はたっぷり。この組み合わせはなかなか良いかも。今年は注目の三幸さんもおもしろかったですし、お得な会でした。

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初春文楽公演

2009/1/5 @国立文楽劇場

【第 1 部】

  • 花競四季寿はなくらべしきのことぶき
    • 万才
    • 海女
    • 関寺小町
    • 鷺娘
  • 増補忠臣蔵ぞうほちゅうしんぐら
    • 本蔵下屋敷の段
  • 夕霧 伊左衛門 曲輪文章くるわぶんしょう
    • 吉田屋の段

【第 2 部】

  • 新版歌祭文しんぱんうたざいもん
    • 座摩社の段
    • 野崎村の段
    • 油屋の段

※ 第 113 回


 文楽の正月公演は 3 日が初日で、10 日までは休憩時間にまき手拭いがあります。あわよくば手拭いゲット!を夢見て期間中に、しかもお客さんが少なそうな平日に行ってみました。
 入りの方は、第 1 部は 9 割くらい、第 2 部は 6 割くらいでした。舞台の上には正月恒例の にらみ鯛 が鎮座ましましています。


 『花競四季寿』は四季をイメージした舞踊。とくに冬の「鷺娘」が美しく、途中で春の息吹を感じさせる衣装へ変わるところも見どころ。夏の「海女」に出てくる蛸もたのしい。

 『増補忠臣蔵』は、松の廊下で高師直(吉良上野介)に斬りかかった塩谷判官(浅野内匠頭)を抱き止めた加古川本蔵(多胡外記)の後日譚。最後は日本人好みの展開。

 『曲輪文章』(表記は「文章」で一文字)は、放蕩者の伊左衛門と遊女の夕霧太夫の話。とにかく夕霧が美しい。吉田屋の襖が松・竹・梅となっていて、おめでたさを演出。

 『新版歌祭文』は落語「愛宕山」でチラッと出てくるお染・久松の話。休憩を抜いても 4 時間近くあり、かなり長い。とくに「野崎村の段」はたっぷり。その「野崎村の段」では桂春團治の出囃子ともなっている曲が最後に演奏される。
 桐竹勘十郎の操る久三の小助がとくにすばらしく、性根の悪さが出まくり。


 寝不足もあって意識朦朧としまくりでしたが、要所で感じ入る場面があり、たっぷり堪能した感じでした。とくに勘十郎さんの人形は圧巻でした。
 第 1 部と第 2 部の間に、毎度お世話になっております T 先生に連れられて楽屋へ。そこで吉田和生さんに夕霧の頭を持たせていただきました。頭だけでもかなりの重量があり、さらに豪華な着物を着せて操ることを考えると、人形遣いもハードな肉体労働ですね。

国立文楽劇場

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旭堂南半球のガンダム講談一年戦争

2009/1/3 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

【第 5 夜 ジャブローの章】

  • コンスコン先生 《コンスコン先生の 3 分でわかる前説》
  • 旭堂南半球 「ガンダム講談 スパイ 107 号の死」
  • イワハシ=アカハナ 《ガンダム絵描き》
  • 《ガンダム座談会:ガンダム 30 周年らしいですけどどうですか?》
    ―― 中入り ――
  • ぬまっち 《シャア演芸》
  • 旭堂南半球 「ガンダム講談 ジャブローの城攻め」


 高津さんから日本橋へ移動し、ちょっとお茶してからガンダム講談へ参戦すべくワッハへ。開場まで余裕はありましたが、休憩しようと上がったところ、18 時前にもかかわらず長蛇の列。《ガンダム》と《講談》と云うキーワードではあきらかに《ガンダム》なお客さんで、あらためてガンダム人気を実感。
 開場後も続々とお客さんが詰め掛け、最終的には 100 人ほどに。スゴい!


 トップのコンスコン先生は、意図不明な書き初め披露のあと、ガンダムの英語版の台詞を引用して日本語版との比較検証。英語が堪能な某後輩曰く「コンスコン先生による直訳が間違ってるような‥‥」。全体に微妙だが、まぁご愛嬌。

 アカハナは観客から《ガンダムに登場するメカ》のお題をもらって即興で描きながら日常の愚痴をこぼすと云う芸。特徴をとらえたイラストをサササッと描かれる。すばらしい。

 ぬまっちはシャアに扮してのミニコント。衣装はチープだが声や台詞回しはかなり似てる。途中からララァ hime も登場。

 座談会には南半球、ぬまっち、アカハナ、コンスコン、ララァ hime に加え、ゲストとしてトニーたけざき(漫画家)、吉田徹(アニメーター)、中澤勇一(アニメーター)、さらに客席にいた大森英敏(アニメーター)、加瀬政広(アニメーター)も引っ張り上げて。ゲストが多すぎてそれぞれがあまりしゃべらず、素人的には豪華さ・スゴさが実感できず。酒をあおりながらのトニーが自作のフルスクラッチ・モデルを披露したり、グダグダと。

 メインの南半球のガンダム講談は、基本的にジオン側からの視点で展開。
 まず「スパイ 107 号の死」は、前回の第 25 話をダイジェストで語ってから第 26~28 話あたりを。シャアがホワイトベースにスパイを潜入させる。本編に入ったところでネタが完全に飛んでしまい、台本を読み聞かせ。戦闘場面が多いため、冒頭から修羅場読み。古典講談の表現を使って「抜けば魂散るビームの刃」としたり、キャリオカ軍曹のジオン訛を大阪弁で代用したり。海中からあらわれるズゴックの描写は念入りに 2 度も。
 「ジャブローの城攻め」は、最初から台本を用意して。第 29 話あたりを中心に、ジオンのモビルスーツが降下作戦を敢行し「降りられるのかよー!?」でバカウケ。シャア専用ズゴックの登場も念入り。ゾックは即撃破される。
 最後は「ジーク・ジオン!」の唱和で締め。


 いやぁ~、おもしろいです、ガンダム講談。しっかり予習していけばもっとたのしめたはずで、復習せねば!と思いました。
 この日の南半球さんの衣装、1 席目は水色基調、2 席目は桃色基調の紋付袴で、これはおそらく量産型ズゴックとシャア専用ズゴックをイメージした配色と思われます。紋はもちろんジオンの紋章で、腰板にも金色のジオンの紋章が。会場入口にもジオンの旗が掲げられてましたし、ここらの徹底ぶりもすばらしい。
 毎月の新作ネタおろしは大変だと思いますが、がんばって終戦を迎えていただきたいもんです。その後にはぜひ続き読み企画を!

 同公演の地球(東京)方面軍は 1 月 24 日(土)に阿佐ヶ谷ロフト A にて。
 次回『第 6 夜 サイド 6 の章』の宇宙(大阪)方面軍は 2 月 7 日(土)です。

講談半球

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上方落語一心寺亭

2009/1/3 @一心寺シアター倶楽

  • 笑福亭呂竹 「煮売屋」
  • 桂阿か枝 「竹の水仙」
  • 桂小春團治 「猿後家」
    ―― 中入り ――
  • 桂米平 「立体紙芝居 大カラクリ忠臣蔵」
  • 桂春團治 「お玉牛」

※ 3 日目


 年の初めは一心寺で春團治師匠。これが近年の初詣みたいになってます。今年から予約順で整理番号が発行されるようになって、早くから列ぶ必要がなくなった分だけ朝が楽になりました。
 予約は年末で打ち切られ、当日券も出てたようですから、ええ感じでいっぱいの入り。春團治師匠の御尊顔を拝もうと最前列で。


 まずは呂竹が露払い。「女風呂の《呂》に竹輪の《竹》」「出家した橋下徹」で笑いを誘い、特別に坊主頭で初日の出。鯉の餌の小咄は余計だったかも。
 師匠の呂鶴から最初に付けてもらった「煮売屋」をきっちり丁寧に。

 阿か枝はマクラで師匠の文枝に付いていた頃のエピソード。直接稽古してもらう機会が少なくて落語で怒られることはなかったが、車の運転ではしょっちゅう怒られてたそう。
 阿か枝の「竹の水仙」は以前にも観たが、登場人物のメリハリやテンポと間など、以前にも増して良くなった印象で、口跡も心地良く。

 中トリの小春團治はひと昔前の芸能人のキャッチフレーズいろいろからあだ名あれこれへとマクラをつないで「猿後家」へ。お調子者におだてられたときの後家のうれしそうな表情が絶品。たっぷりの一席。

 中入りを挟んで、初めて観る米平の立体紙芝居。「大カラクリ忠臣蔵」と題し、松の廊下での刃傷から討ち入りまで、地味に凝った仕掛け満載の紙芝居。後方の席からはキビシかったかも。

 トリの春團治は黒紋付で登場。(帰り際には、淡いオレンジの羽織の裏地にも大きな紋が見える)
 ごく簡単な新年の挨拶から、干支にちなんで「お玉牛」を。近所の若い連中のやり取りもたのしいが、お玉(の身代わりの牛)を夜這いする男の所作やクルクル変わる表情が秀逸。


 やっぱり正月は春團治師匠ですねぇ。すっかりええ気分に。ほかの噺家さんも良かったですし、これで前売り 1,500 円はお得な会です。

 このあと、遠方より来られた落語ファンのご夫妻と高津さんへ初詣。今年の おみくじ は「吉」でした。

一心寺シアター倶楽

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年越しオールナイト落語会!

2008/12/31~2009/1/1 @動楽亭

  • 桂あやめ 《ごあいさつ》
    【ガールズ落語!】
  • 桂さろめ 「寿限無」
  • 笑福亭笑子 「動物園」
  • 桂ざこば 「尻餅」
  • おしどりマコ 《アコーディオン漫談》
  • 桂あやめ 「私はおじさんにならない」 (作:桂あやめ)
  • 《鹿芝居 「ゆく年に金が無いなり大晦日」》
    ―― 中入り ――
    【年忘れ新作ネタ合戦!】
  • 笑福亭たま 「ベルゼバブの蝿」 (作:笑福亭たま)
  • 桂三風 「西中野球部応援団」 (作:桂三風)
  • 桂雀三郎 「哀愁列車」 (作:小佐田定雄)
    ―― 中入り ――
    【芝居がかって御座候】
  • 林家染雀 「蛸芝居」
  • 笑福亭鶴笑 「パペット義経千本桜」 (作:笑福亭鶴笑)
  • 笑福亭松枝 「篤姫」 (作:笑福亭松枝)
  • 《108 つ!除夜の鐘小咄》
  • 《カウントダウン!》
    ―― 中入り ――
    【おめでた演芸タイム!】
  • 桂ぽんぽ娘・桂まめだ 《二人文楽》
  • 旭堂南湖 「隣のイスラエル」 (作:旭堂南湖)
  • 笑福亭笑子 《腹話術》
  • 月亭遊方 「公園の幼児ん坊」 (作:月亭遊方)
  • 笑福亭鶴笑 《紙切り》
  • 姉様キングス 《音曲漫才》
    ―― 中入り ――
    【干支落語 うし尽くし】
  • 桂三金 「ハンバーガーショップ」 (作:桂三金)
  • 笑福亭生喬 「うし」 (作:笑福亭生喬)
  • おしどり 《音曲漫才》
  • 笑福亭福笑 「牛ほめ」
  • 《年男の一位を当てまテン!》


 恒例の桂あやめプロデュース『年越しオールナイト落語会!』へ。
 ちょっと早めに列ぼうと会場の動楽亭(ざこばさんが席亭の寄席小屋)へ向かいましたが、ここは初めてで入口がわからん! 先に行かれてた方に電話して、マンション南側のオートロックの扉とは別に西側に専用入口を発見。大阪市営地下鉄「動物園前」駅 1 番出口の真正面です。
 待ち行列がどんどん伸びて、予定よりちょっと早めに開場。大入り満員。なかは雀のおやどが横に倍くらい拡がった感じの広さです。全面フローリングで、後方には床几が用意されてます。
 チラシでは 2 時頃終演となってましたが、配布された進行表によると 1:55 からのコーナーもあって、始まる前から確実に 2 時半頃になるスケジュールです。


 まずはプロデューサーのあやめがごあいさつ。予定数を超える予約があったそう。

 最初は女性噺家コーナー。
 トップのさろめは「寿限無」をなんとか。3 席目のネタか?

 笑子の「動物園」は母親と息子の会話から始まる独自の型。息子が男っぽかったり女っぽかったりが気になるも、独自の工夫もあってたのしい。

 ここで席亭のざこばがサプライズ出演。酔っ払う前に(?)「ちょっと落語の稽古をしたいもんで‥‥」と「尻餅」を。ざこば独特のザックリ感。サゲは「あとは白蒸しで」。

 席亭のあとでちょっと演りにくそうなマコリーヌ(おしどりマコ)。相方のケンのおもしろエピソードから、後半はマ○コリーヌに。

 ここまでは染雀が三味線で、ここからは林家和女に交代。高座にはあやめで姉妹共演。《魂の三部作》より「私はおじさんにならない」は、高座を重ねてかなり整理された印象でテンポ良く。

 鹿芝居の「ゆく年に金が無いなり大晦日」は「掛け取り」。金欠夫婦(小染、あやめ)のもとに借金取りが次々と押し掛ける。某料亭の女将(三金)とその息子(たま)、結婚を迫るフィリピン・パブの娘たち(笑子、ぽんぽ娘、さろめ)にどんな女でも OK の噺家(三若)、芸達者のホームレス(三風、遊方)、家主(生喬)とオカマ(染雀)。

 中入りを挟んで、新作コーナー。
 たまは業務連絡から。最初のコーナーからいきなり 30 分押しで、ここのコーナーの出番だった遊方と南湖が年明けに移動。
 遊方や笑子のおもしろエピソードから「ベルゼバブの蝿」を。原稿に書かれたことが現実に起こる《呪いの原稿》を読む噺を、なかばの《ムカデに魂を売ったとひと目でわかる男》が登場するところまで。

 自称《今回のメンバーのなかでいちばんの常識人》三風は「西中野球部応援団」。中学野球を応援する酔っ払いの噺。長渕剛の“とんぼ”と見せかけておいての「♪あかと~ん~ぼ」がツボ。

 空調チェック後に登場の雀三郎は《ちょっと早い初日の出》。「哀愁列車」は傷心の男子学生が雪国の列車で様々な人との交流を深める(?)噺。やかましい親子のしりとり歌合戦で飛び出すカンツォーネが秀逸。

 ほぼ予定の進行状況に戻り、中入りを挟んでここからは芝居噺特集。
 まずは染雀が「蛸芝居」。序盤に何度かつまずくも、本格的に芝居の場面が出てくると調子が出て、タコの登場で見得を切ると客席から「林家!」と声が掛かる。

 鶴笑はパペット落語で「義経千本桜」。つかみから抜群で、本編も凄まじいおもしろさ。天井が低くて釣り竿を使った宙乗りは演りにくそう。

 松枝の「篤姫」は、篤姫の紹介に艶笑小咄を重ねて。

 恒例の出演者全員による《108 つ!除夜の鐘小咄》には、飛び入りのざこばや桂まめだ、高座番の笑福亭生寿や、大トリの福笑も参加。遊方は擬音、三金は焼き肉、たまはアメリカ大統領、南湖は宗教の特集で。
 ギリギリ年越しに間に合い、あわてて飲み物を配ってカウント・ダウンで乾杯。

 中入りを挟んで、演芸(と新年送りになった遊方&南湖)タイム。
 まずはぽんぽ娘が楽屋で演ってる一人文楽を、特別ヴァージョンで二人文楽。ぽんぽ娘が太夫役、人形役でまめだが特別出演。演題は「まめだの恩返し」。

 南湖はプログラムに「ほのぼの」との記載。これまでの新作「はてなの原発」「池田の学会」「天皇陛下漫遊記」をサラッと紹介し、「隣のイスラエル」を。落語「隣の桜」に《パレスチナ問題》を重ねて。最後はなんだかしんみり。

 笑子の腹話術はおめでたい獅子舞から。時間帯に合わない芸に四苦八苦しつつ、“一月一日”を 3 体の人形とともに歌っておめでたく。

 ここでざこばが登場して高座の清掃。

 遊方の「公園の幼児ん坊」は、公園へ子どもを連れてきた父親同士の会話。息子の名前が「ジョン万次郎から取ってジョン次郎」がツボ。

 鶴笑はお得意の紙切りで、獅子舞、牛、福笑のリクエストで闇夜の動楽亭。

 演芸のトリは姉様キングス。都々逸、どんどん節、阿呆陀羅経。初めて聴いたどんどん節がなかなかたのしい。

 中入りを挟んで、干支落語コーナー。
 まずは三金が牛肉を使った「ハンバーガーショップ」。大食漢専門のハンバーガーショップの噺。ダブルバーガーはパティがダブルではなくハンバーガーでハンバーガーを挟んでると云う、それはトリプルではないのか!?!?

 生喬は出てくるなり様子がおかしい。座布団に座る前に縫い目を入念にチェックし、しゃべり始めるとかなり酔っ払ってる様子。
 牛にまつわるうんちくいろいろから、牛は昔はよだれ繰りと呼ばれていた‥‥と、「つる」のパロディーで「うし」。よだれ繰りもうぅ~~っと走ってきて浜辺の松へポイッと止まる。普段のカチッとした高座からは考えられないグダグダ感でおもしろさ倍増。

 おしどりはシャンソンいろいろから、丑年と云うことで“ドナドナ”でお遊び。めずらしくケンが振ってマコが応える。

 落語の大トリは福笑。マクラを振ってるところに片目をつぶったざこばが登場。福笑は困ったようでうれしいような表情。
 「牛ほめ」は大きくいじることなく、それでも細部の緻密さと猛烈な勢いは福笑ならでは。

 最終プログラム《年男の一位を当てまテン!》は、あやめが任意に選んだ 10 項目に年男の福笑、三風、南湖が順位を付け、参加芸人が笑福亭系(笑福亭と林家)チームと多国籍軍(その他)チームに分かれて 1 位を選ばないように項目を消していくゲーム。観客はどっちのチームが勝つか投票。
 まずは南湖で《尊敬する人物》。笑福亭松鶴、南方熊楠、ヒットラー、真田幸村、イチロー、織田信長、三億円事件の犯人、小室哲哉、増田敏英(ノーベル物理学賞)、チャップリンの 10 人。1 位はチャップリンを多国籍軍チームが選んでドボン。
 つづく三風は《彼女とふたりっきりのときに着てほしい衣装》。極妻風の着物、ビキニ、作務衣、ブルマ(体操服)、G パンに T シャツ、メイド、秘書、ナース、日ハムのユニフォーム、裸エプロンの 10 種。1 位は秘書で、笑福亭チームが選んでドボン。これで同点に。
 最後の福笑は《好きな女性》。上戸彩、重信房子(日本赤軍)、吉永小百合、マリリン・モンロー、ロミ山田、マリア・シャラポワ、安藤美姫、増田明美、秋吉久美子、向井(繁昌亭スタッフ)の 10 人。弟子のたまがいる笑福亭系チームが有利かと思いきや、笑福亭チームが 1 位のマリリン・モンローを選んでしまってドボン。2 対 1 で多国籍軍チームの勝利。
 勝った多国籍軍チームに投票した観客のなかから 1 名に、福笑の手拭いと「五代目桂小米朝」と書かれたサイン色紙のプレゼント。

 最後の最後に年男の福笑の発声で大阪締め。


 20 時から始まって 4 時前に終演。実に約 8 時間の会となりました。メチャクチャおもしろかったですし、これでドリンク付き 3 千円はお得過ぎる会です。しかもドリンクのおかわりをいただきましたから、お得度アップ!

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