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育っちゃったらくご!

2009/2/5 @天満天神繁昌亭

【俺らにも、やらせてくだせぇ人情噺】

  • 月亭遊方 「ハードボイルド・サザエさん」 (作:月亭遊方)
  • 旭堂南湖 『赤穂義士伝』より「刃傷松の廊下」
  • 桂あやめ 「練炭焚いたらサヨヲナラ」 (作:桂あやめ)
  • 桂三風 「せんたく」 (作:桂三風)
    ―― 中入り ――
  • 桂三金 「鯛 I・II」 (作:桂三枝)
  • 笑福亭たま 「芝浜」
  • 《エンディング》

※ 第 13 回


 できちゃった!メンバーが《人情噺特集》と云うことで、客席はマニア層が大勢を占めるかと思いきや、さにあらず。なぜか課長クラスとおぼしきサラリーマンの姿が目立ちました。入りは 1 階席が 6 割くらい。


 トップの遊方は、修業時代に師匠の妻と母のあいだで嫁と姑の板挟みになったときに師匠が気遣ってくれた話や、できちゃった!メンバーが遊方にだけはいつも励ましてくれる話など、ちょっといい話をマクラに「ハードボイルド・サザエさん」を。大人になったカツオが中島と再会する噺。漫画の設定から生まれる笑いが、徐々にドロドロした大人社会とのアンバランスから発生する笑いに。

 つづく南湖は、《人情》と《刃傷》をうっかり間違った、2 月に忠臣蔵を語るのは別に季節はずれじゃない、ってなことをゆるゆると語りつつ、するすると『赤穂義士伝』の「刃傷松の廊下」のくだりへ。浅野内匠頭が刃傷におよぶ経緯から、緊迫の松の廊下、即日切腹となった浅野内匠頭が割腹する場面を、そこここに笑いをちりばめつつ名調子で。赤穂浪士が決起したところでお時間。

 あやめはマクラで、自分が死にたくなるとき。曰く、ダブル・ブッキングで先輩の噺家に断りを入れなければならないときだそうで、どうしても先延ばしにしてしまうそう。
 「練炭焚いたらサヨヲナラ」は、自殺サイトで知り合った男女 3 人が練炭自殺をはかる噺。とにかく最後の場面がえげつなく、軽自動車のなかが地獄絵図の様相。

 中トリの三風は天神橋筋商店街の御贔屓を(不可抗力で)しくじってしまった話をマクラに「せんたく」を。父と息子の二人暮らしのクリーニング店の親子が、実は本当の親子ではないことを軸とした噺。居酒屋の大将とパートのおばちゃんの笑いをアクセントに、父親思いの息子がいじらしく、三風の人柄がにじみ出たしみじみと良い高座。

 中入りを挟んで、三金はマクラをふらずネタ出ししていた「鯛」と、続編の「鯛 II」を連続口演。
 「鯛」は、活け魚料理店のいけすにきた鯛のロクが、いけすのヌシと云われる鯛のギンギロから生き抜く知恵を授かる噺。ややコンパクトに構成するも、新しいクスグリも盛り込んで。
 「鯛 II」は、海へ逃げ出した鯛のロクが、鯵のパーの案内で伝説の鯛のベガと出会う噺。「鯛」とうまくリンクしているが、さすがに連続口演すると冗長に感じる場面も。

 たまは狂歌「甲斐性なし 恨んでみても 仕方なし 働かざるは 妻の一声」を紹介してから「芝浜」へ。高座を重ねてかなりすっきりとした構成に。たまらしくクスグリもあちこちに。次の句を探るような引っかかりがなくなれば、さらに印象がよくなりそう。

 最後に全員そろってエンディング。恒例のチケット・プレゼントも。


 なんとなく全体的にしんみりした雰囲気に。あやめさんや遊方さんはネタ的にもっとウケてもよかったと思うんですけど、みなさんマクラで人情噺特集であることを強調されるもんですから、おかげで客席が重くなってしまった感がありました。それぞれのネタは十分堪能できましたが、ちょっともったいない気も。
 人情噺としては、ひさびさに聴いた三風さんの「せんたく」がよかったです。番外で、刃傷話の南湖さんも山場を聴かせてくれました。

 次回は 4 月 28 日(火)です。

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