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できちゃったらくご!

2009/3/30 @動楽亭

  • 《オープニング》
  • 桂三風 「閻魔裁き」
  • 桂三金 「奥野君の老後」
  • 月亭遊方 「ブレイク?三日月ショート」
  • 旭堂南湖 「銀河 2 号」
    ―― 中入り ――
  • 桂あやめ 「居酒屋 1969」
  • 笑福亭福笑 「幻の財宝」
  • 《エンディング》

※ 新世界に移った第 2 弾
※ すべて自作ネタ
※ 笑福亭たまは MC


 今回は福笑さんがゲスト出演と云うことで、混雑を予想してちょっと早めに出掛けましたが、思ったほどでもありませんでした。めぼしい会があちこちであったんで、お客さんがバラケたのかもしれませんね。それでも 60 人ほど入ってました。


 まずは MC のたまが着物に眼鏡と腕時計で登場。つづいてできちゃった!メンバーが登場し、出演順を決めるジャンケン大会。この段階で福笑は楽屋入りしてなかったそうで、福笑はトリで出演とたまがアナウンス。
 ジャンケンではいつも大騒ぎの遊方が「今週、繁昌亭昼席の出番やから」と最初はおとなしかったが、番数取り進むうちにいつもどおりワーワー騒ぎだす。最後に残った三風と遊方が 1 番と 3 番を賭けてジャンケンし、勝った遊方が 3 番に。負けた三風はネタが完全に仕上がってなかったのか、遊方に「1,500 円出すけど‥‥」と切り出すと、遊方は「ちょっと待って。‥‥1,500 円?」と余裕のイチビリ。
 メンバーが楽屋へ下がり、たまがちょっとつないでスタート。

 三風は自身の正義感の強さと気の弱さを示すエピソードをマクラに、真っ正直な青年とええ加減な中年が閻魔大王に接見する噺。ネタが入ってなくて次の句が出てこない場面が多かったが、青年と中年の対比がおもしろい。育つのがたのしみ。

 三金は営業先で出会った、素人かプロかわからんような変わった芸人の話をマクラに、奥野君シリーズの 12 作目「奥野君の老後」
を。噺のなかの奥野君も噺家になり、最長老の大御所になっている設定。クスグリはやっぱりデブネタ。歳はとってもバルーン・アートは身体が覚えてるってのが「落語と違うんかい!」って感じでおもしろい。

 遊方は「繁昌亭の即戦力になるよう身近なテーマで」と、散髪の噺。「タレントの木村ガクトみたいな髪型にして」と頼んだのに変な髪型に切られた客が、あくまでも「自然ですよ」と謝らない店員にキレる。店員のフォローがいちいちおもろい。切り直しの場面で寄席囃子が流れるのもポイント。

 南湖は韓国公演でのエピソードをマクラに、北朝鮮でのロケット開発を題材にした時事ネタ。北朝鮮のテレビ放送の厳めしさを想像すると、南湖ののんびりやわらかい口調がなんともおかしい。

 中入りを挟んで、あやめは出演した芝居『お茶子のブルース』の話から。時代設定が昭和 44 年(1969 年)で、ちょっとしたギャグまで「それは '70 年やからあかん」と細かくダメ出しされたそう。ならばと、'69 年にまつわるトピックスをネットで調査したとか。
 落語の方は、メニューが '69 年にまつわるネーミングの居酒屋『1969』が舞台で、そこのマスターが '70 年のことや大阪万博のことを云われるとメチャクチャ落ち込む‥‥と云う噺。きっちりネタが入ってクスグリが次々出てくるようになれば笑いがもっと大きくなりそう。
 あとの福笑によると、あやめのネタは台本の形になっておらず、箇条書きのメモをもとに口演したよう。あいかわらずスゴい。

 トリの福笑は、この会が《ネタおろしの会》だと思ってて「代脈」を演るつもりだったが、《新作ネタおろしの会》だとわかったんで昔に 1 度だけ演ったネタの台本を引っ張りだして大幅改訂したそう。
 洞窟に迷い込んだふたりの男が海賊の隠し財宝らしきものを発見したが、そこに見知らぬ老人があらわれて‥‥ってな噺。繰り返しギャグが福笑らしい。

 最後にできちゃった!メンバー 6 人が登場してプレゼント抽選会&エンディング。


 福笑さんのゲスト出演もあり、6 席で約 2 時間半でした。
 福笑さんは云わずもがなですが、遊方さんや三金さんもほぼ完成型でたのしめました。あやめさんや三風さんのネタは育てばもっとおもしろくなりそうな感じ。南湖さんのは時事ネタなんで耐用期間が短そうですね。

 次回は 5 月 11 日(月)の予定です。

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繁昌亭昼席

2009/3/29 @天満天神繁昌亭

  • 林家染太 「いらち俥」
  • 桂壱之輔 「転失気」
  • 林家染雀 「子ほめ」
  • 千田やすし 《腹話術》
  • 桂あやめ 「コンパ大作戦」 (作:桂あやめ)
  • 桂三金 「奥野君のコンパ」 (作:桂三金)
    ―― 中入り ――
  • 姉様キングス 《音曲漫才》
  • 笑福亭仁嬌 「佐々木裁き」
  • 桂三象 「農業祭」 (作:桂三象)
  • 笑福亭福笑 「葬儀屋さん」 (作:笑福亭福笑)

※ 第 131 週


 今席は三金さんの《繁昌亭大賞・創作賞》受賞記念の週で、三金さんは中トリに登場。他の出演者もなかなか良い組み合わせと云うことで最終日に。相変わらずの大入り。


 トップの染太「いらち俥」は表情が漫画チック。土管を何本も飛び越え拍手喝采。

 壱之輔の「転失気」は定番ネタで安定かんがあり、安心して観てられる。

 染雀は寄席での羽織の使い方を笑いを交えて紹介してから「子ほめ」を。安定感抜群で上手さが光る。

 千田やすしの腹話術は、オーソドックスな男の子の人形とのやり取り。

 あやめは若手噺家のコンパ事情をマクラに、定番の「コンパ大作戦」へ。繰れまくりのおもしろさ。

 中トリの三金は、デブにまつわるエピソードいろいろをマクラに、こちらも定番の「奥野君のコンパ」を。完全にあやめとネタが付いてるが、男視点なんで OK か? ゲーム・コーナーでは他のネタのクスグリも入れての拡大完全版。

 中入りを挟んで、色物で姉様キングス登場。この日の演し物は、欽来節、都々逸、金色夜叉、阿呆陀羅経。昼席向けに A 面ネタだが、にぎやかで十分おもしろい。

 姉キンと三象と云う強烈なところに挟まれての仁嬌は「佐々木裁き」をきっちり丁寧に。四郎吉を始めとする子ども連中がかわいらしい。

 今席は色物枠から外れた三象。おなじみの自虐ネタから、農業祭の余興によばれたときの話をおもしろおかしく構成した漫談をたっぷりと。

 トリの福笑はマクラでガス漏れ警報器の話をしてると、突然客電が落ちるアクシデント。それにもめげずマクラからガンガン笑わせ、十八番の「葬儀屋さん」へ。何度観てもおもしろい。


 落語は半分が新作でした。こんな番組は《創作賞》受賞記念ならではでしょうね。最初から徐々に盛り上がり、会場の笑いも多く、かなり良い昼席でした。これくらいおもしろいと、初めて来られたお客さんもまた来ようと思うんじゃないでしょうか。

天満天神繁昌亭

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東西師弟笑いの喬演

2009/3/28 @ワッハホール

【昼の部】

  • 桂吉坊 「祝いの壺」
  • 笑福亭三喬 「欲の熊鷹」
  • 柳家さん喬 「幾代餅」
    ―― 中入り ――
  • 柳家喬太郎 「午後の保健室」(作:柳家喬太郎)
  • 笑福亭松喬 「天王寺詣り」

【夜の部】

  • 内海英華 《女道楽》
  • 柳家喬太郎 「粗忽長屋」
  • 笑福亭松喬 「崇徳院」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭三喬 「べかこ」
  • 柳家さん喬 「柳田格之進」

※ 第 6 回


 三喬さんと喬太郎さんの《喬演》も 6 回目。今回は東京でもおこなわれた、それぞれの師匠を迎えてのダブル親子《喬演》です。チラシに昼夜で演目が変わることが記載されてたんで、通しで。
 もちろん満員で、補助席も出る盛況。そう云えば、笑福亭生喬さんもお手伝いにこられてました。


 昼の開口一番は吉坊。みほ企画でおなじみの巨大座布団に小柄な吉坊が座ると、その大きさが際だつ。ちょっと汚い「祝いの壺」をサラリと聴かせる。

 夜は英華の女道楽が露払い。幕開きで色物はかなり珍しいが、今回の顔付けではここにしか入れられないか。板付きで登場し、小唄、端唄、都々逸など、粋なところを。

 三喬は昼に「欲の熊鷹」、夜に「べかこ」と、めずらしいところを。マクラで笑わせ、本編でやわらかくたのしく聴かせる感じ。

 喬太郎の昼の「午後の保健室」は主催者からのリクエストとのことで、短いネタゆえマクラたっぷり。喬太郎ならではのキャラで笑わせる。
 夜は「楽屋で《さんきょう》がややこしい」とボヤいて「粗忽長屋」を。自分の死体を見に行く男を違和感なく。

 松喬は昼の「天王寺詣り」、夜の「崇徳院」と、意外に軽く演った印象。

 さん喬の登場に「待ってました!」の声が掛かった昼は「幾代餅」で、花魁と商家の奉公人とのおめでたい噺をたっぷりと。
 夜は「たいへん重い噺で‥‥」と断ってから「柳田格之進」を。侍と商家の旦那との笑いどころのない噺ながら、観客をグイグイ引き付けてたっぷり。


 この日はさん喬さんの「柳田格之進」のための会だったと云えるではないかと思います。おそらく主催者からのネタ指定で、松喬さんもそれに花を添えるように軽めに演られたんではないでしょうか。とにかく充実した 1 日でした。

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福楽・福若 兄弟会

2009/3/27 @天満天神繁昌亭

  • 桂三幸 「十徳」
  • 桂福若 「天災」
  • 桂福楽 「藪入り」
  • 桂福若 「くしゃみ講釈」
    ―― 中入り ――
  • 桂福楽 「代脈」


 福團治一門の筆頭弟子と福團治さんの実子との二人会。福楽さんの会は好物なんですけど、福若さんとの会となると博打かも。
 チケット代がちょっと高めの前売り 2,500 円/当日 3,000 円ってのが響いたか、入りは 60 人くらいとかなり厳しい。


 開口一番の三幸は、いつもより背筋がシャンとした印象。楽屋の緊張感? おなじみのマクラいろいろから「十徳」を軽快に。たのしい高座。

 福若はやっぱり恐い。1 席目の「天災」は、離縁状を書いてもらいに行った先で諭されるめずらしい型。(東京の型か?) 短気な男の口汚さがリアル過ぎて恐い。恐さが笑いに転じないのがもったいない。
 中トリの 2 席目は「くしゃみ講釈」で、こちらはちょっと陽気なところも。

 福楽の 1 席目は、兄弟会を開催した福若とのことや年齢のことなどをマクラに、予定と順を入れ替えて「藪入り」をじっくりと。
 トリの 2 席目は「代脈」を。玄関番の抜け具合がたのしい。


 福楽さんはやっぱり上手いなぁと思うんですけど、福若さんはやっぱり恐い。なんであんなに客が萎縮してしまうほどむやみやたらと凄みを利かせるのか?と、いつも疑問に思います。もったいない。

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桂三風 25 周年独演会 3 月席

2009/3/26 @天満天神繁昌亭

  • 桂三四郎 「子ほめ」
  • 旭堂南湖 『寛政力士伝』より「谷風の人情相撲」
  • 桂三風 「テレショップパニック」 (作:桂三風)
    ―― 中入り ――
  • 月亭八方 「稽古屋」
  • 桂三風 「愛宕山」


 2 月は行けなかったんですが、今月は 1 階席がほぼ満席で 2 階席にもお客さんが入り、少しお客さんが増えた感じ。


 トップの三四郎は「子ほめ」をちょっと端折りつつもテンポ良く。「ここ笑うとこでっせ」と云う記号がクド過ぎる気もするが、ネタはきっちり入ってて好感。

 南湖はマクラで大相撲豆知識。座布団を投げるのは間違いで、羽織や紙入れなど自分の持ち物を投げ、取り戻しに行ったときに祝儀と引き替えるのが本当だそう。
 演し物は『寛政力士伝』より「谷風の人情相撲」。親孝行だが金に困っている佐野山を助けてやろうと横綱の谷風がひと肌脱ぐ話。心地良い口跡で、要所に笑いも交えつつ。

 先輩ゲストの八方は WBC に物申してから陣内・紀香の離婚問題についてと、マクラたっぷり。
 「稽古屋」ももう手慣れたもの。前半の色事根問な場面から独特のテンポでまくし立て、後半の稽古屋の場面では自分自身の稽古の成果を披露。「煙が立つぅ~」「海山越えてぇ~」からのサゲは東京の型のよう。

 三風の 1 席目は、マクラで電車内で携帯電話で通話する男にキレそうになった話。人一倍正義感は強いが気が弱い三風の顛末が、コントのようでなんともおかしい。マクラをいろいろからテレビショッピングの話題へとつないで「テレショップパニック」へ。テレビショッピングが訪問してきて‥‥ってな噺で、観客の「おお~」「え~!?!?」の練習の成果もあり、観客参加で盛り上がる。
 トリの 2 席目は、7 月 31 日の千日詣りなど、愛宕山にまつわる豆知識をマクラに「愛宕山」を。春山の風情がやや不足に感じられるも、きっちり丁寧にたっぷりと。


 なかなかに充実の会でした。まだ 4 分の 1 ですから、三風さんには気負わず体調に気をつけてがんばっていただきたいです。

さん風のたより

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新作台本まつり 噺の息吹き

2009/3/23 @池袋演芸場

【落語協会新作台本作品集】

  • 三遊亭玉々丈 「手紙無筆 USA」 (作:三遊亭圓丈)
  • 林家きく麿 「金明竹(博多弁)」
  • 林家正雀 「皿留」 (作:林家正雀)
  • 三遊亭白鳥 「金のキョロちゃん」 (原案:松川朝子)
  • ペペ桜井 《ギター漫談》
  • 柳家小ゑん 「夏の縁側」 (作:小林未於)
  • 三遊亭丈二 「極道のバイト達」 (作:三遊亭丈二)
    ―― 中入り ――
  • 三遊亭亜郎 「金さん銀さん」 (作:三遊亭圓丈)
  • 夢月亭清麿 「バスドライバー」 (作:夢月亭清麿)
  • 柳家小菊 《粋曲》
  • 柳家喬太郎 「東京タワー・ラヴストーリー」 (作:武藤直樹)

※ 第 3 回


 東京遠征最終章は初めての池袋演芸場へ。各線池袋駅からほど近いんですが、ぐるぐる迷ってしまいました。
 開場 30 分前くらいに到着しましたが、すでに 10 人ほどの列が。開場の頃には 30 人くらいの列になって「スワ、満員か!?!?」とか思ったんですが、キャパ 100 人ほどの会場に 60 人くらいの入りでした。まぁ平日の昼の寄席ってこんなもんなんでしょうね。
 お目当ては喬太郎さん、白鳥さん、丈二さんあたりで、ほかはぺぺ桜井さんくらいしか観たことありません。新作の会で、知らない噺家さんがほとんどでしたが、池袋演芸場へ行ってみたかったのと、これで 2,000 円なら安いかなと思って。行ってから喬太郎さんがトリとわかりました。ラッキー!


 玉々丈、きく麿はまずまず。新作の会らしいゆるい雰囲気がただよう。

 正雀は古典と云われてもわからない擬古典。心地良い。

 白鳥になぜか貫禄を感じてしまう。新作台本コンクールの応募作品のなかからいちばん変なタイトルのを選んだら、内容がぜんぜんおもしろくなくて 99 % 書き換えたそう。前向きな貧乏神がたのしい。

 ペペ桜井は年齢からか、以前より活舌が悪くなったような‥‥。

 小ゑんは祖父と孫の噺でほっこり。後半の SF な展開が意外。

 中トリの丈二はヤクザがアルバイトだったら‥‥と云う噺。関西弁に微妙なところがあるも、某妻らの映画よりはかなりまとも。

 以前から気になってた亜郎はミュージカル落語ではなく、師匠の圓丈の作品。老姉妹の噺で、この手のネタは笑福亭仁智や桂かい枝も手掛けているが、作りやすい?

 清麿はバスの運転手と無賃乗車の男とのやり取りの噺。独特のテンポが良さそうな感じだが、いかんせん声量不足で伝わってくるものが少ない。

 小菊は「新作の会になぜ私が‥‥」と疑問に思いつつ都々逸や小唄の粋なところを。

 トリの喬太郎は、ホームの寄席の出番と云うことでか、これまで観たなかでいちばんリラックスした雰囲気。満員だった鈴本演芸場での林家三平襲名披露興行に出てからこちらへきたそうで、客席を見渡しつつ「あんなのは寄席じゃない。これが本当の寄席ですよ」とたのしそう。
 出会い系サイトで知り合った青森の女の子が東京に出てくると云うんで、彼女が行きたいと云う東京タワーへ案内する噺。導入部の会社の先輩・後輩のやり取りで「古典演ってもいいですか?」「ダメだろ、新作の会なんだから」「できると思って楽屋入ってからさらったら全然できなくて」と、半分マジな感じのギャグも。ちょっとサイコな展開のラストまでたっぷり。


 14 時に始まって 17 時過ぎに終了。新作の会で満足できるのか、正直ちょっと心配だったんですけど、白鳥さん以外はどれも繰られたネタだったんで安定感もあり、思ってた以上にたのしめました。寄席で観る喬太郎さんや白鳥さんも良いですね。

 2 日間の過密スケジュールもこれにて終了‥‥と思いきや、買い物で原宿へ走ってから東京駅へ。まぁアホですわ。

池袋演芸場
(社)落語協会

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テオ・ヤンセン展 新しい命の形

 上野から有楽町へ JR で移動。今度は日比谷パティオで開催されてる『テオ・ヤンセン展』です。ここは初めて行きましたが、携帯電話のナビで(ほとんど)迷わず到着。オフィス街のビルの谷間にある芝生の広場にしつらえたテントのイベントスペースです。いやぁ、東京はやることが洒落てますね。

 テオ・ヤンセンはオランダの芸術家です。最初はコンピューター上に生命・生物のようなものを実現していたようです。その後、プラスチックのパイプで組んだ、風力で自走するオブジェが有名になり、このオブジェが BMW のテレビ CM でも使われました。私もその CM で初めて知ったわけですが、実物を間近で見ると「これが自走するのか!?!?」と驚かされます。
 車輪の代わりに脚が付いていて、カムの動きで足の部分が地面に接してから離れるまで水平に移動するよう、脚の骨組みが構成されています。 これ は 50 kg くらいあるそうですが、軽く押したり引いたりするだけでクモかカニのように脚が動いて歩行します。この脚の構成比率はヤンセンの意向で一般に公開されていますから、それに従えば誰でも同じようなものが作れます。
 工業製品ではなく手作りのアート作品だけに、実際に動かしてみると、微妙な動きのズレがより生物らしい印象を与えます。また逆に、生命的な躍動感をプラスチックの骨組みから受けるため、奇妙な感覚を受けます。
 ただ風を受けて動くだけでなく、風力から得たエネルギーを PET ボトルに圧縮空気としてとして蓄え、それを排出して動くといった複雑な構成のものも。より大型で複雑なパターンの動きをするものも、制御装置を使わず実現しています。

 会場が空いていれば実際に動かすことができます。ここでもかなりテンションが上がって、パンフレットと DVD を買ってしまいました。

 会期は 4 月 12 日(日)まで。お近くの方はぜひ!

テオ・ヤンセン展 新しい命の形
日比谷パティオ

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大恐竜展 知られざる南半球の支配者

 『大日本橋亭落語祭』 のあと日本橋近くで 1 泊して翌朝、上野の国立科学博物館へ。お目当てはもちろん特別企画の『大恐竜展』です。
 前日にコンビニで前売り券を買っておいたんで、ズンズン進んで特設会場の入り口へ。ここで荷物を無料ロッカーに放り込んで、いざ!

 エスカレーターでどんどん地下へ降りていって、ようやく 企画展示会場 に到着。
 まず最初のブースでは丸ビルでも先行展示されていた クリオロフォサウルス がお出迎え。ほかにもニジェールサウルス、アンガトラマと、最初から大型恐竜の骨格展示があってうれしい。
 次のブースには世界初公開となる マプサウルス を中心に、メガラプトル、マシャカリサウルス、アウカサウルスなど。マプサウルスは成体と幼体が仲むつまじい親子のようにディスプレイされてて、なんとなくほほえましい雰囲気も。
 最後のブースは翼竜コーナーで、タラソドロメウスやアンハングエラなど。

 南半球特集でなじみのない恐竜ばかりでしたが、大型恐竜の骨格標本が多数展示されていて、かなりテンション上がりました。壁面にはガラス越しに小型恐竜の展示もあり、特別展としてはなかなか充実してたと思います。
 開場直後の 9 時過ぎに行ったんですが、お客さんがまだ少なく、見やすくて写真も撮りやすかったです。次があったんで特別展のみ 1 時間半ほど見て退散しましたが、常設展示も併せて見ればかなり満足できるんじゃないでしょうか。

 会期は 6 月 21 日(日)まで。お近くの方はぜひ!

大恐竜展 知られざる南半球の支配者
国立科学博物館


おまけ:

続きを読む "大恐竜展 知られざる南半球の支配者"

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大日本橋亭落語祭

2009/3/22 @お江戸日本橋亭

【第 1 部】

  • 立川こはる 「子ほめ」
  • 春風亭一之輔 「鈴ヶ森」
  • 笑福亭たま 「胎児」 (作:たまよね)
  • 三遊亭兼好 「明烏」
    ―― 中入り ――
  • 三遊亭遊馬 「佐野山」
  • 柳家三三 「花見の仇討」

【第 2 部】

  • 立川こはる 「十徳」
  • 笑福亭たま 「近日息子」
  • 柳家三三 「だくだく」
  • 春風亭一之輔 「不動坊」
    ―― 中入り ――
  • 三遊亭兼好 「つぼ算」
  • 三遊亭遊馬 「お見立て」

【第 3 部】

  • 立川こはる 「真田小僧」
  • 三遊亭兼好 「アロエヨーグルト」 (作:三遊亭兼好)
  • 三遊亭遊馬 「蛙茶番」
  • 春風亭一之輔 「あくび指南」
  • 笑福亭たま 「芝浜」
  • 《大喜利》


 たまさんが企画された東京の会へ参戦するため自宅を 6 時前に出発。JR「神田」駅から徒歩 10 分ほどで会場のお江戸日本橋亭へ到着したのが 11 時頃で、すでに 10 人ほど列ばれてました。顔見知りの方が多くて、あんまり遠征した気がしません。
 その後もどんどん行列が伸びて、開場の頃には 30 人以上になってました。顔付けも良いですし、当然と云えば当然?
 3 部構成の会ですが、通し券のお客さんが 70 人いたそう。遠征で参戦した私はもちろん通しで。常時 100 人ほど入ってました。


 告知になかったこはるが毎回の開口一番に。何度か観ているが、聞き取りやすい声とシャキシャキした語り口が心地良い。台詞を噛んでグダグダになりそうな場面が散見されるも、上手く笑いにつなげたりして見事にクリア。ひょっとすると、当日に出番を割られたのかも。
 誰かに似た声だと逡巡すると、アニメ『ドラゴンボール』のクリリンでおなじみの田中真弓にそっくりだと判明。

 一之輔は初めて。どよんとした語り口ながら押しも強く、マクラからおもしろエピソードでガンガン笑わせる。
 ネタに入っても人物の作り込みと演出が濃厚。「鈴ヶ森」の追い剥ぎの手下の気持ち悪さ、「不動坊」で女房をもらうやもめのテンションの高さ、「あくび指南」であくびを習う男の逆ギレと、狂気の一歩手前まで持っていく。強烈なメリハリがおもしろ過ぎ。

 兼好はあいかわらずニコニコと毒吐きまくりのマクラ。
 「明烏」も「つぼ算」も人物の味付けが濃厚。とくに「つぼ算」で愛想が良いのに客に媚びない瀬戸物屋の番頭が秀逸で、切れ者っぽいだけに後半の困りでの笑いが増幅。
 「アロエヨーグルト」は、とある OL の部屋の植物同士が会話する噺だが、植物を表現する所作(と云うかポーズ)がたのしい。

 遊馬は身体もデカいが声もデカい。熱狂的遊馬ファンがこられてたようで、毎回「待ってました!」の声が掛かる。顔は眼鏡をはずした岸部四郎な感じ。落語は基本どおりきっちりと語るタイプとの印象。
 「佐野山」は講談『寛政力士伝』でおなじみ、横綱の谷風の温情相撲の噺。地噺の語りも丁寧でたっぷりと。
 「お見立て」はやや平板に感じたが、「蛙茶番」では、舞台番を割り振られて機嫌を損ねていた男が意中の娘の名前を聞いたとたん機嫌が良くなる、その切り返しが秀逸。その後の展開も威勢良く小気味良い。

 第 3 部は(池袋演芸場で自分の会があるため)欠席の三三はいちばん落ち着いた風。今回のメンバーのなかに入ると、かなりあっさりした味わい。
 ネタの安定感はあいかわらず。「花見の仇討」での立ち回りの様子や「だくだく」の盗んだつもりの様子など、頼りなさそうなところがなんとも合ってる感じ。

 会主のたまは、普段にはない組み合わせと云うこともあってか、大阪での会よりものびのびと演ってる印象。
 妊婦の体内の双子のやり取りがメインの「胎児」はほぼ固まった感じで、ツボツボで笑いが起こる。倒立では客席から拍手も。「近日息子」は云い間違いを謝らない男にキレる男でグイグイ勢い押し。
 大トリの「芝浜」は必要以上に湿っぽくならず、かなり繰られて構成もスッキリ。ハメモノの量も頃加減。

 最後は大喜利。下手側より、司会の遊馬、たま、兼好、一之輔、こはると並ぶ。まずは江戸ヴァージョンとして「噺家としての苦労話のあとの『大変だったね』を受けておもしろいこたえを、と『笑点』風に。
 司会をたまに替わって、上方ヴァージョンは「相撲取りの立身出世の数え唄」。仕込み不十分のグダグダ感もまたおもしろい。
 全プログラム終了後、戻ってきた三三の音頭で三本締め。


 12 時にスタートして終演は 21 時過ぎ。トータル 9 時間を越える長丁場でしたが、第 2 部以降は隣が空席になってゆったりできて助かりました。
 たまさん以外で観たことあったのは、三三さんの「だくだく」、兼好さんの「つぼ算」、こはるちゃんの「真田小僧」の 3 席で、初めて観る噺家さんやネタが多めだったのも良かったです。
 とくに一之輔さんは収穫でした。二ツ目であれだけ演られるってのはスゴいですね。逆に「これ以上、伸びないんでは?」と心配してしまうほどです。
 遊馬さんもなかなか。「大工調べ」なんか演らせたら抜群にハマるんじゃないでしょうか。師匠の小遊三さんの「大工調べ」も意外に(と云っては失礼ですが)良かったんで、遊馬さんでも一度聴いてみたいです。
 もちろん他の面々もそれぞれ違った味があって良く、これだけ長時間の会でも思ってた以上に疲れなかったのは内容が充実してたからだと思います。

 個人的には、たまさん以外にあとひとり上方勢を入れればと思うんですけど、たまさん的には「それでは東京で開催する意味がない」「おもしろい上方の噺家を連れていっても、東京での知名度がなければ集客につながらない」ってことになるんでしょうね。
 なんにしても、次回に期待!です。

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花花寄席

2009/3/21 @ヨシモト∞ホール OSAKA

  • 桂さろめ 「東の旅・発端」
  • 笑福亭笑助 「田楽喰い」
  • 笑福亭鶴笑 「蒟蒻問答」
  • おしどり 《音曲漫才》
  • 林家花丸 「たいこ腹」
    ―― 中入り ――
  • ティーアップ 《漫才》
  • 桂文華 「みかん屋」


 この日の『花花寄席』は顔付けが良かったんで前売り券を早々に手配してたんですが、案の定と云いますか、落語ファンがいつもより多めに集まった感じでした。入りは 80 人くらいです。


 開演前に出囃子もなくさろめが登場し、開口 0 番の解説。これでちょっとほぐれたか、いつもの「東の旅・発端」も肩の力が抜けてええ感じ。

 「石段」で登場した笑助は簡単な自己紹介から、「田楽喰い」を兄貴分のところでタダ酒を飲もうとするくだりから。「先年神泉苑の門前の薬店‥‥」のくだりでの抜けは残念だが、概ねそつなく。

 こんな浅い位置で鶴笑もめずらしい。軽くほぐしてから始まったのが「蒟蒻問答」で、古典とはこれまためずらしい。鶴笑では初めて。鶴笑独自のクスグリが盛りだくさん。住職に扮した蒟蒻屋が問答を仕掛けてくる僧侶にものすごい表情で迫るのはめずらしい。

 おしどりはいつもながらにぎやかでたのしい。針金リクエストは「バラの花束」と「ライオン」。「バラの花束」では 1 輪だけ作って「何回でも通って束にして」と上手く切り返す。

 中トリの花丸は軽いマクラから「たいこ腹」を。幇間の登場時の軽さがなんともたのしく、先に逝ってしまった猫のタマとの邂逅とかまぼこの板がおもしろ過ぎ。口跡良く心地良いテンポでトントントンと。

 中入りを挟んでティーアップの漫才。軽妙なやり取りが心地良く、《缶蹴り》と《皿屋敷》は定番ネタと思われる安定感。前田のボケのパターンの多さに感服。ときに形勢逆転して長谷川がツッコまれるのもたのしい。

 トリの文華は「いろんなところで落語を演りました」てなマクラをたっぷり振って空気を変えてから、ネタは軽めの「みかん屋」を。安定感抜群でみっちり。早めのテンポでもしっかり入ってくるから不思議。


 ティーアップは生で初めて観ましたが、やっぱりおもしろいですねぇ。噺家勢も良かったですし、予想どおりかなり満足度の高い会になりました。
 NGK に入れなくて流れてきたお客さんも多いと思いますが、内容と値段を考えると十分満足して帰られたんではないかと思います。

花花寄席日記
ヨシモト∞ホール OSAKA

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ゆるりふたり こごろう・花丸の旅館落語会

2009/3/19 あい粂旅館

  • こごろう・花丸 《対談:ふたりにおたより》
  • 桂ひろば 「子ほめ」
  • 桂こごろう 「夢八」
  • 林家花丸 「あくびの稽古」

※ 2 ゆるり目


 久しぶりにこごろうさんの雨男ぶりを感じつつ、天満の旅館へ。50 人くらい入ってええ感じの満員に。女性率高しです。


 まずはこごろうと花丸の対談から。観客からのおたより(前回公演時に観客から集めたもの)を読みつつあれこれ。《車に命名してください》から、前世の話や祖先の話へ。
 《10 年後の自分の姿》の話題からは、この日の新聞で報道されたこごろうの南天襲名について。襲名自体はうれしいが、こごろうと云う名も気に入ってるのでさみしさも。なによりマクラの「てでろうではありません」が使えなくなるのが残念、とも。
 こごろう曰く「54 歳の花ちゃん(花丸)は、軽いおっさんになってるやろなぁ」。花丸自身は落語「電話の散財」に出てくる旦那みたいになりたいそう。

 落語はひろばから。今年 2 月にタイ・ベトナムを旅行したときに知り合った名古屋の男性が、ひろばの落語を観にきてくれたそう。それまでは頻繁に連絡をくれてたのに、その落語会以降は連絡がパッタリ途絶えたとか。
 「そのとき演ったネタを演ります」と「子ほめ」へ。赤ん坊のほめ方が習ったときと実地で違ってたりしたが、おおむねネタはきっちり入ってる印象。それでも笑いが起こらないのは、会話の構成や間、クスグリの提出の仕方が悪いと思われる。

 こごろうはマクラに《天才ひろば君》のおもしろエピソードを。「(干支の)子はなんや?」「(干支の)子(ネェ)はネコです。‥‥あ、ネコは巳(ミィ)です」「(落語がウケたのは)事実です! 事実無根です!」「ベター・ベスト・ベーテスト」等々、何度聞いてもおもしろい。
 「夢八」は後半も気味悪くなり過ぎず、こごろうらしいドタバタ風味に。

 花丸は 18 歳の女の子が弟子志願にきた話から。閉店間際の喫茶店で話を聞くも、まわりの OL からは援助交際のように見られていたそう。とりあえず見習いとして付けることにしたが、いろいろと大変そうなことがうかがえる。
 「あくびの稽古」は手を入れまくった花丸版で、稽古好きの男の稽古事遍歴にも工夫がふんだんで、御欠伸稽古処は《売りゃせん家》の《微笑流》。あくびの師匠は能書きで深みを出しつつ「○○ですゾ」の口癖でキャラも強い。さらに進化していることに驚愕。


 ほんわかした雰囲気で笑いもたっぷりと、満足度の高い会になりました。
 とくに花丸さんの「あくびの稽古」は以前観たときに進化を感じたんですが、さらにヴァージョン・アップしててびっくりでした。ますますたのしみな噺家さんです。

 次回は 7 月 3 日(金)の予定です。

さかいひろこ works

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らくご道 笑福亭生喬と桂こごろうの落語会

2009/3/17 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 笑福亭生寿 「牛ほめ」
  • 笑福亭生喬 「笠碁」
  • 桂こごろう 「一文笛」
    ―― 中入り ――
  • 生喬・こごろう 《対談:夕焼け日記》


 久しぶりに『らくご道』へ。いつもおなじみの受付の生喬夫人は東京の遊方さんの会へ行ってて不在でした。ええかいな‥‥。
 お客さんは相変わらず 40 人ほどの入り。


 開口一番の生寿は「牛ほめ」を口跡もなめらかにテンポ良く。表情がますます師匠の生喬そっくりに。最後は牛が屁をこいて「ここにもお札貼っときなはれ。屁除け魔除けになって‥‥」のサゲ。

 生喬はマクラで東京に行ったときの話から新宿の思い出横丁にあるお気に入りの店の話など。趣味の話から小咄を挟んで「笠碁」へ。意固地なふたりが囲碁で待ったをめぐって喧嘩別れする噺で、素直になれないふたりの心情描写がたのしい。

 こごろうは町でのおもしろい出会いのエピソードいろいろをマクラに、出会いが発端となる「一文笛」へ。ゆったりした語り口でたっぷりと。サゲを「わい、ギッチョやった」と少し工夫。

 中入りを挟んでの対談では、まず生喬が「笠碁」での場面の抜けを告白。東京の柳家小里んが「もともと大阪ネタの『笠碁』を大阪に戻したい」と云われていたので付けてもらったそう。元は旦那と出入りの職人だったそうだが、五代目・柳家小さんがふたりの隠居に置き換えたそう。
 東京と大阪とで稽古の意味合いが違い、大阪では師匠のもとへ何度か通って実際に稽古してもらうが、東京では師匠が演ってみせて「はいどうぞ」だそうで、稽古も形式的になっているそう。
 こごろうの「一文笛」は桂千朝に付けてもらったそうだが、千朝はとにかく言葉をゆっくり丁寧に置くようにして語るのが特徴的で、自分と真逆のスタイルに刺激されるよう。サゲの微修正は、わざと利き手と逆の指を落としたんではないことを明確にしたかったためだそう。


 今回の対談は、この日のネタの演出とともに、噺家さんにしか知り得ない稽古についてのあれこれも興味深かったです。いつもながら落語 3 席に興味深い対談付きで 1,200 円はお値打ちですね。

 次回は 4 月 3 日(金)です。

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京橋花月 よる芝居 『お茶子のブルース』

2009/3/15 @京橋花月

【昭和の楽屋は、人を不幸にする夢が多すぎた…】

脚本・演出: 萩原芳樹
出演: メグマリコ(三女美)、桂あやめ、池山心(しましまんず)、藤井輝雄(しましまんず)、杉岡みどり、こっこ(三女美)、林家染雀、徳富啓太(トクトコ)、五十嵐サキ、おしどり、桂三四郎、桂さろめ、オール阪神(オール阪神・巨人)


 初の京橋花月はよる芝居へ。チケット購入時に「C 列以降ならあります」と云われて C 列を買ったんですが、会場入りすると前の 2 列が潰されてて、実質最前列でした。劇場自体は 500 席ですが、日曜の夜に 7 割くらい入ってたかも。思ってた以上に盛況です。


 『女芸人らん子のブルース』の続編で、今回は『お茶子のブルース』と題してお茶子さん(楽屋の世話係のおばちゃん)にスポットを当てた物語。昭和 44 年、とある劇場の楽屋が舞台です。

 お茶子役はメグマリコ。スリーこいさんず(杉岡みどり・五十嵐サキ・こっこ)、姉さまキングス(桂あやめ・林家染雀)、W ぼんぼん(藤井輝雄・桂三四郎)、モーレツ 7(おしどり)ってな芸人が登場。漫才作家(徳富啓太)と新支配人(池山心)が絡み、劇場とテレビの狭間で、激動の時代に揺れる芸人たちが描かれます。
 モーレツ 7 と姉さまキングスは本芸も披露。モーレツ 7 は「鶴の恩返し」、姉さまキングスは都々逸、金色夜叉、阿呆陀羅経。姉キンのおふたりはお色直しも多く、最後はシャンソン用のドレスにまで。
 毎度おなじみのユルさ加減と、(見たことないけど)昔懐かしい楽屋の風景が、なんとも云えないたのしさ。五十嵐サキの背の高さにびっくり。オール阪神のアドリブコーナーはややスベり気味でしたが、これもまたライヴの醍醐味。


 お茶子のおばちゃんと漫才作家の関係が次回作への橋渡しになりそう。期待してます。

京橋花月

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南湖だんご 旭堂南湖話術研究会

2009/3/13 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 旭堂南湖 《タイ・ラオス旅行記》
  • 旭堂南湖 「名医伝 藪井玄意」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南湖 『赤穂義士銘々伝』より「大高源吾」「杉野十平次」

※ 44


 会社でジタバタしてまして、会場へ着いたのが開演 10 分前。この日の入りは 11 人でなんとかツ離レ。


 恒例のマクラ代わりのおしゃべりは、今回は《タイ・ラオス旅行記》と銘打って。一人旅を始めたきっかけに始まり、今月行かれたタイとラオスでの出来事を思いつくままあれこれたっぷり。
 右手首に結んだ白い紐は道中の安全を祈願するラオスの御守だそうだが、結んだ翌日に乗ったバスが追突事故に遭ったそう。乗客に怪我がなかったのが御利益?

 「名医伝 藪井玄意」は、医師の藪井玄意が拾い育てた子どもを立派に育て上げる話。この子どもが成長して医師の卵となり、医術の修行のため京都へ。数年後、立身出世した子どもを訪ねて玄意が上京するも‥‥。人の情けのはかなさとあつさ。

 中入りを挟んで、続き読みは「大高源吾」から。大高源吾が中村勘助とともに赤穂から江戸へ向かう道中をダイジェストで語り、煤竹売りに扮して吉良邸を探る大高源吾と俳人の宝井其角とのくだりを。
 次の「杉野十平次」は、蕎麦屋に扮して吉良邸を探った杉野十平次の話。堀部安兵衛が浪士の見回りと称してただ食いをするのがおもしろい。杉野十平次が俵星玄蕃と出会ったところで次回へ。

 最後にタイ土産の抽選会。11 分の 7 と云う高確率ながら選にもれる。


 続き読みの『赤穂義士銘々伝』はおもしろいですね。堀部安兵衛がシリアスでしたから、エピソードのおもしろい人物をチョイスされてるんだと思いますが、初心者でもたのしめるんではないかと思います。
 もっとも、個人的にはたっぷりのフリー・トークがたのしみなんですけど。

 次回は 5 月 8 日(金)です。

正直南湖

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坂口修一二人芝居 さようなら、大林さん(芝居のタイトルではありません)

2009/3/11 @in→dependent theatre 1st

作:岸田國士 「命を弄ぶ男ふたり」

作:原野貴文 「snow to fine (雪のち晴れ)」

演出:サシマユタカ
出演:坂口修一、大林剛士
音響:児島塁(Quantum Leep*)
照明:児嶋博之


 坂口修一さんとは T∀NTRYTHM 時代の朋友で、大学の 1 年先輩でもある大林剛士さんが俳優を辞めて田舎の岡山へ帰られると云うことで、お節介な坂口さんが引退公演を緊急企画。二人芝居の 2 本立てを 2 日間公演で、楽日の方に行ってきました。
 広くない空間に 100 人ほど入って満員に。


命を弄ぶ男ふたり
 某日未明、線路脇で逡巡する眼鏡の男と、包帯で顔を覆った男が出会う。眼鏡の男は俳優で、自身の根も葉もないスキャンダルを苦にして亡くなった妻の後を追うつもりだと云う。一方、包帯の男は化学者で、実験時の事故で顔がただれても受け入れてくれるフィアンセに対して心苦しく思い、いっそ死んでしまおうと決意したと云う。‥‥
 眼鏡の俳優を大林が、包帯の化学者を坂口が演じる。「どちらが先に死ぬか?」と云う命題に対し、時間が経つにつれて徐々に方向が逆転するおもしろさ。包帯で表情がうかがえないことなどものともしない坂口の表現力に脱帽。

snow to fine (雪のち晴れ)
 パーティーの準備をするクロスメディア・クリエイターのもとに、高校時代の同級生で世界中を放浪している男が訪ねてくる。ムサい放浪男を追い出したいクリエイターと、なんやかんやとしつこく居座ろうとする放浪男。話題は高校時代の同級生でクリエイターの妻のことに。‥‥
 クリエイターを大林が、放浪男を坂口が演じる。主客逆転のおもしろさ。大林が笑ってしまったりカミカミだったりはご愛敬。最後はハッピー・エンドで心地良い。


 1 時間弱の作品 2 本立てで、公演は約 2 時間。2 回のカーテン・コールでは客席から大林さんの引退を惜しむ声も。
 準備期間が短かったこともあって、完成度としてはまだまだ上をめざせそうな印象でしたが、十分にたのしめました。とくに坂口さんはヴァージョン・アップした感じ。今後もたのしみです。

坂口修一 Official Website
坂口修一の日記

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イッセー尾形のこれからの生活 2009 in 大阪

2009/3/6 @ほたるまち ABC ホール


 かぁ~んなり久しぶりにイッセー尾形の一人芝居へ。近鉄アート館で演ってたときはよく行ってたんですが、会場を近鉄小劇場へ移してからは行った記憶がありませんから、ひょっとすると 10 年以上振りかも。
 チケット手配で油断してまして、発売日の昼過ぎぐらいですでに土日分は完売。この日もすでにかなり売れてて後方の席になりました。フタを開けてみると、最後方には少し空席があって 9 割入り。
 開場直後ぐらいに会場へ到着したんですが、ロビーにスナック&ドリンクのサービスが用意されてて、なんとなくまったりした雰囲気です。金額的には 1 万円も掛かってないと思いますが、ちょっと小腹の空く時間帯ですし、こう云う心配りはうれしいですね。
 以下、タイトルは私が勝手に付けました。


御来光でフラダンス
 忘年会の盛り上がったノリで、元旦に御来光を受けながらフラダンスを踊ることになり、とある山小屋に集まった主婦のグループ。そこへ婚約したカップルが訪れて‥‥。
 妙な設定と主婦のキャラクターもさることながら、なぜか“瀬戸の花嫁”に乗せて寒がりながらフラダンスを踊る姿が秀逸。

大阪のおばちゃん in 銀座
 飛び込み営業で大阪から商材を持参して銀座を訪れた数名のキャリア・ウーマンが、街角で一服。
 大阪弁の微妙さを差し引いても、どっかにいそうなおばちゃんのキャラクターがおもしろい。プラダの前で踊るもツッコミなくスルーされ、意地になって踊る場面に爆笑。

バイオリニストのボヤキ *
 楽団の練習のあと、舌っ足らずのバイオリニストの男がイライラしていたマエストロのことをボヤきながらあれこれ推測する。
 マエストロのしゃべり方をバイオリンで再現したりの音楽ネタ。

交番前 *
 自転車盗難に遭った小学 5 年生の男の子が交番へ届けに行く。そこへ気になる女の子が‥‥。
 当たり前だが、男の子がやたら親父クサい。リコーダーを取り出して吹いたのが定番の“アマリリス”だったのがツボ。

ビーチでお盆 *
 親戚一同揃って海水浴へ。おばさんは「パラソルないの?」とボヤきまくり。
 昨年末の サンケイホールブリーゼでの公演 でほぼ完成型として演られていたネタ。おばさんが砂を熱がる様子がツボ。

新橋のアマンド
 カタカナ語を連発する管理職クラスの男が、携帯電話の相手に接待を強要。
 バブル崩壊以前なら日常的に見られた風景かも。意味をあまり理解してないカタカナ語を連発する様子が、さもありなんでおもしろい。

おばあちゃんの昔話 *
 昔話を訊かれたおばあちゃんが、こわい話、かなしい話、おろかな話を。
 最後に影絵の御神楽でサギを。この影絵も ブリーゼでの公演 で演ってたネタ。影絵から本編を膨らませたのかも。

街頭ミニコンサート
 商店街の宣伝のため、どこかの店の息子(年齢は 30 代くらい)が街頭で弾き語りコンサート。
 デタラメな英語や、ほとんど吹けないのにトロンボーンに挑戦したりと、ムリしてる感がおもしろい。


 全 8 編がすべてネタ下ろしで約 2 時間。どれも良くできてておもしろかったです。 * 印付きは昨年末の サンケイホールブリーゼでの公演 でもその原型が観られました。
 昔の「アトムおじさん」みたいなぶっ飛んでてあり得そうにないのもおもしろいんですが、今回みたいにありそうなラインからちょっとはみ出したくらいが、イッセーさんの芸のスタイルに合ってるように思います。

 次回は会場をシアター・ドラマシティに移し、『イッセー尾形のこれからの生活 2009 in 夏の大阪』と題して 7 月 17 日(金) ~ 19 日(日)に開催されます。「ネタは ABC ホールとは違う新ネタ公演です!」とのことです。

イッセー尾形オフィシャルサイト

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鈴本演芸場 三月上席 夜の部

2009/3/1 @鈴本演芸場

  • 柳家小ぞう 「松竹梅」
  • 柳家さん若 「まんじゅうこわい」
  • 林家正楽 《紙切り》
  • 柳家喬之助 「締め込み」
  • 春風亭正朝 「肥壺」
  • すず風にゃん子・金魚 《漫才》
  • 柳亭市馬 「雛鍔」
  • 五街道雲助 「代書屋」
    ―― 中入り ――
  • 柳家紫文 「長谷川平蔵市中見廻日記」
  • 柳家はん治 「背なで老いてる唐獅子牡丹」 (作:桂三枝)
  • 翁家和楽社中 《太神楽曲芸》
  • 柳家さん喬 「百川」


 月曜に関東方面へ出張が入りまして、先輩から「新大阪 7 時半頃の新幹線に乗ってね」とあっさり指示されました。早朝出発はツラいなぁと思ってたんですが、それなら 1 泊分自己負担で前乗りすれば!とひらめき、どうせならとあれこれ検索して鈴本の夜席をチョイス。宿も手配し、密航と相成りました。

 繁昌亭の朝席がハネてから猛烈ダッシュで新大阪駅へ移動し、新幹線で東京へ。都内へ入る頃にはすでに雨がパラパラ。ついてない‥‥。
 国立科学博物館での『大恐竜展』のプレ・イヴェントが丸ビルで開催中と云うことで、まずはそちらへ。骨格標本展示は クリオロフォサウルス の 1 体のみであとはパネル展示と、チとさびしい内容ではありましたが、まぁ宣伝ですからこんなもんでしょう。写真撮影をしつつ 30 分ほど過ごして上野へ移動。

 ホテルへチェックインし、ひと息ついてから鈴本演芸場へ。昼の部の終演前でしたが、すでに 15 人ほど列ばれてました。17 時前には 30 人ほど列ばれたでしょうか。ちょっと早めの開場に。
 開演時は半分も入ってませんでしたが、最終的にはザッと 7 割入りに。


 前座の小ぞうは(おそらく発声の稽古を兼ねて)マイクなし。「松竹梅」をそつなく。

 さん若の「まんじゅうこわい」は(寄席向けに短くされてるのかもしれないが)いきなりこわいモノの訊ね合いから。その後も「まんじゅうがこわい」と云う男がその家の奥で寝るなど、上方のとの違いが興味深い。

 紙切りの正楽は、試し切りの 相合い傘 から、リクエストで梅、卒業式、花見、イチローを。淡々としたおしゃべりもたのしい。

 喬之助は「締め込み」(上方の「盗人の仲裁」)をテンポ良く。

 あちこちで名前は見かけていた正朝だが、マクラから軽妙でなんとも良い雰囲気。ネタの「家見舞い」に入ってもワチャワチャした感じがなんともたのしい。

 にゃん子・金魚の漫才はえらい勢い。金魚の暴走っぷりにバカ負け。

 市馬の登場に客席から「待ってました!」の声。打って変わって落ち着いた高座で「雛鍔」をサラリと。なめらかな口跡が心地良い。

 中トリの雲助の「代書屋」は、上方から江戸へほぼ忠実に移し替えた感じ。

 中入りを挟んで、紫文は三味線漫談と云うより三味線小咄と云う感じ。火付盗賊改方の長谷川平蔵が町を歩いていると‥‥と云う体で小咄を数珠つなぎ。

 はん治は三枝作品の「背なで老いてる唐獅子牡丹」。高齢化したヤクザの噺。

 翁家和楽社中(和楽・小楽・和助)の太神楽は、和楽の進行で小楽と和助が演じるスタイル。最後の刀剣投げのみ、最年少の和助を間に和楽と小楽が投げ合う。

 トリのさん喬が登場すると、会場のあちこちから「待ってました!」の声が掛かる。マクラはボソボソと、《四神旗》の解説を経てネタの「百川」に入ると声量が一段上がる。ここらにトリの貫禄を感じる。他の登場人物とのメリハリもあって、百兵衛の田舎弁がたのしい。百兵衛がクワイのきんとんを飲み込む様子がリアル。たっぷりの一席。


 さん喬さんの上手さはさすがで、百川の座敷が目に浮かぶようでした。それでも技巧的に寄るでなく、おもしろさとのバランスが取れてて、落語のおもしろさが高座からあふれてました。
 東京の噺家さんを観る機会が少なく、初めて観る方がほとんどでしたが、お目当てのさん喬さん、市馬さん、正楽さんあたりはもちろん、正朝さんもヒットでしたし、 こちら の割引券で 2,200 円で入れたってのもあって、かなりお得感がありました。たまには東京の寄席も良いですね。

 高座番をふたりの噺家さんが務められてましたが、おふたりとも女性でした。講談同様、落語界にも女流の波が押し寄せてるのかなとか思いました。

鈴本演芸場

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桂三風の早起き寄席

2009/3/1 @天満天神繁昌亭

  • 桂吉坊 「商売根問」
  • 桂三風 「牛ほめ」
  • 笑福亭銀瓶 「お忘れ物承り所」 (作:桂三枝)
  • 桂三風 「せんたく」 (作:桂三風)
  • 笑福亭鶴笑 「親子酒」

※ 第 12 回


 寝坊がちで朝の会はツラいんですが、顔付けが良かったんで、第 1 回に行って以来で久々の三風さん主催の繁昌亭朝席へ。
 9 時 45 分開場で、私は 9 時 20 分頃に会場へ到着したんですが、すでに長蛇の列でびっくり。なんとなく「昼が取れなかったから朝に」と云う感じの客層。そのあとにスーツ姿のサラリーマンの団体が来られ、こちらは「土日の宿泊研修で、朝に余興を」と云ったところでしょうか。
 結局、開演前には 1 階席がほぼ埋まり、2 階席にもお客さんが入る盛況振り。


 トップの吉坊。いつものようにヘラヘラ~っと登場。インタビュー記事を連載していた月刊誌『論座』の話をマクラに、アホな連中の小咄をいくつか演って「商売根問」へ。口跡なめらかで心地良い。茶・栗・柿・麩の売り声「チャックリカーキフッ」がたのしく、また吉坊によく似合う。

 三風の 1 席目は、マクラで学生落語コンテストの審査員をした話をするも観客を掴みきれず、秋田巡業での 辻田与五郎 の話も。
 「牛ほめ」は入門当初に付けてもらい、約 25 年ぶりの口演だそう。全体に流れの悪い場面が散見される感じで、台所の大黒柱のほめ方&節穴を隠す方法を仕込み忘れる痛恨のミス。サゲは牛の尻に「秋葉はんの御札、貼っときなはれ」。

 銀瓶はマクラでご贔屓さんに愛想し、主任の師匠の三枝の作品で「お忘れ物承り所」。駅のお忘れ物承り所での日常をおもしろおかしく。サラッと演った印象だが、ネタ自体の構成力とテンポの良い口跡で、ツボツボでしっかり笑わせる。

 三風の 2 席目は市バスでのおもしろエピソードをマクラに、「創作落語で人情噺を」と自作の「せんたく」を。商店街のクリーニング店は父親と息子の二人暮らしだが、実は‥‥と云う噺。父親思いの息子は泣かせるが、最初に「人情噺を」と云うのは逆効果かも。

 鶴笑は「トリは古典落語でございます」と、酔っ払いの小咄から「親子酒」へ。すぐに眠ってしまう父親が昔話の「桃太郎」の夢を見ている‥‥と、ここで「桃太郎」を紙芝居で。桂米平の立体紙芝居の趣きで、ギャグをふんだんに盛り込んで。紙がペラペラなのはご愛敬。息子とうどん屋のやり取りも紙芝居の間に、やや軽めに挟む。冗長性と流れの悪さが少し気になったが、鶴笑流のサービスが満載。今後に期待。


 中入りなしで 2 時間弱でした。朝席ですし、これくらいのヴォリュームが丁度良いように思います。
 観たかった鶴笑さんの「親子酒」ですが、まだ口演数が少ないのかもしれませんが、独自のサービス精神が感じられる高座でした。

 終演後、猛烈ダッシュで東京へ。

さん風のたより

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