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大日本橋亭落語祭

2009/3/22 @お江戸日本橋亭

【第 1 部】

  • 立川こはる 「子ほめ」
  • 春風亭一之輔 「鈴ヶ森」
  • 笑福亭たま 「胎児」 (作:たまよね)
  • 三遊亭兼好 「明烏」
    ―― 中入り ――
  • 三遊亭遊馬 「佐野山」
  • 柳家三三 「花見の仇討」

【第 2 部】

  • 立川こはる 「十徳」
  • 笑福亭たま 「近日息子」
  • 柳家三三 「だくだく」
  • 春風亭一之輔 「不動坊」
    ―― 中入り ――
  • 三遊亭兼好 「つぼ算」
  • 三遊亭遊馬 「お見立て」

【第 3 部】

  • 立川こはる 「真田小僧」
  • 三遊亭兼好 「アロエヨーグルト」 (作:三遊亭兼好)
  • 三遊亭遊馬 「蛙茶番」
  • 春風亭一之輔 「あくび指南」
  • 笑福亭たま 「芝浜」
  • 《大喜利》


 たまさんが企画された東京の会へ参戦するため自宅を 6 時前に出発。JR「神田」駅から徒歩 10 分ほどで会場のお江戸日本橋亭へ到着したのが 11 時頃で、すでに 10 人ほど列ばれてました。顔見知りの方が多くて、あんまり遠征した気がしません。
 その後もどんどん行列が伸びて、開場の頃には 30 人以上になってました。顔付けも良いですし、当然と云えば当然?
 3 部構成の会ですが、通し券のお客さんが 70 人いたそう。遠征で参戦した私はもちろん通しで。常時 100 人ほど入ってました。


 告知になかったこはるが毎回の開口一番に。何度か観ているが、聞き取りやすい声とシャキシャキした語り口が心地良い。台詞を噛んでグダグダになりそうな場面が散見されるも、上手く笑いにつなげたりして見事にクリア。ひょっとすると、当日に出番を割られたのかも。
 誰かに似た声だと逡巡すると、アニメ『ドラゴンボール』のクリリンでおなじみの田中真弓にそっくりだと判明。

 一之輔は初めて。どよんとした語り口ながら押しも強く、マクラからおもしろエピソードでガンガン笑わせる。
 ネタに入っても人物の作り込みと演出が濃厚。「鈴ヶ森」の追い剥ぎの手下の気持ち悪さ、「不動坊」で女房をもらうやもめのテンションの高さ、「あくび指南」であくびを習う男の逆ギレと、狂気の一歩手前まで持っていく。強烈なメリハリがおもしろ過ぎ。

 兼好はあいかわらずニコニコと毒吐きまくりのマクラ。
 「明烏」も「つぼ算」も人物の味付けが濃厚。とくに「つぼ算」で愛想が良いのに客に媚びない瀬戸物屋の番頭が秀逸で、切れ者っぽいだけに後半の困りでの笑いが増幅。
 「アロエヨーグルト」は、とある OL の部屋の植物同士が会話する噺だが、植物を表現する所作(と云うかポーズ)がたのしい。

 遊馬は身体もデカいが声もデカい。熱狂的遊馬ファンがこられてたようで、毎回「待ってました!」の声が掛かる。顔は眼鏡をはずした岸部四郎な感じ。落語は基本どおりきっちりと語るタイプとの印象。
 「佐野山」は講談『寛政力士伝』でおなじみ、横綱の谷風の温情相撲の噺。地噺の語りも丁寧でたっぷりと。
 「お見立て」はやや平板に感じたが、「蛙茶番」では、舞台番を割り振られて機嫌を損ねていた男が意中の娘の名前を聞いたとたん機嫌が良くなる、その切り返しが秀逸。その後の展開も威勢良く小気味良い。

 第 3 部は(池袋演芸場で自分の会があるため)欠席の三三はいちばん落ち着いた風。今回のメンバーのなかに入ると、かなりあっさりした味わい。
 ネタの安定感はあいかわらず。「花見の仇討」での立ち回りの様子や「だくだく」の盗んだつもりの様子など、頼りなさそうなところがなんとも合ってる感じ。

 会主のたまは、普段にはない組み合わせと云うこともあってか、大阪での会よりものびのびと演ってる印象。
 妊婦の体内の双子のやり取りがメインの「胎児」はほぼ固まった感じで、ツボツボで笑いが起こる。倒立では客席から拍手も。「近日息子」は云い間違いを謝らない男にキレる男でグイグイ勢い押し。
 大トリの「芝浜」は必要以上に湿っぽくならず、かなり繰られて構成もスッキリ。ハメモノの量も頃加減。

 最後は大喜利。下手側より、司会の遊馬、たま、兼好、一之輔、こはると並ぶ。まずは江戸ヴァージョンとして「噺家としての苦労話のあとの『大変だったね』を受けておもしろいこたえを、と『笑点』風に。
 司会をたまに替わって、上方ヴァージョンは「相撲取りの立身出世の数え唄」。仕込み不十分のグダグダ感もまたおもしろい。
 全プログラム終了後、戻ってきた三三の音頭で三本締め。


 12 時にスタートして終演は 21 時過ぎ。トータル 9 時間を越える長丁場でしたが、第 2 部以降は隣が空席になってゆったりできて助かりました。
 たまさん以外で観たことあったのは、三三さんの「だくだく」、兼好さんの「つぼ算」、こはるちゃんの「真田小僧」の 3 席で、初めて観る噺家さんやネタが多めだったのも良かったです。
 とくに一之輔さんは収穫でした。二ツ目であれだけ演られるってのはスゴいですね。逆に「これ以上、伸びないんでは?」と心配してしまうほどです。
 遊馬さんもなかなか。「大工調べ」なんか演らせたら抜群にハマるんじゃないでしょうか。師匠の小遊三さんの「大工調べ」も意外に(と云っては失礼ですが)良かったんで、遊馬さんでも一度聴いてみたいです。
 もちろん他の面々もそれぞれ違った味があって良く、これだけ長時間の会でも思ってた以上に疲れなかったのは内容が充実してたからだと思います。

 個人的には、たまさん以外にあとひとり上方勢を入れればと思うんですけど、たまさん的には「それでは東京で開催する意味がない」「おもしろい上方の噺家を連れていっても、東京での知名度がなければ集客につながらない」ってことになるんでしょうね。
 なんにしても、次回に期待!です。

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