そごう寄席 最初で最後の桂つく枝独演会
2009/4/24 @そごう劇場
- 桂つく枝 《ごあいさつ》
- 林家花丸 「狸の鯉」
- 笑福亭生喬 「鰻谷の由来」 《踊り》「奴さん」
- 桂つく枝 「四人癖」
―― 中入り ―― - 桂こごろう 「阿弥陀池」
- 桂つく枝 「井戸の茶碗」
5 月 16 日に文三襲名をひかえたつく枝さんが、桂つく枝として最初で最後の独演会を開催。しかも脇を固めるのがラクゴリラ・メンバーとくれば、これはもう行くしかないでしょう!
普段『出没!ラクゴリラ』は 1,500 円で開催されているんですが、この会は前売り 3,000 円。正直、入りが心配でしたが、ほぼ満席でした。
まずはつく枝がマイクを手に登場し、舞台下手側に立ってごあいさつ。師匠の文枝から「独演会は看板が使うもんで、若手がやるもんやない」と、やるともなんとも云ってないうちから怒られた話に始まって、独演会や襲名に対する思いを。《独演会》と冠した会はこれが初めてだそう。
落語は花丸が露払い。「狸の鯉」は、冒頭の狸をいじめる子どものアホさ加減など、花丸らしい味付け。
狸が鯉に《化ける》と云うことから、東京では昇進や襲名の席で掛けられることも多いそう。
生喬は物の名前の由来についてマクラを振ってから、ご当地ネタで「鰻谷の由来」を。語り口の確かさから「ホンマかいな」なネタにも説得力が。
短めのネタのあと「奴さん」を踊って会に華を添える。
つく枝の 1 席目は開口一番「独演会っていいもんですね。楽屋にお菓子の山が‥‥」。
「きょうは演りたいネタを‥‥」と「四人癖」を。つく枝では初めてだったが、極端な癖の動きが妙に板に付いてて、本当の癖のよう。
中入りを挟んで、こごろうはテンポ良くマクラを振ってから「阿弥陀池」へ。《阿弥陀がイケ》《糠にクビ》に加えて《デコに小判》《馬の耳にセンベツ》に始まり、独自のクスグリてんこ盛り。終盤、裏の米屋に勤める義弟が死んだと聞いた男の悔やみ方が壮絶。笑いたっぷり。
つく枝の 2 席目は「井戸の茶碗」。生真面目で頑固なふたりの侍のあいだに立たされた屑屋の困りがたのしい。たっぷりの一席。
それぞれの得意なところでつく枝さんを盛り立てようと云うラクゴリラ・メンバーの心意気と、それに応えるつく枝さんの一所懸命が伝わってくる、抜群に雰囲気の良い会でした。
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