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月亭二人会

2009/5/31 @ヨシモト∞ホール OSAKA

  • 月亭八光 「初天神」
  • 月亭方正 「猫の茶碗」
    ―― 中入り ――
  • 月亭八光 「ちりとてちん」
  • 月亭方正 「宮戸川」


 八光さんと方正(山崎邦正)さんが会をされると云うことを月亭八方さんがラジオで話されてて、テレビの人気モンの二人会に怖いモン見たさで参戦。お値段は 1,500 円の勉強会価格なんは良心的。
 そこそこ入るとは予想してたんですが、ザッと 170 人くらい入ってたんではないでしょうか。普段の『花花寄席』に比べたら超大入です。まわりのおしゃべりに耳を傾けてみると、どうも山崎邦正目当てのお客さんがほとんどのようで、落語会でお見かけするような方は皆無でした。


 まずは八光が小咄いろいろで落語解説。観客の反応はそれほど悪くはないが、八光の方が肩に力が入ってる感じ。
 「初天神」は、やや早口が気になるも、基本に忠実にみたらし団子のくだりまで。

 方正は絶対ウケるツカミで笑わせてから、マクラ代わりにテレビにまつわるあれこれ。昼の会のネタ+αでたっぷりきっちり笑わせる。
 「猫の茶碗」は小品ながら、古道具屋の心変わりの様子がなかなか。

 中入りを挟んで八光の 2 席目は、西川きよしや元プロボクサーの井岡弘樹のエピソードをマクラに「ちりとてちん」を。早口はさほど気にならなくなったが、ザックリした印象は相変わらず。

 方正は絶対ウケるツカミで笑わせてから、2 席目は軽いマクラから「宮戸川」へ。やはり所作の不自然さや着物の乱れが気になるも、スローモーションの演出などがよくウケる。


 それぞれ 2 席で丁度 2 時間くらいでした。対談や月亭のゲストに期待してたんですが、完全二人会でした。不安に思ってたほどグダグダではなかったですが、ザックリした印象ではありました。お客さんのほとんどが落語初心者でしたが、それなりに落語を感じて帰れたんではないかと思います。
 方正さんは「毎月演りたい」てなことを云われてましたが、毎月演るとネタ切れで 3 か月くらいで終わってしまいそう。ホントにつづける気があるのかわかりませんが、演るなら 3~4 か月毎くらいの開催で 1 席はネタおろしとか、それくらいの目標を設定すれば張り合いになるかもしれませんね。

 次回は未定ですが、7 月 21 日(火)に天満天神繁昌亭で同趣向の会があります。

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月亭会

2009/5/31 @アークカルチャースタジオ

  • 月亭八方 《ごあいさつ》
  • 月亭八斗 「色事根問」
  • 月亭方正 「宮戸川」
  • 月亭遊方 「葬マッチ・トラブル」(作:月亭遊方)
  • 月亭八方 「住吉駕籠」

※ 第 10 回


 久々の『月亭会』は、会場が 5 階のカーペット敷きのフロアーから 6 階の石敷きのフロアーに移動。履き物を脱ぐ必要がなくなって楽になりましたし、靴袋のガサガサ音もなくなってグッドです。
 入りは定員の 80 人分が完売とのことでしたか、インフルエンザの影響で若干キャンセルが出てたかもしれません。


 まずは恒例の八方の前説。開演前に出てくることもあるが、この日は定刻スタートで、笑いを交えつつ番組案内を。
 この日が初舞台となる八斗に対して「お客さんから無作為に 6 人選んで、今後を決めてもらおうかと」と、裁判員制度にひっかけて。「○はありません。×か△で」とフォローも。

 八斗はごく簡単な自己紹介からネタへの入り方に躊躇するも、ネタの「色事根問」に入ると声もしっかり出てて、テンポ良くきっちり《十評判》まで。《四芸》では蛍踊りに加えて自動車踊りが入るのはめずらしい。八方の台本か?

 方正は絶対ウケるツカミで笑わせてから、マクラ代わりにテレビにまつわるあれこれ。ぶっちゃけトークはライヴならでは。
 「宮戸川」は舞台を大阪に移して。所作が適当で、お花が東京帰りと云うのも中途半端な気はするが、お花が半七を追いかける場面でスローモーションになったり、演出のおもしろさが光る。お花半七の幼少期を回想するサゲは方正のオリジナルかも。そのサゲに掛かる場面が携帯電話が鳴るも、なんとか持ち直して。

 遊方はドあつかましいおばちゃんのエピソードいろいろをマクラに、自作の「葬マッチ・トラブル」を。祖父が亡くなった家族と葬儀屋とのやり取り。ムチャな家族がなんでも向かいの後家さんの世話になるところがツボ。

 八方は八斗の初舞台に安堵したり、最近の話題をいろいろと話しつつ、ネタ選びで逡巡してるよう。
 江戸時代の貨幣価値や駕籠屋の商売形態について簡単に紹介してから「住吉駕籠」へ。全体にザックリした印象もあるが、心地良い口跡が笑いを誘う。酔っ払いのくだりでは汚い場面はカット。駕籠屋が酔っ払いの折り詰めを包み直して懐に入れる場面で、折り詰め(に見立てた手拭い)を左手に持って入れるあたりに芸の細かさが垣間見られる。


 丁度 2 時間ぐらいで、充実の会になりました。とくに文三さんの襲名の会で途中までだった八方さんの「住吉駕籠」をサゲまで観られて良かったです。
 八斗さんはイマドキの若者って感じですが、初舞台としてはなかなかしっかりした高座でした。兄弟子も個性的な面々ですから、刺激を受けつつ修行に励んでいただきたいと思います。

 次回は 7 月 24 日(金)です。

アークカルチャースタジオ

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7 時だョ! 8 人集合

2009/5/30 @桜川三丁目劇場

【落語家・講談師 大喜利トーナメント 上方之爆薬 2009】

  • 《笑福亭瓶成破門式》
  • 《オープニング》
  • 《大喜利トーナメント 1 回戦》
    • 三幸 vs さん都 (実況:三四郎/解説:まめだ)
    • 雀太 vs ぽんぽ娘 (実況:三幸/解説:まめだ)
    • 三四郎 vs 南青 (実況:雀太/解説:三幸)
    • まめだ vs 団姫 (実況:雀太/解説:三幸)
  • 桂まめだ 「まめだ」
  • 《大喜利トーナメント 2 回戦》
    • 三幸 vs 雀太 (実況:三四郎/解説:まめだ)
    • 三四郎 vs まめだ (実況:雀太/解説:三幸)
  • 《ひな壇トーク》
  • 桂さん都 「中村の恋」(作:セブンエイト)
  • 《大喜利トーナメント 決勝戦》
    • まめだ vs 雀太 (実況:三四郎/解説:三幸・団姫)
  • 《エンディング》

※ 第 4 回


 今回は笑福亭瓶成さんが女性への暴行をきっかけに破門となってから初めてのセブンエイトの会で、三四郎さんからの宣伝メールにも「全力でふざけるつもりです」とあったんで、とにかく外せませんでした。さらに今回は大喜利トーナメントが番組の中心となってると云うことで、そちらもたのしみに。
 お客さんは 30 人ちょいでしょうか。まずまずの入り。


 読経とともに瓶成の一連の騒動の紹介 VTR が流れたあと、雀太が黒紋付で登場して《破門式》の開式。セブンエイトのメンバーが順に黒紋付で登場し、それぞれが破門となった瓶成への思いを、しんみり粛々と、それでいて遊び感たっぷりに。
 ひととおり語り終えてから、いつものオープニング。役割決めで、三四郎が司会、まめだが古典、さん都が新作と決まったところで緊急映像がインサート。瓶成が 6 月 1 日付で復帰との報に、メンバーはうれしいやら、がっかりやらのリアクション。

 まずは大喜利トーナメント 1 回戦。天の声の判定(観客の反応を考慮?)で 5 ポイント先取した方が勝利。
 第 1 試合は 三幸 vs さん都 の『さん三の会』対決。(司会:三四郎/解説:まめだ) お題は「宝くじで 3 億円当たった! でもなんかブルー‥‥。何があった?」「偽物のサンタクロースと本物のサンタクロースの違いとは?」で、三幸の圧勝。さん都はまったく歯が立たず。
 第 2 試合は 雀太 vs ぽんぽ娘 のアレルギー対決。(司会:三幸/解説:まめだ) 雀太がぽんぽ娘に対してアレルギーがあるそう。お題は「初めて聞いた人が絶対にアイドルグループだと思わない名前とは?」「初キッスはレモンの味。では 486 回目のキッスは何の味?」で、接戦の末に雀太がアレルギーを克服して勝利。
 第 3 試合は 三四郎 vs 南青 の同期対決。(司会:雀太/解説:三幸) お題は「日本の泥棒とアフリカの泥棒の一番わかりやすい違いとは?」「これ全然怖くないやろな‥‥。そのホラー映画のタイトルとは?」で、三四郎が圧勝。
 第 4 試合は まめだ vs 団姫 エロエロ対決。(司会:雀太/解説:三幸) 対決名は適当だそう。お題は「赤ちゃんが初めてしゃべった! その意外な言葉とは?」「まったく売れない缶コーヒー。なぜ?」で、接戦(と云うか、まめだが適当に手加減して)まめだの勝利。

 まめだの古典は、小咄いろいろから「まめだ」を。朴訥とした語り口が昔話風のネタに合ってるとは思うが、やはりどうもたどたどしい。

 大喜利トーナメント 2 回戦。
 第 1 試合は 三幸 vs 雀太。(実況:三四郎/解説:まめだ) お題は「『何も言えなくて…夏』の 2009 年バージョンが発売。そのタイトルとは?」「裸の大将・山下清がまさかこんなことを言うとは! 何と言った?」で、雀太が逃げ切り。
 第 2 試合は 三四郎 vs まめだ。(実況:雀太/解説:三幸) お題は「『お前も蝋人形にしてやろうか!』に対する最も面白い答えとは?」「『蝶のように舞い、蜂のように刺す』のような言葉を考えてください」で、落語を終えてリラックスしたまめだが貫禄の勝利。

 ひな壇トークは三四郎の進行で《恋愛》をテーマにワチャワチャ。

 さん都の新作は「中村の恋」。駅で見かけるエビちゃん似の女の子に恋した中村が、友達の田中の協力で知り合うきっかけを作ろうとする噺。「チンピラ(に扮した田中)に絡まれたところを助ける」と云う、昭和なシナリオで挑むも‥‥な展開で、シンプルながらなかなかおもしろい。硬さが抜ければもっと良くなりそう。

 大喜利トーナメント決勝戦は まめだ vs 雀太。(実況:三四郎/解説:三幸・団姫) お題は「みんなが感染したくなる新型インフルエンザ、どんな症状?」「こいつ意外に弱いぞ。番長の何を見てそう思った?」「『山!』『川!』みたいな合言葉を考えてください」で、接戦の末に雀太が優勝。第 1 回『上方之爆薬』優勝のまめだに勝って、雀太は感慨深そう。出場者全員から 3 千円ずつ集めた賞金を独り占め。

 エンディングで島谷幸治(元・笑福亭瓶成)が舞台に飛び入り。


 今回はかなりサクサクとテンポ良く進行しました。内容的にもいつも以上におもしろかったですし、イベントとしてかなり良くなってきた印象でした。大喜利トーナメントみたいなイベントの芯があると会にメリハリがついて良いのかなと思います。ちょっとお値段上がりました(それでも前売り 1,000 円です)が、その分おもしろくなってましたよ。
 場面転換やコーナーのつなぎに使われてた音楽がプロレスラーの入場テーマ曲で、それ聴いてるだけでかなりテンション上がりました。
 会の詳細は 三四郎さんのブログ記事 もご参照ください。

 いつも思うんですが、まめださんはああ見えて、大喜利の瞬発力と云うか、笑いのセンスはかなりあるんじゃないかと思います。ただ、出力系統に問題があって、おもしろいことをおもしろく提示する技術が未発達なだけなのかも、と。もっとも、そのたどたどしさもまたおもしろさの一端を担ってるんで、流暢にしゃべられたらおもしろいかと云うとそうでもないような気もしますが。独特の存在感がありますね。まさに《上方之爆薬》です。

 次回は 8 月 8 日(土)です。

~セブンエイト~ 7 時だョ! 8 人集合

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カフェらくご・ミロ

2009/5/30 @ミローホール

  • 桂ぽんぽ娘 「十徳」
  • 桂雀太 「道具屋」
  • 桂佐ん吉 「田楽喰い」
  • 露の新治 「ちりとてちん」
    ―― 中入り ――
  • 千田やすし 《腹話術》
  • 露の新治 「権兵衛狸」

※ 第 1 回


 開演時刻にギリギリ滑り込めたかと思ったら、完璧に勘違いしてまして、到着したら始まってました。入口で会場の様子をうかがう新治さんと千田やすしさんを尻目に入場。
 会場はフラットな多目的スペースだったはずなんですが、前方に桟敷、後方にひな壇状のベンチ席になってて、しっかりした山台も組まれてました。お囃子も生演奏で、かなり気合いの入った会です。
 桟敷席に小学生くらいの子どもたちが 10 人ほど、ベンチ席に大人が 30 人ほど。ちょっと余裕があって楽に座れるくらいの入り。


 雀太の「道具屋」の終盤から。笛から指が抜けなくなった様子が子どもにウケるも、サゲは子どもにはわかりにくいか。

 佐ん吉の「田楽喰い」を観るのは 2 度目だが、登場人物の味付けがなんとも良い感じ。時間の都合か、酒の瓶を落として割ったと言い訳するくだりはカット。喜六の「キュウリン」「ナスビン」が子どもたちに大ウケ。

 新治の 1 席目は、マクラいろいろから「ちりとてちん」。旦那が物喜びする男をお茶とコンペントウ(金平糖)で迎えるところに、旦那の人柄があらわされてるよう。《ちりとてちん》を折り箱に詰めるところも丁寧で、《元祖》と書き込むときに箱をちょっと傾けたり、「創業享保八年」と付け加えたり。物喜びしない男は引っ込みがつかなくなって《ちりとてちん》を《びっくり食い》と称して一気食い。

 中入りを挟んで千田やすしの腹話術。人形入りのトランクを持って「メキシコ帰りではありませんのでご安心ください。茨木市からきただけです」。ネタはいつものヒカルちゃん(5 歳男児)と。

 新治の 2 席目は、客の年齢層の隔たりでネタ選びに苦慮してる風だったが、軽いマクラから「権兵衛狸」を。いたずらタヌキの頭を剃ってしまうと云う昔話のような噺で、やってることはムチャだがなんとも牧歌的な雰囲気。サゲのバカバカしさに得も云われぬおかしみが。


 今回は新治さんの独演会と云う感じでしたが、なかなか良かったです。
 小学生以下は無料と云うことで子どもが多かったんですが、ネタ選びが難しいだろうなぁと、観てて思いました。とくに主任の新治さんは気を遣われてた感じでした。

カフェ ミロー

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神田愛山 35 周年記念独演会 in 大阪

2009/5/29 @薬業年金会館

  • 旭堂南海 「山内一豊と千代」
  • 旭堂南左衛門 『寛政力士伝』より「越の海勇蔵」
  • 神田愛山 『次郎長外伝』より「飯田の焼討ち」
  • 神田愛山 「最後の瞬間」(原作:結城昌治)


 久しぶりに大阪での愛山先生の独演会は、30 人を超える入り。落語会でお見かけするお顔もチラホラあって、お客さんも少しずつ定着してきてる感じがします。


 南海は開口一番「神田愛山 35 周年、酒乱を克服して 20 年」。
 「山内一豊と千代」は、市で名馬を見抜くも手持ちがない一豊に妻の千代が工面してり、手に入れた馬とともに一豊が織田信長の前で流鏑馬やぶさめの妙技を披露する話。千代の内助の功と、流鏑馬の緊迫感がさすがで、随所に笑いも交えて。

 南左衛門は久しぶり。最近の相撲界での外国人力士の活躍をマクラに、『寛政力士伝』より「越の海勇蔵」を。小兵の勇蔵を自ら故郷へ帰るよう仕向けるため、柏戸は勇蔵に稽古を付けず下働きだけでしごく。勇蔵はとうとう力士になることをあきらめるが‥‥。
 最後にはおなじみ谷風や雷電も登場して大団円。丁寧な語り口でわかりやすい。

 愛山はまず ラジオデイズ で 6 月 2 日(火)より音源が配信されることを、時折ボヤキを交えつつ告知。
 1 席目は柳家喬太郎にも教えたと云う侠客物で、『次郎長外伝』より「飯田の焼討ち」。次郎長の手下が因縁の連中と一触即発。威勢の良い啖呵がなんとも心地良い。

 つづけての 2 席目は、結城昌治作品から「最後の瞬間」。早朝、貨物列車に飛び込み自殺を図ろうとする男と、それを止めた男。止めた男はスクープを求めるフリーのカメラマンで、自殺を図った男に「次の特急列車に‥‥」とすすめる。一度、マクラでダイジェストを聴いたように記憶するが、その後の展開がなんともブラック。


 相変わらず独特の空気感を醸し出される愛山先生でした。定期的な会がお客さんの定着にもつながると思いますから、年に数回は来阪公演を継続していただきたいところです。

 次回来阪時はほぼ同期の南左衛門さんとの二人会になるそう。そちらもたのしみです。

愛山の話芸ドットネット

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月亭遊方のゴキゲン落語会

2009/5/25 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 月亭遊方 《幕開前戯噺》
  • 桂雀喜 「ポイントカード」(作:長坂堅太郎)
  • 月亭遊方 「老婆の宝くじ」(作:月亭遊方)
    ―― 中入り ――
  • 月亭遊方 「天狗の恩返し」(作:金山敏治)

※ 第 29 回


 開場前から長蛇の列で、60 人くらいの入りに。お客さんが会場からあふれてました。


 いつもの私服姿でのオープニング・トークは、これまでは舞台の前に出てきてだったが、迫り出しができたので舞台の上から。
 最近の話題から、インフルエンザの観察&考察、婚活&年齢、襲名の祝いの品なんかについて、おもしろおかしく。遊方的には「アラフォー」より「40 でこぼこ」を推奨。

 雀喜は今回が《お金にまつわる噺》特集であることを「いま、初めて知りました」。
 自作の「ポイントカード」は、ポイントカードのサービスにまつわる噺で、小ボケの数珠つなぎ。以前よりもかなり整理された印象で、お笑い好きのラーメン屋の大将がツボ。

 遊方の 1 席目「老婆の宝くじ」は、姑が宝くじで 3 億円当てた家族の騒動を描いた噺。当選を知った家族のおどろき様が尋常でなく、ムリクリ感が遊方らしくておもしろ過ぎ。宝くじの行方に豹変する嫁もおもろい。

 中入りを挟んで、遊方の 2 席目は時間が押してるため超早口でスタート。『第 1 回 上方落語台本大賞』で優秀賞に選ばれた「天狗の恩返し」は、天狗から恩返しとして 1 億円をもらった男の騒動。24 時間で使い切らないと記憶が消されると云う条件付きで、散財として思いつくのが小市民的でなんともおかしい。
 今回が 2 回目の口演で、しかも他人の台本と云うこともあってか、ネタの呑み込みが不十分な印象で、中だるみ感も。それでも豪華ホテルのベッドの柔らかさに違和感を覚える場面など、遊方テイストがあちこちに。


 雀喜さんはまとまったおもしろさで、遊方さんは弾けるおもしろさ。落語は 3 席ともおもしろく、満足度の高い会でした。この日の遊方さんはかなり乗ってたと思います。

 次回は 8 月 18 日(火)です。毎回時間が押してくるようになったんで、次回からリニューアルし、出演は遊方さんのみで《たっぷり遊方》となるそうです。30 回記念の企画もあるそうですんで、いまからたのしみです。

遊方 FOR YOU!

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柳家喬太郎独演会

2009/5/24 @TORII HALL

  • 桂さん都 「動物園」
  • 柳家喬太郎 「母恋いくらげ」(作:柳家喬太郎)
  • 桂文三 「崇徳院」
    ―― 中入り ――
  • 柳家喬太郎 『牡丹灯籠』より「お札はがし」


 待望の大阪での喬太郎さんの独演会は、受け付け開始から 2 日で予定数終了。キャパ 120 程度とは云え、関西でもその人気は定着してきたようです。
 ただ、今回はインフルエンザの影響でキャンセルが多く出たそうで、当日券も若干出てたようです。それでも 100 人以上は入ってたと思いますが。


 さん都は自虐的マクラから「動物園」を。前田園長が出てくるところから枝雀一門系か。オーソドックスにきっちりと。

 喬太郎の 1 席目は開口一番「ようこそ『桂文三と愉快な仲間たち』へ」。インフルエンザの話に始まって、池袋デパート擬人化漫談に突入。その後も脈絡なくあれこれマクラたっぷり大サービス。
 金魚店の「《鯉こく》できます」から「母恋いくらげ」へ。母クラゲからはぐれた子クラゲのクラ之助の噺。海の生き物を表現する所作が変で、それがまた喬太郎らしい。海の生き物に混じってトラや前田園長まで登場。

 文三は喬太郎とは学校公演でよく一緒になり、ウルトラマン好きと云う共通点から懇意になったそう。桂きん枝と桂米朝宅へ襲名の挨拶に行ったときの珍道中をマクラに、迷いつつ「崇徳院」を。出入りの熊五郎が文三らしい軽さで、以前 『花花寄席』 で観たときより格段に気の入った高座。

 中入りを挟んで、喬太郎の 2 席目はマクラを振らずスッと『牡丹灯籠』の「お札はがし」のくだりを。浪人の新三郎に思いを寄せたまま亡くなったお露が、夜な夜な新三郎のもとを訪れる。新三郎は身を守るため家中にお札を貼るが‥‥と云うところ。
 緊迫感を高めて聴かせつつ、時折ばかばかしいクスグリでスルッと手綱をゆるめる。幽霊の手真似をして「これだよ」「ピグモン?」「そんなこと云って喜ぶのは文三ばかりだ」。終盤にかけて、グイグイ締め付ける集中力。


 新作と長講の古典と予想してましたが、そのとおりにたっぷり演ってくれました。とくに圓朝作品は聴いてみたかったんですが、圧巻。それでもちょこちょこガス抜きしつつ進めて、重くなり過ぎないのが喬太郎さんらしいですね。デパート漫談もおもしろかったです。

 喬太郎さんは「第 2 回目はないと思います」なんて云われてましたが、年 1 回でもぜひ定期的に開催していただきたいと思います。

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染雀 あさ吉 花舞台

2009/5/23 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 桂吉の丞 「米揚げ笊」
  • 桂あさ吉 「宿屋町」
  • 林家染雀 「瘤弁慶」
  • 桂あさ吉 「住吉駕籠」
    ―― 中入り ――
  • 林家染雀 「天下一浮かれの屑より」

※ 第 1 回


 久々の染雀さんの勉強会はあさ吉さんとの二人会形式で、しかも「宿屋町」から「瘤弁慶」をリレーで演られると云うことですから、これは必見でしょう。
 インフルエンザの影響でキャンセルも多かったようですが、反面、当日のお客さんも多かったのか、ザッと 80 人くらいは入ってたように思います。


 開口一番は吉の丞が得意の「米揚げ笊」をトントンと。「尻からげしなはれ」「フンドシ落とした」のやり取りは相変わらずおもしろい。

 あさ吉の 1 席目は、旅ネタの解説をマクラに、リレーの前走で「宿屋町」を。ふわりふわりととぼけた味わいで、たのしい旅の雰囲気に。喜六・清八が宿屋へ上がって宿賃の応対をするあたりまで。

 染雀の 1 席目は、自身の顔覚えの悪さに始まってマクラいろいろ。染雀評によると、あさ吉は上方落語界一うどんを食べる所作と笛が上手いとのこと。
 あさ吉の「宿屋町」から受けた「瘤弁慶」は、喜六・清八が宴会を始めるところから。摩訶不思議で荒唐無稽な噺を、ツッコミを入れつつたっぷりと。

 あさ吉の 2 席目は、海外公演の話から乗り物の話へとマクラをつないで「住吉駕籠」へ。全体に頼りない感じで、酔っ払いも不十分な印象だが、なんとなしにほのぼのした空気感がのんびりたのしい。酔っ払いのくだりまで。

 中入りを挟んで、染雀の 2 席目は「天下一浮かれの屑より」。師匠の染丸からは「目一杯演ると演者以上に観客が疲れるから、目一杯演るな」と云われたそうだが、途中で座布団を放り出して、狭い山台の上で大立回りの熱演。


 染丸さんが主催された『四葉の会』で知り合ったことから今回の二人会へと発展したそうです。色の違う二人の組み合わせで、なかなか良い雰囲気の会になりました。パンフレットに「第 1 回」とありましたんで、二人会形式の勉強会として継続されるようですよ。

 次回は 7 月 11 日(土)です。

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花花寄席

2009/5/23 @ヨシモト∞ホール OSAKA

  • 桂三四郎 「17 歳」(作:桂三四郎)
  • 笑福亭鶴笑 「ザ・ニンジャ」(作:笑福亭鶴笑)
  • 姉様キングス 《音曲漫才》
  • 林家小染 「首提灯」
    ―― 中入り ――
  • 林家染弥 「癪の合薬」
  • 桂文三 「井戸の茶碗」

※ 第 61 回


 姉キンが出るってことで期待してた花花寄席ですが、爆笑王の鶴笑さんや襲名直後の文三さんも出られるってことで、かなりお得感のある番組です。
 この日はまたまた DVD 収録と云うことで、パイプ椅子と雛壇席との間にカメラが入ってました。中入り後の漫才がない日は録画収録があると思って間違いなさそうです。
 入りは 70 人ほどでしょうか。開演前に若手漫才コンビの十手リンジンが前説。初々しい。


 トップの三四郎は着物の裾をまくって真っ赤な下履きもあらわに、コンビニ前でのヤンキー座りを実演。車が入ってきたとき、そのままの姿勢でアヒル歩きで移動するのがおかしい。
 自作の「17 歳」は、勉強を口実に好きな女の子を自宅に招く噺。いちいちかまってくる母親のエピソードはほぼ実話のようで、妙にリアル。

 名ビラが鶴笑に変わると、後ろの席から「名前見るだけでおもしろいわ」の声。実際、マクラからたのしい雰囲気に。
 ネタは相変わらずのパペット落語で、ネタ出しされてたのは西遊記だったが、実際は忍者。でも基本ラインは同じで、相変わらずおもしろい。場内爆笑。

 色物は姉様キングス。この日はいわゆる A 面ネタ(一般向け)で、都々逸、ストトン節、阿呆陀羅経。おなじみのおもしろさ。

 中トリの小染は、文三やあやめのエピソードをマクラに「首提灯」を。酔っ払いの感情の起伏がかなり激しい。

 染弥の登場に「待ってました!」の声。日常のおもしろエピソードをマクラに「癪の合薬」を。やかんを舐めると癪が治まる御寮人の噺で、侍の「べく内、なにを笑っておる!」の繰り返しが笑いを誘う。

 トリは《上方落語界の口入屋》こと、つく枝改メ文三。この日が文三として花花寄席に初登場・初主任だが、どうも演りにくそう。
 「井戸の茶碗」は、片意地な二人の侍の間で困惑する紙屑屋が気の毒やらおかしいやら。たっぷり。


 意外とたっぷり演られて、2 時間半ほどに。内容的には大満足でしたが、出番順は三四郎、染弥、鶴笑、小染、姉キン、文三の方が流れが良かったかも。

花花寄席日記
ヨシモト∞ホール OSAKA

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講談毎日亭 皐月一週間

2009/5/21 @雀のおやど

  • 旭堂南青 『真田大助』
  • 旭堂南海 『坂本龍馬』
  • 旭堂南湖 『中山安兵衛』

※ 7 日目/千秋楽


 とうとう千秋楽となりました。通し券のお客さんはたいがい早く来られてますが、最終日と云うこともあってか、この日は開演後もお客さんが来られてたようで、30 人近い入りに。


 南青はスッと本題へ。紅蓮の炎に包まれた大坂城内で切腹しようとする真田大助を思いとどまらせたのが、加藤清正が見出した豪傑の荒川熊蔵。影武者を立てた大助は、熊蔵とともに薩摩へと落ち延びる。

 南海もスッと本題へ。薩摩と長州の間を取り持った坂本龍馬は、持ち前の人柄で物資や輸送手段を調達し、商人としての手腕を発揮する。お龍と結婚した龍馬は大政奉還の後、京都の近江屋の二階で刺客に殺されてしまう。最後に司馬遼太郎の小説『龍馬がゆく』の最後の一説を紹介。

 南湖はマクラに楽屋暖簾の話や、昨年・今年と花粉の季節にラオスへ行った話。
 村上兄弟との果たし合いで、中津川勇範の卑怯な仕業で討たれた菅野六郎衛門。遅ればせながら高田馬場へ駆けつけた中山安兵衛は、六郎衛門の無残な姿に怒り心頭。祝杯を挙げていた村上兄弟や勇範らをバッタバッタと斬り捨てる。


 インフルエンザが猛威をふるった 1 週間でしたが、みなさん無事に大団円を迎えました。あっと云う間って感じでした。
 主任の南湖さんは、何度か口演している「高田馬場十八人斬り」で、見事な緩急と抜群の安定感。しっかりとトリを務められました。
 皆勤のお客さんには席亭からのおみやげ付き。私もいただきましたが、ただでさえ通し券は激安なのに、うれしいやら申し訳ないやら。

 実は今回の公演は 大阪文化祭 に参加されていて、この日の客席にはその審査員が数名来られてたそうです。定期開催されている続き読みの会を最終日だけで評価できるのか?と云う疑問もなきにしもあらず。観客動員だけで判断されないことを祈ります。

 第 10 回となる次回『葉月一週間』は 8 月 15 日(土)より 1 週間の開催となります。番組は、南青『荒木又右衛門』、南湖『片桐且元』、南海『上方講談物語』、となっております。おたのしみに!

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講談毎日亭 皐月一週間

2009/5/20 @雀のおやど

  • 旭堂南青 『真田大助』
  • 旭堂南海 『坂本龍馬』
  • 旭堂南湖 『中山安兵衛』

※ 6 日目


 インフルエンザもどこ吹く風、きょうもきょうとて雀のおやどへ。お客さんの方は少し減って 12 人ほど。これまで皆勤だった方が数名脱落。まぁ最近はほかにもいろいろ会が多いですから、仕方ないかも。


 南青はこの日、難波から鶴橋まで歩いてきたそうで、すれ違うマスクの女性に色香を感じ、マスクの男性は変態に見えるそう。「南湖兄さんはいつもマスクしてるんですよね」。
 駿府の徳川家康から兄の真田伊豆守を送り込まれた大坂城の真田幸村は、息子の真田大助を駿府に送り込む。妖刀村正を携えた大助は共の者を振り切り、単身駿府城へ。家康殺害に失敗した大助は捕らわれるが、幸村を恐れた家康は大助を大坂へ帰す。

 南海はマクラ代わりに『神田愛山独演会』や『TORII 講談席』の宣伝をしてから本編へ。
 勝海舟の一番弟子になった坂本龍馬は、商社の設立に奔走する。薩摩と長州との間に立たされた龍馬は、商社の立場で薩長同盟に一役買う。幕末の志士が続々と登場。

 南湖はマクラで、講談師としてのこれまでの 10 年を振り返り、これからの 10 年を標榜する。ゴールデン・ウィークの東京道中記も。
 菅野六郎衛門に恥をかかせてやろうとして逆に恥をかかされた村上兄弟は、中津川勇範の入れ知恵で六郎衛門に果たし合いを吹っ掛ける。六郎衛門は死ぬ気で果たし合いに挑む。六郎衛門からの手紙を受け取った中山安兵衛は高田馬場へ急行するも、すでに叔父の六郎衛門は無残な姿に。


 いずれも「いよいよ大団円」と云うところまで。とくに南湖さんの『中山安兵衛』は山場中の山場、高田馬場十八人斬りですから、最終日だけでもどうぞ。

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講談毎日亭 皐月一週間

2009/5/19 @雀のおやど

  • 旭堂南青 『真田大助』
  • 旭堂南海 『坂本龍馬』
  • 旭堂南湖 『中山安兵衛』

※ 5 日目


 相も変わらず雀のおやどへ。お客さんは少し増えて 20 人ほどの入りに。


 南青はマクラに 八尾グランドホテル での営業のエピソード。普段は大衆演劇が上演されてる会場で休演日に講談を演るそうだが、かなりキツいよう。この日も営業を終えての会場入りだったそう。
 目立たぬようにうまく大坂城へ入った真田幸村。それを知った駿府の徳川家康は、幸村の兄である真田伊豆守を大坂城へつかわす。家康の計略を察知した幸村は、息子の真田大助を駿府へ送り込む。

 南海は幕末の元号について、冗談まじりに少し解説してから本編へ。勝海舟と出会った坂本龍馬は海外への思いを強くする。海軍塾を開く資金を無心するため、海舟の指示で松平春嶽をたずねた龍馬は、百両借りようと云うところを五千両借りて帰る。その後の長州や薩摩の情勢を挟み込み、海舟の紹介状を持って龍馬はある人物のもとへ。

 前日の打ち上げで南海から「もうちょっと遊んだら」とアドバイスされたそうで、マクラに叶姉妹のティーパーティーに行った話。叶姉妹にまったく興味のない南湖は食べ放題のケーキをむさぼってたそう。
 中山安兵衛を放り出した菅野六郎衛門は、その実力を松平左京大夫に買われて剣術指南役として雇われる。しかしそこには、指南番としてすでに村上兄弟がいた。六郎衛門の存在を快く思わない村上兄弟は、六郎衛門に釜割りをするよう仕掛けるも、逆に恥をかかされる。これが遺恨となって高田馬場の決闘へと発展する。


 最終日へ向けて、それぞれ徐々に盛り上がって参りました。ここらあたりが続き読みの魅力ですね。あと 2 日ですが、ここからでも十分たのしめますよ。

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講談毎日亭 皐月一週間

2009/5/18 @雀のおやど

  • 旭堂南青 『真田大助』
  • 旭堂南海 『坂本龍馬』
  • 旭堂南湖 『中山安兵衛』

※ 4 日目


 折り返し点の 4 日目は平日で、しかもインフルエンザの影響もあってか、ちょっと減って 12 人くらいの入り。1 人を除いて通し券のお客さんだったそうです。入場料収入は少なかったようですが、南海さんの DVD が文字通り飛ぶように売れてました。


 南青はインフルエンザに対する考察から本編へ。
 いよいよ真田幸村が大坂城へ向かうと、それまでいた九度山の住まいは大爆発。大坂城では豊臣秀頼が幸村を軍師として迎える準備を始める。

 南海は加古川市の観光大使に選ばれたそう。仕事は、作ってもらった名刺を配りまくることだけらしい。
 土佐勤王党を抜けて脱藩した坂本龍馬は、またも江戸へ向かう。そこでアメリカまで船で行った勝海舟と出会う。海舟から世界の話を聞いた龍馬は、海舟とともに海軍、すなわち海援隊の設立に動き出す。

 南湖のところへ大阪市から「公演されるのか?」との問い合わせがあったそう。「初めてのトリで会が中止になると《講談界の歌之助》と呼ばれるようになるかも」。
 職を失った安兵衛は、喧嘩の仲裁で相手をだますように飲み食いをする生活。そんな折、叔父の菅野六郎衛門に拾われ、六郎衛門の道場で師範代を勤めることに。しかし飲酒がみつかってしまって放り出される。


 次回以降、南青さんは幸村の大坂入城、南海さんは海援隊設立、南湖さんは村上兄弟との遺恨と、みなさん山場へ向けての展開。インフルエンザに負けてる場合ではないですね。

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講談毎日亭 皐月一週間

2009/5/17 @雀のおやど

  • 旭堂南青 『真田大助』
  • 旭堂南海 『坂本龍馬』
  • 旭堂南湖 『中山安兵衛』

※ 3 日目


 日曜日の昼なんですが、あいにくの雨に加えてインフルエンザ騒ぎのせいもあってか、当日のお客さんが伸びずに 15 人ほどの入り。ほとんど通し券のお客さんだったようです。
 開演前にお客さん同士で「通し券 5 千円は安い」「7 千円でも良い」「1 万円でも安い」「電車賃もバカにならんやろうから、ウチへ泊まったらええよ」等々、料金について勝手に議論してました。


 楽屋へ客席の料金談義が聞こえていたようで、南青は「勝手に値段を決めているようで。でも、宿付きはやめてください」。
 大坂城の後藤又兵衛の命で、六部に扮した明石全登が真田幸村のもとへ。しらせを受けた幸村は九度山を降り、商家へ碁を打ちに行く。

 南海は前日に脱藩の話が脱糞の話で脱線したためか、坂本龍馬が脱藩にいたるくだりを再度詳しく。この後、いよいよ江戸で勝海舟に出会うと云うところまで。筆まめだった龍馬が姉の乙女に宛てた手紙や、西郷隆盛のエピソードも絡めつつ。

 南湖はマクラでアニメ『戦国 BASARA』の話。講談以上に荒唐無稽とのこと。
 中山安兵衛が樋口十郎左衛門に師事する際、5 年の禁酒を約束させられる。修行中に師匠の十郎左衛門が亡くなり、その息子が十郎左衛門を継ぐ。その後、禁を破って酒を飲んだ安兵衛に腹を立てた十郎左衛門は安兵衛を破門。安兵衛は道場破りで生計を立てるようになる。


 とくに南湖さんは前日が山場だっただけに、この日は谷場をゆるりと。
 南青さんはとうとう真田幸村の大坂城入りとなりそうですし、南海さんも坂本龍馬と勝海舟の出会いとなりそうですから、次回は山場ですね。

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桂つく枝改メ五代目桂文三襲名披露興行

2009/5/16 @なんばグランド花月

  • 桂かい枝 「秘伝書」
  • 桂文珍 「天王寺詣り」
  • 林家染丸 「豊竹屋」 《踊り》「奴さん 姐さん」
  • 桂春團治 「代書屋」
    ―― 中入り ――
  • 《桂つく枝改メ五代目桂文三襲名披露口上》
  • 月亭八方 「住吉駕籠」
  • 桂三枝 「お忘れ物承り所」(作:桂三枝)
  • 桂文三 「堪忍袋」


 とうとうつく枝さんが文三さんになる日がきました。なんばグランド花月での襲名興行はこれが初めてだそうです。
 正直、キャパ 900 の会場が埋まるのか心配でしたが、それも杞憂で、立ち見も出る盛会に。指定席にもかかわらず、入場を待つお客さんが早くから列ばれてました。
 1 階席後方にカメラが多数入ってましたから、会場にこられなかった方も何らかの形で観られるかもしれませんね。


 まずは弟弟子のかい枝が露払い‥‥と云いたいところだが、大舞台での緊張からか「文三改メつく枝」を連発。ネタの方は「秘伝書」を軽くトントンと。

 文珍は「師匠(桂文枝)がよく演られてたネタを‥‥」と「天王寺詣り」を。全体に荒い印象だが、現代のクスグリを入れて笑わせたり。

 染丸は「豊竹屋」を小気味良く演ってから、色変わりに「奴さん 姐さん」を踊っておめでたい雰囲気を盛り上げる。

 中トリの春團治は「祝いのし」だろうと思ってたら、意外にも「代書屋」を。依頼客が「女郎買いに行った日」と云ったあとの代書屋の表情が秀逸で、たっぷり溜めてからの「あんた、アホと違うか」に感情乗りまくり。

 中入りを挟んで、襲名披露口上。下手側より司会の桂きん枝、染丸、三枝、文三、春團治、八方、文珍の並び。
 噺家の口上だけに、文三のことを上げたり下げたり、下げたり上げたりで、春團治からも笑みがこぼれる。八方の「文三君は優しいそうで、踏切で子犬を助けたり、地下街でおばあさんを案内してやったり、そんなエピソードは一切ないんですが」に、三枝が『新婚さんいらっしゃい!』ばりのコケで応える。
 春團治は紀伊國屋文左衛門が《花の文左》と呼ばれたこと引いて、「立派な《花の文三》と呼ばれるよう、ご贔屓くださいますようお願い申しあげます」。
 最後は春團治の音頭で大阪締め。

 八方は「すぐ済みます」を連呼して「住吉駕籠」を酔っ払いの途中まで。細部も端折った印象だが、酔っ払いの繰り返しを駕籠屋が云い返す立て弁は八方の真骨頂。

 口上でも涙ぐんでいた三枝は、ここでも泣き出しそうに。気を取り直して自作の「お忘れ物承り所」を、これも間を抜いて短めに、それでもきっちり笑わせる。

 万雷の拍手に迎えられ、文三としての初高座は、きん枝とともに桂米朝宅へ挨拶に行ったときのおもしろ話から、得意のダイエット話へとマクラをつなぎ、強烈な夫婦喧嘩から始まる「堪忍袋」を。マクラはやや走り気味だったが、ネタに入ると頃加減に安定。堪忍袋に吹き込むリアルな不満は最新版で。終始笑いの多い、にぎやかな高座に。


 ええ会でした。
 口上はこう云う場でしか聴けませんが、とくに今回は吉本のトップの噺家が集結し、事務所の枠を超えて春團治師匠が華を添えると云う豪華なもの。文三さんがトリのマクラで「きん枝兄さんがいると、どんな場もカジュアルになる」と云われてたとおり、リラックスした雰囲気になって、それがまた文三さんのお人柄に合ってたと思います。
 文三さんは数週間前にゲスト出演されたラジオで「当日のネタはもう決めてます」と云われてましたが、得意ネタでガッチリ笑わせてくれました。大ネタで決めるんではなく、笑いの多いネタを選んだところに、文三さんの立ち位置がうかがえますね。

 開演が 19 時半と遅めで、終演は 22 時過ぎに。外はまだ小雨でした。

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講談毎日亭 皐月一週間

2009/5/16 @雀のおやど

  • 旭堂南青 『真田大助』
  • 旭堂南海 『坂本龍馬』
  • 旭堂南湖 『中山安兵衛』

※ 2 日目


 土日は昼席。予報は雨でしたが、傘もいらない程度の小雨で助かりました。
 ちょっと天気は悪かったんですが、土曜日と云うことでか、開演直前にこられるお客さんも多く、入りは 25 人ほどに。


 南青はマクラで実弟の話。この春に大阪芸術大学へ入学し、将来は芸能関係の裏方で働きたいそうで、「ひょっとしたら S 企画で働いてるかも」。
 真田大助が村人を助けたところを、浅野長晟の間者に見られる。長晟の指令で真田幸村・大助親子を密偵に行った間者が逆に捕らえられ、幸村の説得で霧隠才蔵として幸村に仕えることに。ここに真田十勇士が誕生する。

 南海はマクラたっぷり。師匠の三代目・南陵と高知旅行であちこち回ったとき、南陵が重要文化財の民家の便所でこっそり用を足したと、脱糞の話から本編の脱藩の話へ。
 坂本龍馬は江戸で剣術修行をするも、黒船来航で攘夷を唱える連中に疑問を覚えて故郷の土佐へ戻る。そこで姉の乙女に薦められ、絵師の河田小龍に師事。再び江戸へ行くも、土佐勤王党の考え方に疑問を抱き、脱藩を考え始める。

 南湖もマクラいろいろ。南青の話を受けて、大阪芸術大学の話や S 企画の N 社長の話など。
 茶店で隣り合わせた老侍が持っていた薬入りの印籠を、思わず持ち出してしまった中山安之助。この老侍が安之助の祖父・中山安左衛門で、安左衛門は印籠に金子を入れて安之助に持たせてやる。その夜、目の前で盗人に父親を殺された安之助は、その場で無我夢中で仇を討つ。天涯孤独となった安之助は、祖父を頼って越後へ。そこで祖父の養子となり、名を安兵衛と改め菅野六郎衛門に師事し、侍として成長する。


 みなさんマクラからたのしく、上方講談らしく要所で笑いも入り、たっぷりの 2 時間でした。南湖さんは 2 日目で最初の山場でしたが、比較的あっさり演られた印象でした。

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講談毎日亭 皐月一週間

2009/5/15 @雀のおやど

  • 旭堂南青 『真田大助』
  • 旭堂南海 『坂本龍馬』
  • 旭堂南湖 『中山安兵衛』

※ 1 日目


 恒例の旭堂 3 人組による続き読みの会です。今回、昼興行は土日のみと云うことでサラリーマンでも行きやすく、しかも南湖さんが『赤穂義士銘々伝』から堀部安兵衛の若かりし頃をトリで語ると云うことで、通しで行く気で参戦です。
 入りは 15 人ほどで、南湖さんによるとご新規さんはおられなかったそうな。


 南青は真田幸村の息子の大助の話。
 歴史的には 15 歳で切腹したとされるが、講談では切腹したのは影武者で、本人は薩摩へ落ち延びた‥‥と云うことを導入に。父の幸村は九度山で阿呆のように過ごしており、大助は悪たれ小僧で泥だらけの毎日。

 南海は坂本龍馬の話。
 そのルーツをたどると明智光秀につながるそう。龍馬が生まれる前に母親の夢を見て、生まれたときに馬のたてがみのような毛が背中に生えていたことから、龍馬と名付けられた。姉の乙女に厳しく育てられた話をたっぷり。

 南湖は赤穂浪士の堀部安兵衛の若い頃、中山安兵衛の話。
 中山安左衛門の息子の安太郎は真面目な男だったが、ひょんなことから芸者の小さんと恋仲となり、小さんが妊娠したことをきっかけに駆け落ち。その後に生まれた子どもを安之助と名付け、これが後の安兵衛。若くして母の小さんは亡くなり、父の安太郎も病気がち。幼い安之助が日銭を稼いで父親の薬を手配するが‥‥。


 続き読みらしく、いずれも主人公の誕生から。みなさん 1 週間の続き読みのペースをつかまれてるようで、ゆるりとした感じのスタートでした。

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らくご道 笑福亭生喬と桂こごろうの落語会

2009/5/14 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 笑福亭生寿 「兵庫船」
  • 桂こごろう 「仔猫」
  • 笑福亭生喬 「愛宕山」
    ―― 中入り ――
  • 生喬・こごろう 《対談:夕焼け日記》


 この日は出張でまったくあきらめてたんですが、思わず会議を中座することができて、ひさびさに出張先から直行。
 今回はハメモノ入りの日でしたが、相変わらず入りは 30 人ちょっと。


 開口一番の生寿は「兵庫船」。国の訊ね合いでは州づくしに川づくし、言葉遊びでは鼠づくしに謎掛けと、珍しいところもいろいろ入って 20 分超。

 こごろうの「仔猫」はこの日が 2 回目の口演で、たしかにカミカミの場面もちらほら。それでもこごろうらしく細部に手を入れ、怖さ・妖しさのなかにも全体にやわらかい雰囲気。

 生喬はいつものように最近の日常話をマクラに「愛宕山」を。幇間の一八・茂八が兄弟分と云うことや大坂でのしくじりを加えて、噺を立体的に。傘を手に崖を飛び降りた一八が我に返って「金!金!」と強欲な様が秀逸。

 中入りを挟んで、対談コーナー。
 生喬は「兵庫船」を桂春若に付けてもらったそうで、生寿には前座で時間調節に使えるよう、そっくり伝授したそう。
 こごろうの「仔猫」は桂枝雀の音源をもとに独自に覚えたそう。最後の女子衆が告白する場面の演出について、五代目・笑福亭松鶴や笑福亭由瓶の例も紹介して考察。
 生喬の「愛宕山」については、幇間の演出についてあれこれ。以前、生喬が「愛宕山」を演ったときのアンケートに「幇間に見えませんでした」とあったと紹介すると、こごろうは「その人も幇間、見たことないと思うで」。


 今回は 3 席ともたっぷり。とくに生喬さんの「愛宕山」が秀逸。相変わらず充実した会で、これで 1,200 円ですから、お値打ちですね。

 次回は 6 月 23 日(火)です。

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“夢”露の新治寄席

2009/5/12 @天満天神繁昌亭

【さん喬・新治 二人会】

  • 笑福亭喬介 「犬の目」
  • 露の新治 「ちりとてちん」
  • 柳家さん喬 「百川」
    ―― 中入り ――
  • 千田やすし 《腹話術》
  • 柳家さん喬 「短命」
  • 露の新治 「鹿政談」
  • 《ごあいさつ》

※ 第 1 回


 なかなか観る機会のない新治さんが繁昌亭で会をされると云うことで、しかも東京からさん喬さんを迎えての二人会ですから、ちょっと気になってました。なのにうっかりしてたら前売りがかなり捌けてて 2 階席からに。前売り完売で補助席も出る大入りです。


 まずは喬介が露払い。いくつか小咄を演って拍手をもらってから「犬の目」を。三喬テイスト満点でたのしい高座。

 会主の新治の登場にあちこちから声が掛かり、万雷の拍手。新治は「なんか、リサイタルみたいな感じ」。
 「ちりとてちん」はよく聴く桂南光の型ではなくあっさりした印象だが、芸が細かい。物喜びする男を迎えるのにまずお茶とこんぺん糖(金平糖)を出したり、長崎名物ちりとてちんの肩に斜めに「元祖」と付け加えるときに箱(に見立てた手拭い)を斜めにずらしたり。終盤の物喜びしない男の逡巡も引っ張り気味でおもしろい。

 さん喬ファンも多数詰めかけてたようで、あちこちから「待ってました!」と声が掛かる。「百川」は先日、鈴本演芸場で観たところだが、四神旗の丁寧な解説を導入に、町内の連中の威勢の良さが心地良く、百兵衛の「うぅひゃ!」はたのしい。たっぷり。

 中入りを挟んで、千田やすしはおなじみヒカルくん(男児 5 歳)との腹話術。

 さん喬の 2 席目は、バカとアホを引用しつつ言葉の持つニュアンスについて考察してから「短命」へ。亡くなった大店の婿についての詳細はなく、こちらは上方で聴くのと比べてあっさりした味わい。

 新治の 2 席目は、師匠の五郎兵衛も好きだった川柳の話から、奈良の名物につないで「鹿政談」へ。豆腐屋の真面目さや奉行の秘めたる優しさがしっかり伝わる。

 口演を終えた新治がご挨拶。ちょうど 5 年前のこの日に甲状腺の摘出手術をしたそうで、この度の会は 5 年目を節目にと開いたとのこと。
 ゲストのさん喬や、遊びにきていた芸人を舞台へ招き入れて、盛大な手拭い撒きでお開きに。


 高座の内容ももちろんですが、新治さんを応援するお客さんのあたたかさで会場が包まれた、スゴく雰囲気の良い会でした。もっともっと新治さんが観たくなりました。

露の新治を育てる会

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できちゃったらくご!

2009/5/11 @動楽亭

  • 《オープニング》
  • 旭堂南湖 「ヨーグルト」
  • 笑福亭たま 「母をたずねて三千円」
  • 桂三金 「奥野君の激ヤセ」
  • 月亭遊方 「いらちの相談室」
    ―― 中入り ――
  • 桂三風 「集まれ!ブラックエンペラー」
  • 桂あやめ 「婿をたずねて百三十万円」
  • 《エンディング》

※ 新世界に移った第 3 弾
※ すべて自作ネタ(仮題)


 憂鬱な月曜日から抜け出すべく動楽亭へ。今回は久々にできちゃったメンバー 6 人が全員ネタおろしと云う触れ込みです。
 お客さんはわりと早めに集まられてて、ザッと 50 人ほどの入り。


 最初に南湖が登場して「できませんでした」。残りのメンバーが登場し、出演順を決めるジャンケン大会。遊方は声が出しづらそうで、ジャンケンもすんなり。

 トップはネタができなかった南湖。 叶姉妹のティーパーティーへ行った話 をマクラに、東京遠征の話からヨーグルトの話へとつなげる。名古屋やだんごで話していたネタで、かなり繰れて流れもすっきり。

 たまは落語会に来られる女性に対する考察をマクラに、結婚の話へとつないでネタへ。父子家庭の父と息子が亡くなった母親の遺骨から復顔を試みる噺。母親の墓がある一心寺へ行くと「天王寺詣り」みたいな展開で「寿限無」「天神山」「立ち切れ線香」「お見立て」なんかをクスグリにコラージュ。

 三金は時間つなぎに最近のヒーローショーの裏話をたっぷり。
 ネタは相変わらず奥野君シリーズ。ある朝、奥野君が目覚めると、なぜか体重が 65 kg に激ヤセしていた‥‥って噺。カフカの「変身」をモチーフにしたそうで、「体重計が見える!」とか「寒い!」とか、なんでもないことを喜ぶ奥野君がおかしい。

 中トリの遊方はやっぱり声が出にくそう。できちゃったメンバー、とくにたまや南湖にダメ出しし、さらに観客にもダメ出し。
 ネタは、早呑み込みで人の話を聞かない悩み相談員の噺。矢継ぎ早に適当なことをパーパー云う相談員が楽屋ネタを持ち出すと「そう云うギャグは笑福亭たまさんとか柳家喬太郎さんに任せてんねん!」。

 中入りを挟んで、三風は最近の世間の傾向で集団行動を好まないと云う事例として、メーデーや慰安旅行や修学旅行をあげ、最近は暴走族も減ってきた‥‥とネタへ。還暦を迎えた暴走族のメンバーが米寿のリーダーを見舞いに行く噺。深夜でなく早朝に集まって、なんだか健康的。最後の暴走では下座からもできちゃったメンバーによるエンジン音が。

 トリのあやめは、ネタの骨子をまとめてからしばらく寝かせ、当日の昼頃から台本制作に取りかかったそう。
 婚活に励むアラフォー女 2 人の噺で、結婚相談所に登録して「もうどんな男でもええ!」とばかりに結婚を目指す。身の上話や結婚の目的がリアル過ぎる。笑ってええのか!?!?
 サゲを何パターンか考えてたそうで、今後の整理と成長に期待。

 最後に全員登場してエンディング。次回の招待券の抽選会も。


 みなさん手堅くまとめてきた感じで、グダグダ感もなく最後まで。それでもやっぱり 6 席あると 2 時間半くらいになりますね。次回は遊方さんが MC に回られるそうなんで、2 時間ちょいくらいになりそうです。
 遊方さんのノドの調子が気になります。お大事に‥‥。

 次回は 7 月 29 日(水)です。

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南湖だんご 旭堂南湖話術研究会

2009/5/8 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 旭堂南湖 『難波戦記』より「真田の入城」
  • 旭堂南湖 『名医伝 藪井玄意』より「按摩の玄意」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南湖 『赤穂義士銘々伝』より「杉野十平次と俵星玄蕃」

※ 45


 中 1 日で南湖さんの会へ。開演前に会場へ入ると旭堂南舟さんが「道具屋吉兵衛」を語られてました。本来の意味での前座で、意欲的な姿勢に感心しました。
 お客さんは 11 人でツ離レ。


 まずはたっぷりのマクラ。母の日についてから始まって、東京公演の顛末や、レイヴやパーティー(ダンス・ミュージック系のイベント)の初体験など、最近の話題をおもしろおかしく。パーティーではナンパされたそうな。

 1 席目は『難波戦記』の真田幸村の話へ。最近『育っちゃったらくご!』と『南湖十番勝負』で聴いて、そのときは阿呆のふりをしていた幸村が高野山から大坂城へ向けて奮起するところまでだったが、今回はその後。幸村を馬鹿にする織田有楽斎と大野道犬斎が出迎えるも、ことごとく幸村とは別人があらわれる。行軍の描写や人違いの連続など、緊張と緩和の繰り返しがおもしろい。

 そのまま 2 席目の『名医伝 藪井玄意』へ。京都から大坂へ下る三十石の船中で苦しむ男を助けた藪井玄意は、その男の世話で按摩となって貧乏人を助ける。大坂で流行った疫病が京都にまで拡がり‥‥。超の付く善人の玄意の活躍に心あらわれる。

 中入りを挟んで『赤穂義士銘々伝』から杉野十平次の話。蕎麦屋に扮して吉良邸の様子を探る十平次が、槍の名手の俵星玄蕃と出会う。玄蕃が吉良上野介に召し抱えられることを知った十平次は‥‥。吉良邸討ち入りを成功に導いた陰の功労者の話で、討ち入りが別視点から立体的になり、娯楽の少なかった時代には喜ばれたであろうことがよくわかる。


 東京・名古屋の遠征興行で手応えを感じていたのか、南湖さんの語りに余裕が感じられました。同時に、この会のスタイルも固まってきたように思います。
 「真田の入城」は名古屋からの中 1 日で前・後編を聴いた格好になりましたが、ぜひ通しで聴いてみたいですね。もちろんその後も気になりますが。

 7 月は会場が押さえられなかったそうで、次回は 9 月 11 日(金)です。
 そしてそして、なんと 10 月には 3 日連続の特別興行が。こちらの日程は 10 月 29 日(木)~ 31 日(土)です。

正直南湖

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今池末広亭講談会 南湖十番勝負

2009/5/6 @今池 玉寿司 末広の間

【笑福亭たま・旭堂南湖 二人会】

  • 旭堂南舟 『太閤記』より「角屋船の由来」
  • 笑福亭たま 「火焔太鼓」
  • 旭堂南湖 『赤穂義士銘々伝』より「中山安兵衛、高田馬場十八人斬り」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭たま 「近日息子」
  • 旭堂南湖 『難波戦記』より「真田の入城」

※ 第一番


 名古屋で南湖さんの会がスタート。南湖さんとゲストの二人会形式になるようです。初回のゲストは、玉寿司の大将が店名にちなんでぜひにと、たまさんを指名されたそう。
 玉寿司へは初めてうかがいましたが、建物の 3 階の 32 畳の座敷に 20 人ちょっとのお客さん。途中から大将も客席に来られてました。


 まずは南舟が露払い。緊張のためか、自己紹介もせずに語り始める。徳川家康が干し鰯を積んだ船の底に隠れての関所越え。終盤はなかなかの緊迫感。

 たまはこの日「時うどん」と「くっしゃみ講釈」を予定していたそうだが、たまを観たことのある観客が多く、名古屋で演ったことのない「火焔太鼓」に変更。マクラ代わりにショート落語を新旧織り交ぜて、ここから観客の反応は良い。たまアレンジの強い「火焔太鼓」もツボツボでしっかりウケる。

 しっかりあったまったところで南湖が、派手な花柄のカーテン生地の着物で登場し、まずは十番勝負に向けての所信表明。母の日の話や波照間島の話、ゴールデン・ウィークの東京遠征での話など、いろいろと話題をつなぎ、唐突に中山安兵衛の話へ。そのなかでも山場中の山場、高田馬場の決闘のくだりを。序盤は笑いを交えつつ、ぐず安あるいは呑兵衛安とよばれた安兵衛がカッと目を見開いて高田馬場へ駆けつける場面は圧巻。

 中入りを挟んで、たまの 2 席目は S 企画の N 社長の云い間違いのおもしろエピソードをマクラに「近日息子」を。云い間違いを謝らない男にキレる男に焦点を絞った演出で、テンション高い。

 トリの南湖の 2 席目は、花粉症から逃れるために行ったラオスの話から、唐突に真田幸村の話へ。阿呆のふりをしている幸村のヌケ具合がたのしく、終盤で真の姿をあらわした幸村の様子を描写した修羅場読みが心地良い。


 南湖さんはたっぷり、たまさんは二人会ながら講談会のゲストと云うことでリラックスした風で、おふたりの良いところが上手い具合に出た会でした。なのにお客さんが少なめだったのがもったいなかったですねぇ。大将には宣伝に力を入れていただきたいと思います。

 次回は秋頃に開催の予定です。

正直南湖
今池落語倶楽部
今池 玉寿司

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大須演芸場 皐月上席

2009/5/6 @大須演芸場

  • 雷門福三 「雀とり」
  • かつら竜鶴 《三味線漫談》
  • 横山ともや・たきや 《上方漫才》
  • 柳家三亀司 《江戸曲独楽》
  • 雷門幸福 「真田小僧」
  • 星まゆみ 《美人演歌》

※ 1 巡目


 ひさびさに名古屋遠征。小雨の降るなか、いつものように 割引券 を持って大須演芸場へ。この日発売のチケットがあったんで名古屋駅のチケットぴあへ寄って、ちょっと時間を潰してたら開演に間に合わず。
 お客さんは、最初は 10 人ほどでした。


 福三がマクラ代わりに小咄を演ってるところで入場。ネタの「雀とり」(?)は「鷺とり」の前半部分。江戸が舞台で、まかれた酒漬けの米を最初に食べに行くのは上方の雀。

 三味線漫談の竜鶴は、ソーラン節やのんき節。声は良いが客あしらいが悪い。

 ともや・たきやは横山たかし・ひろしの弟子で松竹芸能所属の漫才コンビ。臨機応変さに欠ける印象だが、後半は超能力をネタに客いじりを交えて笑いにつなげる。

 三亀司はボヤきつつの曲独楽。妙技の羽織渡りは一発で決める。お見事!

 幸福は前日の《こどもの日》にちなみ、子どもの小咄から「真田小僧」を。独特のクサめな語り口。

 トリの星まゆみは歌謡ショー。途中で客席に降りてくるサービスぶり。


 相変わらずのゆるゆるした雰囲気で、まぁこれが大須でしょう。納得ずくで観に行ってますから。三亀司さんの曲独楽は必見です。(トークはちょっとキツいですが‥‥)
 次があったんで 1 巡したところで退散。帰る頃にはお客さんが 30 人くらいに増えてました。これまででいちばんの大入りです。

 小雨もあがり、大須から今池へ移動。

なごやお笑い寄席 大須演芸場

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堂島 nagomi 倶楽部

2009/5/4 @堂島倶楽部

  • あやめ・あさ吉 《対談》
  • 桂あさ吉 「世帯念仏」
  • 桂あやめ 「コンパ大作戦」(作:桂あやめ)

※ 第 1 回


 あやめが主任の、会員制シガー・バーでの落語会。堂島ロール付き。

 あやめセレクトのイケメン落語家がゲストで、第 1 回はあさ吉。対談コーナーでは、あやめの引き出し術もさることながら、あさ吉のマクラのおもしろさがトークにも。

 落語は二人とも定番ネタ。

 堂島ロールを目当てに(?)月亭遊方、桂三金、林家染雀、桂ぽんぽ娘、笑福亭笑子らの姿も。


堂島倶楽部

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春狂言 2009

2009/5/3 @大槻能楽堂

  • お話:茂山あきら
  • 筑紫奥つくしのおく 出演:茂・童司・丸石
  • 子盗人こぬすびと 出演:千之丞・あきら・網谷
  • 寝音曲ねおんぎょく 出演:千作・千三郎

※ 第 1 日目 夜の部


 初狂言。思ってた以上に台詞も聞き取れ、ある程度ストーリーも把握できる。

 人間国宝の千作は、立ったり座ったりこそ後見の介添えが入るも、台詞はしっかり客席まで届く声量。


お豆腐狂言 茂山千五郎家
能 狂言 ホームページ

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花花寄席

2009/5/3 @ヨシモト∞ホール OSAKA

  • 桂さろめ 「東の旅・発端」
  • 桂三四郎 「大安売」
  • 林家笑丸 「ほうじの茶」
  • 小泉エリ 《マジック》
  • 明石家のんき 「まんじゅうこわい」
    ―― 中入り ――
  • かまいたち 《漫才》
  • 桂あやめ 「セールスウーマン」(作:桂あやめ)

※ 第 57 回


 初のんきをお目当てに。バッチリのリーゼントが強烈なインパクトだが、「まんじゅうこわい」はオーソドックス。口演機会が少ないと思われ、細部にアラも見受けられたが、それでもなかなかの好感触。

 この日は他の出演者もお好みで、当たりの日。


花花寄席日記
ヨシモト∞ホール OSAKA

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彩(irodori)寄席 異人館で聴く上方落語

2009/5/2 @旧・グッゲンハイム邸

  • 笑福亭たま 「火焔太鼓」
  • 桂阿か枝 「天災」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭たま 「伝説の組長」(作:笑福亭たま)
  • 桂阿か枝 「崇徳院」

※ 第 3 回


 定員 70 名がほぼ満席に。
 会場は神戸の洋館。丸テーブルに緋毛氈を敷いて高座に。

 たまの 1 席目は阿か枝を持ち上げてから「火焔太鼓」を。テンション高い。
 2 席目はマイクを外し、阿か枝からのリクエストでショート落語をいくつか演ってから、自作の「伝説の組長」を。ハメモノが入らないと、後半がチとさびしい。

 阿か枝の 1 席目は「天災」。いらちの男が意外にええ感じ。
 2 席目の「崇徳院」は、高座に上がった段階で終演時間を過ぎていて、導入部を端折りつつ、それでも中盤以降はきっちりたっぷり。

 阿か枝とたまではかなり雰囲気が違い、なかなか良い組み合わせ。


彩り日記 colorful diary
旧グッゲンハイム邸

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