“夢”露の新治寄席
2009/5/12 @天満天神繁昌亭
【さん喬・新治 二人会】
- 笑福亭喬介 「犬の目」
- 露の新治 「ちりとてちん」
- 柳家さん喬 「百川」
―― 中入り ―― - 千田やすし 《腹話術》
- 柳家さん喬 「短命」
- 露の新治 「鹿政談」
- 《ごあいさつ》
※ 第 1 回
なかなか観る機会のない新治さんが繁昌亭で会をされると云うことで、しかも東京からさん喬さんを迎えての二人会ですから、ちょっと気になってました。なのにうっかりしてたら前売りがかなり捌けてて 2 階席からに。前売り完売で補助席も出る大入りです。
まずは喬介が露払い。いくつか小咄を演って拍手をもらってから「犬の目」を。三喬テイスト満点でたのしい高座。
会主の新治の登場にあちこちから声が掛かり、万雷の拍手。新治は「なんか、リサイタルみたいな感じ」。
「ちりとてちん」はよく聴く桂南光の型ではなくあっさりした印象だが、芸が細かい。物喜びする男を迎えるのにまずお茶とこんぺん糖(金平糖)を出したり、長崎名物ちりとてちんの肩に斜めに「元祖」と付け加えるときに箱(に見立てた手拭い)を斜めにずらしたり。終盤の物喜びしない男の逡巡も引っ張り気味でおもしろい。
さん喬ファンも多数詰めかけてたようで、あちこちから「待ってました!」と声が掛かる。「百川」は先日、鈴本演芸場で観たところだが、四神旗の丁寧な解説を導入に、町内の連中の威勢の良さが心地良く、百兵衛の「うぅひゃ!」はたのしい。たっぷり。
中入りを挟んで、千田やすしはおなじみヒカルくん(男児 5 歳)との腹話術。
さん喬の 2 席目は、バカとアホを引用しつつ言葉の持つニュアンスについて考察してから「短命」へ。亡くなった大店の婿についての詳細はなく、こちらは上方で聴くのと比べてあっさりした味わい。
新治の 2 席目は、師匠の五郎兵衛も好きだった川柳の話から、奈良の名物につないで「鹿政談」へ。豆腐屋の真面目さや奉行の秘めたる優しさがしっかり伝わる。
口演を終えた新治がご挨拶。ちょうど 5 年前のこの日に甲状腺の摘出手術をしたそうで、この度の会は 5 年目を節目にと開いたとのこと。
ゲストのさん喬や、遊びにきていた芸人を舞台へ招き入れて、盛大な手拭い撒きでお開きに。
高座の内容ももちろんですが、新治さんを応援するお客さんのあたたかさで会場が包まれた、スゴく雰囲気の良い会でした。もっともっと新治さんが観たくなりました。
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