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月亭遊方・林家染弥の蔵出し!うちわ話

2009/7/30 @高津の富亭

※ 第 5 回


 毎回たのしみな遊方さんと染弥さんのトーク企画。今回は先日襲名されたばかりの桂文三さんを迎えて、襲名についていろいろ訊くと云う趣向です。
 徐々に噂が拡がってるのか、この日は 50 人超の入り。


 最初にホストの遊方と染弥が登場してごあいさつ。初めての人向けにコンセプト《和民の座敷》を解説し、文三を迎え入れる。文三と染弥はかなり仲が良く、遊方がちょっと焼いてる感じ。
 まずは音楽バラエティー『新堂本兄弟』風に文三への一問一答から。染弥と遊方が用意した質問を次々と。襲名前のエピソードなども交え、このコーナーだけで 1 時間近くに。
 チラシやブログで募集されていたファンからの文三への質問コーナーや、恒例の小芝居コーナーも。紙コップにビーチボールを載せた簡易ウソ発見器による質問コーナーでは、揺さぶりを掛けるツッコんだ質問が次々と。
 最後は徐々に襲名にまつわる話に流れ、文三の「名前は変わっても中身は変わりません。小さい勉強会も続けますので、ぜひ足をお運びください」とのコメントが印象的。


 同じ吉本で顔を合わす機会も多いだけに、気心が知れてる感じが伝わってきました。それゆえ 2 時間超に。たっぷり文三なうちわ話は、最後はマジモードに突入し、ええ話を聴かせていただけました。
 降ってわいた襲名で、文三さん自身もいまだに戸惑っておられるようですが、新しい文三像を築いていただければと思います。

 次回は 10 月 5 日(月)です。

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繁昌亭昼席

2009/7/30 @天満天神繁昌亭

  • 桂さん都 「子ほめ」
  • 桂しん吉 「桃太郎」
  • 笑福亭遊喬 「看板の一」
  • AKO 《マジック》
  • 桂団朝 「短命」
  • 月亭可朝 「次の御用日」
    ―― 中入り ――
  • 千田やすし 《腹話術》
  • 森乃福郎 「手水廻し」
  • 桂三金 「お忘れ物承り所」(作:桂三枝)
  • 笑福亭松喬 「花筏」

※ 第 149 週


 久々に平日の繁昌亭昼席。お目当てはもちろん可朝さんです。
 開場前は当日券でも固定席に座れてたようですが、最終的には補助席も出てました。昼席も土日以外ならフラッと入れるようになってきたみたいですね。


 前半、さん都から団朝までそつなく。ただ、「子ほめ」「桃太郎」「看板の一」と、似た傾向のネタが続いたのは気になる。

 “芸者ワルツ”の出囃子にのって可朝の登場。「ようこそいらっしゃいました。いやぁ、ほんまにねぇ」に始まって、得意の選挙やストーカーの話など、自虐ネタをゆるゆるとたっぷり。何度か聴いた話もあるが、寄席空間にマッチしたしゃべりが心地良い。
 「米朝の一門ですから古典落語を‥‥」と「次の御用日」を。奇をてらった入れ事もなく、ごくオーソドックスに。天王寺屋藤吉の「あーっ!」と云う奇声に迫力はなかったが、独特の語り口で引き込まれる。

 中入り後も三金までトントンと。

 トリの松喬はこの日の出演者をいろいろといじりながら、三金から相撲の話へとつないで「花筏」へ。登場人物がクッキリとしていて、とくに千秋楽の取組が発表されて以降の展開をグイグイと、たっぷりの一席。


 トップから徐々に盛り上がり、中トリとトリで大きな山がくると云う、なんとも理想的な番組でした。この日にこられたお客さんはお得だったと思います。
 可朝さんはストーカー事件から初めての昼席でしたが、相変わらずのおもしろさでした。今後もますますたのしみです。

 それにしても、なんでおばちゃんは持ち物に鈴を付けたがるんですかね。扇子に付けてるおばちゃんがいて、チリチリチャラチャラ耳障りでした。

天満天神繁昌亭

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できちゃったらくご!

2009/7/29 @動楽亭

  • 《オープニング》
  • 桂三金 「変わったお仕事」
  • 桂三風 「芸は人なり」
  • 笑福亭たま 「新品累額縁しんぴんかさねがくぶち
  • 桂あやめ 「あなたのためならどこまでも」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南湖 「アザラシ」
  • 月亭遊方 「彫刻の腕」
  • 《エンディング》

※ 第 47 回
※ すべて自作のネタ下ろし


 動楽亭に 40 人ほど。『できちゃった』はこれくらいで定着してきたのかも。


 オープニングの出演順決めジャンケンはなかなか決まらず。ネタができていなかった三風は三金にプレッシャーを掛けてトップを免れる。必死に台本を覚えながら悪あがきしていた遊方はトリに。

 三金は仕事で屋久島へ行ったときの話をマクラに、営業の実体験を落語化した、聞いてた仕事の話がどんどん変わる噺。入り時間から食事から宿泊からどんどん変更される、あり得そうな展開が気の毒でおもしろい。

 三風はマクラで北海道旅行の話をたっぷりしてから、とある噺家の一門会の打ち上げの噺。酔っ払ってワチャワチャはありがちだが、噺家の一門と云う設定にリアリティーがあっておもしろさ倍増。

 たまは「19 世紀のヨーロッパのお噺を‥‥」と前置きして「ちょっとあんた、あんた」。腕のある額縁職人の夫と、絵を描き始めた妻の噺。額縁よりも絵の方に注目が集まるようになり‥‥と云う展開を、地噺を中心に。ダジャレ。

 あやめは《彦八まつり》で上映予定の映画の脚本を落語に仕立てて。噺家協会の会長選挙で師匠に票を集めるべく弟子があちこちの一門の事始めの会場を訪問する。出てくる噺家のキャラが立ちまくりで、ここらはあやめならでは。半ばまでの予告編。

 中入りを挟んで、南湖はマクラで皆既日食を見に行った話や富士登山の話をたっぷりしてから、エベレスト登山の噺。エベレスト登頂の志し半ばにして他界した妻の代わりに、アザラシとともに頂上を目指す夫。荒唐無稽な展開だが、実話かと思わせる語り口。

 トリの遊方は美術館での噺。彫刻の腕を折ってしまったが、それを気に入った人が出てきて‥‥ってな感じのてんやわんや。まだまだ未整理部分が目立つも、遊方らしいドタバタ感がたのしい。

 最後に全員そろってエンディング。『育っちゃったらくご!』や『桂三枝一門会』の招待券プレゼントも。


 新作と云えども落語 6 本+αで、たっぷり 3 時間の会に。今回は偶然同趣向の噺が多かったですが、ここらも『できちゃった』ならではですね。
 デブネタでない三金さんはひょっとすると初めてだったかもしれませんが、かなりおもしろかったです。南湖さんのはムリヤリ作ったのかもしれませんが、不思議な雰囲気でした。

 次回は 9 月 27 日(日)です。

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お笑い怪談噺の夕べ

2009/7/28 @天満天神繁昌亭

【ホンモノのユーレイも出まぁーす!】

  • 笑福亭たま 「Hospital」(作:たまよね)
  • 林家染雀 「腕喰い」
  • 桂米左 「猫の忠信」
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南鱗 「応挙と幽霊の花魁」
  • 笑福亭福笑 「真田山慕情」(作:笑福亭福笑)

※ Vol. 3


 福笑さんの会談噺の会も今年で 3 回目。あわてて買ったら昨年と同じプログラムの方でした‥‥。まぁ福笑さんの新作が偽古典風で印象も良かったんでかまわないんですが‥‥。
 出張先から直行。客席は 1 階席が 8 割くらいの入り。


 たまの「Hospital」は久々。かなり繰れてて笑い所が多い。看護婦長のすさまじい登場シーンが怖くておもしろい。

 染雀は怪談を口演したときの失敗談をマクラに、林家の御家芸で「腕喰い」を。落語の「ろくろ首」を怖くしたような噺で、とくに後半の芝居掛かった雰囲気がなかなか。

 米左はいつもの自虐的マクラから「猫の忠信」へ。ネタ下ろしだった昨年に比べると、全体の流れが格段に良くなった印象。

 中入りを挟んで、南鱗が「応挙と幽霊の花魁」をたっぷり。応挙が描いた幽霊画のモデルとなった花魁の行く末、哀れな末路。

 照明が少し落とされ、トリの福笑はマクラでたっぷり笑わせてから「真田山慕情」へ。僧侶と密通する元芸妓の噺を、地噺でぼそぼそと語り込む。徐々に暗くなり、クライマックスで暗転。舞台の脇には生首(三味線の吉崎律子)が、客席後方からは幽霊(染雀)が。幽霊が使う脅かしアイテムのコンニャクには、醤油とだしの素をセットにプレゼント。


 昨年と同プログラムと云うことで、かっちりした印象でした。とくに中入り後はネタ的に怪談特集の色合いが濃くなり、雰囲気もあって良かったです。

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繁昌亭昼席

2009/7/26 @天満天神繁昌亭

  • 林家染太 「動物園」
  • 桂文鹿 「延陽伯」
  • 露の吉次 「一眼国」
  • 千田やすし 《腹話術》
  • 桂文昇 「二人癖」
  • 桂都丸 「宿題」(作:桂三枝)
    ―― 中入り ――
  • 旭堂南海 「秀吉と利休」
  • 三遊亭圓丈 「新・がまの油」
  • 桂よね吉 「芝居道楽」
  • 桂雀三郎 「ちしゃ医者」

※ 第 148 週


 東京からのゲスト・圓丈さんをお目当てに繁昌亭昼席へ。日曜日は相変わらず大入り満員です。


 トップの染太は定番の「動物園」を、導入部をうまく端折ってコンパクトに。

 文鹿は観客を持ち上げつつ「延陽伯」を、こちらも風呂屋のくだりを抜いてコンパクトに。独特のやわらかさが心地良い。

 吉次は幽霊とお化けの違いをマクラに「一眼国」を、ごくごくコンパクトに。

 千田やすしの腹話術はヒカルちゃんといつもの“六甲おろし”を。

 文昇は電話の口癖などの軽いマクラから「二人癖」を軽快に。

 中トリの都丸は、ボケやツッコミが日常に浸透している大阪の特異性をマクラに、上手い流れで「宿題」へ。口慣れたもんで、初めて聴くようなクスグリも入ってたり、ツボツボで笑いがポンポンと。

 中入りを挟んで、南海が講談でご機嫌うかがい。講談解説のマクラから笑わせつつ、豊臣秀吉と千利休の話。秀吉のダメッぷりがなんともおかしい。

 ここでお待ちかねの東京からのゲスト、圓丈が登場。マクラは押したり引いたりの緩急でグイグイ客を引き付けて入った「新・がまの油」は、従来のがまの油売りの口上を披露してから「これが現代になるとちょっと違う」と現代版へ。くだらないギャグのてんこ盛りで、正直ベースのがまの油売りの「お詫びをして訂正を‥‥」がおもしろい。

 強烈なアクの圓丈のあとでやや演りにくそうなよね吉は、ゆるゆるっと空気を変えつつ、歌舞伎の大向うの解説から「七段目」を短く再構成した「芝居道楽」を。相変わらずクサさ満点。以前に聴いたときよりサゲがスッキリ整理されている。

 トリの雀三郎は、職業の話から医者の話へとマクラをつないで「ちしゃ医者」へ。赤壁周庵先生のおとぼけキャラがたのしい。時間を気にしてか、後半は割合あっさりと。


 お目当ての圓丈さんは、おもしろかったですねぇ。理屈っぽいマクラや本編でのクスグリの組み立てなど、大阪にはいないタイプです。(東京にもいないタイプかもしれませんが)
 この日は全体的に良い雰囲気で、トップからトリまで徐々に盛り上がる良い構成だったと思います。

天満天神繁昌亭

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花花寄席

2009/7/25 @ヨシモト∞ホール OSAKA

  • 桂三幸 「普請ほめ」
  • 笑福亭たま 「伝説の組長」(作:笑福亭たま)
  • $10 《漫才》
  • 林家染弥 「千両みかん」
    ―― 中入り ――
  • 桂文三 「悋気の独楽」
  • おしどり 《音曲漫才》

※ 第 70 回


 大阪へ向かう電車のなかで猛烈な豪雨になってかなり焦りましたが、難波へ着くとパラパラの小雨になってて助かりました。
 お客さんの方は 70 人くらいで、悪天候のわりにはちょい多めでした。
 この日もきらりんが前説。オーディション用の 2 分のネタも披露。


 三幸は「幸せを呼ぶ男の不幸漫談」をマクラに「普請ほめ」を。きっちり丁寧で、独特の雰囲気がたのしい。最後に株で失敗したおっさんに穴埋めの方法を教えてサゲ。
 普請をほめに行ってから、上り框あがりがまちのくだりが飛んでしまったのが残念。ラジオ放送はどうなる!?!?

 三幸と色まで同じポリエステルの着物で登場したたまは、マクラ代わりにショート落語いろいろ。思ったほどウケず「新作のつもりできたんですけど、古典しましょか?」。
 気を取り直して「伝説の組長」を。先斗町のいづもやのギャグがグダグダになってしまったが、夢のくだりでハメモノも入り、構成はかなり繰られてかっちりした印象。ほぼ完成型かも。

 ライヴで $10 の漫才は初めて。短いネタの数珠つなぎで、わらいもしっかり、時間もきっちりはさすが。かなりおもしろい。

 染弥は「千両みかん」をきっちり丁寧に。夏にみかんを探す番頭の苦労を出すのに、もうちょっとタメがほしいところ。今後に期待させる一席。

 中入りを挟んで、おしどりと出番順を変わった文三が登場。このあと NGK で大喜利の出番があり、トリでは間に合わないからだとか。
 「悋気の独楽」は女中のお竹が猛獣のような恐さ。ところが後半、丁稚の定吉が独楽を回し始めると、定吉が御寮人に殴られそうになってるかのようなリアクション。かなりバイオレンスな演出。

 トリ、と云うか、バラシで登場のおしどりは、いつもながらにぎやかに。おなじみのネタから、最後はパントマイムでインディー・ジョーンズ。


 個人的に最初から最後までハズレなしの番組で、かなりお得感が高かったです。

花花寄席日記
ヨシモト∞ホール OSAKA

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月亭会

2009/7/24 @アークカルチャースタジオ

  • 月亭八方 《ごあいさつ》
  • 月亭八斗 「色事根問」
  • 月亭遊方 「オーサカ・シネマロケンロール」(作:月亭遊方)
  • 月亭八方 《漫談》
  • 月亭八天 「仔猫」

※ 第 11 回


 普段は日曜の昼に開催される『月亭会』ですが、今回は初めて平日の夜開催。エントランスが暑くて開場待ちだけで疲れてしまいましたが、開場をちょっと早めてくれて助かりました。
 キャパ 80 の会場はほぼ満席で、20 歳前後の若いお客さんもチラホラ。もっとも、相変わらず近所のおばちゃんが多かったですが。


 定刻スタートで、まずは八方がごあいさつ。番組紹介などをごく軽めに。この日は八天がトリであることを事前にお断り。

 八斗はやや緊張気味ながら、軽口を交えた自己紹介から前回同様「色事根問」を。ネタに入ると声も大きくハキハキと。

 遊方は「僕にはトリは回ってきません、新作ですし」と、やや自嘲気味。
 テレビの仕事をしていた若い頃には顔を指されたと云う話から映画の話へとマクラをつないで「オーサカ・シネマロケンロール」へ。大阪のたこ焼き屋で東京からのスタッフが映画撮影する噺。撮影スタッフにやたら絡むたこ焼き屋の亭主と女房がおもしろ過ぎ。参加型の野次馬も大阪らしい。

 八方は関西圏外へ行ったとき、現地で「大阪はどんなところですか?」と訊かれて「アホみたいなところですわ」と応えると「どんな?」と訊かれ、ついついネタをしゃべってしまう‥‥ってな話から、北海道へ行ったときの話など。北海道も最北は寒さも想像以上で、「小便が凍る」「声が凍る」「火事が凍る」と、「鉄砲勇助」のくだりで話をまとめる。

 ネタ下ろしを予定していた八方が覚えきれず、八天が当日にトリを云い渡されたそう。マクラもそこそこに「仔猫」を。急なことで仕方なかろうが、言葉の端々にやや緊張が感じられ、全体のリズムも悪い印象。それでも田舎弁のおなべの独特の雰囲気や、終盤の緊迫感などをたっぷりと。


 八方さんが漫談だったのは残念でしたが、普段 4 千円の NGK で演ってるネタを 2 千円で観られたってことを考えると、逆に得だったのかも。

アークカルチャースタジオ

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瓦林寄席

2009/7/22 @極楽寺本堂

【俊譽上人十三回忌追善】

  • 桂吉の丞 「軽業」
  • 桂佐ん吉 「田楽喰い」
  • 桂吉坊 「花筏」
    ―― 中入り ――
  • あさ吉・吉弥・しん吉・浅野美希(三味線) 《お囃子紹介》
  • 桂よね吉 「天災」


 地元の吉坊さんを中心に定期的に開催されている『瓦林寄席』ですが、今回は吉朝一門が全員集合と云うことで久々に行ってきました。
 お客さんは本堂いっぱいになって、おそらく定員の 100 名近く入ってたと思います。立地がかなり不便(JR「甲子園口」駅・阪急「西宮北口」駅から徒歩 15 分)と云うこともあってか、顔付けのわりには落語ファンの姿はまばらで、近所の檀家さんが集まった感じです。
 番組情報はなにもなく、誰が出てくるかはおたのしみ。


 まずは吉の丞が登場し、楽屋に観客の雰囲気を伝えつつ、子供が多かったんで簡単な落語解説から。そのさなかに携帯電話が鳴るも、それをいじりつつ笑いに変える余裕も。
 気を取り直して「私もなにを云うてるかわかりませんから」と「軽業」を。物売り屋台から、もぎ取りは《一間の大イタチ》と《取ったり見たり》で短めに。しっかりした口跡で安定感のある高座。

 つづく佐ん吉は、まだ羽織が板に付いてない印象。逆に「田楽喰い」の方は板に付いてきた印象で、かなり繰れてておもしろさアップ。とくに町内の連中のキャラがそれぞれ立ってて、にぎやかな雰囲気に。終盤の立て弁もスムーズで、笑い多し。

 中トリは吉坊。着物姿で駅まで向かう途中、すれ違った女子高生に「お相撲さん?」と間違われた話で笑いを取りつつ、相撲ネタで「花筏」を。あんな小さな身体でも力士の雰囲気が出てくるから不思議。(正確には力士に扮した提灯屋の雰囲気か) 終盤、走り気味になってしまったのが残念。

 中入りを挟んで、あさ吉、吉弥、しん吉が登場し、お囃子紹介コーナー。司会は吉弥。師匠の吉朝の指示で、あさ吉は笛を、吉弥は鼓を、訳もわからず習いに行かされたそう。
 舞台上で二番太鼓の「シャギリ」を打ったあと、浅野美希(三味線)を招いて出囃子の「石段」「三下りカッコ」「外記猿」「猩々」を演奏。とくに「外記猿」は笛が入ると雰囲気が変わって、また違った印象に。
 つづいてハメモノ紹介。「蛸芝居」の三番叟を吉坊の実演で、「皿屋敷」の道中~お菊登場を佐ん吉の実演で。
 最後に長唄の「連獅子」から狂いのところを。

 トリはよね吉。前のお囃子紹介が長過ぎるとボヤきつつ、それでもたっぷり演る宣言。やけくそ気味のマクラに会場にも笑いのうねりが。
 米朝宅に内弟子修業してるとき、米朝夫人のちょっとした一言に米朝がキレた話をマクラに「天災」へ。端々に師匠の吉朝を彷彿とさせる。短気な男のキャラにブレが感じられるも、終盤の盛り上がりはなかなかで、笑いの多い一席に。


 やっぱり吉朝一門は芸達者ですね。落語もさることながら、お囃子紹介もたっぷりたのしませていただきました。
 開場・開演前に下のロビーでお茶とお菓子のおもてなしもあり、これで 1,000 円はお値打ち。とくにご近所さんならぜひおすすめしたい会です。吉坊さんが番組編成されてますから、初心者でも安心な気がします。

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夏休み文楽特別公演

2009/7/19 @国立文楽劇場

【国立文楽劇場開場二十五周年記念】

【第 1 部 親子劇場】

  • 五条橋ごじょうばし
  • 文楽へのご案内
  • 化競丑満鐘ばけくらべうしみつのかね
    • 箱根先化住居の段

【第 2 部 名作劇場】

  • 生写朝顔話しょううつしあさがおばなし
    • 宇治川蛍狩りの段
    • 明石浦船別れの段
    • 浜松小屋の段
    • 嶋田宿笑い薬の段
    • 宿屋の段
    • 大井川の段

【第 3 部 サマーレイトショー】

  • 天変斯止嵐后晴てんぺすとあらしのちはれ
    • 第一 暴風雨
    • 第二 窟の中
    • 第三 浜辺
    • 第四 森の中
    • 第五 元の窟の中
    • 第六 元の森の中
    • 第七 元の窟の中

※ 第 115 回


 夏休みの文楽公演は 3 部構成で、とくに第 1 部は子ども向けに比較的わかりやすい演目があります。しかも今年は第 3 部にシェイクスピア作品が用意されてて、ちょっと毛色が違いますね。
 1 日かけて通しで観ましたが、第 1 部はほぼ満席、第 2 部は 9 割入り、第 3 部は 7 割入りって感じでしょうか。土曜日と云えど、やっぱり文楽は昼間の方が入ってます。


 第 1 部は『五条橋』から。牛若丸と弁慶の立回りで、ストーリーがわからなくてもたのしめる演目で、華やか。
 『文楽へのご案内』は、簡単な解説から体験コーナー。今回は 3 人遣いではなく 1 人遣いで簡単な立回りを。小学生の奮闘ぶりは、観ててもたのしい。
 『化競丑満鐘』は、妖怪がいろいろ出てきて単純な話かと思いきや、世話物の様相。ストーリーはやや無理があるものの、ろくろ首がとにかく見もの。

 第 2 部の『生写朝顔話』は世話物。「嶋田宿笑い薬の段」では、毒薬を飲まそうとして逆に笑い薬を飲まされてしまう、なんともおマヌケな展開。おもしろいが、笑い話で済まされるのか?との疑問も。
 最後はちょっと良い展開。死人が出ないのは、文楽としてはめずらしいかも。

 第 3 部の『天変斯止嵐后晴』は、シェイクスピアの『テンペスト』が原作。緞帳が上がると三味線方がずらりと並び、三味線と琴の演奏で「暴風雨」を表現。これはなかなかの演出。
 ザックリ云うと「国政の絡む兄弟喧嘩」で、方術(魔術)やら妖精やらが登場し、なんとも不思議な雰囲気。ただ、舞台が森林や洞窟で絵的に暗く地味な印象。最後はあっさり和解してハッピーエンド。


 第 1 部と第 3 部は約 2 時間、第 2 部は約 4 時間で、入替えや休憩を含めて約 10 時間の公演でした。相変わらず長い‥‥。
 やはり第 2 部が良かったと思います。人間関係もさほど複雑ではなかったですし、初心者でも理解しやすい筋立てだと思います。第 1 部や第 3 部は、内容は理解しやすいと思いましたが、めずらしい演目と云うことでマニア向けな印象でした。

国立文楽劇場

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「鶴瓶噺」を 7gei で

2009/7/18 @第七藝術劇場


 たまたまチケット発売前に情報をキャッチし、鶴瓶さんの会が 2,800 円なら安めだと思って手配しました。発売日の朝にチケットぴあで 60 番台でしたから、一瞬で完売だったと思います。
 当日は整列位置に「131 番~」と云う表示もありましたから、それ以上は入ってたんだと思います。座席数は 96 ですから、それ以上は補助席か立ち見に。


 5 分ほど押しで映画 『ディア・ドクター』 の予告編のあと、鶴瓶が普段着(?)で登場。ダイエット後に腰痛が出たそうで、舞台には椅子が用意される。最初はマイクを使ってしゃべっていたが、5 分ほどして「マイクいらんでしょ。これで聞こえなんだら噺家辞めなあかん」と地声で。
 ほとんど段取りはなされてないようで、主催者からの指示は「映画の話を」とだけだったそう。主演した『ディア・ドクター』や、吉永小百合と共演した 『おとうと』 の話題を中心にいろいろと。時折、感極まって涙ぐむ場面も。中村勘三郎とのエピソードなど、笑わせる話もサービス。


 鶴瓶さんおひとりで約 90 分、たっぷりって感じでした。とくに『ディア・ドクター』に対しては思い入れが強いようで、プロモーションに東奔西走されてるようです。ちょっと観に行きたくなりました。

笑福亭鶴瓶公式サイト つるべ.net
7gei-spirito
第七藝術劇場

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新世界ネタ下ろし売り市場!

2009/7/17 @動楽亭

  • 桂さろめ 「犬の目」
  • 桂あやめ 「危険な女たち」(作:桂あやめ)
  • 林家小染 「算段の平兵衛」
    ―― 中入り ――
  • 笑福亭鶴笑 「彦八出世物語」(作:笑福亭鶴笑)
  • 桂あやめ 「猿後家」

※ 第 1 回


 この日から始まった、あやめさんと小染さんのネタ下ろしの会。パラパラと小雨の降るなか、お客さんは 40 人くらい。


 開演前の二番太鼓で笛の音がほとんど出てないと思ったら、さろめの初披露だったそう。これもネタ下ろしか。
 落語の「犬の目」もネタ下ろしで、噛んだり詰まったりぎくしゃく。それでも明るくサゲまで。笑福亭生喬が東京弁風に翻訳しながら稽古を付けたそう。

 あやめの 1 席目は、バブル全盛期の余興がいかに派手だったかを紹介してから、その頃に作った「危険な女たち」を。アラフォー世代の 2 人の主婦がディスコへ行く噺で、現代向けに「ホテルの 80 年代リバイバル企画のディスコへ行く」と云う設定にリライト。主婦のおばちゃんノリがたのしい。

 小染はこの会のチラシの写真をグチりつつ、出演者の年齢の話をし始めると、袖からあやめが飛び出してきて「うるさいなあ!」。
 ネタ下ろしの「算段の平兵衛」は、やや言葉が多い印象。このネタでサゲは初めて。

 中入りを挟んで、ゲストの鶴笑もネタ下ろし。パペットなしの無防備で出てきたことをアピールしてから「定吉! 定吉!」と始まり、いきなり袖へ引っ込んだかと思ったら、大きなボストンバッグを下げて再登場。どこが無防備やねん!
 客席の前まで降りてきて、輪を使ったジャグリングや抜け技(紙、ハンガー、拘束服)を披露し、旦那と丁稚が大道芸を観ていた体で、この大道芸人が米沢彦八だった‥‥と云うのがオチ。

 あやめは「いまのは落語に入れていいんでしょうか。また上方落語協会で話し合わなければなりませんねぇ」。
 ネタ下ろしの「猿後家」は、登場人物のキャラクター設定などにあやめらしい味付けがなされているも、後家にベンチャラする男の奈良の名所案内がたどたどしいのが残念。


 ネタ下ろしの会でしたが、古典なんでグダグダ感は少なかったと思います。鶴笑さんは繁昌亭用の試運転と云う印象でしたが、それもまたおもしろかったです。
 あやめさんの「猿後家」は立て弁に課題ありでした。「口入屋」の女中もそうですが、とにかくこれは稽古量と口演数がもろに効いてくるところだと思います。今後に期待、ですね。

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月亭遊方のカジュアル古典

2009/7/16 @動楽亭

  • 月亭遊方 《随想・らくごの○○》
  • 月亭遊方 「うなぎや」
  • 桂文華 「遊山船」
    ―― 中入り ――
  • 遊方・文華 《トーク》
  • 月亭遊方 「稲荷俥」

※ 第 2 回


 暑いなか、早くから開場待ちの列ができてて、開演の頃には 50 人ほどの入りに。動楽亭は久々でしたが、山台が低くなってました。


 まずは遊方が落語に対する思いを語るコーナー。今回は《落語のアレンジ》についてあれこれ。三遊亭圓丈の著作 『ろんだいえん』 が新作派を持ち上げまくりなことに始まって、遊方自身が古典を演る上でのアプローチやギャグを追加するときのポイントなど。おもしろエピソード満載で、それでも先輩(師匠の月亭八方や笑福亭福笑など)の言葉を織り交ぜながら持論を展開。おもしろくもなかなか興味深い。

 遊方の 1 席目は、食にまつわるあれこれをマクラに「うなぎや」を。鰻屋の主人がウナギを追いかけて山台を降りて舞台の袖へ引っ込んだり、腕ほどもある太いウナギを座布団で押さえ付けたり、文字通り七転八倒。女将の懐にウナギが飛び込む場面は大人向け。おもしろ過ぎ!

 文華は開口一番「どうなんでしょう」。オープニングの古典のアレンジの話や「うなぎや」のウケ具合で、とにかく演りにくそう。やけくそ気味に自身の落語論・落語観を展開。
 気を取り直し、夏の思い出から「遊山船」へ。約 4 年ぶりとのことだが、口跡良く夏の風情もしっかりと。「屋形船の障子が閉まってるのは顔を指すから」と云う説明で「親子茶屋」のくだりを掴み込んだり。

 中入りを挟んで、「稲荷俥」のマクラ代わりのトークは《神信心》について。大黒天の使いはネズミ、毘沙門天の使いはムカデ、人間の使いはパシリ。出番前の拝礼や、参拝時の賽銭の額など、おもしろおかしくあれこれ。

 遊方は以前「稲荷俥」を演る前に桂米朝に挨拶に行き、そのとき「稲荷俥」は米朝が復活させたネタだと知らず「このサゲ、落ちてないと思うんですよ」と云ったことから 2 時間ほど話し込んだそう。
 その「稲荷俥」は、遊方らしいクスグリをあちこちに追加し、大金を俥に忘れた客が俥屋のドンチャン騒ぎの様子をうかがう場面を拡大し、もちろんサゲも変えて。後半がやや冗長に感じられるが、整理されればおもしろいコメディーに仕上がりそう。


 落語もトークもたっぷりで 2 時間半近くに。おなかいっぱいです。とくに文華さん、普通に演ってシュッと降りりゃええもんを、アウェイの空間でもがく様子がなんともおかしかったです。

 次回は秋頃の予定です。

遊方 FOR YOU!

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平穏亭 桂あさ吉お噺会

2009/7/12 @Gallery HAY-ON-WYE

  • 桂咲之輔 「平林」
  • 桂雀喜 「鷺とり」
  • 桂あさ吉 「高津の富」

※ 第 12 回


 お昼に移った平穏亭に初めておうかがい。この会も徐々に浸透してきたようで、さほど広くない会場に 30 人ほど入って大入り満員です。


 トップの咲之輔を観るのはおそらく 2 度目。いろいろとマクラを振るも、しどろもどろな感じで、観客へのタメ口が気になる。ネタの「平林」に入るとそれなりだが、大雑把な印象。

 つづく雀喜はマクラで、自身のホームページを通じて久留米から営業の依頼を受けたときの話や、雑誌『サライ』の落語特集の話など。観客をつかみかねたか、古典か新作かをアンケートし、古典で「鷺とり」。基本は桂枝雀の型で、酔っぱらったスズメが電線マン音頭を踊ったり、捕まえたサギのなかにアフラックのアヒルが混じってたり、こまかいクスグリがたのしい。

 あさ吉はまず 7 月 3 日~ 5 日に『桂南光独演会』に出演したときの話。なぜか英語落語を指定され、事務所に確認すると色物枠だったそう。その打ち上げで行ったふぐ料理屋で、南光と鍋奉行対決に。鍋のあとの雑炊がそれぞれまったく違う味わいのものに仕上がり、最後はあさ吉を認めた南光とガッチリ握手して別れたそう。次は 12 月に再戦の予定だとか。
 「高津の富」は桂吉朝の型だが、やはりあさ吉だけにザックリした印象。悪人のいない感じが心地良い。


 やっぱりあさ吉さんのマクラはおもしろいですねぇ。とくに今回のは最新エピソードで、南光さんとあさ吉さんの料理へのこだわりが『美味しんぼ』を彷彿とさせました。次の対決も気になります。

 次回は 9 月 6 日(日)です。(彦八まつりの日ですけど‥‥)

桂あさ吉@ブログ
Gallery HAY-ON-WYE

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染雀 雀喜 花舞台

2009/7/11 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)

  • 桂さろめ 「軽業」
  • 林家染雀 「足上がり」
  • 桂雀喜 「まんじゅうこわい」
    ―― 中入り ――
  • 桂雀喜 「犬の目」
  • 林家染雀 「堀川」

※ 第 1 回


 前回から染雀さんの勉強会は二人会形式になりましたが、お相手は毎回変わるようです。で、今回のお相手は雀喜さん。あさ吉さんからの推薦だそうで。
 入りは 70~80 人ほどと大入り。


 開口一番のさろめは「軽業」。もぎ取りは《一間の大イタチ》と《取ったり見たり》で、ややちぐはぐ感が。軽業小屋へ入ってからはやや安定。

 染雀の 1 席目は、マクラに彦八まつりの早耳情報を。4 回ある落語会も桂あやめ実行委員長がいろいろと企画を進めてるそう。
 繁昌亭での『お笑い怪談噺の夕べ』向けに用意した「足上がり」をネタ下ろし。きっちりと、終盤の芝居の真似事もたっぷり。

 雀喜の 1 席目は、自分は鳥が苦手、師匠の奥さんはゴキブリが苦手、と云う話をマクラに「まんじゅうこわい」を。怪談じみたくだりも入った全長版で、師匠の桂雀三郎のテイストが随所に感じられる。

 中入りを挟んで、雀喜の 2 席目は時間を気にして軽いマクラから「犬の目」を。こちらはかなりオリジナルな構成で、犬は患者の目玉で遊んで傷付けるだけで、それがサゲの仕込みに。漫画チックなサゲがたのしい。

 染雀の 2 席目は、楽屋に貼られた撤収時間厳守の張り紙を紹介してから「堀川」をたっぷり。師匠の林家染丸曰く「しんどいわりに笑いが少ない」そう。酒が道楽の男と火事と喧嘩が道楽の男の噺で、終盤は芝居がかり。めずらしい噺をたっぷりと。


 終演が 21 時 20 分過ぎで、撤収時間ぎりぎりまでたっぷりでした。落語が 5 席で、染雀さんはマクラもたっぷりですから、この会はどうしても長くなりますね。前座さんはなしでも良いかも。
 「堀川」はどっかで聴いた記憶があったんですが、笑福亭仁福が前半だけ演ってるのを観たことがありました。仁福さんも染丸さんに付けてもらったそうですが、最後まで覚えられなかったそうで、半ばまででした。

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花花寄席

2009/7/11 @ヨシモト∞ホール OSAKA

  • 笑福亭笑助 「時うどん」
  • 桂あやめ 「コンパ大作戦」(作:桂あやめ)
  • もりやすバンバンビガロ 《ジャグリング》
  • 笑福亭鶴笑 「梅次郎物語」(作:笑福亭鶴笑)
    ―― 中入り ――
  • ストリーク 《漫才》
  • 桂坊枝 「船弁慶」

※ 第 68 回


 この日はあやめさんに鶴笑さんが出演で、トリが坊枝さんの「船弁慶」と、なかなかの好番組。それでもお客さんは 30 人ほどと、チとさびしい入り。
 男女の若手コンビ・きらりんが前説。


 開口一番の笑助「時うどん」は二人ヴァージョン。前半にやや不自然さが感じられるも、後半はその不自然さが逆に笑いに。

 あやめはマクラで自身の落語との出会いを。六代目・笑福亭松鶴、四代目・林家小染、笑福亭福笑と云う、あとで考えると豪華な組み合わせの学校公演が初落語だったそう。
 「コンパ大作戦」は 30 代の女性が年齢を隠して年下の男性とコンパに挑む噺。繰れまくりで安定感抜群。

 もりやすバンバンビガロは初めて観たが、同じジャグリングも観客を使うと盛り上がる。

 鶴笑は開口一番「なんでこんなに少ないの?」。客をいじって引き込みつつ、保育園で演ったときの苦労話から、誰でも分かりやすい紙芝居を自作したと、紙芝居用の台を組み立て始める。
 「梅次郎物語」は昔話「桃太郎」のパロディの立体紙芝居。梅干から生まれた梅次郎がナマケモノとテングザルとサギをお供に鬼退治。パペット落語とは違い、独特のユルさが。

 中入りを挟んで、ストリークの野球漫才。生は初めてだったが、かなりおもしろくて 15 分があっという間。ネタがしっかりしてて、野球をさほど知らなくてもたのしめる工夫はさすが。

 トリの坊枝は自虐ネタから恒例の出演者評を。噺家だけでなく、ストリークやもりやすバンバンビガロについても。ネタ出ししていた「船弁慶」を演るか、もっと軽いネタを演るか、小学生の女の子にたずね、予定どおり「船弁慶」に。(彼女はただ「落語演って」って云ったように聞こえたが‥‥)
 その「船弁慶」は、とくに入れ事をすることもなく教科書的な構成だが、師匠の桂文枝を感じさせる口跡で、いかにも古典らしい風情が心地良い。大汗をかいての熱演をたっぷりと。


 どれを取ってもおもしろく、充実の会でした。ただ、お客さんが少なかったのが非常に残念で、しかも中入りで帰ったお客さんまでいて、なんとももったいなく思いました。

花花寄席日記
ヨシモト∞ホール OSAKA

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きん枝のがっぷり寄席

2009/7/6 @天満天神繁昌亭

  • きん枝・鶴瓶 《対談》
  • 笑福亭鶴瓶 「立ち切れ」
    ―― 中入り ――
  • 桂きん枝 「皿屋敷」

※ 五番勝負


 今回はゲストが鶴瓶さんと云うことで、あっと云う間に前売り券が完売したそう。大入り満員。


 鶴瓶からの提言で、きん枝の挨拶につづいてまずは鶴瓶との対談コーナーから。年齢は同じだが、高校卒業と同時に入門したきん枝が先輩で、大学を中退して入門した鶴瓶が後輩。それぞれの兄弟弟子や師匠のことなど。ふたりとも、自身の師匠には稽古を付けてもらっていないと云う共通点が。

 落語は鶴瓶から。お茶屋遊びの経験談や、中村勘三郎へのいたずらなど、お茶屋にまつわるおもしろエピソードから、時間をはかる線香 1 本が約 45 分だったことなどをマクラに「立ち切れ」を。基本ラインはそのままに細部にかなり手を入れて鶴瓶味に仕立てた感じだが、それが逆にわずらわしく感じられる場面が多い。番頭や女将に時折グッとくるセリフがあるだけに、全体的に残念な印象。
 客も悪い。鶴瓶目当てと思われる客はちょっとしたクスグリで大げさに笑う。ネタに入ってから携帯が鳴ったり、その電話に出るためか退席したり。

 中入りを挟んでのきん枝は、鶴瓶の「立ち切れ」を受けて桂米團治の失敗談いろいろ。もともと「まんじゅうこわい」を予定していたそうだが、夏と云うことでか「皿屋敷」に変更よう。
 その「皿屋敷」は 20 年ぶり 2 回目の口演だそう。こちらは基本どおりきっちり。途中、皿屋敷へ出掛ける前の酒盛りの場面で、六代目・笑福亭松鶴のエピソードをサービス。終盤、愛想の良いお菊が出てくるあたりで息切れしたか、流したようになってしまったのがなんとも残念。


 対談は 30 分ほどあって、たっぷりたのしませていただきました。お二人の芸歴からすれば、時間さえあればいくらでもしゃべれそうな雰囲気でした。
 鶴瓶さんの「立ち切れ」は初めてだったんですが、自分らしさを盛り込みたいと云う意欲は理解できるんですが、普通に演ってもらった方が響いてくる気がします。味付けはそのあとでも良いのでは?と思います。
 逆にきん枝さんは教科書どおり演られた感じで、こちらは好印象でした。口演を重ねれば最後まで完走できるようになると思います。

 次回は 10 月 6 日(火)です。ゲストは東京の三遊亭小遊三さんです。

落語家 桂きん枝の初めての子育て

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繁昌亭昼席

2009/7/6 @天満天神繁昌亭

【桂つく枝改メ五代目桂文三襲名披露特別興行】

  • 桂三幸 「初天神」
  • 桂阿か枝 「狸の賽」
  • 桂文華 「青菜」
  • 内海英華 《女道楽》
  • 笑福亭鶴瓶 「厩火事」
  • 桂三枝 「じいちゃんホスト」(作:桂三枝)
    ―― 中入り ――
  • 《桂文三襲名披露口上》
  • 笑福亭竹林 「仏師屋盗人」
  • 桂きん枝 「孝行糖」
  • 桂文三 「七度狐」

※ 第 146 週


 5 月 16 日に五代目を襲名された文三さんの、繁昌亭での披露興行へ。いろいろと勘案した結果、初日に行ってきました。繁昌亭前の 一枚看板 が雰囲気を盛り上げます。
 昼席も平日はぼちぼち入りやすくなってきたと聞いてましたが、さすがにこの日は立ち見も出る大入り。聞くところによると、この 1 週間の前売り券は完売だとか。


 まずは三幸が元気に「初天神」を、時間の都合で飴屋とみたらし団子屋のくだりだけ。イントネーションが気になるも、指をねぶりつつ飴を選ばせる父親が味見までするのが無茶でおもしろい。

 阿か枝は「狸の賽」。やはり襲名披露興行には化ける噺が付き物か。そつなく手堅く上手いが、引き芸と云えどももう少し声を張る必要はあろう。

 文華はクーラーのない夏の体験談で暑さを植え付けてから「青菜」を。先の阿か枝と比べると、なんともこってりした味わい。安定した口跡が心地良い。

 英華は都々逸や曲弾きで華やかに色を添える。

 ここで竹林の予定だった出番順を入れ替えて鶴瓶が登場。鶴瓶をライバル視する桂ざこばのエピソードなどでワッと沸かしてスッと「厩火事」へ。女房の心持ちの変化がかわいらしい。

 三枝が鶴瓶の主演映画を「デイ・サービス」と紹介すると、袖から鶴瓶が飛び出してきて「ディア・ドクター!」。そこから上手くマクラをつないで「じいちゃんホスト」へ。50 代の主婦が 65 歳から 85 歳までのホストが在籍するホストクラブへ。源氏名から笑わせる。観客参加型で、下座からも声が。

 中入りを挟んで、襲名披露口上。下手側より、司会の文華、きん枝、鶴瓶、文三、三枝、桂春之輔。それぞれ文三を上げたり下げたり、笑いたっぷり。

 文三の大学の先輩に当たる竹林は、自虐的マクラから「仏師屋盗人」。淡々としつつも立場の逆転がおもしろい。

 きん枝は文三と一緒に桂米朝宅へ襲名の挨拶に行ったときの話をマクラに、十八番の「孝行糖」をきっちりと。

 繁昌亭昼席で初めてのトリの文三に「たっぷり!」の声が掛かる。所信表明の挨拶から、「旅の噺を‥‥」と「東の旅」の「野辺」「煮売屋」のくだりから「七度狐」を。緊張からかやや荒い印象だが、喜六が食いしん坊と云う設定のクスグリがなんともおもしろい。


 豪華な出番でにぎやかで、さすがに特別興行は満足度が高いですね。少ないとは思いますが、たまたまチケットを買ったってなお客さんはかなりラッキーだったと思います。

桂文三の満腹日記
天満天神繁昌亭

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堂島 nagomi 倶楽部

2009/7/5 @堂島倶楽部

  • あやめ・瓶成 《対談》
  • 笑福亭瓶成 「いらちの愛宕詣り」
  • 桂あやめ 「営業一課の高田くん」(作:桂あやめ)

※ 第 2 回


 会員制バーでのあやめさんの会。今回のイケメン落語家は瓶成さんです。40 名くらい入ってほぼ満席。開場が遅れて開演まで 10 分ほどしかなく、会場スタッフもバタバタでした。
 今回はケーキセットかカクテルを選べたんですが、お客さんは女性が多くてカクテルをチョイスされた方はおられなかったようです。


 まずは対談コーナー。あやめのインタビューで瓶成の暴行事件・破門騒動の真相を詳細に。実際は痴話喧嘩程度だったそうだが、報道直後は取材攻勢が凄まじくノイローゼ寸前だったそう。その後は淀川へシジミ採りに行ったり、伊勢詣りをしたり。

 瓶成はマクラでおみくじの話。5 年ほど前に「吉凶不知よしあしいまだわからず」と云うめずらしいのが出て、その後 4 回連続「凶」が出て、次に「大凶」が出たそう。「わかったあるやん! 凶やん!」。
 「いらちの愛宕詣り」はオートバイが出てきたりするんで、おそらく鶴瓶の型。早呑み込みでおっちょこちょいで物忘れの激しい男がワチャワチャとたのしい。

 あやめは男性の有無で豹変する女性の実態を赤裸々に描写してから「営業一課の高田くん」を。見合いを数日後に控えた女の子が、会社で気になる男の子にアタックする噺。寿退社した先輩女性のしゃべりたい病が凄まじい。


 とにかく今回は対談コーナーが興味深かったです。瓶成さんの場合、事実を多角的に捉えないと真実は見えてこない典型のような事件だったようです。もっとも、相手の女性にも云い分があるでしょうし、それぞれの意見は平行線になるんでしょうけど。世の中、いろんなことがあるもんですね。
 落語もおもしろく、ロールケーキもおいしく、これでお値段がもう少し安ければ云うことなしなんですが。まぁちょっとの間だけはセレブな気分に浸れます。

堂島倶楽部

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演芸のつぼスペシャル 河内音頭のつぼ

2009/7/5 @上方亭 (ワッハ上方 小演芸場)


 ワッハ上方が定期的に開催しているイベント『演芸のつぼ』のひとつとして、河内家菊水丸さんの河内音頭が企画されました。
 会場からお客さんがあふれまくりで、軽く 100 人以上はいたと思います。近郷近在の菊水丸フリークが集まったと云う感じでした。


 出演は、河内家菊水丸(音頭)、三条史郎(和太鼓)、石田雄一(ギター)。
 河内音頭の基本的な構成(自己紹介・マクラ・本題)の解説を交えつつ、その流れに沿っての約 1 時間。新聞しんもん詠みで「美空ひばり物語」や、おめでたい「松づくし」など。河内音頭発祥の地、八尾は常光寺に菊水丸が自身の墓を建て、生前供養をおこなった話なども。
 菊水丸の「よんほ~ほ~いほい~」に、観客が「えんやこらせ~えどっこいせ~」と返し、おおいに盛り上がる。


 菊水丸さんのステージは初めてだったんですが、かなりおもしろかったです。この日の資料館入場者なら誰でも観られたんですが、入場整理券持参者には中西らつ子さんのイラストがデザインされた手拭いのプレゼントもあり、お得な会でした。
 終演後には菊水丸さんの CD 即売会があり、数日前に発売された新譜が飛ぶように売れてました。

河内家菊水丸
大阪府立上方演芸資料館 ワッハ上方

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ゆるりふたり こごろう・花丸の旅館落語会

2009/7/3 @あい粂旅館

  • こごろう・花丸 《対談:ふたりにおたより》
  • 桂雀五郎 「みかん屋」
  • 林家花丸 「夏の医者」
  • 桂こごろう 「崇徳院」

※ 3 ゆるり目


 天満の旅館でこごろうさんと花丸さんの二人会です。 前回 同様、今回も雨で。それでもお客さんは 50 人ほど。


 まずはこごろうと花丸で対談コーナー。こごろうが記憶力の低下を補うため日記を始めた話や、花丸が学生時代に落語研究会で芸名が海老だった話など。後輩のおもしろエピソードもいろいろ。ちょっとしたことを拾って話を広げる花丸の瞬発力が笑いを増幅。
 観客からのおたよりで「おすすめのチェーン店は?」の質問に、こごろうは かごの屋サンマルク を推薦。とくにサンマルクで焼きたてのキャラメルパンにバニラアイスをのせて食べるのがお気に入りだそう。
 そんなこんなで 25 分の予定が 50 分ほどに。

 対談の時間が延びたことを受けて、雀五郎は「私にはムリな芸当で‥‥」。さっさと「みかん屋」へ。きっちり丁寧。

 花丸の「夏の医者」は、かなりやる気のない医者がおもしろい。先方が遠いとわかると「わしゃ農家じゃ」と行くのを渋ったり「茶漬けを食べる」と引き延ばそうとしたり。こまかいクスグリも増えてて、花丸らしい味付けに。

 こごろうは男前の噺家についてのあれこれをマクラに「崇徳院」を。出入りの熊五郎の人柄の良さがあふれる。独自のクスグリもたのしく、たっぷり。サゲは「一対の夫婦ができると云う‥‥」。


 対談が長くなりましたが、それでも終始笑いが絶えず、あっと云う間でした。落語もしっかりで、会は 2 時間ちょっとになりました。充実。

 次回は 11 月の予定です。

さかいひろこ works

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