スクエア 『ラブ☆ギャラクシー ~地球を救う前に我らを救え~』

2011/5/21 @ABC ホール

脚本: 森澤匡晴
演出: 上田一軒
出演: 上田一軒、森澤匡晴、北村守、山本禎顕/牧野エミ/山口尋美(劇団赤鬼)、吉沢沙那(いるか Hotel)、坂田大地(劇団そとばこまち)

※ Vol. 28


 劇団とびっきり☆ドリーマーの公演『ラブ☆ギャラクシー ~銀河の果てから聞こえてくるメロディ~』が迫るなか、劇団内に不協和音が。‥‥

 劇団の舞台裏を描いたコメディー。登場人物のキャラが立ちまくりで、劇中劇のゆるさもたのしい。
 上っ面はあくまでもバカバカしく、内面のトゲを人としてどう納めるか、そんなドラマ。


スクエア

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wat mayhem 『桃天紅』

2011/4/30 @シアター BRAVA!

脚本: 中島らも
脚色: 中島さなえ
演出: 山内圭哉
出演: 山内圭哉、兼崎健太郎、黒川芽以、中山祐一朗、コング桑田、松村武、川下大洋、福田転球、平田敦子、JUN、椿鬼奴、シューレスジョー、ぼくもとさきこ、松尾貴史


 山内圭哉が笑殺軍団リリパットアーミーで初めて主演した思い入れのある中島らも作品を、自身のプロジェクトで再演する企画。
 開演前のアナウンスは中島らも(のものまねをする松尾貴史)。

 伝説の秘薬《桃天紅》をめぐる中華劇‥‥だが、基本的にはギャグの連続。
 劇場が扇町ミュージアムスクエアからシアター BRAVA! に変わって、初演時より芝居としてはきっちりした作りになっていたが、その分バカバカしさは薄まった印象。

 終演後にはリリパット恒例、カネテツのちくわの狂い投げも。
 さらに、主要キャストと中島さなえを交えてのアフタートークでは、故人である中島らもや桂吉朝の話も。

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カムカムミニキーナ 『水際パン屋』

2010/11/28 @ABC ホール

【カムカムミニキーナ旗揚げ 20 周年記念公演】

作・演出: 松村武
出演: 八嶋智人、松村武、藤田記子、田端玲実、長谷部洋子、中島栄治郎、佐藤恭子、元尾裕介、吉田晋一、米田弥央、亀岡孝洋、玉手みずき、篠崎祐樹、生山ヒジキ、浅見紘至、安藤有希


 初カムカム。ほぼ満席。

 かつての楽園、馬浜ばはまに建造された終身刑務所と、ほど近い場所にあるパン屋、そして白天狗。

 20 周年記念 3 部作の最終章とのことだが、単独でもストーリーの理解は可能。
 途中、代表の松村武とテレビでもおなじみの八嶋智人との掛け合い漫才のような場面があり、延々ボケる松村にとことんツッコむ八嶋。おそらくほとんどアドリブで、これはこれでおもしろいが、芝居から浮いてる感は否めない。

 人気劇団ならではの余裕と安定感。また観てみたい。


カムカムミニキーナ OFFICIAL SITE

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化石オートバイ 『スタンプラリー』

2010/9/11 @in→dependent theatre 2nd

作・演出: 山浦徹
出演: 赤星マサノリ(sunday)、片岡百萬両(ミジンコターボ)、坂口修一、行澤孝(劇団赤鬼)、山浦徹(化石オートバイ)、橋爪未萠里(劇団赤鬼/日替わりゲスト)


 寝坊して開演直後に飛び込み。

 とある街で、生死を掛けたスタンプラリーが繰り広げられる。段ボール紙製のチープな小道具と、アニメや漫画やゲームをモチーフした展開が妙にマッチ。
 あきらめずに行った甲斐のある舞台だったが、主役級の片岡百萬両がカミカミだったことだけが残念。


化石オートバイ

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劇団 M.O.P. 最終公演 『さらば八月のうた』

2010/7/17 @松下 IMP ホール

作・演出: マキノノゾミ
出演: キムラ緑子、三上市朗、小市慢太郎、林英世、酒井高陽、木下政治、奥田達士、勝平ともこ、白木三保、岡村宏懇、友久航、塩湯真弓、永滝元太郎、美輝明希、塩釜明子、神農直隆、マキノノゾミ、森下じんせい(日替わりゲスト)


 解散カウントダウン公演は観られずで、最終公演になんとか間に合う。他の興行との兼ね合いで初日に観劇。

 開演前にマキノノゾミが日替わりゲストを舞台へ招いてラジオ番組的なトークコーナー。知ってりゃ開場から来たのに。
 開演時間になると、そのまま自然な流れで本編へ。

 間もなく打ち切りとなるラジオ番組宛に数年前に寄せられたリクエスト曲にまつわる物語。現在から戦時中までさかのぼり、時代を行ったり来たり。偶然のリンクは(もしそれが現実なら)驚きだが、さほどたいしたことのない展開を、カードの切り方だけでああまでドラマチックにしてしまうマキノノゾミの手腕に感服。
 キャストの安定感は云わずもがな。パンフレットによると、やはり台本の仕上がりは遅かったようだが、それでも気になったのは 2~3 か所で台詞を噛んでたくらい。プロの役者の仕事に感服。

 満足度かなり高し。やはり M.O.P. は安心して観られる。解散が惜しまれる。


劇団 M.O.P.

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キャバレー哀歌

2010/6/4 @ABC ホール

【あの「女芸人らん子」が戻って来た!】

作・演出: 萩原芳樹
出演: メグマリコ(三女美)、桂あやめ、池山心(しましまんず)、白川悟実(テンダラー)、こっこ(三女美)、杉岡みどり、林家染雀、隼ポリン、デジタルケイタ、五十嵐サキ、宇野山和夫 with ザ・ハリケーン、かぐや


 ほぼ満席。会場には桂米團治や春野恵子の姿も。

 「女芸人らん子のブルース」三部作の前日談。舞台は昭和 42 年のとあるキャバレー。
 吉本新喜劇ほどギャグの連発でもなく、松竹新喜劇ほどお涙頂戴でもなく、独特の昭和のかおりと全体のゆるさは相変わらず。
 そんななかで光ってたのが、桂あやめのキレッぷりと、テンダラー・白川のうさん臭さ。三女美・こっこの成長にも目を見はる。林家染雀はオカマ社長と云うハマリ役。

 ちょうど 2 時間。頃合い。

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イッセー尾形の初笑い 2010 in 大阪

2010/1/9 @サンケイホールブリーゼ


 満員。チケット発売日に油断してたら 1 階席は完売で、2 階席から。

※ タイトルは勝手に命名。

徘徊
 同級生 2 人に発見された行方不明のおばさん。3 人で屋台で一杯。

カキフライ
 動きのヘンないまどきのバカ男。バイト先の飲食店でパート女性にやたら話し掛ける。「○○系?」の連発がそれっぽい。

お局さま
 吹きさらしの非常階段で一服するベテラン OL。職場を仕切りまくりで、終盤の《なりきり矢沢永吉》な様子がおかしい。

電器屋
 心電図に異常があるも換気扇の修理に呼ばれた、寝違えの電器屋。

コピーライター
 田舎で客先にダメ出しされて帰れなくなったコピーライター。事務所に電話し、部下の作ったアジア旅行向けコピーにダメ出しする場面が秀逸。

天草五郎
 お面を使って天草五郎の話を語る大道芸人。今回が第 2 回のようで、シリーズ化の様相。

ザ・マルクスズ
 再結成したバンドがスキー場でライヴ。『資本論』を読みつつアコースティックギターで弾き語り。

 着替えの前にミラーボールが回り、それぞれのキャラクターがウクレレを使って弾き語りする趣向も。楽器を使った表現に傾倒していることがうかがえる。


イッセー尾形オフィシャルサイト

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京橋花月 よる芝居 『女忍のブルース』

2009/9/15 @京橋花月

【くのいちの哀しい性。わたしは‥‥こんな里に生まれたくなかった‥‥】

脚本・演出: 萩原芳樹
出演: メグマリコ(三女美)、シルク(三女美)、こっこ(三女美)、桂あやめ、池山心(しましまんず)、藤井輝雄(しましまんず)、杉岡みどり、徳富啓太(トクトコ)、林家染雀、小沢真太郎一座、他


 キャパ 600 の会場に 400 ほどは入ってた感じ。

 これまでは昭和 40 年代の演芸界を描いてきた《ブルース》シリーズ。今回は天正 7 年(1579 年)の天正伊賀の乱をベースに、伊賀忍者の里を描く。
 基本はコメディながら、史実をベースにしたストーリーや、殺陣を盛り込んだアクションなど、なかなか気合いが感じられる。ただ、劇団☆新感線を観てると、セットや演出がチープな感は否めない。

 座長のメグマリコは今回は三の線で落ちこぼれ忍者役。女に生まれながら男として育てられた右京太役の杉岡みどりの、男から女の表情に変わる場面が秀逸。老け役の桂あやめも脇役ながら存在感あり。林家染雀が普通の男役なのもめずらしい。

 約 100 分の舞台。適度なゆるさがこのシリーズの持ち味。


京橋花月

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劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎・壊〈Punk〉 『蜉蝣峠』

2009/4/29 @梅田芸術劇場

脚本: 宮藤官九郎
演出: いのうえひでのり
出演: 古田新太、堤真一、高岡早紀、勝地涼、木村了、梶原善、粟根まこと、高田聖子、橋本じゅん、他


 この日はもともと『こごろうの会』へ行こうと思ってたんですが、うっかり寝坊して断念。のんびりと某 SNS を眺めてたら、当日の新感線の公演チケットを安く譲りますよと云う書き込みを発見し、速攻でコンタクトを取って確保しました。こんなんを「瓢箪から駒」って云うんでしょうか。
 シアター・ドラマシティは何度も行ってますが、梅田芸術劇場は初めて。席は 2 階ながら最前列で、ステージからはちょっと遠いですが、全体を見渡せるのは快適。


 物語は、まったく記憶のない闇太郎が町外れの蜉蝣峠で出会った銀之助とともに賭場で栄えるろまん街へ出て、ヤクザの抗争に巻き込まれる、と云う感じ。オープニングはコント風で、序盤はコメディ・タッチで展開するも、過去にろまん街で起こった惨事が徐々に明らかにされ、それとともに緊迫感も増してゆく。
 グイグイ引き込んでおいて最後に謎を残す第 1 幕、過去の惨事が明らかとなり現在とシンクロする第 2 幕と、とにかく脚本の良さが光る。

 古田新太が演じる闇太郎は、存在感があるようでないような、不思議な雰囲気を醸し出しているのが印象的。振り返れば、天晴(堤真一)もお泪(高岡早紀)も、何らかの過去を背負うものからはみな同様の印象を受ける。逆に立派の親分(橋本じゅん)やお寸(高田聖子)、あるいは惨事で視力を失ったがめ吉(梶原善)なんかからはアクの強い存在感が。
 閉ざされた過去の記憶や心の奥底の秘密を抱く者と、そうでない者との対比が明瞭で、そこらあたりの人物描写はお見事。
 途中、橋本じゅん、逆木圭一郎、インディ高橋の劇団員トリオが Perfume ばりのダンスを披露する場面があり、そこだけ扇町ミュージアムスクエアにタイム・スリップしたかのよう。

 舞台装置に目を向ければ、映像を使った演出はお手のもので、イメージを膨らませる効果が絶大。回り舞台を使った転換も効果的だったが、こちらはやや使い過ぎに感じられる場面も。
 なんにせよ、大きな会場だからこそできる舞台演出が芝居にマッチしてて好印象。これまでは「とにかく使ってみました」と云う印象だった派手な演出が、ようやく舞台に溶け込む頃加減になってきたよう。


 いつものように 3 時間を超える舞台となりましたが、飽きることなく最後まで集中して観られました。
 良い脚本、良い演出、良い役者が揃い、舞台装置が華を添えると云う、かなり満足度の高い芝居で、とくに今回はお値段以上の内容だと思わされました。

劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎・壊〈Punk〉『蜉蝣峠』
劇団☆新感線

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坂口修一一人芝居 『煙突―完全版』

2009/4/26 @in→dependent theatre 2nd

作・演出: 淵野尚
出演: 坂口修一


 毎週火曜日に 2 ステージの一人芝居を 1 年間つづけた『火曜日のシュウイチ』。そこで上演された「煙突」を完全版として単独上演すると云うスピンオフ企画です。
 会場の in→dependent theatre 2nd は初めてでしたが、雑居ビルの 1 階と云う立地は 1st と同様ながら、天井が少し高い感じですね。キャパは 150 くらいで、7 割ぐらい埋まった感じでした。


【鳥人伝】

 江戸時代に人力飛行を試みて死罪となった建具師・浮田幸吉。彼の生涯を小説化するため、ホテルに缶詰にされた放送作家の男。執筆そっちのけで友達をホテルへ呼び出し‥‥。

 放送作家のモノローグで進行。彼のダメッぷりが堂に入っててたのしい。テンションを上げつつ、ラストで椅子の背もたれの上に立ち上がるシーンが印象的。


【日本の食卓】

 坂口のもとへゲストが遊びにきたと云う設定での対談コーナー。この回のゲストは楠見薫。坂口は楠見が持ってきた筍御飯をほおばりながら、楠見は舞台上をうろちょろしながら。演劇を始めたきっかけや、ふたりが出会った頃の話、はたまた楠見が坂口のことを「さかちゃびん」と呼ぶようになった訳など、ゆるゆるグダグダとたっぷり。


【煙突―完全版】

 とある劇場付きの代役専門の役者、呑み込みの梅。何年かぶりに街へ帰ってきたスリの男、サッちゃん。サッちゃんを兄貴分として慕う梅だが、二人とも寄る年波には‥‥。

 老役者の昔語りがなかなかの雰囲気。ただ、二人の台詞を交互に立ち位置を変えてしゃべる場面は、どうしてもコントっぽく見えてしまう。説明台詞になっても、片一方の台詞に集約して他方の台詞(の半分くらい)は観客に想像させるような演出の方が、シリアスな場面では集中できそう。


 メインの『煙突』は、昭和の空気感が出てて舞台上の雰囲気は良かったと思うんですけど、途中でコントっぽく感じてしまい、そこがちょっと残念でした。
 逆に『鳥人伝』はモノローグで上手く構成されていて、かなり良かったです。椅子の背に立ち上がる演出もグッド。その後、なんで倒れないのか気になって仕方なかったですが。

坂口修一 Official Website
坂口修一の日記

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